先生。今日は良い天気です。
先生に貰った太陽というテーマをこねくり回して、何度か書いてはみましたが、どうにも良いものが出来上がらず、こうして日が空いてしまいました。
こんなことは初めてです。
今まで代謝をするみたいに、待っていれば頭に浮かんでくる文字だけで物を書いてきたから、自分が手癖だけに頼っていることを意識させられてしまって、どうにも参りました。
老師,今天的天氣很好哦。
我反覆琢磨著老師提供的主題「太陽」,不斷地想要寫點什麼,卻遲遲無法創作出好作品,日子就這樣一天天過去了。
這還是頭一次遇到這種情況。
以往都是如同身體代謝一般,將等待一段時間後浮現於腦海中的文字寫成作品,現在這樣不禁意識到自己過於依賴已經習慣的創作方式,實在是相當困擾。
気分転換に散歩に出ると、背の高い草の間に蝶が止まっていました。
黄色い羽に、黒の斑点が入った大ぶりの蝶です。
それが、ゆっくり羽を広げて、気持ちよさそうに太陽を浴びていました。
風に草がそよぐたび、細かく体を震わせて。
僕はふいに、朔太郎の詩を思い出したのです。
先生は博識だからもしかしたらご存知かもしれませんが「蝶を夢む」の初めの一編です。
在我試著轉換心情出門時,發現了蝴蝶停在聳立的草上。
那是一隻黃色翅膀上有著黑色斑點的大蝴蝶。
它在陽光底下舒緩地展開翅膀,一副很愜意的樣子。
每當草隨風沙沙作響時,它纖細的身軀也會跟著顫動。
這點令我突然想起了朔太郎的詩集。
老師學識很淵博,想必也是知道的,就是「夢蝶」那首詩集開頭的其中一首。
「あたらしい座敷のなかで 蝶がはねをひろげてゐる
白い あつぼつたい 紙のやうなはねをふるはしてゐる。」
「於鋪設榻榻米的嶄新房間中 蝴蝶舒展著它的翅膀
不停擺動著 那潔白 厚實如紙張的翅膀」
そうして、僕は太陽を蝶に喩えてみようと考え始めました。すると、これまでが嘘のように筆が進んで、その日の夜には一編が書き上がっていました。
於是我開始思考起要如何將太陽比作蝴蝶。
接著,迄今為止的創作枯竭彷彿不曾存在一般,創作的筆持續舞動,在那天晚上便完成了一首詩。
美しい蝶がいます。体を燃やしながら、変えたての白熱電球のように明るい蝶。
蝶は大きく羽を広げて、人々の頭上を飛んでいきます。
砂漠や海原を越えて、その鱗粉を大地に注ぎながら。
それは、僕たちがこの地上で暮らすずっと前から、気が遠くなるほどに繰り返されてきた営みで、これからも、きっと半永久的に続く不変です。
人と違って決して変わらない。
僕はいつでも、蝶が羨ましいと、そう思っています。
有這麼一隻蝴蝶。
一邊燃燒著自己的身軀,璀璨明亮得如同新換好的燈泡。
它大大地展開翅膀,於人們頭上飛翔。
飛過沙漠與汪洋,將身上的鱗粉灑落大地。
那是,遠在我們於這片土地上生活時所發生,並且超乎我們想像,反覆不斷的行為。
而今後想必依舊會近乎永恆地持續不變。
不同於人,是絕對不會發生改變。
我常常會這麼覺得,蝴蝶實在很令人嚮往。
歌詞翻譯:
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美しい蝶の羽を見た
utsukushii chou no hane wo mita
我望見了蝴蝶那美麗的羽翼
名前も知らずに
namae mo shirazuni
卻連它的名稱都尚未知曉
砂漠の砂丘を飲み干してみたい
sabaku no sakyuu wo nomihoshitemitai
試圖將沙漠裡的沙丘一口飲盡
乾きの一つも知らずに
kawaki no hitotsu mo shirazuni
卻根本不曉得那究竟有多乾涸
美しい蝶の羽を私につけて
utsukushii chou no hane wo watashi ni tsukete
將蝴蝶那美麗的羽翼別在我的身後
緩やかな速度で追い抜いてゆく
yuruyakana sokudo de oinuiteyuku
便以不疾不徐的速度向前超越我吧
ゆっくりゆっくりとあくびの軽さで
yukkuri yukkurito akubi no karusa de
慢悠悠地 伴隨哈欠時的愜意
行ったり来たりを繰り返しながら
ittari kitari wo kurikaeshinagara
於空中來來回回不停搖曳
美しい蝶の羽を見た
utsukushii chou no hane wo mita
我望見了蝴蝶那美麗的羽翼
醜い私を知らずに
minikui watashi wo shirazuni
卻不曾意識自我醜陋的一面
海原を千も飲み干していく
unabara wo sen mo nomihoshiteiku
貪圖汲取千杯徹底飲盡汪洋
少しも満ちるを知らずに
sukoshimo michiru wo shirazuni
心中也不曾有過一絲滿足
美しい鱗の粉よ地平を染めて
utsukushii rin no kona yo chihei wo somete
絢麗的鱗粉啊 請將地平線映照得五彩繽紛
あり得ない速度で追い抜いてゆけ
arienai sokudo de oinuiteyuke
以我絕對無法企及的速度向前超越
ひらりひらりと木洩れの光で
hirarihirarito komore no hikari de
閃爍熠熠的陽光穿梭在葉隙間
行ったり来たりを繰り返しながら
ittari kitari wo kurikaeshinagara
來來回回輕輕地不停搖曳
私が歩いた道も、私の足も
watashi ga aruita michi mo watashi no ashi mo
我曾走過的路途、我的雙腳
私が触った花も、私の指も
watashi ga sawatta hana mo watashi no yubi mo
我曾觸碰的花朵、我的手指
私が死ぬ日の朝も、その他の日々も
watashi ga shinu hi no asa mo sonota no hibi mo
我死去的那天早晨、與那以外的日子
緩やかな速度で追い抜いてゆく
yuruyakana sokudo de oinuiteyuku
就不慌不忙地向前跨越這一切吧
ゆっくりゆっくりとあくびの軽さで
yukkuri yukkurito akubi no karusa de
慢悠悠地 伴隨哈欠時的愜意
行ったり来たりを繰り返しながら
ittari kitari wo kurikaeshinagara
於空中來來回回不停搖曳
ゆっくりゆっくりと彼方へ
yukkuri yukkurito kanata e
就不慌不忙地悠悠向著遠方
恐る恐ると羽を広げながら
osoruosoruto hane wo hirogenagara
儘管小心翼翼地展翅高飛吧