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第一部士兵的女兒 閒話 名為門衛的工作

作者:SPT草包│2018-01-18 22:57:15│贊助:2│人氣:205
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 閑話 門番という仕事
第一部士兵的女兒 閒話 名為門衛的工作
原文連結

 俺はギュンター。
 我是君泰。
愛する家族を守るため、今日も南門で門番をしている32歳だ。
為了保護深愛的家人,是今天也在南門做著門衛的32歲。

 今日はオットーが非常に鬱陶しい。笑み崩れてニヤニヤしていて、仕事になっていない。おそらく溺愛している妻に何か良いことがあったのだろう。わかっていても、何発か殴ってやりたいようなにやけ顔だ。
 今天歐拓非常地令人厭煩。笑容鬆垮垮的傻笑著,變得無法工作了。大概是溺愛著的妻子發生了什麼好事吧。就算明白,也是想要毆打好幾拳的女子相。

「オットー、少しは顔を引き締めろ。そんな顔で門番が務まるか!?」
「歐拓,稍微把臉繃緊。用那樣的臉能擔任門衛嗎!?」
「引き締めてますよ、一応」
「會繃緊的喔,姑且」

 俺が指摘すると、オットーはパンパンと自分で頬を叩いて、顔を引き締めているが、全く効果はない。頬が少し赤くなっているが、顔は崩れたままだ。
 我指出後,歐拓啪啪地自己拍著臉頰、繃緊著臉,但完全沒效果。臉頰稍微變紅了,但臉仍舊鬆垮垮的。
 呆れて溜息を吐く俺の背後で、クックッと低い笑い声が聞こえてきた。振り返るとそこには士長が肩を揺らしながら立っていた。
 在吃驚地吐露嘆息的我的背後,聽到了咕咕地低沉笑聲。回過頭後在那裡的是士長一邊搖晃著肩膀一邊站著。

「部下は上司に似るのか? 仕事に対する上の空っぷりが娘に何かあった時のお前とそっくりだぞ」
「是部下很向上司嗎? 對工作心不在焉跟在女兒發生了什麼的時候的你一模一樣喔」
「っ!? いや、士長、俺は……」
「!? 不,士長,我……」
「お前がちょっと話を聞いてやれ。なに、いつもと逆なだけだ」
「你稍微去聽他說話。什麼,就只是跟平常相反而已」

 ポンポンと俺の肩を叩いて、士長が去っていく。
 碰碰地拍拍我的肩膀,士長離去了。
 トゥーリの洗礼式で落ち込んだり、マインに関することでは時々話を聞いてもらっていたり、時折オットーには世話をかけている自覚が少しはある。
 又是在圖麗的洗禮式上低落,又是在有關瑪茵的事情上時不時聽我說話,偶爾稍微有會讓歐拓關照的自覺。

 仕方ない。気は重いが、今日はオットーにとことん付き合うことにするか。……だが、オットーのヤツと話をしたら、本気でのろけ話が長いんだよな。
 沒辦法。空氣凝重,但今天決定要徹底陪著歐拓嗎。……但是,跟歐拓那傢伙說話的話,認真曬恩愛的話題會很長吧。

 溜息を吐く俺は、自分が周囲に同じような評価を下されているとは思ってもみなかったし、家族愛が鬱陶しい二人で仲良くやってほしいと望まれているなんて知る由もなかった。
 嘆了一口氣的我,作夢也沒想到自己被周圍做出同樣般的評價,家族愛令人厭煩的兩個人被期望希望打好關係什麼的沒有知道的理由。


 交代と引き継ぎを終えると、オットーを連れて東門の方へと足を伸ばす。
 結束交替與接班後,帶歐拓往東門的方向伸出了腳。
 東門は街道に繋がる門で、最も人通りが多く、宿屋や飲食店が軒を連ねている通りになる。大通りに近い路地や裏通りにも店は軒を連ねていて、この街の住人は大体行きつけの店を持っているものだ。
 東門是連接街道的門,行人最多,變成旅館或餐飲店連成一排屋簷的通路。在靠近大街的巷道或小路也有店舖連成一排屋簷,這座城市的居民大致擁有經常去的店家。

 夏なので、どの店も出入り口の扉は大きく開け放たれていて、中で酒を飲みながら大騒ぎしている声があちらこちらから聞こえてくる。行き交う人とぶつかるのを避けながら、俺達は門の兵士が集まりやすい行きつけの酒場に向かった。
 因為是夏季,哪家店舖都大大地敞開出入口的門扉,在裡面一邊喝酒一邊大吵大鬧的聲音到處都聽得見。一邊避開跟往來的人碰撞,我們一邊轉往門的士兵容易聚集常去的酒館。

 酒と料理の匂いが充満する酒場の中に踏み込むと、店のほぼ真ん中にある二つの並んだ長テーブルは団体の客が占領して、十数人が大声で何やら言い合っている。壁際には少人数で利用できる丸テーブルがいくつかあり、ほとんどが埋まっていた。
 踏進了酒跟料理的味道充滿著的酒館之中後,在店家的差不多正中央有著兩張並列的長桌子是團體的客人佔領著,數十人大聲地互相交談著什麼。在靠牆有著幾張少數人能利用的圓桌子,幾乎填滿了。

