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第二部神殿的實習巫女 購買舊衣服

作者:SPT草包│2018-07-23 07:19:51│贊助:4│人氣:95
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い 古着購入
第二部神殿的實習巫女 購買舊衣服
原文連結

 魔力が体内に満ちて動けるようになった後、マルクが準備してくれたパン粥を食べて、ようやく普通に動けるようになった。
 魔力充滿體內變得好像能動之後,吃了馬爾克給準備的麵包粥,總算變得好像能普通地動了。

「マイン、側仕えの普段着はこちらで準備した方が良いか? それとも、お前が準備するか? どうする?」
「瑪茵,近侍的便服這邊做準備比較好嗎? 還是說,妳來準備嗎? 怎麼做?」
「普段着って、どこで買えばいいんでしょうか? ウチが使ってる古着屋じゃダメですよね?」
「是說便服,在某處買就好了對吧? 我家用過的舊衣店不行嗎?」

 貧しくて新しい服を作るのが難しい平民でも、わたしみたいな例外を除いて、子供はどんどん成長する。次々と大きい服が必要になるし、小さい服は必要なくなる。
 即便是貧困難以製做新衣服的平民,除了像我的例外,小孩子不斷地成長。不斷地變得需要大的衣服,小的衣服變得沒必要了。

 ただでさえ狭い家の中に不用品を溜めておくことはできないので、晴れ着のような高価な服を除いた普段着は、着られなくなった時点で古着屋に売りに行く。そして、その古着屋で次の普段着を買ってくるのだ。そうすれば、引き取り価格分だけ安く、次の服が手に入る。
 由於在本來就狹窄的家裡不可能保留不用品,除去盛裝般昂貴的衣服的便服,在變得不能穿的時間點會去賣給舊衣店。而且,是會在那間舊衣店去買接下來的便服。那樣的話,只有收購的價格部份很便宜,接下來的衣服到手。
 とりあえず着られれば良いという感じなので、汚れていて当たり前。継ぎ接ぎは飾りと思え。デザイン? そんなものは存在しない。大事なのは生地の厚みと丈夫さである。
 總之由於是稱為被穿上就好的感覺,髒污是理所當然的。補丁認為是裝飾。設計? 那種東西不存在。重要的是作為布料的厚度與耐用。
 全体的に生地が薄くなりすぎると引き取ってもらえなくて、赤子のおむつや雑巾となる。
 整體地布料變得太薄就無法被收購,會成為嬰兒的尿布或抹布。

「阿呆。そんな服で北をうろつかせるな」
「阿呆。別用那樣的衣服在北邊閒逛」

 わたしと一緒にギルベルタ商会と神殿に出入りする側仕えは、基本的に高級地である街の北側をうろつくことになる。わたし達の普段着のようにあまりに貧しい恰好をさせるわけにはいかないらしい。
 跟我一起進出基魯貝路塔商會與神殿的近侍,基本上會變成要在做為高級地的城市北側閒逛。似乎不能像是我們的便服有著太過貧窮的姿態。

「わたし、上質な古着屋なんて知りませんし、側仕えに相応しい服が全くわからないので、全面的にベンノさんにお任せします」
「我,不知道什麼上等的舊衣店,由於完全不了解對應近侍的衣服,全面地拜託般諾先生了」
「明日、熱が出なかったら連れて行ってやる。ついでに、レストランの進歩状況も確認に行かなきゃならんからな。お前も来い」
「明天,沒發燒的話會帶你過去。順便說下,因為西餐廳的進步狀況也必須要去確認呢。妳也要來」
「わかりました」
「我明白了」

 わたしが頷くと、ベンノはルッツに視線を向ける。
 我點頭後,班諾將視線朝向路茲。

「ルッツ、本来なら休みの日だが、お前も一緒だ」
「路茲,本來的話是休假日,但你也要一起」
「わかってます」
「知道了」
「ごめんね、ルッツ。付き合わせて」
「抱歉呢,路茲。要你陪我」
「いや、オレも仕事着以外の服が安く手に入ればいいと思っていたから、丁度いいんだ」
「不,因為我也認為工作服以外的衣服能便宜到手就好,剛剛好」

 神殿に入ってからも、わたしに付き合ってくれるらしいルッツは、仕事が休みの日に北を歩ける服が欲しいらしい。
 因為進入神殿後,似乎也要陪伴我的路茲,似乎很想要在工作休息的日子走在北邊的衣服。
 普段着と違って、ギルベルタ商会の見習い服は毎回洗濯しなければならない。客商売のため、清潔な身なりをするためだ。しかし、洗濯回数が多くなると、当然、服が傷むのも早くなる。あまり傷めたくないけれど、ルッツには北を歩ける服が見習い服しかない。
 跟便服不一樣,基魯貝路塔商會的實習服每次都必須清洗。因為是服務業,因為要做乾淨的打扮。可是,清洗次數變多後,當然,衣服受損會變快。雖然不太想損害,但路茲走在北邊的衣服只有實習服。

「仕事以外の時に着られる服がないと、また見習い服を作らなきゃいけなくなるだろ?」
「沒有能在工作以外的時候穿的衣服的話,就會變得必須再次製做實習服了對吧?」

 ルッツの言葉を聞いて、わたしも自分の服が欲しくなった。わたしもルッツと同様に、北を歩き回れるような服は、見習い服しかないのだ。
 聽到路茲的話語,我也變得想要自己的衣服。我也跟路茲一樣,能徘徊在北邊的衣服,就只有實習服。

「ベンノさん、わたしにも一着見立ててください」
「班諾先生,也請讓我選定一件」

 自分の服を探すために買い物をするなんて、ここではまずない。明日はお買い物だ、とうきうきしながら、わたしはルッツと一緒に家に帰った。
 為了尋找自己的衣服而去買東西什麼的,在這裡大致沒有。一邊明天是去購物、地興致勃勃,我一邊跟路茲一起回家。

