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第一部士兵的女兒 冬季的手工

作者:SPT草包│2017-03-28 22:26:01│贊助:4│人氣:210
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 冬の手仕事
第一部士兵的女兒 冬季的手工
原文連結

「なぁ、マイン。なんで毎回小銀貨1枚はギルドに預けているんだ? 全部家に持って帰らないのは、なんでだ?」
「吶,瑪茵。為什麼每次都要寄放小銀幣1枚到公會裡呢? 不全部帶回家,是為什麼呢?」

 馬車を下りた商業ギルドからの帰り道、ぽてぽてと歩いていると、ルッツが突然そんなことを聞いてきた。
 從商業公會下了馬車的歸途,緩緩漫步地走著時,路茲突然打聽起了那種事情來。

「ルッツも預けてるじゃない」
「路茲不也寄放了」
「マインがしてるから。なんか意味があるのかと思って、真似してみただけだ。稼ぎは全部家に持って帰るもんだと思ってたから、なんか家族に悪い気がして……」
「因為瑪茵做了。我想是有什麼意義的,只是試著模仿。因為想說賺錢是要全部帶回家咩,總有些對家人不太好意思……」

 お金が残らないギリギリの生活をしている平民に貯金の概念は薄い。せいぜい秋口になると冬支度のためのタンス貯金をすることはあっても、商業ギルドに登録して預けるなんてことはしていない。
 儲蓄的概念對過著沒有錢留下來勉勉強強的生活的平民是很薄弱的。就算有最多也是為了到了初秋跟過冬準備的衣櫥而存錢,不會去商業公會做登記寄放之類的。
 当然、親がしていることが子供の常識となるのだから、子供も給料はすべて持ち帰って、全部使う生活をするようになる。
 當然,因為父母所做的事情會變成小孩子的常識,小孩子也是薪水全部帶回去,變成全部為了生活而使用。

「わたしが貯めるのは、次の初期費用のためだよ」
「我存錢是,為了下次的初期費用唷」
「次の初期費用?」
「下次的初期費用?」

 ルッツが不思議そうに首を傾げるので、自分達の体験を例に、説明する。
 由於路茲不可思議似地歪頭不解,就將我們自己的體驗為例子,做說明。

「紙を作ろうと思っても、道具もなくて、お金もなくて、援助してくれる大人もいなかった時、釘一つ手に入れることさえ難しくて、すごく困ったでしょ?」
「就算想要製做紙張,也沒有工具,沒有金錢,給予援助的大人也沒有的時候,連要得到一個釘子都很困難,非常傷腦筋對吧?」
「あぁ」
「啊」

 オットーに援助を頼んで、ベンノに叱られたのはそれほど前のことではない。ルッツも思い出したようで、苦い顔で頷いた。
 請求歐拓援助,被班諾斥責並不是那麼之前的事情。路茲似乎也想起來了,用苦澀的表情點了點頭。

「たまたまベンノさんが『簡易ちゃんリンシャン』の作り方を買ってくれて、初期費用を全額負担してくれたからよかったけど、道具を揃えるのにもすごくお金がかかってるって、ルッツにもわかるでしょ? 何を始めるにもお金がいるんだよ」
「班諾先生偶然買下了『簡易潤洗劑』的作法,因為將初期費用給全額負擔了雖然很好,但集齊工具也非常花錢,路茲也明白的吧? 開始些什麼也是要錢的唷」
「鍋に材木、灰、糸、竹細工……よく考えたら、すげぇ高いよな?」
「鍋子裡的木材、底灰、絲線、竹器精工……好好考慮的話,是非常昂貴呢?」

 ここ最近、仕入れのために色々な店を回るようになって、露店ではなく、店で売られている物の品質と物価がわかってきたルッツは、紙を作るための初期投資の値段に青ざめていく。
 這最近,變成就像是為了採購而走訪各式各樣的商店,不是露天商店,明白了在店裡被販售著的東西的品質與價格的路茲,對為了製做紙張的初期投資的價錢逐漸發青。

「だから、貯めておくの。ベンノさんにも試作品ができたから、初期投資は終了だって言われたでしょ? これから先、紙を作るための道具を増やそうと思ったり、何か新しいことを始めようと思ったら、全部お金がかかるの。紙がいっぱい作れて、本を作ることになっても、新しい道具がいるもの」
「所以,要先存錢。被班諾先生說了試作品完成之後,初期投資就結束了對吧? 今後,想要增加為了製做紙張的工具,想要開始什麼新的事情吧的話,全部是要花錢的。就算紙張做了滿滿一堆,變得能製做書本,也會要有新的工具的東西」
「だから、次のためか……」
「所以,是為了下次嗎……」

 納得したような、していないような表情のルッツの様子をじっと窺う。
 目不轉睛地窺視著似乎沒有做出像似了解了,的表情的路茲的樣子。
 わたしよりもルッツの方がお金を貯めておかなければならない差し迫った理由があるのだが、ルッツは気付いていないのだろうか。思い至っていないのだろうか。
 雖然路茲比起我更沒有必須要把錢存起來的迫近理由,但是路茲沒有注意到嗎。沒有想到嗎。
 少し考えた後、わたしはゆっくりと口を開いた。
 稍微思考之後,我緩緩地開口了。

「こんなこと言いたくないし、考えたくないけど……もし、ルッツの両親が洗礼式になっても商人になるのを許してくれなかったら、ルッツはどうする?……先のこと、考えたこと、ある?」
「雖然不想說這種事情,不想考慮……假如,路茲的雙親就算到了洗禮式也不允許成為商人的話,路茲要怎麼做?……剛才的事情,有考慮過,嗎?」

 わたしの質問を聞いて、辛そうに顔を歪めた後、ルッツは力ない声で小さく呟いた。
 聽到我的提問,扭曲難過似的表情後,路茲用沒力的聲音小小的嘟噥著。

「……ベンノの旦那に頼んで住み込み見習いになろうと思ってる」
「……我是想請求班諾老闆成為住宿實習的」
「うん、商人になろうと思ったら、そうするしかないよね? 諦めるって言われなくてよかった」
「嗯,想要成為商人的話,就只能那樣做了呢? 沒有說要放棄太好了」