「いっぱいですね」
「滿滿的人呢」
「さっさと行くぞ」
「趕快去吧」

 わぁわぁと大騒ぎしている団体さんの後ろを通り抜けて、奥のカウンターで酒を注いでいる店主に声をかける。
 通過哇哇地大吵大鬧著的團體後面,向在深處的櫃檯到酒的店主打了聲招呼。

「おぅ、エッボ。ベレアを二人分だ。後は腸詰の塩茹でをいくつか適当に頼む」
「喂,艾保。兩人分貝雷亞。之後拜託來幾份適當的鹽煮香腸」
「あいよ」
「好喔」

 店主であるエッボにベレアを二人分注文する。洗礼式の後から兵士見習いとして門番をしている俺にとっては、それほど大きくないこの街の人間なんて、顔を見せずに馬車で移動する富豪や貴族を除けば、ほとんどが顔見知りのようなものだ。
 跟身為店主的艾保點了兩人份的貝雷亞。對於從洗禮式之後就做著作為實習士兵的門衛的我來說,並不是那麼大的這座城市的人們什麼的,除了看不到臉用馬車移動的富豪或貴族的話,大體上是熟識般的東西。
 ベレア2杯分と腸詰の代金として大銅貨1枚をカウンターの上に出すと、エッボが木の杯にベレアをなみなみと注いでくれた。零さないように気を付けながら杯を持つと、空いているテーブルを探して、奥の方の丸テーブルへと移動する。
 在櫃檯上拿出作為貝雷亞2杯份與香腸的貨款大銅幣1枚後,艾保注入滿滿的貝雷亞在木杯裡。一邊注意不會灑落一邊拿著杯子,尋找空著的桌子,往深處那邊的圓桌子移動。

 まだ前の客の食器が残っていたが、俺達が座ろうとするのを目敏く見つけた給仕女が木の杯やフォークなどの食器を手早く持ち去っていく。
 雖然還有前個客人的餐具殘留著,但眼尖看到我們打算座下的女招待迅速拿走木杯或叉子之類的餐具。
 テーブルに残されているのは、肉汁を吸って少しふやけた食器代わりの固いパンだけだ。そのパンでテーブルの上をザッと拭いて、パンごと床に落とせば、店の犬が尻尾を振りながらやって来て、パンをガフガフと食い始める。
 被留在桌子上的,只有吸了肉汁稍微發漲代替餐具的硬麵包。用那個麵包粗略地擦拭桌子上面,麵包掉到地板上後,店狗一邊搖著尾巴一邊過來,大口大口地開始吃著麵包。
 片付いたテーブルの上に自分達が持ってきた杯を置いて、ガタガタと音を立てながら椅子に座った。
 我們自己將拿過來的杯子放在收拾整齊的桌子上,一邊發出喀嗒喀嗒的聲音一邊座在椅子上。

「ヴァントールに感謝を」
「感謝范拓路」

 酒の神に感謝を述べ、木の杯を軽く互いに見せ合うと、ベレアを口へと運んだ。
 向酒之神述說感謝,輕碰木杯互相對面後,把貝雷亞送給口中。
 ゴクゴクゴクと杯のほとんどを一気に喉に流し込むように飲む。これがベレアを一番うまいと感じる最高の飲み方だと俺は思っている。仕事帰りの乾いた喉を通過するベレアの清涼感が堪らない。しゅわしゅわとする炭酸の刺激とベレア独特の苦みと香りが一瞬遅れて口の中に広がっていく。
 咕嚕咕嚕咕嚕地一口氣將杯裡的大部分像是灌進喉嚨裡喝掉。我認為這是讓貝雷亞感覺最美味的最棒喝法。忍受不了貝雷亞的清涼感通過工作歸來的乾渴喉嚨。碳酸冒著氣泡的刺激並貝雷亞獨特的苦味與香氣遲了一瞬間在口裡面擴散開來。

「ぷはぁ、うまい!……で? 一体何があったんだ?」
「噗哈,好喝!……那麼? 到底發生了什麼呀?」

 空になった杯をテーブルにトンと置いて、口元の泡を拭っているオットーを促す。オットーは給仕女から腸詰の塩茹でを受け取りながら、二人分のベレアのおかわりを頼んだ。
 將空了的杯子咚地放在桌子上,擦去嘴角的泡沫催促歐拓。歐拓一邊收下來自女招待的鹽煮香腸,一邊拜託了再一杯兩人份的貝雷亞。
 皿代わりに使う固いパンの上に腸詰を取りながら、オットーはデレデレとした、にやけ顔で軽く肩を竦める。
 一邊拿起在代替盤子使用的硬麵包上的香腸,歐拓一邊懶懶散散、用女子相輕輕聳著肩。

「いやぁ、これはまだ言うなってコリンナに言われているので、いくら班長が相手とはいえ、喋れませんよ」
「不,由於被柯琳娜說了這還不能說,就算說對象是班長,也不能說」
「何だ、子ができたのか」
「什麼呀,是有孩子啦」
「な、なな、なんでわかったんですか!?」
「為、為為、為什麼會知道啊!?」
「いや、お前の状態と他に言うなという奥さんの言葉でわかるだろ?」
「不,從你的狀態與顧左右而言他的太太的話語就明白的吧?」

 参ったな、とオットーが頬を掻く。
 認輸、似地歐拓搔了搔臉頰。
 わかったのは、俺が全く同じことをして、周りに同じように指摘されたからだが、そんな余計な事は言わない。
 明白的是,我做過完全相同的事情,因為同樣被周圍指摘,不過那種多餘的事情是不會說的。

