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文庫01附錄番外篇

作者:SPT草包│2020-02-16 14:33:07│巴幣:108│人氣:785
魔導具師ダリヤはうつむかない
魔導具師妲莉雅不會低頭
作者:甘岸久弥
父と娘の魔導具開発記録~ドライヤー~
父與女的魔導具開發紀錄~吹風機~

 うちの娘が、世界一かわいい。
 我家女兒是世界上最可愛的。
 カルロの娘ダリヤは、鮮やかな赤い髪とやさしい緑の目をした天使のような六歳児である。
 卡爾羅的女兒妲莉雅,是有著鮮豔的紅髮與溫柔綠眼的天使般的六歲兒。
 大人しめの顔立ちではあるが、ころころと表情が変わり、いくら見ていても飽きない。
 雖有張老實的相貌,但表情不斷變化,怎麼看都不會厭倦。
 運動神経に少々難はあるが、その分、読み書きはできるのでなんの問題もない。
 雖然運動神經有些缺陷,那部分,因能讀會寫而沒什麼問題。

 ダリヤが一歳半で最初に話した言葉は『とーたん(父さん)』
 妲莉雅在一歲半最一開始說的詞語是『把拔(爸爸)』
 次に話した言葉は『そふあたん(ソフィアさん)』
 接著說的詞語是『蘇芙亞姨(蘇菲亞阿姨)』
 ちなみにソフィアとは、家事育児を手伝ってくれている年配のメイドである。
 順帶一提蘇菲亞是正在來幫忙家事育兒的上了年紀的女僕。
 呼ばれたときは笑顔で返事をしたものの、うれしさにしばらく床に膝をついて動けなかった。
 雖然被叫到的時候就會用笑臉回答,但高興似地膝蓋暫時跪在地上動不了。

 ダリヤは魔導具師である自分の血を、強く受け継いだらしい。
 妲莉雅似乎強烈繼承了身為魔導具師的自己的血。
 作業場の物を指さしては「まどーぐ(魔導具)」、最初に欲しがったものは「まてきおちょうだい(魔石ちょうだい)」。覚える言葉は圧倒的に魔導具関連が多かった。
 指著工作區的東西說「魔道具(魔導具)」,在最一開始想要的東西是「給我魔子(給我魔石)」。記得的詞語壓倒性地大多是魔導具相關。
 四歳にして、自分の脇にぺたりとくっつき、邪魔することなく、魔導具制作を見ていた。
 到了四歲,緊緊黏在自己兩旁,不會礙事的看著魔導具製做。
 付与魔法を使う度、「しゅごい(すごい)」と小さく感心した声をあげるので、作業が鬼のようにはかどった。
 由於每當使用賦予魔法,都會發出小小感嘆的「豪厲害(好厲害)」的聲音,讓作業像鬼般進展順利。
 しばらくすると、小さい手がうずうずと動くようになったので、作業場の隅に『ダリヤスペース』を設けた。そこに、カラの魔石や触っても問題のない素材、簡単な魔導具の本や画の多い魔物図鑑を置いてみた。ダリヤは楽しげにそれらを玩具にし、飽きることなく遊んでいた。
 過了一陣子後,因小小的手憋不住的動了,就在工作區的一角設置『妲莉雅空間』。在那裡,試著放置空魔石及就算觸碰也沒問題的素材、簡單的魔導具書及圖很多的魔物圖鑑。妲莉雅快樂似地把那些當成玩具,毫不厭倦的玩著。
 それでも、普通の子と同じく、誘われれば近所の子と駆け回って遊ぶこともあった。
 儘管如此,也與普通的孩子一樣,被邀請的話也會與鄰居的孩子跑來跑去玩耍。
 近くに住む三つ上のイルマとは一番仲がいいらしい。よく二人で積み木やおはじきで遊んでいた。
 與住在附近大三歲的伊露瑪關係似乎最好。兩個人經常用積木或打彈珠在玩著。

