創作內容

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第一部士兵的女兒 選擇工坊與工具

作者:SPT草包│2017-06-02 22:27:06│巴幣:2│人氣:292
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 工房選びと道具
第一部士兵的女兒 選擇工坊與工具
原文連結

 ベンノが偉そうに「工房の場所や大きさを決めるために、紙作りについて話せ」なんて言うけれど、これはリンシャンの時のように情報料を取っても良い案件ではないだろうか。
 雖然班諾很了不起似地說了「為了決定工坊的場所和大小,說說關於造紙」之類的,但這個是不是就像凜香的時候一樣就算收取情報費也可以的議案呢。
 わたしはベンノの様子を伺いながら、口を開く。
 我一邊窺探班諾的樣子,一邊開口了。

「植物紙協会の利益はわたし達に回ってこないんですから、紙の作り方に関しては情報料頂きますよ?」
「因為植物紙協會的利益不會轉來給我們,有關紙張的作法要給情報費唷?」
「……仕方がない。いくら欲しいんだ?」
「……真沒辦法。妳想要多少呢?」

 ニヤッと笑いながらベンノがトントンとテーブルを叩いた。
 班諾一邊奸笑一邊咚咚地敲著桌子。
 わたしは紙の情報料をいくらにすればいいのか、一体どれくらいが適正価格なのか、正直全くわからない。
 我要把紙張的情報費敲定多少才好呢,到底多少錢才是適當的價格呢,老實說完全不知道。

「えーと、ベンノさんはいくら払いますか?」
「呃,班諾先生會支付多少呢?」
「お前の望むだけ払ってやろう。いくらだ?」
「只要是你的期望都會支付。要多少?」

 ベンノはそんなわたしの心境を知っているのか、ニヤニヤ笑いながら、そう返してきた。
 班諾是知道那樣的我的心境嗎,一邊邪惡地笑著,一邊那樣反問回來。
 わたしの中にある情報料の基準はリンシャンの時の小金貨3枚だ。紙は新しく協会まで作るくらいだから、かなり手広く設けることができるとベンノ自身は考えているに違いない。
 存在我體內的情報費的基準是凜香的時候的小金幣3枚。因為紙張直到新的協會為止都會製做,能做到相當廣泛的設定的話班諾本身肯定會考慮到的。

「うぅっ……リ、リンシャンの倍は頂きますよ?」
「嗚……要、要給我凜香的雙倍唷?」
「わかった、ほら、来い」
「知道了,好了,過來」

 ベンノがギルドカードを手にして、振って見せる。わたしもギルドカードを出して、カチンと合わせた。
 班諾將公會卡拿到手上,揮給我看。我也拿出公會卡,喀鏘地合了起來。
 ニヤニヤ笑いを全く崩さないまま平然とベンノに受け入れられてしまった。もっとふっかけてもよかったのだろうか。やっぱり相場がわからない。
 依然完全沒讓邪惡地笑著崩潰坦然地被班諾給接受了。就算更加浮報費用也是可以的嗎。果然還是不明白行情。
 うぬぅっと考え込んでいると、オットーが腕を組んでベンノを見た。
 嗚呶地深思著時,歐拓交疊著手臂看著班諾。

「工房はマインちゃんの話を聞いて、道具の量や大きさ、規模、立地を考えて決めるとしてもさ。道具は倉庫にあったヤツを最初のうちは流用すればいいんじゃないの?」
「就算工坊是聽小瑪茵的話,考慮到工具的數量或大小、規模、選定地點來決定的。工具挪用最初的時候就在倉庫裡的東西不是就可以了嗎?」

 オットーの言葉にわたしはぎょっとした。
 我對歐拓的話大吃一驚。

「あれはマイン工房の備品ですよ! 取られたら、わたし達の紙作りができなくなっちゃうじゃないですか」
「那個是瑪茵工坊的常備品唷! 被拿走的話,我們的造紙不就變得做不到了嗎」
「……倉庫自体、旦那の物だけどな」
「……雖然說倉庫本身,是老闆的東西呢」

 ルッツのツッコミにむぅっと唇を尖らせながら、わたしはベンノに視線を向けた。流用なんてされて、道具を運び出されてしまったらわたし達が非常に困る。そして、あの道具は大量生産向きではない。
 一邊對路茲的吐槽不爽地噘起嘴唇,我一邊將視線轉向班諾。被挪用什麼的,把工具搬出去了的話我們可是非常困擾的。而且,那個工具並不是針對大量生產的。

