創作內容

2 GP

第二部神殿的實習巫女 蝶莉亞的工作

作者:SPT草包│2018-08-13 07:20:56│贊助:4│人氣:67
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い デリアの仕事
第二部神殿的實習巫女 蝶莉亞的工作
原文連結

「もー! あんたのせいで、あたしが神殿長の部屋を追い出されたのよ! どうしてくれるのっ!」
「夠了! 由於妳的緣故,我被趕出神殿長的房間了唷! 妳要怎麼賠我!」

 そう叫びながら、デリアが憤然とした様子で階段を駆け上がってくる。どこから走ってきたのか知らないが、深紅の髪を振り乱し、ぜいぜいと息を切らせながら、デリアがわたしの前に立った。ここ数日は厨房整備のために忙しい日を過ごしていたので、ものすごく久し振りに顔を見たような気がする。
 一邊那樣叫喊,蝶莉亞一邊用憤然的樣子跑上樓梯去。雖然不知道是從哪裡跑過來的,但晃亂的深紅頭髮,一邊氣喘吁噓地,蝶莉亞一邊站在我的面前。由於這幾天為了整備廚房過著忙碌的日子,感覺看到非常久違的臉。

「あんたのせいよ! 勝手に部屋を賜わったくせに、あたしに何にも言わないから、神殿長に能無し扱いされたじゃない! もー!」
「都是妳的錯唷! 因為擅自賜予房間,什麼都沒對我說,不都被神殿長當成無能了嗎! 真是!」

 部屋をもらったのは着替える場所が欲しかっただけだったし、神官長からちゃんともらったから勝手に部屋を分捕ったわけでもないし、デリアがいつもどこかに行ってしまうから連絡なんてできるわけないし、神殿長に無能扱いされたところでわたしには何の関係もないと思う。
 獲得房間只是想要更換衣服的地方,因為是從神官長那好好獲得的並不是擅自搶佔房間,因為蝶莉亞總是去了某處聯絡什麼的也都沒做,我認為以被神殿長當成無能的點上跟我什麼關係都沒有。

「デリアは一体わたくしにどうしろと言うの?」
「說到底蝶莉亞要我怎麼做?」
「あたしをここに置きなさいよ。側仕えだから当然でしょ?」
「把我放在這裡吧。因為是近侍當然的吧?」
「身分をわきまえろ!」
「懂得身分!」

 あ、と思った時には止める間もなく、ゴン! とベンノの拳骨が落ちた。デリアは何が起こったのかわからないような顔で、頭を押さえて辺りを見回す。
 在想到啊、的時候停頓沒多久,叩! 地班諾的拳頭落下。蝶莉亞用不知道發生了什麼的臉,捂著頭環顧周邊。

「デリア、お客様の前で、その態度は良くないわ。叱られて当たり前でしょう?」
「蝶莉亞,在客人的面前,那個態度不是很好喔。被訓斥是理所當然的吧?」
「な、なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないのよ!?」
「為、為什麼必須要被你那樣說唷!?」
「まだわからないようだな?」
「似乎還不明白呢?」

 目を細めたベンノが拳を見せると、デリアがぐっと口を噤んだ。ルッツに殴られた事を思い出したのか、ギルも一緒にビクッとする。
 班諾瞇起眼睛展示了拳頭後,蝶莉亞咕地噤聲了。是回想起被路茲打的事情了嗎,基魯也一起嚇了一跳。

「マイン、与えられた仕事が満足にできないヤツは必要ない。やる気がないヤツを雇っておくのは金の無駄だ。即刻切り捨てろ」
「瑪茵,被給予的工作沒辦法滿足的傢伙沒有必要。雇用沒有幹勁的傢伙是浪費錢。立刻割捨吧」

 不機嫌に吐き捨てたベンノの言葉は、ギルに向かってルッツが言った言葉と一緒で、ルッツがいかにベンノの影響を受けているのかよくわかった。
 班諾不愉快地唾棄的話語,與路茲向基魯所說的話一起,很能明白路茲是如何正受到班諾的影響。

「あの、フラン。わたくしにはデリアの置かれた状況がよくわからないのだけれど、部屋を追い出されたということは、神殿長に切られたということかしら?」
「那個,弗蘭。雖然不是很明白蝶莉亞被放置的狀況,所謂被趕出房間,是說被神殿長斷絕了嗎?」

 わたしの言葉が核心を突いてしまったのか、デリアは今にも泣きそうなほど目に涙をいっぱい溜めて、わたしを睨んで、掠れた声で反論した。
 我的話語戳中核心了嗎,蝶莉亞現在也是快要哭了滿滿的淚水留在眼裡,瞪著我,用嘶啞的聲音反駁了。

