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第二部神殿的實習巫女 廚師教育

作者:SPT草包│2018-08-08 19:29:38│贊助:2│人氣:66
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い 料理人教育
第二部神殿的實習巫女 廚師教育
原文連結

 食材を扱う厨房は数日間かけて徹底的に掃除してもらった。それと並行して、調理道具や食器が厨房に運び込まれ、薪や食材が次々と地下倉庫に入って行く。そして、ベンノを通して、料理人にウチの厨房で仕事をしてもらう算段がついた。
 處理食材的廚房花了數天時間受到了徹底地打掃。與那個併行著,烹飪用具及餐具被搬進了廚房,木柴及食材不斷地進入地下倉庫。然後,透過班諾,有辦法讓廚師在我家廚房工作了。

 厨房を見つけた日から、わたしはおうちで天然酵母作りを始めた。プロの料理人に焼いてもらえるなら、ふわふわパンが食べたい。
 從發現廚房那天開始,我就開始在家裡製作天然酵母。如果請專業的廚師來烤,想吃蓬鬆的麵包。

 ベンノに教えてもらって、ガラスを扱っているお店で、蓋ができる保存用のガラス容器を買ってきた。今回は今が旬のルトレーベで天然酵母を作ってみたいと思う。
 請教班諾,在處理玻璃的店舖,買到了能蓋上的保存用玻璃容器。這次尋思想試試用當季的魯特雷貝製做天然酵母。
 ガラス瓶を煮沸消毒して、洗ってヘタを切ったルトレーベと水と砂糖を入れて蓋をする。後は一日に何度かビンを振ったり、蓋を開けて空気と触れあわせたりしながら、酵母液ができるのを待つ。
 將玻璃瓶煮沸消毒,將洗淨去蒂的魯特雷貝和水和砂糖放入加蓋。之後是在一天裡一邊又是揮動好幾次瓶子、又是打開蓋子與空氣互相接觸,一邊等待酵母液做好。
だいたい五日くらいかかるが、完全に発酵させて、最終的に濾したら、酵母液ができあがりだ。できあがった酵母液に全粒粉と水を加えて混ぜて、寝かせて、かけ継ぎしながら、パン種を作った。
大概要花費五天左右,讓它完全發酵,在最後過濾的話,酵母液就完成了。在完成的酵母液裡加入全麥粉和水混和、讓它睡,一邊接續,一邊製做麵包種。

 貴族の家でもふわふわパンは珍しい。ギルド長の家で小麦だけで作られた白パンを食べたことはあるけれど、あの白パンもわたしが望むようなふわふわではなかった。
 即便是貴族的家庭蓬鬆的麵包也很稀奇。在公會長的家雖然有吃只用小麥製做的白麵包,但那個白麵包也並非我期望般的蓬鬆。
 天然酵母でしっかりと発酵させて、ふわふわパンを作ることができれば、強いアピールになる。そして、天然酵母とパン種をわたしが作って管理すれば、パンだけはすぐに真似できない強みになるはずだ。
 用天然酵母好好地讓它發酵,能做到製做蓬鬆麵包的話,能成為強大的號召。然後,我來製做管理天然酵母和麵包種的話,只有麵包應該能成為無法馬上模仿的優點。
 そんな計算通りに行くかどうかはわからないけれど。
 雖然不知道能否按照那種計劃行事。

 パン種ができあがった事をベンノに知らせると、早速ベンノは料理人を連れて、神殿の部屋へとやってきた。まだ若い20歳前後の男の人と明らかに見習いと思われる10代前半の女の子だ。この二人がある程度覚えたら、次の人を入れることになっている。
 麵包種完成的事讓班諾知道後,班諾立即帶著廚師,往神殿的房間趕來。是還很年輕的20歲前後的男人和明顯被認為是實習的10幾歲前半的女子。這兩人記到某程度的話,就讓下個人進來。

「フーゴ、こちらで貴族のレシピについて教えて頂くことになる。よく学ぶように。……マイン様、こちらは当店の料理人でフーゴ。それから、フーゴの助手をする見習いのエラでございます」
「伏果,在這裡能請教關於貴族的食譜。好好學習吧。……瑪茵大人,這位是本店的廚師伏果。還有,做著伏果的助手實習的艾菈」

 ベンノに料理人を紹介されたので、挨拶くらいはしたかったけれど、わたしは黙って頷くだけで、受け答えは全てフランが行う。わたしは青色巫女なので、貴族らしく振る舞うため、というのがその理由だ。
 由於被班諾介紹著廚師,雖然想打招呼,但我只是默默點頭,對答全部是弗蘭進行。由於我是藍色巫女,為了像貴族般的行動,所謂的那種理由。