「でも、本当にダメなんですよ。マイン工房の備品は大量生産には向きませんって」
「但是,真的不行唷。瑪茵工坊的常備品並不是針對大量生產的」
「あん?」
「那?」

 わけがわからないとばかりに眉を上げたベンノにわたしは説明し始めた。
 我對盡是不明白意義而揚起眉毛的班諾開始做說明。

「あそこにある道具は試作品を完成させることを第一目的に、わたし達が使いやすように軽量化、小型化、簡素化してあるので、大量生産には向かないんです。ベンノさんの先行投資にあまりお金をかけさせるのも悪いと思って遠慮して、代用品で済ませたものもいくつかありますし……」
「在那裡的工具是在以完成試作品為第一目的上,為了讓我們容易使用而作為輕量化、小型化、簡單化的,無法針對大量生產。我認為在班諾先生的先行投資上花費那麼多的錢很不好意思而迴避著,用代用品就完事的東西也有著幾個……」
「え? なんでお金出してくれるって言ってるのに、遠慮なんてしたんだ? 最高の設備揃えてやればいいのに」
「咦? 為什麼明明都說了會出錢的,還那麼客氣呢? 明明備齊最好的設備就可以了」

 オットーが「バカじゃないのか」と驚いたように言ったけれど、他人のお金で最高の設備を揃えるなんて考えてもみなかった。あの頃、釘一つを手に入れるのも難しかったわたしは、いつだっていかに安く済ませられるかばかり考えていたのだ。
 雖然說歐拓像是驚訝於「這不是笨蛋嗎」那樣說著,但就算用別人的錢來備齊最好的設備什麼的也看不出來。那個時候,獲得釘子一個都很難的我,盡是思考著什麼時候才能如何地被便宜完事。

「そこまで図々しくなれなかったんです。今ならもうちょっと図太くなれると思いますけど」
「無法厚顏無恥到那個地步。雖然說我認為現在的話已經變得有點厚臉皮了」
「お前は俺に対してこれ以上図太くならなくて良い。それで、大量生産に向かないって言うのはどういうことだ?」
「妳對我沒變得比這更厚臉皮就好了。於是,說是不是針對大量生產是怎麼一回事?」
「体格が違うんです」
「是體格不一樣」

 ベンノの言葉にわたしはベンノに一番わかりやすい例を考える。
 我對班諾的話語思考著最容易讓班諾明白的例子。

「例えば、わたし達が使っている簀桁は契約書サイズですけど、大人の男の人ならもっと大きな簀桁で紙漉きができるはずなんです。一回で4枚分くらい取れるような大きさの簀桁が使えれば、時間効率は良くなります」
「譬如說,我們使用著的簀桁雖然是契約書尺寸,如果是成年的男性應該能用更大的簀桁抄紙。在一次裡使用能取得4張份左右般的大大的簀桁的話,時間效率是會變好的」
「なるほど」
「原來如此」

 大量生産するのに契約書サイズでちまちま作るのは時間と手間がかかるだけだ。大きな簀桁を使える力があるなら、一気に作った方が良い。
 明明是要大量生產但用契約書尺寸持續緩慢製作的話就只能花費時間與工夫了。如果有使用大的簀桁的力氣,一口氣製作會比較好。

「あとは、わたし達は扱いきれないから、大きめの盥を使っているんですけど、簀桁に合わせて船水(ふなみず)を作るための船も大きいものが必要になるでしょう? 馬鍬(ませ)も今はルッツが作ってくれた菜箸を束ねてるだけだし……」
「還有,因為我們處理不來,雖然使用著大的臉盆,但為了製做配合簀桁的船水的船也勢必會變成大的東西對吧? 馬鍬現在也只是束起路茲給製做的長筷子……」
「聞き覚えがない道具ばかりだな」
「盡是沒聽過的工具呢」

 発注していない道具もあるので、ベンノはこめかみをトントンと叩きながら、わたしをじろりと見た。
 由於也有沒有訂購的工具,班諾一天咚咚地敲打太陽穴,一邊兇狠地瞪著我。

「うーん、どんな道具が必要で、今はどんな風に代用しているのかってことは、いっそ倉庫で作り方を見せながら、説明しないと分かりにくいと思います」
「唔嗯,話說怎樣的工具是必須的,現在是怎樣的形式在代用著呢的這件事,我認為光是乾脆在倉庫看著做法,但不做說明會很難明白的」
「そうか。では、明日、倉庫に視察へ行くとしよう。俺はお前達の作業場を見たことがないから、ちょうどいい」
「是嗎。那麼,明天,在倉庫作為去視察吧。因為我沒見過妳們的作業場,這正好」

 さらりと予定を決められて、わたしはぎょっとした。自分の中にあった紙作りの予定を頭に思い浮かべる。
 迅速地被決定了的預定,我大吃一驚。在腦袋中回想起存在自己體內造紙的預定。

「視察って言われても、今日、紙漉きが終わったところなんです。だから、明日は乾燥させるだけで、特に作業することがないので、原料を取りに森に行こうと思っていたんですけど」
「就算被說了要視察,今天,抄紙也才剛剛結束。所以,明天就只是讓他乾燥,由於沒有特別的作業,我想就只有要去森林取得原料就是了」
「ほぉ、それは一から作業するということか?」
「哦,那個是所謂一開始的作業嗎?」
「そうですね。木を切って、蒸して、皮を剥ぎます。そして、倉庫で干すところまでします」
「就是那樣呢。砍樹,蒸煮,剝掉皮。然後,在倉庫直到弄乾為止」

