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第二部神殿的實習巫女 巫女的工作

作者:SPT草包│2018-01-30 19:04:08│贊助:2│人氣:123
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い 巫女のお仕事
第二部神殿的實習巫女 巫女的工作
原文連結

「これで誓いの儀式は終了だ」
「這樣宣誓的儀式就結束了」
「じゃあ、図書室に……」
「那麼,圖書室……」
「待ちなさい。話はまだ終わっていない」
「請等一下。話題還沒結束」
「……はい」
「……是」

 神官長に促されて、わたしは祭壇前から執務机の前に移動した。フランが椅子を準備してくれたので、座る。
 被神官長催促,我從祭壇前面移動往辦公桌前面。由於弗蘭準備了椅子,我坐了

「ありがとう、フラン」
「謝謝,弗蘭」
「……礼には及びません」
「……不必多禮」

 一瞬驚いたような顔をしたフランが、軽く眉を寄せた。もしかしたら、お礼を言うのもダメだったのだろうか。今度フリーダにでも貴族らしい振る舞いについて聞きに行った方がよさそうだ。
 做出一瞬間驚訝般的表情的弗蘭,輕輕皺起眉頭。難道說,就連道謝都不行嗎。這次行使從芙莉妲那聽說關於像是貴族的舉止似乎會比較好。

「話を始めても良いか?」
「可以開始對話了嗎?」
「はい、お願いします」
「是,拜託了」

 何の報告書か知らないけれど、神官長の机の端にはいくつもの木札や羊皮紙が積み重ねられている。神官長はそのうちのいくつかに目を通しながら、ちらりとわたしを見た。
 雖然不知道是什麼的報告書,但在神官長的桌邊被堆疊著幾個木牌和羊皮紙。神官長一邊瀏覽那之中的幾個,一邊看了我一眼。
 まるで、教科書を持った教師が生徒に教えるように、話が始められる。
 簡直,就像是拿著教科書的老師在教導學生,對話被開始了。

「君も知っての通り、神殿にいる青色神官は全て貴族出身だ。平民である君が青い衣を身につけることに良い感情を持っている者は基本的にいないと考えなさい」
「就像妳所知道的,在神殿的藍色神官全部是貴族出身。請考慮基本上沒有對身為平民的妳身穿藍衣這件事擁有好感的人在」
「はい」
「是」

 わかっていても、面と向かって言われると背筋がひやりと冷える。巫女見習いと言いだした時は、あと半年くらいの命だから、図書室の本さえ読めればそれでいいと考えていた。
 就算明白,被當面說也會背脊發冷。說出實習巫女的時候,正因為還有半年左右的性命,考慮著只要能看到圖書室的書就可以了。
 けれど、神殿には魔術具があった。青の巫女見習いになることで延命が可能になり、神殿との付き合いが期間限定のものではなくなってしまった。今までのような捨て鉢ではなく、もっと色々考えなくてはならないようだ。
 但是,在神殿有魔術具。變成了可能以當藍色實習巫女來延長壽命,跟神殿的往來變成了並非是期間限定的東西。不用像至今般的自暴自棄,更多的種種似乎不思考不行。

「今は本当に青色神官の人数が少なくて、魔力を持っている者が必要だから、無視くらいで済むだろうが、数年して、貴族が神殿に増えてくるとどうなるかはわからない。それは予め告げておく」
「現在真正的藍色神官的人數沒多少,因為擁有著魔力的人是必要的,無視就能完事吧,但過了數年,不知道貴族在神殿增加後會怎樣。那個先做預告了」
「……はい」
「……是」

 膝の上でギュッと拳を握って、唇を噛む。わたしが貴族に対して何かヘマをした場合、家族にも迷惑がかかってしまう。ここで無事に過ごせるだけの情報が欲しい。
 在膝蓋上緊緊握著拳頭,咬著嘴唇。我對貴族做錯了什麼的情況,也會給家人添麻煩。想要屬於能在這裡平安度過的情報。

「特に神殿長は誓いの式さえ拒む有様だ。他の青色神官も面識はないようだし、平民である君に対する感情が良いとは言えない。そのため、君の指導役は私が引き受けることになった」
「特別是神殿長連宣誓之儀都拒絕的樣子。其他的藍色神官似乎也不面熟,對身為平民的妳的感情不能說是好的。因此,妳的指導者由我來承擔。」

 身分はないのに魔力とお金だけ持っているわたしの存在は、貴族の特権意識を踏みにじるに等しいのだから、良い感情を持たれているはずがない。わかっている。けれど、貴族は良い感情を持たないと言う割には、神官長はずいぶん親身に忠告してくれていると思う。
 因為明明沒有身份卻只擁有著魔力與金錢的我的存在,等於踐踏貴族的特權意識,應該不可能擁有好感。我能明白。但是,比起說貴族不抱有好感,我認為神官長相當親密地給予了忠告。

「神官長は不快ではないんですか? その、わたしが……」
「神官長不會不高興嗎? 那個,我……」
「私は優秀な人間は評価する。特に今は神官や巫女の数が減ったことで、私に執務が集中している。書類仕事が得意な君が進んで手伝ってくれるとわかっているのに、疎むわけがないだろう?」
「我評價優秀的人。特別是現在神官和巫女的數量減少了,公務集中到我身上。明明知道文書工作很擅長的妳進來給予幫忙,沒理由疏遠吧?」

 フッと笑った腹黒笑顔に、ひくっと頬が引きつった。書類仕事が得意という発言が出たということは、前に言っていた調査が終わって、わたしに関する色々な情報が、すでに神官長には渡っているということだ。
 對噗地笑了的腹黑笑容,臉頰抽搐痙攣了。所謂說出文書工作很擅長的發言,是所謂之前說過的調查結束了,有關我的各種情報,已經交給了神官長。
 個人情報保護なんて概念は欠片もない世界だ。貴族である神官長が聞けば、相手はベラベラ喋るだろう。一体どんな情報を握られているのだろうか。怖い。
 一點都沒有個人情報保護之類的概念的世界。身為貴族的神官長打聽的話,對方會口無遮攔地說吧。到底被掌握了什麼樣的情報呢。好可怕。

