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第二部神殿的實習巫女 路茲的離家出走

作者:SPT草包│2018-10-11 18:35:15│贊助:2│人氣:158
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い ルッツの家出
第二部神殿的實習巫女 路茲的離家出走
原文連結

「トゥーリ、どういうこと? 何があったの? ルッツは大丈夫なの?」
「圖麗,怎麼回事? 發生什麼了? 路茲要不要緊?」

 ばたりとベッドに伏せたまま、わたしが矢継ぎ早に尋ねると、トゥーリは失敗したという表情になった。困ったように眉を寄せて、わたしの頭を何度も撫でる。
 依舊啪嗒地趴在床上,我接連不斷地詢問後,圖麗變成了名為失敗了的表情。好像為難似地皺起眉頭,撫摸我的頭好幾次。

「ごめんね、マイン。熱が下がってから言わなきゃダメだったのに……。マインは興奮しちゃダメだよ。また熱が上がっちゃう」
「抱歉呢,瑪茵。明明因為退燒之後不說不行……。瑪茵興奮是不行的喔。又會發燒的」
「トゥーリ、教えて」
「圖麗,告訴我」

 わたしがトゥーリの手を握って、何度も教えてほしいとお願いすると、トゥーリは仕方なさそうに溜息を吐いた。
 我握著圖麗的手,拜託著好幾次希望告訴我後,圖麗沒辦法似地嘆了一口氣。

「……ラルフを呼んでくるから、マインは寝てて。いい?」
「……因為要去喊拉魯夫,瑪茵就睡吧。好嗎?」

 わたしがコクリと頷くと、トゥーリは身を翻して部屋を出て行った。玄関のドアが開閉され、鍵がかかる音がして、トゥーリの足音が小さくなっていく。それをへにょりとベッドに伏せたまま、わたしは耳を澄まして聴いていた。
 我點頭如搗蒜後,圖麗轉身從房間出去了。玄關的門被開關,發出上鎖的聲音,圖麗的腳步聲逐漸變小。依然那樣軟綿綿地趴在床上,我側耳仔細聽著。

 早く戻ってこないか、とじりじりとした気持ちでトゥーリの帰りを待っていると軽い足音が近付いてくるのが聞こえ始めた。玄関の鍵が開いて、ドアが開閉する。
 以不快點回來嗎,地焦躁心情等待著圖麗的回來時開始聽到輕輕的腳步聲接近過來。玄關的鎖打開,門開關著。

「……ラルフ、ルッツは?」
「……拉魯夫,路茲呢?」

 トゥーリに連れて来られたラルフは、熱が下がっていなくてベッドから動けないわたしの状況を見て、溜息を吐いた。
 被圖麗帶來的拉魯夫,看到沒有退燒不能下床棟的我的狀況,嘆了一口氣。

「てっきりマインが匿っていると思っていたのに……」
「明明認為必定是瑪茵藏匿著……」
「さっきも言ったでしょ? マインはもう三日寝込んでいるもの。昨日の夕方に家を飛び出したルッツのことなんて知ってるわけないわ」
「剛才也說過的吧? 瑪茵已經臥床三天了。在昨天傍晚跑出了家的路茲的事情什麼的不可能知道喔」

 プンプンと憤慨してトゥーリが言う。ラルフは「疑って悪かったって」とトゥーリに謝りながら、わたしの方を向いた。
 氣呼呼地憤慨的圖麗說著。拉魯夫一邊對圖麗道歉「懷疑妳很抱歉」,一邊轉向我的方向。

「昨日、帰ってくるなり、ルッツが親父に怒鳴ったんだよ。なんで、オレの邪魔をするんだ!? って。ずっと我慢してたけど、もうこんな家、出て行ってやる! って、すごい勢いと顔つきでさ」
「昨天,一回去,路茲就對老爹怒吼喔。為什麼,要妨礙著我啊!? 這樣。雖然一直在忍耐,夠了這種家,我要出去了! 這樣,用驚人的氣勢和臉色」

 ラルフの言葉でルッツが家出した原因がわかった。きっとベンノから余所の街に連れていけない理由を聞かされたのだろう。それで、少しだけホッとした。多分、ルッツはベンノのところで保護されているはずだ。すぐに養子縁組とはならなくても、それに準じるような扱いはしてくれているだろう。
 因拉魯夫的話語而明白了路茲離家出走的原因。一定是從班諾那聽到了不能帶去別處的城鎮的理由吧。因此,稍稍放心了。大概,路茲應該在班諾的地方被保護著吧。就算沒有馬上變為收養,也是做著以那個為標準般的對待吧。

「お袋はオロオロしているけど、親父はどうせすぐに帰ってくるだろうから放っておけ、って言ってるんだ。オレ達も腹が減ったら帰ってくると思ったけど、朝になっても昼になっても帰ってこねぇから、さすがに心配で。マイン、ルッツの居場所、わからないか?」
「雖然我娘嗚嗚咽咽著,但老爹說了,反正馬上就會回來吧所以別管了。雖然我們也是想著肚子餓了就會回來,但因為不論到了早上還是到了中午都沒有回來,到底是擔心著。瑪茵,路茲的住處,知不知道呢?」

