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文庫02附錄番外篇

作者:SPT草包│2020-02-20 17:33:10│巴幣:106│人氣:765
魔導具師ダリヤはうつむかない
魔導具師妲莉雅不會低頭
作者:甘岸久弥
父と娘の魔導具開発記録~防水布~
父與女的魔導具開發紀錄~防水布~

「ダリヤ……って、寝てるのか」
「妲莉雅……哎,睡著了嗎」
 カルロは作業場で寝落ち、よく娘に叱られる。だが、今日は当の娘が作業台に突っ伏していた。
 卡爾羅在工作區睡著,經常被女兒責罵。但是,今天女兒本人卻趴在工作臺上。
 作業台の上にあるのは、大きな白い布と、青と緑の粉末の入った瓶だ。中身は、ブルースライムとグリーンスライムの粉末である。
 在工作臺上的是,大大的白布與、裝入藍色與綠色的粉末的瓶子。裡面是藍史萊姆與綠史萊姆的粉末。
 吸い込まないか心配になったので、開いていたガラス瓶の蓋をそっとしめた。
 因會擔心會不會被吸進去,把打開的玻璃瓶蓋子輕輕的關上。

 ここしばらく、ダリヤはスライムを付与素材とし、防水効果のある布を作ろうとしている。
 妲莉雅這段時間把史萊姆當作賦予素材,正打算要製作有防水效果的布。
 しかし、なかなかうまくいかないようだ。
 不過,似乎相當不順利。
 魔導具制作で、魔力の弱いスライムを付与素材にするということ自体、あまり聞かない。
 在魔導具製作上,把魔力弱的史萊姆當作賦予素材這件事本身,不曾聽聞。
 スライムに関する研究文献を探しても、学院の図書館にも本屋にもあまりない。
 就算尋找有關史萊姆的研究文獻,不論是在學院的圖書館還是在書店裡都不怎麼多。
 冒険者ギルドにスライムを注文したときは首を傾げられ、最初に届いたスライムは泥だらけで、鮮度が悪く、異臭がしていた。スライムの種類も数も、なかなかそろわなかった。
 在冒險者公會訂購史萊姆的時候被感到不解,最初被送到的史萊姆全身都是泥,且新鮮度很差,散發著異味。史萊姆的種類與數量都相當湊不齊。
 その後も瓶に入れていた半死のブルースライムに脱走されたり、屋上に干していたグリーンスライムを鳥に持っていかれたり、雨が続いて腐らせたりと、トラブルは山のように起きている。
 那之後也又是被放進瓶子裡的半死藍史萊姆逃脫,又是被鳥把正在屋頂上曬乾的綠史萊姆帶走,又是連續下雨讓其腐爛了的麻煩推積如山般的發生著。
 そして、危険もあった。
 然後,也有危險。
 スライムを粉にする作業で咳が止まらなくなったときは、問答無用でポーションを飲ませた。
 因把史萊姆磨成粉的作業而咳嗽不止的時候,不容分說的讓她喝了回復藥。
 おそらくはレッドスライムの粉で喉を傷めたのだろう、そうなると声帯も危ない。だが、本人はたいしたことがないのに高いポーションを飲まされたと、不満そうだった。
 喉嚨很有可能會因紅史萊姆的粉末而損傷吧,那樣的話聲帶就危險了。但是,本人似乎不滿於明明沒有什麼大不了的事卻讓她喝下昂貴的回復藥。
 生き残っていたブラックスライムに向かってこられたときは、父としての威厳を保ち、あっさり倒したふりをしたが、実のところ肝が冷えまくった。
 被倖存下來的黑史萊姆面對的時候,雖假裝保持作為父親的威嚴、輕易的打倒了,但實際上卻嚇破膽了。
 だが、我が娘は研究と試作をあきらめない。途中でやめることなど欠片も考えない。
 但是,我女兒沒有放棄研究與試作。在途中不幹的事之類一點都不曾考慮過。
 少々とろく、対人では引っ込み思案なところもあるが、魔導具師としては革新的挑戦者である。
 雖然稍微笨手笨腳、在對人上也有消極憂慮的地方,但作為魔導具師是革新的挑戰者。
 別の言い方をすれば、向こう見ずで危ないとも言う。
 換句話來說的話,也能說是魯莽且危險。
 誰に似たのかは自分が一番わかっているので、止めるに止められない。まったく困ったものだ。
 由於自己最清楚是像誰呢,要阻止也阻止不了。真是讓人傷透腦筋。