「……まだ切られてないもん」
「……還沒被斷絕咩」
「切られたと断言することはできませんが……」
「沒能斷言被斷絕嗎……」
「そうよね? あたしみたいな可愛い子を切るなんてないわよね?」
「沒錯呢? 不會斷絕像我一樣可愛的孩子呢?」

 デリアが光明を見つけたようにフランの言葉に顔を輝かせた。しかし、フランは表情を変えることなく、デリアに現実を突きつけていく。
 蝶莉亞像是發現光明般對弗蘭的話語笑逐顏開。可是,弗蘭沒有改變表情,將現實擺在蝶莉亞眼前。

「マイン様が部屋を賜った事を知らず、部屋の場所がわからないためマイン様に仕えることもできず、神殿長にとって必要な情報を全く持ち帰ることができなかったデリアが不興を被ったとしても、何の不思議もございません」
「不知道瑪茵大人賜予了房間的事情,因為不知道房間的所在而無法服侍瑪茵大人,就算掃了無法將對神殿長必要的情報完全帶回去的蝶莉亞的興,也沒什麼不可思議」
「……え?」
「……咦?」

 信じられないと言わんばかりに見開かれたデリアの表情を歯牙にもかけぬように、フランは淡々と説明を続けた。
 就像被睜大眼睛幾乎要說出無法置信的蝶莉亞的表情不值一提般,弗蘭淡淡地繼續說明。
 真面目なフランは、側仕えとしての仕事をしていないばかりか、仮にも主であるわたしを困らせるだけのデリアに相当腹を立てているようだ。表情が変わらないのが、逆に怒りの深さを感じさせる。
 認真的弗蘭,不光做著作為近侍工作嗎,似乎對即使只是讓身為主人的我困擾的蝶莉亞相當生氣。雖然表情沒有變化,但相反能讓人感到憤怒的深度。

「デリアがマイン様に付けられたのは、同じ年頃の少女ならば、マイン様と仲良くして情報をたくさん手に入れることができるのではないか、という神殿長の思惑があったと伺っております。ここまでわかりやすく敵意を剥き出しにし、マイン様に警戒されているデリアが神殿長にとって期待外れである事は間違いないでしょう」
「蝶莉亞被配給了瑪茵大人,如果是同年紀的少女的話,與瑪茵大人友好不就是能做到將情報大量入手了嗎,猜中並窺探神殿長那樣說的意圖。毫不掩飾至今為止簡單易懂的敵意,被瑪茵大人警戒的蝶莉亞對神殿長來說肯定是令人失望的事吧」
「そ、そんな……」
「那、那種……」

 デリアが表情を失くした。
 蝶莉亞失去了表情。
 部屋まで追い出されるなんて、神殿長に切られた線が濃厚になってきた、と思った次の瞬間、デリアはフランに媚びるような笑みを見せた。
 連房間都被趕出去什麼的,被神殿長斷絕的線變得濃厚了,那麼想的下個瞬間,蝶莉亞對弗蘭展現諂媚般的笑容。

「でもでも、あたしはここの側仕えだし、巫女見習いに女の側仕えがいないなんてあり得ないもの。そうよね?」
「但是但是,我是這裡的近侍,實習巫女沒有女的近侍之類的怎麼可能。沒錯吧?」

 次の居場所を確保するために、主であるわたしではなく、側仕えの中で一番発言力がある成人のフランをターゲットにするところがあざとい。
 為了確保下個住所,並非是身為主人的我,而是將在近侍裡面最有發言力的成人弗蘭當成目標是耍小聰明。
 感情を表情に出すことが少ないフランが嫌悪感を剥き出しにしてデリアを睨んだ後、フッと冷たい笑みを浮かべた。
 表情上很少顯露感情的弗蘭毫不掩飾嫌惡感瞪著蝶莉亞之後,忽然浮現了冷笑。

「マイン様はここで生活していらっしゃるわけではないので、身の回りの世話がほとんど必要ありません。この数日、デリアがいなくても全く問題なかったことが、それを証明しております。それに、どうしても必要であれば、孤児院から新しい側仕えを選ぶことが可能でございます」
「由於瑪茵大人並非是要在這裡生活,日常生活照料幾乎沒有必要。這幾天,就算蝶莉亞不在也完全沒有問題,就能證明那個。而且,無論如何都有必要的話,從孤兒院選擇新的近侍也是有可能的」

 神官長に付けられた側仕えだから、デリアを外すことはできないと考えていたが、新しく増やすことはできるようだ。わたしが「それはいい考えですわね」とフランに賛同すると、ギュッと唇を噛みしめて、デリアがほたほたと涙を零し始めた。
 因為是被神殿長配給的近侍,所以考慮著無法排除蝶莉亞,但好像可以新增。我「那是個好想法呢」地贊成弗蘭後,緊緊地咬著嘴唇,蝶莉亞開始撲簌簌地掉起眼淚。

