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第一部士兵的女兒 閒話 柯琳娜大人的住宅訪問

作者:SPT草包│2017-10-23 07:44:16│贊助:2│人氣:174
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 閑話 コリンナ様のお宅訪問
第一部士兵的女兒 閒話 柯琳娜大人的住宅訪問
原文連結

 わたしはトゥーリ、8歳。
 我是圖麗,8歲。

 妹のマインが神殿に巫女見習いとして通うことが決まって、安心したばかり。身食いで死ぬこともなくなったし、灰色巫女として孤児院に放り込まれることもなくなったみたい。いつ、マインがいなくなるのかって怯えていたけど、それがなくなったのがホントに嬉しい。
 妹妹瑪茵決定在神殿作為實習巫女而往返,幾乎安心了。好像變得不會因身噬而死,也不會變成作為灰色巫女被扔進孤兒院。雖然,膽怯著瑪茵何時會變不見嗎,但那個變不見了而真的很高興。

 父さんと母さんが神殿に呼ばれた次の日、マインはベンノさんのお店に神官長対策の相談に行っていた。ついでに、コリンナ様と会う日を決めてくるって、言って出かけた。
 爸爸跟媽媽被神殿傳喚的隔天,瑪茵去了班諾先生的店鋪對神官長對策的商量。順便說下,決定好了與柯琳娜大人見面的日子,那樣說了出來。
 前はマインだけ招待されて、わたしはお留守番だったけど、今回は一緒に行けるようにお願いしてくれるんだって。
 之前只有瑪茵被邀請,我雖然是看家者,但這一次為了要一起去而去拜託了。

 あぁ、楽しみ~。ウチのマインは姉思いの良い子! コリンナ様のお家に行ったこと、工房の仲間に自慢しちゃうんだ。うふふ。
 啊,好快樂~。我家的瑪茵是想著姊姊的好孩子! 去柯琳娜大人的住家這件事,能對工坊的伙伴自誇。呵呵。

 コリンナ様は成人した頃から自分の工房を持っていて、お貴族様からの注文まで受けて衣装を作っているくらいすごい人。わたしのような針子見習いにとっては、あの青いお空よりずっと遠い存在で、いつかあんな風になりたいなぁ、と思う憧れの人なの。
 柯琳娜大人從成人的時候開始就擁有著自己的工坊,製做著就連來自貴族大人的下訂都接受的服裝般厲害的人。對於像我一樣的實習女裁縫來說,是比那湛藍晴空還遠得多的存在,遲早想要成就那樣的風範呢,是那麼想著而憧憬的人。

 素敵な旦那様に熱烈な求婚を受けたことも、吟遊詩人の物語のように針子仲間の間では伝えられているんだよ。コリンナ様のために商人である自分を捨て、今まで築き上げてきた財産を捨て、求婚したという噂で、とても愛されていて、大事にされているコリンナ様は女の子にとって理想の固まりなの。
 接受了帥氣的丈夫熱烈的求婚,也像是吟遊詩人的故事在女裁縫伙伴之間被傳頌著唷。為了柯琳娜大人而捨棄身為商人的自己,捨棄至今構築起來的財產,由於名為求婚的傳言,非常被愛著、被珍視著的柯琳娜大人是對於女孩子來說理想的型態。

 コリンナ様って、どんな人なんだろう? マインは優しくて綺麗な人だよって言ってたけど。
 是說柯琳娜大人,是怎樣的人呢? 雖然瑪茵說是溫柔又美麗的人唷。


「ただいま、トゥーリ。コリンナさんがね、ぜひ、みなさんでどうぞって、言ってくれたよ。明日の午後にいらっしゃいって」
「我回來了,圖麗。柯琳娜小姐呢,務必、請各位前來,那樣說了唷。說是在明天的下午過來」

 少し急いで帰ってきたのだろうか、息を弾ませてマインが玄関に飛び込んできた。満面の笑顔でそう言った後、マインはその場にへたりこむ。
 是稍微趕著回來的吧,喘著氣的瑪茵跳進了玄關裡來。用滿臉的笑容那樣說了之後,瑪茵當場疲軟下來。

「マイン!?」
「瑪茵!?」
「うっ……、トゥーリに早く教えてあげたくて、頑張りすぎたかな? ごめんね」
「嗚……,想要早點告訴給圖麗,是努力過頭了嗎? 抱歉呢」
「明日行けなくなる方が困るよ。ちょっと座って休んでて」
「明天變得無法去還比較傷腦筋唷。稍微坐下休息吧」