「フーゴとエラでございますね。では、早速厨房を案内しましょう」
「是伏果和艾菈呢。那麼,趕快帶領去廚房吧」

 料理人に指示を出す時も必ずフランを通すように言われていて、調理方法はわたしが木札に書きとめたレシピをフランが読み上げるという形になる。ギルはまだ字が読めないので、料理人とのやり取りはフランに任せるしかない。
 對廚師發出指示的時候必定要透過弗蘭去說,烹飪方法是所謂弗蘭將我記在木牌上的食譜朗讀出來的形式。由於基魯還不會唸字,與廚師的交流只能交給弗蘭。

「最初に覚えてほしいのは、衛生管理でございます。調理器具や食器を綺麗に清潔に保つこと。厨房も今の状態を保ち、磨き上げること。こちらに来る前に必ず身体を清め、服は必ず洗濯し、汚れた服や身体で厨房に出入りしないこと。よろしいですか?」
「在最初希望能記住的,是衛生管理。保持烹飪用具及餐具乾淨清潔。廚房也要保持、擦亮現在的狀態。在來到這裡之前必定清洗身體,衣服必定要洗淨,不能用髒衣服及身體進出廚房。可以嗎?」
「は、はい!」
「是、是的!」

 ここで衛生観念を叩きこんでおけば、イタリアンレストランで同じことをするように言われてもすんなり受け入れられるだろう。
 在這裡事先灌輸衛生觀念的話,就算被說要做在義式西餐廳裡同樣的事也能輕易地被接受吧。
 わたしはこれから作るイタリアンレストランを、カチカチの固いパンを皿代わりにして、いらなくなった食べ物は床に落として、犬に食べさせるような店にするつもりはない。ここの文化だと言ってしまえばそれまでだが、貴族の食事を出す高級食事処にそんな文化は必要ないと思う。
 我沒有打算將今後要創造的義式西餐廳,做成將硬邦邦的硬麵包代替盤子,不再需要的食物就落到地上、讓狗吃般的店。雖然要說是這裡的文化的話也就是那樣,但我認為不需要在高級用餐區拿出貴族的餐點那種文化。

 本当はコンソメ作りから始めたかったが、ベンノができあがったお昼を食べたいと言うので、時間がかかりすぎるコンソメ作りは明日だ。今日は初めてオーブンを使うということもあり、ピザ作りから始めたい。とういうか、わたしが食べたい。
 其實是想從清湯製作開始,但由於班諾想吃完成的午飯,太過花時間的清湯製作是明天。今天也有說是第一次使用烤箱,想從披薩製作開始。不如說,我想吃。

「では、本日はピザを作って頂きましょう。まず、オーブンに火を入れます」
「那麼,今天請製作披薩吧。首先,在烤箱裡生火」
「はい」
「是的」

 フランの指示の元、二人は地下から薪を運びこみ、オーブンに火を入れる。薪のオーブンは温まるまでに時間がかかるので、火を入れるのが最初の仕事になる。竈に火を入れるのと要領は変わらないので、手早くできた。
 基於弗蘭的指示,兩個人從地下搬進了木柴,在烤箱裡生火。由於木柴烤箱直到加溫之前要花時間,生火成為了最初的工作。由於與在爐灶裡生火的要領是不變的,而能俐落做完。

「食材に触る前に手を洗ってください」
「在接觸食材之前請洗手」

 使用人用のテーブルにベンノとわたしが座って見守る中、ピザの生地作りが始まった。使う材料はわたしとフランが準備して、前もって台の上に並べてあるので、料理番組のようになっている。
 班諾與我坐在傭人用的桌子旁關注中,披薩的麵糰製作開始了。使用的材料是我和弗蘭準備的,由於事先陳列在檯子上,變得好像料理節目。
 わたしが持ってきた天然酵母と塩や砂糖、ぬるま湯を順番に小麦粉の入ったボウルに入れて、ぐにぐにとこねて発酵させる。フーゴが顔を上げて、軽く息を吐いた。
 將我帶來的天然酵母和鹽及砂糖、溫水按順序加入放了小麥粉的盆子裡,軟呼呼地揉捏讓它發酵。伏果抬起頭,輕輕吐了一口氣。

「これはパンを作る時のように力がいりますね」
「這要放入像製作麵包時的力量呢」
「同じようなものだと考えていただいて結構です。よくこねたら、しばらくこのまま置いて発酵させておきます。その間にポメでソースを作って、ピザやスープの具材にする野菜を刻んでいただきます」
「請考慮為相同的東西就好了。好好揉捏的話,暫時就這樣放置讓它發酵。在那期間用柏梅製做湯,請剁碎作為披薩及湯的配料的蔬菜」