 ラルフの言葉を聞いて、じわりと胸に不安が押し寄せてきた。ベンノところで保護されていれば、仕事をしているはずだ。ルッツの居場所がわからないはずがない。
 聽到拉魯夫的話語,不安慢慢地在胸中湧現。在班諾的地方被保護著的話,應該在工作著。路茲的住處應該不會不知道。

「居場所がわからないって……ルッツ、仕事にも行ってないの?」
「說知不知道住處……路茲,也沒有去工作嗎?」
「それが……アイツの勤め先がわからなくて……」
「那個是……不知道那傢伙的工作地點……」

 わたしの質問にラルフが困ったように視線を彷徨わせる。
 拉魯夫對我的提問像是為難般徬徨著視線。
 勤め先がわからないという言葉がすぐには理解できなかった。洗礼式から二月半ほどだが、ギルベルタ商会は見習いになる前から出入りしている店なのだから、すでに一年近くルッツは係わっている。
 所謂不知道工作地點的話語無法馬上理解。雖然過了洗禮式兩個半月左右,但因為基魯貝路塔商會是從成為實習之前就開始出入的店,已經將近一年路茲有著關係。

「わからないって、なんで? ギルベルタ商会だよ?」
「說不知道,為什麼? 是基魯貝路塔商會喔?」
「……名前はわかったんだ。ジークの工房に来たことがあったんだろ? でも、ジークも店がどこにあるのか知らねぇんだ」
「……名字是知道的。有來過吉克的工坊對吧? 但是,吉克也是不知道店在哪裡啊」
「ジークの工房にルッツとわたしが行かなかったら……もしかして、今でも知らないままだったの?」
「路茲和我沒有去吉克的工坊的話……難道,現在也依然不知道嗎?」

 恐る恐る確認したわたしの言葉にラルフが気まずそうに顔を背ける。そんなラルフの様子にトゥーリが「信じられない!」と声を上げた。
 拉魯夫對我戰戰兢兢確認的話語將尷尬似地臉背過去。圖麗對那樣的拉魯夫的樣子發出「真不敢相信!」的聲音。

「ちょっと、ラルフ! 兄弟の勤め先も知らないの? 家族で仕事場の話くらいするでしょ?」
「等下,拉魯夫! 兄弟的工作地點也不知道嗎? 家人有說過工作場所的話題吧?」

 同じ兄弟でも、女同士と男同士では口数も話す内容も違うとは思うけれど、これはちょっとひどくないだろうか。相手に無関心なのか、意地でも聞いてやるか、という感じなのか、わたしにはわからないけれど、家出しても探せないというのは問題だろう。
 雖然認為即便是兄弟姊妹,在女同胞和男同胞上不論說話數量還是話題內容都不一樣,但這個不是有點過分了嗎。是所謂不關心對方嗎、也要問問感受嗎,的感覺嗎,我雖然不明白,但所謂就算離家出走也不尋找是個問題啊。
 わたしはラルフに手を伸ばし、服の裾をきゅっとつかむ。
 我對拉魯夫伸出手,緊緊抓住衣服的下襬。

「……ねぇ、ラルフ。余計なお世話かもしれないけど、もうちょっとルッツと話してあげてよ」
「……喂,拉魯夫。雖然是多管閒事也說不定,但再稍微跟路茲說說話吧」
「ルッツが喋らないんだよ。大体、我慢してるのはオレの方じゃないか。どれだけ家族に反対されたところで、ルッツは自分のやりたい仕事に就いたし、休みの日だって森へ採集にも行かずに好き放題してるじゃないか。一体ルッツが何を我慢してるって言うんだよ?」
「是路茲不說的喔。大致上,忍耐的不是我這邊嗎。即便多少被家人反對,路茲就職自己想做的工作,即便是休假日也不去森林採集不是為所欲為嗎。是說路茲到底在忍耐著什麼啊?」

 パシッとわたしの手を振り払うと、ラルフはくわっと目を見開いて、怒鳴った。
 啪地甩開了我的手後,拉魯夫猛然睜大眼睛,怒吼了。

「ラルフ、マインに乱暴しないで! 熱も下がってないんだよ!」
「拉魯夫,別對瑪茵粗暴! 燒也還沒退喔!」
「わ、悪い……」
「抱、抱歉……」

 大声は頭にガンガン響くなぁ、と思いつつ、休日のルッツを振り回している自覚があるわたしは、ルッツのフォローをする。
 一面想著,大聲在腦袋裡噹噹響呢,一面有著隨意指使假日的路茲的自覺得我,從旁協助路茲。