 わたしが笑って見せると、少し安心したようにルッツが息を吐く。この年で家を飛び出そうとするのだから、相当の覚悟がいると思うし、まだまだ迷いはあると思う。
 我笑著展現後,路茲像是稍微安心了吐了一口氣。因為以這個年紀要跑出家裡,我認為是有相當的覺悟,我想還是有迷惘。
 けれど、ルッツは自分の目指す方向に行こうとしている。それなら、やはり先立つ物は必要だ。
 但是,路茲打算往自己的目標方向前進。那樣的話,果然口袋有錢是必要的。

「でも、ルッツ、よく考えて。家を飛び出して、住み込みになった時にも最初のお給料が出るまでの生活費や見習いとしての服を整えるお金がいるんだよ。家を飛び出したルッツに、自由になるお金があるのと無いのでは全然違うと思う」
「但是,路茲,好好考慮。跑出家裡,準備在變成住宿的時候直到給出最初的薪水為止的生活費或作為實習的衣服都要有錢唷。對跑出家裡的路茲,我認為變得自由的錢有或沒有是完全不一樣的」
「あ……」
「啊……」

 ハッとしたように、ルッツは顔を上げた。
 像是恍然大悟,路茲抬起了頭。

「自分が稼いだお金を自分のために貯めておくのは、別に悪いことじゃないよ。みんなが全額出し合って生活しているから、罪悪感はあるかもしれないけど、本当は仕事をする年齢じゃないルッツがたった5日足らずで大銅貨13枚も持って帰るんだよ? ラルフの見習いのお給料より高いお金を家に渡すんだよ? だから、大丈夫」
「將自己賺的錢為了自己事先存起來,並不是什麼壞事唷。因為是過著大家都互相拿出全額的生活,雖然說不定也會有罪惡感,但其實是並非工作年齡的路茲僅以不到5天的時間就帶回去了大銅幣13枚了唷? 把比拉魯夫的實習薪水還高的錢交給家裡了唷? 所以,不要緊」
「そっか……。ラルフよりも稼いだんだ、オレ」
「對吼……。比拉魯夫還會賺啊,我」

 誇らしげにルッツが笑う。
 路茲得意洋洋地笑了。
 見習いを始めたばかりのラルフが一月で稼げるのは、多分大銅貨8枚~10枚くらいなので、わたし達が稼いだ金額はかなり高額になる。
 因為剛剛開始實習的拉魯夫用一個月能賺到,大概是大銅幣8枚~10枚左右,我們賺到的金額變得相當的大額。

「マイン、ありがとう。すっげぇ気が楽になった」
「瑪茵,謝謝。心情變得非常輕鬆了」
「よかった」
「太好了」

 にへっと笑うと、何故か突然ルッツがわたしに背を向けて、その場にしゃがみこんだ。
 會心一笑後,不知為什麼路茲突然把背後轉向我,當場蹲了下去。

「どうしたの、ルッツ?」
「要做什麼呢,路茲?」
「背負ってやる」
「我來揹妳吧」
「はい?」
「什麼?」
「今日、結構色んなところに行ったから、かなり疲れてるだろ? 顔色が悪い」
「因為今天,去了很多各式各樣的地方,相當累了吧? 氣色很不好」

 ルッツの言葉にわたしは思わず自分の顔をぺたぺたと触ってみる。まだ熱いとは感じないので、熱は出ていないと思う。
 因路茲的話語我不由得輕輕拍打地摸看看自己的臉。因為還沒有感到熱,我認為並沒有發燒。

「……顔色悪いの?」
「……氣色不好?」
「まだそれほどじゃないけど、明日の午後も呼ばれてるんだから、無理はしない方が良い。オレが一番にしなきゃいけない仕事はマインの体調管理だからな」
「雖然還沒到那個程度,但因為明天下午也被呼喚了,不要去勉強比較好。因為我最優先必須要做的工作是瑪茵的身體狀況管理呢」
「……わかった。お世話になります」
「……知道了。請多關照」

 一日であちらこちらに移動しすぎて、へろへろになっているのは事実だ。ルッツが無理はしない方がいいと言うなら、結構危険な状態になっていると思って間違いない。
 一整天哪邊這邊移動過多了,變得軟弱無力是事實。如果路茲說不要去勉強比較好,我認為會變成相當危險的狀態是肯定的。

 ルッツはわたしを背負って家まで送ってくれた。さすがに階段は自分で上がったのだが、途中でへたりこみそうになるわたしの手を引いて、ルッツが一緒に上ってくれたから、本当に助かった。
 路茲揹著我送到家為止。雖然樓梯畢竟還是自己爬上去,但在途中拉著變得快累到坐下去的我的手,因為路茲也一起排上去,真的幫大忙了。

 正直、家の前までの階段が一番きついんだよ。
 老實說,到家之前的樓梯最費勁了唷。

「ただいま、母さん」
「我回來了,媽媽」
「あら、ルッツ。ここまで来るなんて珍しいわね? マインの体調、良くないの?」
「啊啦,路茲。來到了這裡真的很稀奇呢? 瑪茵的身體狀況,不好嗎?」
「今日はベンノの旦那に髪飾りを見せるだけのつもりだったんだけど、ギルド長に会って、家にお邪魔することになったんだ。直接、髪飾りを渡してほしいって言われて。だから、多分すごく疲れてると思う」
「雖然今天打算只將髮飾展示給班諾老闆看,但見了公會長,變成了住家拜訪。被說了希望直接,交付髮飾。所以,我想大概非常累了」
「そう、いつもありがとう。助かるわ」
「是喔,每次都謝謝你。幫大忙了喔」

 そう言って、母は中銅貨を一枚、ルッツに握らせる。
 那樣說著,母親將中銅幣1枚,讓路茲握著。
 そのお金を見て、思い出した。
 看到那個錢,想起來了。

「あ、そうだ。母さん、これ、忘れないうちに渡しておくね」
「啊,對了。媽媽,這個,在還沒忘掉時先交給妳」
「マイン、あなた、一体何をしたの?」
「瑪茵,妳,到底做了什麼?」

 わたしが渡した大銅貨5枚を見て、母は蒼白になっていく。
 看到我交付的大銅幣5枚,母親逐漸變得蒼白。
 まさか髪飾りにそこまで価値があると思っていなかったようで、ぎょっと目を見開いたまま固まってしまった。
 似乎不認為髮飾怎麼可能那麼有價值,大吃一驚地張大了眼睛就那樣僵住了。