 湯剥きした黄色いトマトもどきのポメを適当に刻んで、弱めの火でぐつぐつと煮込んでもらい、具材にする野菜をどんどん刻んでもらう。
 將燙掉皮的擬似黃色蕃茄的柏梅適當地剁碎,用文火咕嘟咕嘟地燉煮,將作為配料的蔬菜不斷剁碎。

「フーゴさん、アタシがリーガの処理をしますね」
「伏果先生,我來做里嘉的處理吧」
「頼む」
「拜託了」

 わたしにはまだ持てない大きな包丁をエラは難なく使いこなし、ニンニクっぽい風味の白いラディッシュであるリーガの下処理を手早くこなす。フーゴはベーコンや玉ねぎっぽいラニーエ、人参っぽいメーレン、茸類を次々と指示通りに刻んでいく。野菜を切る手つきはさすが本職と称賛できるスピードで、わたしは感嘆の息を吐いた。
 艾菈將我還拿不了的大菜刀沒多難的運用自如,俐落做著身為大蒜般風味的白色小蘿蔔的里嘉的事先處理。伏果將培根及洋蔥般拉尼耶、紅蘿蔔般梅連、蘑菇類不斷地照指示持續剁碎。對剁碎蔬菜的手法能稱讚為不愧是本行的速度,我吐露感嘆的氣息。

「ベンノ様、予想以上に素晴らしい料理人ですわね」
「班諾大人,是超出預期的美妙廚師呢」

 わたしが発言した瞬間、フーゴとエラがビクッとしてこちらを振り返った。褒めたはずなのに、空気が凍って、二人の顔が強張っているのを見て、わたしは自分の発言が失敗だった事を悟る。
 我發言的瞬間,伏果和艾菈嚇了一跳回頭看這邊。明明應該是誇獎,空氣卻凍結了,看到兩個人的臉僵硬著,我領會到自己的發言失敗了。

「もったいないお言葉でございます、マイン様。……二人とも、お褒めの言葉をいただいたぞ」
「不勝感激,瑪茵大人。……你們兩位,收到稱讚的詞句了喔」

 ピキリと凍った空気をベンノのフォローが溶かしていく。フーゴとエラがホッとしたように表情を緩めて、「もったいないお言葉です」と言った後、また真剣な目で野菜を刻み始めた。
 班諾從旁協助將劈哩地凍結的空氣逐漸融化。伏果和艾菈像是放心地鬆開了表情,說了「不勝感激」之後,再次用認真的眼神開始剁碎蔬菜。
 ベンノに軽く睨まれて「口を閉じていろ」とこっそりジェスチャーで示されて、わたしは深く頷いた。
 被班諾輕輕瞪著被偷偷地用手勢表示「閉上嘴吧」,我深深點著頭。

 ごめんなさい。だって、褒め言葉であんな風に固まるとは思わなかったんだもん。
 很抱歉。因為,不認為會因誇獎的話語就那樣凝固。

 野菜を切った後は、フーゴに鳥肉の下処理をしてもらい、薄く削ぎ切りにした胸肉に塩と酒を振ってもらう。エラにはお肉と合わせるとおいしいハーブの準備をしてもらった。
 剁碎蔬菜之後,請伏果做雞肉的事先處理,在薄薄地斜切的胸肉上灑上鹽和酒。請艾菈做配合肉和美味的香草的準備。

「これから、スープを作って頂きます」
「這之後,請製做湯」

 わたしが書いたレシピは腸詰をスライスして煮込んで旨みを出した塩味の野菜スープだ。ちゃんと煮込めば野菜から旨みが出ることを知ってほしい。
 我寫的食譜是用切片香腸燉煮提鮮的鹽味蔬菜湯。希望知道好好地燉煮的話能從蔬菜提鮮的事。

「スープはそのまま煮込んでくださいね。茹で汁を捨てないように」
「湯就請那樣燉煮吧。不要丟掉燙過的湯」
「このまま煮込むんですか?」
「就這樣燉煮嗎?」

 フランの指示に、料理人二人は怪訝な顔になった。それでも、貴族に逆らうことはできないのか、困ったような、気持ち悪そうな顔のまま、料理を続ける。わたしのスープ作りを横で見ていた昔の母と同じような顔だ。
 對弗蘭的指示,廚師兩人變成詫異的表情。儘管如此,是不能違抗貴族嗎,依然是為難般、好像不舒服的表情,繼續料理。是與從旁邊看著我做湯的以前的媽媽同樣的臉。