「精一杯頑張りますけど、神殿におけるわたしの仕事って何ですか? やるべきことがあれば、教えてください」
「雖然會竭盡全力努力,但我對於神殿的工作是什麼? 有該做的事情的話,請告訴我」
「あぁ。君の仕事は、まず、私の助手として書類仕事だ。これが一番重要だな。午前中はここで書類仕事をしてもらう。次にお祈りと奉納。特に巫女として、お祈りはできるようになってもらわなければ困る」
「啊。妳的工作,首先,是作為我的助手的文書工作。這個是最重要的呢。中午之前請在這裡做文書工作。其次是祈禱與奉獻。特別是作為巫女,若不變得能做到祈禱的話會很困擾」
「お祈りはわかりますが、奉納って何ですか?」
「雖然祈禱能明白,但奉獻是什麼呢?」
「神具に魔力を込めることだ。フラン、盾を」
「是將魔力灌進神具裡。弗蘭,拿盾來」

 フランが小さく頷いて、直径50~60センチくらいの盾を手に戻ってきた。金で作られているらしい円形の盾は、神具と称されるのに相応しく、複雑な文様が彫りこまれ、ところどころに青の模様がついている。
 弗蘭小小點頭,將直徑50~60公分左右的盾拿在手上回來了。似乎是被用金做成的圓形的盾,被稱為神具很相稱,被雕刻進了複雜的圖樣,到處都加上了藍色的花紋。

 真ん中には手の平くらいの大きさで、中が燃えているようにゆらゆらと揺らめいて輝く黄色の宝石が埋め込まれている。そして、盾の周囲を縁取るようにビー玉くらいの大きさの同じような宝石がずらりと並んでいた。ただ、周囲の小さい宝石は半分ほどが黄色で、半分ほどが水晶のように透明のものだった。
 在正中央宛如手掌的大小,裡面被埋入了像是燃燒般搖搖晃晃地搖曳不已的光輝黃色寶石。而且,像是鑲邊在盾的周圍的宛如玻璃球大小一樣的寶石一整排排列著。只是,周圍的小寶石一半左右是黃色,一半左右是像水晶般透明的東西。

「この中央の魔石に触れなさい。自分の魔力を送りこむことを思い浮かべて……」
「請碰觸這個中央的魔石。想像出將自己的魔力送進去……」
「はい」
「是」

 宝石ではなく、魔石らしい。とってもファンタジーな物にドキドキしながら、わたしが右手でそっと触れると、盾全体がぼぅっと金色に光った。それと同時に複雑な模様と見たこともない文字のような記号の羅列が薄い緑の光となって、手首ほどの位置に浮かび上がる。
 不是寶石,似乎是魔石。一邊對非常幻想的東西心跳不已,我一邊用右手輕輕觸碰時,盾整體啵地在金色上發光了。與那個同時並列著複雜的花紋與沒見過的文字般的記號成為淡綠色的光芒,在手腕的位置浮了上來。

 うわぁ、魔法陣っぽい! すごい、すごい!
 嗚哇,魔法陣般! 好厲害,好厲害!

 好奇心に駆られて、光る記号を見つめていると、体内の熱が掃除機で吸われていくような感触がした。身食いで死にそうだった時にフリーダが魔術具を使ってくれた時と同じ感覚だ。
 被好奇心驅使,凝視著發光記號時,感到了體內的熱被吸塵器吸走的感觸。在因身噬快死時跟芙莉妲使用了魔術具時同樣的感覺。

 せっかくなので、普段は自分の中にある魔力を閉じ込めておくための蓋を意識的に開けてみた。熱い身食いの熱がぶわっと中心から飛び出して、一気に手の平へと向かって流れていき、勢い良く吸い取られていく。
 由於很難得,試著有意識地打開平時為了將存在自己體內的魔力預先關進去的蓋子。灼熱的身噬的熱猛然地從中心飛出去,一口氣往手掌琉了過去,聲勢十足地逐漸被吸走。
 不要な熱が吸いだされていく快感に身を委ねていたわたしはハッとした。
 委身於無用的熱被吸出的快感的我突然想到。

 ……これは壊れないよね?
 ……這個不會壞掉吧?

 フリーダの魔術具を壊したことを思い出したわたしは、ちょっと怖くなって、思わず手を引いた。そして、少し減った魔力をまた中心に封じ込める。
 回想起弄壞芙莉妲的魔術具的我,變得有點害怕,不由得收手了。然後,將稍微減少的魔力再次封進中心裡。
 魔力を放出したのは、ほんの少しの時間だったけれど、身体に負担をかける魔力が一気に減った。身体にかかっていた重石がなくなったように、身軽になった気がする。
 將魔力放出來,雖然只有一點點的時間,但增加身體負擔的魔力一口氣減少了。像是壓在身體上的重石變不見了,感覺變輕鬆了。

「ふむ。小魔石7つ分か」
「哦。小魔石7個份嗎」

 神官長の声に盾を見てみると、盾の周囲を飾っている小さい魔石の黄色が多くなっていた。魔力で満たされると色が変わる仕様らしい。どのくらい魔力が残っているのか一目でわかる。
 因神官長的聲音而試著看盾後,裝飾在盾的周圍的小小魔石的黃色變多了。似乎是被魔力填滿而變色的做法。一看就能明白還殘留著多少魔力呢。

 ……なんか、充電器になった気分。
 ……總覺得,變成充電器的心情。

 魔力を放出していた自分の右手を握ったり閉じたりしてみる。本当に身食いの熱って魔力なんだなぁ、とか、明確な出口があったことで魔力の流れが意外とよくわかったなぁ、とか、考えていると、神官長が心配そうにわたしを覗きこんできた。
 試著緊握打開放出魔力的自己的右手。是說身噬的熱真的是魔力啊、之類,魔力的流動有著明確的出口意外地很能明白呢、之類,在思考著時,神官長擔心似地探頭望向了我。