 それにしても、オットーが父親か。こんな浮かれている男で大丈夫か? と、一瞬頭をよぎった言葉も、よく考えてみれば自分が言われた言葉だった。
 就算是那樣,歐拓當父親嗎。這麼樣輕浮的男人不要緊嗎? 地、一瞬間略過了腦袋的話語,試著好好考慮的話是自己被說過的話語。

 うん、子供ができて浮かれるということは、愛情深い良い父親になるはずだ。全く問題ないな。
 嗯,所謂有了小孩而興奮這件事,應該會成為愛情深厚的好父親。完全沒有問題。
 我が身を省みた後、そう納得する。
 反省自身後,那樣裡解。

「はい、おかわり! お待ちどうさん」
「好的,再來一杯! 稍等一下」

 テーブルの上にドンと勢い良く杯が置かれて、中身が揺れてわずかにベレアの泡が飛び散った。しかし、そんな細かいことを気にする店員も客もいない。
 在桌子上咚地氣勢良好的杯子被放置著,內容物搖晃著貝雷亞的泡沫些許地飛散了。可是,沒有介意那種細微事物的店員或客人。
 給仕女に中銅貨を渡すと、俺とオットーは周りの喧騒につられるように、杯に口を付けた。一杯目と違って、勢いで流し込むことはなく、麦の香りと苦味と甘味と旨みの混ざった複雑な味を舌の上で転がして味わいながら、ゴクリと飲み下す。
 交付中銅幣給女招待後,我與歐拓像是被周圍的喧囂勾引,將嘴貼到杯子上。跟第一杯不同,沒有用氣勢灌進去,一邊在舌頭上滾動品味著混合了麥香與苦味與甜味與美味的複雜味道,一邊咕嚕地喝下去。

 そういえば、オットーの奥さんはエーファとトゥーリにとって憧れの裁縫師で、トゥーリは今の工房のダルア契約が終わったら、オットーの奥さんの工房へ移れるように頑張ると言っていた。
 這麼說來,歐拓的太太對於艾法與圖麗來說是憧憬的裁縫師,圖麗說過了結束了現在的工坊的達魯亞契約的話,會為了轉移到歐拓的太太的工坊而努力。
 そして、奥さんの兄はマインが世話になっている商会の旦那様だ。自分自身はオットーとしか繋がりがないけれど、家族全体で見てみると意外と関係が深くなっている気がする。
 而且,太太的哥哥是成為了照顧著瑪茵的商會的老爺。雖然說自己本身跟歐拓沒有聯繫,但試著看看家族全員後就注意到意外地關係變得很深厚。

「オットー。お前、奥さんも子供も大事にしてやれよ。お前の子が大店の後継ぎになるんだろう? マインが前にそんなことを言っていたぞ」
「歐拓。你,太太跟小孩都要好好珍惜喔。你的孩子會成為大店舖的繼承人吧? 瑪茵之前那樣說過了喔」
「……そのことで話があるんです、班長」
「……關於那件事有話要說,班長」

 オットーの雰囲気ががらりと変わった。にやけていた顔が引き締まり、視線が言葉を探して空をさまよう。マインが抱え込んでいたことを家族に話そうとした時と同じように強張った肩を見て、一瞬で酒気が飛んで、頭が冷えた。
 歐拓的氛圍忽然改變了。女子相的臉繃緊了,視線徬徨著虛空尋找話語。就跟瑪茵打算將懷揣的事情對家人說的時候一樣看著僵硬的肩膀,一瞬間酒氣飛散,腦袋冷卻了。
 飲んだばかりなのに喉がカラカラに乾いたような気がして、ゆっくりとベレアを口に含んで一口嚥下する。
 感到喉嚨明明才剛喝了卻乾巴巴地乾渴著,慢慢地將貝雷亞含在口中一口吞下。

「……いいぞ、話せ」
「……好啊,說吧」
「あ~、その、今すぐのことじゃないんです。……数年後のことになると思うんですが、俺、兵士を辞めることになると思います」
「啊~,那個,並不是隨即的事情。……我認為是數年後的事情,但我、考慮要辭去士兵」

 オットーが兵士の職に就いたのは、大店の跡取り娘との結婚を許してもらうためだった。
 歐拓就任士兵之職,是為了請求跟大店舖的後嗣女兒的結婚。
 一介の旅商人が惚れた相手は大店の跡取り娘。旅商人と街の商人では何もかもが違う。旅商人がいきなり街の大店の商人になれるわけがない。
 一介旅行商人戀慕的對象是大店舖的後嗣女兒。旅行商人跟城市的商人怎麼說都不一樣。旅行商人並不可能突然成為城市大店舖的商人。
 ついでに、娘の周りの人間には街での商人の地位欲しさに娘に言い寄っていると言われ、肝心の娘に不信感を抱かれる始末。オットーは街での市民権を買い取って、商人ではない職につくことで自分の想いを証明したのだ。
 順便說下,對女兒周圍的人們來說是被說是想要城市裡的商人地位才去追求女兒的,對重要的女兒抱有不信任感的原委。歐拓買下了在城市的士民權,用就任不是商人的職業去證明自己的想法。