「エラ、スープの灰汁取りをお願いします。フーゴ、ポメソースが煮詰まってきたので、リーガとそこの油を加えてよく混ぜてください。それでソースは完成です。あぁ、そろそろ生地が良い頃合いですね」
「艾菈,拜託給湯去澀。伏果,由於柏梅湯要煮乾了,請將里嘉和那裡的油加入好好混合。這樣醬汁就完成了。啊,麵團差不多是好時機了呢」

 次々と飛んでくる指示に対応し、フーゴは発酵して膨らんだピザ生地のガス抜きをして、生地を半分に分けて、伸ばす作業に移る。
 對應不斷地飛出來的只是,伏果去掉發酵膨脹的披薩麵團的氣體,將麵團對半分,轉到延展的作業。

「丸く広げた生地の上に、出来上がったポメソースを塗り、ここの具材を乗せてください」
「在圓形擴大的麵糰上,塗上完成的柏梅醬汁,請放上這裡的配料」

 フランに言われるまま、フーゴはポメソースを塗って、ベーコン、玉ねぎ、茸を乗せた。もう一つの生地にはポメソースを塗って、胸肉と玉ねぎ、ハーブを乗せる。そして、両方にチーズをたっぷりとかけたら、オーブンに入れる。
 依然被弗蘭說著,伏果塗上柏梅醬汁,放上培根、洋蔥、蘑菇。在另一個麵糰上塗上柏梅醬汁,放上胸肉和洋蔥、香草。然後,在兩邊加上充分的起司的話,放入烤箱。

 その様子を盗み見るようにエラがじっと見ている事に気が付いた。コリンナと裁縫の話をしていたトゥーリや新しいレシピを前にしたイルゼと同じような向上心に溢れた強い目に、わたしは心の中でこっそりとエールを送る。
 注意到艾菈像是偷看那個樣子般緊盯著看的事。在與和柯琳娜做著裁縫對話的圖麗及將新的食譜放在面前的依露潔一樣的上進心裡充滿強大的目光,我在心中偷偷地送上聲援。

 時間があれば、マヨネーズを作って、ポテトサラダならぬカルフェサラダまで作りたかったが、初めての厨房で、作ったことがない料理を貴族に見られながら作るという緊張する状態では、予定通りにいかなくても仕方ない。フランにこっそりと料理の品数を減らすサインを出すと、フランは小さく頷いた。
 有時間地話,就製做美乃滋,想連不是馬鈴薯沙拉的卡魯菲沙拉都做,但在第一次的廚房,用所謂一邊被貴族看沒做過的料理一邊製做的緊張狀態,就算無法按照預定也沒辦法。向弗蘭打減少料理品項的暗號後,弗蘭小小點頭。

「スープがよく煮込めたようなので、少し味を見て、塩の味を調節してください」
「由於湯好像快燉好了,請稍微嚐嚐味道、調整鹹味」

 フランの言葉にフーゴが小皿にスープを少し取って、恐る恐る口を付けた。口に入った瞬間、目を見開いて固まる。ゆっくりと味わうように舌の上で転がしていたのか、ゴクリと嚥下するまでに少し時間がかかった。
 伏果因弗蘭的話語將湯稍微拿點到小碟子裡,戰戰兢兢貼到嘴邊。入口的瞬間,睜大了眼睛凝固了。像是慢慢地品嚐般在舌頭上滾動著嗎,直到咕嚕地嚥下前稍微花了點時間。

「……何だ、これ?」
「……這是,什麼?」

 小さな呟きと共にもう一度すくって味見。
 與小小的嘟噥一同再一次舀起嚐味道。
 さらにもう一度。
 並且又再一次。
 その勢いで味見をされたら、スープがかなり減りそうだ、と思った瞬間、バシッとフーゴの背中をエラが叩いた。
 想著被用那個勢頭嚐味道的話,湯似乎會相當減少,的瞬間,啪地艾菈敲著伏果的背後。

「フーゴさん、食べすぎです! 塩加減はどうなんですか?」
「伏果先生,吃太多了! 鹹淡是怎樣呢?」
「んぉっ!?……あ、あぁ」
「嗯!?……啊、啊」

 小皿とスープの鍋を見比べながら、フーゴがギュッと眉を寄せる。多分初めて食べる味だったはずだ。それに味を足すのは難しいと思う。
 一邊比較小碟子和湯,伏果一邊使勁地皺起了眉頭。大概應該是第一次吃到的味道。而且我認為加味到是很難的。