「大きくなったら、父さんと同じ魔導具師になる!」
「長大的話,要成為跟爸爸一樣的魔導具師!」
 ダリヤがそう言いきったのは五歳の誕生日である。
 妲莉雅如此斷言是在五歲的生日。
 カルロは喜びと共に、全力で応援することにした。
 卡爾羅高興的同時,決定全力支持。
 五歳の娘に魔導具師の勉強をさせはじめた自分に、『お前は馬鹿か!? 早すぎだ』『親馬鹿、ここに極まれり』などと言う仕事仲間もいた。
 對讓五歲的女兒開始魔導具師學習的自己,也有說『你是笨蛋嗎!? 太早了』『笨蛋父母莫此為甚』之類的工作夥伴。
 が、実際にダリヤに基礎を教えてみれば、スポンジが水を吸収するように呆気なく覚えた。
 但,實際上試著教妲莉雅基礎的話,就像海綿吸水般毫不費力的記住了。
 さすがに魔導具関連の入出力計算や強化技術は、初等学院を出ないと難しいので控えたが。
 畢竟魔導具相關的輸入出計算及強化技術,不從初等學院畢業會很難而控制著。
 初等学院に入るのは八歳以上なので、それまでは家で読み書き、計算を教え、のんびりと準備をさせるつもりだった。
 由於進入初等學院的是八歲以上,在那之前打算在家教導讀書寫字、計算,讓她悠閒的做準備。

 しかし、我が娘は予想の上をいった。
 不過,我女兒卻超出預料。
 いつの間にやら、魔導具の本には何十枚ものシオリがはさまっていた。もっと厚い本が見たいとねだられ、手持ちの魔導具関係の本、魔物図鑑、素材図鑑を与えてみた。
 不知什麼時候,在魔導具的書裡夾上了數十張書籤。被央求想看更厚的書,試著給了手頭上的魔導具關係的書、魔物圖鑑、素材圖鑑。
 ついでに少しだけ魔力の残った魔石を与え、魔力制御についても教えはじめた。道具を使うときは横について、安全にだけはとことん注意を払ったが。
 順便給了只有少少魔力殘留的魔石,關於魔力控制也開始教導。使用道具的時候站在旁邊,指有安全徹底的加以注意。
 そして、どちらもとても楽しそうなダリヤに満足し、つい油断した。
 然後,對哪邊都非常快樂似的妲莉雅感到滿意,不小心疏忽了。

「きゃあっ!」
「呀啊!」
 ある日、庭に出ていた自分は、幼い娘の悲鳴に、心底ぞくりとした。
 某天,來到庭院的自己,對年幼女兒的慘叫,在心底打了個寒顫。
「ダリヤっ!」
「妲莉雅!」
 慌てて駆け込んだ作業場では、白煙が上がっており、入り口側の壁三分の一ほどが、焦切げていた。幸い燃えているのは紙だけだったので、その場で水の魔石を使って消した。
 在匆忙跑進去的工作區裡,冒著白煙,入口這邊的牆壁三分之一左右都燒焦了。幸好燃燒的就只有紙張,當場使用水魔石熄滅了。
「危ないだろう、ダリヤ! お前が火傷したらどうする? どうしてこんなことをした!?」
「很危險的吧,妲莉雅! 妳燒傷的話怎麼辦? 為什麼要做這種事!?」
 赤い髪を一束こがしている娘を、カルロは思いきり怒鳴った。
 卡爾羅狠狠的怒罵了把紅色頭髮綁成一束的女兒。
「魔石を使うなら俺がいるときにしろと言っただろう!」
「我說過如果要使用魔石就在我在的時候做!」
 その後、魔石の危険性と怪我の可能性をきっちりと説明して叱った。
 那之後,好好的說明了魔石的危險性與受傷的可能性並責罵了。
 ずっと黙って聞いていたダリヤだが、とうとう耐えきれなくなったのだろう。見開かれた自分と同じ緑の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ出した。
 一直默默聽著的妲莉雅,終於忍無可忍了吧。從被睜開的與自己一樣的綠色眼睛裡,淚水撲簌簌的灑落下來。
「……ご、ごめん……なさい……」
「……對、對不……起……」
「もういい。なんでこんなことをしたんだ?」
「已經夠了。為什麼要做這種事呀?」
「……内緒、で、作りたかった……」
「……想要、秘密、的製做……」
「なぜ?」
「為何?」
「父さん、驚いて……いっぱい、ほめてもらえると……思った……」
「我想讓……爸爸、吃驚……收到、滿滿的稱讚……」
 ぐずぐずと泣きながら必死に言う娘の足元に、L字の金属筒が転がっていた。
 一邊抽抽搭搭的哭一邊拚命地說著的女兒腳邊,滾動著L字型的金屬筒。
「これは?」
「這個是?」
「『ドライヤー』……温かい、風が……出るはずだったの……」
「『吹風機』……溫暖的、風……應該會吹出來的……」
 設計図らしいメモには、風と火の魔石を使い、それが小型のL字の筒から出るようになっていた。機構は合っているが、これでは両方の魔石の威力がほぼ全開である。
 在類似設計圖的筆記上,使用了風與火的魔石,那就會變成從小型的L字型筒出來。結構是對的,但這樣的話兩邊的魔石威力會幾乎全開。
「こんなに、いっぱい……風が出るなんて、思わなかったの……」
「我沒想到、會吹出……這麼樣、多的風……」
「ああ、出力計算と魔力を減らす方法を教えていなかったな……」
「啊啊,沒有教妳輸出計算與減少魔力的方法呢……」
「……ごめんなさい……」
「……對不起……」
 娘は必死に涙をこらえ、また謝ってきた。兎のように赤くなった目が、なんとも辛い。
 女兒拚命地忍住淚水,再次道歉了。變得像兔子一樣通紅的眼睛,多麼的痛苦。
「ダリヤは、『ドライヤー』で何をしたいんだ?」
「妲莉雅想用『吹風機』做什麼呀?」
「髪を乾かすために、作ろうと思ったの……長い髪は乾きづらいから……」
「我想為了把頭髮弄乾而製做……因為長頭髮很難弄乾……」
 我が娘の着眼点は女性らしかった。
 我女兒的著眼點很女性化。
 小さくても女性は女性。髪型へのこだわりもそろそろ出てくる頃なのだろう。
 就算小女性還是女性。對髮型的講究也是差不多要出現的時候了吧。
 カルロは、今まで気がついてやれなかった自分を恥じた。
 卡爾羅羞愧於至今都沒有意識到的自己。
「わかった。改良できないか試してみよう」
「知道了。來試試看能不能改良吧」