 「ダリヤ、ダリヤ……」
 「妲莉雅、妲莉雅……」
 軽く声をかけ、娘の肩を少し揺らしてみたが反応がない。思いのほか眠りが深いらしい。
 輕輕搭話,稍微試著搖一搖女兒的肩膀但沒有反應。出乎意料的似乎睡得很沉。
 十年ほど前までは、眠る娘を抱き上げて部屋まで運び、ベッドに寝かしつけもした。しかし、白髪の方が多くなった自分には、高等学院生の娘を運べる体力と気合いはない。
 直到十年前左右,也作過抱起睡著的女兒搬到房間,讓她睡到床上。可是,對白髮變多的自己,沒有搬運高等學院學生女兒的體力與氣勢。
 幸い、今の時期は暖かい。カルロはあきらめて、ダリヤに自分の上着をかけた。
 幸好,現在的時期很暖和。卡爾羅放棄了,把自己的外套披到妲莉雅上。
 上着をかけた瞬間、みしりと右手首の関節が痛んだ。このところの無理がたたったか、また関節炎を起こしているらしい。
 披上外套的瞬間,右手腕的關節隱隱作痛。是最近勞累過度嗎,似乎又引發了關節炎。
 最近は少しばかり動悸も増えた。飲みすぎと年のせいだろう。
 最近心悸也些許增加了。喝過頭與年紀的關係吧。

 昔、同じサイズの上着でくるむことのできた『ちっちゃなダリヤ』は、ずいぶん大きくなった。
 以前,能用同樣尺寸的外套包裹的『小小的妲莉雅』,長得相當大了。
 五歳から魔導具師の勉強を始め、魔石や魔石図鑑を好んでいた。早くから魔導具を作り出そうとし、二人で魔導具を開発したこともある。
 從五歲就開始魔導具師的學習,很喜歡魔石及魔石圖鑑。很早就開始創造出魔導具,也有兩個人開發魔導具的事。
 初等学院からメイドに教わって料理を始め、なかなか個性的な料理を作りはじめた。うまいと言って食べ続けたが一時は痩せた。だがその後はめきめきと腕を上げ、今では食事の時間が待ち遠しいほどになっている。
 從初等學院開始讓女僕教導料理,開始製作相當有個性的料理。雖說了很好吃而一直吃但卻瘦了一段時間。但是那之後手腕顯著的上升,現在是變成了迫切期待著用餐時間的程度。
 十六の成人のときは、初めて飲んだワインに思いきり眉を寄せていた。自分とは似ず、酒に縁遠いかと思ったが、今は共に晩酌ができるようになった。しかもなかなかの飲みっぷりである。
 十六成人的時候,對初次飲酒是葡萄酒死命的皺起眉頭。雖然認為與自己不像、與酒無緣,但現在變得能一起晚酌了。而且還相當會喝。
 あと何年この塔で一緒に暮らせるものか、おそらくはそう長くはない。
 還能在這座塔裡一起生活多少年呢,恐怕沒那麼長了。
 ダリヤと共に過ごすのは楽しい。だが、そんな自分の存在が、娘の出会いを奪っているのではないかと、このところ気にかかる。
 與妲莉雅一起度過很開心。但是,那樣的自己的存在,是否會剝奪了女兒的相遇呢,最近很放心不下。
 父娘で暮らすこの塔に、婿に来てくれる者はなかなかいないだろう。いずれは嫁に出し。てやらねばならないし、年齢的にも考えはじめていい頃だ。
 在父女生活的這座塔裡,是相當不容易有要來當女婿的人吧。遲早會出嫁的。必須這麼做的,年齡上也是開始考慮的好時機。
 しかし、恋愛に興味がないらしい娘は、浮いた話がゼロである。
 可是,似乎對戀愛沒有興趣的女兒誹聞是零。
 自分に内緒にしているのかと思ったこともあったが、先日『毎日、スライムスライムって! ダリヤはスライムに嫁ぐつもりなの!?』と幼馴染みのイルマに叫ばれているのを聞き、深く納得した。
 雖也有想過是否是對自己保密,但前些天聽到被童年玩伴的伊露瑪叫喊著『每天都是、史萊姆史萊姆的! 妲莉雅是打算嫁給史萊姆!?』,深感認同。
 縁がなさすぎるのも考えもののようだ。
 似乎也該考慮是太過無緣了。