 わたしの言葉を聞いて、ベンノは何度か頷いた。
 聽到我的話語,班諾點了好幾次頭。

「よし、マルクを行かせる」
「很好,讓馬爾克去吧」
「え? 森へ?」
「咦? 去森林?」

 ベンノの言葉にわたしはマルクがわたし達と一緒に森へ行く姿を思い浮かべてみた。似合わない。却下だ。
 我對班諾的話語試著想像馬爾克跟我們一起去森林的身姿。很不適合。就駁回了。

「マルクさんはピシッとした服が似合う素敵紳士だからダメです。森で木を切ったり、皮を剥いだりするなんて似合いません。……うーん、ベンノさんが作業着を着てくるならいいですよ?」
「馬爾克先生是很適合作為整潔的衣服的絕佳紳士所以不行。在森林做著又是砍樹、又是剝掉皮什麼的很不適合。……唔嗯,如果是班諾先生穿著作業服去是可以唷?」
「どういう意味だ、こら!」
「什麼意思呀,這個!」
「仕事内容を把握しておきたいのはベンノさんだから、ベンノさんが行く方がいいってことです」
「正因為想要事先掌握工作內容的是班諾先生,是在說班諾先生去是最好的」
「さっきはそうは言ってなかっただろう」
「剛才並沒有那樣說的吧」

 嫌な顔をしつつも、確かに一通りの作業内容を知っておきたいな、と言ったベンノは一緒に行動することに決めたようだ。いつの間にか、明日は森で一緒に作業することになっていた。
 一面做出討厭的表情,也一面說著的確是想要事先知道一遍作業內容,的班諾似乎決定要一起行動。不知不覺間,變成了明天要在森林一起作業。


 次の日、ルッツが倉庫の鍵を取りに行くと、作業着を着たベンノがいたらしい。迎えに出てくれたマルクが困ったような顔で、ベンノが暴走しないか、しきりに心配していたとこっそり教えてくれる。
 隔天,路茲去拿倉庫的鑰匙時,穿著作業服的班諾似乎在。偷偷地告訴了我由於出來迎接的馬爾克是傷腦筋似的表情,班諾沒有暴走嗎,頻頻擔心著。

「よくこんな狭いところで作業ができるな」
「真虧妳們能在這個狹窄的地方作業呢」

 倉庫に入ったベンノはぐるりと倉庫の中を見回して、そう言った。広くて大きな店で仕事をしているベンノから見れば、子供二人がうろうろできるだけの倉庫は狭くて仕方ないだろう。
 進入倉庫的班諾環視了一圈倉庫裡面,那樣說了。讓來自在又寬又大的商店裡做著工作的班諾看見的話,只有小孩子兩個人能轉來轉去的倉庫很狹窄是沒有辦法的對吧。

「わたし達だけなら平気ですけど、ベンノさんが入るとすごく狭くなりますね。まぁ、作業のほとんどを外でするので、中でやることは少ないですよ」
「雖然如果只有我們並不在乎,但班諾先生進來後會變得非常狹窄呢。反正,由於作業幾乎都在外頭,在裡面做的事情沒多少唷」

 原料を取る時に使う道具をいつも通りに準備して森に向かう。鍋に蒸し器、桶、薪を少し。今日のわたしは籠の中に菜箸とお皿代わりの板とカルフェ芋とバターしか持っていない。
 準備著如同往常般在取得原料的時候使用的工具往森林去。鍋子上的蒸籠,桶子、一些木柴。今天的我在籃子裡面只帶著長筷子與代替盤子的板子與卡魯菲薯與奶油。
 ベンノがルッツの荷物を半分持とうかと声をかけたが、ルッツは緩く首を振った。
 雖然班諾發出了要拿一半路茲的行李嗎的聲音,但路茲緩緩地搖了搖頭。

「もう慣れたから平気、です。オレの荷物を持ってくれるより、マインを担いでくれる方が助かる」
「因為已經習慣了沒事,的。比起來拿我的行李,去揹起瑪茵就幫大忙了」
「これをいつもはルッツが全部運んでいるのか? かなりきついだろう?」
「路茲總是將這些全部搬運著的嗎? 相當嚴峻的吧?」

 ベンノは眉を寄せてフンと鼻を鳴らしながら、籠を背負ったわたしを肩車した。
 班諾一邊皺起眉頭讓鼻子哼了一聲,一邊讓揹負著籃子的我騎肩膀。

「ひゃあ!?」
「嚇啊!?」
「きちんとつかまっておけ。ルッツ、その大きな木枠だけでも寄こせ。潰れそうで見るに堪えん」
「暫時好好地抓緊。路茲,只有那個大大的木框也拿過來。看起來快垮了似的很不忍心」

 蒸し器をベンノが片手で持って、歩き始める。大股で歩くベンノの肩の上はぐらんぐらんと大きく揺れる。びくびくしながら、わたしはベンノの頭にしがみついた。
 班諾將蒸籠用單手拿著,開始走著。用大步走著的班諾的肩膀上搖搖擺擺地大大搖晃著。一邊戰戰兢兢,我一邊緊緊抱著班諾的頭。

