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雖然被像弟弟的王子廢除婚約,但我的婚約者可不是你放心吧。

作者:SPT草包│2020-08-30 00:27:18│巴幣:14│人氣:439
弟のような王子に婚約破棄されましたが、私の婚約者はあなたではないので安心なさって。
雖然被像弟弟的王子廢除婚約,但我的婚約者可不是你放心吧。
作者:七辻ゆゆ
原文連結

「メリーナ・ランフィス。貴様との婚約など破棄させてもらおう!」
「梅莉娜・蘭菲斯。我要廢除與妳的婚約!」
「……わたくしの婚約を……?」
「……我的婚約……?」
「そうだ! 貴様とこの俺との婚約だ!」
「沒錯!  是妳與本大爺的婚約!」
「あら、まあ……ふふ」
「哎呀,真是……呵呵」

 卒業パーティの場である。
 畢業舞會的場地。
 王子に婚約破棄を宣言されたメリーナ公爵令嬢はおかしそうに笑った。
 被王子宣布廢除婚約的梅莉娜公爵千金詭異地笑了。

 公爵といっても、彼女は隣国リスタークの公爵令嬢である。リスタークでは政変が続き、ようやく落ち着いた一年と少し前、この国の王の元に身を寄せ、学園へ通うようになった。
 就算說是公爵,她也是鄰國里斯塔克的公爵千金。在里斯塔克持續的政變終於塵埃落定的一年前一點,投靠到這個國家的國王身邊,開始上學。
 年頃の令嬢を預かるのなら、どこかへ嫁がせるという流れになるのが普通だ。そのため、王子との婚約を噂されていたのは気づいていた。
 若要照看適齡的千金,出嫁到某處這事付諸流水是很普通的。因此,注意到被流傳成與王子的婚約。

 メリーナは肯定はしなかったが、否定もしなかった。相手が王子ではないが、婚約が決まっていたのは確かで、それは卒業まで伏せておくべきものだったからだ。
 梅莉娜雖沒有肯定,但也沒有否定。雖然對象並不是王子,但因為確實決定了婚約,且那應該是要隱瞞到畢業的事。

「な、なにがおかしい!」
「有、有什麼好奇怪的!」
「いいえ、お続けになって。ではその隣のお嬢様と結婚されるおつもりなのね?」
「沒有,接下去吧。那麼你是打算要跟隔壁的那位千金結婚囉?」
「そうだ。このクリスティアこそが我が最愛、我が王妃にふさわしい!」
「沒錯。這位克莉絲緹亞才是我的最愛,配得上當我的王妃!」
「まあ、素敵……」
「哎呀,真棒……」
 メリーナは目を細め、うっとりと二人を見たが、王子の目はいよいよつり上がった。
 梅莉娜瞇起眼睛,陶醉地看著兩個人,但王子的眼神卻越加不服氣。

「ば、馬鹿にするな!」
「別、別把人當笨蛋!」
「いいえ、祝福いたしますわ。陛下から、王子は多くの女性に囲まれ、一人を選ぶ気はないようだと聞いておりましたが、やはり年頃になればきちんとお相手を選ばれますのね」
「不是,我是在祝福喔。雖然有從陛下那聽說,王子被很多女性包圍,似乎沒有要選擇一位,但果然到適齡的話就會好好地選擇對象呢」
「ライルはあたしと出会うのが運命だったの! 勝手に集まってきた女なんて、ライルは相手にしてなかったわ!」
「萊爾與人家相遇就是命運! 擅自聚集過來的女人才當不了萊爾的對象啦!」

「ま、まあ……」
「是、是喔……」
 メリーナはよろめいた。
 梅莉娜打個踉蹌。
 母国は政変で荒れていたが、それでもメリーナは貴族の中にいた。こうまで、まるで下町のような喧嘩の売られ方をした経験がない。
 母國雖因政變而荒廢,儘管如此梅莉娜依然待在貴族之中。至今都沒有過簡直像平民區般被找碴的經驗。