「じゃあ、また明日ね」
「那麼,明天見呢」
「まだだ、マイン。今日の報告が済んでない」
「還沒完,瑪茵。今天的報告沒有結束」
「……え?」
「……咦?」

 満面の笑顔で別れようとしたら、ルッツに睨まれた。うっ、と怯んだけれど、もちろん、ルッツの報告を止められるわけがない。
 打算用滿臉的笑容分別的話,卻被路茲瞪了。雖然嗚、地畏懼了,但當然,沒打算阻止路茲的報告。

「どうしてマインは自分を大事にしないのっ!」
「為什麼瑪茵不重視自己呢!」
「トゥーリ、泣かないで!」
「圖麗,別哭了!」
「泣いてないっ! 怒ってるんだよっ!」
「沒有哭! 是生氣唷!」

 本当に神殿に行ったら身食いが大丈夫になるのか、いきなりいなくなっちゃうんじゃないか、トゥーリがずっと心配しているのを知っているので、トゥーリに泣きながら怒られるのが一番罪悪感を覚える。
 真的去了神殿的話身噬就會變得不要緊了嗎,會不會突然就變不見了呢,因為知道圖麗一直擔心著,對圖麗一邊哭一邊生氣體悟到最大的罪惡感。

「ごめん。ごめんなさい。もうしません」
「抱歉。對不起。我錯了」
「……ちゃんとお昼ご飯を食べる?」
「……會好好吃中飯?」
「もちろん!」
「當然!」

 わたしが大きく頷くと、トゥーリの眉が少し下がった。
 我大大點頭後,圖麗的眉毛稍微垂下。

「魔力のこと、偉い人にちゃんと相談できる?」
「魔力的事情,能好好跟偉大的人商量?」
「うん」
「嗯」
「本を読んでも、約束忘れない?」
「即便讀書,也不會忘記約定?」
「……う……」
「……唔……」
「マイン?」
「瑪茵?」

 トゥーリはじっとりとした目でわたしを睨んだけれど、自分で守れないとわかっている約束はできない。本を前にすれば、理性なんて簡単に飛んでいってしまう自信がある。
 雖然圖麗用濕潤的眼神瞪著我,但知道自己無法遵守而無法約定。在面前有書本的話,有著理性什麼的簡單地就飛走了的自信。

「……わ、忘れないように、側仕えに教えてもらう。真面目な人だから大丈夫!」
「……為、為了不會忘記,會轉告近侍。因為是認真的人不要緊!」
「ハァ、自分で守る約束はできないんだね?」
「唉,無法自己遵守約定嗎?」

 やれやれ、とトゥーリは肩を竦めたけれど、約束を守れる自信はない。家族は呆れているようだけれど、怒りはある程度消えたようなので、話題を変える。
 雖然圖麗哎呀哎呀、地聳聳肩,但沒有遵守約定的自信。雖然家人好像很吃驚,但由於憤怒好像某個程度消失了,而改變話題。

「ねぇ、トゥーリ。明日、お仕事がお休みなら、トゥーリも一緒にお出かけしない?」
「喂,圖麗。明天,如果工作消息,圖麗要不要也一起外出?」
「え? マインはどこに行くの?」
「咦? 瑪茵要去哪裡?」
「わたしの側仕えのために服を買いに行くの。北の方に住む人達の服選びだから、古着屋でも勉強になるでしょ?」
「為了我的近侍要去買衣服。因為是選擇居住在北邊方面的人們的衣服,即便是舊衣店也能成為學習對吧?」

 それに、服を見立ててくれるのはベンノだ。貴族向けの服飾を扱う店の旦那様なので、トゥーリにはとても良い経験になると思う。
 而且,給挑選衣服的是班諾。由於是處理面向貴族的服飾的店老闆,我認為對圖麗是會成為非常好的經驗。

「……いいの?」
「……可以嗎?」
「明日は色々行くところがあるから、そっちにも付き合ってもらうことになっちゃうけど、それでよかったら」
「因為明天有要去各式各樣的地方,雖然那邊也會陪伴,但那樣也可以的話」
「うん、楽しみにしてる」
「嗯,我很期待」

 トゥーリがへにゃっと嬉しそうに笑った。わたしはいつものふわりとした笑顔にそっと胸を撫で下ろす。
 圖麗張口高興似地笑了。我悄悄地對對平時輕柔的笑容鬆了一口氣。
 よかった。お怒りは溶けたらしい。
 太好了。憤怒似乎融化了。


「何だ、トゥーリも今日は森へ行かないのか?」
「怎麼,圖麗今天也不去森林嗎?」

 トゥーリとルッツと手を繋いで、井戸の広場から大通りに向かって出ていこうとした時、背後から少し咎めるような響きを持った声が聞こえてきた。
 跟圖麗與路茲手牽手,打算從水井廣場朝向大街出去的時候,聽到了從背後帶著稍微責備般響徹的聲音。

「あ、ラルフ」
「啊,拉魯夫」
「ラルフ兄」
「拉魯夫哥」

 くるりと振り返ると、ルッツの兄であるラルフが普段着に籠を背負って追いかけてきていた。ラルフは森に行く恰好だ。
 轉過頭去後,身為路茲哥哥的拉魯夫在便服上揹著籃子追趕過來。拉魯夫是去森林的姿態。
 北に向かうために一番綺麗な服を着たトゥーリと、見習い服を着ているルッツとわたしを見て、ラルフはほんの少しだけ顔をしかめた。
 看到為了朝向北邊而穿著最漂亮的衣服的圖麗與,穿著實習服的路茲與我,拉魯夫微微地皺著張臉。

「どこに行くんだ?」
「要去哪裡啊?」
「今日は服の勉強なの。ラルフは森でしょ?」
「今天是衣服的學習。拉魯夫是森林對吧?」

 トゥーリは仕事を始めたお友達との情報交換を兼ねて、仕事が休みの日に森へ行くことが多いけれど、前と違って家計の面で考えると、絶対に森へ行かねばならない状況ではなくなった。
 圖麗兼帶與開始工作的朋友交換情報,雖然在工作休息的日子往森林去比較多,但以跟之前不一樣的家計方面來思考,絕對要去森林的狀況變不見了。
 わたしが寝込む回数が数年前に比べて格段に減ったことと、わたしとトゥーリが働き始めたことで、ウチの家計はぐっと楽になったからだ。
 因為我臥床次數相比數年前顯著地減少後,而我與圖麗開始工作了,我家的家計變得相當輕鬆了。

