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日文翻譯版-流星詠嘆之詩-首部曲-序章-

山巔一寺一壺酒 | 2023-07-17 19:19:04 | 巴幣 2 | 人氣 142


 
――その流れ星を手に入れることで、美しい夢がすべて叶うとしたら、何を願う?
……それとも、そのために奪い合う決意をする?
 
 
火のような赤い流れ星が夜空を翔け抜け、闇を切り裂き、果てしなく空に広がっていった。ここには輝く星座も、遠い銀河も存在せず、ただ2つの明るい月が天空に高くかかっていた。
なぜ空は無数の流れ星をこの世界に降り注ぐのだろうか? 人々はかつて、それは神々の啓示だと言いた。
災厄が迫るたび、それらは紅い光を放って降り注ぎ、流れ星でありながら流れ星でなく、まるで嵐の中の雷光のようだった。
ある者はこれらの空からの流れ星を手に入れれば世界を支配できると言いた。
ある者は空からの流れ星が愛する人を生き返させると言いた。
そして賢者たちは、空からの流れ星が永遠の繁栄と平和をもたらすと語った。
しかし、それがどこから来たのか、一体何なのかは誰も知らない。
 
 
 
 
 
「流れ星……おい!ほら!流れ星だ!」少年は弧を描いて一瞬に消える光を指さし、興奮して叫びながら飛び跳ねた。
流れ星が夜空を駆け抜け、まるで少年の呼びかけに応えるかのように、真っ赤に輝きを放ってきらめいた。
少年は内心の興奮を抑えきれず、背後の少女振り返って見つめ、思わず声を上げた。「本に書かれている通りだ!120年、流れ星が降る周期は本当に120年だ!」
 
「ねえ、グウィニスさん、見てください!僕は正しいですよね?」
 
「そうよ、あなたの言う通り。前回から120年も経ったな……」少女は手に持つ紅茶を軽く啜り、彼と一緒に草地に座って夜空を見上げた。「これが伝説の流れ星なの?」
 
少女は純白のワンピースドレスを着ており、輝く金色の長い髪が腰に垂れ下がっていた。騎士学校の休暇中、時々この村に戻ってきて、彼と一緒に過ごした。彼は数少ない友人の一人であるため、少女は彼と過ごす時間をとても楽しんでいた。平日の抑圧的な生活から逃れられるのは今だけだった。
 
「はい、伝説の流れ星です」少年は落ちてくる深紅の流れ星を見上げ、その景色をたびたび称賛した。「流れ星たちは輝くルビーで、神からの贈り物なんだと言われています……人々を狂わせるけど、同時にすべての生き物に幸せをもたらします」。
 
「同時に災厄と不幸も招くわ」少女はカップカバーを軽く閉じ、淡々とした口調で少年に答えた。「だれもこのような貴重な機会を逃すわけにはいかないと思うからこそ、争奪と戦争、混乱と戦火が巻き起こることだ」。
 
得難い奇観が目の前にあっても、彼女の表情には一切の喜びが感じらなかった。
 
細長いまつ毛は下がり、その眼差しは暗く静かで、長い金色の髪が地に垂れ、深く優雅なため息と完璧に調和していた。
 
「今夜の景色は一生忘れない」少女は穏やかな口調で言い、彼に礼儀正しい微笑みを向けた。「招待してくれて、ありがとう、ノエル」。
 
「いいえ、とんでもないです!光栄です、グウィニスさん。次回もぜひお越しください。きっともっと素敵で、忘れられない誕生日プレゼントを必ず用意します!」ノエルという少年は輝く笑顔で言い、丁寧に両手を差し伸べ、一緒に夜空の果てに向かって行き、最後のワルツを楽しくと少女を誘った。「それで、どうか……どうか……」
 
しかし、再び振り返ると、グウィニスの姿はどこにもなかった。
流れ星は依然として真っ赤で、夜空は漆黒だったが、そこには少女の姿はなく、代わりに馬に乗った漆黒の騎士だった。
男は片手に綱を握り、もう一方の手に特異な形状の大きな斧を持ち上げ、粗野な腕には大小のひどい傷跡に覆われ、後ろには闇の軍隊を率いて緩やかに近づいてきた。
 
「時間だ、坊や」男は馬の上から少年をちらっと見て、ゆっくりと息を吐き出した。「もう行く時間だぞ、ここから出て行け」。
 
少年はこの男の伝説を聞いたことがある。
男は刀傷の跡だらけの漆黒の鎧を着ており、それらの傷痕は彼が数え切れない戦闘を経て得た栄誉の証だった。風になびく黒いマントには火の長剣の紋章が刺繍され、彼の出自を物語っていた。そして、肩にかけられたその独特の大斧は、絶対的な力を崇める象徴だった。
そう、その札付きの暗黒の戦士、彼は狂風の中のリーゼガー ベアだった。
彼の出現は何か良い兆しではなく、なぜなら、この軍団は破壊と死をもたらすだけであり、それが少年を不安と恐怖に陥れた。
 