「フリーダの髪飾りを作ったお金だよ。珍しいから高く買ってくれるって言ったでしょ?」
「是製做芙莉妲的髮飾的錢唷。說過因為很稀奇會買得很貴的吧?」
「聞いてはいたけど、まさか、こんなに高いなんて……」
「雖然有聽到,沒想到,會是這麼貴之類的……」

 ごめん、母さん。実は紹介料兼手数料として自分用に小銀貨一枚は取り退けてあるんだ、なんて絶対に口にできない雰囲気である。
 抱歉,媽媽。其實作為介紹費兼手續費有從自己用裡拿回小銀幣一枚,什麼的是有著絕對說不出口的氛圍。

「本当なの、ルッツ?」
「真的嗎,路茲?」
「嘘は言ってないよ、エーファおばさん。オレだって一緒にやったから、同じだけ持ってる。マインと半分に分けたんだから」
「沒有說謊唷,艾法阿姨。因為就連我也一起做了,擁有同樣的數量。因為是跟瑪茵對半分」

 そう言って、ルッツも自分がもらった分の大銅貨を母に見せた。それでようやく信用してくれたようで、母は胸を撫で下ろす。
 那樣說著,路茲也將自己收到的份的大銅幣展示給母親看。就這樣似乎總算給予了信任,母親鬆了一口氣。

 ちょっと、母さん。娘のこと、全く信用してなくない?
 等下,媽媽。女兒的事情,完全不信任嗎?

「実は、明日の午後もベンノの旦那に呼ばれてて、店に行くことになってるんだ。だから、なるべくよく休ませてやって」
「其實,明天的下午也被班諾老闆呼喚了,變成要去店裡。所以,盡量讓她好好休息」
「わざわざありがとう、ルッツ」
「特意說明謝謝你,路茲」

 ルッツを見送って、バタンとドアを閉めた母は、少し眉を吊り上げながら、わたしをベッドに放り込んだ。
 送別了路茲,啪嗒地關上門的母親,一邊稍微豎起眉毛,一邊把我放進床裡。

「無理しちゃダメじゃない。それにしても、ずいぶん高く買ってくれたのね?」
「勉強不是不行。不過,買得相當貴呢?」
「うん。フリーダはお金持ちで、糸も高級なの使っていたし、普通は一つなのに、二つ作ったでしょ? それに、冬支度の忙しい時期だからって、料金を弾んでくれたの。だから、他の人に作ってもこんなに高くないからね」
「嗯。因為芙莉妲是有錢人,絲線也是使用高級的,普通是一個的說,但做了兩個對吧? 而且,說是因為是過冬準備的忙碌時期,給調漲了費用。因此,就算為其他的人製做也不會這麼貴呢」
「そう、忙しい時期だからって、配慮してくれたのね」
「是喔,說是因為忙碌的時期,顧慮到了呢」

 母の中でギルド長とフリーダは貧乏人にも配慮ができる、とても親切で紳士的なお金持ちとなったらしい。これから先、母が二人に会うことは多分ないだろうから、幻想を壊す必要もないだろう。
 在母親心裡公會長跟芙莉妲是能夠顧慮到貧窮人的,似乎變成了非常親切又紳士的有錢人。因為今後,母親大概不會遇到兩個人吧,沒有破壞幻想的必要吧。
 子供が大金を持って帰った理由がわかって、安心したらしい母は夕飯の支度のために寝室を出ていく。
 明白了小孩子帶回鉅款的理由,似乎安心了的母親為了準備晚餐離開了臥室。

 寝室に残されたわたしは、やはり、身体に相当負担がかかっていたようで、ベッドに横になるとすぐにうとうとし始め、夕飯を食べることもなく、深い眠りに落ちた。
 被留在臥室的我,果然,身體上似乎擔負了相當的負擔,橫躺在床上後就馬上開始打起瞌睡了,也沒有吃晚餐,就陷入深度睡眠了。


 起きたら、朝だった。
 起來的話,是早上。
 午後からベンノの店に行くことになっているので、午前中は休憩することになった。半ば強制的に。
 由於從下午變成要去班諾的店,所以上午變成要休息。半強制的。
 最近ちょっと外出が多いせいか、よく寝たはずなのに身体がだるい。熱が出そうな前兆がちらちらと伺えると思っていたら、冬支度を始めた家族にベッドに放り込まれたのだ。
 最近稍微外出多了的關係嗎,明明應該好好睡的身體很疲倦。認為發燒似的前兆隱隱約約地拜訪的話,就被開始過冬準備的家人放進床裡。

「マインはおとなしくしてろ。最近、頑張り過ぎだ。父さんより稼ぐ気か?」
「瑪茵老老實實地待著。最近,太過努力了。比爸爸還勤奮賺錢嗎?」

 板戸の点検をして回る父にそう言われ、冬用の布団やカーペットを広げて干し始めたトゥーリと母には、
 被巡視檢查木板窗檢查的父親那樣說了,將冬天用的棉被跟地毯攤開開始曬乾的圖麗跟母親,

「今日もベンノさんのところに行くんでしょ? 朝はおとなしくしていないと倒れるよ?」
「今天也要去班諾先生的所在對吧? 早上不老實點會倒下唷?」
「マインは冬支度ではほとんど役に立たないんだから、役に立てるところで頑張りなさい」
「因為瑪茵在過冬準備幾乎派不上用場,請在派得上用場的地方努力吧」

 と言われて、ベッドから動くことを禁じられたのだ。
 被那樣說了,被禁止從床上移動。
 仕方がないので、もそもそと布団の中に潜り込んで、家族が忙しなく動く様子を眺める。
 由於沒有辦法,磨磨蹭蹭地鑽進了棉被中,眺望著家人忙碌動作的樣子。

 今年は去年と違って、冬支度も何をするかわかってるから、ちょっとは役に立つと思ったんだけどな……。
 今年跟去年不一樣,因為知道過冬準備要做些什麼,雖然說想要稍微派得上用場呢……。