 しかし、ルッツの家は食費がかかる食べ盛りの男の子4人兄弟の家庭で、子供たち全員が働きに出ても、それほど家計に違いはない。見習いの給料は安いので、下手したら森での収穫が減って、以前より食生活は苦しくなっている。
 但是,路茲的家是伙食費花在正能吃的男孩子4人兄弟的家庭,就算小孩子們全體去工作,那個程度對家計沒有不同。由於實習的薪水很便宜,笨拙的話在森林的收穫會減少,飲食生活比以前會變得很痛苦。
 そのため、休みの日は森で収穫してくるのが当然で、見習いであるはずのルッツが休みの日でも店へ行くことを、家族はよく思っていないらしい。「働いた分として、見習いの給料の倍、お金を渡すより、森で収穫してきて欲しいんだってさ」とルッツが零していた。
 為此,休假日去森林收穫是當然的,應該身為實習的路茲即便是休假日也會去店裡,家人似乎不認為很好。路茲吐露過「比起交付、作為勞動部分的實習薪水、一倍的現金,更希望在森林裡收穫」。

 大通りに出るまで、トゥーリはラルフと並んで歩き、気まずそうな顔をしたルッツが少し後ろを歩く。わたしはルッツと手を繋いで歩きながら、時折こちらに向けられるラルフの視線にルッツが軽く溜息を吐くのを見ていた。
 直到出來大街,圖麗都與拉魯夫並肩走著,做出不愉快般表情的路茲走在稍微後頭。我一邊與路茲牽著手走著,一邊看著路茲對不時朝向這裡的拉魯夫的視線輕輕嘆氣。

「じゃあ、ラルフ。頑張ってね」
「那麼,拉魯夫。加油呢」
「あぁ」
「啊」

 大通りに出たところでラルフは南へ、わたし達は北へと向かうことになる。トゥーリがラルフに大きく手を振りながら、わたしの空いている手をつかんで、手を繋いだ。
 拉魯夫在出來大街的地方往南邊,我們變成朝向北邊。圖麗一邊對拉魯夫大大揮著手,一邊抓起我空著的手,牽起手來。
 わたし達は大通りを街の北へ向かい始める。服の勉強をするんだ、と意気込んでいるトゥーリが話の中心で、ルッツはマルクに言われているように、聞き上手を目指して、トゥーリの話を聞いている。
 我們開始朝向城市北邊的大街。要做衣服的學習、那樣幹勁十足的圖麗是話題的中心,路茲就像被馬爾克說過的,以善於聆聽為目標,聽著圖麗說話。

 ふと視線を感じてわたしが振り返ると、ラルフが物言いたげな顔をして、別れた地点に立ったまま、こちらを見ていた。わたしと視線が合った瞬間、ラルフは疾しいことが見つかったような顔になり、慌てたように踵を返して南へと駆けていく。
 突然感覺到視線的我回頭後,拉魯夫做出有話要說的表情,依然站在分別的地點,看著這邊。與我視線重疊的瞬間,拉魯夫變成發現愧疚般的表情,慌張般反轉腳跟往南邊跑過去。
 どんどん開いて行く距離が、ルッツと兄弟間の心の距離に思えて、わたしはそっと目を伏せた。
 不斷地拉開距離,想到路茲跟兄弟間內心的距離,我悄悄地伏下目光。


 ギルベルタ商会に着くとすでに出かける準備ができた状態で、ベンノが店で仕事をしているのが見えた。マルク他、数人の従業員に指示を出している。
 到達基魯貝路塔商會已經是做好外出準備的狀態,看到班諾在店裡工作著。對馬爾克之外、數名工作人員提出指示。

「おや、今日はトゥーリも一緒か? ずいぶん腕が良い針子になりそうだとコリンナが言っていたぞ」
「喔呀,今天圖麗也要一起嗎? 柯琳娜有說過似乎會成為本領十分好的女裁縫喔」
「本当ですか!? 嬉しい」
「真的嗎!? 好高興」

 外面の良い愛想笑いで、ベンノはトゥーリを褒める。
 用對外人好的做作笑容,班諾稱讚著圖麗。
 今日はマルクではなく、ベンノと一緒に出かけることになっている。午前中はイタリアンレストランの改装工事の見回りに行き、頼んだ通りにできているか、建築材料が勝手に安物に変えられていないか、確認しておかなければならないらしい。
 今天不是馬爾克,變成了要跟班諾一起外出。上午要去巡視義式西餐廳的改裝工程,有做到如同委託嗎,建築材料有沒有被擅自更改成便宜貨呢,似乎必須要去做確認。

「もう工事、始まってるんですね」
「工程已經、開始了呢」
「予想以上に早く場所が決まったからな。今は厨房を拡張してオーブンを作らせているところだ」
「因為超出預期地提早決定了地方呢。現在是擴張廚房用以製造烤箱」

 イタリアンレストランは、飲食店協会から北で元々食事処をしていた場所を買い取った。今は改装工事中で、最初に厨房を整え、その後で床板も全部張り変え、貴族の食事を出す店として内装は高価なものを入れる予定らしい。
 義式西餐廳是,從餐飲店協會買下在北邊原本作為用餐區的地方。現在在改裝工程中,最初整理除訪,在那之後地板全部改變鋪設,作為拿出貴族餐點的店家內裝似乎預定要放入昂貴的東西。
 まるで貴族になった気分で食事ができる高級食事処というのが、コンセプトだ。貴族に関係する仕事をしている大店の旦那を顧客にするべく試食会もするらしい。
 簡直是能用變成貴族的氣氛用餐的所謂高級用餐區,是概念。似乎也會做把在做著關係到貴族工作的大店舖老闆當作顧客的試吃會。

「あぁ、ギルド長を見習って……」
「啊,是學公會長……」
「違う! 試食会はお前の提案だったから、ギルド長を見習うことにはならないんだ」
「不對! 因為試吃會是你的提案,才不是學公會長啊」
「……そうですか」
「……是那樣嗎」