 周囲の者たちは慌てた。クリスティアの貴族らしからぬ無作法は有名で、皆、国の恥と感じている。隣国の貴族であるメリーナの目には、できるだけ入らないようにとしていたのだ。
 周圍的人們很慌張。克莉絲緹亞不像貴族的沒教養很有名,且大家都感覺是國恥。打算盡可能的不要映入身為鄰國貴族的梅莉娜眼中。
 クリスティアにマナーを身に着けさせれば一番いいのだが、王子が庇うのでそれもできず、この卒業の日を迎えてしまった。
 雖然能讓克莉絲緹亞掌握禮儀是最好的,但因王子的包庇而做不到那點,就迎來了畢業這天。

「え、ええ、そうですわね、最近の若い方は……古臭いマナーなどお嫌いなのでしょうね……」
「對、對呢,是那樣呢,最近的年輕人……是很討厭陳舊的禮儀呢……」
 メリーナは自分に言い聞かせ、なんとか気分を立て直した。
 梅莉娜說服自己,總算重整了心情。
「……わかりましたわ、クリスティア様。王子とは長いお付き合いでらっしゃるのね?」
「……我明白了,克莉絲緹亞大人。妳與王子交往了很久了呢?」
「そうよ。生まれた時から決まってたんだから! あなたなんてお呼びじゃないわ」
「沒錯。因為從出生時就決定了! 才不會叫妳勒」
「えぇー……」
「咦……」
 さすがの話の通じなさに、メリーナは頭を押さえ、天を仰いだ。
 梅莉娜對話語居然不通,壓著腦袋、仰望著天。

「ね、ライル様」
「對吧,萊爾大人」
 急にクリスティアは声を甘くして、王子にしなだれかかった。王子はうむ、と重々しく頷き、ちらっとクリスティアの胸元を見た。
 克莉絲緹亞忽然以甜美的聲音,依偎上了王子。王子嗯地重重點頭,瞄了一眼克莉絲緹亞的胸口。
 うわあ、とメリーナは漏れそうになる声を飲み込み、慌てて口元を扇で隠す。
 梅莉娜吞下幾乎要洩露的嗚哇聲,慌忙用扇子遮住嘴角。
 それをどう思ったか、クリスティアはにたりと笑った。
 克莉絲緹亞是怎麼想那行為的呢,咧嘴笑了。

「だいたいライルの前に出るのに、そんな野暮ったいドレス着て。目立てばいいとでも思ってるの?」
「再說明明要出現在萊爾的面前,卻穿著那麼樣庸俗的禮服。是認為只要顯眼就好了嗎?」
「これ……野暮ったいかしら……」
「這個……很庸俗嗎……」
 メリーナもこの国の最近の流行はうっすらとわかっている。けれども、やはりどうも抵抗があるのだ。無難なものを選んだつもりだったが、だめだったらしい。
 梅莉娜也微微地明白這個國家最近的流行。然而,果然還是有所抵抗。雖然打算選擇無可非議的東西,但似乎沒用。

「クリスティア。その女は何を着ても無駄だ。心根が腐っているのだ。……無礼で、馴れ馴れしく、その上傲慢な女だ。さっさと国へ帰るがいい」
「克莉絲緹亞。那女人穿什麼都沒用的。內心已經腐敗了。……無禮且過分親暱,而且是個傲慢的女人。趕快回國就好了」
「……馴れ馴れしかったのですね……」
「……過分親暱呢……」
 メリーナは頬を押さえてため息をつく。
 梅莉娜壓著臉頰嘆了一口氣。
 嫌われてしまったとは思っていたが、距離のとり方を間違えたらしい。王子の周囲は距離がやたらと近かったので、最近の若い子はそんなものなのだろうと思ってしまった。
 雖有想過是被討厭了,但似乎搞錯了拉開距離的方法。由於王子的周圍距離過份地靠近,還以為最近的年輕小孩就是那樣子吧。