 家族の過保護具合は、昨日、大銅貨を5枚持って帰ってきて、母に渡した後、目覚めることなく眠ってしまったからだろうと思う。
 我想家人過度保護的情況是因為,昨天,帶回了5枚大銅幣,交給母親之後,醒不來而睡著了。
 家の中では手伝い一つ満足にできないわたしが、5日とたたないうちに大銅貨13枚を稼いできて、夕飯も食べずに眠りこけていたのだから、家族の脳内ではものすごい重労働をしたことになっている気がする。
 在家裡面幫助一個都滿足不了的我,在過不了5天之內就賺回來了大銅幣13枚,因為晚餐都沒吃就熟睡了,感覺在家人腦中變成做了相當的體力勞動。

 でも、ここ数日色んなところに行ったし、わたしにとっては確かに重労働だったかも。
 但是,這幾天去了各式各樣的地方,對我來說確實是體力勞動呢。

 お昼の4の鐘が鳴ったので、わたしは寒くないように服を着こんで、いつものトートバッグを持って出かける。
 因為中午的4之鐘響了,我為了不冷而將衣服穿上,帶著平時的手提包出門了。

「いってきます」
「我出門了」

 下まで降りて、ルッツと顔を合わせると、ルッツがわずかに顔をしかめた。
 下到下面,跟路茲照面之後,路茲微微皺著張臉。

「マイン、体調、そんなに良くないだろ? オレだけで行ってきた方がいいんじゃないか?」
「瑪茵,身體狀況,不是那麼好嗎? 只有我去不是也可以嗎?」
「最近忙しかったからね。でも、ベンノさんが冬の手仕事の金額を決めるって言ってたから、今日は行くよ。糸を運ぶのは、ルッツに任せられても、値段を決めるのは、わたしが行きたい」
「因為最近很忙呢。但是,因為班諾先生說過要決定冬季手工的金額,今天會去唷。搬運絲線,就算委託給路茲,決定價錢,也還是我想去」
「……あぁ、金額は、なぁ。オレ、まだよくわからないから」
「……啊,金額,呢。我,因為還不是很明白」

 そう、数字がまだよくわかっていないルッツに、値段を決めるのはまだ任せられない。今日だけはわたしが行って、ベンノが髪飾りにつける値段に関してはある程度交渉したいのだ。
 沒錯,對於數字還不太明白的路茲,決定價錢是還不能委託的。只有今天是我要去,班諾想要就有關於制定髮飾的價錢做某程度的交涉。

「じゃあ、せめて背負ってやるよ」
「那麼,至少讓我來揹吧」
「え? 悪いよ。昨日の帰りだって背負ってもらったのに……」
「咦? 不好意思唷。明明昨天回來也讓你揹了……」
「今日の帰りは糸を持って帰るから、背負えないんだ。今、体力を使うな」
「因為今天回來要帶絲線回來,不能揹的。現在,能使用體力呢」
「うぅ、午前中ずっと寝てたから、大丈夫なのに」
「嗚,因為整個上午都在睡覺,不要緊的說」
「こういう時のマインの大丈夫は当てにならないんだ」
「這種時候的瑪茵的不要緊不能夠指望呢」

 こういう時のルッツは頑固で絶対に譲らないんだ、と心の中で呟きながら、ルッツの背中に寄りかかる。
 這種時候的路茲是頑固且絕對不會退讓的,一邊在心中那樣嘟噥著,一邊靠近路茲的背後。
 わたしはほんの少ししか成長していないのに、ルッツはまた大きくなった気がする。病気のせいとはいえ、同い年でここまで差が開くのが、ちょっと悔しい。
 我明明只是稍微成長了一點點,但感覺路茲又長大了。雖說是生病的關係,是因為同年紀至此的差異打開了嗎,稍微有點不甘心。

「ルッツ? マインを背負っているようですが、体調が良くないのですか?」
「路茲? 是在揹著瑪茵嗎,身體狀況不好嗎?」

 ルッツに背負われたわたしを見つけて、マルクがぎょっとしたように目を見開くと、早足で寄ってきた。
 看到被路茲揹負著的我,馬爾克大吃一驚般地睜大了眼睛後,快步靠近過來。
 マルクはわたしの体調に過敏に反応する。わたしが目の前で意識を失ったことが相当トラウマになっているようで、本当に申し訳ない。
 馬爾克是對我的身體狀況過敏地反應了。我在眼前失去意識似乎成為了相當的精神創傷,真的很對不起。

「……最近、毎日外に出て、色んなところに行ってるから、疲れが出始めてる。多分、今夜あたりから寝込むと思う。だから、用件をさっさと終わらせたいんだ」
「……因為最近,最天都外出,去了各式各樣的地方,開始出現疲勞了。我想大概,會從今晚左右開始臥床。所以,想快點將要件結束掉」
「わかりました」
「我知道了」

 マルクは一つ頷いて、奥の部屋へと案内してくれた。
 馬爾克點了個頭,帶往了深處的房間。

「旦那様、マインとルッツが到着しました」
「老爺,瑪茵跟路茲到達了」
「通せ」
「進來」

 ギッとドアを開けて通してくれたマルクが一緒に部屋に入ってくる。
 進到嘰地打開了的門的馬爾克一起進入了房間。

「マインの体調があまり良くないとルッツから報告がありました。用件を手早く済ませられるようご配慮ください」
「有來自路茲瑪茵的身體狀況相當不好的報告。為了能迅速地把要件完事還請顧慮一下」
「わかった。座れ、二人とも」
「知道了。坐吧,你們兩個」
「はい」
「好」

 テーブルに着くとすぐに冬の手仕事の話が始まった。
 到了桌邊後就馬上開始冬季的手工的談話。
 ベンノに仕入れた糸の値段を提示され、この量の糸から作れる髪飾りの数をわたしが予測し、料金を決める。
 被班諾出示了購入的絲線的價錢,我來預測從這個數量的絲線能製作的髮飾的數量,決定費用。

「ベンノさん、この髪飾りは販売価格をあまり高くしたくないんです。糸も安いものを仕入れたから、なるべく色んな人が買える値段にしてくれませんか?」
「班諾先生,這個髮飾我不想太高的販售價格。因為購入的絲線也是便宜的東西,不能盡可能制定為各種人都買得起的價錢嗎?」
「マインの気持ちはわかるが、最初から大安売りというわけにはいかない。大量に出回るようになれば、販売価格は次第に下がって行くんだからな。最初は大銅貨3枚くらいだな」
「雖然明白瑪茵的心情,但不可能從最初就大賤賣。因為變得能大量地上市的話,販售價格就會逐漸下降了呢。最初是大銅幣3枚左右呢」

