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魔王的大陸篇 二百七十二話 熱鬧的阿魯庫雷姆和詐欺的魔王

作者:SPT草包│2019-02-28 23:50:48│巴幣:12│人氣:506
四度目は嫌な死属性魔術師
討厭第四次的死屬性魔術師
作者:デンスケ
第十二章 魔王の大陸編 二百七十二話 賑わうアルクレムと欺く魔王
第十二章 魔王的大陸篇 二百七十二話 熱鬧的阿魯庫雷姆和詐欺的魔王
原文連結

 『法命神』アルダは己の神域で、仲間達の元に戻り、再び試練に挑むハインツを複雑な心境で見守っていた。
 『法命神』阿魯達在自己的神域裡,以複雜的心境關注著回到同伴們的身邊,再次挑戰試煉的海恩茲。
『……いつの世も、人は神の思い通りにはいかないものだな』
『……無論哪一世間,人都不是如同神所想的呢』
 そうため息をつくと、『眠りの女神』ミルが『申し訳ありません』と謝罪した。
 如此嘆息後,『沉睡的女神』米露『非常抱歉』地謝罪了。

『説得はしたのですが、聞き入れてはもらえませんでした。ご指示通り、我々が知り得たヴァンダルーに関する情報をそのまま伝えたのですが……彼には我々と違うものが見えていたようです』
『雖然勸說了,但並沒有聽從。雖然如同指示,把我們所能得知有關范達魯的情報就那樣傳達……但他似乎能看到與我們不同的東西』
 アルダはミルに指示を出し、ハインツの迷いを断つために自らが持ち得るヴァンダルーの情報を彼に開示した。
 阿魯達對米露發出指示,為了切斷海恩茲的迷惘親自把所擁有的范達魯的情報對他宣布。

 勿論アルダ達神々も、ヴァンダルーについて全てを知っている訳ではない。だが、ヴァンダルーが『堕ちた勇者』ザッカートを含めた勇者四人の魂の欠片を持つ事や、『輪廻転生の神』であるロドコルテの余計な干渉によってこの世界に遣わされた、異世界からの転生者である事も告げた。
 當然阿魯達眾神也並非完全知道關於范達魯的一切。但是,范達魯擁有包含『墮落勇者』札卡特在內勇者四人的靈魂碎片及、經由身為『輪迴轉生之神』羅多可魯帖的多於干涉被派遣到這個世界,是從異世界來的轉生者的事也告知了。

 ミルグ盾国の遠征軍との戦いでゴルダン高司祭と、かつて仲間だったライリーをアンデッド化させ、罪もない開拓地の人々から土地と財産を奪い、街を襲撃した事。
 在與米魯固盾國遠征軍的戰鬥裡把戈爾丹高司祭和、曾經是同伴的萊利不死族化,從無罪的開拓地的人們那奪走土地和財產,襲擊街道的事。

 ハートナー公爵領で奴隷鉱山を消滅させて奴隷を奪い、開拓民を扇動して赤狼騎士団を壊滅させた事。サウロン公爵領では同じヴィダ信者であるはずのレイモンド・パリスを殺してその死体を利用し、原種吸血鬼グーバモンを滅ぼし【魔王の欠片】を奪った事。
 在哈透納公爵領裡消滅奴隸礦山奪走奴隸,煽動開拓民毀滅赤狼騎士團。在薩烏隆公爵領殺了應該是同為維達信徒的雷蒙德・帕里斯利用了那副屍體,剿滅原種吸血鬼古巴蒙奪走【魔王的碎片】的事。

 それら全てを伝えた。……全てアルダ勢力側から見た情報だったが、全て真実である。
 把那些全部傳達。……雖全部都是從阿魯達勢力方所見的情報,但全部都是事實。

 これでハインツの迷いは晴れ、ヴァンダルーが新たなグドゥラニスへとなる前に討伐しなければならないと、決意を新たにしてくれるはずだとミルは思っていた。
 米露是想會就這樣掃除海恩茲的迷惘,重下必須要在范達魯成為新的古都拉尼斯之前討伐的決心。
 だが、結果は逆でハインツはヴァンダルーを高く評価した。
 但是,結果相反海恩茲高度評價了范達魯。

 ゴルダン高司祭のように信仰心の厚い信者なら、ヴァンダルーの邪悪さに怒り、一刻も早く討伐しなければならないと決意を新たにするはずだった。
 若是像戈爾丹高司祭般信仰心深厚的信徒,應該會對范達魯的邪惡憤怒、重下早一刻也必須要討伐的決心。
 しかし、ハインツはヴァンダルーに対して、「彼はヴィダの新種族は勿論、そうでない大勢の人々も助けている」と言い、それに比べて自分はと自嘲していた。
 可是,海恩茲相對於范達魯,說了「維達的新種族不用說,他也幫助了不是那樣的眾多人們」,而且相比自己自嘲著。

 ミルは、それは違うとハインツに語りかけ続けたが、彼の意思は治療が終わっても変わらなかった。
 米露雖繼續對海恩茲訴說那是不同的,但他的想法就算治療結束也沒有改變。

『構わん。我々は人々に教えを授けるが、それをどう受け取るのかは授けられた一人一人の意思に任せられている。
『沒關係。我們雖授與人們教誨,但要如何接受那個就任憑被傳授的每一個人的意思
 それに、ヴァンダルーの所業にはハインツが言った通り、人々を助けている面もある』
 而且,范達魯的所為如同海恩茲所言,也有幫助人們的層面』
『確かにそうかもしれませんが……それではヴァンダルーの存在をお認めになるのですか?』
『確實是那樣也說不定……但那樣不就會變成認可了范達魯的存在嗎?』

『そうは言っていない。我の意思は変わらないが、ハインツが我と同じ意志を持つ必要はない。それだけの事だ』
『不是那樣說。我的想法雖沒有改變,但法恩茲也沒必要擁有和我相同的想法。就只是那樣的事情』
 かつて、アルダ達神々は教え導く存在として人間を創造した。決して、ただ信仰を捧げさせるためのエネルギー源や、僕を創ったのではない。
 曾經,阿魯達他們眾神創造了作為教導指引的存在的人類。絕對、並非是創造僅僅是為了獻上信仰的能量源或、僕人。

 だから人間達には己の意思を持ち、思考する力が備えられている。だから人間達は時に堕落し、間違いを犯すが、それは人間の可能性の負の側面に過ぎない。
 所以人類們擁有自我意思,具備了思考的能力。所以人類們雖有時會墮落、犯了錯,但那不過是人類可能性的負面側。
『ですが、ハインツがもし今の考えを変えなければ……』
『不過,海恩茲如果不改變現在的想法的話……』
『分かっている』
『我明白』

 ハインツは、ヴァンダルーの国の将来を危険視している。ヴァンダルーの導きによって纏まっている国から、核であるヴァンダルーがいなくなった時、どうなるのか。
 海恩茲,把范達魯的國家的將來視為危險。因為是經由范達魯的引導統整起來的國家,身為核心的范達魯不在的時候,會變成怎樣呢。
 他の国でも為政者が突然倒れれば、危険な状態になる。事前に後継者を定めていても、分裂し内乱に発展。そのまま滅亡し、他国に吸収されてしまった例は、幾つもある。
 在其它國家也有執政者突然倒下、變成了危險的狀態。就算在事前決定繼任者,也會分裂發展成內亂。就這樣滅亡了,被其他國家吸收的例子也有幾著。