 見たところ、材木や煉瓦、鉄などの材料にも、職人の仕事にも、特に問題はなさそうだ。まだオーブンが仕上がっていないけれど、オーブンができたら料理人を入れて、開店までの期間に練習をさせるらしい。
 看到的地方,不論是木材或磚瓦、鐵之類的材料,還是工匠的工作,似乎沒特別有問題。雖然烤箱還沒完工,但烤箱能用的話放入廚師,在開店為止的期間似乎會讓他練習。

「順調でよかったですね」
「能順利真是太好了呢」

 わたしがベンノに抱き上げられたまま、工事中の店の中をぐるりと見て回ってそう言うと、ベンノは難しい顔になった。わたしくらいにしか聞こえない低い声で、小さく零す。
 我依然被班諾抱起來,巡視一圈工程中的店舖裡面那樣說後,班諾變得面有難色。以只有我能聽到的低聲,小小吐露。

「いや、問題は山積みだ」
「不,問題堆積如山」
「へ?」
「哎?」
「……いや、お前に言うことではないな。おい、次の店に行くぞ」
「……不,不是該對妳說的事呢。喂,去下間店吧」

 ルッツとトゥーリに声をかけて、その後はギルベルタ商会とも繋がりが深い古着屋に向かって歩き始める。
 對路茲與圖麗吆喝一聲,那之後朝著與基魯貝路塔商會也有聯繫的舊衣店開始走去。

「貴族のような食事って、どんなのだろうね? 一度くらいは食べてみたいなぁ」
「貴族般的餐點,是怎樣的呢? 好像吃一次看看呢」

 ちらちらと工事中の店を振り返りながら、トゥーリが三つ編みをぴょこぴょこと跳ねさせる。ルッツと一緒にベンノのやや後ろを歩くトゥーリをベンノの肩越しに見下ろしながら、わたしは構想しているレシピを思い浮かべた。
 一邊隱隱約約地回頭看工程中的店鋪,圖麗一邊讓麻花辮輕微地跳動著。一邊越過班諾的肩膀俯視跟路茲一起走在班諾微微後方的圖麗,我回想起了正在構思著的食譜。

「うーん、ウチでトゥーリも食べたことがあるレシピが3割。5割はオーブンを使う新作料理やお菓子。後の2割はイルゼさんのレシピを応用した創造料理……かな?」
「嗯,在我家圖麗也有吃過的食譜是3成。5成是使用烤箱的新作料理或點心。之後的2成是應用了依露潔女士的食譜的創造料理……嗎?」

 わたしの答えにトゥーリは微妙に顔を歪めた。
 圖麗對我的回答微妙地扭曲了臉。

「……もしかして、あのお店で出す食事って、マインのへんてこ料理?」
「……難道說,在那間店裡拿出的餐點,是瑪茵的奇特料理?」
「トゥーリ、ひどいっ! いつもおいしそうに食べてるのに!」
「圖麗,好過分! 明明總是美味般吃著!」

 笑顔で食べてくれる姉に「へんてこ料理」だと言われたショックに落ち込むと、トゥーリは慌てた様子で言葉を足した。
 被用笑容給吃掉的姊姊說是「奇特料理」的震驚而低落時,圖麗用慌張的樣子補充了話語。

「おいしいよ! すごくおいしいんだけどね。マインのレシピ、初めて作る人はビックリすると思うよ? わたしはもう慣れたけど」
「很好吃唷! 非常好吃就是了呢。瑪茵的食譜,第一次製做的人我認為會嚇到唷? 雖然我已經習慣了」
「うまければ何でもいいじゃん」
「好吃的話不管什麼都好啊」

 肩を竦めて「何でもいい」と言うルッツも、トゥーリの「へんてこ料理」という部分を訂正はしてくれない。確かに、ここの調理方法とはちょっと違うことが時々あるので、完全には否定できない。
 聳著肩說了「不管什麼都好」的路茲,沒有將所謂圖麗的「奇特料理」給予訂正。確實,由於時常有著與這邊的烹調方法稍微不一樣,完全不能否認。

「……何だ? お前らはマインの料理を食べたことがあるのか?」
「……什麼呀? 你們有吃過瑪茵的料理嗎?」

 店が工事中で料理人が調理できる状態ではないので、この中ではベンノだけが、まだわたしの料理を食べたことがない。
 由於店鋪因工程中不是廚師能烹調的狀態,在這之中只有班諾,還沒有吃過我的料理。
 ベンノの言葉に、ルッツとトゥーリがものすごく複雑そうに顔を見合わせた。
 對班諾的話語,路茲與圖麗互相看著似乎非常複雜的表情。

「うーん、レシピはマインだけど……ねぇ、ルッツ?」
「嗯,食譜是屬於瑪茵的……喂,路茲?」
「あぁ、作るのは自分達だからなぁ。マインの料理を食べた気はしねぇよな?」
「啊,正因為製做的我們自己。別介意吃過瑪茵的料理啊?」

 ごもっとも。
 有道理。

 どんどん成長していく二人とほとんど成長しないわたしでは、もう体格が全然違う。麗乃時代の記憶で言うならば、幼稚園児と小学生の中学年くらいの差がある。
 跟不斷地成長起來的兩個人幾乎沒成長的我,體格已經完全不一樣了。以麗乃時代的記憶來說的話,有著幼稚園兒童與小學中年級左右的差距。
 それだけ体格が違えば、手が届く位置も違うし、腕力も違う。何に関してもできる範囲が全然違う。わたしにできることはほとんど増えていないのに、二人は親の補助がなくてもできることが増えている。
 那麼多體格不同的話,手搆到的位置也不同,腕力也不同。關於什麼能做到的範圍完全不一樣。明明我能做的事情幾乎沒有增加,兩人就算沒有父母輔助能做的事情卻在增加著。