「出て行け? ここは僕を育ててくれた村だ。お前たち悪魔どもがここに何しに来たのか?」彼は叫んだが、その行為が無駄だと自覚していた。心の中では無駄だと分かっているも、彼は手を乱雑に振りながら前方に向かって叫んだ。
 
「何をしている? お前はどれくらいここに留まるんだい?」漆黒の戦士は馬を前に進めながら、手に持っている鋭利な斧を高く掲げ、彼の首を狙った。「忘れたのか? お前にはもっと大事なことがある。その空からの流れ星を見つけ、過去を取り戻すまで、長い旅を続けなければならないんだ」。
 
戦士は手に持っている巨大な斧を軽く振り、少年に前に進むよう示した。「ここにはお前の家も村もない。この光景は単なる夢と砕けた記憶の結びつきで、本当の過去ではなく、また単なる夢でもない」。
 
「さあ、坊や……まだ何をためらっている?」戦士は再び彼に手を振った。
 
「いいえ」戦士の予想と違って、少年は頭を振り、二歩後ずさりした。「これはあまりにも奇妙すぎる。首を斬られるつもりはない。僕はお前の命令に従うことではなく、夢から抜け出す他の方法を見つける」。
 
「それは本当に残念だ、少年」少年の答えを聞いて、戦士の表情は急速に変わった。反応を待つ間もなく、軍馬は少年に向かって狂ったように突進し、高く肩に掲げた戦斧と共に嘶いた。
もちろん、少年はただ座って死を待つつもりはなかった。彼は振り返ることなく猛然と走り、風が耳元に響き、足元の草を飛ばしながら、風に乗って滑るように速く走って、誰も彼の速さに追いつけならなかった。この瞬間、彼は自分が漆黒の死神から逃れられるかもしれないという奇妙な幻想を抱いた。
 
しかし、少年はすぐにその考えがどれほど甘いものであるかに気づいた——追いかける敵が消えたわけではなく、最初の漆黒の戦士はずっと前に姿を消したが、黒いマントをまとった謎の少女が彼の代わりになっていた。
 
「え? 本当にそう思うの?」少女は素早くノエルの横に追いつき、手が巧みに彼女の腰を触り、明るい銀の短剣を引き抜き、挑発的に微笑みかけながら尋ねた。「本当に自分がスムーズに逃げ切れると思っているの? 坊や?」
 
「くそっ、君一体誰だ? 何を企んでいる?」少年は歯を食いしばって足を速めようとした。しかし、いくら頑張っても、彼女より速く走ることはできなかった。「もうついてこないでくれ、君の助けはいらない、自分で夢から脱出できる!」
 
「いいえ、できないのよ」少女はきっぱりと言い切り、怪しい笑みが浮かべ、次に一瞬で跳び上がり、両腕を猫が小鳥を捉えるように掴み、一気に彼を地面に制圧した。「なぜなら、夢から脱出する方法はただ1つ……私を倒すことなの」。
 
「ハハー、君を倒す? 君は誰なんだ?」
 
「ふーん」と少女は冷たく鼻を鳴らして、少年の首にさらっと短剣を差し掛けた。「私は誰? 私は君の故郷を焼き尽くし、すべてを奪い、家族を殺した最も邪悪な存在なの」。
 
「はぁ……何言ってるのか分からない」少年は大きく息を吸いながら必死にもがき、背中に跨った少女から逃げようとした。「僕の故郷はここにあって、友達も家族もここにいるんだ!」
 
「いいえ、彼らはもういない。君もよく知っているはず」少女は自慢げな表情で必死に抵抗する少年を見下ろし、首を横振って溜め息をつきた。「誰も運命に逆らうことはできない。ここでも例外ではないの」。
 
「存在しないって? 定められた運命?……ハハー君が言っていることが全て本当だとしても、僕は屈しない。どんなくだらない運命であろうと、君たち悪魔がどんなに必死に追いかけるとしても、僕は最後まで抵抗し続ける!」少年は断固とした表情で言い切り、恐れずに、はっきりと力強く口から出る一言一句が明瞭で、一切の勝利の機会を持っていないにもかかわらず、慈悲を乞う様子はまったくなかった。
 