 だがヴァンダルーの国、ヴィダル魔帝国には人間社会の国々には無い危険性がある。まず、ヴァンダルーを至高の存在であるとする、ヴァンダルー狂徒の存在だ。
 但是范達魯的國家,在維達魯魔帝國裡有著人類社會眾國所沒有的危險性。首先,是打算把范達魯當作至高的存在,范達魯狂徒的存在。
 普通の国にも為政者に熱狂的な忠誠心を……信仰心と言い換えられる程崇拝する者が存在する。だが、ヴィダル魔帝国にはそのような者達が、異常なほど多いのだ。その数は、こうして危険視しているアルダやロドコルテの想像を遥かに上回っている。
 在普通的國家也有對執政者把狂熱的忠誠心……換句話說是信仰心的程度崇拜著的人存在。但是,在維達魯魔帝國那樣的人們,異常般的多。那個數量,遠遠超過就這樣視為危險的阿魯達及羅多可魯帖的想像。

 だがヴァンダルー狂徒以上にハインツが危険視しているのが、魔帝国を支える強力な魔物達、特にアンデッドだ。
 但是在范達魯狂徒之上海恩茲視為危險的是,支撐魔帝國的強力魔物們,特別是不死族。
 A級冒険者でも倒す事が難しく、一度暴れ出せば山を崩し、海を割り、空を覆い、地を埋め尽くす魔物達。それが野放しになってしまう。
 即便是A級冒險者也很難打倒,狂暴起來一次的話會竭力弄垮山、劈裂海、遮蓋天、掩埋地的魔物們。那些會無人看管的。

 ヴァンダルーの死後も魔物達が、理性を保ち続けられるならいい。知能の高い種族ならそれも可能だろう。だが、魔物の中でもアンデッドにそれを期待する事は……信じる事は出来ない。
 范達魯死後魔物們若能繼續保持理性那就好。如果是智力高的種族那也有可能吧。但是,在魔物裡面期待不死族那樣……是無法相信的。
 何故なら、本来アンデッドは正気を保っている個体より、失っている個体の方が圧倒的に多い存在だ。生前に抱えていた未練や、死の間際に意識を満たしていた恐怖や絶望、憎悪や恨みを晴らす事に支配されているか、生きとし生ける存在を等しく憎み、攻撃する事しか頭にない。
 說到原因,本來不死族比起保有著神智的個體,失去了的個體那邊才是壓倒性多的存在。腦中只有在生前抱持著的依戀及、在死亡之際充滿整個意識的恐怖及絕望、被消除憎惡或怨恨支配著或是,平等憎恨、攻擊一切活著的存在。

 そうした状態からヴァンダルーの【導き】によって解放されたアンデッド達が、ヴァンダルーの後を追って自ら消滅するのならいい。だが、もし主人を失った事に寄る悲しみや絶望から狂ったら、【導き】を失った事で元の野良アンデッドに戻ったら、どれ程の脅威になるか想像も出来ない。
 從那樣的狀態經由范達魯的【引導】被解放的不死族們,若能追隨范達魯之後親自消滅就好。但是,如果因為集中於失去主人的悲傷或絕望而瘋狂的話,因失去【引導】而變回原本的荒野不死族的話,無法想像會成為哪種程度的威脅。

 ヴァンダルーが存在しなくなる、数百年から数千年後の未来の、今現在よりずっと強くなった『剣王』ボークスや骨人、クノッヘン、『蝕帝の猟犬』アイラや、属性ゴースト達。彼等が正気を失い、破壊と殺戮をばら撒けば、数え切れない数の村や町が……精強な軍によって守られた城塞であっても、瞬く間に瓦礫の山と化すだろう。
 范達魯不存在了,從數百年到數千年後的未來,變得比現在還強得多的『劍王』波庫斯加上骨人、庫諾漢、『蝕帝的獵犬』愛菈再加上、屬性幽靈們。他們失去神智,散播破壞和殺戮的話,數之不盡的數量的村莊或城鎮……就算是被由精銳的軍隊守護的城寨,也會在眨眼間化為瓦礫之山吧。

 その時の人間達に、彼等に対抗できる戦力があるか……彼らと同じ数だけのS級冒険者相当の実力者が何人いるのか。最悪の場合、バーンガイア大陸の知的生命体は絶滅し、第二の魔王の大陸と化すかもしれない。
 那個時候的人類們,會有能對抗他們的戰力嗎……只有與他們同樣級數的相當S級冒險者的實力者會有幾人呢。最壞的情況,邦蓋亞大陸的智慧生命體滅絕了,化為第二個魔王的大陸也說不定。

 止めるのなら、今しかない。アルダ勢力の神々がヴァンダルー達を討伐すべく戦力を集め、鍛えている今でなければ、遠い未来に在るかもしれない破滅を防ぐ事は出来ない。
 如果要阻止,只有現在。阿魯達勢力的眾神若不趁現在聚集、鍛鍊應該討伐范達魯他們的戰力,就無法防止存在於遙遠的未來或許會破滅。

 だからハインツは、今の内にヴァンダルーに『自分が存在しなくなった時の備えはしているのか? しているとして、それはどんな備えなのか』を訊ね、確かめるつもりなのだ。彼が答えなければ、答えがあったとしても納得できなければ、倒してでも止めなければならないと覚悟して。
 所以海恩茲這時才會詢問范達魯『做了自己不存在了的時候的準備了嗎? 假使做了,那是怎樣的準備呢』,打算要確認。他不回答的話,就算有答案也無法理解的話,那即便倒下也必須要阻止。

 だが、それはつまりヴァンダルーがハインツも納得できる答えを返せば、倒さないと言う事だ。
 但是,總之那是所謂范達魯回復了海恩茲也能理解的答案的話、就不打倒。
 その時ハインツはどうするつもりなのか? 彼はヴァンダルーの方がヴィダの新種族を助けるのに相応しく、自分達よりも多くの人を助けていると評価していた。そして、自身がヴァンダルーにとって母親の仇である事も認めている。
 那個時候海恩茲是打算怎麼做的呢? 他評價為相對於范達魯一方幫助的維達新種族,也幫助了比他們自己還多的人。並且,本身也承認對於范達魯來說是母親的仇人。

 それから推測すれば、彼は自らヴァンダルーに殺されようとするかもしれない。
 從那來推測的話,他打算親自被范達魯殺掉也說不定。

『目覚めたベルウッドとの対話によって、ハインツが考えを変えれば……いや、過度に期待する事は出来ない』
『根據與甦醒的貝路武多的對話,海恩茲改變想法的話……不,不能過度期待』
 【導き】の効果を失っていると言う点では、ベルウッドも同じだからだ。勿論、それに代わる神としてのカリスマ性を備えているが、今のハインツを心変わりさせられる事が出来るかどうか。
 因為在說到失去了【引導】的效果的點上,貝路武多也一樣。當然,取代那個雖具備有作為神的領袖氣質,但能不能讓現在的海恩茲改變主意呢。

 そこまで考えたアルダだったが、いつの間にか俯いていた顔を上げて首を横に振った。
 阿魯達雖考慮到那哩,但抬起不知不覺間低下的頭左右搖了搖。
『不安要素ばかり並べて思い悩んでも、状況は良くはならない。ベルウッドなら、我が勇者ならハインツに正しい道を示す事が出来るはずだ』
『盡是不安要素總的來說即便苦惱,狀況也不會變好。若是貝路武多,若是吾之勇者應該能對海恩茲指示正確的道路』

