電撃の作家さんたちが、日頃の想いのままを書きつづるこのコーナー。今回は今月『護くんに女神の祝福を!(7)』を刊行する岩田洋季さんの登場だ!
第四十九回 岩田洋季さん
1983年12月13日生まれ。広島県出身。『灰色のアイリス』で小説家デビューを飾る。著者近影撮影のために海へ山へと張り切って出かけるものの、地元に素敵な撮影スポットがないことに愕然としつつ、頭をぶつけたひまわりにまで文句を言う、八つ当たりの21歳。
最新刊電撃文庫『護くんに女神の祝福を!(7)』は好評発売中!
【電撃文庫作品】
護くんに女神の祝福を!
護くんに女神の祝福を!(2)
護くんに女神の祝福を!(3)
護くんに女神の祝福を!(4)
護くんに女神の祝福を!(5)
護くんに女神の祝福を!(6)
護くんに女神の祝福を!(7)
護くんに女神の祝福を!(8)
護くんに女神の祝福を!(9)
護くんに女神の祝福を!(10)
護くんに女神の祝福を!(11)
護くんに女神の祝福を!(12)
護くんに番外編で祝福を!
護くんに番外編で祝福を!(2)
護くんに番外編で祝福を!(3)
灰色のアイリス
灰色のアイリスII
灰色のアイリスIII
灰色のアイリスIV
灰色のアイリスV
月の盾
【電撃コミックス】
護くんに女神の祝福を!(作画:佐藤利幸)
護くんに女神の祝福を! a blessing of Venus.(作画:C-SHOW)
タイトル:『撮影会』
僕がこれまでの人生史上最も笑った著者近影は『キノの旅』第一巻における「集合写真」である。というかふつう著者近影は笑いが起こる箇所ではない気もするのだけれどとにかく、これを書いている今日、友人に手伝いをお願いして著者近影の撮影に出かけてきた。
僕は一年ごとに著者近影を変えようと決めているのだが、僕には新幹線の写真を載っけて締切直前の著者だと言うセンスもビックリマンシール調の絵を描いてくれる友人も存在していないので真面目に写真を撮るしかない一方、堂々と顔を露出する度胸もないので困ったものである。かといって無関係な写真で適当に済ませようとすると、親戚筋から「なんじゃお前この写真なめとんか」と広島弁で凄まれたりするので思案しどころなのだ。
車で出発し、友人と相談しつつ一所懸命に素敵スポットを探した。素敵スポットであれば被写体がへにょくても景色で誤魔化せそうな気がするからである。そして探した結果、そんなたくさん素敵スポットがあったら我が町はもっと栄えとるわ、と気づいた。真夏であり、蝉はミンミン、蜂はブンブン、汗はだらだらである。おまけに、僕はデジタルカメラを持っていないのでめんどくさいことこの上ない。撮影内容をその場で確認できないから、気をつけて撮っているつもりでも、もしかしたらすべての写真で顔がどどーんとばっちり見えていたりして使い物にならないかもしれないのだ。怖ろしい。僕と友人のふたりとも、撮影会なんて恥ずかしいことをやっているこっぱずかしさも手伝い、カシャカシャやっているうちに妙なスーパーハイテンションになっていた。ふと我に返ったらすでに四十枚ほども激写しており、アホか自分ら……と僕と友人はまるでなにかの小説のヒロインがごとく赤面した。海に行ったかと思えば山に入り、とにかくやたらと疲れた疲れた疲れた。
つまり僕がなにを訴えたいかというと、著者近影なんてそんなものなくてもいいのではなかろうか。あ、でもそれだと『キノの旅』で爆笑できない。どうしよう。
さ~て次回は11月に単行本『夜魔』を刊行する甲田学人さんの登場だ! お楽しみに~!