ノエルの反応があまりにも面白かったのか、あるいは気まぐれからなのか、少女は少し興味を示し、静かに口角を上げた。「ふん、面白いひとわ。ねぇ、名前を教えて」。
 
「へへ……知りたいか?」少年は彼女の背後を向け、目に狂気の光が輝いた。突然、相手の怠惰に乗じて彼女が手を離した隙に、ノエルは激しく後ろの縛りを解こうともがき、目の前にいる白く柔らかい掌を強く噛みつき、少女を痛がらせ、高い叫び声を上げ、苦痛の表情で武器を手から離させた。「よく聞け、ノエル、パルトロウ家のノエル、ノエル・パルトロウが僕の名前だ!」
 
少女はまるで驚いた野良猫のように、怯えた表情でノエルから飛び跳ね、血まみれの掌を怒りに握り締めて、そして煙のように瞬時にノエルの視界から消え去った。それから、すべては再び静寂に戻り、グウィニス、闇の戦士だけでなく、少女の姿も消え去った。少年の頭上の空は再び赤く輝き、まるで猛烈な炎のようで、赤い流れ星と一緒に落ちてきた。
 
「そうか? あなたも運命に抗うつもり? 空からの流れ星に抗う悲劇的な運命……」ノエルは息を呑み、胸を張って直立し、疲れて赤い空を眺めた。その耳に、少女の声が突如として響き渡り、見知らぬが懐かしい、遠くても澄んだ声だった。「さあ、自分の意志に従って、懸命に生きていけ。その無邪気さと無知に別れを告げて、虹の向こう側を歩いて行て。今日のすべてを覚えておけ、私を憎んで、私の姿を追い求めて、復讐せよ」。
 
「おい!何を言いたいの? 復讐? 虹の向こう側? その話はまったく意味がない!」
 
血のように赤い炎は依然として燃え続け、夜空を貪欲に飲み込んでいた。
流れ星が降り続け、南風が吹き続け、少年は目を開けるのが難しくなった。彼の瞼はますます重くなり、視界も徐々にぼやけていき、最後には一筋の光の輝きさえ見ることができなくなった。
 
「もう時間がないみたい。よく聞いて、一度だけ言うね」と、少年は夢から覚める前に少女の最後のささやき声を聞いた。「ノエル、導きの声をよく聞いてください。伝説が君に道を示してくれる、そして……私たちは再び出会うでしょう」。
 
「……私の戦士」
 
最後、闇がついに少年を飲み込んだ。
夢は彼の足場を奪い、やがて少年の叫び声も聞こえなくなるまで、容赦なく彼を底知れぬ暗黒の淵に引きずり込んだ。
 
 
 
 
「――はぁ!はぁ、はぁ!夢だ……」ノエルは悪夢から逃れ、恐怖に満ちた顔で座り上がって、大きな息をつきた。
 
汗が彼のシャツを濡らし、大きな玉のような汗が額の前の黒い髪に垂れ、薄い灰色の毛布に汗のシミが点々と広がって、まるで本当の追跡の冒険を終えたかのようだった。
 
「……夢か、よかった、ただの夢だったんだな」彼はしばらく両目をこすり、呼吸が安定するのを待ってから、それからゆっくりと毛布から抜け出し、暖かく燃え盛るキャンプファイヤーに歩み寄った。
 
少年はキャンプ場を見回した――ホルンは相変わらず涎を垂らし、独特の奇妙なポーズでぐっすり眠っていて、時折寝言で何かを呟いていた。たとえば、「くそったれのデスティニー、お前のおしゃべりには我慢できない。黙ってくれないの?」とか、「グウィネフ、俺の弓矢をどこに隠したんだ? 俺の短弓はどこだ?」とか。
 
もちろん、この「良い夢」が進むにつれて、ホルンの肩にかかる茶色の髪の毛もいくらかの白いよだれを浴びてしまい、再び身なりを整える必要があるだろう。高貴で清潔好きなレンジャーであると自慢しているから。
キャンプファイヤーはパチパチと跳ね続けて、時には沈み、時には踊るように燃えさかり、時には勢いを増して、グウィネフの白い横顔に迫った。少女は肩にかかる茶赤いショートヘアをしており、快適で実用のためか、普段は後ろ髪をポニーテールにまとめ、賢く洗練された姿をしている。
しかし、今の彼女はただおとなしい少女で、いつものようにデスティニーの毛布にくるまり、デスティニーにぴったりと寄りかかり、彼女の腕の中でぐっすり眠っていた。他の人から見れば、彼女たちは祖母と孫のように見える——血縁関係がないにもかかわらず。
ノエルは寝ている可愛い少女を一瞥し、静かにキャンプ場の外の渓谷に向かって歩いていた。この悪夢はあまりにもリアルで重すぎた。頭がもうすっきりしたから、再び眠ることができなくて、おそらく小川で顔を洗う方が良い選択かもしらないだ。
 