 ベルウッドに対する信頼を感じさせるアルダの言葉に、ミルは興味を覚えたようだった。
 對讓人感到對於貝路武多的信賴的阿魯達的話語,米露似乎有了興趣。
『失礼ながらアルダよ、ベルウッドとはそこまでの存在なのですか? かの英雄神を信じない訳ではありませんが、私は直接言葉を交わした事がなく……知っているのも、彼の強さを表す逸話が中心なので』
『雖然很師裡但阿魯達喔,貝路武多是如此地步的存在嗎? 並非是不相信那位英雄神,但我沒有直接交談過……知道的也是,以表示他的強大的軼事為中心』

 ミルが『眠りの女神』に至った時には、ベルウッドは『罪鎖の悪神』と相打ちになって封印されていた。
 米露達到『沉睡的女神』的時候,貝路武多已與『罪鎖的惡神』不分勝負被封印了。
 同じ戦闘系勇者のファーマウン・ゴルドとナインロードを上回る力量の持ち主であるベルウッドが、何故邪悪な神の一柱でしかない『罪鎖の悪神』と相打ちになったのか、神々の間でも話題になったものだ。
 身為擁有超過同樣戰鬥系勇者的法瑪溫・戈爾德和娜茵蘿德的貝路武多,為何會與並非邪惡神的一柱的『罪鎖的惡神』不分勝負呢,在眾神之間也成為了話題。

 ベルウッドが油断したのか、『罪鎖の悪神』が余程狡猾な罠を仕掛けたのか……。それはともかく、彼には英雄的な演説と戦いで人々を導く『英雄神』としての性質ばかり注目され、思い悩む信者を導くようなイメージは薄い印象があった。
 貝路武多粗心大意了嗎,『罪鎖的惡神』設下相當狡猾的陷阱嗎……。那個姑且不提,他盡是以英雄般的演說和戰鬥作為引導人們的『英雄神』的性質被注視著,有指引苦惱的信徒般的印象很薄弱的印象。

『そうか。汝が神となった時には、ベルウッドは既に眠りについていたか。……ベルウッドの言葉には、人々に訴えかけ、奮い立たせる力があった。
『是嗎。在汝成神之時,貝路武多已經沉眠了嗎。……貝路武多的話語,有呼籲人們奮起的力量。
 絶望に屈した者を再び魔王軍との戦いに奮い立たせ、魔王への恐怖から裏切ろうとした者を思いとどまらせる事が出来た。ザッカートの暴走は完全に止める事は出来なかったが……彼の言葉で勇気を得て、魔王軍との戦いに挑んだ者達は数知れない。
 能讓屈服於絕望的人再次奮起於與魔王軍的戰鬥,能讓因為對魔王的恐怖而打算被判的人打消念頭。雖無法完全阻止札卡特的暴走……因他的話語而得到勇氣、挑戰與魔王軍的戰鬥的人們不計其數。
 それは、神々も同じだ』
 那個,眾神也一樣』

『神々も、ですか? 肉体を持つ巨人や龍、獣王だけではなく?』
『眾神、也是嗎? 並不是擁有肉體的巨人或龍、獸王嗎?』
 ベルウッドがまさか人であった内から、神々までも動かしていた事に驚くミル。そんな彼女に、アルダは『その通りだ』と頷いた。
 因為貝路武多畢竟是人的內在,米露吃驚於連眾神都能打動。對那樣的她,阿魯達『就是那樣』地點頭。

『我を含めた大神もまた、彼と言葉を交わして――』
『包含我的大神、也與他交談過――』
 その時、アルダの神域に別の神が姿を現した。
 那個時候,別的神在阿魯達的神域顯現身姿。
『アルダよ、ご報告に上がりました』
『阿魯達喔,我來報告了』
『汝が直接か。『角笛の神』シリウスよ』
『汝要直接說嗎。『角笛之神』希利烏斯喔』

 シリウスと呼ばれた神は、まるで蛮人のような姿をしていた。狼の毛皮を被り、顔や胸に染料でペインティングを施し、腰には石で出来た手斧を差している。
 被稱為希利烏斯的神,有著簡直像野蠻人般的身姿。披上狼的毛皮,用染料在臉及胸口施以彩繪,在腰上插著用石頭做成的手斧。
 まるで戦神であるザンタークの従属神のように見えるが、彼はこれでも今は亡き『風と芸術の神』シザリオンの従属神、その中でも古株の神であった。
 雖看上去簡直像身為戰神的贊塔克的從屬神般,但他是即便現在也已死亡的『風和藝術之神』希札利翁的從屬神,在那之中也是個老資格。

『はい。我が御使いと英霊達には、ボティンが眠る大陸の見張りを任せておりますので。魔王も、まだアルクレムにて戯れているのが確認されています。今離れても、問題はないかと。
『是。由於將波婷沉睡的大陸的看守交給了吾之御使和英靈們。魔王也被確認還在阿魯庫雷姆嬉戲。就算現在離開,也沒有問題。
 それで肝心の報告ですが……やはりバシャスは裏切り、ヴィダ派に転じたようです。ゼルゼリアと、ハムルも同じく』
 因此雖是重要的報告……但果然巴夏絲背叛了,似乎轉向了維達派。潔露潔莉亞和、哈姆爾也一樣』

 シリウスがもたらした重大な報告、この世界の維持と正義の為に結束していたはずのアルダ勢力の神々の中から、魔王ヴァンダルーを後押ししているヴィダ派に寝返る裏切り者が出た。
 希利烏斯帶來的重大報告,從為了這個世界的維持和正義應該要團結的阿魯達勢力的眾神之中,出現倒戈向支援魔王范達魯的維達派的背叛者。
 驚愕のあまりミルは声をあげそうになったが、それを手で制してアルダはシリウスに聞き返した。
 過於驚愕的米露雖似乎要出聲,但用手制止那個的阿魯達反問希利烏斯。
『……そうか。バシャス達の神域はどうなっている?』
『……是嗎。巴夏絲她們的神域變怎樣了?』

『神域ごと移動したようです。既に我々が接触する事は困難かと。ただ、世界の管理と維持は継続して行っている痕跡があります』
『每個神域似乎都移動了。我們已經很難接觸了。只是,世界的管理和維持有繼續進行的痕跡。』
『そうか。……此度の件は、バシャスらを境界山脈内部の監視の為に使い続けた、私の落ち度だ。バシャスの件で私以外が責任を覚える必要はないと伝え、その後再びボティンの守りに戻るように』
『是嗎。……這次的事件,是為了監視境界山脈內部持續使用巴夏絲她們的我的紕漏。傳達在巴夏絲的事件上除了我以外沒必要感到有責任,過後再次回到波婷的守護上』

 シリウスは目礼すると、再びアルダの神域から退去した。それを見送ったのち、落ち着きを取り戻したミルが案じるような声でアルダに話しかけた。
 希利烏斯點頭致意後,再次從阿魯達的神域退去。目送那個之後,取回冷靜的米露以擔心似的聲音向阿魯達搭話。
『我が主よ、十万年以上前、魔王グドゥラニスに神々が寝返った事と同じ事が再び起こるのでしょうか?』
『吾主喔,會再次發生和十多萬年前、眾神倒戈向魔王古都拉尼斯一樣的事嗎?』
 魔王の恐怖に屈したルヴェズフォルや猪の獣王のような、裏切り者がこれからも出るのだろうか? その問いにアルダは答えられなかった。
 像屈服於魔王的恐怖的魯威茲佛路或豬的獸王般,背叛者今後會出現嗎? 阿魯達沒有回答那個問題。