「わたしだって大きくなりたいよ……」
「我也想要長大唷……」

 ポツリと零れてしまった本音が届いたのは、わたしを抱きかかえたまま歩いているベンノだけだったようだ。自分では声に出している自覚がなかったので、慰めるように軽く背中を叩かれて、ぎくりとした。
 孤零零地溢出的真心話傳到的,似乎只有依然將我懷抱著走著的班諾。由於沒有自己發出了聲音的自覺,為了安慰輕輕地拍著背後,吃了一驚。

 わたしが成長しないのは、身食いの症状としてどうしようもないことなのに、わたしの愚痴を聞いてしまったら、トゥーリやルッツはきっとわたしを心配して、気に病むに決まっている。
 我沒有成長,明明是作為身噬的症狀而沒有辦法的事,聽到我的牢騷的話,圖麗或路茲一定會擔心我,肯定會焦慮。
 そっと後ろを見て、二人に聞こえていなかったか、様子を伺う。二人がわたしのレシピでおいしかったものについて話をしている様子を見て、ホッと安堵の息を吐いた。
 悄悄地看著後面,兩個人沒聽見嗎,探聽著情況。兩個人看起來在說著關於因我的食譜而美味的東西的話題,放心地吐了一口安心的氣。

 工事中の店も目的地である古着屋も、街の北側にあるので、それほど時間はかからず到着した。
 不論是工程中的店舖還是作為目的地的舊衣店,由於都在城市的北側,花不了多少時間就到達了。
 やはり、街の北側にある古着屋は、ウチが使っている古着屋とは全く違った。籠に大体のサイズで分けられて、薄汚れた灰色や茶色の服が山積みにされているのが、わたしの知っている古着屋。
 果然,在城市北側的舊衣店,跟我家使用著的舊衣店完全不一樣。在籃子裡被分成大致的尺寸,髒兮兮的灰色或茶色的衣服被堆積如山著,是我所知道的舊衣店。
 ここは品が良いせいか、下着以外は一着ずつ十字のような形のハンガーにかかっているし、色鮮やかだ。それぞれがオーダーメイドで作られているものなので、サイズ違いや色違いはないけれど、店の雰囲気は麗乃時代の小さな町にある店の主人の趣味でやっている洋服屋に似ていた。
 這裡是商品很好的緣故嗎,內衣以外一件件掛在十字般的形狀的衣架上,色彩鮮明。由於分別是因訂製而被製做著的東西,雖然沒有尺寸不同或色彩差異,店鋪的氛圍很相似在麗乃時代的小城鎮裡因店主人的興趣而做著的洋服店。

 わたし達が店の中に入ると同時に店長らしい女性が目を見開いて、駆け寄ってくる。きっちりとまとめられた髪は焦げ茶色で、同色の目が好奇心でキラキラに輝いていた。
 在與我們進去店裡面的同時似乎是店長的女性睜大了眼睛,跑了過來。好好地被整匯的頭髮是深褐色,同色的眼睛因好奇心而閃閃發光閃耀著。

「あら、ベンノ。どうしたの? いつの間にこんなにたくさんの子供……」
「啊啦,班諾。怎麼了嗎? 什麼時候這麼多的小孩子……」
「何を言っているんだ、お前は?」
「在說什麼啊,妳?」
「だって、浮いた噂がないベンノが子供連れでウチに来たのよ? こんなおいしいネタ、勝手に膨らませて、仲間内で楽しまなきゃ」
「因為,沒有輕浮流言的班諾帶著小孩子帶我這了唷? 這種美味的話題,擅自地發酵,在同伴間必定很愉快」
「いい加減にしろよ、こら」
「給我差不多點喔,喂」

 ずいぶんと長い付き合いなのか、気安い言葉の応酬が続くのをわたし達がポカーンと見守っていると、ベンノが女性の言葉を遮って用件を述べた。
 是相當長的往來嗎,我們呆呆地關注著不拘泥言詞的應酬持續著時,班諾敘述著遮掩女性話語的要事。

「今日はこいつらの服を買いに来たんだ。ついでに、ウチの見習いに勉強させようと思ってな」
「今天是來買這些傢伙的衣服的。順便,想讓我家的實習學習呢」
「見習いって、ルッツに何の勉強をさせるんですか?」
「實習,是要讓路茲學習什麼嗎?」
「あのな、マイン。ウチの見習いなら服の一つくらい見立てられなくてどうする?」
「那個啊,瑪茵。如果我家的實習衣服一件左右都無法選定該怎辦?」

 うぐっ、とルッツが言葉に詰まった。服なんて丈夫さ一番という貧民生活で育ってきたルッツやトゥーリには、服を見る目が育ってない。それを自覚させ、勉強させるつもりなのだろう。
 嗚咕、地路茲語塞了。對於以名為衣服什麼的耐用第一的貧民生活成長起來的路茲或圖麗,沒有培養看衣服的眼力。是打算自覺、學習那個的吧。

「マイン、お前の側仕えにはこの辺りの服がいいだろう。比較的新しいデザインで、袖も短く動きやすそうだ」
「瑪茵,妳的近侍這附近的衣服就可以了吧。用比較心的設定,袖子也短似乎很容易動」
「その辺りなら、フランにはあそこの深緑か茶色が良いと思うんですけど、どうですか? 真面目でかっちりした雰囲気だし、髪や目の色ともあまりケンカしないと思うんですけど」
「如果是那附近,雖然認為對弗蘭來說是那邊的深綠或茶色很好,但如何呢? 是認真且正合適的氛圍,我想跟頭髮或眼睛的顏色都不會打架就是了」
「……いいんじゃないか? あとの二人に関しては、見てないからわからん。フランに見立てた雰囲気から考えても、それほど外れはないだろう。お前が適当に選べ」
「……不是很好嗎? 關於之後的兩人,因為沒見過不知道。就算從判斷弗蘭的氛圍來考慮,多少都不會落空吧。妳就適當地選擇」
「はーい」
「好」

