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TERRA BATTLE活動劇情歸檔——復讎殘像(C路線)

一騎 | 2017-02-08 15:59:06 | 巴幣 0 | 人氣 84

這篇貼文單純是把活動〈復讎殘像/復讐残像/ Vengeful Heart〉 的日文劇情歸檔
如標題,是C路線。




(譯註:
(譯註:在第三場戰鬥,也就是第二章後半,
若是擁有道具「項鍊(ネックレス/ Necklace)」,
並且將「烏萊(ウライ/ Urai)」的HP降至約30%以下,就能進入C路線。)



お前は手を引け

…兄さん…?




お前は手を引け

突如現れた仮面の男は、
くぐもった声でクララの動作を遮った。

鈍色の刃を握る手が、ふるふると震えた。
クララの目は開かれ、理解しえない事態を
表している。



兄さん?ダグス兄さん…?

ありえない。
だって、兄さんは死んだ。

父と共に
セナーラ姫暗殺という国家を欺く
反逆行為におよび、処刑された。

…そう、聞かれていた。

「彼の身は、俺が預かる。離れていろ」

仮面の男は、抑揚のない声でそうつぶやき、
魔導の力なのか、歪みだした空間を生み出した。

その大きなうねりが
騎士ウライと仮面の男を包み込み、
そのまま何処かへ連れ去って行った。

「兄さん?」





赤の国の王、ゼルの声が轟く。

約一万の兵を見下ろして、
彼の声はいやに澄んでいた。

「我らが寵愛した、愛娘セナーラは死んだ。
我らの祈り。平和への切願。遥かなる友愛。
美しき重責をその小さな背に乗せた彼女は、
二度と我らに微笑むことはない。

この耐え難き怒りは、どこへ向けるべきか?
そう、青の国だ!奴らが殺した!
国土拡大を図り、いたいけな生命をも弄び、
いたずらに権力を求め続ける青の国によって」



「今や青の国は我らの領土を狙い、
挙兵したと聞く。

これ以上、その横暴を見逃してよいのか?
否、断じて、許されることではない!

連綿と受け継がれてきた我らの赤き血潮を今、
過去、類を見ないほどの怒りとともに
燃え上がらせるべきなのだ!

我、赤の国の王ゼルは、ここに宣言する。
天地と精霊と、そして平和を祈る民とともに、
青の国に道理と慈しみを授けるべく、
粛清せしめんことを!」

王の叫びに同調し、
兵士たちも高揚の声を轟かせる。

怒れる群衆の中で、
クララは鎧兜に身を包み、
愛すべき飛竜にまたがった。

空を見据える瞳は、暗く、揺らぐ。



「ダグス兄さん…」

クララは、誰にともなくつぶやいた。
その様子を感じた相棒の飛竜が
くおん、と心配そうな声をあげる。

すると進軍を告げる、銅鑼が鳴った。
大地を分かつように連なる、無意識の縦列進行…
そして、突拍子もなく戦いは始まった。

怒涛のように進む赤の国の兵士。
一瞬、その波に乗り遅れたクララ。
その耳元で誰かに囁かれた言葉が、
いやにクリアに響いた。

「恥を知れ、逆賊の子」
「逆賊…?」



いや、違う。
兄さんは生きていた。

兄さんは、
戻ってこなかったのではない。
戻らなかったのだ。あえて。
なぜ?

そう、やることがあったのだ。
兄さんはなにかを、果たそうとしている。
そうに違いない。

ならば、私のやるべきことは…?



(戦うフリをしろ…)

(やはり、兄さんなんですね…!)



仮面を持ち上げるその手は、たしかに兄さんのものだ。

自分が生まれてすぐに亡くなった母のかわりに、
毎朝日当たりのいい庭先で、
やさしく髪をすいてくれた繊細な指…

――――兄さん!