 やはり、世代格差はそう簡単に縮まるものではない。
 果然世代差距是無法如此簡單地縮短的東西。
「傲慢でしたかしら……」
「我會很傲慢嗎……」
「そうよ! べたべたして、偉い王子様のライルのことペットみたいに!」
「沒有錯! 糾纏不清,把偉大的王子萊爾當成寵物一樣!」
「ペット……いえ、ペットというわけでは……その、わたくしの弟の、小さなころに似ていたものですから……」
「寵物……不對,與其說是寵物……那個、不如說更像是我弟弟小的時候……」
「馬鹿にするなと言っている!」
「我說過了別把我當笨蛋!」
「そうではなく、あの、ええっと……ごめんなさい」
「不是那樣的,那個、呃……很抱歉」

 考えてみればこの年の男性に失礼なことを言ってしまった。
 試著考慮一下,是說了對這年紀的男性很失禮的話。
 メリーナとしては、一人の女性を選ぶわけにもいかず、やけのように遊び回っていた頃の弟を思い出して切なく、そしてかわいく思ってしまったのだ。
 就梅莉娜而言,是回想起了選擇不了一位女性、自暴自棄般到處遊玩時的弟弟,而感到難過、然後又很可愛。
 将来的に身内になる予定でもあるし。
 將來也有成為自家人的預定。
(やってしまったわ……)
(做過頭了呀……)
 どうしよう。
 怎麼辦。
 挽回できるだろうか。
 能夠挽回嗎。

「その上、貴様はクリスティアをいじめただろう」
「而且妳還欺負克莉絲緹亞吧」
「はい?」
「什麼?」
 それは全く覚えがない。
 完全不記得那種事。
 なんといっても会ったのが初めてだ。こんな衝撃的な令嬢を目にして、忘れてしまうはずがない。
 不管怎麼說都是第一次見面。看到如此衝擊性的千金,應該是忘不掉的。

「陰湿な陰口を叩き、」
「背後說陰鬱的壞話,」
「言いたいことがあればはっきり言えばいいじゃない!」
「有什麼想說的講清楚說明白不就好了!」
「私物を盗み、」
「偷了私人物品,」
「あたし……あたし、あれ大事にしてたのに……!」
「人家……人家明明很珍惜那個的……!」
「机に落書きをし、」
「在桌子上塗鴉,」
「消すの大変だったんだから!」
「要擦掉很辛苦的!」
「階段から突き落とした!」
「從樓梯上推下去!」
「ひどい……ひどいよ……」
「好過分……好過分喔……」

 しくしくと泣き始めたクリスティアを、王子が抱き寄せてなだめている。
 王子把開始抽抽搭搭地哭泣的克莉絲緹亞抱了過來安撫著。
「泣かないでくれ。いつもの明るく強いティアに戻ってくれ」
「不要哭了好嗎。恢復成平時開朗堅強的緹亞吧」
「……明るく強いティアじゃないと、だめなの……?」
「……不是開朗堅強的緹亞就不行嗎……?」
「そんなことはない。でもそれは、俺と二人でいる時だけでいい」
「沒有那種事。但是那只要在與我兩個人的時候就好」
「……ぅんっ! あたし、泣かない……」
「……嗯! 人家、不會哭……」

「クリスティアを泣かせた罪、償ってもらう」
「讓妳償還惹哭克莉絲緹亞的罪」
「ふ」
「呵」
「……なぜ笑う!」
「……為何要笑!」
「ああ、いえ」
「啊啊,不是」
 なんだか劇のようで面白かったのだが、慌ててメリーナは微笑みを浮かべた。
 雖然總覺得就像戲劇般地有趣,但慌了的梅莉娜露出微笑。

「微笑ましかったのですわ。だって、陰口に窃盗、落書き、階段から突き落とす……でしたわね?」
「真是令人欣慰呀。因為,是講壞話加上偷竊、塗鴉、從樓梯上推下去……對吧?」
「そうだ! 未来の王妃を傷つけた罪は重い!」
「沒錯! 傷害未來王妃的罪是很重的!」
「かわいらしいこと。ふふ。リスタークでそんなことをしていては、先に殺されてしまいますわ」
「這事真可愛。呵呵。在里斯塔克做了那種事,是會先被殺死的喔」