 だが、あの時は本気で驚いた。俺が西門で門番をしていた頃だったから、もう4年ほど前になるだろうか。
 但是,那個時候真的很驚訝。因為是我在西門當門衛的時候,已經是4年前左右了嗎。
 門をくぐりながら、ここで商品を売ったら親の住む街に行って店を出すんだ、と語っていたはずの旅商人が、ほんの数日後には女を口説くためにこの街の市民権を買って、全財産を使ったので、商人以外の職の伝手がないか、と尋ねてきたんだからな。他の門番と一緒に何度か聞き返したくらい自分の耳が信じられなかった。
 應該是一邊穿過門,一邊訴說著在這裡販賣商品的話就會去父母居住的街道開店、的旅行商人,但在沒幾天後就為了說服女人而買了這座城市的市民權,由於使用了全部財產,所以就以有沒有商人以外的職業的門路,那樣來詢問了。宛如跟其他門衛一起重複詢問了好幾次般不相信自己的耳朵。

 だが、俺はオットーが子供の頃から父親に連れられて旅商人として過ごしている姿を知っていたし、親元へ行くと言っていた男が全財産をはたいて市民権を買うくらい本気で一目惚れをしたことも理解できた。
 但是,我知道歐拓從小孩子的時候被父親帶著作為旅行商人度過的身姿,說著要去父母家的男子就像揮霍了全部財產買下市民權般當真一見鍾情也是能理解的。

 オットーは旅商人として生活してきたお陰で、計算ができて、書類を読めて、そこそこの手練だった。結局、オットーを主に書類仕事をすることを条件に、兵士職を紹介したのは自分だ。
 歐拓托作為旅行商人過生活的福,能做計算,閱讀文件,算得上很熟練。結果,讓歐拓主要以做文書工作為條件,介紹了士兵職業的是我。
 兵士というのは、どうにも鍛錬には熱心でも書類仕事を疎かにする男が多い。オットーが入ってからというもの、出入りの商人や貴族の紹介状を持ったヤツらとのやり取りが非常に楽になった。
 所謂的士兵,怎樣都是熱心鍛鍊而疏於文件工作的男人比較多。因為歐拓進來了,跟帶著進出的商人或貴族的介紹信的傢伙們的交流變得非常輕鬆。

 そのオットーが兵士を辞める? 商人として、妻の家に認められたということか?
 那個歐拓要辭去士兵? 是所謂做為商人、被妻子的家認可這件事?

 兵士としての職業の傍ら、妻の店を手伝わされていることは知っている。門に出入りする業者と商人としてやり取りして、勘が鈍らないようにしていることも知っている。オットーの努力が実ったのなら、めでたいことだが、顔色には困惑と戸惑いの色が濃い。
 作為士兵的職業的旁邊,幫忙著妻子的店舖是知道的。跟在門進出的業者作為商人的交流,為了直覺不會遲鈍而做的事情是知道的。如果歐拓的努力是實在的,雖然可喜可賀,但在臉色上困惑與不知所措的色彩很濃。

「子供ができてやっと義理兄に認められたのか?」
「是有了小孩子後被義兄認可了嗎?」
「……いや、その前から時々それらしい話が出ていたから違うと思います。原因はマインちゃんなんですよ」
「……不,因為從那之後時常像那樣說出來所以我認為不一樣。原因是小瑪茵喔」
「何!?」
「什麼!?」

 思わぬところで娘の名前が出てきて、ぎょっとした俺は杯をドンとテーブルに置く。逆にオットーは表情を少し緩ませて、杯を手にとって一口飲んだ。
 在意外的地方出現了女兒的名字,大吃一驚的我咚地將杯子放在桌子上。相反的歐拓稍微放鬆了表情,將杯子拿在手上喝了一口。

「班長、俺が商人以外の職として、一番に兵士を選んだのはこの街の住人と顔を繋ぐためでした。街の人々に顔を覚えてもらうため、自分が街の人々の顔を覚えるため。そして、街に出入りする商人や貴族を知るため、情報収集のために兵士を選んだんです」
「班長,我作為商人以外的職業,最先選擇了士兵是為了連起這座城市的居民與臉。」
「ふむ」
「呼唔」
「もうしばらく兵士でいるつもりだったけれど、店の状況が変わってきているんです。マインちゃんが持ちこんだリンシャンや髪飾りがすごくいい商品で、ギルベルタ商会の業績が一気に伸びているんです」
「雖然是打算暫時當個士兵,但店舖的狀況改變了。小瑪茵帶進來的凜香或髮飾都是非常好的商品,基魯貝路塔商會的業績一口氣伸長了」
「ほぅ。マインが持ち込んだ商品が?」
「哦。瑪茵帶進去的商品?」

 マインが褒められているのは嬉しいし、親として誇らしいけれど、ちょっと納得できないものがある。
 瑪茵被稱讚了是很高興,雖然作為父母很驕傲,但有著稍微無法理解的東西。
 俺の目から見れば、リンシャンを作っているのはトゥーリだし、髪飾りだってエーファやトゥーリの方が綺麗な物を作る。マインは作ろうとしては力が足りなくて失敗したり、出来がいまいちで首を傾げたりしている姿を見ている方が多いのだ。
 從我的眼來看的話,製做凜香的是圖麗,就連髮飾都是艾法或圖麗那邊製做了美麗的東西。瑪茵打算製做會因力量不足而失敗,完成的是看起來差一點就會感到疑問的姿態比較多。