「マイン、身体に負担は?」
「瑪茵,對身體的負擔?」
「えーと、何だかすっきりして、身体が軽くなった感じです」
「呃,總覺得很爽快,感覺身體變輕了」
「……そうか。負担にならない程度で奉納するように」
「……是嗎。以不造成負擔的程度進行奉獻」
「わかりました」
「我明白了」

 神具に魔力を充電するのが奉納か。これは比較的楽な仕事だ。
 讓魔力為神具充電的奉獻嗎。這是比較輕鬆的工作。
 一番大変なのは、お祈りだろう。片足立ちって、今の身体ではかなり難しい。特に、腕を横に広げてバランスを取るのではなく、斜め上に上げるところが難しい。多分、角度や耐久時間も細かく指導されるだろうし。
 最辛苦的是,祈禱吧。單腳站立,用現在的身體相當困難。特別是,並非採取將手臂打橫的平衡,舉到斜上方的地方最難。大概,角度和耐久時間會被詳細指導吧。

「それから、最後の仕事は、聖典を読んで内容を覚えることだ」
「還有,最後的工作,閱讀聖典記住內容」

 ぼそっと低く小さく付け加えられた神官長の言葉に、わたしの耳がぴぴっと反応した。読んで覚えると言いましたね? 記憶力に自信はないけど、読むだけなら任せてほしい。
 對被小小聲低沉又微小補充的神官長的話噢,我的耳朵迅速起了反應。說了閱讀並記住吧? 雖然對記憶力沒有自信,如果只是閱讀希望能交給我。

「やります! すぐに図書室に行って!」
「我要做! 馬上去圖書室!」

 ガタッと立ち上がって、バッと手を挙げて、わたしが神官長にやる気をアピールしてみた。しかし、神官長はこちらを見ることなく、別の紙を手にとって目を通し始める。
 嘎嗒地站了起來,啪地舉起手,我試著向神官長呼籲幹勁。但是,神官長沒有看這邊,將別張紙拿到手上開始瀏覽。

「その前に寄付金の話に移りたい。座りなさい」
「在那之前想移到捐款的話題。請坐下」
「……はい」
「……好」

 お金の話は大事だ。特にわたしが払うと宣言した寄付金は高額なので、わたしも寄付金のことは気になっていた。主に払い方とか、寄付金の行方とか。
 金錢的話題很重要。特別是由於我宣言要支付的捐款是巨額,我也很在意捐款的事情。主要是支付方法啦,捐款的去向啦。

「君は大金貨1枚を寄付すると言ったが……」
「雖然妳說了會捐獻大金幣1枚……」

 神官長に軽く睨まれて、わたしはベンノに相談したことを思い出す。
 被神官長輕輕盯著,我回想起跟班諾商量的事情。
 たしか、「一年に何度もある儀式の度に、商業ギルドとしてのお布施が集金されるが、個人的にはしたことがない」と言われた。あと、「金額が多すぎるので、悪目立ちする可能性が高い。分けて払った方がいいんじゃないか? 金使いの荒い能無しに大金を与えすぎたら周りが迷惑するぞ」とも言われた。
 的確,被說了「每到一年裡有好幾次的儀式時,作為商業公會的布施被收了錢,但個人是不會做的」。還有,也被說了「由於金額太多,過分突出的可能性很高。不是分開支付比較好嗎? 用錢粗魯的廢物多給了鉅款的話周圍會很為難喔」。

「えーと、払えと言われたら、払えますけど、毎月小金貨1枚ずつ支払うような分割払いってできますか?」
「呃,被說了支付的話,雖然會支付,但能每月小金幣各1枚來支付般分開支付嗎?」
「寄付金はこちらが指定するものではないから、できないわけではないが、その理由は?」
「因為捐款不是這邊指定的東西,雖然並非做不到,但那個理由是?」
「いきなり全額払ったら、大金に目が眩んで、余計な出費が増える人もいる可能性があると知人に言われまして……。神殿の財政を仕切っている人に寄付金の行方や使い方を聞いたうえで、払い方を決めた方が良いんじゃないかと思ったんです」
「被熟人說了突然全額支付的話,對鉅款鬼迷心竅,有著增加多餘的費用的人存在的可能性……。我認為向區隔神殿財政的人打聽捐款的去向和使用方法之後,再決定支付方法會不會比較好」

 さすがに、ベンノの言ったままは言えない。濁した言葉でも意図は伝わったようで、神官長はわたしの言葉を聞いた後、しばらく考え込んで息を吐いた。
 畢竟,不會依照班諾說的來說。即便含糊其辭似乎也能傳達意圖,神官長聽到我的話語之後,暫時陷入沉思吐著氣息。

「寄付金は5割が神殿の維持費として使われ、残りは青色神官に分配される。神官に配られる金額には、地位によって多少の差がある。財政を預かる者の意見としては、最初は小金貨5枚で、残りを毎月小金貨一枚にした方が良い」
「捐款5成是作為神殿的維持費被使用,剩下的被分配給藍色神官。被分配給神官的金額,會根據地位多少有差別。作為負責財政者的意見,最初是小金幣5枚,剩下的每個月小金幣一枚會比較好」
「その金額は何故ですか?」
「那個金額是為何呢?」

 わたしが首を傾げると、神殿長はまとまった羊皮紙の束をわたしの前に差し出してきた。目を通してみると、それは帳簿の一部だった。ぎょっとするわたしに神官長は書類を指差した。
 我歪頭不解後,神官長將一束彙整好的羊皮紙遞出到我面前。試著瀏覽後,那個是賬簿的一部分。神官長對大吃一驚的我用手指著文件。