 王子が、周囲の皆がぎょっと動きを止めた。
 王子、及周圍的眾人猛然地停下動作。
 リスタークの政変でどれだけ血が流されたかは、誰でも噂に聞いたことだ。しかし隣国の、一年前のことであるので、記憶から薄れかけていたところだった。
 因里斯塔克的政變而流了多少血是任誰都聽過的傳聞。可是那是鄰國一年前的事,且從記憶裡淡忘了。

「わたくしの姉は、夜会で一人のご令嬢のハンカチを拾い、それをお渡ししようと近づきましたが、そのご令嬢が政敵であったので、護衛のものに殺されてしまいました」
「我的姊姊在晚宴上撿到一位千金小姐的手帕,雖靠近過去打算交還那個,但由於那位千金小姐是政敵而被護衛的人殺死了」
「……は?」
「……啥?」
「きちんと立場を把握していなかった姉の失態でした。不用意に政敵に近づけば、こちらに殺意ありと思われても仕方がない。そういった状況にありました」
「由於是姊姊無法好好把握立場的失態,不慎靠近政敵的話,就算被這邊認為有殺意也是沒辦法的。是存在這種狀況的」
 ですから、とメリーナは微笑む。
 梅莉娜微笑說、因此。

「そのように……陰口、ふふっ、窃盗、落書き、階段から……ふふふっ、これが一番笑えますわ。階段から落とすなんてことをしておきながら、どうして殺さなかったのかしら」
「像那樣……講壞話、呵呵、偷竊、塗鴉、從樓梯……呵呵呵,這是最好笑的喔。儘管做了從樓梯上推下去這種事,卻為什麼沒有被殺掉呢」
「き、貴様、クリスティアを、殺す……? 殺すだと……」
「妳、妳、要把克莉絲緹亞、殺掉……? 要殺掉嗎……」
「このように平和な国でようございました。わたくし、嬉しいですわ」
「在像這樣和平的國家裡真好。我很高興喔」
「ば……ばかにするなと……!」
「就……就說別把我當笨蛋了……!」

「これは何の騒ぎだ!」
「這是在吵什麼!」

「へ、陛下!」
「陛、陛下!」
 ざっと周囲のものが揃って身を引き、膝をついた。
 周圍的人一齊迅速地後退、跪了下來。
 この国の王が現れたのだ。年若いながらも凛と背を伸ばし、ゆっくりと騒ぎの中心に近づいていく。
 這個國家的國王出現了。儘管很年輕卻懍然地挺直背脊,緩緩地逐漸靠近騷動的中心。

「父上、俺……、私は、メリーナとは結婚しません!」
「父親,我(俺)……、我(私)不會跟梅莉娜結婚的!」
「なんだと?」
「你說什麼?」
「王様、ライルは私と結婚します!」
「國王陛下,萊爾要跟我結婚!」
「……なんだと?」
「……妳說什麼?」

 一国の王でも、クリスティアの態度には動揺せずにいられなかったようだ。信じられないような視線を向け、それから王子をちらりと見て、メリーナに目を向ける。
 即便是一國之王,似乎也不得不對克莉絲緹亞的態度動搖。朝她露出不可置信的視線,然後瞄了一眼王子,把目光朝向梅莉娜。

「何かあったのか?」
「發生了什麼事嗎?」
「ライル王子はわたくしが、その方をいじめたとおっしゃっているのです」
「萊爾王子說,我欺負了那一位」
「……いじめたのか?」
「……妳有欺負她嗎?」
「いいえ。いじめる理由がありません」
「沒有。沒有欺負的理由」

「その女はあたしとライルを引き裂いて、自分がライルと結婚するつもりなの!」
「那個女人打算拆散人家跟萊爾,自己跟萊爾結婚!」
「そ、そうなのです、父上、卑劣な手で私の妃になろうと……」
「就、就是那樣,父親,以卑鄙的手段來當我的妃子……」