「えーと、わたし達はルッツに運べる大きさで鍋の大きさを決めたんですけど、鍋が小さいと一度にできる量はどうしても少なくなります。鍋を大きくするか、小さめの鍋をいくつも設置するか、考えどころですよね? 川の側に工房があれば、鍋じゃなくて材料だけを運べるから、かなり楽なんですよ」
「呃,雖然我們由路茲能搬運的大來來決定鍋子的大小,但鍋子小了一次能做到的量無論如何都會變得很少。要把鍋子弄大嗎,還是將小小的鍋子設置好幾個呢,有過考慮呢? 在河川旁間有工坊的話,因為要搬的並不是鍋子而只有材料,會相當輕鬆唷」
「ふぅむ……」
「呼唔……」

 今日は大人のベンノが一緒なので、洗礼前の子供達と一緒に行動する必要はない。集合場所には向かわず、倉庫から直接南門へと向かった。
 由於今天是大人的班諾一起,沒有必要跟洗禮前的小孩子們一起行動。不用去集合場所,從倉庫直接往南門過去。
 門を通る時、父とオットーが何か話しているのが見えた。
 通過門的時候,看到父親與歐拓在說著什麼。

「父さん、オットーさん。いってきます」
「爸爸,歐拓先生。我出門了」

 わたしがベンノの肩の上から大きく手を振ると、二人が目を軽く見張ってこちらに駆け寄ってきた。
 我從班諾的肩膀上大大揮著手後,兩個人輕輕睜大了眼睛往這邊跑了過來。

「マイン、誰だ?」
「瑪茵,這是誰?」
「いつもお世話になっているベンノさんだよ。ベンノさん、わたしの父です」
「是總是關照著的班諾先生唷。班諾先生,這是我的父親」

 二人が挨拶しているのを見ていると、視界の端の方でオットーが小刻みに揺れているのが見えた。
 看著兩個人寒暄著之後,在視野的邊角歐拓看起來微微地搖晃著。

「オットーさん、どうしたんですか?」
「歐拓先生,怎麼了嗎?」
「いや、君達が一緒だと、ベンノが父親にしか見えなくて……」
「不,妳們一起的話,班諾看起來就只是父親……」
「黙れ、オットー。俺は独身だ」
「閉嘴,歐拓。我是單身的」

 ゴン! と怒りにまかせた拳をオットーの頭に落として、ベンノはやや大股で歩き始めた。
 鏗! 地將交給了憤怒的拳頭落到了歐拓的頭上,班諾稍稍用大步開始走著。

 へぇ、ベンノさんって独身だったんだ? 結構いい年なのに。
 嘿,是說班諾先生是單身嗎? 明明相當大的年紀了。

 ここは結婚年齢が低いようで、わたしの父でも30を過ぎたところだ。父と同じくらいに見えるベンノが結婚していないのは不思議な感じがする。
 這裡結婚年齡似乎很低,即便是我的父親也才剛過30。看起來宛如跟父親一樣的班諾沒有結婚有著很不可思議的感覺。

「ベンノさん、結婚しないんですか?」
「班諾先生,不會結婚嗎?」
「……あぁ、多分しない」
「……啊,大概不會」
「なんでって聞いたら、怒りますか? 純粋に興味なので、言いたくなかったら無視してくれても良いんですけど」
「問了為什麼的話,會生氣嗎? 由於純粹是興趣,雖然不想說的話就算無視也可以」

 わたしがそう聞くと、ベンノが苦笑しながら「別に秘密にしているわけじゃない」と言った。
 我那樣問了後,班諾一邊苦笑一邊說了「並非刻意當作秘密」。

「俺が結婚したかった時は家族を抱えるのに手一杯で、コリンナが結婚して抱える家族がいなくなった時には、嫁にしたかった女は死んで、もういなかった。アイツ以上の女がいないから結婚しない。それだけだ」
「我想結婚的時候明明擔負著家族就忙到沒空了,在柯琳娜結婚了擔負的家族就變不見的時候,想當新娘的女人死了,已經不在了。因為沒有比那傢伙還好的女人所以不會結婚,就只是那樣」

 それだけって、かなり重い話と思うんですけど。
 說是只是那樣,雖然我認為是相當沉重的話題。

 わたしはゆっくりと息を吐く。ベンノにとって大事だった人が死んでしまっている話なので、これ以上蒸し返すことも、茶化すこともできない。
 我慢慢吐了一口氣。由於對班諾來說是很重要的人死去的話題,再舊事重提,也不是能嘲弄的。
 わたしが無言でベンノの頭を撫でていると、ベンノが苦笑した。
 我無言地撫摸著班諾的頭後,班諾苦笑著。