「伝説があなたに道を示すってなんだ?」
 
首を横に振った。
もうだめだ、一体何なんだよ。
ただの悪夢であり、夢の本質はセンスも論理もないもので、その合理性を考える必要もないだ。
 
「おっ、目が覚めた?」小川の近くに停また馬車のそばに、夜回りの傭兵が立っていた。彼は坊主頭で眉毛がなく、いくぶん親しみやすい顔つきのブリエンだった。
彼は馬車の後ろに両手で寄りかかり、驚いたように目を丸くしていた。「いつも一番寝坊をする奴が、今日は誰よりも早く起きているんだって、どうした?」
ここでは、数々の戦闘を経験し、最も経験豊富なブリエンがリーダーだ。少なくとも、今のところ、キャンプ内の全ての傭兵は、最高指導者が到着するまで彼の命令に従わなければならない。
 
「いいえ、単に悪夢を見ただけです。クソ悪夢だったんです」ノエルは苦笑いして小川に歩み寄り、渓流から一掬いの冷たい水を掬い上げた。
山中の渓水は痛いほど冷たく、少年に現実にいることをはっきり思い知らせた。
彼は水中に頭を突っ込み、「ハハー」と頭を上げ、髪についた水滴をしっかり振り払った。
 
「おい、これ」ノエルはタオルを受け取り、迅速に髪を乾かし、気持ちよさそうに頭を振った。
 
「ブリエン兄さん」ノエルは頬を拭きながら、中年男性に向かって歩み寄った——彼はゆったりとパイプをくわえて立っており、時折、遠くないところにあって、消えていない明かりを見上げていた。「どうしたの? このパイプを吸うつもりなら、断るぞ」。
 
「いや、そんなことはないです」ノエルは軽快にタオルを絞り、つま先立ちで彼の坊主頭を軽く叩いてつぶやいた。「単に気になるだけど、どうして兄さんの頭はいつもそんなにつるつるしていますか」。
 
「バカ、それは俺のスタイルだぞ」ブリエンは不機嫌そうに彼を睨みつけ、すぐに少年の耳をつかんで、タオルを馬車に投げ飛ばした。「今日はお前が一番早く起きたから、後でまだ寝ている怠け者たちを起こすのを忘れずに、できるだけ早くフォスター教会へ向かう準備を整えさせてくれ!」
 
「ああ、ああっ!はい、はい、ブリエン様、耳が引き裂かれそうでしたよ!」ノエルは痛みに耐えながら誇張した表情で耳を押さえ、彼と一緒に、鶏の鳴き声の聞こえる山の村を振り返した。そして、一日の始まり——眩しい金色の朝日が雲と霧と共に散り、薄暗い夜空を追い払い、再びこの大地を照らした。
 
ブリエンは胸の前で手を組み、口にくわえたパイプを深く吸い込み、目を細めて眩い金色の朝日を眺めて、白い煙を吐き出した。「バカだな、長い見張りの任務が終わるたび、一番楽しみにしているのがこの瞬間だ」。
 
「え? どうしてですか」ノエルは困惑した表情で見た。「朝日の光が兄さんの坊主頭をより魅力的に見せるんですか」。
 
ブリエンは不機嫌そうの表情で白眼を向いて少年をじろりと見て、そして、パイプを上げて軽く二度叩き、歪んだ笑顔で首を横に振った。「ノエル、時々、お前の頭が誰かにぶつかって壊されたのではないかと本気で思うんだ」。
 
「え?」
 
「太陽が再び大地を照らすたび、俺たちが流れ星に一歩近づいたということだ」ブリエンは手を振り、前方の長い馬車に向かってまっすぐ歩いた。「おそらく、俺たちの願いがもうすぐ叶うかもしれないんだよ」。
 
「俺たちの願い……そうですね」朝光が彼のハンサムな顔に降り注ぎ、少年は目を細めざるを得ず、指で額を覆い、飛び去った灰鷹を指の隙間から見つめた。
 
灰鷹は両翼を広げて、高く飛んでいった。
彼は天空へと上昇し、ますます小さく見える渓澗の小川を見下ろして、見渡す限り白い山脈と森が高く聳え立ち、さらに遠くに賑やかな町が広がっていた。
空を舞う灰鷹は輝く太陽に向かって飛び去り、その鋭い鷹の目は雲に覆われた聳え立つ山の崖と、下に広がる果てしない大地を見下ろしていた。風に押されて、朝日の光に照らされて、彼の両翼は穏やかで、その目は鋭くしっかりしていた。
そして、彼は遠くの見えにくい白い点になるまで滑空を続けた。
 
「願いを叶える空からの流れ星は、もうすぐ失ったものをすべて取り戻させるんだ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
The Legend of the meteor……

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