 六歳の子供の作ったものだから簡単だろう――そう考えていたが、結果は全力での作業となった。
 因為是六歲小孩製做的東西會很簡單吧――雖如此思考著,但結果化為全力以赴的作業。
「おおっ!」
「喔喔!」
 最初に庭で『ドライヤー』を試し、腰がひけた。
 最初在庭院測試『吹風機』,就腰軟了。
 スイッチを軽く押しただけで、魔導師の放つ中級火炎魔法のような炎が長く伸びる。下の芝生は一瞬で黒く焦げた。
 就只是輕輕按下開關,魔導師釋放的中級火焰魔法般的火焰長長延伸。下面的草坪一瞬間被燒焦了。
「……『火炎放射器』になっちゃったの……」
「……變成『火焰噴射器』了……」
 べそり、後ろで見ていた娘がまた落ち込んでいる。
 茫然的,在後面看著的女兒又沮喪了。
 『ドライヤー』『火炎放射器』――時折、ダリヤは作りたい魔導具にきっぱりと名前をつける。まるでそれをすでに知っているかのようだ。
 『吹風機』『火焰噴射器』――有時,妲莉雅會乾脆的給想做的魔導具取名字。
 きっと娘の頭の中では、すでに作りたいものの形がきっちりと組み上がっているのだろう。
 在女兒的腦袋裡面,想做的東西的形狀一定已經好好的組合起來了吧。
「い、いや、父さんは、この仕組みはいいと思うぞ!」
「不、不是,爸爸,我認為這個構造很好喔!」
 慌ててフォローを入れると、ダリヤは涙の残る顔のまま、ぱっと笑った。
 慌忙附和後,妲莉雅依然殘留眼淚的臉,突然笑了。
「魔導回路で魔力を抑えられるから、ほどよい温風にならすぐできるぞ」
「因為魔力被魔導迴路抑制住了,若是適當的暖風馬上就能辦到喔」
「なら、冷たい風と温かい風の両方ってできる?」
「那麼,冷風與暖風兩邊都能做到嗎?」
「ああ、簡単だ。火の魔石の方の回路を、こうして切り替えればいい」
「啊啊,很簡單。把火魔石那邊的迴路,這樣切換掉就好了」
「父さん、すごい! 温風は、強い風と弱い風が欲しいの。それってできる?」
「爸爸,好厲害! 暖風想要有強風與弱風。那個能辦到嗎?」
「もちろんだ!」
「當然的呀!」
 ダリヤに言われるがまま、望まれた機能は全部入れた。
 依照妲莉雅所說,被期待的機能全部加進去。
 途中、一度高温になった金属筒は劣化するだろうと思い、別の金属筒を準備した。
 途中,我想到一旦到了高溫金屬筒會劣化,就準備了別的金屬筒。
 ダリヤは形にも希望が細かくあったので、ああでもないこうでもないと改良を重ね、不思議な形の温風器、『ドライヤー』ができた。
 由於妲莉雅在形狀上也有詳細的希望,這也不是那也不是的重複改良,不可思議形狀的暖風器、『吹風機』做好了。
 結果、眠らぬまま朝を迎えた。
 結果,依然沒睡的迎來早晨。
 わざわざ浴室で髪を濡らしてきて、二人で『ドライヤー』で髪を乾かし、成功したことに乾杯した。カルロは赤ワイン、ダリヤは葡萄ジュースだ。取り忘れていた夕食を朝食とし、一緒に食べた。
 特意在浴室弄濕了頭髮,兩個人用『吹風機』弄乾頭髮,為成功了乾杯。卡爾羅是紅葡萄酒,妲莉雅是葡萄汁。把遺忘了的晚餐當作早餐,一起吃。