「でも、ギルベルタ商会は基本が服飾品で、ルッツと一緒に作って持ちこんだ植物紙は……利益も影響も大きいけれど、方向性が違うんです。ベンノは扱うものを広げていきたい。コリンナは基本的に服飾にしか興味がないから、扱う物を広げたくないって話になって……」
「但是,基魯貝路塔商會基本是服飾品,雖然跟路茲一起製作帶進來的植物紙……無論利益或影響都很大,但方向性不一樣。班諾想要擴大處理的東西。因為柯琳娜基本上除了服飾都沒興趣,說過了不想要擴大處理的東西」
「もしかして、マインの持ちこんだものが諍いの種になったのか?」
「難道說,瑪茵帶進去的東西會成為是非的種子嗎?」

 俺が思わず顔をしかめてしまうと、オットーが慌てたように手を振って否定する。
 我不禁皺起了臉,歐拓像是驚慌般揮手否定著。

「いいえ、諍いというほどじゃないですよ。商人としての目で見れば、すごいものなんです。ベンノが手を出したいのもわかる。ただ、コリンナには扱いきれないだけです。だから、ベンノはギルベルタ商会を予定より早くコリンナに譲って、俺を補佐に付けて、自分の店を持ちたいと思ってるみたいで……。新しい店を作って、マインちゃんが持ちこんだものを余所の街にも広げようとしているんです」
「不,並不是所謂是非的程度喔。用作為商人的眼光去看的話,是很厲害的東西。班諾會想出手也能明白。因此,只是柯琳娜處理不來。所以,班諾會比預定還早將基魯貝路塔商會讓給柯琳娜,把我加到輔佐上,好像在思考著想要擁有自己的店……。創造新的店舖,打算將小瑪茵帶進來的東西推廣到別處的城市」

 大店の旦那が新しく店を作ってまで、売り、広げようとしているということは、莫大な金額が動いているはずだ。前にトゥーリが興奮して、マインはお金持ちだと一生懸命説明してくれたが、大袈裟に言っているのだろう、と適当に考えていた。洗礼式を終えたばかりの子供が持っているような金額ではなかったと思う。
 所謂大店舖的老闆甚至創造了新店舖,打算販賣、推廣這件事,應該會有莫大的金額在運轉著。之前圖麗很興奮,拚命說明著瑪茵是有錢人,但言過其實了吧,那樣適當地思考著。我認為那並不是剛結束洗禮式的小孩子會擁有的金額。

「……マインがとんでもない金を稼いでいるというのは本当だったのか」
「……所謂瑪茵賺了不合情理的錢是真的嗎」
「本当ですよ。でも、誰に教わったのか、子供とは思えないくらい金の管理が徹底しているんです。金勘定が適当な班長が教えたわけじゃないだろうし、一体どこで覚えたんでしょうかね?」
「是真的喔。但是,是跟誰學的嗎,不認為是小孩子的金錢管理做得很徹底。算帳並不是隨便的班長焦的吧,到底是在哪裡記住的呢?」

 揶揄するように片眉を上げたオットーを軽く睨んで、俺はフンと鼻を鳴らす。
 卿卿瞪著為了揶揄而揚起一邊眉毛的歐拓,我哼響了鼻子。
 ウチの可愛い娘を気に入って、魔力なんて余計な物まで与えて、賢すぎる知識を与える存在なんて一つしかない。
 很中意我家的可愛女兒,就連魔力什麼的多於東西都給了,給予了太過聰明的知識的存在只有一個。

「神様に教わったんだろうよ。マインは神に愛されている娘だからな」
「是跟神學的吧。因為瑪茵是被神艾著的女兒呢」
「ただの親馬鹿かと思っていましたけど、妙な説得力があって怖いですよ」
「雖然我認為只是笨蛋父母嗎,但有著奇妙的說服力很恐怖喔」

 オットーは笑いながら肩を竦めて、腸詰にかぶりついた。俺も同じように腸詰をかじりながら、話を戻す。
 歐拓一邊笑一邊聳聳肩,咬住了香腸。我也同樣地一邊咬著香腸,一邊回覆話題。

「それで、いつ辞めることになるんだ? お前の仕事を引き継げるヤツなんていないぞ?」
「因此,什麼時候要辭職? 有沒有能繼承你的工作的傢伙?」
「さすがにすぐに交代というわけにはいかないから、2年から3年ほど後になると思いますよ。計算ができる後継を育てておきたいとは思っているんですけどね。……ハァ、マインちゃんを神殿に取られたのは誤算でしたよ」
「因為到底沒辦法馬上交替,我想會是從2年到3年左右之後喔。雖然想過是想要先培育會計算的後繼呢。……唉,被神殿拿走了小瑪茵事誤算喔」

 オットーはマインが商人見習いにならないように、虚弱なことや人間関係の大変さを吹きこんで在宅仕事を勧めていたことを思い出す。
 回想起歐拓為了不讓瑪茵成為實習商人,灌進虛弱的事情或人際關係的嚴重而勸誘著在家工作的事情。
 あの時に決めたまま、マインが家で仕事をしながら、時折一緒に門へと仕事に行く生活ができれば、どれだけよかったことか。マインを神殿に取られるなんて、あの時は全く考えてもいなかった。
 就像在那個時候決定了,瑪茵能一邊在家工作,一邊偶爾一起到門去工作的生活的話,是多麼好的事情啊。被神殿拿走了瑪茵什麼的,那個時候完全沒考慮過。