「神殿の収入は大まかに分けて、領主から与えられる奉納金と儀式の際のお布施、それから、青色神官の実家が負担する支援金がある。つまり、青色神官の減少は収入の減少に直結する。商人に分かりやすく言うなら、今の神殿は赤字経営だ。それから、神殿長は搾りとれと叫んでいたので、機嫌を取るためにもまとまった金額があると助かる」
「神殿的收入大致劃分,來自領主被給予的奉獻金與儀式之際的布施,還有,有藍色神官的老家承擔的支援金。也就是說,藍色神官減少直接連接收入減少。如果要簡單明瞭對商人說,現在的神殿是負債經營。還有,由於被神殿長叫喊著要搾取,為了討好而有了一大筆錢真是幫大忙了」

 ずいぶん内情をぶっちゃけられた気がするけれど、神殿が赤字経営なんて、わたしが聞いても良い内容だったんだろうか。
 雖然感覺相當被坦白了內情,但神殿是負債經營什麼的,是我聽了也可以的內容嗎。

「えーと、神官長。それって、わたしに言っちゃって良い内容なんですか?」
「呃,神官長。那個,是可以跟我說的內容嗎?」
「数日後には君が携わる仕事になるから、今教えたところで問題なかろう」
「因為在數天後會變成妳參與的工作,現在告訴妳也沒有問題吧」

 書類の手伝いというのは、オットーのところでやった計算だけを手伝わされるわけではなく、かなり突っ込んだことまでやらされるらしい。
 所謂文件的幫忙,並非是在歐拓那被迫只是做著計算,連相當深入的事情似乎都會被迫去做。

「……わかりました。お金はどうやって渡したらいいですか? 大金はいつもギルドカードでやりとりしているんですけど、神官長はギルドカードなんて持ってませんよね?」
「……我知道了。錢要怎麼交付才好呢? 雖然鉅款總是用公會卡交換著,但神官長沒有持有公會卡之類的吧?」
「君が持ってくればいいだけだろう?」
「妳只要帶過來就好了吧?」

 神官長は簡単にそう言ってくれるが、わたしの場合、大金はカードでのやり取りばかりで、自分の手では金貨を持ったことがない。わたしみたいな子供が大金を持って、商業ギルドから神殿まで歩くなんて怖すぎる。
 神官長給簡單地那樣說了,我的情況,鉅款盡是用卡片交換,沒有用自己的手拿著金幣。像我一樣的小孩子拿著鉅款,從商業公會走到神殿什麼的太過恐怖了。
 冬の手仕事の時の手数料でさえ、マルクに運ぶのを手伝ってもらうくらい小心者なのだ、わたしは。
 我是,就連冬季的手工的時候的手續費,都是請馬爾克幫忙搬運的小心者。

「大金に慣れている神官長には簡単な事でも、わたしが持ち運ぶには、大金すぎて怖いですよ」
「即便對習慣鉅款的神官長來說是簡單的事情,要我搬運,鉅款過頭很恐怖唷」
「ハァ、一体何のための側仕えだと思っている?」
「唉,妳認為近侍到底是為了什麼?」

 はい? 側仕え?
 什麼? 近侍?

 神殿長の言葉に思わず背後に並んで控えている側仕えを見回して、わたしは首を傾げた。あの人選ミスな側仕えに大金を預けるなんて、できるわけがない。
 因神官長的話語不由得環視在背後排列並靠著的近侍,我感到疑問。將巨款託付給那個人選失誤的近侍什麼的,不可能做到。
 フランならまだ神官長の命令なら何とか聞いてくれるかもしれないが、デリアやギルは嫌がらせに使われそうで怖い。わたしに対する態度を見た限りでは、どの側仕えもまだ信用できない。
 如果是弗蘭還有神官長的命令的話總覺得會聽也說不定,但蝶莉亞和基魯似乎被差遣來刁難很恐怖。只要觀察對我的態度,哪個近侍都還無法信用。

「他の人を挟んで、もし、渡した、もらってないって話になったら嫌じゃないですか。小金貨5枚なんて、預けるのも預かるのも怖いですよ」
「插進其他人,如果,交付,卻變成不會收下的話題的話不是很討厭嗎。小金幣5枚什麼的,委託和保管都很恐怖唷」
「……君は側仕えを信用していないのか?」
「……妳無法信任近侍嗎?」

 不思議そうな顔で神官長に言われて、わたしも不思議な気分になった。貴族というのは、初対面の態度の良くない他人を信用して、小金貨5枚が渡せるのだろうか。それとも、何か裏切らないような契約魔術のような物を結んでいるのだろうか。
 被神官長用不可思議般的表情說了,我也化作不可思議的心情。所謂貴族,是能信任初次見面的態度不好的別人,要交付小金幣5枚嗎。還是說,要締結為了不會被背叛的契約魔術般的東西嗎。
 わたしが側仕えを紹介されたところを思い返してみるが、それらしい契約はなかったはずだ。魔術に関する契約は血を使うので、さすがにわたしでもわかる。
 我試著重新考慮被介紹的近侍,像是那個的契約應該沒有。由於有關魔術的契約要使用血,畢竟連我也都明白。

「側仕えって言っても、何の強制力もない、初対面の他人ですよね? いきなり大金を預けるほど信用なんてできませんよ、普通」
「就算說是近侍,什麼強制力都沒有,是初次見面的別人吧? 突然委託鉅款般的信任什麼的做不到唷,普通」

 それも、友好的な態度が欠片もない相手だよ? 無理、無理。ここの側仕えに比べたら、まだギルド長の方が信用できるって。
 而且,是一點友好的態度都沒有的對象唷? 不可能,不可能。對比這裡的近侍的話,還是公會長那邊能信任。

 わたしがお金に関して信用できる大人は限られている。ベンノかマルクについて来てもらうことはできるだろうか。神官長は貴族なので、繋がりができることを考えれば、ベンノも断りはしないだろう。断らないでくれたら嬉しい。
 我有關金錢能信任的大人被限定著。能讓班諾跟著馬爾克過來嗎。由於神官長是貴族,考慮到能關聯的話,班諾也不會拒絕吧。不會拒絕就很高興了。