「ルッツが休みの日に出かけるのは、仕事だけど? ベンノさんに呼ばれた時も、わたしが振り回しちゃってる時もお給料は出てるでしょ? 別に遊んでるわけじゃないよ」
「雖然路茲在休假日出門,是工作? 不論是被班諾先生呼喚的時候,還是我隨意指使著的時候都有給薪水對吧? 並沒有特意在玩喔」

 本当に兄弟間の会話がないようで、ラルフは少し驚いたように目を見張った後、軽く頭を振った。
 似乎真的沒有兄弟姊妹間的對話,拉魯夫稍微睜大驚訝般的眼睛之後,輕輕搖了搖頭。

「……そんなの、知らねぇよ」
「……那種事,不知道喔」

 ほとんど会話がないせいで、こじれているようだけれど、ラルフは帰ってこないルッツを心配している。それに間違いはない。そして、ラルフと会話しなければならないのはわたしではなくて、ルッツだ。
 因幾乎沒有對話的緣故,雖然像在彆扭著,但拉魯夫在擔心著沒有回來的路茲。而且毫無疑問。然後,必須要與拉魯夫對話的並非是我,而是路茲。

「トゥーリ」
「圖麗」

 わたしはトゥーリを見上げた。トゥーリは一緒に服を買いに行ったことがあるので、ベンノを初め、従業員の数人と顔を合わせたことがある。ラルフが一人で突然乗り込むよりはマシだろう。
 我抬頭看圖麗。由於圖麗有一起去買衣服過,有以班諾為首、與數位工作人員見過面。比拉魯夫一個人突然進入還好的多吧。

「ラルフをギルベルタ商会に連れて行ってあげて。ルッツが元気そうなら無理に連れ帰らなくても良いから、無事だけでも確認してきてほしいの。お願い」
「請將拉魯夫帶去基魯貝路塔商會。因為路茲看起來有精神的話就算不用勉強帶回去也可以,希望只是平安也要去確認。拜託了」
「わたしもルッツが心配だからいいよ。行こう、ラルフ」
「因為我也擔心路茲可以喔。走吧,拉魯夫」

 トゥーリに手を引かれて寝室を出て行こうとするラルフが、わたしの様子を気にするようにちらりと一度振り返った。心配そうにこちらを見たラルフに力の入らない笑みだけ返しておく。
 被圖麗拉著手打算離開臥室的拉魯夫,好像很介意般回了一次頭看了我的樣子一眼。對擔心似地看著這邊的拉魯夫只能返還無法注入力量的笑容。
 ラルフは昔から面倒見の良いお兄ちゃんで、今だってルッツが好き放題していると思いながらも、心配はしているのだ。
 因拉魯夫從以前就是會照顧人的大哥哥,即便是現在儘管認為路茲為所欲為著,也在擔心著。
 ルッツもラルフも根本的なところではどっちも悪くないのに、兄弟仲が完全にこじれている。様子を見に行ったラルフとルッツがきちんと向き合って話ができればいいな、と思いつつ、わたしは目を閉じた。
 明明不論路茲還是拉魯夫在根本的點上哪邊都不壞,兄弟關係完全地彆扭著。一面想著,去看看情況的拉魯夫和路茲能好好地面對面說話就好了呢,我一面閉上眼睛。

 起きた時には夕暮れに差し掛かっていた。目を射るような眩しい光が窓から真っ直ぐに伸びて顔に当たったことで、わたしは目が覚める。
 在起來的時候臨近了黃昏。因像射到眼睛般耀眼的光芒從窗戶筆直地延伸打到臉上的事,我醒來了。
 すでにトゥーリは店から帰ってきているようで、夕飯の準備をする音が台所でしていた。喉が渇いていたので、木のコップを手に取って喉を潤していると、動く気配を感じたのか、開け放たれたドアの向こうからトゥーリがぴょこりと顔を出した。
 圖麗似乎已經從店裡回來了,準備晚飯的聲音在廚房發出。由於喉嚨了渴了,將木杯拿在手上潤潤喉後,是感覺到動作的跡象嗎,從被敞開的門的對面圖麗一個勁地探出頭來。

「マイン、起きた? 食べられそう?」
「瑪茵,起來了嗎? 能吃飯嗎?」

 わたしが頷いてもぞりと起き上がると、トゥーリはパン粥をベッドまで持ってきてくれる。わたしがもそもそと食べている間に、トゥーリは店に向かってからの事を教えてくれた。
 我點點頭扭動地爬起來後,圖麗去把麵包粥拿到了床邊。在我也磨磨蹭蹭地吃著的期間,圖麗告訴我朝向店之後的事。

「お店にルッツはいて、ちゃんと仕事をしていたよ。元気そうだった」
「路茲在店鋪裡,好好做著工作喔。似乎很有精神」
「そっか。よかった」
「是嗎。太好了」

 家を出た後で事件に巻き込まれたとか、ベンノに保護されていなくて居場所がなかったとか、そういう最悪の事態はなかったことに、胸を撫で下ろす。
 在離家出走後被捲進事件裡之類,沒有被班諾保護沒有住處之類,對沒有那種最壞事態的事,鬆了一口氣。