「あと少し。ほんの少しでいい」
「還差一點。真的一點點就好」

 緊張して震える指先で塩を一つまみ入れて、ぐるりと掻き回し、フーゴはもう一度味を見た。
 用緊張而顫抖的指尖抓一搓鹽放入,來回旋轉攪動,伏果再一次嚐嚐味道。

「よし」
「很好」
「アタシも味見させてください」
「也請讓我嚐嚐味道」

 餌を待つ犬のような顔で小皿を持って味見をねだるエラの姿に、わたしは口元を押さえて笑いを堪えた。ここで笑ったら、また空気が凍るに違いない。
 對用等待餌食的狗般的臉拿著小碟子央求嚐味道的艾菈的身姿,我壓著嘴角忍著笑。在這裡笑了的話,肯定空氣又會結凍了。
 小皿に少しスープを入れてもらったエラは一口飲んで、顔を輝かせた。
 收到將些微的湯放進小碟子的艾菈一口喝下,喜上眉梢。

「うわぁ! 何これ!? すごいおいしい! 野菜の味、ですよね? 甘みがあって、腸詰の肉の味もスープに溶けだして……少しの塩味でここまでおいしいなんて、信じられない!」
「嗚哇! 這是什麼!? 非常美味! 蔬菜的味道,對吧? 有鮮甜、香腸肉的味道也溶在湯裡……因少少的鹹味就如此美味什麼的,無法置信!」
「落ち着け、エラ」
「冷靜點,艾菈」

 興奮して早口でフーゴにおいしさを訴えるエラの肩をフーゴが押さえる。一瞬ちらりとわたしの方を見て、視線でエラに注意を促そうとしたようだが、新しい味の発見に歓喜しているエラには通じなかった。
 因興奮而快嘴對伏果訴說美味的艾菈的肩膀被伏果壓著。一瞬間瞄了我這邊一眼,雖然打算用視線敦促艾菈注意,但對歡喜於新味道的發現的艾菈行不通。

「落ち着いていられませんよ! 大発見じゃないですか!」
「無法冷靜下來唷! 這不是大發現嗎!」
「頼むから、落ち着いてくれ。貴族様の御前だ」
「拜託了,冷靜一下。是貴族大人的面前」
「……あ……」
「……啊……」

 ざっと青ざめたエラがわたしを見た。わたしは何も言ってないのに、また空気が凍った。
 唰地臉色鐵青的艾菈看著我。我明明什麼都沒說,空氣又再次結凍了。
 仕事熱心でいいじゃない。これからも頑張ってね、って言いたいけど、貴族はこういう時どうするのが正解なのだろうか。
 熱心工作不是很好嗎。雖然想說,今後也要加油呢,但貴族這種時候怎麼做才會是正解呢。
 フランが近寄ってきたので、「仕事熱心な料理人で感心いたしました。これからの食事を楽しみにしております、と伝えてくださる?」と囁く。
 由於弗蘭靠近過來,低語著「熱心工作的廚師令人欽佩。會期待著今後的餐點,能請那樣傳達嗎?」。

「かしこまりました。マイン様、ベンノ様、そろそろ食事の支度ができます。お部屋の方でお待ちくださいませ」
「謹遵吩咐。瑪茵大人,班諾大人,用餐的準備差不多好了。請在房間那邊等待」

 フランがそう言って、ドアを示した。すると、そこに立っていたギルがさっとドアを開けてくれる。
 弗蘭那樣說,表示了門。於是,站在那裡的基魯迅速地給打開了門。
 半ば強制的に退場させられることになり、わたしは内心しょんぼりしながら椅子から降りると、ベンノがエスコートするように手を差し出した。
 被半強制地退席了,我一邊內新惆悵一邊從椅子上下來後,班諾像是護送班遞出了手。

 料理の指示を出すフランは厨房から離れられないので、部屋についてくるのはギルの役目だ。厨房のドアを閉め、わたしの後ろをついて歩く。オレ、仕事してるぜ、と言わんばかりの得意そうな顔に思わず笑いそうになった。
 由於發出料理指示的弗蘭沒有從廚房離開,所以帶去房間的是基魯的任務。關上廚房的門,跟在我後面走著。我、在工作喔,在幾乎要那樣說的得意般的臉上不由自主地笑了似的。

 部屋のテーブルには、わたしが指定したように花が活けられた花瓶とランチョンマット、カトラリーが並べられ、喉を潤すためのジュースが準備されている。これらは全て、わたし達が厨房で調理の見学をしている間にギルが準備してくれたものだ。
 在房間的桌子上,被排列著就像我所指定的插花花瓶和桌墊、餐具,還準備了為了潤喉的果汁。這些全部,都是我們在廚房做著烹調參觀的期間基魯給準備了的東西。

