1.子どもたちのヒーロー(孩子們的英雄)
ブロッサムヒルの街を歩いていると、
数人の子どもたちが、大きな壁の前ではしゃいでいるのが見えた。
それがあまりにも楽しそうな様子だったので、
気になって近づいてみる。
走在茂盛之丘的街道上,
看見幾個孩子在大牆前歡鬧著。
看起來非常有趣的樣子,
因而有些在意而試著靠近看看。
すると、 どうやらその子どもたちは、 璧の掃除をしているようだった。
なぜそこまで楽しげにやっているのだろうと眺めていると、
座って作業していた一人が立ち上がる──子どもたちより、 はっきり背が高い。
然後,看來這群孩子們,好像正在清理牆壁的樣子。
當我想看看為何會這麼開心的時候,
坐在那裡工作的人站了起來──跟孩子們比起來,個頭很高。
寡黙な花騎士、 アデニウムだった。
子どもたちに混じって、 なにをしているのだろう。
沉默寡言的花騎士,沙漠玫瑰。
跟這群孩子們混再一起,在做什麼呢?
アデニウム:
……ああ、誰かと思えば団長か。
これは、壁の掃除だ
沙漠玫瑰:
……啊啊,我在想是誰呢原來是團長啊。
這在清理牆壁
それは見ればわかるが、 なぜアデニウムが子どもたちと、
壁の掃除を?
這個一看就知道了,可是為何沙漠玫瑰會跟這些孩子們,
一塊清理牆壁呢?
アデニウム:
子どもが壁の前で泣いていたから……。
なぜ泣いているのか聞いたら、 落書きをして怒られたというので、
掃除を手伝っていただけだ
沙漠玫瑰:
因為孩子在牆頭前哭泣著……。
我問他為什麼會哭才知道,因為亂塗鴉被罵了,
我只是在幫忙清理而已
淡々とそう言うアデニウム。
話している間も、 子どもたちが楽しそうに、
長身の花騎士にまとわりつく。
ずいぶん懐かれているが、アデニウムは困った顏だった。
沙漠玫瑰冷淡地說著。
在我們說話的時候,孩子們看起來很高興,
與高個子的花騎士糾纏在一起。
雖然很親近,但沙漠玫瑰看起來卻很為難。
アデニウム:
私は少し、この人と話してくる。
皆は掃除の続きをしていてくれ
沙漠玫瑰:
我有點事情,要和這個人談談。
大家繼續打掃吧
アデニウムと一緒に、少し離れる。
子どもたちは相変わらず楽しそうに、壁の掃除を続けていた。
和沙漠玫瑰一起,稍微離開一下。
孩子們仍舊快樂地清理著牆壁。
嫌がるはず壁掃除をあんなに喜んで……。
アデニウムは、ずいぶんと子どもの扱いに慣れているようだ。
明明討厭清理牆壁卻那麼高興……。
看來沙漠玫瑰,已經習慣了怎麼跟孩子們相處了。
アデニウム:
掃除をしていたら、 次々子どもか集まってきたんだ。
別に、 扱いに慣れているわけではないんだが……。
ロータスレイクでも、 なぜか子どもには懐かれた
沙漠玫瑰:
在清理的時候,孩子們一個接一個聚集過來。
我並不是很習慣這樣子,但是……。
即便是在蓮花湖,也不知為何就跟孩子們親近起來了
本当に理由がわからない、 という顔だ。
面倒見がいい大人なのだから、 好かれるのは当然ではないか。
一副真的不知道理由的表情。
因為她是個很會照顧人的大人,會喜歡她也是很理所當然的吧。
アデニウム:
面倒見がいいというわけではない。
誰だって、 泣いている子どもを見たら、 どうにかしようと思うはずだ
沙漠玫瑰:
並不是說很會照顧人。
不論是誰,只要看到哭泣的孩子,都應該要想辦法吧
思うのは当たり前のことかもしれないが……。
それを淡々と実行できるアデニウムは、 やはり特別なのではないか。
雖然這麼想也許是理所當然的事情……。
但是能冷淡的實行的沙漠玫瑰,果然還是特別的吧。
アデニウム:
思ったことを実行に移したら、 特別なのか?