「ルッツの姿を見つけたラルフが、さっさと帰るぞって、力ずくで連れ戻そうとしたんだけど、仕事中に邪魔をするなって、ルッツに言われてね。ラルフまで頭に血が上っちゃったみたいで口喧嘩になった後、勝手にしろ! って、怒鳴って店を出てきたの。……ラルフのお父さんも仕事場にいる以上は放っておけって、言ってるみたい」
「雖然發現路茲的身影的拉魯夫,說了趕快回去吧,打算竭盡全力帶回去,但被路茲說了,工作中別礙事!了呢。就連拉魯夫好像也血氣衝腦變成爭吵之後,隨便你! 的,怒吼離開店了。……拉魯夫的爸爸也好像說了,既然在工作場所就放著別管」

 ルッツの家族にあった小さなひびが取り返しのつかない亀裂となり、壊れて行くのを見せられているようで、ギュッと心臓が締め付けられるような気がする。
 在路茲家族裡的小小裂縫似乎顯示著變成了無法挽回的龜裂,逐漸壞掉,能感覺到心臟被緊緊地緊揪住。

「心配なのはわかるけど、マインは早く体調を治さないと、様子も見に行けないよ?」
「雖然明白很擔心,但瑪茵不早點治好身體狀況的話,也無法去看情況吧?」
「……うん」
「……嗯」



 次の日、わたしを迎えに来たのはルッツではなく、ギルだった。ルッツにしばらく代わりに行って欲しいと言われたらしい。せっかく来てくれたが、まだ熱が下がっていないので、神殿には行けないのだけれど。
 隔天,來迎接我的並非是路茲,而是基魯。似乎被說了希望暫時去代替路茲。雖然難得到來了,但由於燒還沒退,無法去神殿就是了。
 ベッドで寝たままのわたしを見て、ギルが心配そうに覗きこむ。
 看到依然睡在床上的我,基魯擔心似地窺探著。

「マイン様、まだ熱が下がらないのか?」
「瑪茵大人,燒還沒退嗎?」
「うん。下がっても一日は様子を見るから、三日後にまた来てくれる?」
「嗯。因為就算退了也還要一天看看情況,能在三天後再來嗎?」

 心配そうに頷いたギルがわたしの枕元に跪いて、わたしの右手を取ると、まるで甲に口づけるように顔を近付けた。コツンとわたしの甲に当たったのはギルの額で、流れるように祈りの文句が出てくる。
 擔心似地點頭的基魯跪在我的枕邊,拿起我的右手後,簡直就像要親吻手背般讓臉靠近。叩地貼到我的手背上的是基魯的額頭,出現了流暢般的祈禱詞句。

「マイン様に癒しの女神 ルングシュメールの加護がありますように」
「就讓瑪茵大人能有治癒的女神 倫古修美露的加護」
「ありがとう。ギルにも神の祝福がありますように」
「謝謝你。就讓基魯也能有神之祝福」

 後ろ髪を引かれるような顔で帰って行ったギルは約束通り、三日後に迎えに来てくれた。
 用像被拉扯後腦頭髮般的臉回去的基魯如同約定,在三天後來迎接了。
 熱が下がって、家族からも外出許可が出たので、ギルと一緒に家を出る。ルッツがいないのは、何だか変な感じがして落ち着かない。
 由於退燒了,也從家人那得出外出許可,和基魯一起離開家。路茲不在了,總覺得有奇怪的感覺冷靜不下來。

 階段を下りて建物を出ると、井戸の広場でルッツの母親であるカルラおばさんが洗濯をしているのが見えた。パタパタと駆け寄って、わたしは尋ねる。
 走下樓梯離開建築物後,看到在水井廣場身為路茲的母親的卡露菈阿姨正在洗滌著。啪嗒啪嗒地跑過去,我詢問著。

「カルラおばさん、ルッツはまだ?」
「卡露菈阿姨,路茲還沒回來?」

 カルラおばさんは無言で首を振った。恰幅が良くて、お喋りで、迫力がある快活なおばさんの姿はなく、やつれて疲れきっているように見えた。
 卡露菈阿姨無言的搖了搖頭。不是體格很好、喋喋不休、有魄力的爽朗阿姨的身姿,看起來就像是消瘦疲憊不堪般。

「マインは……ルッツの様子を知らないのかい?」
「瑪茵……不知道魯茲的情況嗎?」
「ラルフとトゥーリから話は聞いたけど、わたし、熱出してずっと寝てたから。今日、これからお店の方へルッツの様子を見に行こうと思ってたんだけど……」
「雖然聽過從拉魯夫和圖麗那的話,但因為我,發著燒一直睡覺。雖然想著今天,之後要去店鋪那邊看看路茲的情況……」
「そう。じゃあ、元気かどうか、知らせてくれないかい?」
「是嗎。那麼,有沒有精神,能讓我知道嗎?」
「うん、わかった」
「嗯,知道了」