「何だ、急に?」
「怎麼了,這麼突然?」
「いえ、何となく。ベンノさんは大きな店の旦那様だから、結婚だ、跡取りだ、と周囲はうるさいだろうな、と思っただけです」
「不,沒什麼。因為班諾先生是大大的商店的老爺,結婚呀,繼承呀,周圍會很吵鬧的呢,只是那樣想著」
「まぁな。だが、最近は静かになった。跡取りはコリンナの子供を鍛えるから問題ない。それが二人に結婚を許した条件だからな」
「也是呢。但是,最近變得安靜了。繼承是因為鍛鍊柯琳娜的小孩就沒有問題。因為那個是允許兩個仁結婚的條件呢」

 うわぁ、オットーさん。頑張れ。
 嗚哇,歐拓先生。加油。

 心の中で応援しているうちに、暗いトンネルのような門を出た。それと同時に石畳から土がむき出しになった道へと変わる。空気がおいしくなって、視界が開けて、解放感に包まれた。
 在心中應援著的時候,離開了黑暗隧道般的門。與那同時從石板路往泥土變得赤裸的道路改變。空氣變得美味,視野打開了,被解放感包圍。

「あぁ、森に行くのも久し振りだな」
「啊,去森林也隔了好久了呢」
「そういえば、パルゥを採ったことがあるって言ってましたね。商人の子は森なんて行かないと思ってました。フリーダもピクニックくらいでしか行かないようなことを言ってたし……」
「這麼說來,有說過有去採摘葩乳呢。我還認為商人的孩子不會去森林什麼的。芙莉妲也說著只有像是郊遊才會去的事情……」

 毎日がピクニックみたいと言われた時の衝撃は忘れられない。ベンノはクッと笑った後、懐かしそうに目を細めた。
 每天被說是好像郊遊的時候的衝擊無法忘記。班諾用力地笑了之後,懷念似地瞇起眼睛。

「森へはたまに家を抜け出して、こっそりな」
「到森林是偶爾溜出家裡,偷偷的呢」
「こっそりって……」
「偷偷的是說……」
「見習いとしてウチに来た同年代はみんな採集に行ったことがあるんだぞ? 興味を持つのは当然だろう? 今でもいるんじゃないか?」
「會有作為實習而來到我家的同年齡大家去採集的事情吧? 抱有興趣是當然的對吧? 現在也在的不是嗎?」
「……あぁ、そういえば見習いが一緒の時って時々見かけない顔がいるもんな」
「……啊,這麼說來實習是一起的時候時常有著沒見過的臉呢」

 洗礼式を終えた見習い達も仕事が休みの時は森で採集や狩りをする。洗礼前の子供と違って、自由に森と街を行き来できるようになるので、勝手に森へ行く子も多い。けれど、時々集合場所へ見習い先でできた友人を連れてくる子もいる。
 結束洗禮式的實習們工作休息的時候也會在森林做著採集或狩獵。與洗禮前的小孩子不同,由於變得像是能自由地往來森林與城市,擅自去森林的孩子也很多。但是,有時候帶著在實習處交到的友人去集合場所的孩子也有。
 そういう子と一緒にベンノも森へ出たらしい。
 班諾似乎是跟那種孩子一起出去到森林。

「商人の子って、子供のころはどうやって過ごすんですか?」
「是說商人的孩子,小孩子的時候是怎麼度過的呢?」
「ウチは基本的に勉強だったな。客が来たら接待の勉強。市場に行ったら、値段を見て計算させられたり、余所者の見分け方を教えられたり、商品の良し悪しを判断させられたり……」
「我家基本上是學習呢。客人來的話學習接待。去市場的話,讓他去計算看到的價格,被教導外地人的分辨方法,讓他去判斷商品的好壞……」

 一つの行動全てが商売に繋がるような生活は、言葉にされてもすぐには理解できない。ただ、自分達とは全く違う生活があるのだと言うことがわかるだけだ。
 一個行動全部都聯繫著買賣般的生活,就算被轉成話語也無法馬上理解。只是,只能明白是在說著有著與我們自己完全不一樣的生活。

「それは、確かにわたし達の生活とはずいぶん違いますねぇ」
「那個,的確與我們的生活十分的不一樣呢」
「小さい店の子供はまた違う生活をしているだろうがな」
「雖然小商店的小孩子又是過著不一樣的生活呢」

 川原に荷物を運ぶと、ルッツが竈を確認して、鍋を設置した。川から水を汲んで、鍋にザザッと入れると、その上に蒸し器をセットする。今日もカルフェ芋を放り込んでみた。
 將行李搬到河灘後,路茲確認著爐灶,設置著鍋子。從河川裡打水,一口氣倒進鍋子裡後,將蒸籠安置到那之上。今天也試著把卡魯菲薯放進去。

「オレ、木を切ってくるけど、旦那は……」
「我,雖然要去砍樹,但老闆……」
「ルッツ、お前は店に入るんだから、旦那様と呼べるようになれ」
「路茲,因為你是要進入店裡的,要變得能稱為老爺」
「旦那様はどうする? マインとここで待ってるのか、一緒に木を切りに行くか……」
「老爺要怎麼辦? 是要跟瑪茵待在這裡嗎,還是一起去砍樹呢……」
「どんな木を採るのか興味があるから、行こうか」
「因為要採集怎樣的木頭很有興趣,那就去吧」