「大金持つのに慣れていて、わたしが信用できる大人について来てもらいたいので、神殿にその人をいれる許可を頂けませんか?」
「由於想要跟著習慣擁有鉅款、我能信任的大人過來,能不能取得讓那個人進入神殿的許可呢?」
「それは誰だ?」
「那是誰?」
「商業上のわたしの後見役をしてくださっているギルベルタ商会のベンノさんです」
「擔當著商業上的我的輔佐角色的基魯貝路塔商會的班諾先生」
「……ふむ、いいだろう」
「……哦,好吧」

 ルッツが迎えに来てくれたら、一度お店によって相談しよう。ついでに、側仕えの使い方も知らないか聞いてみたい。従業員の使い方と共通するところはないだろうか。
 路茲來迎接的話,依據店舖來商量一次吧。順便,是著打聽知不知道近侍的使用方法。有沒有跟工作人員的使用方法相同的地方呢。
 考え込むわたしの前で、神官長は帳簿を閉じて、アルノーに渡した。
 在沉思的我面前,神官長蓋上賬簿,交給阿魯諾。

「今日、話しておくことは以上だ。マイン、何か質問は?」
「以上是今天,事先要說的事情。瑪茵,有什麼問題嗎?」
「はい! 4の鐘の後、ルッツが迎えに来るまで図書室で本を読みたいのですが、わたし、図書室に入れますか? ぜひ、聖典を読んで覚える仕事がしたいです!」
「是! 4之鐘之後,路茲來迎接為止想要在圖書室看書,我,能進入圖書室嗎? 無論如何,都想要做閱讀聖典並記住的工作!」
「ルッツと言うと、君の体調管理をしている少年だったな。これからは、側仕えに体調管理をさせるように」
「路茲是說,做著管理妳的身體狀況的少年。今後,會讓近侍管理身體狀況」

 図書室に入れるかどうか聞いているのに、体調管理の話になってしまった。
 明明是在打聽能不能進入圖書室,卻變成了管理身體狀況的話題。
 わたしはもう一度側仕えを見る。ガシガシと頭を掻いていて明らかにやる気のなさそうなギルと、ぼーっと窓の外を見ているデリアと、わたしを通り越して神官長を見ているフラン。どう考えても、わたしの体調管理ができるようになるとは思えない。
 我再看一次近侍。猛烈地搔著頭明顯沒有幹勁似的基魯與,呆呆看著窗外的蝶莉亞與,越過我看著神官長的弗蘭。就算怎麼考慮,都不認為能做到管理我的身體狀況。

「側仕えが管理できるようになるまでは、ルッツを同行するように家族に言われてるんです。ルッツにも負担が大きいですから、早くできるようになって欲しいとわたしも思ってますよ。頑張ってくれたらいいですね。……それで、図書室に行っても良いですか?」
「直到近侍變得能管理為止,被家人說了要讓路茲同行。因為對路茲的負擔也很大,我也想著希望能早點做到唷。能加油就好了呢。……接下來,可以去圖書室了嗎?」
「あぁ。フラン、案内してやれ」
「啊。弗蘭,去帶路」
「かしこまりました」
「謹遵吩咐」

 神官長の言葉に軽く手を交差させて、フランが微かに笑みを浮かべて頷く。誇らしげな顔つきはわたしが見ていたものとは全く違うもので、フランの主が誰であるかを如実に示していた。
 對神官長的話語輕輕交叉著手,弗蘭浮現微微笑容點頭。由於自鳴得意的相貌跟我所看到的完全不一樣,如實地表示著弗蘭的主人是誰。

 まぁ、でも、神官長付きの灰色神官だったら、まだ安全だろう。神官長に心酔してそうだし、問題行動を起こすことはなさそうだ。そんな評価を下しながら、わたしはフランの後ろを飛び跳ねるようにして歩く。
 算了,但是,是神官長給予的灰色神官的話,還算安全吧。似乎欽佩於神官長,似乎不會產生問題行動。一邊做出那樣的評價,我一邊做出像是跳躍般走在弗蘭後面。

 何はともあれ、図書室~! これはお仕事なの! わたしのお仕事!
 不管怎麼說,圖書室~! 這個是工作喔! 我的工作!

 浮かれて足取り軽く歩くわたしの後ろから、デリアとギルが付いてきていた。神官長の部屋から少し離れたところで、ギルがケッと悪態を吐いた。
 從興高采烈腳步輕盈走著的我的後面,蝶莉亞與基魯跟了上來。在從神官長的房間稍微離開的地方,基魯破口大罵著。

「図書室なんかに行きたがるなんて、バカじゃねぇの」
「圖書室之類想去什麼的,不是笨蛋嗎」

 カチーン! 本の偉大さも知らないバカはお前だ!
 令人火大! 書本的偉大都不知道的笨蛋是你!

 くるりと振り返って、わたしが力一杯ギルを睨むと、ギルは鼻の頭に皺を刻んで臨戦態勢に入った。
 轉一圈回頭,我竭盡全力瞪著基魯後,基魯在鼻頭上刻下皺紋進入臨戰態勢。

「何だよ、その目。お前なんか貴族でも何でもないただの平民だろ? オレ達と大して変わらないのに青の衣なんて着て偉そうにしやがって。俺はお前なんか主とは思わないからな。絶対に命令なんて従わねぇし、目一杯困らせてやるからな」
「什麼呀,那個眼神。妳連貴族什麼的都不是只是個平民吧? 明明跟我們沒多大變化卻穿著藍衣之類的看起來很了不起。因為我可不認為妳是主人呢。絕對不會遵從命令之類的,會盡力讓妳傷腦筋的」

 ギルがわたしを主と思わないのと同じように、わたしもギルを側仕えだとは思えないし、今のわたしには躾のなってないガキを躾けるだけの体力も気力も愛情もないのだ。故に、流す。
 就跟基魯不認我為主人一樣,我也不認基魯是近侍,現在的我沒有屬於管教沒教養的基魯的體力或力氣與愛情。所以,作罷。