『今は結束が必要なとき。神々にはお互いの連携を密にし、ヴァンダルーとヴィダに付け入る隙を与えぬようにしなければならない』
『現在是必須團結的時候。眾神要密切彼此合作,不能給范達魯和維達趁人之危的空隙』
 そう口にするだけだった。だが、胸中では別の事を考えていた。
 只是那樣說出口。但是,在胸中考慮著別的事情。

(想定以上の困難を前にすると、痛感する。たとえ神だったとしても、中心になり皆を奮い立たせる象徴が必要なのだという事が。
(把超過假設的困難擺在面前的話,就有深切感覺。雖然是所謂就算縱使是神,也必須是成為中心讓大家奮起的象徵。
 ハインツが十万年前のベルウッドのような象徴になってくれれば、この流れも止められるかもしれん)
 海恩茲能成為像十萬年前的貝路武多般的象徵的話,這股潮流會被阻止也說不定)



 式典を終えた次の日、アルクレムではお祭り騒ぎの余韻が残っており、普段以上に賑わっていた。
 結束儀式的隔天,阿魯庫雷姆還殘留著祭典吵鬧的餘韻,比平時還熱鬧。
 式典当日には間に合わなかったが、吟遊詩人は新たな英雄譚を作曲するために、商人は商機を求めて、各地の貴族の使いが都の無事をお祝いすると言う口実で情報収集の為に、続々と集まっている。
 雖沒趕上儀式當天,但吟遊詩人為了將新的英雄譚作成曲,商人尋求商機,各地貴族的使者以所謂祝賀首都平安無事為藉口為了收集情報,持續聚集著。

 また、公爵が『荒野の聖地』のボルガドン神殿の再建を約束したため、建設工事に関わる職に就こうと労働者も集まり始めていた。今はまだ近隣の村からだけだが、その内アルクレム公爵領全体から職を求めて人が集まる事だろう。
 還有,因為公爵承諾了『荒野的聖地』的波爾加東神殿的重建,就職有關建設工程的職業的勞動者也開始聚集了。現在雖還只是從鄰近的村莊,但不久從阿魯庫雷姆公爵領全體來尋求工作的人會聚集吧。

 それに悪神が残したとされる、魔王の欠片から発生した黒い巨大結晶群を調査するために、各地から魔術師ギルドの研究者達が派遣される事も決まっている。
 而且為了調查被認為是惡神留下,從魔王的碎片生成的黑色巨大結晶群,魔術師公會的研究者們從各地被派遣的事也決定了。

 当分、アルクレムの賑わいは納まる事はないだろう。そうして集まって来た人々を獲物にしようとする賊も集まるだろうが、今のところ問題にはなっていなかった。
 暫時,阿魯庫雷姆的熱鬧還沒有平復吧。雖然打算把這樣聚集來的人們當獵物的賊也會聚集吧,但現在此刻不成問題。
「は~い、串焼き五本お待ち」
「好~,串烤五支久等了」
「ゴブゴブの串焼きでござるよ~」
「是哥布哥布的串烤喔~」
 そして広場では、今日も屋台が営業していた。
 然後在廣場,今天貨攤也在營業。

「冷やしたハーブティー、お待ちしました!」
「冰香草茶,久等了!」
「……いや、何であんたが売り子なんてやってるのさ」
「……不,為何妳在當店員啊」
 恰幅の良い中年女性、『たっぷりサンドイッチ』のサンディは、エプロン姿で串焼き屋台の売り子をしているダルシアに、眉間に皺を刻んでそう話しかけた。
 體格良好的中年女性、『充足三明治』的珊蒂,對以圍裙的姿態做著串烤攤販的店員的妲露希亞,在眉間刻下皺紋似的搭話。

「まあ、サンディさん。今日からゴブゴブの串焼きも始めたのよ、一つどうかしら?」
「哎呀,珊蒂小姐。從今天開始哥布哥布的串烤也開始了喔,要來一個嗎?」
「ゴブゴブって、あの不味くないって噂のゴブリン肉かい!? じゃ、じゃあ一本もらおうかね」
「哥布哥布,那個不會不好吃的傳聞的哥布林肉嗎!? 那、那請來一支吧」
 噂で聞いて興味を持っていたらしいサンディは、ダルシアから串を一本受け取ると、早速ぱくりとゴブゴブを食べ始める。
 似乎聽過傳聞抱持著興趣的珊蒂,從妲露希亞那拿到一串後,立刻大口地開始吃起哥布哥布。

「ふぅん……これは……なかなか、不思議な味だね。見た目は紫でとても美味そうには見えないけど、まるで野菜みたいな歯ごたえで、塩気の利いたチーズソースと良く合っているし……。サンドイッチの具にしても良いかもしれないね。
「哼……這個是……相當、不可思議的味道呢。外觀雖然就算因紫色而看不出很美味,但簡直就像是蔬菜的嚼勁,與鹹味效果的起司醬很適合……。就算做為三明治的配料或許也很好呢。
 って、そうじゃない!」
 才、才不是那樣!」
 もぐもぐ食べながら食感や味を吟味し、サンドイッチに使えるか考え、一串分食べ終わってから、サンディは正気に返った。
 一邊不斷吃著一邊玩味口感及味道,考慮是否使用在三明治上,因為吃完一串的份,珊蒂恢復清醒。

「何で名誉貴族にまでなったあんたが、親子で屋台なんてしているんだいって聞いてるんだよ、あたしは!」
「為什麼都成為名譽貴族了的妳,會母子倆在做著攤販啊,我聽說了喔!」
「そう言われても……私は冒険者じゃないし、神殿で仕事に就いている訳ではないから……。それに元々、私は息子の屋台でみんなと一緒に働いているから、何でと聞かれても困ってしまうわ」
「就算被那樣說……因為我也不是冒險者,也並沒有在神殿就職著工作……。而且因為,本來我就在兒子的攤販上與和大家一起在工作,就算被問位什麼也很困擾喔」
 そうサンディに答える、ダルシア・ザッカート名誉女伯爵。法律上は貴族であり、今のサンディのように、平民が怒鳴りつけていい身分の人間ではない。
 妲露希亞‧札卡特名譽女伯爵,如此回答珊蒂。法律上是貴族,並非是像現在的珊蒂般、平民可以大聲斥責的身分的人類。

 だが、彼女は今現在アルクレムの正門広場で親子そろって屋台を開き、調理された串焼きを、リーズナブルな値段設定で売っている。
 但是,她此時在阿魯庫雷姆的正門廣場母子齊聚開設貨攤,把被料理的串烤、以合理的價格設定販售著。
 街の人々も最初は何かの冗談か、似た別人だろうと思い込もうとしたが……ダルシア達に隠す気が全くなかったので、現実を受け入れるしかなかった。
 街道的人們雖然最初深信是什麼玩笑或、相似的別人吧……但由於完全瞞不住妲露希亞她們,就只能接受現實。

 そして、ダルシア達に気取る雰囲気がなかったので、「まあいいか」と以前サンディ達『アルクレム屋台五芒星』と決闘した時のように、普通に接する事にしたのだった。
 然後,以沒讓妲露希亞她們察覺的氣氛,就像與說了「算了也好」的以前的珊蒂她們『阿魯庫雷姆攤販五芒星』決鬥時一樣,決定普通地接觸。
 ……昨日の式典を見ていない、今日都に着いたばかりの冒険者や行商人の中には、本当に気がついていない者も多いようだが。
 ……雖然在沒看到昨天的儀式,今天當到達首都的冒險者及旅行商人之中,真的沒注意到的人似乎很多。