 わたしはベンノに下ろされて、子供が着る小さいサイズの服の中、ギルとデリアに合いそうな服を探し始めた。
 我被班諾放下,小孩子穿的小尺寸的衣服裡面,開始尋找適合基魯與蝶莉亞般的衣服。
 選ぶとは言っても、同じようなサイズでそれほど多くの服は無いので、選択肢はかなり限られている。当然、決まるのは早い。あとはルッツに合わせてみて、サイズが本当に大丈夫そうか確認するだけだ。
 就算說了選擇,由於同樣尺寸沒有那麼多的衣服,選項相當被限制住。當然,要決定還早。之後是試著比對路茲,只要去確認尺寸真的不要緊嗎。

 あぁ、もうちょっと色んな服があったらなぁ。
 啊,再稍微有各種衣服的話。

 選び甲斐がなくて、わたしはテンションを落とした。麗乃時代は何と贅沢な時代だったことか。周りに服が溢れていた。あの時には大して服に興味がなかったのに、周りになくなると欲しくなるなんて困ったものだ。
 不值得選擇,我鬆懈了緊張。麗乃時代是如何奢侈的時代嗎。衣服在周圍滿意。明明在那個時候不太對衣服感興趣,在周圍消失了後就變得很想要什麼的是很傷腦筋的。

「ルッツ、ルッツ、ちょっといい?」
「路茲、路茲,打擾一下好嗎?」
「どうした、マイン?」
「怎麼了嗎,瑪茵?」
「ギルはね、ちょうどルッツくらいの背恰好だから、ルッツに合わせてもらいたいの」
「基魯呢,因為正好是宛如路茲的身高體型,想要比對路茲」

 3つ抱えていた男の子向けの服をパッとルッツに当ててみる。大きさに問題はないようだ。そのうちの一つをルッツに向かって差し出した。
 啪地試著將抱著的3件男孩向的衣服貼在路茲上看看。似乎沒大問題。將那之中的一件朝路茲遞了出來。

「これくらいのサイズの中では、これが一番ルッツに似合いそうだよ。ギルはこっちかなぁ?」
「在大約這個的尺寸裡面,這似乎是最適合路茲的唷。基魯是這邊嗎?」

 手に持っていたギル用の服を見比べていると、ベンノが軽く溜息を吐いた。
 在比較著拿在手上基魯用的衣服時,班諾輕輕嘆了一口氣。

「マイン、お前は服の見立てをどこで学んだ?」
「瑪茵,妳是在哪邊學到挑選衣服的?」
「どこって?……学んだことなんてないですよ?」
「哪邊是說?……沒有什麼學習唷?」

 カラーコーディネイトに関する本や服飾に関する雑誌なら色々読んだが、改めて学んだことはない。強いて言うなら、学校の美術だろうか。
 雖然如果是關於色彩搭配或關於服飾的雜誌讀過各式各樣,但沒有再次學過。強硬來說的話,是學校的美術嗎。

「お前に関しては考えるだけ無駄か」
「有關於妳僅僅考慮也沒用嗎」
「そうですね。そういうものだと納得しておいてください。ルッツ、次はこっちを当ててみて」
「沒錯呢。請事先理解那種東西。路茲,接下來試著貼上這邊」

 わたしがデリア用に選んだワンピースを見せると、ルッツはぶるぶると首を振った。赤を基調とした比較的可愛い感じのワンピースを前に、大きく手でバツを作る。
 看到我選擇給蝶莉亞用的連衣裙後,路茲哆嗦地搖著頭。在把紅色作為基調比較可愛感覺的連衣裙前面,大大地用手做了個叉。

「それはトゥーリに頼めばいいだろ!? オレは嫌だ」
「那個拜託圖麗就好了吧!? 我才不要」
「だって、ルッツよりトゥーリの方が大きいじゃない。デリアはルッツより小さいんだよ。トゥーリじゃダメだよ」
「可是,圖麗不是比路茲還大。蝶莉亞比路茲還小唷。圖麗是不行的唷」

 ルッツは嫌がったけど、デリアの分もルッツの背中に当ててサイズを選んだ。だって、トゥーリもわたしもサイズが違うんだもん。
 雖然路茲很討厭,但蝶莉亞的份還是選擇了貼在路茲背後的尺寸。因為,不論圖麗還是我尺寸都不一樣咩。

「じゃあ、ルッツ。マインに合う色を探すところから始めろ。例えば、この緑とその緑じゃあ、一口に緑と言っても色が違う。マインに合うのはどっちだ?」
「那麼,路茲。從尋找適合瑪茵顏色的地方開始。譬如說,這個綠色與那個綠色,就算統稱說是綠色顏色也不一樣。適合瑪茵的是哪邊?」

 ルッツに服を当てていたように、今度はわたしに服が当てられる。ルッツとトゥーリが真剣な顔でわたしと服を見比べた後、ビシッと二人が同じ服を指差した。
 就像把衣服貼在路茲上,這次衣服被貼在我身上。路茲與圖麗用認真的表情比較了我與衣服之後,用力地兩個人用手指著同件衣服。

「こっち!」
「這邊!」
「そうだな。マインの肌の色にはこれが合う。これとこれなら?」
「是嗎。瑪茵的膚色適合這個。這個跟這個的話?」

 同一色、相似色、補色、中差色、彩度、明度などの色に関するベンノの説明が実際に服をわたしに当てながら始められた。経験によって積み重ねられた知識をまとめると、わたしが読んだカラーコーディネイトの本になるのか、と感慨深く思いながら、わたしは椅子に座ったまま布を当て続けられる。
 班諾就有關同一色、相似色、互補色、中差色、彩度、明度之類的顏色說明實際地一邊把衣服貼在我身上一邊開始了。統整被由經驗堆積重疊的知識後,我變成了讀過的色彩搭配書了嗎,一邊覺得感概很深,我一邊依然坐在椅子上被繼續貼上布料。

「客に似合う色をいくつか頭に叩きこんだ上で、次はデザインを選ぶことになる。服は身分や立場を一番よく表すものだ。違う階級の服を着ると厄介事が起こることが多い。一番身近な例は、マインの洗礼式だ」
「在將適合客人的顏色敲進幾個進腦袋裡,接下來變為選擇設計。衣服是最好表示身分或立場的東西。穿上不同階級的衣服後發生麻煩事很多。最切身的例子,是瑪茵的洗禮式」
「あぅ……」
「噢……」
「今回、マインに選ぶ服は神殿に出入りするための服だ。側仕えを持つ者が着る服だが、これは袖の長さが重要になる」
「這次,給瑪茵選擇衣服是為了進出神殿的衣服。雖然是持有著近侍的人穿的衣服,但這個袖子的長度就變得很重要」