「……あたしを追い出すの?」
「……要趕走我嗎?」

 その綺麗過ぎる涙を見て、デリアは本当に男に可愛がられるためにしか生きてきてないんだと理解した。自分が不利な状態になれば、甘えてすがって、涙を見せる。見上げる角度まで完璧だ。幼くても女を武器にすることを知っている。可愛いことを自覚しているって、すごい。麗乃時代にわたしがやったら「気持ち悪い」と足蹴にされかねない技だ。
 看到那過於美麗的淚水,理解了蝶莉亞真的只是為了被男人疼愛而生的。自己處於不利的狀態的話,撒撒嬌、展示淚水。就連抬頭看的角度都很完美。就算年幼也知道要把女性當武器。自覺到可愛,好厲害。在麗乃時代我做的話是會被腳踢說「好噁心」的技能。

 わたしを今まで散々罵っておきながら、いきなり哀れな雰囲気を出されて、救援を求められても、困る。本音を言えば苛立つけれど、泣いている幼女を追い出すのもかなり鬼畜ではないのか。何とも言えないやりにくさを感じて、重い空気が漂う。
 一邊至今狠狠地罵著我,一邊突然拿出哀憐的氣氛,就算被尋求救援,也很困擾。雖然說了真心話的話會很焦急,但趕走哭泣著的幼女不也相當鬼畜嗎。感覺到什麼都無法說的棘手,沉重的空氣漂浮著。

「追い出すも何も、最初からデリアは数に入ってないから心配するな」
「不論趕走或什麼,因為從最初開始蝶莉亞就沒有計入數量別擔心」

 デリアが作り上げた同情せざるを得ないずっしりとした空気を、ギルがイイ笑顔で吹き飛ばした。
 蝶莉亞所造成不得不同情的沉重空氣,基魯用美好的笑容吹跑了。

「な、ななっ!?」
「什、什什!?」
「ここでは仕事をしないヤツには部屋もないし、ご飯も食べちゃダメなんだ。働かざる者食うべからずって言うんだぜ! なぁ、マイン様?」
「在這裡不工作的傢伙沒有房間,飯也沒得吃。有說過不工作者不得食吧! 吶,瑪茵大人?」

 ちゃんと覚えたんだ、とギルが得意そうな顔で胸を張る。
 好好記住了,基魯用那樣得意般的臉挺起胸部。
 空気を読んでいないのか、むしろ、読んだのか、わからないが、よくやってくれた。後でいっぱい褒めてやらなければならない。「体力なくて働けないお前が言うな」と呟くベンノは無視だ。無視。
 是不會看氣氛嗎,還是說,會看呢,雖然不知道,但幹得好。等下必須要滿滿地稱讚。低語著「沒有體力無法工作的妳別說」的班諾就無視。無視。

「ギルは頑張ってお仕事したから、お部屋もあるし、お腹いっぱい食べたんですもの。自分のお仕事もしない子にわたくしが与えるものは何もないの」
「因為基魯很努力工作,房間也有,肚子吃得飽飽的東西。對於自己的工作都不做的孩子我能給的東西什麼都沒有」
「わかったわ。仕事をすればいいのね?」
「知道了。工作就好了吧?」

 デリアはそう言うと、ベンノの膝にするりと滑らかな動きで座って、にっこりと笑いながら身体を寄せた。
 蝶莉亞那樣說後,滑溜溜地滑動到班諾的膝蓋上坐下,一邊笑瞇瞇地一邊將身體靠近。
 何が起こったのか全くわからず、わたしが目を瞬いていると、ベンノがものすごく嫌そうに顔を引きつらせて、手を振った。
 完全不明白發生了什麼,我眨著眼睛後,班諾非常厭惡似地讓臉抽蓄著,揮了揮手。

「悪いが、君のような子供に興味はない。下りてくれ」
「抱歉,但對像妳的小孩子沒興趣。快下去」
「ほら、ここには灰色巫女がいないから、お客様の不興を買うのよ」
「妳看,因為這裡沒有灰色巫女,掃了客人的興唷」

 ベンノの膝から降りながら、デリアはわたしに勝ち誇った笑みを見せる。神殿長の側仕えをしている灰色巫女の仕事を見せつけられたわたしは頭を抱えたくなった。
 一邊從班諾的膝蓋上下來,蝶莉亞一邊展現誇耀勝利的笑容。被展示了做著神殿長的近侍的灰色巫女的工作的我變得想抱頭了。
 それは、ベンノも同じだったようで、こめかみを押さえながら不愉快な表情を隠さないままデリアを睨んだ。
 那個,班諾好像也一樣,一邊壓著太陽穴一邊依然沒隱藏不愉快的表情瞪著蝶莉亞。