 ルッツとベンノが木を探しに行く。わたしは鍋の辺りで薪を拾いながら、お留守番だ。
 路茲與班諾去尋找木頭。我一邊在鍋子的周邊撿拾木柴,一邊當看家者。
 木を刈ったルッツとベンノがたくさんの枝を抱えて戻ってきた。鍋の傍で座り込んでいるわたしを見て、ベンノが軽く眉を上げた。
 割取著木頭的路茲與班諾將很多的樹枝抱了回來。看到在鍋子旁邊坐著不動的我,班諾輕輕揚起了眉毛。

「マインは何もしないのか?」
「瑪茵什麼都沒做嗎?」
「ベンノさんはわたしに何ができると言うんですか? ここでじっとしているのがわたしの仕事ですよ。倒れたら連れて帰ってくれる人なんていないんですから」
「班諾先生能說說我能做什麼嗎? 在這裡一動也不動就是我的工作唷。因為倒下的話能帶回去的人什麼的是不存在的」

 ルッツが傍にいない時は、極力動かないように言われている。わたしが勝手に動きまわると迷惑をかけることの方が圧倒的に多いのだ。
 路茲不再身旁的時候,被說了像是盡量不要動般。我擅自到處打轉後添麻煩的情況壓倒性的多。

「……ルッツはビックリするくらい忍耐強いな」
「……路茲讓人嚇到般很有耐心呢」
「そうですよ。ルッツはすごいんです」
「就是那樣唷。路茲很厲害的」
「マイン、やめろって。オレ、もうちょっと薪探してくる」
「瑪茵,別說了。我,再稍微去找找木柴」

 恥ずかしそうにルッツがわたしを睨んだ後、この場から逃げ出してしまった。その背中をベンノと二人で笑って見送ると、わたしはナイフを取り出す。
 害羞似的路茲盯著我之後,從那當下逃了出去。與班諾兩個人笑著目送那個背影後,我拿出了小刀。
 ルッツが取ってきたフォリンと薪を選別し、フォリンを蒸し器に入る大きさに切りながら、ベンノにルッツについて話をした。
 區分路茲拿來的佛林與木柴,一邊將佛林切成放入蒸籠的大小,一邊對班諾說著關於路茲的話。

「ルッツは本当にすごいんですよ。わたし、ルッツがいなかったら生きてなかったんです。初めて身食いに呑みこまれそうになった時に助けてくれたの」
「路茲真的很厲害唷。我,路茲不在的話就活不下去了。在第一次變得快要被身噬吞下去的時候給予了幫助」
「ほぉ?」
「哦?」
「それにね、こんな風にやってることがお金になる前から、ルッツはわたしの面倒を見て、一緒に色々作ってくれてたんです」
「而且呢,因為像這樣做著事情變成金錢之前,路茲照料著我,一起製做了各式各樣的」
「……あぁ、聞いたことがあるな。だから、お前はルッツに肩入れするのか?」
「……啊,有聽過呢。所以,妳是在援助路茲嗎?」

 冬の手仕事にしろ、紙作りにしろ、自分だけで利益を独占することもできたのに、ルッツを巻き込んで権利と利益を分けるのが、商人から見ると不思議らしい。
 做著冬季的手工、做著造紙,明明就只有自己獨佔著利益也可以,但把路茲捲了進來而平分權利與利潤,在商人看來似乎很不可思議。

「そうですね。ルッツのおかげで助かってるから、わたしにできるだけのことをルッツにしてあげたいと思ってます。新しい商品を考えるくらいしかできませんし、それだって、ベンノさんが売ってくれるからお金になるんですけどね」
「沒錯呢。因為托路茲的福而得救了,我認為只要是我能做到的事情都想為路茲做到。就只能思考新的商品,即便如此,因為班諾先生賣掉了而變成了錢就是了呢」
「……なるほど。だったら、何が何でもルッツはウチの店で確保しておかないとな」
「……原來如此。這樣的話,不管怎麼說不得不先確保路茲會在我家的店裡呢」
「よろしくお願いします」
「萬事拜託了」

 わたしの頭にポンとベンノが手を置いた。任せておけ、という言葉が聞こえたようで、ホッとする。
 班諾砰地將手放置在我的頭上。就交給我吧,似乎聽到那樣說的話語,放心了。

 フォリンを同じくらいの長さに切り終わるころには、ルッツが戻ってきた。
 在將佛林切成同樣般的長度結束的時候,路茲回來了。
 鍋に水を足して、蒸し器にフォリンを入れる代わりに、入っていた芋を菜箸で取り出していく。
 在鍋子裡加水,代替放進蒸籠裡的佛林,用長筷子將放進去的芋薯逐漸拿出來。