「カマキリの姉ちゃん! こっちにゴブゴブ串とオーク串を五本ずつ頼む! 後、果実水のお代わりも!」
「螳螂的小姊姊! 這邊各五串哥布哥布串和豬頭人串拜託了! 還有,也再來一杯水果水!」
「了解でござる! ただし、某はカマキリではなくエンプーサなので、それは覚えて帰るでござるよ!」
「了解! 但是,因為余才不是螳螂是恩普薩,那個要記住喔!」
「なあ、酒は売ってないのかい? 昨日は出してくれたじゃないかよ~」
「吶,不賣酒嗎? 昨天不是拿出來了嗎~」
「この都は、特別な日以外は屋外で酒を飲むのは禁止でしょ。昨日は式典で、公爵様のお許しが出たから出しただけよ」
「這座首都,除了特別的日子以外在屋外是禁止喝酒的吧。昨天只是因典禮,公爵大人的許可給出才拿出來的喔」

 もっとも、エンプーサのミューゼやグールのカチアもダルシアと一緒に売り子をしているので、ダルシアの関係者である事は分かっているようだが。
 再說,因恩普薩的繆澤及食屍鬼的卡奇亞也和妲露希亞一起當著店員,似乎能明白是妲露希亞的關西者就是了。
 名誉貴族になった親子が、新たに雇った店員と従魔を使って営業しているのだとでも思い込んでいるのかもしれない。
 深信成了名譽貴族的母子,說不定新僱了店員和使用從魔來營業著也說不定。

「色々あって、後数日は街から離れられなくなったでしょう? それで、折角だから滞在費を稼ぎながらヴィダの新種族や従魔について皆に知ってもらえたらいいかなって思ったのよ」
「發生了各種事,之後幾天都無法從街道離開對吧? 於是,因為很難得就想是否可以一邊賺取滯留費一邊讓大家知道關於維達的新種族及從魔呢」
「滞在費って、名誉貴族なんだろう? 使用人付きの大きなお屋敷がもらえたりしないのかい?」
「滯留費,是名譽貴族吧? 不能得到附帶傭人的大大公館嗎?」
 驚いたように聞き返すサンディに、ダルシアは「もらえないのよ」と小さく首を横に振った。
 對像是吃驚般反問的珊蒂,妲露希亞說「不會得到喔」小小左右搖著頭。

「名誉伯爵になっても、急にお金持ちになる訳じゃないのよ。勲章が貰えて、私が伯爵位の貴族、ヴァンダルーが貴族の子弟と法的に同じ扱いになるだけで、領地や役職を貰えるわけではないの。年金は伯爵位の貴族と同額を貰えるけれど、うちは大所帯だから」
「就算成了名譽伯爵,也並不是突然就變有前人了喔。就只是得到勳章,在法律上我是伯爵位的貴族、范達魯是貴族的子弟的同樣對待,並沒有得到領地或官職。年金雖然是和伯爵位的貴族同金額,但因為我家是大家庭」

 名誉貴族とは、功績を遂げた冒険者や平民に、貴族と同じように扱うという名誉を与える、と言う制度である。そのため、勲章と身分、そして爵位に応じた年金を受け取る事が出来るが、それだけだ。
 所謂名譽貴族,是所謂給予達成功績的冒險者或平民,名為與貴族同樣般對待的名譽的制度。因此,雖能收下勳章和身分、還有相應爵位的年金,但也僅此而已。
 文官や武官としての職を斡旋される訳でもなく、勿論領地もない。
 並非是被介紹了作為文官或武官的工作,當然也沒有領地。

 だが、考えてみれば当然で、名誉貴族になる者にはそれまでの生活が在り、特に冒険者の場合はB級やA級冒険者である事が多く、既に並の法衣貴族を上回る財産を持っている事も珍しくない。
 但是,試著考慮的話是當然的,成為名譽貴族的人有在那之前的生活,特別是冒險者的場合很多是B級或A級冒險者,已經擁有超過普通法衣貴族的財產也不稀奇。
 それに名誉貴族には、非貴族の功績に報いる為とはいえ爵位を簡単に与えて、貴族が増え過ぎたら後々の統治に支障をきたすので、それを防ぐためと言う側面もある。
 而且名譽貴族,雖說是為了回報非貴族的功績而簡單地給予爵位,由於貴族增加過頭會對之後的統治帶來障礙,也有所謂為了防止那個的一面。

 そのため、名誉貴族に爵位に相応しい屋敷や金銭を与える制度はなかった。
 因此,沒有給予名譽貴族相應爵位的公館及金錢的制度。

「勿論、悪神討伐の報奨金は別に受け取っているから、本当にお金に困っている訳ではないのよ」
「當然,因為討伐惡神的獎勵金是另外收下的,並不是真的在金錢上有困難喔」
「じゃあ、後者の理由……ヴィダの新種族と従魔に親しみを持ってもらうため、かい?」
「那麼,後者的理由……是為了對維達的新種族和從魔保有親密、嗎?」
 ミューゼやカチアに声をかける様子を見ると、その試みはおおむね成功しているようにサンディには思えた。
 看到對繆澤及卡奇亞招呼的樣子後,珊蒂認為那個嘗試大概成功了。
 他の面々は――。
 其他的各人是――。

「わー、脚がワキワキ動いてるー」
「哇,腳不停在動著」
「揺れなーい」
「別搖了」
「あまり拙者から身を乗り出さないようにするのだぞ」
「不要過分從在下身上探出身體喔」
 子供達を蜘蛛の下半身につけた特製の鞍に乗せて、屋台の周りを大きく一周するアラクネの大型種のギザニア。
 讓小孩子們乘坐在安裝於蜘蛛下半身上的特製鞍座上,大大繞著貨攤周圍一圈的阿剌克涅大型種的吉薩妮亞。
 サンディが『地球』の遊園地等を知っていれば、ミニSLを思い浮かべたかもしれない。
 珊蒂若是知道『地球』的遊樂園,會想起迷你蒸汽火車也說不定。

「「「チュー」」」
「「「啾」」」
「赤いネズミ!」
「紅色老鼠!」
「今度は銀色のネズミちゃん!」
「這次是銀色的老鼠醬!」
「俺は白いネズミ!」
「我是白色老鼠!」
 一方、マロル、ウルミ、スルガの鼠三姉妹は、三匹並んで地面に腹を付けて平べったく伸びており、大勢の子供以外にも見物人を集めている。
 另一方面,瑪洛魯、烏露蜜、思爾嘉老鼠三姊妹,三隻並排把腹部平貼地面伸展著,除了眾多的小孩子以外也聚集著觀眾。

「「「チュッチュチュチュー!」」」
「「「啾啾啾啾!」」」
 そして、マロル達が一斉に後ろ足で立ち上がる。すると、マロルの腹の下敷きになっていたヴァンダルーの姿が露わになる。
 然後,瑪洛魯她們一起用後腳站了起來。於是,成了瑪洛魯腹部墊子的范達魯的身姿顯露了。