「俺は花自体必要ない。ここに花を愛でに来る貴族と一緒にしないでくれ」
「我不需要花本身。別當成與來這裡愛花的貴族同樣」
「え? そんな、まさか……」
「咦? 那種的,難道……」

 今までのデリアの仕事は、神殿長の愛人となっている側仕えの身の回りの世話と次代の愛人となるために美と教養を磨くこと。そして、神殿長に客が来た時は甘えて笑顔を振りまくことだったらしい。
 至今,成為神殿長的愛人的近侍的日常生活照料和為了成為下一代的愛人磨練著美與教養。然後,客人來到神殿長那時似乎要散佈撒嬌的笑臉。

「わたくしの側仕えには全く必要ないですわね」
「我的近侍完全沒必要呢」
「そ、掃除と洗濯はできるわ。神殿長の衣を整える仕事もあったし、この部屋だってちゃんと整えられるもの」
「打、打掃和清洗都能做喔。整理神殿長的衣服的工作也有,即便是這個房間也能被好好整理」

 そう言いながら、ギュッとわたしの袖を掴む手に力が籠った。今まで自分がしてきたことが他では通用しないと知ったことで、自分の中の価値観が揺らいでいるのだと思う。媚びた笑顔でもなく、綺麗な嘘泣きでもなく、戸惑ったようにデリアは顔を強張らせて、周りを見回し始めた。しかし、可愛いデリアを助けてあげようとする者はこの場にいない。
 一邊那樣說,緊緊地在抓住我的袖子的手裡灌滿力量。由於知道了至今自己所做的事情對其他人不通用,我認為是自己體內的價值觀動搖了。既不是諂媚的笑容,也不是美麗的假哭,不知所措般的蝶莉亞繃起了臉,開始環顧周圍。可是,打算幫助可愛的蝶莉亞的人不存在在現場。

 部屋を追い出されたデリアが困っているのは本当なのだろう。どうしようか、と助けを求めて、わたしはフランを見上げた。
 被趕出房間的蝶莉亞傷腦筋是真的吧。該怎麼做,那樣尋求著幫助,我抬頭看著弗蘭。

「反省室で一晩反省すればよいのではないですか? マイン様に不敬を働いたことは事実ですから」
「不就是在反省室裡反省一晚就好了嗎? 因為對瑪茵大人失禮是事實」
「反省はするわ。これからは、きちんとする。だから……追い出さないで。いらないって言わないで」
「會反省喔。今後,會好好做。所以……不要趕走我。不要說不需要我」

 うぅ~っ、と泣くのを堪えながらデリアが必死の顔で言い募る。胸を突く切実な響きにわたしが軽く目を見張って周りを見ると、フランとギルもまるで自分がいらないと言われたように痛そうな顔になっていた。
 一邊忍著嗚~,地哭泣蝶莉亞一邊用拚命的表情越說越激昂。我對扎進胸口迫切的聲響輕輕地睜大了眼睛看了周圍後,弗蘭和基魯也簡直像被說了不需要自己般化成了傷痛似的表情。
 ギルは日常的に反省室に入れられていた問題児だった。フランは神官長付きから外された時に、自分が必要とされていないと思って、傷つき苦しんだ。多分、その記憶が蘇っている。
 基魯是日常性被放入反省室的問題兒童。弗蘭是在經由神官長配發被排除時,認為自己是不被需要的,受傷而痛苦。大概,那個記憶復活了。

「フラン。わたくしはデリアがお仕事を真面目にしてくれれば、それでいいのだけれど」
「弗蘭。我對蝶莉亞能認真地工作的話,那樣就好了」
「……マイン様がそうおっしゃるなら」
「……瑪茵大人那樣說的話」

 少しホッとしたようにフランが息を吐いた後、厳しい顔になってデリアに言った。
 弗蘭稍微放心般地吐了一口氣之後,轉成嚴厲的表情對蝶莉亞說。

「ここで受け入れてほしければ、まず、言葉遣いを改めるように。マイン様を主と考えられないような側仕えは必要ない」
「希望被這裡接受的話,首先,改變遣詞用字。沒有將瑪茵大人考慮成主人的近侍不需要」
「かしこまりました」
「我了解了」

 デリアが仕事をすると宣言してくれたことで、泣いている幼女を追い出さずに済んだ。わたしは胸を撫で下ろしながら、デリアに尋ねる。
 由於蝶莉亞宣言會工作了,不趕走哭泣著的幼女就結束了。我一邊鬆了一口氣,一邊詢問蝶莉亞。

「それで、デリアはどんなお仕事ができるの?」
「那麼,蝶莉亞能做什麼樣的工作?」
「この部屋を青色巫女の部屋として整えます。最初はここ!」
「將這個房間當作藍色巫女的房間整理。最初是這裡!」

