電擊徒然草 第12回 橋本 紡さん

電撃の作家さんたちが、日頃の想いのままを書きつづるこのコーナー。今回は『バトルシップガール』『リバーズエンド』シリーズでお馴染みの橋本 紡先生が登場だ。はじまり、はじまりぃ～。 

第十二回　橋本 紡さん 

三重県伊勢市出身。第4回電撃ゲーム小説大賞で金賞を受賞。大好きなのは眠ること。平気で十二時間くらい寝てるので、人生のほぼ半分は寝てるらしい。もったいない気もするけど、それはそれで幸せだったり。小さな家に人間ふたりと猫二匹で暮らしている。

最新刊単行本『猫泥棒と木曜日のキッチン』は今月発売！

【電撃文庫作品】
猫目狩り＜上＞
猫目狩り＜下＞
バトルシップガール
バトルシップガール(2) 隠された惑星
バトルシップガール(3) ファリナス襲来
バトルシップガール(4) 戦いの果てに
バトルシップガール(5) ナツミをさがせ！
バトルシップガール(6) 右から二番目の星へ
バトルシップガールSP いつの日か
リバーズ‧エンド
リバーズ‧エンド２ slash the heart
リバーズ‧エンド３ free the birds
リバーズ‧エンド４ over the distance
リバーズ‧エンド５ change the world
リバーズ‧エンド　afterdays
毛布おばけと金曜日の階段
半分の月がのぼる空　looking up at the half-moon
半分の月がのぼる空 2 waiting for the half-moon
半分の月がのぼる空 3 wishing upon the half-moon
半分の月がのぼる空 4 grabbing at the half-moon
半分の月がのぼる空 5 long long walking under the half-moon
半分の月がのぼる空 6 life goes on
半分の月がのぼる空 7 another side of the moon-first quarter
半分の月がのぼる空 8 another side of the moon-last quarter

【電撃文庫ビジュアルノベル】
君と僕の歌 World's end
半分の月がのぼる空 one day

【単行本】
猫泥棒と木曜日のキッチン

【電撃コミックス】
半分の月がのぼる空（1）

【画集】
山本ケイジ画集 半月－HANGETSU－ 

『女の幸せ』

友人のＭ木は昔から惚れっぽい女だった。ちょっと顔のいい男を見れば「ねえねえ、かっこよくない！？」と喚き、あの手この手でそいつに近づこうとするのだ。彼女はわりと可愛い顔をしているので、そのターゲットはかなりの確率で彼女の手に落ちるのだが、彼女のそういった感情は要するにハシカみたいなものであって、罹るのが早ければ、治るのもまた早いのだった。僕が知ってるかぎり、彼女の“恋愛”が一年以上続いたことは一度もない。そのＭ木が、一年ほど前、出会って三カ月という男と結婚した。そして、半年で離婚した。たぶん彼女はこれからも波瀾万丈の人生を歩んでいくんだろうなあ。 

さて、話は変わるが――。十年ほど前、僕にはＳ原という女の子の友達がいた。彼女はちょっとした美人で、いわゆる男好きするタイプだった。当時の僕たちはろくでもない街で暮らしていたので、ありとあらゆる男が彼女を口説こうとした。しかし、どんな男に言い寄られても、彼女は絶対に首を縦に振らなかった。なぜなら、彼女には恋人がいたのだった。ただ、その恋人はどう考えても彼女に釣りあうような男じゃなかった。容姿も性格もひどいもので、ありとあらゆる人間に嫌われていた。彼女が酔っぱらった時、どうしてあんなヤツとつきあってるのか、僕は尋ねてみたことがある。彼女は妖艶に微笑んで答えた。
「彼とは幼なじみなの。ずっといっしょに育ってきて、もう肉親みたいなものだから」
「それが別れない理由？」
「肉親とは別れられないでしょ」 

今でも、そんなＳ原の言葉を思いだし、僕は本当に本当に不思議な気持ちになることがある。Ｍ木もＳ原も同じ女だ。なのに、こんなに違う考え方をするのだ。Ｍ木とＳ原――。彼女たちのどちらが、より“女”であり、より“幸せ”なんだろうか？
いくら考えても、僕にはその答えがよくわからなかったりする。

さ～て次回は『TRAIN＋TRAIN』『R.O.D』シリーズでお馴染みの倉田英之先生が登場するぞ！　お楽しみに！ 

翻譯： 

電擊的作家們寫、平日的想法樣子縫上這個角落。這次是用『バトルシップガール』『リバーズエンド』系列熟識的橋本紡老師是出現的。開始、開始的～。 

第十二回　橋本紡 

三重縣伊勢市出生。第4回的電擊遊戲小說大獎之金獎得獎。最喜歡的是睡覺。不在乎正睡著十二小時左右的用大約、人生的一半是好像正睡著的樣子。浪費的火氣也做但是、那個是所以幸福矣。在小家裡一個人正和二隻貓生活著。

最新刊單行本『猫泥棒と木曜日のキッチン』是本月發售！

『女孩的幸福』

朋友的M木是從從前起是容易迷戀的女人。看見臉稍微不錯的男子就說「ねえねえ、括號不好的！？」呼喚、那個手這個手對那個東西正要接近的。因為她的話就正呈現著可愛的臉，所以那個目標是相當的機率落下在她的手，然而她那樣的感情，總之宛如ハシカ的東西遇見，罹患早的話，醫好也早。知道我的限、她的“戀愛”持續一年以上是也不只一次。那個M木是、一年左右前、遇見和三個月的這種男子結婚。然後，在半年離婚。她大概今後也繼續走波瀾萬丈的人生吧。

之後、談話一旦改變然而――。十年左右前、有了我是S原的這種女孩子的朋友。她是小小的美人、所謂討男人喜歡的類型。當時的我們是因為已在即使六也沒有的街生活了，所以、所有一切男子正要勸說了她。但是，就算被怎樣的男子追求，她也絕對地沒恣意地揮頭的。因為，她有男朋友的。那個情人是即使只是思考如何也不是對她互相釣魚這樣的男子。姿容和性格都乾的禮簽的用被、所有一切人厭惡的。她醉了跳舞時候、正為什麼和那樣的東西交往著、我曾經問看看過。她是妖艷地微笑回答。
「所謂他是指幼年熟識。一直在一起成長之後、所以因為已經是宛如骨肉的親人」
「那個不分開的理由？」
「骨肉所謂無法分開」

即使現在也認為、那樣的S原的話想著、我是有著真是真是成為不可思議的心情。M木和S原都是相同的女人。卻是、如此不同的想法。M木和S原――。她們的哪邊、從是“女人”、從“幸福”的吧？
就算多少思考，我是不太知道那個答案的松鼠。

之～後下回是『TRAIN＋TRAIN』『R.O.D』系列熟識的倉田英之老師登場！