「俺にとっても誤算だったさ。貴族に近付きたくないと言っていたマインがいきなり神殿巫女になりたいと言い出したんだからな。いくら本が読みたいからって、まったく……」
「對我來說也是誤算啊。因為說著不想接近貴族的瑪茵突然說出想要成為神殿巫女呢。說是因為想看幾本書,真是的……」

 マインが神殿の巫女見習いになりたいなどと言いだした時のことを思い出して、杯を持つ手にぐぐっと力がこもる。
 回想起瑪茵說出了想要成為神殿的實習巫女的時候的事情,在拿著杯子的手上使勁地注入力量。

「ベンノも色々と情報を集めたり、手を回したりしていたみたいですけど、班長は納得しているんですか?」
「雖然班諾好像也收集著各式各樣的情報,採取了措施,但班長理解了嗎?」
「していると思うか?」
「你認為呢?」
「いえ、全く」
「不,完全不」

 じろりとオットーを睨めば、オットーは降参するように軽く手を挙げて首を振った。いくら良い条件を付けられたところで、神殿にマインを通わせるなんて、俺が好き好んでやるはずがない。
 狠狠地瞪著歐拓的話,歐拓為了投降而輕輕舉起了手搖著頭。即使被加上了多少好條件,瑪茵往來神殿什麼的,我應該也不會喜歡。

「納得なんぞできるわけがないだろう。貴族と同等の扱いをするなんて言っているが、あいつらの特権意識を考えれば、本当にそんな扱いをするわけがない」
「並不是能理解的吧。雖然說了會跟貴族同等對待,但考慮到那些傢伙的特權意識的話,並不會真的被那樣對待」
「……ですよね?」
「……也是呢?」

 どうせ口先だけだ。建前上、青の衣は与えられるかもしれないが、マインが本当の意味で貴族と同等になど扱われるはずがないことくらいわかっている。
 反正只是口頭約定。原則上,藍衣會被給予也說不定,但明白了瑪茵應該不會在真正的意義上被跟貴族同等對待。

「それでも、孤児院に放り込まれることは回避できた。家に帰って来てくれれば、まだ、俺の目が届く。貴族が相手なんだ。完全に取り上げられなかっただけでも、よかったと思うしかない」
「儘管如此,能迴避被放進孤兒院。回到家裡來的話,又能,傳到我的眼裡。貴族是對手。即便只是完全無會被拿走,卻只能想著太好了」
「でも、かなり危うい立場ですよね」
「但是,是相當危險的立場呢」
「……あぁ」
「……啊」

 マインの魔力が暴走し、威圧で神殿長を止めたから、有耶無耶になっただけで、神殿長は俺とエーファを極刑にしてもマインを孤児院に放り込むつもりだったのだ。命が助かって、マインが家から通えるようになっただけでも、神官側にすれば大きな譲歩だろう。これ以上の優遇を望んでも無駄だ。
 因為瑪茵的魔力暴走,用威壓制止了神殿長,只是變得含糊不清了,神殿長打算就算將我跟艾法處以極刑也將瑪茵放進孤兒院。即便只是性命得救了、瑪茵變得能從家裡往來,也是神官那邊做了很大的讓步吧。即便期待這之上的優待也是徒勞無功。
 むしろ、平民に威圧された神殿長からは嫌われ、疎まれているに違いない。マインが神殿に通い始めてから、どうなるのか考えるだけで恐ろしい。
 不如說,肯定會有來自被平民威壓的神殿長的討厭、疏遠。因為瑪茵開始往來神殿,只是考慮會變怎樣就很可怕。

「班長。これは、ベンノが言っていたことなんですけど、おそらく、マインちゃんが神殿で安穏と過ごせるのはせいぜい5年くらいだそうですよ。今は貴族が少ないから、魔力持ちは重宝されるだろうけれど、貴族が増えてきたら厄介者扱いされる危険性があるそうです」
「班長。這個,雖然是班諾所說的事情,恐怕,小瑪茵在神殿能安穩度過似乎最多不過5年左右喔。因為現在貴族很少,雖然擁有魔力會被器重,但貴族增加的話似乎有被當寄居者來對待的危險性」
「……たった5年か。それでも、神殿に入らず、半年とたたないうちに死ぬよりはマシなんだろうな」
「……只有5年嗎。儘管如此,比起不進去神殿、過沒半年就會死在家裡要好多了呢」

 神殿にマインを通わすのは、マインの延命が目的だ。それだけは俺の力ではどうすることもできない。魔術具が必要だが、俺にはそれを手に入れるだけの伝手も金もない。父親として不甲斐なさすぎる。
 瑪茵往來於神殿,目的是瑪茵的延命。只有那個是用我的利用怎樣都做不到的。魔術具是必要的,但我沒有得到那個的門路與金錢。作為父親太沒志氣了。

「神殿にいられないと思えば、貴族と契約すればいいんですよ。マインちゃんは価値が高いんです。魔力もあるし、お金を稼ぐ力もある。危険が迫る前に存在価値を示すことができれば、飼い殺しにされるのとは契約条件が変わってくるかもしれません」
「認為不被神殿需要的話,跟貴族做契約就好了喔。小瑪茵的價值很高。有魔力,也有賺錢的能力。能在危險迫近前表現存在價值的話,被眷養到死的契約條件會改變也說不定」
「マインは家族と一緒にいたいから、貴族と契約はしたくないと言っていたが、……親の心情としては生きていて欲しいと思う」
「因為瑪茵想跟家人在一起,雖然說了不想跟貴族做契約,……但我想作為父母的心情是希望活下去」