「そう、わかった。お互い様だね」
「是喔,知道了。彼此彼此」
「……っ!? わかったって何だよ!? バカにしてんのか!?」
「……!? 說知道了是什麼呀!? 當我笨蛋嗎!?」

 ガーッと怒鳴り始めたギルに背を向けて、わたしは歩き始める。
 將背轉向開始激烈怒吼的基魯,我開始走了起來。
 その途端、背後から少女の高い声が響いた。
 那個瞬間,從背後響起了少女的尖銳聲。

「本当にバカにしてるわよね」
「真的是笨蛋呢」
「デリア?」
「蝶莉亞?」

 表面上の笑顔さえも消し去って、デリアはフンと鼻を鳴らす。男に媚びるタイプだと思っていたので、他の側仕えがいる間は本性を出さないだろうと思っていたのに、あっさり出したことにビックリした。
 連表面上的笑容都消失了,蝶莉亞哼響了鼻子。由於認為是諂媚男人的類型,明明想著有其他近侍在的期間不會顯露出本性吧,卻乾脆顯露而嚇了一跳。
 どうやら、デリアへの評価を変えなければいけないようだ。もしかしたら、男に媚びる八方美人タイプではなかったのかもしれない。それとも、狙った相手以外には媚びない肉食系ハンタータイプ?
 看來,似乎必須要改變給蝶莉亞的評價了。難道說,並不是諂媚男人的四面玲瓏類型也說不定。或者說,是對目標對象以外不會諂媚的肉食系獵人類型?

 わたしがデリアを見つめていると、深紅の髪をバサッと掻き上げて、高慢な少女漫画のキャラクターのようにツンと顎を上げた。8歳という幼さで、それなりに様になっているところが怖い。
 我凝視著蝶莉亞時,將深紅色頭髮往上梳,就像是高傲的少女漫畫的角色一樣抬起下巴。以8歲的幼年,變成了那個樣子般的地方很可怕。

「あぁ、もー! せっかく神殿長付きの見習いになれたのに、よりによって、あたしの魅力が通じない女に回されるなんて。しかも、鈍臭そうな貧民の子供なんでしょ? ホント最悪よね」
「啊,真是! 明明難得成為配給神殿長的實習,好死不死,被轉給了不懂我魅力的女的什麼的。而且還是,遲鈍似的貧民的小孩子吧? 真的糟透了呢」

 デリアは神殿長の回し者らしい。友好的ではないわけだ。
 蝶莉亞似乎是神殿長的間諜。是不可能友好的。
 それにしても、一体何を考えてスパイ宣言してるんだろう? これも神殿長の指示?
 不過,到底考慮了什麼才做了間諜宣言吧? 這也是神殿長的指示?

「じゃあ、交代してもらうね」
「那麼,有勞妳交換了呢」

 いきなりの暴露に首を傾げてつつ、これ幸いと交代を申し出たら、デリアはやや吊り気味の目を更に吊り上げて、怒りだした。
 對突然暴露一面感到疑惑,一面提出與這份幸運交換的話,蝶莉亞更加豎起微微豎著的眼神,生起氣來。

「もー! あんた、ホントにバカね。交代なんてしないわよ。何言ってんの!?」
「夠了! 妳,真的是笨蛋呢。交換什麼的不會做的唷。在說什麼啊!?」

 それはこっちのセリフ。何言ってんの?
 那是這邊的台詞。在說什麼啊?

「神殿長から直々にあんたを困らせるように頼まれたのよ? 交代なんてことになったら、あたしの能力が疑われるでしょ!」
「被神殿長拜託了要直接讓妳感到為難唷? 交換什麼了的話,我的能力會被懷疑吧!」

 言葉は通じるのに、お互い話が通じないようだ。全く理解できない。神殿長から直々に嫌がらせを頼まれたと宣言する人間を近付けるわけがない。さっさと交代させるに限る。 
 似乎明明語言相通,彼此的對話卻不通。完全無法理解。不可能靠近宣言了被神殿長拜託要直接刁難的人類。盡量趕快讓她交換。
 そこまで考えて、はたと気が付いた。デリアを排除しても、神殿長側から代わりの側仕えが来るだけに違いない。隠し事が上手いタイプよりは、わかりやすく自己顕示してくれるデリアの方がわたしにとって安全かもしれない。
 考慮到那,忽然注意到。就算排除蝶莉亞,肯定只有來自神殿長那邊代替的近侍會來。比起擅長隱藏事情的類型,簡單易懂顯示自我的的蝶莉亞對我更加安全也說不定。
 考え込むわたしにデリアがビシッと人差指を突きつけてきた。
 蝶莉亞對沉思的我迅速地伸出了食指。

「青の衣なんて着ていたって、あんたなんか怖くないわよ! あたしは神殿長に認めてもらって、そのうち愛人になるんだから!」
「雖然穿著什麼藍衣,但妳才不可怕唷! 我受神殿長認可,所以會成為其中的愛人!」

 わたしが聞き間違えたのか、それとも、ここ最近は幼女の愛人契約が流行っているのだろうか。フリーダの口から聞いた時の衝撃を同時に思い出し、神殿長の年を考えて気持ち悪くなった。
 是我聽錯了嗎,還是說,這裡最近流行著小女孩的愛人契約嗎。同時回想起來自芙莉妲的口中聽到時的衝擊,考慮到神殿長的年紀變噁心了。
 まさか神殿長がロリコンの変態だったとは予想外だ。以前に見た灰色巫女から、秘書系の色気姉さんが好みだと思っていたのに、裏切られた。
 沒想到神殿長是蘿莉控變態是預料之外。明明因為以前見過灰色巫女,還想著喜好秘書系的嫵媚姊姊,被背叛了。