 ハレの日のためなら、ちょっと無理をすれば、ウチでも買えないこともない金額だ。ちょっときついが、姉妹で共有することにすれば、何とか……というくらいの値段設定なので、これから、少しずつ下がることを考えると妥当と言える。
 如果是為了盛會,稍微勉強點的話,也不是我家買不起的金額。稍微有點緊繃,但可以姊妹共享的話,好歹……因為是這樣左右的價錢設定,之後,考慮到會一點點下降後說得很恰當。

「それくらいなら、妥当ですね。わかりました」
「如果是那樣,很恰當呢。我明白了」

 わたしが頷くと、次はわたし達の取り分の話となった。
 我點了頭後,接下來變成我們的應得份的談話。

「髪飾り一つにつき、手数料と材料費を引いた取り分は中銅貨5枚だ。新しい手仕事で、他に注文できる相手がいないから少し高めの設定にしてある」
「關於髮飾一個,扣掉手續費跟材料費的應得份是中銅幣5枚。由於是新的手工,因為沒有其他能下訂的對象有稍微提高的設定」
「中銅貨5枚で高めの設定!? やっぱりフリーダの髪飾り、ぼったくりすぎじゃないですか!」
「以中銅幣5枚是提高的設定!? 果然芙莉妲的髮飾,不就是敲竹槓過頭了嗎!」

 ベンノの値段設定で、2つ分作っていたら、取り分は小銀貨5枚だったはずだ。100倍は値段が違う。
 由於班諾的價錢設定,製作2個份的話,應得份應該是小銀幣5枚。百分之百是價錢不一樣。

「あれは、基本がじじいの言い値だから、別にいいんだよ」
「那個,因為基本是老頭的要價,不是很好嗎」
「……じゃあ、普通はどれくらいの値段設定なんですか?」
「……那麼,普通是多少的價錢設定呢?」

 去年の冬の手仕事はトゥーリの籠作りを手伝ったけれど、わたし達に渡されたお金なんてなかったので、一個当たりの料金を気にしたことはなかった。
 雖然說去年的冬季手工是幫忙圖麗的製作籃子,但由於沒有交給我們的錢,所以沒有介意過一個左右的費用。

「冬の手仕事なんて、俺達商人が手数料を取って、裁縫や細工の工房の親方が手数料を取るんだから、実際に作るヤツの手に渡る金なんて、1つにつき中銅貨1枚でも恩の字だろ? お前たちは工房の親方を通した注文じゃない分、高いが」
「冬季的手工之類,因為我們商人收取了手續費、裁縫或工藝的工坊師傅收取了手續費,實際上交到製作的傢伙手上的錢什麼的,關於一個能有中銅幣1枚就該感恩了吧? 你們並非是透過工坊的師傅下訂的份,所以很高」
「えぇ!? 中銅貨一枚もないって、そんなに安いんですか!?」
「咦!? 是說中銅幣一枚也沒有,那麼便宜的嗎!?」

 驚いた後で、日本でも内職の値段がかなり安かったことを思い出す。
 在驚愕之後,回想起了即便是日本副業的價錢也是相當便宜的東西。
 確か、ビーズのストラップみたいなものでも、一つ数十円だった。そう考えると、1つにつき中銅貨1枚くらいでも不思議ではない。自分達が受け取る中銅貨5枚が破格なのだ。
 確實,即便是像串珠的掛飾般的東西,一個也只要數十元。那樣考慮的話,關於1個即便是中銅幣1枚左右也不會不可思議。我們自己收取了中銅幣5枚是破例了。

「工房で品物の売買ができるのは、基本的に親方だけだからな。親方がどのくらい手数料を取るかにもよって、多少の違いはあるぞ? マインは経験あるんじゃないのか?」
「因為在工坊能做物品的買賣的,基本上只有師傅呢。根據師傅收取了多少的手續費,也有著多少的差異喔? 瑪茵不是有經驗嗎?」

 冬の手仕事として髪飾りを作ると言いだしたのだから、経験はあるだろう? と聞かれて、わたしは去年の手仕事を思い出す。
 因為說出了作為冬季的手工要製做髮飾,所以有經驗吧? 聽到那樣,我回想起了去年的手工。

「去年は姉のトゥーリの手仕事を手伝ったんです。でも、原価も手数料も取り分も何も知らずに作ってましたし、わたしの手元にお金は来ませんでした。あれ? そういえば、作った物を売るのって、ギルドの登録がいるんですよね? ウチの母さん、登録してたのかな?」
「去年是幫忙姐姐圖麗的手工。但是,不論原價或手續費還是應得份什麼都不知道就做了,錢沒有來到我的手上。奇怪? 這麼說來,販賣製作物,是需要公會的登記的呢? 我家的媽媽,有登記過嗎?」

 トゥーリとわたしの手仕事だった籠を持って行ったのは母だったけれど、母が商業ギルドに足を運んだという話は聞いたことがない。わたしが行った話を珍しそうに聞いていただけだ。
 雖然說將圖麗跟我的手工的籃子帶走的是媽媽,但沒聽說過母親要去商業公會的這種話。只是把我去的話很稀奇似地聽著而已。

「なんだ、お前の母親は露店でもしているのか?」
「什麼呀,你的母親也有在做露天商店嗎?」
「いえ、普段は染色の仕事をしているはずです」
「沒有,平常應該是從事著染色的工作」
「それなら、仕事場で割り振られた手仕事だろうな。親方が割り振った仕事を回収するだけなら、職人自身が商業ギルドに登録する必要はない。代表して売買を行う親方の登録だけがあればいい」
「那樣的話,是在工作場所被分配的手工呢。如果只是回收師傅分配的工作,工匠本身是沒必要在商業公會登記的。只要有進行代表買賣的師傅的登記就可以了」

 職人さんの仕事場では、社長がまとめて売買するので、社員に商人登録は必要ないらしい。代わりにそれぞれの職人ギルドで職人としての登録があるらしい。
 工匠先生的工作場所,由於是社長匯集來做買賣,社員似乎沒有商人登記的必要。作為代替似乎有要在各自的工匠公會作為工匠來登記。

 へぇ、初めて知った。
 哦,第一次知道。
 じゃあ、髪飾りを手伝ってもらうのも、工房のノルマが終わってからかな。
 那麼,請求幫忙髮飾,要從工坊的定額結束之後嗎。