「ルッツ、すぐにバターを挟んで!」
「路茲,馬上夾進奶油!」
「わかってる!」
「我知道了!」

 バターを挟んで、じゃがバターにする。皿代わりになっている板の上に並んだじゃがバターを見たベンノは、最初のルッツと同じようなうんざりとした顔で芋を見下ろした。
 夾進奶油,做成奶油馬鈴薯。看到並排在成為了代替盤子的板子上的奶油馬鈴薯的班諾,用跟最初的路茲一樣般做出厭煩的表情俯視著芋薯。

「旦那様、マインの料理はうまいんだよ。ただの芋なのにさ」
「老爺,瑪茵的料理很好吃唷。明明只是個芋薯呀」

 へへっと笑いながら、ルッツが芋にかぶりつくのを見て、ベンノも仕方なさそうに口へ芋を運ぶ。
 看著一邊嘿嘿地笑著,路茲一邊一口咬下芋薯,班諾也沒辦法似地把芋薯送往了嘴裡。

「……うまいな」
「……很好吃呢」
「うふふん、蒸すことでおいしさがギュギュッと詰まってますし、寒い外で食べるホクホクのお芋は別格ですからね」
「唔呵呵,因為用蒸煮的美味會緊實地塞滿滿,在寒冷的外頭吃下熱呼呼的芋薯是特別待遇呢」

 芋を食べた後はベンノに鍋を見ていてもらって、わたしとルッツは採集を始めた。薬草を少しと山菜を採った。
 吃了芋薯之後請班諾看著鍋子,我與路茲開始採集。採摘些許的藥草與山菜。

 皮が蒸せたので、水にさらして、すぐに皮を剥き始める。ベンノにも手伝ってもらったが、意外と不器用で、皮がボロボロになっていく。ベンノに手伝ってもらったら、黒皮がどんどん減っていきそうだ。
 由於皮蒸好了,在水裡漂洗著,馬上開始剝下皮。雖然也請班諾幫忙,但意外地不中用,皮變得破破爛爛了。請班諾幫忙的話,黑皮似乎會不斷地減少下去。

「ベンノさん、皮剥きはいいです。ルッツと一緒に片付けをしていてください」
「班諾先生,剝皮可以了。請跟路茲一起做一下整理」

 黒皮を剥き終わったので、倉庫に帰ってきて、皮を干していく。棚に打ち付けられた釘に干していくのを、ベンノが鼻に皺を寄せながら手伝ってくれた。わたし達と違って、いちいち台を使わなくて良いのが羨ましい。
 由於剝下黑皮結束了,回到了倉庫,將皮逐漸弄乾。逐漸在被釘在架子上的釘子上弄乾,班諾一邊在鼻子上皺起皺摺一邊給予幫忙。跟我們不一樣,可以不逐一使用檯桌真令人羨慕。

「この黒皮も、もっと量があると干せなくなります。本当はこんな風に木を組んで、干すんです」
「這個黑皮,數量更多的話會變得無法乾燥。真實是要像這樣組合木頭,弄乾它的」

 わたしは石板に絵を描いて、ここにはない道具の説明をしていく。ベンノは頷いたり、質問をしたりしながら、道具に触っている。
 我在石板上畫著圖,做著這裡沒有的工具的說明。班諾一邊又是點頭、又是提問,觸摸著工具。

「この黒皮をカラカラになるまで天日にさらして干すんです。きちんと干しておかないとカビの原因になります。干した皮は川にさらします。丸一日以上川に放置です」
「將這個黑皮變得乾硬為止曝曬在太陽下乾燥。不先好好弄乾是會變成黴菌的起因。乾燥的皮要在河川裡漂洗。在河川裡放置一整天以上」
「盗られそうだな」
「似乎會被偷呢」
「そうですね。一番心配なところでもあります。作り方さえ知っていれば、お金の元ですからね。だからこそ、川の近くに工房があった方が良いと思うんです」
「沒有錯呢。最擔心的地方也是有的。因為連作法都知道了的話,就是金錢的根源呢。正因為如此,我認為有靠近河川的工坊是最好的」

 わたしはそう言いながら、倉庫の端にある灰の袋をポンポンと叩く。
 我一邊那樣說,一邊砰砰地敲打在倉庫一端的底灰的袋子。

「川にさらした皮の黒い部分をナイフで剥ぎ取ったら、灰と煮込んで、また川に丸一日以上さらします。灰で煮ることで繊維が柔らかくなるんです」
「將在河川裡漂洗了的皮的黑色部分用小刀剝掉之後,跟底灰燉煮,再次在河川裡漂洗一整天以上。由於用底灰煮過纖維會變得柔軟」
「ほぉ」
「哦」
「その後は、皮の繊維についている傷や汚れを取り除いて、この角棒で綿みたいになるようにガンガン叩きます。これもルッツに合わせてあるので、大人の男の人ならもっと大きくて重いのでやった方が効率的ですね」
「那之後,關於皮的纖維將傷或汙垢去除,用這個角棒變得好像棉花一樣劇烈敲打著。由於這個也是有配合著路茲,如果成年男人就用更大更重的去做會更有效率呢」