「ありがとう、ギル」
「謝謝你,基魯」

 へへっと笑いながら、ギルがその場に片膝を付く。ここ数日で暗黙の了解となってしまったのが、この褒めてほしい時の体勢だ。「よくできました。頑張ったね」と頭を撫でれば、満足そうにギルが笑う。
 一邊嘿嘿地笑,基魯一邊當場單膝下跪。是在這幾天成為了默契的,這個希望稱讚時的姿勢。「做得很好。努力了呢」地摸著頭的話,基魯滿足似地笑了。
 外から料理人が来るということで、昨日リンシャンを使ったギルの髪はさらさらのつるつるになっている。手触りが実に良い。
 因所謂從外面來了廚師,昨天使用了凜香的基魯的頭髮變得乾乾爽爽光光滑滑。手感實在很好。

 わたしはテーブルに着いて、飲み物を飲んで、ホッと息を吐いた。自分の素性を知っている、いわば身内に囲まれたことで、かくんと肩を落として愚痴を零す。
 我到了桌邊,喝著飲料,呼了一口氣。因深知自己的來歷,也可以說是被自己人包圍,猛然垂下肩膀發起牢騷。

「お嬢様は疲れる。お喋りしたい。わたしも一緒にお料理したいよ」
「大小姐好累。想要說話。我也想要一起料理唷」
「諦めろ。あいつらにとって、貴族の厨房、貴族の料理、貴族がいる環境、全てが勉強であり、訓練であるのと同様、お前が貴族らしい振る舞いを身に付けるための訓練の場でもあるんだ。神殿内で隙を見せるな、阿呆」
「放棄吧。對他們來說,貴族的廚房、貴族的料理、貴族所在的環境,全部都是要學習的,與訓練同樣,妳也有為了養成像貴族的舉止的訓練場了。別在神殿裡露出縫隙,傻瓜」
「うぅ……。頑張ります」
「唔……。我會努力」

 ゆっくりと深呼吸して背筋を伸ばす。お嬢様として気合を入れ直した頃、下の厨房のドアが開いた音がした。フランが食事を運んできたようで、ギルがさっと部屋の端に寄って立った。
 慢慢地做深呼吸伸展背肌。重新鼓足幹勁作為大小姐的時候,響起下面的廚房的門開啟的聲音。弗蘭似乎將餐點搬來了,基魯迅速地靠近房間的一端站著。

「フラン、わたくし、デザートにはルトレーベを頂きたいわ」
「弗蘭,我,飯後甜點想吃魯特雷貝喔」
「かしこまりました」
「謹遵吩咐」

 ここの厨房にある砂糖はわたしが自宅から持ってきたもので、ベンノはまだ砂糖を手に入れてない。ベンノが砂糖のルートを確保するまで、お菓子はお預けだ。
 在這裡的廚房的砂糖是我從自家帶過來的東西,班諾還沒獲得砂糖。直到班諾確保砂糖的途徑,點心暫時保留。
 冬と違って今は果物がおいしい時期だからいいけれど、レストランが出来上がるまでに砂糖を仕入れてほしいものだ。
 與冬季不同現在是水果美味的時期所以雖然很好,但希望在西餐廳完成之前購入砂糖。

 フランがテーブルの上にピザを二種類とスープを並べてくれる。
 弗蘭將兩種披薩和湯排列在桌子上。
 少し焼きすぎたかな? というくらいで、ピザができあがっていた。生地のところどころに焦げ目が付き、ふわりと揺れる湯気と共に焼けたチーズの匂いが広がった。ベーコンはまだピチピチと小さな音を立てていて、鳥肉は表面に油が出ていているのが見えた。
 以彷彿是稍微烤過頭了嗎? 那樣說的,披薩完成了。麵團到處都附有焦痕,與輕柔搖曳的熱氣一起烤過的起司的氣味擴散了。培根還在啪滋啪茲地發出小小的聲音,雞肉在表面看得到出油了。
 どちらのピザもおいしそうである。焼けたチーズの匂いにうっとりしているわたしの隣でベンノも期待に目を輝かせていた。
 那邊的披薩都很美味。在陶醉於烤過的起司的氣味的我旁邊班諾也期待地閃耀著目光。

「幾千幾万の命を我々の糧としてお恵み下さる高く亭亭たる大空を司る最高神、広く浩浩たる大地を司る五柱の大神、神々の御心に感謝と祈りを捧げ、この食事を頂きます」
「將數千萬性命作為我等的糧食施予恩惠司掌高大挺拔蒼天的最高神,司掌寬廣浩瀚大地的五柱的大神,對眾神的用心獻上感謝與祈禱,賜我這份餐點」