 ずっと熱に苦しんで、やっと自分のやりたいことができるようになってきたのだから、自分の望みのまま生きてほしいと思う。
 因為一直因熱受苦,終於變得好像能做自己想做的事情了,我認為是希望能依照自己的期望活著。
 しかし、命欲しさに貴族と契約するかどうか。契約するとなれば、一体どんな貴族とどんな契約条件ですることになるのか。何もかも全てがマイン次第だ。
 可是,要不要因想要生命而跟貴族做契約呢。若做了契約的話,到底會跟什麼樣的貴族做了什麼樣的契約條件呢。所有一切全部都看瑪茵了。

 父親であるのに、俺が手を出せる範囲は本当に小さい。父である自分よりも、親身に相談に乗ってくれて色々な情報を集めてくれたベンノの方が、孫娘のために集めた魔術具を売ってくれたギルド長の方が、よほどマインのためになっているのではないかと思う。
 明明身為父親,我能出手的範圍真的很小。比起身為爸爸的自己,親密地參與商量收集各式各樣的情報的班諾,賣出了為了孫女兒收集的魔術具的工會長,我認為這不是很替瑪茵著想嗎。

「……父親である俺に一体何ができるというんだ? 金もない、伝手もない。どんなに大事に思っていも、自分の子供さえを守ることもできない兵士だぞ? とんだお笑い草だな」
「……是說身為父親的我到底能做什麼? 沒有錢,沒有門路。怎麼慎重地思考,是連自己的小孩子都無法保護的士兵喔? 真是天大的笑話」

 酒に任せて、家では漏らせない愚痴を漏らす。偉そうに、街ごと家族を守ると、言ってみたところで、俺にできることなどないのだ。
 憑著酒力,洩露了在家裡不能洩露的牢騷。好像很偉大,試著說了、要連同城市保護家人,沒有我能做的事情等等。
 俺の愚痴を聞いていたオットーが緩く首を傾げる。
 聽到我的牢騷的歐拓緩慢歪了頭。

「いえ、マインちゃんの父親が、この街の門を守る兵士であることは、神の采配かもしれません」
「不,小瑪茵的父親,身為這座城市保護門的士兵,說不定是神的指揮」
「……どういうことだ?」
「……是怎麼一回事啊?」

 俺は目を細めると、オットーは喧騒に溢れる周囲を一度見回した後、少しだけ声をひそめた。
 我瞇起了眼睛後,歐拓環視了一次滿溢喧囂的周圍之後,稍微壓低了聲音。

「ベンノが尽力したので、この街の中では契約魔術で多少守られている。少なくともマインちゃんを守ろうとする者が何人も存在します。ベンノが予測する中で一番怖いのは余所の貴族に掻っ攫われることだそうです」
「由於班諾盡力了,在這座城市裡面用契約魔術多少被保護了。至少存在了幾個會保護小瑪茵的人。在班諾預測中最恐怖的似乎是被別處的貴族從旁掠奪」
「掻っ攫われるだと?」
「被從旁掠奪嗎?」

 物騒な言葉にゴクリと息を呑んだ。神殿にいる貴族については多少想定していたが、マインが余所の貴族にまで狙われる可能性があるなんて考えてもいなかった。
 對騷動不安的話語咕嚕地喘不上氣。關於在神殿的貴族多少有著假定,但瑪茵有著就連被別處的貴族瞄準的可能性什麼的就算思考也沒用。

「街を出れば、契約魔術の効果は切れるそうです。この街の貴族が相手ならば、ギルド長やベンノが動ければ、領主様に願い出て調べてもらうことができるかもしれない。けれど、余所の貴族では領主様の手さえ及ばない可能性があるんです」
「離開城市的話,契約魔術的效果似乎會中斷。如果這座城市的貴族是對象的話,公會長或班諾行動的話,或許能請求領主大人調查。但是,別處的貴族有著連領主大人的手都不及的可能性」

 大きな権力に見える大店の旦那様も、商業ギルドの長も、この街の領主様でさえ、その力が及ぶところは限定的だと言われて、頭を殴られたような気がした。
 無論是看上去有巨大權力的大店舖的老爺,還是商業公會的會長,就連這座城市的領主大人,那份力量能觸及的地方被認為是限定的,好像腦袋被毆打了的感覺。

 領主様にできないことが俺にできるわけがない。余所の貴族なんて一体どうやって対応すればいいんだ?
 領主大人做不到的事情我也做不到。別處的貴族什麼的到底要怎麼對應才好?

 グッとこめかみを押さえる俺に、オットーはニヤリと唇を歪めて、挑戦的に笑った。
 對使勁地壓住太陽穴的我,歐拓奸笑地扭曲了嘴唇,挑戰似地笑了。

「そんな事にならないためには、神殿でマインちゃんに良い感情を持っていない神官とその神官に関係のある貴族を調べあげなければならない。そして、余所から入ってくる貴族に目を光らせて、問題がないかを判断しなければならない。だったら、全ての紹介状や招待状に目を通す門番という仕事はマインちゃんを守るためにうってつけの仕事じゃないですか」
「為了不會變成那種事情,必須要調查在神殿對小瑪茵不到抱有好感的神官與跟那個神官有關係的貴族。然後,對從別處近來的貴族嚴加監視,必須要判斷有沒有問題。那樣的話,名為過目全部的介紹信或邀情函的門衛的工作不就是為了保護小瑪茵的裡想工作了嗎」