 デリアがビシッと指差したのは、わたしが二階の物置だと思っていた場所だった。実は、お風呂場兼トイレとして使う場所だったらしい。それらしい道具がなかったので、全く気付かなかった。
 蝶莉亞用力地用手指著的是,我認為是二樓的儲藏室的地方。其實,似乎是作為洗澡間兼廁所使用的地方。由於沒有像那樣的器具,完全沒發覺。

「数日の間、時間があったのというのに、道具も準備できていないというのはどういうことですの? お風呂はともかく、トイレはどうしていたんですか?」
「這幾天裡,明明說是有時間的,所謂器具都沒有準備是怎麼一回事? 澡堂姑且不論,廁所要怎麼處理呢?」
「え? 一階にあるから、そこで道具借りて、自分で片付けて……」
「咦? 因為一樓有,在那裡借用器具,自己收拾……」
「何ですって!? 信じられない! もー! 一階って、側仕えの、しかも、殿方が使うところじゃありませんか。恥を知りなさい!」
「妳說什麼!? 無法置信! 夠了! 一樓,是近侍的,而且,不是男士使用的地方嗎。請知恥點!」

 言葉遣いが多少変わっても、態度はあんまり変わってない気がするのは、わたしの気のせいでしょうか。
 感覺就算遣詞用字多少有改變,態度也不太會改變,是我的錯覺嗎。

 デリアは風呂、トイレの道具に加えて、鏡台や執務机がないと、この部屋に足りない物を次々と指摘し始めた。食事も書き物も全部中央の丸テーブルで済ませているのだが、青色巫女としては失格らしい。
 蝶莉亞開始不斷地指摘加上浴池、廁所的器具,沒有梳妝台及辦公桌,那些這個房間不夠的東西。
 わたしにはここでお風呂に入る予定はないと言っても、入ることがあるかもしれないし、自分のために二階にも準備しろとおっしゃる。
 我就算說沒有預定要在這裡洗澡,也說不定會進去,為了自己說了在二樓也要準備。

「ベンノさん、お願い」
「班諾先生,拜託了」
「任せておけ。……これだけ不足しているんだったら、確かに、巫女の生活を知っている側仕えも必要だな。それに、あの調子で怒られたら、マインももうちょっと貴族の娘らしくなるだろ?」
「交給我吧。……只有這個不足的話,的確,知道巫女的生活的近侍也有必要。而且,被那樣樣子罵的話,瑪茵也會再稍微變得像貴族的女孩吧?」
「うぐぅ……」
「嗚咕……」

 そして、デリアは二階の水瓶に水を運び始めた。ここに水を運んでおかないと洗顔や手洗い、トイレの片付けにも困るらしい。か弱いお姫様系かと思えば、愛人目指して熱心に仕事をしていたようなので、デリアは水を運ぶ腕力も体力もやる気もしっかりあった。
 然後,蝶莉亞開始將水搬到二樓的水缸裡。不將水搬運這裡放的話洗臉或洗手、廁所的收拾也似乎會很困擾。認為是柔弱的公主大人系的話,由於是以愛人為目標熱心地坐著工作,蝶莉亞不論是搬水的力氣還是體力或幹勁都好好地有著。

「二階に水さえ準備していないなんて、もー!」
「二樓連水都沒準備什麼的,真是的!」

 デリアが口やかましく独り言に近い文句を言いながら仕事を始めたのを見届けて、フランは厨房へと戻り、ギルは一階の掃除を始めた。
 看到蝶莉亞一邊說著接近碎碎唸的自言自語的抱怨一邊開始工作,弗蘭回到了廚房,基魯開始一樓的打掃。
 わたしは手を付けずに放置されていたデザートに手を伸ばし、もしゃもしゃと食べながら、ベンノに相談を持ちかける。
 我沒幫手對被放置的飯後甜點伸出了手,一邊不斷地咀嚼著,一邊對班諾提出商量。

「そういえば、先日、神官長に儀式用の青い衣を作るようにと命じられたのですけれど、儀式用って何か特別なのでしょうか?」
「說起來,前幾天,雖然被神官長吩咐要製做儀式用的藍衣,但儀式用是有什麼特別的嗎?」
「神殿外の者の目に留まる、いわば、晴れ着のようなものなので、見栄えを考えても、普段使いの衣とは全く違うものになります。縁取りの刺繍やそれぞれの家の紋章が……」
「由於會停留在神殿外的人的眼裡,說起來,是像盛裝般的東西,就算考慮到美觀,與平時使用的衣服也完全是不一樣的東西。鑲邊的刺繡或各自的家徽……」