 その時は自分で見に行けばいいのに、と思いながら了承して、わたしはギルと一緒に広場から出た。
 一邊想著,那個時候自己去看看就行了,一邊同意了,我和基魯一起從廣場出來。

「ギル、ルッツの様子が見たいから、お店に寄るね?」
「基魯,因為要看看路茲的情況,能靠近店鋪嗎?」
「マイン様が行きたいなら、いいけど。あのおばさんだって、あんなに心配しなくても大丈夫なんだけどな。親なんていなくても生きていけるぜ。孤児院には親なんていねぇし」
「如果瑪茵大人想去,可以就是了。是說那個阿姨,雖然就算不用那麼擔心也不要緊呢。就算父母什麼的沒有也能活下去喔。在孤兒院父母什麼的都沒有」
「……そうだね」
「……說得也是呢」

 わたしが初めて孤児院に踏み込んだ時は、生きていけない子供達がいたじゃない、という言葉は呑み込んだ。親も無しに生きて行く孤児院の子供達は「いなくても平気だ」と思わなくては、生きていけないような気がしたからだ。
 吞進了名為,我第一次踏進孤兒院裡時,活不下去的小孩子們不也有嗎的話語。不認為無父無母活下去的孤兒院的小孩子們是「就算沒了也不在乎的」,是因為感受到活不下去了。

 ギルベルタ商会に着くと、マルクがニコリとした笑顔で迎えてくれる。その後ろにはルッツがいて、書字板に何か書きこんでいた。
 到達基魯貝路塔商會後,馬爾克用微微笑的笑臉來迎接。路茲在那後面,在寫字板上寫上著什麼。

「おはようございます、マイン。もう体調はよろしいのですか?」
「早上好,瑪茵。身體狀況已經好了嗎?」
「おはようございます、マルクさん。やっと熱が下がりました。それより、ルッツが家出したって聞いて……」
「早上好,馬爾克先生。終於退燒了。說起來,聽說路茲離家出走……」
「そのお話は奥でお願いしますね。ここ数日、ルッツの関係者が店を騒がせていて、従業員も少し気が立っているのです」
「那個話題希望能在裡面呢。這幾天,路茲的關係者騷擾著店裡,工作人員也稍微焦躁著」

 やんわりとした笑顔でマルクが言葉を遮った。どうやら、ラルフ以外にも店にやってきてルッツを連れ帰ろうとしたようだ。
 馬爾克用婉轉的笑容遮掩了話語。看來,在拉魯夫以外似乎也有來到店裡打算將路茲帶走。
 貴族相手の品質と高級さが売りの店に、身形を構わない貧民がやってきて連日騒ぎ立てれば、イメージは良くないだろう。このままでは、店におけるルッツの立場も良くないものになってしまう。わたしは口を噤んで頷いた。
 在賣著貴族對象的品質和高級的店裡,不在乎打扮的貧民過來連日叫嚷的話,印象會不好吧。就這樣的話,會變成能住在店裡的路茲的立場也不好的東西。我噤口點頭。

「旦那様、マインがルッツと話をしたいそうなので、こちらに入れますね」
「老爺,由於瑪茵好像想和路茲說說話,過來這邊了」
「……ここは談話室でも、相談室でもないんだが?」
「……這裡不論是談話室、還是諮詢室都不是就是了?」
「承知の上です」
「清楚明白」

 笑っているが、有無を言わせない雰囲気のマルクに押される形でベンノが溜息混じりに了承した。
 班諾被雖然笑著,但不容分說的氛圍的馬爾克推進的形式混雜著嘆息同意了。

「ごめんなさい、ベンノさん。外に行ってもよかったんだけど……」
「對不起,班諾先生。雖然去外面也可以……」
「いや、中で話せ。昨日の夜は店じゃなく、ウチにルッツの母親が来て、ルッツを返せ、とこちらを誘拐犯扱いで怒鳴り散らしてな。マルクがぶち切れて追い返したんだ」
「不,在裡面說。昨天晚上路茲的母親,來到不是店鋪的我家,把路茲還來、地把這裡當誘拐范對待亂罵一通呢。是馬爾克打斷趕回去的」
「すみません、旦那様」
「不好意思,老爺」

 カルラおばさんのいつもの迫力で怒鳴りこまれたところを想像して、わたしはげんなりとした。直後に、マルクがぶち切れたという言葉に戦慄する。カルラおばさんを追い返せるなんて、一体何があったのか。人が変わったように疲れきってやつれていたのは、もしかしたらマルクの怒りが原因だろうか。
 想像著以卡露菈阿姨憑時的魄力被怒吼的地方,我很氣餒。緊接著,對馬爾克所謂打斷的話語顫慄著。把卡露菈阿姨趕回去時麼的,到底發生了什麼啊。人就像變了般疲憊不堪消瘦著,難道說馬爾克的憤怒是原因嗎。
 詳しくは聞かない方が良いような気がして、わたしはルッツに向き直った。
 感覺不要打聽細節會比較好,我轉身向路茲。