「正解は赤いネズミのマロルの下でしたー! 当たった子には木苺をあげるから手を出してねー!」
「正確答案是紅色老鼠瑪洛魯的下面! 因為要給答對的孩子木莓把手伸出來吧!」
 どうやら、ヴァンダルーを下敷きにしているのはどのネズミか、賭け……と言うよりクイズを行っているようだ。
 看來,與其說是賭把范達魯當墊子的是哪隻老鼠……不如說是猜謎。
 可愛らしい服装の小柄な少女……いや、ドワーフの女性が子供達に籠から木苺を配って行く。
 可愛服裝的矮個子少女……不,矮人女性從籃子裡分發木莓給小孩子們。

 サンディはヴァンダルーが屋台から離れた場所に居たので、驚いて屋台を覗いてみると……串焼きを焼いていたのはヴァンダルーと同じくらいの背丈の、ユリアーナだった。
 珊蒂因范達魯在離開貨攤的地方而吃驚,試著窺視貨攤後……烤著串烤的是與范達魯同樣身高的尤莉亞娜。
「なんだい、ユリアーナちゃんが焼いていたのかい」
「怎麼,是尤莉亞娜醬在烤嗎」
「はい! 私も頑張らないといけませんからっ!」
「是! 因為我也不努力不行!」
「そうかい、頑張るんだよ。おばちゃんも応援しているからね……って、そうじゃなくて」
「是嗎,加油吧。因為阿姨也會聲援呢……才、才不是那樣」

 娘より小さなユリアーナがお手伝いをしている姿に、ほっこりしたサンディは、我に返るとダルシアに向き直って訊ねた。
 對比女兒還小的尤莉亞娜幫著忙的身姿,暖洋洋的珊蒂回神後重新詢問妲露希亞。
「理由は分かったけど、良いのかい? 別に屋台を開かなくったって、皆があんた達に興味を持っているんだから人は集まるよ?
「理由雖然明白,但這樣好嗎? 即便不用特別開設攤販,因為大家對妳們抱持著興趣所以人都聚集了喔?
 それに滞在費だって、あんたなら近くの魔境やダンジョンに行けば、十分稼げるんじゃないのかい?」
 而且說到滯留費,妳的話若是去到附近的魔境或迷宮,不就能賺夠了嗎?」

 サンディの言葉を否定する理由はない。実際、サイモンとナターニャはアーサー達とファングを連れて、冒険者ギルドの依頼を受けて魔境で狩りと採集を行っている。
 沒有否定珊蒂話語的理由。事實上,賽門和娜塔孃帶著亞瑟他們和梵古,接受冒險者公會的委託在魔鏡進行著狩獵和採集。
 それにダルシアかヴァンダルー、片方一人だけでもついて行けば、滞在費を十分賄えるだけの収獲が望めるだろう。
 而且即便只有妲露希亞或范達魯、某一位跟著去的話,能期望只是充分供應滯留費的收穫吧。

「それはそうなのだけど……今の私は冒険者じゃないし、こうして働くのも好きなの」
「雖然話是那麼說……但現在的我並不是冒險者,也喜歡這樣的工作」
 ダルシアがそう言うと、サンディは苦笑いを浮かべて今度こそ引き下がった。
 妲露希亞如此說後,珊蒂浮現苦笑這次就作罷了。
「そう言われちゃあ、何も言えないね。世の中に仕事は幾らでもあるけど、好きな方法で稼ぐのが一番だからね」
「被那樣說,就什麼都不能說了呢。因為雖然工作在世間不論有多少,能用喜歡的方法賺錢是最棒的呢」
 そう言って納得するサンディに、ダルシアは微笑みながら頷くが……実は嘘をついているので、多少罪悪感を覚えた。
 對如此說並認同的珊蒂,妲露希亞雖一邊微笑一邊點頭……但由於其實是撒了謊,多少感到了罪惡感。

「でも、気を付けるんだよ。中には名誉貴族なのに屋台を営業するなんて気にくわないって、妙な言いがかりを付けに来る輩がいるからね。
「但是,當心點喔。因為其中有反感明明是名譽貴族卻在經營攤販什麼的,來找奇怪碴之輩的在呢。
 そんな奴は――」
 那樣的傢伙――」
「妙な言いがかりとは、それこそが言いがかりと言うものだ」
「所謂奇怪的藉口,那才是所謂的藉口」
 ダルシアに忠告しようとするサンディの声を、彼女の背後から発せられた、傲慢さが滲んでいる男の声が遮った。
 打算對妲露希亞忠告的珊蒂的聲音,被從她的背後發生的,滲透著傲慢的男性聲音遮蓋了。

 反射的に振り返ったサンディは、自分の後ろに立っていたのが護衛の騎士を二名引き連れた、見るからに貴族然とした青年である事にギョッとしてその場を飛びのく。
 反射性地回頭的珊蒂,對站在自己後面帶領著兩名護衛騎士、看上去貌似作為貴族的青年大吃一驚急忙躲開那個現場。
「まぁ、すごい」
「哇,好厲害」
 そのサンディの身軽さや、彼女が言いかけた忠告がすぐ現実になった事、そして青年が『言いがかりをつけて来る嫌な貴族』の見本のような姿である事、全てにダルシアは思わず感嘆の溜め息を漏らす。
 那位珊蒂的靈活及、她才剛說出的忠告馬上變成了現實、還有青年像『來找碴的討厭貴族』的樣本般的身姿,妲露希亞不由得對一切洩露感嘆的嘆息。

 それをどう解釈したかは不明だが、青年は得意気に鼻を鳴らし、ダルシアに向かって慇懃に一礼した。
 雖然不明白如何解釋那個,但青年得意地哼了一聲,朝向妲露希亞有禮貌地行個禮。
「お初にお目にかかる、ダルシア・ザッカート名誉女伯爵殿。私はピスコット・オーランブ子爵と申します」
「初次見面,妲露希亞‧札卡特名譽女伯爵殿下。我名為皮斯柯特‧奧蘭布子爵」
「これはご丁寧な挨拶をありがとうございます。それで、ご注文はお決まりですか?」
「非常感謝這禮貌的問候。所以,點單決定了嗎?」
 それに対してダルシアは朗らかにそう応じて注文を取ろうとした。
 相較於那個妲露希亞明朗地如此對應打算拿取訂單。

 何の迷いも見られない対応に、思わずピスコットと護衛の騎士達の動きが硬直する。
 什麼迷惘都沒被看到的對應,皮斯克特和護衛的騎士們的動作不由得僵直了。
「ふ、ふざけるな! 屋台で売られているような粗野な料理が、オーランブ子爵家当主であるこの私の口にあうとでも思うのか!?」
「別、別開玩笑了! 在貨攤裡賣著的粗俗料理,妳認為會適合身為奧蘭布子爵家當主的那個我的口嗎!?」
「まあ、それは残念だわ。じゃあ、私は他のお客さんの注文を取りにいかないといけないので、失礼します」
「哎呀,那真是遺憾啊。那麼,由於我必須要去拿其他客人的訂單,失禮了」

 そうピスコットに小さく一礼して、動けなくなっていたサンディを連れてその場を離れようとしたダルシアだったが、彼女達の前を騎士達が立ち塞がった。
 如此對皮斯柯特小小行個禮,打算帶著變得不能動的珊蒂離開那個現場的妲露希亞,騎士們阻擋在她們的面前。