 魔導具の注文書を読むために老眼鏡をかけ、ダリヤの近くの椅子に座る。
 為了看魔導具的訂購單而戴上老花眼鏡,坐在妲莉雅附近的椅子上。
 作業台の端、わずかにブルースライムの粉がこぼれていた。青みのある粉を見ながら、少しだけ考え、棚から魔導具用の薬液を何種類か出してきた。
 工作臺的邊緣,灑落了些微的藍史萊姆粉末。一邊看著有著藍色的粉末,一邊稍微思考一下,從架子上拿出好幾種魔導具用的藥液。
 ダリヤはスライムに対し、今のところ一種類の薬液をそのまま使っている。だが、見ているかぎり、薬液を混合した方が効果が出そうだ。しかし、自分がやってしまえば研究の妨害になる。
 妲莉雅目前對史萊姆,就那樣使用著一種藥液。但是,就我所見,把藥液混合似乎會更有效果。可是,自己來做的話會造成妨礙研究。
 試してみたい気持ちを抑え、おそらく合うと思える薬液四種を、右から左へと並べて置いた。
 抑制想試試看的心情,把認為或許很適合的四種藥液,從右到左排排放。
 なお、ダリヤが寝ぼけて動いても大丈夫なよう、届かない位置かどうかも再度確認する。
 另外,為了妲莉雅睡迷糊而動了也不要緊,再次確認了是否為搆不到的位置。
 ついこんな心配をしてしまうのは、いまだ自分が過保護な父親だからか。
 不由得會如此擔心,是因為現在的自己是過度保護的父親嗎。

 机の上の、ブルースライムの瓶に、ふと思い出す。
 對著桌子上的藍史萊姆瓶子,忽然想起。
 青空の下で初めて抱っこをせがまれ、この両手に抱き上げた『ちっちゃなダリヤ』。
 在藍天下第一次被央求抱抱,用這兩隻手抱起來的『小小的妲莉雅』。
 その身の軽さ、小ささに反して、なんと笑顔のまぶしかったことか。あの笑顔を守るためならば、自分は聖者にも悪党にもなれると思った。しごく単純な父親である。
 與那身驅的輕盈、嬌小相反,笑容多麼的耀眼啊。若是為了保護那個笑容的話,我認為自己不論是聖人或惡棍都會去當。是極其單純的父親。
 幼いダリヤが転んだときは、つい駆け寄って助けてしまい、メイドに毎回叱られた。
 年幼的妲莉雅跌倒的時候,不由得跑過去幫忙,每次都會被女僕責罵。
「カルロさんは過保護すぎます! 子供は自力で立てるようにしなければいけません!」
「卡爾羅先生太過度保護了! 小孩子若不靠自身的力量站起來是不行的!」
 そう、口を酸っぱくして言われた。
 如此、被費盡唇舌。
 最終的には、転んだダリヤが『父さんが怒られるから、だめ!』とカルロを止め、自力で立つようになった。なんとも情けない父親である。
 在最後,是跌倒的妲莉雅阻止卡爾羅說『爸爸會被罵,所以不行!』,變成靠自身的力量站起來。是多麼可憐的父親。