 王はその整った造作に、なんとも言えない微妙な表情を浮かべた。
 王子那端正的面容上,露出難以言說的微妙表情。
「メリーナ、ライルの妃になりたいのか?」
「梅莉娜想要成為萊爾的妃子嗎?」
「いいえ。ライル王子はちょっと、わたくしには若すぎますわ」
「不想。萊爾王子對我來說有點太年輕了喔」
「うーん……実年齢はともかく、見た目はさほどでもないからな」
「嗯……實際年齡姑且不論,外表卻並非如此呢」
「まあ」
「哎呀」
 メリーナはころころと笑った。
 梅莉娜咯咯地笑了。

「そうだと嬉しいですわ。陛下もお若くてらっしゃるから」
「我很高興是那樣呢。因為陛下也很年輕」
「父上になんという口を……!」
「妳對父親是什麼口……!」
「どうにも、これ以上の阿呆を晒させるのも忍びない。メリーナ、いい機会だ」
「不管怎樣,朕也不忍心讓這笨蛋再蠢下去了。梅莉娜,這是個好機會」
「……はい」
「……好的」

 王が差し伸べた手に、メリーナはそっと手を重ねた。
 梅莉娜輕輕地把手交疊在國王伸出來的手上。
 わずかに恥じらう仕草をみせたが、ふふ、と笑って王と視線を交わす。
 展露著略帶羞澀的動作,呵呵的笑了與國王視線交錯。

「皆に報告がある。妃を失って十年。今日この日、あれが残してくれた王子も、学園を卒業することができた。……色々と問題はあるが、健康に育ってくれたことに感謝したい」
「有事要跟各位報告。失去了妃子十年。今天這一天,那位遺留下來的王子也能從學校畢業了。……雖然有各種問題,但我想感謝他能健康地長大」
 苦笑する気配もあったが皆、静かに頷いて聞いている。
 雖也有苦笑的意思,但大家都靜靜地點頭聽著。
「そこで、新しい妃を迎える運びとなった。メリーナ」
「於是朕決定要迎接新的妃子。梅莉娜」
「はい」
「是的」
 メリーナは王に頷くと、皆にゆっくりと視線を向け、美しく微笑んだ。野暮ったいと言われた落ち着きのあるドレスが、王と並べばしっくりとはまる。
 梅莉娜對國王點頭後,緩緩地把視線朝向眾人,是美麗的微笑。被說是庸俗帶有穩重的禮服,與國王並列的話恰恰好符合。

「学園の皆様には、偽りを申し上げていたこと、お詫びいたします。わたくしはメリーナ・ランフィスではなく、メリーナ・リスターク。公爵家の娘ではなく、リスターク王家の五番目の娘でございます」
「跟學校的各位說了假話這事,我很抱歉。我並不是梅莉娜・蘭菲斯,而是梅莉娜・里斯塔克。我不是公爵家的女兒,而是里斯塔克王家的第五位女兒」

「リスタークの……」
「里斯塔克的……」
「お、王女さまでらしたのね」
「是、是王女殿下呢」

 ざわめきが広がる。メリーナはわずかに眉を下げて、謝罪の言葉を重ねた。
 喧鬧聲擴大。梅莉娜略微地垂下眉毛,重複道歉的話語。

「陛下のご配慮により、この国について学び、慣れるために学園に通わせて頂いておりました。暖かく迎えてくださった皆様に嘘をついておりましたこと、重ねてお詫びいたします」
「經由陛下的關照,為了學習、熟悉關於這國家而讓我去上學。對熱心迎接我的各位說謊這件事,我在此鄭重道歉」

「な、な……王女、だと……? 父上と結婚……」
「什、什……竟是、王女……? 要跟父親結婚……」
「はい。王子には特に申し訳ないことをいたしました。義理とはいえ親子として仲良くしたいと思っておりましたが、偽りの身分のままでは、馴れ馴れしくなってしまいましたね」
「是的。特別是對王子做了很抱歉的事。雖說是義理但我認為作為親子要和睦相處,以依然虛偽的身份就會變得非常親暱呢」
「う、嘘だ! そんな」
「騙、騙人! 那種事」
「本当に、申し訳ありません」
「真的非常抱歉」
「メリーナ。ライルに黙っていたのは私だ。君の責ではないよ」
「梅莉娜,對萊爾緘默的是我。不是妳的責任喔」
「陛下……」
「陛下……」