 そういえば、神殿に向かう時、ベンノが袖の長い衣装を着ていたことを思い出した。何をするにも邪魔そうな振り袖くらい長い袖の服だった。
 這麼說來,回想起朝向神殿時,班諾穿著袖子很長的服裝的事情。是做什麼都很礙事般宛如振袖的長袖子的衣服。

「自分で動かなくても、側仕えが動いてくれるので、服の汚れを気にしなくても良い立場だと示す物だ。実際に働く人は袖をだらだらさせていられない」
「是表示由於就算自己不動,近侍也會去動,而不用介意衣服的髒汙也是良好的立場的東西。實際上工作的人是不會讓袖子過於冗長」
「あれ? でも、マルクさんも長い袖でしたよ? ベンノさんの半分もなかったですけど」
「奇怪? 但是,馬爾克先生也是穿長袖子唷? 雖然沒有班諾先生的一半」
「アレは貴族に会いに行く時の側仕えの服だ。向かう先に側仕えや下働きがいるのだから、マルクが働くことはほとんどない。逆に、貴族が来るなら、マルクは袖の短い服で歓待のために立ち回らなければならない。……ウチの店に貴族が来ることはないがな」
「那個是去會見貴族時近侍的衣服。因為在目的地有近侍跟雜役,馬爾克幾乎沒有工作。相反地,如果貴族來了,馬爾克會用袖子短的衣服為了款待而必須到處走動。……在我的店裡貴族不會來呢。」

 へぇ、とわたしは軽く頷いているが、ルッツとトゥーリは目をギラギラさせてベンノの話に聞き入っている。
 嘿、地我輕輕點著頭,路茲與圖麗讓目光閃閃發亮專心聽著班諾的說話。

「では、そういうことを含めて、マインに合う服を選べ。ルッツとトゥーリ、どちらが上手く選べるかな?」
「那麼,包含那種事情,選擇適合瑪茵的衣服。路茲與圖麗,能否好好選擇呢?」

 キッとお互いに睨みあった直後、二人は店の中を歩き回り、服を選び始めた。その様子を見て、ベンノが楽しそうにクッと笑いを漏らす。
 彼此猛然互相瞪視緊接之後,兩個人徘徊於店裡,開始選擇衣服。看著那個樣子,班諾似乎很快樂咕地走漏了笑。

「マイン、お手柄だったな。競争相手がいると成長は驚くくらい早くなる」
「瑪茵,妳的功勞呢。有競爭對手的話成長會變得驚人的快」
「トゥーリにも良い勉強になってるから、良かったです」
「因為圖麗也能成為良好的學習,太好了」

 一生懸命に服を見比べている勉強熱心な二人を見ながら、わたしはベンノに貴族社会で気を付けなければならないことを聞いてみたが、ベンノはふるりと頭を振った。
 一邊看著拚命地在比較著衣服熱心學習的兩個人,我一邊試著打聽在貴族社會必須要注意的事情,但班諾左右地搖著頭。

「お前と俺では立場が違う。貴族とやり取りする商人のことなら教えてやれても、貴族の中で立ち回ることに関しては、フランに聞いた方が確実だ。ルッツがやっているように、細かく何でも質問しろ。お前が何をわかっていないのか、相手は全く知らないんだからな」
「妳跟我的立場不一樣。如果是與貴族做交流的商人的事就算告知了,有關在貴族裡面到處走動的事情,問弗蘭還比較確實。就像路茲在做的,即便是細小的人麼都提問。因為妳不知道什麼呢,對方完全不知道呢」

 ベンノ言葉に頷いていると、ルッツとトゥーリが服を抱えて、駆けてきた。
 對班諾的話語點頭後,路茲與圖麗抱著衣服,跑了過來。

「どっちを選ぶの、マイン?」
「要選那邊,瑪茵?」
「……え? えーと……」
「……咦? 呃……」

 ルッツとトゥーリに迫られて、たじたじしながら、二人が選んだ服を見る。トゥーリが選んだ服は可愛いピンク色のワンピースで、ルッツが選んだのは青を基調としたワンピースだった。
 被路茲與圖麗迫近,一邊畏縮不前,一邊看著兩個人選擇的衣服。圖麗所選的衣服是可愛的粉紅色的連衣裙,路茲選擇的是把藍色作為基調的連衣裙。

「外をうろうろするだけなら、トゥーリの服の方が可愛いけれど、神殿に行くことを考えるなら、ルッツの服の方がしっくりくるんだよね。難しいなぁ……」
「如果只是徘迴在外面,雖然圖麗的衣服較可愛,但如果考慮到要去神殿,路茲的衣服較符合呢。好難啊……」
「一度着てみろ」
「試穿一次看看」

 ベンノに言われて、わたしはトゥーリとルッツが選んできた服を持った店長と一緒に試着室へと向かった。トゥーリの選んだ服を店長さんに着せてもらった後、よく磨きこまれた金属鏡の前に立たされる。
 被班諾說了,我拿著圖麗與路茲選來的衣服跟店長一起朝向試衣間。將圖麗選的衣服請店長套上後,讓我站在被好好拋光的金屬鏡前。

「……ぅわ」
「……哇」

 初めて自分の顔を見た。卵型の輪郭に抜けるような白い肌というよりは、病的で血色悪い白い肌をしていて、暗い紺色のストレートな髪が肌の青白さに一役買っているように見えた。
 第一次看到自己的臉。在蛋型的輪廓上比起所謂褪掉般的白色肌膚,更是有著病態且氣色不好的白色肌膚,暗沉的深藍色直髮看起來好像在肌膚的蒼白上承擔了一角。
 鏡には、大きくてパッチリとした金色のような黄土色のような黄色っぽい目が映っていて、驚いたように大きく見開かれていた。鼻筋が通った形良い鼻と下唇がぽってりとしているところは母に似ていて、トゥーリとは目元以外あまり似ていない。
 鏡子裡,作為大大水汪汪像金色又像土黃色的黃色般眼睛正映照的,好像吃驚般被大大睜開著。鼻樑穿過外型良好的鼻子與下唇作為豐厚的地方類似於母親,與圖麗是眼睛以外都不太像。