 カルロは魔導具師としてはそれなりでも、父親としては三流以下だ。
 即便卡爾羅作為魔導具師很恰當,但作為父親卻是三流以下。
 学校の勉強や魔導具師の技術は教えられても、女性としての生き方や、世渡りに関することは、まるで教えてやれなかった。
 就算被教導了學校的學習及魔導具師的技術,作為女性的生活方式或、有關做人處世的事,也全然沒有去教導。
 だから、せめて少しでも代わりになるようにと、周囲にこっそりとお願いをし続けてきた。
 所以,至少為了多少也能成為代替,偷偷地對周圍持續拜託著。
 相手には『貸し』と言いながら、実際は『お願い』だ。
 儘管對對方來說是『人情』,但實際上是『拜託』。
 ささいな『貸し』と引き換えに、自分がいなくなってから、もしダリヤが困っていたら助けてやってくれ、手を貸してやってくれと願い続けてきた。
 與些許的『人情』交換,持續拜託著自己不在了之後,假如妲莉雅有困難的話就去幫忙、去搭把手。
 願った相手の多くは笑っていた。自分の過保護ぶりに呆れていたのだろう。
 拜託的對象很多都在笑。是對自己過度保護的樣子吃驚了吧。
 おそらく、こんな『貸し』は無駄に終わるだろうが、それでかまわない。
 恐怕,這種『人情』會無疾而終吧,但那我也不會介意。
 もしダリヤがいつか知れば、少しはありがたいと思ってくれるだろうか、それとも笑われるだろうか。いや、娘が何事もなくいてくれたらそれが一番いいが。
 假如哪天被妲莉雅知道的話,是多少會覺得值得感激呢,還是說會被笑話呢。不對,女兒安然無恙的話那才是最好的。

 そのうちに、ダリヤと共に歩む者が決まれば、弟子に自分の魔導具師としての知識と技術をすべて教え、あとは満足して眠るように――そこまで考えて、カルロは苦笑する。
 在那期間裡,與妲莉雅一起同行者被決定的話,就把自己作為魔導具師的知識與技術全部教給弟子,之後滿足的入眠――考慮到那個地步,卡爾羅苦笑著。
 いいや、それはない。
 不對,不是那樣。
 きっと、何年そばにいても未練はある。きっと、いつまでも娘の心配をする。
 就算在身旁多少年也一定會有留戀。無論何時都一定會擔心女兒。
 結婚すれば孫が見たいと思うようになり、孫が生まれれば、その心配までするだろう。
 變得會想結婚的話想見孫子,孫子出生的話,甚至連那份擔心都會做的吧。
 隣にダリヤの母、自分の元妻がいれば、笑って嫁に出せたか、先の心配をしなくて済んだか。
 妲莉雅的母親、自己的前妻在旁邊的話,會笑著出嫁嗎,不用擔心未來就結束了嗎。
 いいや、きっとそれもない。
 不對,一定也不是那樣。

 『悔いなく生きよ』と神は言う。はたしてそれは、どのように生きれば可能なのか。
 神說了『無悔的活著吧』。到底那個要怎樣活著才有可能呢。
 神殿の神官達は『正しく生きよ。友愛に生きよ。悔いなく生きよ』と、声高く教えを繰り返す。
 神殿的神官們高聲重複著教誨說『正確的活著吧。友愛地活著吧。無悔的活著吧』。
 その声が耳に痛いのは、己が老いたからか、それとも守りきれぬ者を思うからか。
 那個聲音很刺耳,是因為自己老了嗎,還是因為自認為是無法遵守的人呢。