「そ、そうだ、父上、なぜ、黙って……」
「沒、沒錯,父親,為何、緘默……」
「以前、視察の予定がおまえの口から漏れ、寸前で予定を変更せざるを得なくなった」
「以前預定的視察從你口中洩漏了,不得不在臨行前變更預定」
「あ、あれは……たまたま」
「那、那是……偶然」
「たまたまで機密をばらされては困るのだがな。まあ一度ならばと思い、ニ度ばかり偽の情報を流してみたが、どれも広まった。おまえに機密を教えることは二度とないだろう」
「偶然讓機密暴露可是很困擾的。不過我認為才只有一次,而試著只在第二次散布假情報,就擴散到各處了。朕就再也不會告訴你機密了」

 周囲がまた大きくざわついた。
 周圍再次大大喧鬧起來。
 機密を教えることは二度とない。……それはつまり、彼に王位を譲るつもりはないということだ。
 再也不會告知機密。……那也就是說,沒打算將王位讓給他的意思。
 であればメリーナを娶ったことも納得が行く。最悪は養子に継がせるにしても、王の実子であるほうが話は丸くなるに違いない。
 那樣的話要娶梅莉娜也能理解。就算最壞要過繼給養子,說給身為國王親生兒子那方聽的肯定會更圓滑。

「メ、メリーナはクリスティアをいじめていたのです!」
「梅、梅莉娜欺負著克莉絲緹亞!」
「何のために? 嫁いびりにしても早すぎはしないか?」
「為了什麼? 就算是虐待媳婦會不會也太早了?」
「それは……メリーナは若い。父上よりも、私に乗り換えようと」
「那是……梅莉娜很年輕。比起父親,換成是我會更好」
「まあ。ふふ」
「哎呀,呵呵」
 メリーナは少女のように笑った。
 梅莉娜像少女般地笑了。
「笑うな! 貴様は都合が悪くなるとそうやって笑って……」
「不准笑! 妳屈居下風的話都會那樣笑……」

「いえ。若いと言ってくださったのが嬉しくて。……わたくしはもう二十六ですわ」
「不是。被你說年輕我很高興。……我已經二十六了喔」
「……え?」
「……咦?」
 王子が目を見開いた。
 王子睜大了眼睛。
 周囲も信じがたいという目で、先日まで学園で、当たり前のように周囲に馴染んでいたメリーナを見た。
 周圍也以難以置信的眼神,看著直到前幾天都還理所當然般地混熟進周圍的梅莉娜。
「ばかな……」
「怎麼可能……」
 王子のその言葉ばかりは皆も同意であった。
 王子的那句話大家也都同意。

「ふふ。若い方の中にいるのは、楽しいけれど、やっぱり浮いてしまいましたわね。まだ三十二でいらっしゃる陛下にも、申し訳ない気がいたしますけれど……」
「呵呵。在年輕人裡面雖然很快樂,但果然很不踏實呢。對還三十二歲的陛下也感到很抱歉就是了……」
「そんなことはない。あの政変の中では、とても嫁ぎ先を決めることはできなかっただろう」
「沒有那種事。在那場政變中,怎樣也無法決定婆家的吧」
「ええ。どこに嫁いでも翌日には冷たくなっていそうでしたもの。……ですから、いくらなんでもわたくしには、王子は若すぎますわ。弟よりもずっとお若くて……」
「對。不管嫁到哪裡在隔天就會變得冰冷。……因此,再怎麼樣王子對我來說還是太過年輕了喔。比我弟弟還年輕得多……」

 かわいらしくて、という言葉をメリーナは飲み込んだ。
 梅莉娜把名為好可愛的話語吞了進去。
 さすがに二度目の失敗はしない。
 畢竟不會再次失敗了。
 血で血を洗う政変の中にいたせいか、メリーナはうっかり失言してしまうことがある。母国ではあまりに血が流れすぎ、言葉の裏など読んでいれば全員殺すことになる。褒め言葉の細かな良し悪しなど考える余裕がなかったのだ。
 是待在以血洗血的政變之中的緣故嗎,梅莉娜有時候會不注意說錯話。在母國流了太多的血了,讀懂話語背後的話就會導致全員被殺。沒有考慮稱讚話語細節好壞的餘裕。