 何度か瞬いて、俺は門番の仕事を思い返す。確かに、貴族の動向を知るためには、門番という仕事はもってこいだ。
 眨了好幾次眼,我重新考慮門衛的工作。確實,為了知道貴族的動向,名為門衛的工作正合適。
 余所の貴族はこの街の貴族の紹介状や招待状を持たずに入ってくることはない。馬車や馬など、乗り物を使って街に入ってくる貴族は必ず門を通って、紹介状を元に城壁へと移動し、貴族街へと入っていく。
 別處的貴族不會不帶這座城市的貴族的介紹信或邀請函進來。使用馬車或馬之類、交通工具進入城市的貴族必定會通過門,以介紹信為基礎往城牆移動,往貴族街進入。
 お偉いお貴族様が平民の街でうろうろすることはない。街で馬車を止めたり、神殿に直接向かったりする貴族に注意すれば、かなりの確率で誘拐は防げるだろう。
 很偉大的貴族大人不會在平民的街區轉來轉去。注意到在城市停下馬車、直接朝向神殿的貴族的話,能以相當的概率來防禦誘拐吧。

 仮に、貴族がならず者を雇って誘拐しようと企んでも、門番をしていれば余所者はすぐにわかる。特に後ろ暗いことを生業にしている者は見ればわかる。
 假定,即使貴族企圖雇用流氓來誘拐,在當門衛的話馬上就能明白是外地人。特別是做著虧心事為業的人看到的話就能明白。
 街の住人に声を掛け、不審者がいないか見回りをし、門番同士の結束を深めて、異常事態が起こった時には迅速に動けるように普段から準備をしておく。これは全て、兵士である俺の仕事だ。
 向城市的居民打招呼,巡視著有沒有可疑者,加深門衛同事的團結,在發生異常事態的時候為了能迅速行動而從平時開始先做了準備。這就是全部,身為士兵的我的工作。

「街ごと家族を守るために兵士になったって、班長は言っていたじゃないですか。今までどおり、街ごとマインちゃんを守ればいいんです」
「說要成為為了連同城市保護家人的士兵,班長不是說過嗎。如同至今一樣,連同城市保護好小瑪茵就可以了」
「そう考えたら、次の春から東門に異動になるのも幸運だとしか言えんな」
「那樣考慮的話,從下個春天開始異動到東門只能說是幸運」

 兵士は3年に一度班ごとに門の異動をする。妙な癒着を防ぎ、兵士同士の結束を深め、仕事の均一化を目的としているらしいが、詳しいことはどうでもいい。この春、俺の班が南門から東門に異動することだけ分かっていればいい。
 士兵3年一次連同班做門的異動。預防著奇怪的沾黏,加深士兵同事的團結,似乎是將工作均一化作為目的,詳細情形怎樣都好。只要知道這個春天,我的班要從南門異動到東門就好了。
 東門は街道に面しているため、全ての門の中で最も人通りが多くて、情報が入って来やすい門だ。余所者が多く出入りする分、一番警戒が必要な場所になる。
 東門因為面對街道,在全部的門中是最多人往來的,是情報進來很容易的門。外地人大量進出的份上,變成是最需要警戒的地方。

「十分に警戒して、情報収集は抜かりなく、ですね。兵士同士の繋がりを利用して、少しでも危険を察知したら動けるように、連絡の取り方も見直した方が良いかもしれません。俺も協力しますよ。ベンノがあそこまで首を突っ込んでいる以上、俺の家族も無関係ではないですからね」
「充分警戒,情報收集,沒有疏忽呢。利用士兵同事的聯繫,為了察知到些微的危險的話就能行動,取得聯絡的方法重新審視比較好也說不定。我也會協助喔。因為班諾一頭栽進那裡面之後,我的家人也並非沒關係了呢」

 オットーがそう言って、拳を握ると、力こぶを作るように肘を曲げた。挑戦的に笑いながら、兵士がお互いの健闘を祈る時にする仕草を見せる。
 歐拓那樣說了,握起拳頭,並為了製做肌肉而彎曲手肘。一邊挑戰性地笑了,一邊展示士兵在祈禱彼此奮鬥的時候做的動作。

「班長。絶対に守りましょう」
「班長。絕對會保護吧」

 俺も同じように笑みを返しながら、くさくさとしていた気分を杯に残るベレアと一緒に飲み干して、タンと杯をテーブルに置いた。
 我一邊返還同樣的笑容,一邊將煩悶的氣氛跟殘留在杯子裡的貝雷亞一起喝乾,嗒地將杯子放在桌子上。
 グッときつく拳を握って肘を曲げ、オットーの拳に自分の拳を軽く当てる。
 使勁地握起拳頭彎曲手肘,將自己的拳頭輕輕貼到歐拓的拳頭上。

「あぁ、俺の家族はこの街ごと、俺が守る」
「啊,我的家人連同城市,我都會保護」

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 ご懐妊おめでとう、コリンナさん&オットーさん。
 恭喜懷孕,柯琳娜小姐與歐拓先生。
 そして、家では言えない愚痴を零す父さんのお話でした。
 而且,發著在家裡無法說的牢騷的父親的談話。

 これで、閑話は全て終了とします。
 就這樣,閒話全部結束了。
 次回は、第二部 神殿の巫女見習い プロローグです。
 下回是,第二部 神殿的實習巫女 前言。
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