「……あの、愛人って、威張ること?」
「……那個,愛人,是能驕傲的事情?」
「そうよ、愛人なのよ? 愛人は女が一番望む地位じゃない。あんた、そんなことも知らないの? まぁ、あたしくらい可愛くないと望んでも無駄だけどね」
「沒錯,是愛人唷? 愛人不是女人最期望的地位嗎。妳,這種事情也不知道嗎? 算了,妳又不可愛即便期望也不可能就是了呢」
「え? 一番望むのが愛人なの?」
「咦? 最期望的是愛人嗎?」

 これは明らかに常識が違う。少なくとも、フリーダは愛人という立場がどういうものか、わたしと同じような意味合いで理解していた。少なくとも、誇らしそうに胸を張って、威張って、それを目指すとは言っていなかった。
 這個明顯是不同常識。至少,芙莉妲說著愛人的立場是怎樣的東西呢,是以跟我相同的意義在理解著。至少,沒說過是自豪似地挺起胸膛、是驕傲、是以那個為目標。

 感覚が違うことをすぐに受け入れられないわたしをバカにするように、ギルがニヤニヤ嫌な笑顔で笑いながら肩を竦める。
 像是把不能馬上接受感覺不一樣的我當笨蛋,基魯用邪惡討厭的笑容一邊笑一邊聳著肩。

「当たり前だろ? 青色神官の愛人になったら、灰色神官を逆に使える立場になるんだぜ? 神殿長の愛人なら他の神官もうるさくないだろうし、女は得だよな。……それにしても、お前、ホント頭大丈夫か? こんな常識、なんで知らないんだよ?」
「理所當然吧? 成為藍色神官的愛人的話,會變成反過來指使灰色神官的立場喔? 如果是神殿長的愛人其他的神官也不會吵鬧吧,女人很有利呢。……不過,妳,腦袋不要緊吧? 這種常識,為何會不知道唷?」

 無知だと蔑まれても、怒りがちっとも湧いてこない。むしろ、孤児院の女の子にとっては一番の出世が権力者の愛人だなんて、そんなこと知りたくなかった。
 就算被輕蔑是無知,憤怒一點也湧不出來。不如說,對孤兒院的女孩子來說最能發跡的是權力者的愛人什麼的,不想知道那種事情。
 愛人が一番なんて、わたしが今まで接することがなかった常識だけれど、彼らはその中で生きていて、神殿ではこれが常識なのだ。ここで生活圏の違うわたしが何を言っても、受け入れられることはないだろう。
 愛人最好什麼的,雖然是我至今接觸過的事情沒有的常識,但他們生活在那之中,在神殿那就是常識。在這裡生活圈不同的我就算說什麼,也不會被接受吧。

「ギル、言葉が過ぎる!」
「基魯,說過頭了!」

 頭を抱えたわたしを見て、フランが声を上げた。しかし、ギルはちっとも悪びれることなく、へへん、とわたしを嘲る。
 看到擔憂不已的我,弗蘭發出了聲音。可是,基魯一點都不膽怯,嘿嘿、地嘲笑著我。

「そいつが物知らずなのが悪いんだよ。誰でも知ってることだぞ?」
「是那傢伙無知的錯唷。是任誰都知道的事情喔?」
「……マイン様、先程神官長もおっしゃったでしょう。態度がすぎる時は諫めるように、と」
「……瑪茵大人,剛才神官長也說過了吧。像是態度太過份的時候要勸告,那樣」
「そうだね。ところで、図書室はまだ?」
「說得也是呢。話說回來,圖書室還沒到?」

 すごいどうでもよくなった。ギルやデリアを諫めるとか、叱るとか、そんな体力も気力もいることしたくない。
 變得過於怎樣都好了。勸告、喝斥基魯和蝶莉亞之類,不想做那種要體力或力氣的事情。
 神官長に心酔していて、多分わたしに仕えるのは嬉しくないフランに、神殿長の愛人を目指して、嫌がらせをするつもり満々のデリアと、最初から仕える気も言うことを聞く気もないとわたしをバカにしているギル。
 對於醉心於神官長、大概對侍奉我不高興的弗蘭,以神殿長的愛人為目標、打算刁難滿滿的蝶莉亞與,從最初就沒聽到說要服侍我把我當笨蛋的基魯。
 こんな側仕えと何とか上手くやっていく方法を考えるより、本を読めることを考えた方がよっぽどいい。
 比起考慮想辦法好好驅使這種近侍的方法,還不如考慮看書的事情好。

「神官長に報告しますよ」
「會向神官長報告喔」
「どうぞ」
「請便」

 溜息を吐いたフランが一つの扉を開けて、中に入っていく。
 嘆了一口氣的弗蘭打開了一扇門,進入了裡面。
 開かれた先にある楽園を目にして、ドクンと心臓が高鳴った。わたしはまた阻まれないか心配でドキドキしながら腕を伸ばして、透明な壁がないが探りながら図書室に向かって足を進める。以前と違い、阻まれることなく中に入ることができた。
 將存在被開啟前方的樂園收入眼中,心臟怦地激響。我擔心著再次被阻止一邊七上八下一邊伸起手臂,一邊尋找有沒有透明的牆壁一邊讓腳朝圖書室前進。跟以前不一樣,能不被阻止地進入裡面。

「うわぁ!」
「嗚哇!」

 完全に中へと入った瞬間、空気が明らかに変わった。
 完全進入裡面的瞬間,空氣明顯改變了。
 感動に打ち震えながら、わたしは埃っぽい書庫独特の空気を胸一杯に吸い込む。自分が知っている書庫の匂いと違うのは、羊皮紙が主流であることと、木札の存在が多いせいだろうか。インクの質が違うせいだろうか。
 一邊因感動而顫抖,我一邊將滿是塵埃的書庫那獨特的氣味滿滿吸進胸中。跟自己所知的書庫的味道不一樣,是羊皮紙身為主流且,木牌的存在很多的緣故吧。是墨水的質量不一樣的緣故吧。
 それでも、インクの匂いや古い紙の匂いが懐かしくて、嬉しくて、目の奥が熱くなってくる。
 儘管如此,墨水的味道和老舊紙張的味道令人懷念,令人高興,眼底深處變熱了起來。