 途中で言葉を止めて、ハッとしたようにベンノがわたしを見た。
 在途中停止的話語,像是突然想起般班諾看著我。

「マイン、お前が儀式に出るのはいつだ? 貴族の儀式用なんてどれだけ日数がかかるか、わからんぞ」
「瑪茵,妳去儀式是何時? 貴族的儀式用之類的要花多少天數呢,我不知道喔」

 いきなり崩れた言葉遣いから、相当焦っているのがわかる。確かに、機械でパパーッと仕立てられるわけがないので、時間は必須だろう。
 因為突然走樣的措辭,能明白是相當著急著。的確,由於並不能用機械啪啪迅速地縫製,時間是必須的吧。

「見習いだから多くないとは言われたけど、いつ、どんな儀式があるか、わかりません。フランなら知ってるかな? フラ……ふがっ!?」
「雖然被說因為是實習不會很多,何時,有著怎樣的儀式呢,我不知道。若是弗蘭會不會知道呢? 弗拉……呼嘎!?」

 フランを呼ぼうとしたら、ベンノに口を塞がれ、視線でベルを示された。そうだった。人を呼ぶにはベルを使うんだ。
 打算呼叫弗蘭的話,被班諾堵住了口,用視線表示了鈴。是那樣呢。要叫人就要使用鈴。
 わたしがベルを鳴らすと、フランが階段を上がってきた。
 我鳴響鈴後,弗蘭爬上樓梯來了。

「何か御用でしょうか、マイン様?」
「有什麼事嗎,瑪茵大人?」
「わたくし、神官長から儀式用の衣を仕立てるように言われているのだけれど、その儀式がいつあるのか、フランは御存じかしら?」
「我,雖然被神官長說了要縫製儀式用的衣服,但那個儀式是何時呢,弗蘭知道嗎?」
「秋に騎士団の要請があれば、それが一番近い儀式になると思われます」
「在秋季有騎士團的請求的話,我認為那就是最近的儀式」
「秋か。一から仕立てるとなると厳しいな……」
「秋季嗎。從頭開始縫製的話會很嚴苛呢……」

 貴族の晴れ着を仕立てるとなれば、糸から選ぶのが当然らしい。眉をひそめるベンノに、フランは視線を壁際にある木箱へと向けた。
 變成要縫製貴族的盛裝的話,似乎從絲線開始選擇是當然的。對皺著眉頭班諾,弗蘭將視線朝向再牆角木箱。

「儀式用の衣を仕立てるのは、ベンノ様に頂いた布を使うのはいかがでしょうか? とても品が良いので、染めればそのまま使用できると思われます」
「要縫製儀式用的衣服,使用從班諾大人那收到的布如何呢? 由於品質非常好,我認為染色的話就能那樣使用」
「……マインには紋章がないが、それは?」
「……瑪茵沒有紋章,那個呢?」
「工房の紋章のようなものはないのでしょうか?」
「沒有工坊的紋章那樣的東西嗎?」
「これから作ります!」
「現在開始製作!」

 ベンノに採寸され、儀式用の衣のデザインをベンノとフランが話し合う間、わたしは一人でニヨニヨと自分の工房の紋章を考えていた。
 被班諾量尺寸,班諾和弗蘭商議著儀式用的衣服的設計期間,我一個人癡癡傻笑地思考著自己的工坊的紋章。
 本とペンとインクからデザインしたわたしの紋章は、フランとベンノに簡素すぎると却下され、添削された。結果的に、紙を作るための木や髪飾りの花も加えられ、ごてごてした印象の紋章に決定した。女性らしい華やかさがあって大変結構、とフランが満足しているので、それで良いことにする。
 來自書本和筆和墨水設計成我的紋章,被弗蘭和班諾太過簡樸地駁回了、修改了,結果,被加上為了造紙的樹木及髮飾的花朵,決定了過於龐雜印象的紋章。有著女性般華麗非常出色,由於弗蘭那樣滿足了,因此成就了好事。

「マイン様、料理人が我々の夕飯分も作り終わったと申しております」
「瑪茵大人,廚師說我們的晚飯份也做完了」
「そう。では、片付けが終わっているか、よく確認してもらっていいかしら?」
「是嗎。那麼,收拾結束了嗎,可以去好好確認嗎?」

 わたしの指示を受けて、厨房のチェックと明日の予定について話をしたフランが料理人を見送った。
 接受我的指示,做著廚房的檢查和關於明天的預定的話題的弗蘭送別了廚師。

「今日はわたくしも帰ります。二人とも着替えてきてちょうだい」
「今天我也要回去了。你們兩位也請去換衣服」

 ギルとフランがそそくさと各自の部屋へ着替えに行く。近いうちにルッツがベンノと一緒に仕事で別の街に行くので、側仕えが送り迎えできるように、ただいま練習中なのだ。
 基魯和弗蘭匆匆忙忙地往各自的房間去換衣服。由於近期路茲要與班諾一起工作而去到其他街道,近侍為了能接送,目前在練習中。

