第二天,雷梧被安祿山召見,詢問哥舒翰的心境。
「是嗎。不愧是哥舒翰,竟然看穿了我們的意圖。」
聽完匯報,安祿山冷笑道。
如此巨大的變化,讓雷梧不寒而慄。
「那麼果然是想利用那位大人嗎?」
一道不悅的目光投來。
「還能怎樣?那傢伙的名聲可以利用,僅此而已。……好了雷梧,你去刑場吧。」
「刑場?」
突如其來的命令讓他驚訝地問道。
「聽說你差點被火抜歸仁殺死。行刑已經安排好了。你去砍下他的頭。」
時間近乎正午。
馬軍練習場邊緣的刑場已經聚集了不少人。全都是燕軍士兵。行刑台周圍用高柵欄隔開。
雷梧讓警衛打開柵欄,走向行刑台。
火抜歸仁在那裡。他的頭被按在腰高的台子上。
「雷將軍,您來得真早。觀眾實在太吵了。」
宇文平站在一旁,緊緊抓著綁住火抜歸仁的繩子。
雷梧感到猶豫不決。他害怕承受火抜歸仁的全部怨恨。但要救他似乎也會留下禍根。
「動手吧。他已經瘋了。」
雷梧驚訝地俯身察看火抜歸仁的臉。他目光渙散,口涎直流,喃喃自語著。
「我不想死。不想死啊……」
同情之心油然而生。他從得意忘形突然跌入絕望。換作是誰恐怕都無法保持清醒。
雷梧想要結束他的痛苦,拔出了劍。但宇文平說道:
「這裡有個正合適的東西。」
他遞來一把青銅打造的粗大匕首。那正是雷梧永遠不會忘記的,火抜歸仁的武器。何等諷刺。
雷梧接過匕首,對準他的脖子揮下。
人頭應聲落地。
燕軍士兵們一片嘩然。
(日文原文)
翌日、雷梧は安禄山に呼び出され、哥舒翰の心境を聞かれた。
「そうか。さすが哥舒翰、こちらの手の内は読んでいたか」
話を聞いて、安禄山は冷笑する。
あまりの変貌に、雷梧はぞっとした。
「ではやはり、あの方を利用しようと?」
じろりと、機嫌の悪そうな目が来た。
「他にあるか? 奴の声は使える、それだけだ。……もういい雷梧、お前は刑場へ行け」
「刑場へ?」
急な命令に、驚いて聞き返す。
「火抜帰仁に、殺されかけたそうだな。刑は待たせてある。お前が首を刎ねてこい」
時刻はほぼ正午。
馬軍練習場はずれにある刑場は、かなりの人だかりになっていた。燕兵ばかりである。処刑台の周囲は、高い柵で隔離してあった。
雷梧は警護兵に柵を開けさせ、台へ向かう。
火抜帰仁がいた。腰の高さの台に、頭を載せられている。
「雷将軍、お早く。観客がうるさくて」
脇には、宇文平が立っていた。火抜帰仁を縛った縄をしっかりと持っている。
雷梧は、気が進まなかった。火抜帰仁の恨みを一身に受けるのが怖い。かといって、助ける事も禍根になりそうである。
「やりましょう。もう、狂っちまってます」
驚き、火抜帰仁の顔をのぞき込んだ。目は焦点が合わず、涎を垂らし、何か言っている。
「死にたくない。シニタクナイ……」
同情が沸いた。有頂天から突然、絶望へ叩き落とされたのだ。誰だって正気ではいられないだろう。
雷梧は、苦しみを止めてやりたくて剣を抜く。しかし、宇文平が言った。
「ちょうどいいものがありますよ」
熟銅の、ごつい匕首が差し出された。忘れもしない、火抜帰仁自身の得物である。何とも皮肉だった。
雷梧は受け取り、項を狙って振る。
すとんと、首が落ちた。
燕兵たちがどよめく。