それは……よくわからない
沙漠玫瑰:
把想法付諸實現這種事情,會很特別嗎?
這個……我不是很清楚
そうだな、 泣いている子どもがいたとして……。
心配しながらも通り過ぎてしまう人の方が多いのではないだろうか。
是啊,就算有孩子在哭……。
會擔心的人應該還是比較多的吧。
アデニウム:
……そういう団長はどうなんだ?
泣いている子どもがいたら放置するのか?
とても、 そうは見えないが
沙漠玫瑰:
……那換作是團長的話會怎麼做呢?
如果有孩子在哭會置之不理嗎?
怎麼看都看不出來呢
それはまあ……理由を聞いて、 手伝うくらいはするかもしれない。
這個嘛……只要問問理由,也許能幫得上忙。
アデニウム:
それ見ろ、 私と同じだ。
……いや、 違うか、 変わり者の団長と同じということは、
私も変ねっていることになってしまうのか……?
沙漠玫瑰:
看來,跟我一樣呢。
……不,不對,奇怪的也只有像團長這樣的人吧,
那我是不是也會變得很奇怪嗎……?
なんだか失礼なことで悩み始めるアデニウム。
しかし、 自分がやっても、あそこまで子どもたちに好かれはしないだろう。
確かアデニウムは、 故鄉のロータスレイクでも子どもに好かれていたとか。
不知為何沙漠玫瑰開始為失禮的事而煩惱著。
但是,即便自己做了,孩子們也不會喜歡到這種程度。
即便是在故鄉蓮花湖,沙漠玫瑰也會受到孩子們的喜愛。
アデニウム:
……おかしな扱いだった、 まるでヒーローで……。
ロータスレイクにいると、 すぐ子どもが寄ってくるから、
ブロッサムヒルでは靜かに過ごせると思ったのだがな……
沙漠玫瑰:
……這種奇怪的待遇,簡直就跟英雄一樣……。
如果是在蓮花湖,孩子們馬上就會靠過來,
原本以為終於能在茂盛之丘悠閒度日呢……
すぐに寄ってくる、 というのはずいぶんな有名人だ。
彼女が、 子ども相手の有名人、 というのは不思議な気がした。
居然能馬上就靠過來,看來是個有名氣的人呢。
她在孩子們眼中變得出名,連我都感到不可思議。
アデニウム:
それが、 心当たりがないんだ。
花騎士になってからのことであれば、 市民を救う機会もあるから
多少はわからないでもないが……。
とはいえ、 普段も別に大したことをしているわけじゃない
沙漠玫瑰:
這一點,我完全沒有頭緒。
因為如果成為花騎士,就有機會拯救市民
也不是不清楚多少……。
雖說如此,平時也不是什麼大事
……と、 そこで、 子どもたち掃除を終えたらしく、
アデニウムを呼んでいた。
……這時候,那群孩子們都清理完了,
正叫著沙漠玫瑰。
アデニウム:
すまない、 呼ばれているらしい。
時間はかからないと思うが……
沙漠玫瑰:
抱歉,他們在叫我了。
我想時間也差不多了……
では待っていよう。
もう少し話もしたいし、
掃除お疲れ様、 ということで、 お茶をご馳走させてほしい。
那我就在這裡等吧。
我還有些事情想跟你說,
清理辛苦了,所以想請你喝杯茶。
アデニウム:
やはり不思議な男だな。
私と話をしたがるとは……
沙漠玫瑰:
果然是個不可思議的男人啊。
竟然會想和我說話……
アデニウムはそう呟いて、 子どもたちの方に步いていった。
沙漠玫瑰喃喃自語著,朝孩子們走了過去。