「つまり、去年の手仕事は、母さんが仕事場で割り振られたもので、それをトゥーリに任せていて、さらに、わたしが手伝っていたんですね」
「也就是說,去年的手工,由於是媽媽在工作場所被分配的東西,把那個委託給圖麗了,而且,我有幫忙呢」
「何を作ったんだ?」
「做了什麼呢?」
「わたしが作ったのはこれです。これは最初に作ったので、かなりシンプルですが、暇にまかせて作った他のバッグはかなり凝ったものもあったんですよ」
「我製做的是這個。由於這個是最初製做的,雖然相當樸素,但在閒暇所委託製作的其他包包也是有著相當講究的東西唷」

 バーンとトートバッグを持ち上げて見せると、何故かベンノが苦い顔でこめかみを押さえた。
 啪地舉起手提包展示之後,不知為什麼班諾用不快的表情壓著太陽穴。

「どうしたんですか?」
「怎麼了嗎?」
「……また、お前か」
「……又是,妳嗎」
「へ?」
「咦?」

 またって、何ですか? そういえば、そういう苦い顔、何度か見たことありますね。もしかして、わたし、また何かやらかしてましたか?
 又說得,是什麼呢? 這麼說來,那種不快的表情,有看過好幾次了呢。難道,我,又做了些什麼了嗎?

「確か、春の終わり頃に売られた籠の中に、装飾に凝ったバッグが数点あったことを思い出した。手仕事は数をこなさなければ、手取りが増えない。手っ取り早く稼ぐために、荒い編み方が多い中で、やたらと目立っていたんだ」
「確實,我想起來在春季結束的時候被賣的籃子裡面,有數件在裝飾上很精細的包包。手工是必須要消化數量,才會增加純收益的。在為了迅速賺錢、而粗魯編織還比較多裡面,胡亂地引人注目呀」
「のおおおぉぉぉ!」
「不是吧!」

 暇にまかせてちょっと凝った飾りを入れてみたり、それをトゥーリに教えたりしていたが、まさか、市場で悪目立ちしていたとは。
 在閒暇時所委託而想試著稍微加入警就的裝飾,雖然把那個教給了圖麗,但沒想到,在市場會過分突出。

「誰が作ったか知りたくても、工房までは特定できるが、一斉に集められる冬の手仕事を作った職人までは特定できないからな」
「因為就算想要知道是誰做的,雖然到工坊為止都能特定,但到製作一同被收集的冬季手工的工匠為止就無法特定了呢」
「よかった~。特定できなくて……」
「太好了~。無法特定……」

 自分が変わっていることは自覚しているので、なるべく埋没しているつもりなのだが、どうも埋没できていない気がする。
 因為自己很奇怪這件事是有所自覺的,雖然打算盡可能埋沒起來,但有注意到實在沒法埋沒。

「自分で使う分なら、なるべく丈夫に作るのが当然だから、マインが持っているバッグもそれほど不自然ではないと思っていたし、装飾もないから、今まで結びつかなかったが……この半年ほどで俺が遭遇した不可解な物の出所は全部マインのようだな」
「因為如果是自己使用的份,盡可能製作結實是當然的,想說瑪茵所拿的包包也沒那麼不自然,因為也沒有裝飾,雖然至今也沒有聯結……在這半年來我所遭遇的不可理解之物的出處好像全部是瑪茵呢」

 凝ったバッグ、髪飾り、簡易ちゃんリンシャン、紙……と指折り数えられて、わたしは頭を抱えたくなった。ベンノの視点から見た話を聞くと、埋没したい人間の所業とはとても思えない。
 講究的包包、髮飾、簡易潤洗劑、紙張……被屈指算著,我變得想抱頭煩惱了。聽了從班諾的視點來看的話後,想要埋沒的人類的所作所為是非常沒想過的。
 何となく身の置き所がなくて小さく謝った。
 總覺得沒有置身之處而小小地道歉了。

「……なんか、すみません」
「……有些什麼,很對不起」
「まぁ、いい。それより、暇にまかせると凝る傾向があるようだな。髪飾りのデザインはマインが最初に作ったやつだ。勝手に変えるな。これは絶対だ。いいな?」
「算了,可以了。比起那個,在閒暇時所委託的話有講究的傾向呢。髮飾的設計就用瑪茵最初製作的東西。不要擅自變更。這個是絕對的。可以嗎?」
「わかりました。色違いは作りますが、デザインは統一します」
「我知道了。雖然製作顏色不一樣,但設計是統一的」

 まさか、去年作った籠やバッグが目立っているなんて思いもしなかったし、フリーダの時のように張り切って、悪目立ちしたくない。
 沒想到,從沒想過去年製做的籃子跟包包很顯眼,就像芙莉妲的時候般來勁,不想要過分突出。
 デザインを統一しておくことで問題は回避できるはずだ。
 事先將設計統一應該能迴避問題了。

「一応これで話しておく用件は終了だ。あぁ、そうだ。確か、冬の間に勉強したいと言っていたな? これを貸してやるから、帰ったら目を通しておけ」
「姑且就這樣事先談話的要件結束了。啊,對了。確實,有說過在冬季期間想要學習呢? 因為借了這個,回去之後要先瀏覽」
「……何だろう?」
「……是什麼呢?」

 ベンノに渡された木札に目を通そうとしたら、ぐにっと頬を抓られた。
 打算瀏覽被班諾交付的木牌的話,陷入似地被掐了臉頰。

「帰ったら目を通すんだ! わかったか?」
「回去之後再瀏覽呀! 知道了嗎?」
「はひっ!」
「是低!」
「まったく……。返すのは熱が下がってからでいい。早目に帰って寝ろ。ルッツ、この阿呆から目を離すなよ。帰りの道中で木札を読んで事故にでも遭いそうだ」
「真是的……。在退燒之後還來就可以了。提早回去睡吧。路茲,不要把眼睛從這個呆子身上離開喔。在回去的路上讀木牌似乎也會遭遇事故」

 麗乃時代に本を読みながら、学校から帰っていて車にはねられたことを思い出したわたしは、口を閉ざして視線を逸らした。
 回想起在麗乃時代一邊讀書,一邊從學校回來而被車撞的我,閉上了嘴巴撇開了視線。


