六月二十三日。
雷梧率領部隊疾馳,來到了名符其實陷入無政府狀態的長安。
「孫孝哲將軍,我是雷梧。剛剛抵達。」
他進入燕軍佔領的長安宮殿,前來問候。他真正想做的是立刻前往西市。
孫孝哲看起來心情不錯。
「哦,傳聞中的少年將領啊。恭喜,長安已落入我們手中。」
「是的。我該做什麼?」
他公式化地回答。如果重要局面已經結束,現在他不想接受任務。
孫孝哲大笑起來。
「現在的長安,要做的事情只有一件。……從現在開始,為了讓唐朝人不再固執,要讓他們見識大燕帝國的可怕。明白嗎?」
笑容已轉變為瘋狂的笑意。
殺戮、強暴、掠奪。
他臉上的每一條皺紋都在傳達這樣的信息。他本人似乎也打算去掠奪,正在換上輕便的裝備。
結果,大家都一樣。
既然如此。
「……明白了。」
「過段時間,會分配你去捕捉唐朝官員和宮女,送往洛陽的任務。要讓他們在燕國首都工作。」
孫孝哲像是突然想起般補充道。
雷梧離開了大營。
總之,現在可以去尋找那對姐妹了。
全身感到一陣躁動。
他強行壓制這種感覺,返回在街道旁草原上等待的部隊。
宇文平、費賢登和縻刻三人率領士兵整齊地站立著。
「雷將軍,工作安排如何?」
宇文平問道。
雷梧頓時焦慮起來。一直以來都在禁止這種行為,現在無法堂堂正正地去尋找那對姐妹。
他抬手擋在前額,像是遮擋陽光,試圖掩飾苦澀的表情。
「啊,我們得到休假。可以自由行動。」
「但是,我們又要……」
宇文平等人相視苦笑,但雷梧抬手制止了他們。
「不,今天可以。但不要做得太過分。百姓是無辜的。」
「真少見啊。居然不禁止。」
宇文平略顯驚訝。
(日文原文)
六月二十三日。
雷梧は部隊を疾駆させ、文字どおり無政府状態になっている長安にやってきた。
「孫孝哲将軍、雷梧です。只今到着しました」
燕軍が占拠した長安宮殿に入り、挨拶する。本当はすぐにでも、西の市場に向かいたい。
孫孝哲は、機嫌が良いようだった。
「おう、噂に高い少年将だな。喜べ、長安は我々の手に落ちたぞ」
「はい。私は何をすれば」
棒読みな返事をした。重要な局面が終わったのなら、今は仕事をもらいたくない。
孫孝哲が、大きく笑った。
「今の長安で、やることといったら一つだろう。……これから先、唐の人間がつまらん意地を張らぬよう、大燕帝国の恐ろしさを思い知らせてやるのだ。わかるな?」
笑顔は、狂気の笑みに替わっていた。
殺し、犯し、略奪せよ。
顔の皺一本一本が、そう告げていた。彼自身も略奪に行く気らしく、軽い装備に着替えている。
結局、みんな一緒なのだ。
ならば。
「……わかりました」
「そのうち、唐の官僚や宮女を捕らえて、洛陽に送る任務をまわす。燕国の首都で働かせるんだ」
孫孝哲が、思い出したように付け加えた。
雷梧は本営を出た。
とにかく、これで姉妹を捜しに行ける。
全身がざわざわしてきた。
それを無理に抑え、街道脇の草原に待たせていた部隊のところに戻る。
宇文平、費賢登、縻刻の三人が兵を揃え、立っていた。
「雷将軍、それで仕事は?」
宇文平が尋ねる。
雷梧は、途端に焦った。今まで禁じてきた手前、堂々と姉妹を捜しには行けない。
苦い表情を隠そうと、日除けのように手をかざした。
「ああ、休みをもらえた。好きにしていいそうだ」
「でも、また我々は……」
顔を見合わせて苦笑する宇文平たちを、しかし雷梧は手で制した。
「いや、今日はいいだろう。でも余りひどい事はするなよ。民に罪はない」
「珍しいですね。禁止しないなんて」
宇文平が軽く驚いた。