その胸に飛び込みたい気持をぐっと飲み込む。
ここは戦場なのだ。
今やるべきことでないと
クララの胸のうちのなにかが告げる。

それは、すべてが果たされたあとに行うべきことなのだ。

だが、クララにはどうしても抑えきれない。
一歩前に足を踏み出したその時、
ダグスがそれを感じ取り、微笑みながら
軽くクララを制した。

クララは奥歯を噛みしめ、一度目を離した兄さんへ
もう一度視線を向ける。

ダグスの表情が変わる。
静かに彼は告げた…



「セナーラ姫は生きている」

兄の言葉を一瞬クララは理解できなかった。

「犠牲になったのは影武者だ。
今は、父上がセナーラ姫を匿われているはず…」

平和パレード中の暗殺という混乱の中、
ダグスは一旦、父と別れ
セナーラが生存の報を携えて祖国に帰還した。
だが、その祖国に足を踏み入れた時には、
すべてが一変していた。

セナーラ姫は死に、父と自分が
その暗殺者として処刑されることになっていた。

何が起きているのか、情報を集めるため
舞踏会にも忍び込んだのだという。



「それで、仮面を…」
「舞踏会の機会は、まさに渡りに船だったよ。
まさか、お前がいるとは思わなかったが…」
「ウライは!?ウライは裏切り者なのでは…!?」
「彼も被害者だ」
「そんな…だって、ウライの証言さえなければ
父上や兄さんは…」
「操られていたんだよ。
彼の最期は、俺が看取らねばならなかった。
決して恨んでなどいないと、伝えなければ。
そうでなくば彼の魂が浮かばれん」
「…死んだのですか?」
「殺された。時制限の魔導毒によって。
そんな高度なことを成せるのは
この国にひとりしかいない」
「まさか…」
「そうだ、赤の魔導師、大臣エラ」
「俺は、まずエラに会って
訊かなければいけないことがある」



赤の魔導師、大臣エラ。
その力は自然の脅威から国を守り、
天候をコントロールし恵みの雨を作物に降らせ、
すべての民を潤わせてきた。
そして、セナーラ姫の導師でもあった。

「お前は王に会え。
この戦争そのものが、
王の望みだとしたら、それは…」

言いかけたところで、物音がした。
どうやら見張りが近くまで来ているらしい。

「誰も信じてはならん。信じるべきは、己だ。」

その言葉を残して、ダグスは闇に消えた。





クララは、王のテントに
足を忍ばせながら近づいていく。

居眠りや怠慢、
そしてなにより恐ろしい、裏切り。
人間の護衛隊は、本当に必要な時ほど
役に立たなくなる。

王は自らの防備を
忠実なるしもべ、魔導狼に任せていた。



王の寝床は、もぬけのからだった。

「何者だ?」

背後から声がした。
クララは「しまった」と思う間もなく、
首筋に刃の切っ先を感じ取り、固まる。

「答えよ、何者だ」

王の声には余裕が感じ取れた。
だがクララも動じない。

「セナーラ姫が生きていることを、
ご存知ですか」

王は眉間にシワを寄せ、
逡巡ののち、口を開く。

「他の者であったならば歯牙にもかけん。
だがネブラグ家の者であれば話は別だ。
貴様、何を知っている?
セナーラはどこにいる?」



クララは兄ダグスの話を伝え、この進軍を
即刻中止すべきだと強く訴えた。

だが、王に確信は訪れない。
いや、そもそもこの戦争に、
確信は必要なかったのかもしれなかった。

「衛兵が来るぞ。今すぐ、去れ。
このことはお前と私の胸にしまっておこう」

クララは闇の中へと身を翻す。
そしてあらためて思い知らされる。
理由よりも、大きなうねりが支配する…
それが戦争なのだと。





そびえ立つ青の城を、クララは見上げる。
難攻不落の城塞。
青の杖の力により、幾重にも張り巡らされた
シェルバリアが不気味な光を放っている。

そのバリアを剥くのは、赤の軍を率いる大臣エラの役目。
赤いシェルバリアが、獰猛な荒波となって
青の城へと襲いかかる。

赤の杖と青の杖。
魔界よりもたらされた双子の杖が
今この時、ぶつかり合う。
「戦争」というおぞましき行為が、
聖なる力を暴力に変え、人の死を招くフィールドを
そこに作り出そうとしている。