 わたしも帰宅準備のために青の衣を脱ぐ。帯を解こうとしたら、デリアが憤怒の表情でわたしの前に仁王立ちした。
 我也會了回家準備脫掉藍衣。打算解開腰帶的話,蝶莉亞用憤怒的表情在我面前凜然站著。

「何をしていらっしゃるの?」
「妳在做什麼呢?」
「見ての通り、着替えですけれど?」
「如妳所見,就是在換衣服?」

 あぁ、一人で脱ぐのはダメだったか、と思いながら、帯からそっと手を離す。お願いしますと腕を上げて、手伝ってくれるのを待とうとしたら、デリアが目を三角にした。
 啊,一邊想著、一個人脫是不行的嗎,一邊偷偷地將手自腰帶上離開。拜託了地舉起了手,打算等待幫忙的話,蝶莉亞吊起了眼角。

「殿方の前で何ですか!? はしたないっ!」
「在男士面前要做什麼!? 下流!」

 テーブルに着いたままのベンノをちらりと見て、デリアが怒鳴った。
 瞄一眼依然靠著桌子的班諾,蝶莉亞怒吼了。
 下に服を着ているし、青の衣を脱ぐだけでそんな怒られ方をすると思っていなかったわたしは首を竦める。
 在下面穿著衣服,沒想到只是脫掉藍衣就被那樣生氣的我縮起了脖子。

「ご、ごめんなさい? でも、この青いのを脱ぐだけで……」
「對、對不起? 但是,就只是脫掉這個藍色的……」
「自ら脱ぐという行為は狙った殿方を誘惑する時だけ! 他に見せるなんて女の価値が下がります。それくらい知らないとこれから困りますよ。もー!」
「所謂自己脫掉的行為只有誘惑目標的男士的時候! 展示給其他人之類的女性的價值會下降。那點程度都不知道今後會很傷腦筋唷。真是的!」
「そ、そうですか……」
「是、是那樣嗎……」

 どうしよう。怒られポイントがずれてる気がする。でも、何か真剣に怒っているようなので、指摘しにくい。
 怎麼辦。感覺偏離了被生氣的重點。但是,由於有什麼認真地生氣著,難以指出。

「ベンノ様、ホールでお待ちくださいませ。幼いとはいえ、女性の着替えを見るのはご遠慮ください」
「班諾大人,請在大廳等著。雖說年幼,看女性換衣服還請顧慮」
「あぁ、そうだな」
「啊,是呢」

 笑いを堪えるように口元を押さえながら、ベンノが下に降りていく。完全に一階に行ったのを確認した後、デリアがわたしの帯を解き、衣を脱がせてくれる。
 一邊像是忍耐著笑壓著嘴角,班諾一邊下到下面去了。確認完全去到一樓後,蝶莉亞解開我的腰帶,脫掉了衣服。
 灰色巫女の身の回りの世話をしていたと言うだけあって、デリアはてきぱきと青の衣を片付け、少しずれた髪飾りを整えてくれた。
 如同說過做著灰色巫女的日常生活照料,蝶莉亞俐落地收拾著藍衣,整裡稍微偏離的髮飾。

「支度が終わりました」
「準備結束了」

 デリアが階下を覗きこんで、そう声をかける。と、同時に下を見たまま固まった。
 蝶莉亞窺視著樓下,發出那樣的聲音。並,同時依然看著下面凝固了。

「何、その服……?」
「什麼,那件衣服……?」
「マイン様からのご褒美だ」
「來自瑪茵大人的獎賞」

 自慢したくて仕方ないギルの声だけで、胸を張ったドヤ顔が目に浮かぶ。
 就只是會想要自誇也沒辦法的基魯的聲音,挺起胸膛的得意表情浮現眼裡。

「ずるいわよ! 平等じゃないわ!」
「太狡猾了唷! 不公平啊!」
「これは仕事のご褒美さ。仕事もしてないヤツはもらえねぇよ」
「這是工作的獎賞呀。工作也不做的傢伙得不到唷」
「あんた、何の仕事をしたのよ!?」
「你,做了什麼工作唷!?」
「ここの掃除。一人で頑張って掃除したから、ご褒美貰ったんだ。へへん、いいだろう?」
「這裡的打掃。因為一個人努力的打掃了,得到了獎賞了。嘿嘿,很好吧?」
「別に悔しくなんてないわよ!」
「不會特別懊悔唷!」

 しばらくの応酬の後、悔しくて羨ましくて仕方ない顔をしたデリアが涙目の捨て台詞で話を切り上げる。キッとわたしを睨みながら、階段を指差した。
 暫時的答覆之後,做出懊悔羨慕也沒辦法的表情的蝶莉亞用扔掉淚眼的台詞結束掉對話。一邊銳利地瞪著我,一邊用手指著樓梯。