 楽しい朝食を終えたとき、ちょうどメイドのソフィアが休暇から帰ってきた。
 結束快樂的早餐的時候,正好女僕蘇菲亞休假回來了。
「お帰りなさい、ソフィアさん! 『ドライヤー』ができたの!」
「歡迎回來,蘇菲亞阿姨! 『吹風機』做好了!」
 笑ってメイドに抱きついた娘は、そのままふにゃりと床に崩れ落ちた。
 抱住笑著的女僕的女兒,就那樣癱軟的跌坐在地板上。
「ダリヤさん!?」
「妲莉雅小姐!?」
 床のダリヤを抱き上げつつ、カルロは苦笑する。娘は魔石の魔力が切れたように眠っていた。
 把地板的妲莉雅抱起來,卡爾羅苦笑著。女兒就像魔石的魔力切斷般睡著了。
「あー、徹夜したからな。眠くなったんだろう」
「啊,因為熬夜了呢。很困的吧」
「……徹夜?」
「……熬夜?」
 ぎりり、ソフィアの冷たい視線がカルロに向いた。
 生硬的,蘇菲亞冰冷的視線朝向了卡爾羅。
「カルロさん、こんな幼い子供に徹夜をさせるとは何事ですか!」
「卡爾羅先生,讓這樣的年幼孩童熬夜是怎麼回事呢!」
「ええと、それは二人で魔導具を作っていてだな……」
「呃,那是兩個人在做魔導具呢……」
「それとこれとは別です。ダリヤさんは子供なんです、八時には寝かしつけてとあれほど言いましたよね、まさか昨日のお風呂も……」
「那個與這個是兩回事。妲莉雅小姐是小孩子,要在八點讓她睡覺我有那樣說過的呢,莫非昨天的洗澡也……」
「すまん、まだだ」
「抱歉,還沒有」
 眠りに落ちるダリヤの耳には、ソフィアが父を叱り続ける声がかすかに聞こえていた。
 在睡著了的妲莉雅耳裡,隱約聽到了蘇菲亞持續責罵父親的聲音。
 前世、母に叱られたことを思い出しながら、父の腕の中で眠りに落ちていく。
 一邊回想起前世、被母親責罵的事,一邊在父親的懷裡睡著了。
 眉をよせ、少し困ったような寝顔の娘に、カルロも困った。
 對皺著眉、有點困擾般的睡臉的女兒,卡爾羅也很困擾。
「後できちんと話すので、先にダリヤをベッドに運んでもいいだろうか?」
「之後會好好的說,先把妲莉雅般到床上可以吧?」
「……ええ、もちろんです。その後にゆっくりしっかり、お話をお伺い致しましょう」
「……是的,當然了。那之後會慢慢的充分的,聽您說話的」
 老女の笑顔に、少しばかり背筋が冷え、ひどく反省させられた日だった。
 對老婦人的笑臉,感到些許的背脊發涼,是讓他深刻反省的日子。

 その後も、ダリヤは魔導具師として順調に、いや、時々予想を斜め上に超えつつ、育った。
 那之後,妲莉雅作為魔導具師也很順利,不、有時儘管會非比尋常地出乎預料,但也成長了。
 魔導具でそれは無理だろうと思えるような夢と希望を楽しげに話し、『父さんならいつか作ってくれるよね! 私が大きくなったら一緒に作ろうね!』と、信じきった満面の笑みを向けられる。
 用魔導具愉快地說著像是認為那是不可能的吧的夢想與希望,把說著『父親的話遲早會去做的呢! 我長大的話一起做吧!』,那完全相信的滿臉笑容面向我。
 そんな娘に、できない、難しい、わからないなどと言えるはずがない。
 對那樣的女兒,應該說不出不可能、很困難、不知道之類的。
 自分も全力で仕事と研究と勉強をすることになった。
 自己也變得全力以赴的工作與研究與學習。