クララは戦線の最前に立ち
兄ダグスの姿を探していた。
大臣エラと接触したはずの兄。
果たして、なにかを得たのだろうか。



「兄さん…!?」

城の背後にひときわ高くそびえ立つ塔。
青のシェルバリアを作り出しているであろう
その塔の中で、クララは、兄ダグスと再会を果たした。

「ついてこい、
青の国に眠る『青の杖』、
それを手に入れる!」
「それで、どうなるのです?」
「エラ様のご命令だ」
「え…?」
「さあ、早くッ!!」

クララは、その雄叫びさながらの強い声に
ビクリと萎縮し、ついていかざるを得なかった。





いまや、赤と青のふたつの杖が作り出すバリアは
最大の力を撒き散らしている。

そして赤と青の兵士たちは
交錯し、殺し合いを果たし合う。

凄惨な現場は、無限の阿鼻叫喚に包まれていく。

クララはダグスの背を追い、
杖が安置されているという塔を駆け上がる。

青の杖に至る道を、一心不乱にたどっている。



「おお…これが…!」

ダグスとクララは、青の杖に辿り着いた。





ダグスは、青の杖が尊い神でもあるのように
声を震わせ、手を伸ばす。

そこへ禍々しき姿の鳥が舞い込む。
その名は、悲喰鳥。

その様を視界に捉えたダグスの口から
呪詛の如き響きを伴って、言葉が這い出た。

「邪魔を、するな…!」



ふたつの杖は最大の力を解き放つ。
輝きを増し、ぶつかりあう赤と青が混ざり合い、
力を増幅させて…
そして…絡み合い、光が螺旋を描き、
天へと昇りつめた末に、
青と赤のシェルバリアは臨界を迎えようとしていた。

砕け散ろうとする青の杖をダグスは
しっかりと握る。

「兄さん、どうしたの!?」



ダグスの目には何も映っていなかった。
無意識のフォーカス。

ダグスは、杖を抱え、
淡々とした足取りで欄干へと向かい、
手をかけ、そして…
落下した――――

「兄さん!!」





戦場は、より凄惨に移り変わる。
血で血を洗い、
同種の生命を刈り取りあう。

過去数千年において行われてきた蛮行が
いまふたたび、繰り広げられる。



赤の国は、勝利を手にした。
だが、両国の疲弊は甚だしい。

瓦礫の山に立ち尽くすクララに
伝令の兵は何かをつぶやく。

それは、赤の国の姫セナーラの名だった。
真の黒が覆う場所で、待っている、と。

だがクララはもはや
なにも考えられなかった。

兄ダグスをふたたび失った哀しみに
心に大きな穴が空いていた。




IX

そこは、
真黒の洞窟と呼ばれる場所。

人の手が及ばない、魔物の巣窟。
クララは冷たい岩肌に左手を
押し当てて、暗い道を探り探り歩く。

シンとした世界は、
抑えていた感情を、心の奥底から
冷静に呼び覚ます。

すると、何度も何度も嗚咽がこみあげた。

止まらない涙は、
憎悪と絶望を最大限に膨張させる。



宵闇の中にふたつの棺が置かれていた。
棺の中に、なにかがある。
クララは目を凝らす。

手だ。見間違えるはずがない、兄の手だ。
別の棺から伸びる何かを
しっかりと握っている。

クララは駆け寄った。

「兄さん!」



ふたつの棺には
それぞれ兄とセナーラの躯が
横たわっていた。
兄の手は、セナーラの手を握りしめていたのだ。

目覚めぬ、ふたつの永遠の眠り。
それぞれ、瞳は固く、冷たく閉じられている。

いつのまにか傍らには
赤の魔術師エラが立っていた。
嘲笑の混じった声でつぶやく。

「禁断の魔法を与えてやった…
死して、その後にふたりの望みをかなえる…」

エラは、何かを否定するかのように
結ばれた手を見る。

「それがまさか、これとはな…」




「お前の心はすでに冷え切っているな。
もはや、復讐も悲しみも
浮かんではこまい…」

エラの声が洞窟に響き渡る。

クララの憎悪と絶望は、
涙とともに完全に萎んでしまった。
大きすぎる悲しみがすべてを飲み込んだのだ。

エラが微笑む。

「では黄泉へと旅立つがよい」





そして、わずかな月日が流れた…

復讐心を抱き、
飛竜を駆ける少女の姿はもうどこにもない。

戦場の中で散ったかもしれない
ひとつの生命など、
誰も気を留めることはなかった。

劇的な勝利を手にした
赤の国王ゼルもまた、急死した。

その後、覇気を失う赤の国と
憔悴した青の国は継戦を断念。
平和条約が電撃的に調印され、
混迷を極めた時代は、平安を取り戻した。



民はなんの疑いもなく、
新たに台頭した指導者を受け入れ、
崇め、褒め称えた。

ふた振りの、奇跡の杖をもった女王エラ。

その後の彼女の統治は、
輝かしき時世であったと語り継がれている。



譯註:
初次通過此路線後便可獲得道具「幻笛(幻笛/ Illusion Flute)」,開啟D路線。

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