 叩くための角棒と台を指差すと、ベンノが角棒を持って振り始めた。「確かに何かを潰すなら、もっと重みが欲しいな」と呟く。
 用手指指了為了敲打的角棒與檯桌後,班諾開始拿起角棒揮舞。嘟噥著「的確如果要砸爛什麼,會想要更重的呢」

「そして、ふわふわになった繊維とトロロというネバネバと水を合わせて、船水を作ります。わたし達はこの簀桁に盥を使ってますけど、大人ならもっと簀桁も大きくして、船も簀桁に合わせた方が漉ける紙の数は多くなります。船水をかき混ぜるのも、わたし達はルッツが作ってくれた菜箸を束ねたものでできますけど、船が大きくなると全体に混ざらなくなるから、大きな櫛みたいな道具を使って混ぜるようになります」
「然後,將變得輕飄飄的纖維與名為黏劑黏糊糊的水混和,製作船水。雖然我們在這個簀桁上是使用臉盆,但如果是大人簀桁也會更大,船也配合簀桁能抄的紙張數量會變得更多。攪拌船水也是,雖ˋ然我們是用束著路茲給製做的長筷子的東西來做到,但因為船變大了之後就變得無法混和全體,就會變得要使用好像大的梳子般的工具來混和」

 こんな感じ、と言いながらわたしが石板に絵を描くと、ふぅんと言いながらベンノは顎を撫で始めた。
 一邊說著、這種感覺我一邊在石板上畫圖後,一邊說著呼嗯班諾一邊開始撫摸下巴。

「それから、簀桁を使って、こうやって振ったり傾けたりしながら、均等な厚さの紙を漉いて、紙床に重ねていきます。それで自然乾燥させているのが、これです。明日はこの上に重石を置いて、さらに乾燥させます」
「還有,使用簀桁,一邊這樣做又是搖晃又是傾斜傾,一邊抄成均等厚度的紙張,重疊在紙床上。就這樣讓它自然乾燥,就是這個。明天在這上面放置重石,更加讓它乾燥」
「何のために?」
「是為了什麼?」
「これでトロロのネバネバが取れるんです。その後はあの板に一枚ずつ張り付けて、天日で乾燥させます。剥がして出来上がりです」
「像這樣是要去除黏劑的黏糊糊。那之後在那個板子上一張張貼上去,用太陽光讓它乾燥。剝下來就做出來了」

 ざっと全行程を説明し終わったわたしにベンノは感心したような溜息を吐いた。
 班諾對粗略地說明完全部行程的我嘆了一口佩服般的氣息。

「予想以上に時間と手間がかかるんだな」
「超出預期地花時間與工夫呢」
「まぁ、乾燥しながら、別の作業をするので、時間がかかっている気はあまりしないんですけどね。量を作ろうと思ったら結構忙しいですよ。それに、この時期は川に入るのが大変なんですよ」
「不過,由於一邊要乾燥,一邊做著其他作業,不太感覺要花時間就是了呢。想到要製作大量的話會相當忙唷。而且,這個時期進入河川是很辛苦的唷」

 今日、川での水汲みを手伝ってくれたベンノは深く頷いた。「冬は閉鎖するタイプの工房になるな」と呟く。冬は川に入れないし、木が堅くて紙作りに向かない。
 今天,去幫忙在河川打水的班諾深深點著頭。嘟噥著「會變成冬季要關閉型的工坊呢」。冬季無法進入河川,木頭堅硬是不適合造紙。

「川がないと作れないので、工房の立地はよく考えてくださいね」
「由於沒有河川就無法製做,工坊的選定地點請好好考慮呢」
「あぁ、わかった。これは忙しくなりそうだな」
「啊,明白了。這個似乎會變得很忙呢」

 忙しくなりそうだと言う割には楽しそうなベンノに、わたしは心の中で「頑張ってくださいね~」と軽く応援していた。
 對比較起說著似乎會變得很忙更快樂似的班諾,我在心中輕輕應援著「請加油呢~」
 完全に他人事のように思っていたが、実際に少し紙作りの体験をしたベンノが張り切って工房を選び始めると、忙しくなったのはわたし達だった。マルクが紙作りの合間を縫って、わたしとルッツを連れ回しては道具作りを職人に依頼して回るのだ。この働きも情報料のうちだ、と言われれば、動くしかない。
 雖然完全認為像是別人的事,但實際上稍微做過造紙體驗的班諾開始幹勁十足地選擇工坊後,變成很忙的事我們。馬爾克趁著造紙的空閒,帶著我與路茲到處去圍繞著委託工匠製作工具。這份勞動也在情報費裡面,被那樣說了的話,就只能行動了。


 道具を作って、人を集めて、作り方を教えて、工房がある程度の形を整える頃には、季節は夏になろうとしていた。
 製作工具,聚集人,教導作法,在工坊準備到某程度的形式上的時候,季節正打算變成夏季。

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 工房の設置がおおよそ終わりました。
 工坊的設置大體結束了。

 次回はルッツの見習い準備です。
 下回是路茲的實習準備。
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