 数日かけて覚えた食前の祈りを口にして、わたしとベンノだけが出来たてを食べる。
 說出花了數天記住的餐前祈禱,只有我和班諾能吃到做好的。
 他の人は神の恵みとして下げ渡さなくてはならないのだ。どうせなら一緒に食べたいし、下げ渡すというのが、わたしにとってあまり気分の良いものではないけれど、それが青色巫女の立場だから仕方ない。
 其他的人是要作為神的恩惠發放的。可以的話想要一起吃,雖說是發放,但對我來說並不是那麼舒坦的東西就是了,不過因為那是藍色巫女的立場沒有辦法。

 フランが側に付き、給仕されて、わたしはスープを飲んだ。肉のうまみと野菜の甘みが塩味でまとめられた優しい味で、家で食べるスープと同じ感じに仕上がっていた。もうちょっと塩味が効いている方が好みだけれど、それは次回に期待しよう。
 弗蘭隨伺在側,被侍候著,我喝了湯。肉的甘甜和蔬菜的鮮甜被用鹹味統合成溫和的味道,和在家吃的湯同樣的感覺完成了。雖然只是愛好再稍微有點鹹味那種,但那個就期待下次吧。

「……うまいな」
「……很美味呢」
「野菜の味がよく出ているでしょう? イルゼも興味を示していらっしゃったわ」
「蔬菜的味道好好出來了吧? 依露潔也表示過興趣喔」
「ほぉ? それは珍しいことではございませんか?」
「哦? 那不是很稀奇的事嗎?」

 遠回しに貴族のレシピにもないスープだと伝えてみれば、ベンノには正確に伝わったようで、じっとスープを見つめる。
 試著委婉地傳達是貴族的食譜上也沒有的湯的話,似乎正確地傳給班諾了,緊盯著湯凝視著。

「これがピザで、パンのようなものだとお考えくださいな」
「這就是披薩,請考慮成麵包般的東西呢」

 わたしは切り分けられたピザを手にとって、とろりととろけるチーズをフォークで軽く切って、食べて見せる。ベンノも同じようにベーコンのピザを口に入れた。
 我將被分切好的披薩拿在手上,用叉子將濃稠地融化的起司輕輕切開,食用展示。班諾也同樣將培根披薩放入口中。

「お口に合いまして?」
「合口嗎?」
「……想像以上の味に驚きました」
「……超出想像的味道令人驚豔」

 わたしは一切れずつ、ベンノの皿には二切れずつ入れてもらうと、フランを見上げた。
 我放入各一塊,班諾的盤子裡各個兩塊後,抬頭看弗蘭。

「フラン、神の恵みを与えます。それから、デザートまで人払いをお願いね」
「弗蘭,給予神之恩惠。還有,到飯後甜點為止請讓人迴避呢」
「ありがとう存じます」
「非常感謝」

 こう言っておけば、温かいうちに料理人や側仕えも食べられるだろう。
 先這樣說的話,就會在還溫的時候被廚師及近侍吃掉了吧。
 フランとギルが料理の残りを持って、一階へと下りていって、ドアが閉まった音がした。次の瞬間、きゃあ! とエラの弾んだ声が響いてきた。どうやら、早速試食会が始まったようだ。ガヤガヤとした楽しそうな声がうっすらと聞こえてくる。
 弗蘭和基魯拿著剩餘料理,往一樓下去,門發出關上的聲音。下個瞬間,艾菈呀啊! 的起勁聲音響了起來。看來,似乎立即開始了試吃會。吵吵嚷嚷快樂似的聲音微微聽得見。
 向こうが料理に熱中している間は、内緒話に丁度良い。
 對面熱衷於料裡的期間,悄悄話正好。

「ベンノさん、このピザやスープは商品になりそうですか?」
「班諾先生,這個披薩及湯能成為商品嗎?」

 もぐもぐと食べながら問いかけると、ベンノもピザを齧りながら頷いた。
 一邊嚼著吃一邊詢問後,班諾也一邊咬著披薩一邊點頭。

「なる。初めて食べる味だったが、うまいな。……ピザは貴族の会食で食べたパンより柔らかいような気がするぞ」
「能成。雖是第一次吃的味道,但很美味呢。……感覺披薩比在貴族的聚餐吃到的麵包還要柔軟喔」
「天然酵母ちゃんのお陰ですね」
「是託小天然酵母的福呢」
「何だ、それは?」
「什麼啊,那個是?」
「他の店に出し抜かれないための……たとえ、レシピを教え込んだ料理人が引き抜かれたとしても、こちらが優位に立つための秘密です」
「是為了不被其他店搶先的……譬如,就算被灌輸了食譜的廚師被拉攏了,為了這邊能佔優勢的秘密」