「下でみんながお待ちですわよ。早く行って差し上げたら?」
「大家在下面等著唷。快點過去吧?」
「一応デリアの分も準備してあるけれど……」
「姑且有準備蝶莉亞的份就是了……」
「え?」
「咦?」

 デリアは目玉が零れ落ちそうな程目を見開いて、わたしを見た。
 蝶莉亞像眼珠快掉下來似的程度睜大了眼睛,看著我。

「デリアはいらない?」
「蝶莉亞不要嗎?」
「あたし、一言もいらないなんて言ってないわ」
「我,一句不要什麼的都沒說喔」

 わたしはクローゼットに一つだけ残っている布の包みを取り出して、デリアに渡す。触れようとした手を一度引っ込めて、デリアはわたしをちらりと見た。
 我拿出在壁櫥裡只剩一個的布包裹,交給蝶莉亞。一度將打算要碰觸的手縮了回去,蝶莉亞撇見了我一眼。

「……いいんですか?」
「……可以嗎?」
「これからも仕事、頑張ってくれるんでしょう?」
「今後工作,會努力的對吧?」
「あたしがいないと何もわかっていないんですもの。仕方がないでしょう」
「我不在就什麼都不知道。會沒有辦法吧」

 真っ赤な顔で、つーん、と視線を逸らしたデリアは、乱暴な仕草で包みを抱えて、側仕えの部屋へと駆けこんでいった。
 用通紅的臉,裝模作樣、地岔開了視線的蝶莉亞,用粗暴的動作抱著包裹,往近侍的房間跑了進去。

「おーい、まだかよ?」
「喂,還沒好喔?」
「デリアが着替えているから、もう少し待ってちょうだい」
「因為蝶莉亞在換衣服,請再稍微等一下」

 焦れた様子のギルに声を返しながら、わたしはデリアの部屋のドアを見つめた。着替えるだけにしてはずいぶんと時間がかかっている。いつまでたっても出てこない。
 一邊對焦急的樣子的基魯回聲,我一邊凝視著蝶莉亞的房間的門。只是換衣服花了相當的時間。就算經過多少時間都沒出來。

「デリア、まだ?」
「蝶莉亞,還沒好?」

 ドアを開けると、服を着たデリアが満面の笑顔で、何か歌いながらくるくる回っていた。目が合った瞬間、デリアはスカートの部分をギュッと握って、ふるふると震える。耳まで真っ赤に染めて、わたしを睨んだ。
 開門後,穿著衣服的蝶莉亞用滿臉的笑容,一邊唱著什麼一邊不地旋轉著。目光對上的瞬間,蝶莉亞緊緊握著連衣裙的部分,左右搖晃地顫抖著。連耳朵都染得通紅,瞪著我。

「か、勝手に開けるんじゃないわよ! もー!」
「別、別擅自打開唷! 真是!」

======================================================================
 デリアが側仕えとしてお仕事始めました。
 蝶莉亞作為近侍開始工作。
 もー! と怒りながらも、お仕事熱心です。
 一邊真是! 地生氣,一邊熱心工作。

 次回は孤児院の実情です。
 下回是孤兒院的實情。
引用網址:https://home.gamer.com.tw/TrackBack.php?sn=4092376
Some rights reserved. 姓名標示-非商業性 2.5 台灣

相關創作

同標籤作品搜尋:以下犯上的書癡|小書痴的下剋上|香月美夜

留言共 0 篇留言

我要留言提醒:您尚未登入,請先登入再留言

2喜歡★okinadog 可決定是否刪除您的留言,請勿發表違反站規文字。

前一篇:時の砂(妖怪旅館營業中)... 後一篇:My sweet swe...

追蹤私訊

作品資料夾

Shana963有緣的您
小屋收錄了很好看的因果故事,可以解決各種疑難雜症,有空可以看看喔 https://home.gamer.com.tw/creation.php?owner=shana963看更多我要大聲說昨天06:36


face基於日前微軟官方表示 Internet Explorer 不再支援新的網路標準,可能無法使用新的應用程式來呈現網站內容,在瀏覽器支援度及網站安全性的雙重考量下,為了讓巴友們有更好的使用體驗,巴哈姆特即將於 2019年9月2日 停止支援 Internet Explorer 瀏覽器的頁面呈現和功能。
屆時建議您使用下述瀏覽器來瀏覽巴哈姆特:
。Google Chrome(推薦)
。Mozilla Firefox
。Microsoft Edge(Windows10以上的作業系統版本才可使用)

face我們了解您不想看到廣告的心情⋯ 若您願意支持巴哈姆特永續經營,請將 gamer.com.tw 加入廣告阻擋工具的白名單中,謝謝 !【教學】