「ど、どういうことよ……?」
「妳、妳什麼意思啦……?」
「あなたがライル殿下の妻になるなら、わたくしが義母になるということですわ、クリスティア様」
「如果妳成為萊爾殿下的妻子,我就會成為妳的義母這件事喔,克莉絲緹亞大人」
「……え……嫌なんだけど……」
「……咦……雖然很討厭……」
「まあ、嫌われてしまいましたわね。大丈夫、わたくし嫁いびりなどいたしませんわ。若い方とは交流いたしませんと、老け込んでしまいますもの。お嫁にいらしたら、一緒にお茶会をして、たくさんお話しましょうね。クリスティア様に似合うドレスも、きっと用意しておきますわ!」
「哎呀,被討厭了呢。不要緊,我不會虐待媳婦喔。不能與年輕人交流是會變老的。妳來當媳婦的話,我們一起開茶會,聊聊許多話題吧。我一定會準備好適合克莉絲緹亞大人的禮服喔!」
 メリーナは心からそう言った。
 梅莉娜是打心底這麼說。
 色々とあったがクリスティアは自分を殺そうとしなかったのだから、自分も殺すまい。殺し合わないということは味方なのだ。
 雖然發生了各種事但因為克莉絲緹亞沒有打算要殺了自己,自己也不會去殺。不會互殺這件事就代表是自己人。

「ラ、ライル……」
「萊、萊爾……」
 だが平和な国の文法では、どう考えても「嫁いびりをします」という言葉だ。難しいことを考えるのが苦手なクリスティアも、そう受け取った。
 但是在和平國度的語法裡,再怎麼想都是所謂「我會虐待媳婦」的話語。不擅長思考困難事物的克莉絲緹亞也是如此理解的。
「きさ……」
「妳這……」
「ライルよ。メリーナは我が妻となる。今であっても、隣国の王女であり、おまえと同等の地位にいるものだ」
「萊爾唷。梅莉娜將成為我的妻子。即使是現在她也是鄰國的王女,是與你處在同等地位的人」
「…………、父上……そのような女を……」
「…………、父親……要娶那樣的女人……」
「そのような女?」
「那樣的女人?」
「そのような方を、本当に妻とするのですか!」
「真的要娶那樣的人來當妻子嗎!」
「それは私がおまえに問いたいところだ。そのような女を、本当に妻とするのか?」
「那是我想要問你的問題。真的要娶那樣的女人來當妻子嗎?」

「クリスティアを侮辱することは父上でも許しません! クリスティアは前向きで、明るく、努力家です!」
「就算是父親我也不允許你侮辱克莉絲緹亞! 克莉絲緹亞是積極、開朗、努力的人!」
「そうか。ではクリスティアとやら、ライルを夫とするのか?」
「是嗎。那麼克莉絲緹亞妳要讓萊爾當丈夫嗎?」
「あ、あたしは……」
「人、人家……」
 クリスティアは逡巡した。
 克莉絲緹亞猶豫著。
 結婚相手を選ぶにあたって、相手の母親は重要だ。いくらいい夫でも、ひどい姑がいれば自由気ままな生活などできない。
 在選擇結婚對象時,對方的母親很重要。即便是再好的丈夫,有位過分的婆婆就無法過上逍遙自在的生活。

 陥れようとした女が母。
 打算陷害的女人是母親。
 どう考えても最悪だ。けれども王子の妻の座を、そんなことで捨てられるはずがない。とうとでも、押しのけてしまえばいいことだ。
 怎麼想都是最糟糕的。但是也不應該因為那種事就捨棄掉王子妻子的寶座。即便尊貴,排除掉也就可以了。
 クリスティアはそう結論した。
 克莉絲緹亞如此結論。