「ピスコット様に対して、無礼だぞ!」
「對皮斯柯特大人、太無禮了喔!」
「何処へ行くつもりだ!」
「是打算去哪裡啊!」
 剣こそ抜いていないが、武装した騎士の恫喝にサンディは震え上がり、ダルシアは……深いため息を吐いた。そして、彼女が少し本気を出せばすぐ肉塊に出来る騎士達の主人へ視線を向ける。
 雖沒拔出劍,但珊蒂對武裝起來的騎士的恫嚇發抖著,妲露希亞……深深嘆了一口氣。然後,她把視線朝向稍微認真起來的話就馬上能成為肉塊的騎士們的主人。

「まだ何かご用でしょうか? それとも、ご注文がきまりましたか?」
「還有什麼事嗎? 還是說,決定點單了呢?」
「君は、私を馬鹿にしているのか!?」
「妳是、把我當笨蛋了嗎!?」
「いいえ、屋台の売り子として、相応しい対応をしているつもりよ」
「沒有,作為貨攤的店員,打算做出相應的應對喔」
 ダルシアはピスコットを馬鹿にしているつもりはなかった。だが、今彼女は串焼き屋台の売り子、いわゆるウェイトレスだ。ピスコットがお客ではなく注文しないのなら、それ以上応対する理由がない。
 妲露希亞沒有打算把皮斯柯特當笨蛋。但是,現在她是串烤攤販的店員,所謂的女服務生。如果皮斯柯特不是客人沒要點單,沒有除那之外應對的理由。

 彼女もここが何処かの舞踏会の会場で、貴族として出席している立場だったらもっと他の対応をしていたのだろうが。もしくは、ピスコットが先にダルシアに用件を言えばいいのだが……。
 這裡是某處的舞會會場且、作為貴族出席了的立場的話她也會更加做出其他的應對吧。或者,皮斯柯特先對妲露希亞說出事情就好了……。

「くっ、やはり私を馬鹿にしている! 名誉貴族位を得て、我々貴族の仲間入りをしたと高慢にも思い上がっているのかね!?」
「咕,果然把我當笨蛋了! 得到名譽貴族位,入夥我們貴族後就傲慢地驕傲自大起來了嗎!?」
「いえ、本当にそんなつもりでは……あの、それでご用件は?」
「不,真的沒有那種……那個,因此事情是?」
 しかし、ピスコットに用件を言い出す様子がないので、ダルシアは仕方なく促した。
 可是,由於皮斯柯特沒有要說出事情的樣子,妲露希亞沒辦法只能催促了。

 彼女にとって、ピスコットを馬鹿にしても面白い事は一つもない。主従共に大声を出して他の客を怯えさせるし、仕事の邪魔をするので、出来るだけ早く立ち去って欲しいと言うのが正直なところだ。
 對她來說,把皮斯柯特當笨蛋一點也不有趣。老實說由於主僕一起發出大聲讓其他客人膽怯,妨礙了工作,希望盡可能早點離去。
「ぬぅ、いいだろう。私は、名誉貴族位を得た君が我々貴族の端くれとして、困る事のないようにと指導するのが真の貴族の務めだと、こうして注意をしに来たのだ!」
「唔,好吧。得到名譽貴族位的妳勉強算是我們貴族,我很樂意去指導可是真正的貴族義務,會這樣來提醒的!」

「……まあ」
「……哎呀」
 本当に名誉貴族になった私が、屋台の売り子をしているのが気に食わなくてやって来る貴族がいるなんてと、ダルシアは驚いた。
 真的成了名譽貴族的我當起攤販的店員,有反感而過來的貴族什麼的,妲露希亞很吃驚。

 だが、ピスコットは自分の言いたい事をダルシアが察したのだと誤解した。
 但是,皮斯柯特誤解了妲露希亞察覺到自己想說的事。
「フッ、どうやらやっと理解したようだね。君が、如何に貴族としての品位を貶めているかと。分かったのなら、下らない屋台を畳みたまえ。ご子息にも、下賤な見世物を止めさせろ。
「哼,看來終於理解了呢。妳是,如何貶低作為貴族的品味。明白的話,把無聊的貨攤關掉。也讓令郎停止卑賤的雜耍。
 君には私がオーランブ子爵家当主として、責任を持って貴族に相応しい立ち振る舞いを教えよう」
 讓作為奧蘭布子爵家當主、擁有責任的我來教妳適合貴族的舉止吧」

 そう得意気に言うと、ダルシアの肩に手を置こうとする。その瞬間、空間属性のゴースト達がオーランブの背後の空間を揺らめかせ、人気のない路地に潜んでいたブラガが短剣を抜き、ミューゼ達がそれとなく客や子供達の視線を遮ろうとする。
 如此得意洋洋地說後,打算把手放在妲露希亞的肩上。那個瞬間,空間數性的幽靈們讓奧蘭布背後的空間晃動,潛伏在毫無人煙的巷弄裡的布拉格拔出短劍,繆澤她們打算不露痕跡地遮蔽客人及小孩子們的視線。

「その役目に、貴殿は相応しくないと思うが?」
「我認為,您不適合那個職務就是了?」
 しかし、その前に冷たい女の声によって、オーランブ子爵は手を止めた。
 可是,在那之前經由冰冷的女性聲音,奧蘭布子爵停下了手。

「何だ、貴様は? 小汚い平民が、この私を誰だと――」
「什麼啊,妳誰? 髒兮兮的平民,把這個我當誰――」
 苛立ちと共に声の主に視線を向けたピスコットは、色とりどりの飾りが付いた可愛らしい服を着たドワーフの女性を見て、目を丸くした。
 與焦躁一起將視線朝向聲音的主人的皮斯柯特,看著穿著加上色彩斑斕的裝飾的可愛衣服的矮人女性,睜大了眼睛。

「せ、『千刃の騎士』バルディリア・レッドゴーダ女伯爵!?」
「千、『千刃的騎士』芭露迪莉亞‧雷德哥達女伯爵!?」
 そう、クイズのアシスタントをしていたドワーフの女性は、鎧を脱ぎ可愛らしい服を着たバルディリアだったのだ。ピスコットは慌てて姿勢を正し、護衛の騎士達も急いで主君に倣う。
 沒錯,當起猜謎助理的矮人女性,正是脫掉鎧甲穿著可愛衣服的芭露迪莉亞。皮斯柯特驚慌端正姿勢,護衛騎士們也急忙仿效主人。

 自分よりも歴史のある、そして上の家柄の貴族で、更に公爵の側近であるバルディリアを前にしたピスコットの顔から、見る見るうちに傲慢さが剥がれ落ちていく。
 從站在比自己更有歷史,然後是上層門第的貴族,且更是公爵親信的芭露迪莉亞面前的皮斯柯特的臉上,在轉眼間傲慢逐漸剝落下來。

「な、何故こんなところに!?」
「為、為何會在這種地方!?」
「見ての通り、大恩あるダルシア様のお手伝いをしていたのだ。騎士団は副職を禁じているが、無償故に問題はない」
「如你所見,在幫著有大恩的妲露希亞大人的忙。騎士團雖禁止副業,但無報酬之故沒有問題」
「そ、それでそのような恰好を?」
「所、所以那樣的裝扮?」