 イタリアンレストランにはわたしもお金を出している。利益を出してもらわなければ困るのだ。
 我也有在義式西餐廳上出錢。沒能產生利益的話會很困擾。

「スープは野菜の旨みを利かせただけですから、真似しようと思えば、他の人もすぐに真似できるようになると思います。真似され始めたら、色々な味のスープを用意して多様性で勝負です」
「因為湯只是有了蔬菜的鮮味,尋思打算模仿的話,我認為其他人也會變得馬上就能模仿了。開始被模仿的話,預備各式各樣味道的湯在多樣性上分勝負」
「ほぉ……。だが、料理人が少ないが、大丈夫か?」
「哦……。但是,廚師很少,不要緊嗎?」
「旬に合わせたコース料理の形にすれば、料理人の人数が少なくても大丈夫だと思いますよ」
「做成配合產季的套餐料理的形式的話,我認為就算廚師的人數很少也不要緊的唷」

 わたしが答えると、ベンノが呻き声をあげてガシガシと頭を掻いた。
 我回答後,班諾發出呻吟聲猛烈地搔著頭。

「……俺一人で悩んでいるのがバカバカしくなってきた。山積みの問題解決にはお前を使うのが簡単そうだ」
「我一個人在煩惱顯得太過愚蠢了。在解決堆積如山的問題上使用妳似乎很簡單」
「何ですか、それ?」
「什麼啊,那個?」
「ここで話すことじゃない。また店に来い」
「並不是在這說的話。再到店裡來」

 二人とも食事が終わったので、テーブルに準備されていたベルを鳴らす。すると、フランとギルがデザートを持って上がってきた。食器を片づけ、代わりにデザートが盛られた皿を置いてくれる。
 由於我們兩人結束了用餐,鳴響背準備在桌上的鈴。於是,弗蘭和基魯將飯後甜點帶了上來。收拾餐具,作為代替放置了盛有飯後甜點的盤子。

「フラン、味には満足いただけたかしら?」
「弗蘭,在味道上能獲得滿足嗎?」

 わたし達の中で一番貴族料理に詳しいのはフランだ。わたしは自分が食べたい物を作ってもらっているだけで、実際の貴族料理とはまた違う。
 在我們之中最詳細貴族料理的是弗蘭。我就只是勞煩製做自己想吃的東西,與實際的貴族料理又不同了。

「……とてもおいしく頂きました。伝統的な貴族料理ではありませんが、新しい物を好む貴族の方にも興味を持って頂ける味だと思われます」
「……是非常好吃。雖然並非是傳統的貴族料理,但會被認為是喜好新事物的貴族也會帶有興趣的味道」
「そう」
「是嗎」
「料理人も興味深く食べていらっしゃった上、これから復習を兼ねてもう一度作りたいと意欲を燃やされておりましたので、明日からも十分に働いてくれると思われます」
「廚師也很有興趣地吃了後,被燃起了就算今後兼做複習也想再做一次的熱情,被認為從明天開始會充分地工作」

 何もかも順調だな、と嬉しく思う反面、何かを忘れている気がしてならない。
 所有一切都順利呢,高興地想著的反面,感覺不能忘記了什麼。

「どうかなさいましたか、マイン様?」
「怎麼了嗎,瑪茵大人?」
「……何か、忘れているような気がするのだけれど、フランには思い当たることがないかしら?」
「……有什麼,感覺好像忘記了就是了,弗蘭有沒有想起來呢?」
「忘れていること、でございますか?」
「是忘記了,的事情嗎?」
「えぇ、神殿に関することで、何か忘れているような……」
「對,有關神殿的事情,好像有什麼忘記了……」

 ベンノがデザートを食べている横で、フランと二人で考え込んでいると、バーンと大きな音を立てて、入口の扉が開いた。
 在班諾吃著飯後甜點的側邊,和弗蘭兩個人沉思著時,砰地發出了大大的聲音,入口的大門打開了。

「何もかもあんたのせいよっ!」
「所有一切都是妳的錯唷!」

 あ、思いだした。デリアの事、忘れてたんだ。
 啊,想起來了。蝶莉亞的事情,忘記了。

======================================================================
 料理人は初めての調理法にドキドキしながらも成果を出してくれました。
 廚師一邊對第一次的烹調法七上八下一邊拿出了成果。
 そして、空気を破ってデリア登場。
 然後,劃破空氣的蝶莉亞登場。

 次回は、デリアの仕事です。
 下回是,蝶莉亞的工作。
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