翌晨,雷梧跟隨崔乾祐向北移動。渡過黃河,藏身於一片廣闊的森林中等待。
到了辰時(上午八時),哥舒翰方面發起了進攻。戰事在潼關東部、靈寶西原展開。
「讓唐軍盡情進攻。要讓他們以為自己佔了上風。」
崔乾祐臉上掛著從容的笑容。多虧在他身邊,雷梧得以詳細了解戰況。
不久,傳來唐軍先鋒王思禮率領五萬大軍進攻的報告。
崔乾祐故意讓燕軍撤退,引誘對方乘勢追擊。
「好。把王思禮引入隘路。」
崔乾祐事先已在山頂部署了伏兵。當王思禮的軍隊被引入狹窄的道路時,伏兵向下投擲巨石和圓木。
不久後,傳令兵來報,稱敵軍已陷入大混亂。
「時機到了。雷梧,出動騎兵。」
突然被下令的雷梧驚訝地說:
「確實是個好機會,但從這裡出發是不是太遠了?」
「目標不是王思禮,而是哥舒翰。他應該想不到自己會遭到攻擊。」
看來崔乾祐從一開始就知道哥舒翰的位置。雷梧明白後,整頓部隊,衝出森林。
果然,剛越過森林就看到了哥舒翰的軍旗。雷梧向全軍發出衝鋒的信號,朝著那個方向進攻。
然而哥舒翰的軍隊雖然驚訝,卻迅速左右分開。隨後,伴隨著如雷鳴般的巨響,一個龐然大物奔馳而來。
那是一輛看起來宛如魔獸的巨大戰車。駕者操縱著四匹披甲戰馬,車上載著執戟手和弓手。車身突出無數刀刃,還披掛著繪有龍虎的織物。
「那是什麼?數量還不少。」
雷梧大為驚駭。戰車接連出現,斬殺、撞飛燕軍士兵。
「這就是傳聞中的『氈車』啊。真是一件不惜工本打造的可怕兵器。」
宇文平用驚嘆的語氣解釋道。
(日文原文)
翌朝、雷梧は崔乾祐に従い、北へと移動した。黄河を渡り、広い森に隠れて待機する。
辰の刻(午前八時)になると、哥舒翰の方から攻撃を開始してきた。潼関の東、霊宝の西原での開戦である。
「唐軍には存分に攻めさせろ。自分たちは強いんだと思わせてやれ」
崔乾祐は、余裕の笑みを浮かべている。彼のそばにいるおかげで、雷梧は戦況を詳しく知ることができた。
やがて唐軍の先鋒・王思礼が五万の兵で攻めて来たという報告が届く。
崔乾祐は、燕軍をわざと逃げさせ、勢いに乗って追い込ませるよう仕向けた。
「よし。王思礼を隘路に誘え」
崔乾祐はあらかじめ、山頂に伏兵を配置していた。狭い道に誘い込んだ王思礼の軍に、巨石や丸太を投下させる。
やがて伝令が来て、相手は大混乱に陥っていると告げた。
「今だ。雷梧、騎兵を出せ」
突然命じられた雷梧は、驚いて言う。
「確かに好機ですが、ここからでは遠すぎませんか」
「王思礼ではない、討つのは哥舒翰だ。自分が攻撃されるとは思っていまい」
崔乾祐は始めから、哥舒翰の居場所を知っていたらしい。了解した雷梧は、隊を整え、森を飛び出した。
確かに、森を越えるとすぐ、哥舒翰の軍旗が見える。それを目指し、雷梧は全軍に突進の合図をした。
しかし哥舒翰の軍は、驚きながらも兵を左右に開く。次に、雷鳴のような大音と共に、大きな何かが走って来た。
魔獣かと見紛う、巨大な戦車。四頭の鎧馬を御者が操り、戟手と弓手を乗せている。車体からは無数の刃が突き出し、竜虎を描いた織物を纏っていた。
「何だあれは。いっぱいいるぞ」
雷梧は驚いた。戦車は続々と現れ、燕軍の兵を斬り、跳ね飛ばす。
「噂に聞いた『氈車』ですね。金に物を言わせた、えげつない兵器ですよ」
宇文平が、呆れた声で解説した。