 帰りはマルクが注文しておいた糸が入った籠を準備していてくれたので、ルッツがそれを持って帰る。マルクに非常に心配そうな顔で見送られながら、帰途についた。
 回去是因為馬爾克已經準備好了放入了事先下訂的絲線的籃子,路茲將那個帶了回去。一邊被馬爾克用非常擔心似地表情送別,一邊踏上歸途。
 のんびりゆっくりとした足取りで帰りながら、わたしは寝込む前に決めておきたいことをルッツに相談する。
 一邊用作為悠閒又緩慢的腳步回去,我一邊跟路茲商量想要先在臥床之前決定的事情。

「ねぇ、ルッツ。髪飾りの取り分なんだけど……」
「喂,路茲。雖然是髮飾的應得份……」
「なんだ?」
「什麼?」
「簪部分より花の部分の方が、ずっと時間がかかるから、中銅貨2枚と3枚に分けていい?」
「因為比起髮簪部分還是花的部分,更花時間,分成中銅幣2枚跟3枚可以嗎?」
「いいぞ。かかる時間を考えたら、1枚と4枚でもいいくらいだ」
「可以喔。考慮到花費的時間的話,甚至是1枚跟4枚也是可以的」

 手間だけを考えれば、ルッツの言う通りにするのが一番だが、わたしが2枚と3枚に分けたいと考えたのは、別に理由がある。
 只考慮到工夫的話,如同路茲所言是最好的,我想分成2枚跟3枚所考慮的是,有另外的理由。

「それじゃルッツの計算が大変だから、中銅貨2枚と3枚に分けよう」
「因為那樣路茲的計算就會很辛苦,分成中銅幣2枚跟3枚吧」
「計算?」
「計算?」
「そう。今回は自分達の取る手数料を一つにつき中銅貨1枚にして、花の部分は中銅貨2枚、簪部分は中銅貨1枚で、家族に仕事を依頼してみない?」
「沒錯。這次關於一個將我們自己收取的手續費作為中銅幣1枚,因為花的部分是中銅幣2枚,髮簪部分是中銅幣1枚,不試著將工作委託給家人嗎?」
「え? 家族に?」
「咦? 給家人?」

 わけがわからないと首を傾げるルッツにわたしは先を続ける。
 我對不明白意義而歪頭不解的路茲繼續了下去。

「うーん、わたしの花を作るスピードから考えて、一月で30くらいしか作れないと思う。
簪部分ばかり残っても困るから、まず、一月で30の簪を家族にも作ってもらって、自分達が手数料を取ることを覚えてみようよ」

「對,從製做我的花的速度來考慮,我認為一個月內只能製做30左右。
因為就算僅有髮簪部分殘留也很困擾,首先,也請家人製做一個月內30個的髮簪,試著記住我們自己收取的手續費吧」
「それって、商人になるため?」
「那是說,為了成為商人嗎?」

 前に話した商人と職人の違いを思い出したらしいルッツは、わたしのしたいことを理解したようだ。
 似乎回想起之前說過商人跟工匠的不同的路茲,好像理解了我想做的事情。

「そう、ベンノさんの真似っこから始めてみない? 商人見習いになるために、ルッツは勉強を頑張らなきゃダメでしょ? 簪部分ばかり作ってるわけにはいかないと思うんだよね。まぁ、自分で作ったら作った分のお金は自分の物にしてもいいと思うけど」
「沒錯,不試著從模仿班諾先生開始嗎? 為了成為實習商人,路茲必須要努力學習對吧? 我認為不能光只是製做髮簪部分呢。反正,雖然認為自己製做的話製做的份的錢是作為自己的東西也可以」

 家族からお金を取るようなものだから、あまり気持ち良くないのはわたしも一緒だが、商人になってから、自分の家族だけは特別なんて行動をしていたら、すぐに商人として立ち行かなくなる。
 因為是像從家人那裡收取金錢的東西,雖然心情不太好是我也一起的,但因為成為商人,只有自己的家人做了特別之類的行動的話,馬上就變得不能作為商人繼續下去了。
 そんなわたしの説明に、ルッツはしばらく地面を睨んでいたが、グッと顔を上げた。
 對那樣的我的說明,路茲雖然暫時注視著地面,但突然使勁地抬起了頭。

「……やってみる」
「……我試看看」


 糸は花の部分を作るわたしの家に置いておいた方がいいので、ルッツに家まで糸を運んでもらった。
 因為絲線是製做花的部分而先放在我家會比較好,請路茲將絲線般到家為止。
 当然のことだが、大量の糸を持ち帰ったことに家族がビックリしたようで、冬支度の手を止めて寄ってきた。
 雖然是當然的事情,但家人好像對帶回了大量的絲線嚇了一跳,停下了過冬準備的手靠了過來。

「ルッツ、この糸、どうしたの?」
「路茲,這些絲線,是怎麼一回事?」

 いや、だから、どうして娘のわたしじゃなくて、ルッツに聞くかな?
 不對,所以,怎麼不會是身為女兒的我,而是跟路茲打聽呢?

 わたしとルッツの信頼度の違いに、むぅっとしつつ、わたしは説明する。
 對於我跟路茲的信賴度的不同,一邊表達不爽,我一邊說明。

「髪飾りを作るための糸だよ。完成品をベンノさんに売る代わりに、糸は買ってもらえることになったの。これ、わたしの手仕事の材料だから勝手に使っちゃダメだからね」
「是為了製做髮飾的絲線唷。作為代替將完成品賣給班諾先生,變成了請求購買絲線。這個,因為是我的手工的材料所以擅自使用是不行的呢」
「わかったわ。ルッツ、ありがとう。これ、よかったら食べて」
「我知道了。路茲,謝謝你。這個,可以的話吃吧」

 母はルッツに小さなビンに入った、できたてのジャムを渡す。ルッツは顔を輝かせてビンを受け取ると、足取りも軽く帰っていった。
 母親將放入小瓶子內、做好的果醬交給路茲。路茲喜出望外地收下了瓶子之後,腳步也很輕快地回去了。