『娘は、いつか嫁にいくものですよ。再婚を考えてはどうですか?』
『女兒遲早會嫁人的喔。考慮再婚如何呢?』
 仕事で世話になっているドミニクに二度ほど言われたが、カルロはどうしてもその気になれない。
 雖被在工作上關照過的多米尼克說過兩次左右,但卡爾羅無論如何都沒那意思。
 ダリヤが嫁に行くというのもぴんとこない。
 妲莉雅嫁人這樣的也難以想像。
 いっそのこと、近い者を婿にするというのはどうだろう。近くに嫁に出して、もしかしたら子供を連れて出戻ってくる可能性も――いや、待て、それは考えたらだめな方向だ。
 索性,把鄰近的人當作女婿這樣的如何呢。出嫁到附近,說不定會帶著小孩離婚回娘家的可能性也――不、等等,那個有想過的話是不可能的方向。
 でも、もしかしたら、孫も赤い髪の、とてもかわいい子かもしれない。
 但是,說不定,孫子也是紅頭髮的、非常可愛的孩子也說不定。

「ダリヤさんは、かわいい紅花詰草のような髪ですね」
「妲莉雅小姐,有頭很可愛的紅花詰草般的頭髮呢」
 ずいぶんと前、ソフィアがそうほめたとき、幼い娘は口をとがらせた。
 很久以前,蘇菲亞如此稱讚的時候,年幼的女兒嘟了起嘴巴。
「とーたんと同じ、砂のお色がよかったの」
「與把拔一樣,沙子的一樣就好了」
「でもかわいいですよ。目はお父様と一緒の緑じゃないですか」
「但是很可愛喔。眼睛不就是跟父親一樣綠色的嗎」
「どっちも、おそろいがよかったの」
「哪邊都一樣就好了」
 少しだけむくれて言う娘に、ずきりと胸にくるものがあった。
 對有點賭氣說著的女兒,
 ダリヤはただの一度も、自分の母について尋ねたことがない。小さい子供にしては不自然なほど、母への憧れや固執がなかった。
 妲莉雅一次都沒有問過關於自己的母親。作為小小的小孩是不自然的程度,沒有對母親的憧憬或固執。
 カルロはずっとそれを、ソフィアの献身的な世話のおかげだと思っていた。
 卡爾羅一直把那個認為是多虧了蘇菲亞無私奉獻的照顧。
 だが、近所の人に『お母さんがいなくて、さみしくない?』そう聞かれたとき、ダリヤは一瞬の迷いもなく言ったのだ。
 但是,被附近的人『沒有媽媽不會寂寞嗎?』如此問起的時候,妲莉雅一瞬間的猶豫都沒有的說了。
「平気! 私には、とーたんがいるから」
「沒事! 因為我有把拔」
 カルロはそのまぶしい笑顔を、今も寸分違わず思い出せる。
 卡爾羅現在也能分毫不差的回想起那耀眼的笑容。
 そして、死ぬまで絶対に忘れない自信がある。
 然後,有到死都絕對不會忘記的自信。

 ダリヤの母も、紅花詰草のような赤髪だった。
 妲莉雅的母親也是紅花詰草般的紅髮。
 少しつり気味の目も同じく赤で、どこか猫を思わせるしなやかさを持つ、まぶしいほどに美しい女だった。
 稍微上吊感的眼睛也是一樣的紅色且,擁有某處會讓人聯想到貓的柔軟,是令人炫目般的美麗女人。
 二度とこの塔に戻ることはないであろう彼女を、カルロは今でも愛している。
 卡爾羅現在也還愛著,不會再回到這座塔的她。
 だが、彼女をまだ一番に愛しているかと聞かれれば、ただ静かにノーと言おう。
 但是,被問到是否還最愛著她的話,只是靜靜地說不。
 今は娘、ダリヤが一番である。
 現在是女兒、妲莉雅才是第一。
 うちの娘が、世界一愛しい。
 我家女兒才是世界上最愛的。
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留言共 3 篇留言

BOBO
唔哇…感動,竟然能看到爸爸視角(´・ω・`)

02-16 18:17

卿卿卿清
所以跟妲莉亞媽媽看對眼和小孩一出生就被甩的理由到底是甚麼(´•̥̥̥ ︿ •̥̥̥`)

02-17 22:33

冰瑤
爸爸 好可愛!!!可是便當了...
然後理由我也想知道...

02-24 03:35

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