「ライルと結婚します!」
「人家要跟萊爾結婚!」
「何があってもか?」
「就算發生什麼事嗎?」
「何があってもです!」
「就算發生什麼事!」

「ではライルはどうだ。何があってもか」
「那麼萊爾怎麼想。就算發生什麼事嗎」
「何があろうとも!」
「不論發生什麼事!」
「よし! よく言った! では二人はメリーナ王女を陥れようとした罪にて一年、鉱山での労働を申し付けるが、夫婦としての扱いを許す」
「很好! 說得很好! 那麼就指示你們倆,因打算陷害梅莉娜王女的罪在礦山裡勞動一年,但允許作為夫婦對待」
「え?」
「咦?」
「労……働?」
「勞……動?」
「うむ。では夫婦仲良く励めよ。……衛兵! つれていけ!」
「對。那麼夫婦倆努力和睦相處吧。……衛兵! 帶出去!」
「はっ!」
「是!」

「きゃあっ!」
「呀啊!」
「貴様、兵の分際で……クリスティアは俺の妻となる人だ! 離せ!」
「你不過是一介士兵……克莉絲緹亞是要成為我妻子的人! 放開她!」
「陛下のご命令ですので」
「這是陛下的命令」
「離して! なんであたしがそんな……! あっ、気のせい、気のせいだったの! あたしはいじめられてなんてないの……!」
「放開人家! 為什麼人家會遇到這種……! 啊,錯覺、是錯覺! 人家並沒有被欺負……!」
「クリスティア!? 何を言って……」
「克莉絲緹亞!? 妳說什麼……」
「ライルが勝手にそう言いだしたの! だから逆らえなくて……」
「是萊爾擅自如此說的! 所以人家無法違抗……」
「なんだと……!?」
「妳說什麼……!?」

 まとめて連れ去られていく二人を、メリーナは微笑ましく見守った。
 梅莉娜笑逐顏開的注視著被一起帶走的兩個人。
平和っていいですわね……」
「和平真好呢……」
 人を陥れようとしておいて、誰ひとり死人が出ないなんて。
 打算陷害人卻沒有出現任何一個死者。
「陛下、お二人が戻ってきたらわたくし、盛大な式をあげてさしあげたいわ」
「陛下,那兩人回來之後,我想為他們舉辦盛大的的儀式喔」
「……愛がまだ残っていたら、だな」
「……如果愛還殘留著的話呢」

「それよりメリーナ、私達の式が先だ」
「更何況梅莉娜,我們的儀式要先辦啊」
「まあ」
「哎呀」
 メリーナは微笑もうとして、少し失敗した。若い娘でもなし、恥じらいなど出すまいと思うのだが、どうしても、彼女だって未婚の娘なのである。
 梅莉娜打算微笑卻有點失敗。她也不是年輕女孩了,雖然認為不能顯露羞澀的表情,但不管怎樣,她都是個未婚的女孩。
 王様はそれを喜ばしく思った。
 國王陛下為此感到喜悅。
 メリーナと書簡を交わし始めてから今日まで、ふたりは互いを少しだけ知った。そして王様はメリーナがもっと平和に慣れるよう、努力するつもりだ。
 從跟梅莉娜開始交換書信到今天,兩個人彼此只略知一二。然後國王陛下打算讓梅莉娜更熟悉和平而努力。
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短短的內容,但看的有點爽哈哈;欸?現在32歲,然後兒子要畢業了,是國中15還是高中18?不管哪個…陛下您真早當爸(゜o゜)

08-30 01:09

SPT草包
異世界都挺早的[e5]。08-30 07:12
KL
我發現我也是容易洩漏機密的人,要是能像妮可羅賓那樣連沒必要保密的小事都沒說漏嘴過(空島黃金大炮「偽」事件)就好了。

08-30 08:45

KL
搞不好白痴王子跟沒貴族樣的千金在服完礦山勞役前就離婚了,原因肯定不會是女主。

08-30 08:50

KL
回去補一下「被迫風評被害的千金」中公爵的部分好了,總覺得明明就是惡搞這次我絕不會妨礙到你們,對女主原本喜愛的王子以及對自家狀況過於無知的異母妹卻太好了。

08-30 08:54

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a86189642祝福
祝大家幸福。看更多我要大聲說9小時前


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