「これは、物置に置いておくから、マインはもう寝ろ」
「這個,因為要先放在儲藏室,瑪茵已經該睡了」

 父が糸の大量に入った籠を物置に置きに行ってくれて、わたしはベッドへと追い立てられる。
 父親去將放入大量絲線的籃子放置到儲藏室,我則被趕向床鋪。

「うぅ、せめて、身体拭きたい。昨日も拭いてないし、今日だって外出したから気持ち悪いんだもん」
「嗚,至少,想要擦拭身體。昨天也沒有擦拭。因為就連今天也外出了感覺好噁心咩」
「ちょうどお湯が沸き始めたところだからいいよ。わたしも綺麗にしたかったし、持って行ってあげる」
「正好水要開始沸騰了所以可以唷。我也想弄乾淨,我會拿過去」
「ありがと、トゥーリ」
「謝謝,圖麗」

 およそ一年、わたしはトゥーリと身体の拭きっこをしてきた。トゥーリも最近は三日くらい拭かないと気になるらしい。
 大約一年,我跟圖麗互相做著擦拭身體。圖麗最近似乎三天左右不擦就會很在意。
 寝室の中でも竈の裏側で一番暖かい場所に湯浴みの準備をして、身体を拭きながらトゥーリがしみじみとした口調で言った。
 在臥室裡面也是爐灶的反面且最溫暖的地方做沐浴的準備,一邊擦拭身體圖麗一邊以有感而發的語調說著。

「去年は何かわけのわからないことをしていたマインが、今年は自分で仕事を取ってくるなんてビックリだよね」
「去年做著什麼都不明白的事情的瑪茵,今年靠自己取得了工作回來什麼的嚇了一跳呢」
「トゥーリは今年も籠を作るの?」
「圖麗今天也是製做籃子嗎?」

 桶の中でタオルを洗って搾りながら、わたしはトゥーリに聞いてみた。
 在桶子裡面洗著毛巾一邊擰乾,我一邊試著跟圖麗打聽。
 トゥーリは三つ編みを退けて、首の辺りを拭きながら、自分の予定を話してくれる。
 圖麗拆下麻花辮,一邊擦拭頭的附近,一邊說著自己的預定。

「わたしの仕事場の手仕事より、母さんの仕事場の方が高いから。これから、籠作りのための木を切ってきて、皮を剥ぐ予定なの」
「因為比起我工作場所的手工,媽媽的工作場所還比較貴。之後,預定是切下為了製作籃子的木頭、將皮剝下」
「そうなんだ? 仕事場の手仕事って絶対にしなくちゃいけないものじゃないの?」
「是那樣呀? 是說工作場所的手工是不是絕對必須要做的東西呢?」

 工房の親方から割り振られるものではなかったのか。ベンノから聞いた話からノルマがあると思っていたわたしが首を傾げていると、トゥーリが小さく笑った。
 不是被工坊的師傅分配的東西嗎。因為從班諾那聽到的話想到有定額的我歪頭不解後,圖麗小小地笑了。

「お小遣い稼ぎだからね。いっぱい作る人もいるし、家族の服を作る方が忙しくて、手仕事まで手が回らない人もいるから、絶対じゃないよ?」
「因為是賺零用錢呢。做了一堆的人也有,製做家人的衣服還比較忙,而連手工都顧不上的人也有,所以不是絕對唷?」
「あぁ、それぞれ事情があるもんね」
「啊,有著各自的情況呢」

 工房のノルマが終わったら手伝ってもらおうと思っていたけれど、別にノルマというわけじゃないなら、トゥーリに最初からわたしの手仕事を手伝ってもらっても問題ないんじゃないだろうか。
 雖然有想過工坊的定額結束的話去請求幫忙,但如果並非是所謂的定額,就算請圖麗從最初就來幫忙我的手工是不是也沒有問題呢。
 わたしはちらりとトゥーリを見て、ニコリと笑った。
 我瞄了圖麗一眼,微微地笑了。

「わたしが作るのはトゥーリに作った髪飾りなの。あれと同じ髪飾りを一つ作ったら中銅貨2枚もらえるんだよ」
「我所做的是做給圖麗的髮飾。製做一個跟那個一樣的髮飾的話能收到中銅幣2枚唷」
「え!? 何それ!? すごくお金になるじゃない。わたしも一緒にやっていい?」
「咦!? 那算什麼!? 不是非常能換錢嗎。我也一起做可以嗎?」
「うん、一緒にやろうね」
「嗯,一起做吧」

 わたしがそう言うと、トゥーリは嬉しそうにはしゃぎ始めた。いっぱい作って、お小遣いもらうんだ、と目を輝かせる。
 我那樣說了之後,圖麗高興似地開始嬉鬧。要做一堆,收下零用錢,那樣說著閃耀著目光。

「ねぇねぇ、マイン。何を準備すればいいかな?」
「喂喂,瑪茵。要準備什麼才可以呢?」
「ベンノさんが糸を準備してくれたし、簪部分はルッツが作るから、特に準備するものはないよ。細いかぎ針があれば大丈夫」
「班諾先生準備好了絲線,髮簪部分是路茲要製做,所以沒有另外要準備的東西唷。有細小的鉤針的話就不要緊了」
「下準備も必要ないなんてすごく楽だね」
「事前準備也沒有必要什麼的非常輕鬆呢」

 うふふ、と笑っていたトゥーリが、不意に笑顔を凍らせて、目を瞬きながらわたしの背後を指差した。
 唔呵呵,地笑著的圖麗,突然讓笑容凍結了,一邊眨著眼睛一邊用手指著我的背後。
 わたしがくるりと後ろを振り返ると、眉を寄せた母が、頬に手を当てて立っていた。かなり真剣な眼差しで何かを考え込んでいる。
 我轉回頭去看後面後,皺起眉頭的母親,將手貼到臉頰上站著。用相當認真的眼神沉思著些什麼。

「ねぇ、マイン。マインの晴れ着を仕上げたら、わたしもやっていいわよね?」
「喂,瑪茵。做完了瑪茵的盛裝的話,我也可以做嗎?」

 ルッツ、どうしよう?
 路茲,怎麼辦?
 母のやる気に火がつきました。
 在母親的幹勁上點火了。
 簪部分に追加が必要そうです。
 髮簪部分似乎需要追加了。

======================================================================
 母のアップが始まりました。(笑)
 母親的提昇開始了。(笑)
 冬は内職で稼ぎます。
 冬季是以副業來賺錢。

 次回はルッツの教育計画です。
 下回是路茲的教育計劃。
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