「ルッツは今どうしてるの? ベンノさんのところにいるの?」
「路茲現在要怎麼做呢? 在班諾先生的地方嗎?」
「どうって、荷物置きにしてる屋根裏部屋で住んでるけど? だから、今朝まで母さんが来たこと知らなかったし……」
「要說怎樣,住在當成放置行李的閣樓房間就是了? 所以,直到今天早上媽媽來的事情都不知道……」

 カルラおばさんはルッツに会えないまま、マルクに追い払われたらしい。わたしに様子を見てきてほしいと言った理由がわかって、複雑な気分になる。
 卡露菈阿姨依然見不到路茲,似乎被馬爾克趕走。明白了對於我說了希望看看情況的理由,變成了複雜的心情。

「……って、え? 屋根裏部屋?」
「……是說,咦? 閣樓房間?」
「だって、オレ、それ以外に行くところないだろ?」
「因為,我,沒有那以外能去的地方對吧?」

 ルッツは物置にしていた屋根裏部屋で生活していると言った。それは住み込み見習いと全く同じ扱いだ。養子縁組を考えていると言ったはずのベンノが何の援助もしていないことになる。
 路茲說了在當成儲藏室的閣樓房間生活著。那是和住宿實習完全同樣的對待。變成了應該說了考慮著收為養子的班諾先生什麼援助都沒做的事情。

「どういうことですか、ベンノさん!? ルッツを養子にするんじゃなかったんですか!?」
「這是怎麼一回事,班諾先生? 不是要將路茲作為養子嗎!?」
「……オレが旦那の養子? え? どういうことだよ?」
「……我是老闆的養子? 咦? 是怎麼回事啊?」

 戸惑うルッツの様子から察するに、ベンノはルッツに何も話していないようだ。
 從困惑的路茲的樣子上察覺到,班諾似乎什麼都沒對路茲說。
 わたしがベンノを睨み上げると、ベンノも怒りに満ちた目でわたしを見下ろして、「この阿呆!」と雷を落とした。
 我抬頭瞪著班諾後,班諾也用充滿憤怒的眼神俯視著我,大發雷霆「這個呆瓜!」。

「養子縁組したくても、親の許可もなく勝手に縁組できるわけがないだろう! これはルッツに事情を説明した結果、ルッツが選んだ道だ。それより、考え無しに物を言うのを止めろと何度言ったらわかるんだ!? 親の許可が取れない状況で、養子の話なんぞ聞かせやがって!」
「就算想收為養子,父母的許可也沒有是無法擅自收養的吧! 這是對路茲說明事情的結果,路茲選擇的道路。比起那個,說了好幾次停止毫不考慮就開口的話能明白嗎!? 在沒有取得父母的許可的狀況下,養子的話題之類會聽到的!」
「……あ」
「……啊」

 しまった、と口を押さえても、もう遅い。
 就算糟糕了、地壓住嘴巴,也已經晚了。
 ルッツの目が暗く光った。家出してから、一人で生活する厳しさがひしひしと迫っているのだろう。不満の矛先を向ける相手を見つけたように、いつも前向きだったルッツの目が、荒んでいる。
 路茲的目光暗暗發光。因為離家出走,一個人生活的嚴峻緊緊地迫近著吧。就像發現將不滿的矛頭轉向的對象般,總是積極的路茲的目光,荒廢著。

「もしかして、マインは知っていたのか?」
「莫非,瑪茵知道了嗎?」
「俺が話した。お前の環境や親の情報を得るために、な」
「我說的。為了獲得你的環境及父母的情報,呢」
「旦那様……」
「老爺……」

 ベンノの言葉にルッツの目が少し揺らぐ。自分の居場所を探す迷子のような目でルッツがわたしを見た。
 路茲的目光對班諾的話語稍微搖曳著。路茲用像尋找自己容身處的迷路小孩般的目光看著我。

「でも、だったら……知ってるなら、なんで、教えてくれなかったんだよ?」
「但是,那樣的話……如果知道,為什麼,沒有告訴我啊?」
「ルッツがこうやって飛び出すと思ったから。家族に背を向けちゃうと思ったから。わたしは自分の家族が大事だから、ルッツの家族を壊すようなことしたくなかったの」
「因為想到路茲就這樣跑了出來。因為想到要背向家人。因為我很重視自己的家人,不想要做像是會破壞路茲的家人般的事情」

 ルッツの家族を壊すようなことはしたくなかったが、それでも、家の中の居心地が悪くて、ベンノさんがルッツを受け入れてくれるなら……養子縁組してくれるなら、ルッツの望むようにすればいいとは思っていた。
 雖然破壞路茲的家人的事不想做,但儘管如此,如果家裡面的感覺不好,班諾先生接受了路茲……如果能收為養子,我認為能做到像路茲的期望般就好。
 ベンノがいれば、住み込み見習いになって、親からの干渉なく自分で自由に動ける成人まで、過酷な環境で我慢するような状況になるはずがないと思っていた。
 班諾在的話,成了住宿實習,沒有來自父母的干涉自己自由地行動直到成人,我認為應該不會變成在嚴酷的環境忍耐般的狀況。