 図書室の本棚の数はそれほど多くなく、扉の締められた本棚や木札や紙きれが詰まった本棚もある。巻物を保管するための本棚も別にあり、手芸屋で棚に詰め込まれた布のロールのように巻かれた書物が棚に積まれて、タイトルを書いたラベルが垂れ下がっていた。
 圖書室的書架數量並沒那麼多,被門緊閉的書架和塞滿木牌和紙張的書架也有。另外也有為了保管卷軸的書架,像是在手工店被塞進架子裡的布捲般被捲起的文件堆積在書架上,寫著標題的標籤垂了下來。
 少し奥には巻物を保管するための円柱型の樽のような箱もあり、納められている巻物のシリーズ名を書いたラベルが貼られている。
 在稍微深處有著為了保管卷軸的圓柱型木桶般的箱子,被貼上寫著被收納著的卷軸的系列名的標籤。

 等間隔に作られた窓からはさんさんと日が差し込んで明るく、丁度窓の明かりが取れる場所に大学にあるような長机が置かれていた。天板が斜めになっている書見台には上を鎖で繋がれた本が数冊立てかけられて、読んでほしいとわたしに訴えかけてくる。
 從被等間隔做成的窗戶日光燦爛地照了進來而很明亮,在正好採得窗戶明亮的地方被放置著存在於大學般的長桌子。在桌面成斜著的讀書桌上被用鎖繫上的書本好幾本被立起,對我訴說著希望被閱讀。

「これが聖典です」
「這個是聖典」

 フランに促され、わたしは鎖に繋がれた聖典を読むために、皮で装丁された表紙にそっと触れた。そして、小口が開かないように止められている皮のベルトを外す。
 被弗蘭催促,我為了閱讀被鎖繫上的聖典,輕輕觸碰被用皮裝訂的封面。然後,取下為了書頁不會被掀開而止住的皮書腰。
 次の瞬間、小口がぶわりと広がって、表紙が勝手に持ちあがる。湿気を含んだ羊皮紙なら当たり前のことだが、わたしには本が読むことを催促しているように見えた。
 下個瞬間,書頁飄然打開,封面擅自掀起。如果是蘊含濕氣的羊皮紙那是理所當然的,但看起來就像是在催促著我看書。

 あぁ、一体いつぶりの本だろう。
 啊,到底是多久未見的書呢。

 表紙を開くと、ジャラリと重たい鎖の音がシンとした図書室に響いた。少し黄ばんでいるように見えるページをめくる指先が震える。
 打開封面,錚錚地沉重鎖聲在寂靜的圖書室裡響起。翻著看起來好像稍微泛黃的頁面的指尖顫抖著。
 少し癖のある手書きの文字をなぞりながら、わたしは本を読み始めた。
 一邊臨摹稍微有風格的手寫文字,我一邊開始看書。

「おい、昼だぞ。昼食の時間だ」
「喂,中午了喔。午餐的時間了」

 久し振りの至福の時間に浸っているというのに、邪魔者が現れた。声だけなら耳に入ることもないけれど、わざわざわたしの肩を揺さぶられたら、さすがに現実に戻らざるをえない。
 明明沉浸在久違的至高幸福的時間,妨礙者卻出現了。雖然如果只有聲音是不會聽到的,但被特意搖晃我的肩膀的話,到底是不得不返回現實。

「ギル、図書室は私語厳禁。静かにできないなら、出てってくれる? わたし、本を読むから」
「基魯,圖書室禁止私語。如果不能安靜,就出去? 因為我,要看書」
「ハァ!? 昼食だぞ!?」
「啥!? 午餐了喔!?」

 ギルがぎょっとしたように叫ぶが、わたしにとっては、昼ご飯と本なんて比べる対象にもなりはしない。本を読んでいられたら、二日くらいは食べなくても空腹なんて感じずにいられる。
 基魯像是大吃一驚地叫著,對我來說,午飯跟書是無法成為比較對象的。看著書的話,就算兩天左右不吃也不會感到空腹什麼的。

「わたし、主じゃないみたいだし、ギルがここにいる必要ないよ? 勝手に食べてきていいから、出てって」
「我,好像不是主人,基魯沒必要待在這裡唷? 因為可以隨意地去吃,出去」
「お前……」
「妳……」

 人が親切に自由を与えてあげているのに、ギルはぎょっとしたように目を見開いて、まだ何か言おうとした。
 明明人親切地給予了自由,基魯卻大吃驚一般睜大了眼睛,還打算說些什麼。

「邪魔、しないで」
「不要,打擾我」

 理性が切れる前に、意識的に魔力の蓋を開いて、全身に魔力を行き渡らせる。先程の奉納で何となく掴んだ魔力の放出を早速使ってみた。
 在理性斷線之前,有意識地打開魔力的蓋子,讓魔力走遍全身。試著立刻使用因先前的奉獻而總覺得能抓住魔力的放出。
 次の瞬間、フランがギルとデリアの首根っこを引っ掴んで、慌てた様子で図書室を飛び出していく。
 下個瞬間,弗蘭用力抓住基魯與蝶莉亞的脖子,以驚慌的樣子飛奔出了圖書室。

 うん、静かになった。
 嗯,變安靜了。

 魔力を中心に押し込めて、わたしはまた文字列を追っていく。
 將魔力壓進中心,我再次追逐文字列。
 4の鐘が鳴って、ルッツが来るまで邪魔は入らなかった。
 4之鐘響起,直到路茲來了都沒被打擾。

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 聖典を読むのは、大事なお仕事です。
 閱讀聖典是,重要的工作。
 邪魔は許されません。
 不容許妨礙。

 次回は、ベンノさんとお金を下ろすために商業ギルドに行きます。
 下回,與班諾先生為了取錢而去商業公會。
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