 子供の頃は遊びと悪戯に明け暮れ、父母を困らせてばかりいた。学生時代は遊びと実験に夢中になり、友人にも先生にも迷惑をかけた。親孝行をろくにせず、父母が病で続けて亡くなったときには大泣きした。魔導具師となって何度も壁にぶち当たり、その度にのたうち回って歯がみした。
 孩提時代整天在玩耍與惡作劇,盡是讓父母為難。學生時代變得沉迷於玩耍與實驗,給友人與老師都添麻煩了。不好好孝順父母,父母相繼因病而亡的時候大哭了一場。成為魔導具師碰了好幾次壁,每當那個時候都會滿地打滾咬牙切齒。
 燃えるような恋愛から結婚をしたが、妻とは別れ、娘のダリヤにはさびしい思いをさせてきた。
 雖然燃燒般的戀愛之後結婚了,但與妻子分手,讓女兒妲莉雅感到孤單的情緒。
 あのときああしていれば、こうしていればと、そんな悔いの方が多い人生だ。
 那個時候那樣做的話、這樣做的話,是那種後悔更多的人生。
 そんな人生をおくってきた自分も、友人知人の葬儀に出ることが増えた。おくられる側になる日も、おそらくはそう遠くない。
 經歷過那種人生的自己,參加友人熟人的葬禮也增加了。變成被送行那方的日子,恐怕也沒那麼遠了。

 先に逝く者として、そろそろ娘を守ってくれる者を探さねばならないのかもしれない。
 作為先走的人,或許也是時候該找個會保護女兒的人了。
 男爵の娘として見合い話もいくつか聞いた。だが、窮屈な貴族生活がダリヤに合うとは思えない。
 作為男爵的女兒相親話題有聽過幾個。但是,貧困的貴族生活我不認為適合妲莉雅。
 ダリヤは魔導具師として腕はいい。しかし、飛び抜けた発想と実行力は、その身を危険にさらしかねない。理性的で、ブレーキをかけてくれるような者の方がいいだろう。
 妲莉雅作為魔導具師的本領很好。不過,出類拔萃的發想與實行力,更只會讓她的人身遭遇危險。理性上,會去踩煞車的人會更好吧。

 下がってきた老眼鏡を上げ直すと、作業場の壁、立てかけられた銀色の板が光った。
 重新戴上脫下的老花眼鏡後,被立在工作區的牆壁的銀色板子發著光。
 均一に硬化の付与魔法をかけられたそれは、初めてにしてはとてもきれいに仕上がっていた。
 被均勻地施予硬化的賦予魔法的那個,就第一次做來說非常漂亮地完成了。
 弟子として来ている友人の息子、トビアスの作品だ。
 是作為弟子過來的友人的兒子、托比亞斯的作品。
 魔導師や魔導具師の家系でもないのに、ひたすらな努力で学院に入り、魔導具師を目指している。
 明明魔導師或魔導具師的家系都不是,卻以一個勁的努力進入學院,以魔導具師為目標。
 努力家で、穏やかで、ダリヤと同じく恋慕を知らぬように見える青年だ。
 努力者、且很沉著、且與妲莉雅一樣是看起來不知愛慕般的青年。
 それでいて妹弟子となったダリヤの心配を、こっそりと陰でしてくれていた。その姿は、まるで兄が妹を心配するように見え、なんとも安堵した。
 雖然如此也偷偷地在背地裡擔心著成為了師妹的妲莉雅。那身影看起來簡直就像哥哥擔心著妹妹,多麼的令人安心。
 兄弟子、妹弟子として、この先長く助け合ってくれればいい、素直にそう思う。
 作為師兄、師妹,今後會長久互相幫助就好了,我坦率地如此想著。
 友人からは、息子トビアスとダリヤの結婚を相談されはじめた。条件はお互いに悪くない。
 從友人那,開始商量起讓兒子托比亞斯與妲莉雅結婚。條件對彼此都不壞。
 それでも、二人が兄妹弟子ではなく、夫婦として笑い合う姿がどうしても想像できず、カルロは答えを引き延ばしている。
 儘管如此,兩人並非師兄妹、而是作為夫婦互相歡笑的身姿無論如何都無法想像,卡爾羅拖延了回答。