 これで、子供らしい闊達さがあれば、麗乃時代なら文句なく可愛い幼女だ。ただ、この世界では、どう評されるかわからない。ルッツは可愛いと言っていたから、それほど美的感覚に違いはないのだろうか。
 就這樣,有像小孩子的豁達的話,若是麗乃時代無可抱怨是可愛的幼女。只是,在這個世界,不知道會被如何評論。因為路茲有說過很可愛,在那樣的美的感覺上沒有不同嗎。
うぬぅ、と悩みながら、着た服を見せに行く。
一邊嗚呶、地苦惱,一邊去展現穿上的衣服。

「わぁ! マイン、可愛いよ! すごく良く似合う」
「哇! 瑪茵,很可愛唷! 真的非常合適」

 トゥーリは自分が選んだ服を着たわたしを大絶賛するが、ルッツはうーんと首を捻った。でも、表情は悔しそうなので、文句を付けるのが難しい程度には似合うのだろう。
 圖麗大讚揚穿著自己所選的衣服的我,但路茲卻嗚地扭過頭去。但是,由於表情似乎很懊悔,是很般配難以加以抱怨的程度吧。
 ベンノが苦笑しながら、次に行けと言わんばかりに手を振った。
 班諾一邊苦笑,一邊以幾乎要說出去換下一個揮了揮手。

「やっぱり、こっちの方が似合うって!」
「果然,還是這邊合適!」

 ルッツの選んだ服に着替えて、見せに行くと、今度はルッツが満面の笑顔で褒めてくれた。トゥーリがちょっと悔しそうに「わたしが選んだ服の方が似合うもん」と唇を尖らせて、どっちが似合うか言い争い始めた。
 換上路茲選擇的衣服,去展示後,這次路茲用滿臉的笑容給稱讚了。圖麗稍微後悔似地「我所選的衣服還比較合適咩」嘟起了嘴,開始爭吵是哪邊合適呢。
 次第に白熱していく言い争いにわたしが助けを求めてベンノを振り返ると、ベンノは顎を撫でながら店内をぐるりと見回した。
 我對依序白熱起來的稱炒回過頭去求助班諾,班諾一邊撫摸下巴一邊環顧店內一圈。

「鏡で自分の容姿は確認したんだろう? お前は、どれが一番自分に合うと思う?」
「有用鏡子確認過自己的姿容吧? 妳,認為那個最適合自己?」
「えーと……用途も考えたら、これとこれとこれ、かなぁ?」
「呃……用途也考慮的話,這個和這個和這個,吧?」

 最初にわたしが手に取ったのは白のブラウスだ。袖が長くて、襟元と袖にレース飾りがついているので、シンプルなのに貴族向きに見える。それから、神殿に履いて行くにはちょうど良い青のスカート。花の刺繍がされているが、青の巫女服を着れば、見えなくなる。最後に、花の刺繍やレースのついた赤いボディスのような胴衣だ。
 最初我拿在手上的是白色的襯衫。袖子很長,由於在領邊和袖子上加上蕾絲裝飾,明明很簡譜卻看起來是貴族向。還有就是,要穿去神殿正好的藍色裙子。被刺上花的刺繡,但穿上藍色巫女服的話,就變得看不見了。在最後,是加上花的刺繡與蕾絲的紅色緊身胸衣般的背心。

「これなら、どれか一つ買い足したり、買い変えたりするだけで、かなり雰囲気が変えられるし、今持っている見習い服とも合わせられると思うんですけど、どうでしょう?」
「這樣的話,就只要哪一件都買齊、或改買,氛圍就相當地被改變了,雖然我認為可以跟現在擁有的實習服配合,但如何呢?」

 わたしがベンノを見上げると、ベンノは小さく笑いながら、ルッツとトゥーリを見ていた。二人は虚を突かれたような顔で、わたしが選んだ服を見つめる。
 我抬頭看班諾後,班諾一邊小小的笑了,一邊看著路茲和圖麗。兩個人用被趁虛而入般的臉,凝視著我所選的衣服。

「ルッツ、トゥーリ。ここにある服はワンピースだけではない。女の服はワンピースだという常識は捨てろ」
「路茲,圖麗。在這邊的衣服不是只有連衣裙。丟掉名為女裝是連衣裙的常識」

 貧民の女の子の服はワンピースしか存在しない。上下に分けて縫えば、それだけ布が必要になるからだ。防寒のために重ね着することはあっても、オシャレのためにすることはない。ブラウスの襟だけ付け替えができたり、袖口のレースが付け替えできたりするような服が周りに存在しないのだ。
 貧民的女孩子的衣服不存在連衣裙以外。因為上下分開縫製的話,會變得需要那些布料。就算有著為了防寒而重複穿上的事情,也不是為了時髦而做的事情。能做到襯衫的領子能交換,或袖口的蕾絲能交換般的衣服在周遭不存在。

「次までにしっかり勉強しておけよ」
「在下次之前好好地預先學習喔」
「はい!」
「好!」

 しょんぼりと落ち込んでいた二人が揃って顔を上げて、ライバル意識丸出しのやる気に満ちた顔で、何故かわたしを見た。
 無精打采地消沉著的兩人一致抬起頭來,用完全暴露敵對意識充滿幹勁的臉,不知為何看著我。

======================================================================
 トゥーリが可愛かったので、神殿まで行きつけませんでした。
 由於圖麗很可愛,還沒去到神殿。
 中古服が買えたので、神殿に行きます。
 由於買到中古衣,要去神殿了。

 次回は、ルッツの怒りとギルの怒りです。
 下回是,路茲的憤怒與基魯的憤怒。
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