 だが、現実にはルッツは家を飛び出し、親の許可なく養子縁組もできず、住み込み見習いとして屋根裏で過ごすことになっている。たった5日ほどの生活でも子供の一人暮らしは厳しいのだろう、ルッツの目は暗くなっていた。
 但是,現實是路茲跑出了家,沒有父母的許可也無法收為養子,變成了作為住宿實習在閣樓裡度過的事。即便是僅僅5天左右的生活小孩子的一人生或也是嚴苛的吧,路茲的目光變暗了。

「マインもオレが悪いって言うのか? 飛び出したオレが悪いって……」
「瑪茵也會說是我不好嗎? 說跑了出來的我不好……」

 多分、連れ戻しに来た家族がラルフと同じような事を言ったのだろう。「我儘を言わずに帰って来い」「勝手な事ばかりするな」「店に迷惑をかけているのはお前だ」「もう気は済んだだろう」というようなことをラルフが言っていたことはトゥーリに聞いた。
 大概,來帶回去的家人說了跟拉魯夫同樣的事吧。拉魯夫說過像這樣的事「別說任性話回來了」「別盡做任意的事」「給店家添麻煩的是你」「已經滿意了吧」的事聽圖麗說過。

 ルッツが謝って家に帰れば、また以前と同じような生活はできるはずだ。「ほら、見ろ。やっぱり住み込み見習いなんて無理だった」と家族に言われ、自分が我儘だったんだ。自分が我慢するしかないんだと不満を胸に溜めながら生きて行くことはできる。
 路茲道歉回到家裡的話,應該能過又和以前一樣的生活。被家人說「喂,你看。果然住宿實習什麼的是不可能的」,自己很任性的。一邊將自己只能忍耐的不滿留住胸中一邊能活下去。
 そんなルッツを見たくなかったから、わたしは即座に否定した。
 因為不想看到那樣的路茲,我立即某定。

「ルッツが悪いなんて言わないよ。言うわけがないでしょ? わたしはルッツがどれだけ頑張ってきたか知ってる。いっぱい我慢したことも知ってるもん」
「是路茲不好什麼的不會說喔。沒有說的理由吧? 我知道路茲是多麼的努力著。滿滿忍耐著的事也知道的」
「そっか……」
「是嗎……」

 ホッとしたようにルッツが小さく息を吐いた。そんなルッツの翡翠のような瞳を覗きこみ、じっと見つめて、わたしは続ける。
 就像放心般路茲小小吐了一口氣。窺視那樣的路茲翡翠般的眼眸,筆直凝視著,我繼續著。

「わたしは何があっても、ルッツの味方だよ。わたしがわたしのまま、ここにいてもいいって、ルッツが言ってくれたから、わたしは今ここにいるの」
「我就算發生了什麼,也是路茲的伙伴喔。因為路茲說了,我依然是我,在這裡也可以,我現在在這裡了」

 わたしにも周りに本当の味方がいないように感じて、自分の殻に閉じこもったようになった経験がある。不安で居場所がないような気分で、生活していても落ち着かなかったわたしを「オレのマインはお前でいいよ」と言って繋ぎとめてくれたのはルッツだ。あの時わたしが感じた安心感の、ほんの少しでもルッツが感じてくれればいい。
 我也有像是真正的伙伴不在周圍的感覺,有著變成了像是關進自己的殼裡般的經驗。把因不安而沒有容身處般的心情,就算生活著也冷靜不了的我用所謂「我的瑪茵是妳就可以了喔」給維持的就是路茲。那個時候我感到的安心感,即便只有一點點也能給路茲感覺到就好了。

「だから、わたしもルッツに言ってあげる。ルッツはルッツのままでいればいいよ。わたし、絶対に応援する。ルッツがわたしを助けてくれたように、わたしも全力でルッツを助けてあげるから、辛い時は寄りかかって」
「所以,我也會對路茲說。路茲依然是路茲那樣在就可以了喔。我,絕對會聲援。因為就像路茲幫助了我,我也會全力地給予路茲幫助,艱辛的時候就來依靠吧」

 翡翠の瞳が潤んで、泣き笑いのような顔のルッツがわたしに抱きついた。
 翡翠的眼眸濕潤且,又哭又笑般的臉的路茲抱住了我。

「ハハッ……。頼りねぇ味方だな。オレが寄りかかった時点でマインの方が潰れそうだ」
「哈哈……。是靠不住的伙伴呢。在我依靠的時間點瑪茵那邊似乎會崩潰喔」

 涙声のルッツに押しつぶされそうになりながら、わたしはむむっとした脹れっ面でルッツの背中をポンポンと軽く叩く。
 儘管變成快要被哽咽聲的路茲壓扁,我也用不爽而脹起的臉砰砰地輕輕拍著路茲的後背。