 本音を言うならば、過保護でけっこうだ。傲慢と言われてもかまわない。
 若要說實話的話,過度保護也蠻好的。被說是傲慢我也不會介意。
 できることなら、守ってくれる者と引き合わせ、平穏な道へと轍を深く刻みつけ、娘をあらゆる不幸から守りたい。
 若做得到的話,想介紹會保護的人、朝平穩的道路深深的刻下車轍、從一切不幸中保護女兒。
 自分のように、ただ一人の妻も守れぬような男ではなく、娘を守り続けてくれる男を望みたい。
 想期望著並非是像自己一樣、僅有一位的妻子也都保護不了的男人,而是會持續保護女兒的男人。
 いつか完成するであろう防水布のようにダリヤを包み込み、冷たい雨にも、強い風にも当てずにいてほしい。娘をその背にかばい、一つの傷なく守り続けてほしい。
 希望能像遲早會完成的防水布一樣包覆著妲莉雅,不會淋到冷雨、不會吹到強風。希望庇護女兒到那身後,毫髮無傷的持續保護著。
 地位も名誉も望まない、平凡な日々でかまわない。
 不期望地位或名譽,過著平然的日子我也不介意。
 ただ、ダリヤには、一生幸福であってほしい――
 只是希望,對妲莉雅來說是一生的幸福――
 それは、ささやかで遠大な、父としての願い。叶うかどうかは、確かめられないが。
 那是,微小且遠大的作為父親的願望。會不會實現就無法確認了。

「ダリヤ、起きたのか? いや、まだ眠っているか……」
「妲莉雅,起來了嗎? 不,還在睡嗎……」
 ダリヤが寝ながら姿勢を変えようとしただけらしい。かけていた上着が、ぱさりと床に落ちた。本人はいい夢でも見ているのか、どこか子供っぽい笑顔を浮かべて眠っている。
 妲莉雅似乎只是打算一邊睡一邊改變姿勢。被披上的外套啪唦的掉到地上。本人是在作著好夢嗎,有哪裡浮現著小孩子般的笑容睡著了。
 上着を拾い上げ、再度、娘の肩にかけながら、カルロは自嘲気味に笑う。
 撿起外套,一邊在次批到女兒肩上,卡爾羅一邊有些自嘲地笑了。
 そういつまでも、自分の腕の中の『ちっちゃなダリヤ』ではないものを。過保護すぎる自分は、『父さんが怒られるから、だめ!』の次は、一体なんと言って叱られるのか。
 老早就已不是自己懷中的『小小的妲莉雅』。過度保護的自己在『爸爸會被罵,所以不行!』的接下來,到底是被說了什麼責罵著呢。
 案外、強く育った娘に、『もう心配しなくていい』と笑われるだけかもしれない。
 或許意外的,只是被堅強長大的女兒笑說『已經可以不用擔心了』。

 いすれ、轍を刻む平穏の道を外れ、ダリヤが自分の道を選ぶなら、それでいい。
 哪天,如果妲莉雅偏離刻著車轍的平穩道路,選擇了自己的道路那也行。
 一人前の魔導具師として、あるいは一人の人間として、自らの道を進むならかまわない。
 作為獨當一面的魔導具師,或者作為一位人類,前進於自己的道路的話我也不介意。
 それが急な坂道であれ、茨がうず巻く道であれ、よくぞ足を踏み出したと祝福しよう。
 那會是陡峭的坡道,又或是佈滿荊棘的道路,就來祝福幹得好踏出一步了吧。
 その後に自分ができるのは、娘のために祈るだけだ。
 在那之後自己能做的,就只是為了女兒祈禱。
 ただ、その道に幸いあれ、と。
 唯有祝妳一帆風順而已。
―――――――――――――――――――――
寫的是惠版第1-1話的部分內容。
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留言共 2 篇留言

冰瑤
連唯一的妻子也保護不了...當初離婚感覺內情滿滿啊…後面會出現嗎…

02-20 17:56

SPT草包
沒有=3=,正篇也只寫說把妲莉雅丟給卡爾羅跟別人結婚去了,偷偷說下,文庫三附錄有交代後來。02-20 18:04
BOBO
嗚嗚…好生情的一話
結果是有拖延回覆嗎,哈,也想像不了兩個孩子成親的畫面,不愧是是一直注視、過度保護的爸爸

02-20 20:57

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