天声人語
あすは「音の日」、米国のエジソンが蓄音機を発明したのにちなむそうだ。そのエジソンが初めて取った特許は「電気投票記録機」なるものだった。議員が机上のスイッチを押すと即座に賛否と氏名が分かる。自信満々で州や国の議会に売り込んだ▼実演は上々だったが、買い手はつかなかった。簡単に採決できる機械は少数党の意見を封じてしまう、といった理由だった。議会の責任者は言ったそうだ。「時間がかかるのは無駄なようだが、それが政治の妙味なのだ」▼時は流れて、妙味どころか多数の横暴というべきわが国会である。巨大与党は何がなんでも特定秘密保護法案を採決するようだ。通ってしまえば手遅れだと、かくも多くの人が叫ぶ代物を、である。漫画家ちばてつやさんの言葉を借りる。「なぜ、これほど国民を軽視するのか」▼安倍首相にしろ、自民党の石破幹事長にしろ、数に驕（おご）って見下ろし目線になっていないか。連立を組む公明党も情けない。「ブレーキ役」を任じたはずが一緒に走っている印象だ▼エジソンが蓄音機に自身でよく吹き込んだのは「メリーさんの羊」だったそうだ。おなじみの歌詞、「♪どこでもついていく かわいいわね」のくだりが公明党にだぶってくる。自民党の「お供」では、失望する人は多かろうと思う▼順風に驕らぬ人徳を得意淡然などという。権力者であればこそ「得意傲然（ごうぜん）」では困る。もっと時間をかけて――の声になぜ耳をふさぐのだろう。言論の府の名が泣いている。
明天是日本音響協會的紀念日，聽說與出身於美國˙愛迪生所發明的留聲機有關。愛迪生初次獲得的專利產品是「電子式投票記錄機」，議員只要按設置在桌上的按扭，馬上就知道贊成與否的人員。滿懷信心地要賣進各州和國家議會
實際情況非常好卻大多是走馬看花，反而出現了簡易解決投票問題的機器，會封住少數人意見的理由。好像是議會主持人說的「好像浪費時間似的進行會議，這就是政治的妙處」
隨著時間轉變，這妙處已成了我國國會那理所當然的，「服從多數的蠻橫」。席次眾多的執政黨急著表決「特定秘密保護法案」。一旦通過的話就為時已晚，很明白多數人民大聲要求替換。特借漫畫家千葉徹彌先生的一句話「怎會這樣無視國民意見」。
不管是安倍首相還是自民黨的石破幹事長，不正是以高傲的姿態俯視整個局勢嗎?以「安定、希望」成立的公明黨也沒好到哪裡去。身負著抵制國會的責任反而留給人民一個助長聲勢的印象
愛迪生常在留聲機裡親自灌製「瑪莉的小綿羊」「不管去哪裡都會跟著去，好可愛呢」那麼親暱的歌詞與公明黨的形象剛好重疊。而自民黨這方面，我想只有一群失望的人。
常說青雲直上而不驕傲的品德，身為實權者卻帶著囂張跋扈的氣燄，讓人無法忍受。明明可以再花點時間聽取意見為何會充耳不聞。言論自由的府之名聲正在哭泣。
創作內容
天声人語 2013年12月5日（木）
天声人語 (17)