「ほぅ。そのような、か。貴殿は貴族の品位について強い拘りがあるようだが……私がその品位を汚しているとでも?」
「哦。那樣的、嗎。雖然您關於貴族的品味似乎有強烈拘泥……但我也玷汙了那個品味嗎?」
 明るいピンクや水色のカラフルな、そしてフワフワして可愛いワンピースドレス姿のバルディリアに睨まれたピスコットは、彼女が放つ冷たい怒気に押されるように後ずさり、額に浮いた冷や汗を飛び散らせるような勢いで首を横に振った。
 被明亮的粉紅及粉藍的色彩斑斕、然後是輕飄飄的可愛連身裙禮服打扮的芭露迪莉亞瞪著的皮斯柯特,就像被她所釋放的冰冷怒氣壓制般退縮,以讓浮現在額頭的冷汗飛濺般的氣勢左右搖個頭。

「宜しい。では、貴殿がダルシア様の指導役に相応しくない理由を教えてやろう。
「很好。那麼,讓我來告訴您不適合擔任妲露希亞大人指導角色的理由吧。
 第一に! 面識すらない間柄の貴族家当主に面会するのに直接出向くのは、戦時中でもなければ重大なマナー違反だ! 前もって使者を遣わし、アポイントメントを取れ!
 第一! 直接前往會見沒有認識關係的貴族家當主,若不是戰爭時期就是重大的違反禮儀! 事先派遣使者,取得預約!
 第二に! 他家の当主を恫喝し、立ち塞がる騎士を叱責しないのは何故だ!? 主君の程度が知れると言うものだ!
 第二! 不斥責恫嚇、阻擋別家當主的騎士是為何!? 主人的程度可想而知!
 そして最後に、ご夫人に馴れ馴れしく触れようとするなど言語道断! 出直して来いっ、青二才が!」
 然後是最後,打算嘻皮笑臉地碰觸夫人等荒謬絕倫! 去重新來過,小屁孩!」

「ヒ、ヒイィ!? も、申し訳ありませんでしたぁ!」
「唏、唏咿!? 非、非常抱歉!」
 バルディリアの怒声を受け、ピスコットは悲鳴のような声で謝罪すると、走って逃げ出した。騎士達も、「ピスコット様!」と慌ててついて行く。
 受到芭露迪莉亞的憤怒聲,皮斯柯特以慘叫般的聲音道歉後,跑著逃出去了。騎士們也驚慌叫著「皮斯柯特大人!」跟了上去。

「いいぞーっ、バルディリア様!」
「幹得好,芭露迪莉亞大人!」
「いよ、鬼教官!」
「好呀,鬼教官!」
 いけ好かない貴族を追っ払ったバルディリアに、野次馬から惜しみない賞賛が贈られた。そして一端屋台から距離を取ろうとした人々も、戻って食事を再開する。
 趕走非常討厭的貴族的芭露迪莉亞,被看熱鬧者毫不吝惜贈與了稱讚。然後從攤販一端打算保持距離的人們,也回去重新開始吃飯。

「我が公爵領に仕える貴族の一人が、恥ずかしいところをお見せしました、ダルシア様」
「雖是侍奉吾之公爵領的貴族一員,但展示了可恥的地方,妲露希亞大人」
「いいえ、バルディリアさんのお蔭で助かったわ。ところで……」
「不,託芭露迪莉亞的福幫大忙了喔。話說回來……」
「ええ、どうやら奴はダルシア様に良からぬ事を考えて近づいたようです。名誉貴族は一代限りであるがため、自分達より下と考える輩はどこの公爵領にもいますが……奴はダルシア様の美貌と名声を利用しようとしたのでしょう」
「對,看來那傢伙似乎考慮著不好的事而接近妲露希亞大人。因為名譽貴族僅限一代,雖認為是比他們自己還下層之輩的在哪個公爵領都有……但那傢伙是打算利用妲露希亞大人的美貌和名聲的吧」

 バルディリアが口にしたのは、貴族社会ではありがちな事であった。名誉貴族の爵位がどれほど高くても、代々爵位を継いできた自分達の方が格上の存在だと考える貴族は多い。
 芭露迪莉亞說出口的是,在貴族社會裡常有的事。就算名譽貴族的爵位多麼高,認為能繼承世世代代爵位的他們自己那邊才是更為高貴的存在的貴族很多。
 先祖代々仕えて来た貴族達にとって、突然現れた名誉貴族が自分達と同等に扱われるのは、面白くない。実際、代々領地を治め、様々な役職についている貴族は国に対して貢献をしている。更に政治的な影響力やコネクション等は多くの場合名誉貴族よりも持っているので、完全な間違いではないのだが。
 對於祖先世世代代侍奉而來的貴族們來說,突然出現的名譽貴族被與他們自己同等對待,並不有趣。事實上,世世代代治理領地,關於各種官職的貴族對國家做出貢獻。並且由於政治影響力及門路等很多場合比名譽貴族還擁有更多,毫無疑問就是了。

 それにしても、自分を真の貴族と自称して、名誉伯爵のダルシアを直接侮辱するのは、やり過ぎであった。
 儘管如此,自稱自己為真正的貴族,直接侮辱名譽伯爵妲露希亞,是做過頭了。

「いえ、そうではなくて、私の事は様付けじゃなくて、ダルシアって呼んでいいのよ?」
「不,並非如此,不要對我加上大人,叫妲露希亞就可以了喔?」
「ほ、本当ですか!? でも、そんな、いきなり呼び捨てなんて……!」
「真、真的嗎!? 但是,那樣的,突然去掉稱呼什麼的……!」
 何故か頬を染めて身体をくねらせるバルディリアに、ダルシアは「どうしたのかしら?」と首を傾げる。
 不知為何雙頰染紅紐曲身體的芭露迪莉亞,妲露希亞納悶問說「怎麼了嗎?」。

 そしてサンディは、「全く、冷えた胆もあんた達のやり取りを聞いてすっかり戻っちまったよ」と言って、笑いだした。
 然後珊蒂說「真是的,冷卻的膽子也因聽到妳們的交流而完全恢復了喔」,笑了出來。

『ジャア、くいずノ続キヲシマスヨー……ブグルル』
『那麼,來繼續猜謎吧……咘咕嚕嚕』
 それを眺めていたヴァンダルーの姿をした存在は、そう言って仕事に戻った。
 眺望那個有著范達魯身姿的存在,如此說了回到工作上。



 その頃、神々の目を欺いた本物のヴァンダルーは、セレンに出す返事を書くのを中止して、顔を上げた。
 那個時候,欺騙眾神目光真正的范達魯,中止書寫寄給塞蓮的回應,抬起來。
 幽霊船クワトロ号の甲板から、遥か彼方にだが影が見えて来たからだ。それを認めて、彼は満足気に頷く。
 因為從幽靈船庫娃特蘿號的甲板上,雖在遙遠的彼端但可以看到影子。認可那個,他心滿意足地點頭。
「魔王の大陸、発見」
「魔王的大陸,發現」
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留言共 4 篇留言

Kaze
原文連結連到第二百二十二話了
可能因為有穿插一堆閒話跟角色介紹的章節所以頁面上的272不是第二百七十二話吧?

03-04 21:26

SPT草包
我錯打成話數了 ̄▽ ̄",你不說我都沒發現Orz。03-04 21:36
KL
千刃太太完全被攻略了吧這(這稱呼沒毛病吧)

07-02 13:44

SPT草包
千刃太太被從瀕死救活,怎麼可能不陷落啊XD。07-02 14:28
KL
就像真理喊咩君媽媽一樣 對吧

07-02 15:00

KL
阿魯達陣營還不知道范達魯已經是亞神了吧,雖說如果知道,也大概只會想著「雖然不用擔心不死者們於范達魯壽終後暴走,但得召集更強的戰力來殺才行」這樣

07-07 12:45

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