「……ちょっとくらいは助けになれるもん」
「……稍微有能得到幫助的東西」
「例えば?」
「譬如?」

 ぐすっと鼻をすする音が耳元で聞こえる。それでも、ルッツの声がずっと明るくなっている気がする。
 在耳邊聽到咕嘶地抽鼻子的聲音。儘管如此,也感覺到路茲的聲音變得明亮得多了。

「お昼ご飯を一緒に食べるとか……? 屋根裏は炊事場がないからご飯作れないんでしょ?」
「一起吃午餐之類……? 因為閣樓沒有烹飪場不能做飯對吧?」
「……一緒に食べるって、作るの、マインじゃねぇし」
「……要說一起吃、製做的,才不瑪茵吧」
「そこは、とても助かります、マイン様って言うところでしょ?」
「那裡是,非常有幫助,是叫著瑪茵大人的地方對吧?」

 ルッツがくくっと笑って顔を上げた。いつもの前向きな笑顔が戻っていることに安堵する。ちょっとはルッツの役に立てたかもしれない。
 路茲抬起咯咯地笑的臉。對平時積極的笑臉回來的事安心了。稍微對路茲有用處也說不定。

「……おい、もういいか?」
「……喂,已經可以了嗎?」

 ものすごく呆れたような嫌そうな顔で、執務机に頬杖をついたベンノが声をかけてきた。わたしはルッツの背中をポンポンしたまま、首を傾げる。
 用非常吃驚般討厭的臉,撐著臉在辦中桌上的班諾發出了聲音。我依然砰砰路茲的後背,歪頭不解。

「……いいですけど、何ですか?」
「……雖然是可以,但有事嗎?」
「いや、気が済んだなら仕事に戻れ」
「不,滿意的話就回到工作上」

 さっさと散れ、と手を振るベンノの言葉にルッツがわたしから慌てて離れて、部屋を出て行く。
 路茲對趕快解散、地揮著手的班諾的話慌張地從我這離開,從房間出去了。
 わたしも挨拶してお暇しようとしたら、ベンノがルッツの出て行ったドアを見据えながら口を開いた。
 我也打算做寒暄的功夫的話,班諾一邊盯著路茲出去的門一邊開口了。

「マイン、早くルッツの環境を何とかしてやりたいと思うのは同感だが、養子縁組の件は、昨日の母親の剣幕を考えても、もうちょっと頭が冷えんことには話し合いの余地もなさそうだ」
「瑪茵,想著要快點替路茲的環境想想辦法做些什麼雖是同感,但收為養子的事,就算考慮到昨天母親的洶湧怒氣,再稍微冷卻頭腦似乎也沒有協商的餘地」

 冷静に状況を判断しているベンノ言葉に、苦い物を呑みこんだように喉の奥が引きつった。
 對冷靜地判斷著狀況的班諾的話語,就像是吞進了苦澀的東西般喉嚨深處痙攣了。

「しばらくはこのままの生活になりそうだし、今は良くても生活が荒めば心も荒む。ルッツの家族に、誘拐だの、騙しただの、言われれば店の評判にも係わるから、今の俺には手出しできん。ルッツの味方だというなら、できるだけ助けてやれよ」
「姑且似乎會變成像這樣的生活,就算現在是好的生活荒蕪的話內心也會荒蕪。因為被對路茲的家人,是誘拐、是欺騙,說了的話也關聯著店的評價,現在的我無法出手。如果說是路茲的伙伴,盡可能去幫助吧」
「……はい」
「……是。」

 ルッツは家を出てもベンノの養子になって、仕事に打ち込むことができるはずだった。植物紙を作る工房を立ちあげるために余所の街に行って、自分の夢を叶えるはずだった。
 路茲就算離家成了班諾的養子,應該也能專注於工作。為了成立製做植物紙的工坊去了別處的城鎮,應該能實現自己的夢想。

 住み込み見習いになって、今まで以上に苦労するなんて……。
 成了住宿實習,做著至今以上的辛勞什麼的……

 ベンノが言うように、厳しい生活が続けば、ルッツは荒れるだろう。自分が悪かったのか、と自分を責めて、どうして受け入れてくれないんだと、家族を恨むことになるかもしれない。
 就像班諾說的,嚴苛的生活繼續的話,路茲會荒蕪吧。會變成是自己不好嗎、地責備自己,為什麼不能接受地、憎恨家人也說不定。

 ルッツがわたしを支えてくれたように、わたしにできることがあるだろうか。有効な手段が何一つ思い浮かばず、わたしは重い溜息を吐いた。
 就像路茲支撐著我般,也有我能做到的事情吧。有效的手段任何一個都想不出來,我重重嘆了一口氣。

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 家出しちゃいましたが、現実は厳しいです。
 雖離家出手了,但現實很嚴苛。

 次回は、神官長の招待状です。
 下回是,神官長的邀請函。
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