 へろんとした様子でテーブルに体重を預けて、マインが座る。艶のある紺色の髪がさらりと落ちた。
 以疲憊不堪的樣子將體重託付給桌子,瑪茵坐著。有著光澤的深藍色頭髮滑順地落下。
 マインは色々な事に挑戦して、少しずつ体力も付けているけれど、全然強くならないし、大きくならない。いつまでたっても4歳くらいにしか見えないので、心配で仕方ない。
 瑪茵挑戰著各式各樣的事情,雖然說體力也一點一滴地增加了,但完全沒有變強、變大。由於就算經過多久也只看起來像4歲左右,會擔心也沒有辦法。
 同い年のルッツと並んでも兄妹にしか見えないし、最近では森に行く時に2つも年下の子に世話を焼かれたと、どんよりと落ち込んでいた。
 即便跟同年的路茲並列也看起來像兄妹,在最近去森林的時候被兩個年幼的孩子照顧了,比什麼都還消沉著。
 マインは身食いだから虚弱なわけではなく、身食いが治っても虚弱なままらしい。同じ病気のフリーダちゃんとは違うと、この間ルッツが言っていた。
 瑪茵是因為身噬並非是虛弱,似乎身噬就算治療了也依然虛弱。跟同樣疾病的小芙莉妲不一樣,最近路茲說過了。

「……むぅ、ちょっとマシになったかな?」
「……唔,稍微變好了嗎?」

 ぐりぐりとこめかみを押さえながら、マインが立ち上がって、のそのそと動き始めた。
 一邊用力轉圈按著太陽穴,瑪茵一邊站了起來,慢吞吞地開始動了。
 自分で作ったお気に入りのバッグに、丁寧に畳んで汚れないように布で包んだ晴れ着と髪飾りと細いかぎ針を入れていく。明日の準備だと気付いて、わたしはマインに尋ねた。
 在自己製做的中意的包包裡,仔細地將疊起並為了不會弄髒而用布包著的盛裝與髮飾與細小鉤針放進去。注意到了是明天的準備,我詢問著瑪茵。

「マイン、わたしは? 何を準備したらいい?」
「瑪茵,我? 要做什麼準備才好?」
「うーん、特にないけど……せっかくだから、リンシャンで綺麗にして行こうか?」
「唔嗯,雖然不須特意……因為很難得,要用凜香弄漂亮過去嗎?」
「うん!」
「嗯!」

 わたしが作ったリンシャンで、マインと髪の洗いっこをする。前はこんなに頻繁に洗わなかったけれど、最近は身綺麗にしないといけないと思うようになってきた。
 用我製做的凜香,跟瑪茵洗起頭髮。雖然說之前沒那麼頻繁地清洗,最近變得會認為不衣著整潔不行。
 工房でも、お客様が来た時に案内したり、話し相手を務めたりするのは身綺麗にしている人ばかりだからだ。
 正因為即便是工坊,在顧客來的時候做招待又或是、擔任著談話對象盡是些弄得衣著整潔的人。

「あのね、マイン。わたし、今日ね、初めて案内係を任されたんだよ」
「那個呢,瑪茵。我,今天呢,第一次被委託了招待員唷」
「本当に? よかったね、トゥーリ」
「真的嗎? 太好了呢,圖麗」
「マインのお陰だよ」
「是托瑪茵的福唷」

 いつだったか、マインに綺麗な人しかお客様と顔を合わせる仕事が回ってこないと不満を言ったら、「お客様相手の商売は第一印象が大事なんだよ。商人なら当然気を付けることだから。作るだけの裏方ならともかく、お客に顔を売りたいんだったら、トゥーリも汚れや恰好には気をつけた方が良いよ」と商人視点で注意された。
 是什麼時候呢,對瑪茵說只有乾淨的人才能輪到跟顧客面對面的工作的不滿,「顧客對象的買賣第一印象很重要唷。正因為如果是商人當然會注意到。如果只是製做的後場人員自不必說,想要對客人揚名的話,圖麗也注意污垢或體態比較好唷」被以商人的視點注意了。
 他にも、お客さんに見られても良い仕事着にして、汚したくないなら袖までついたエプロンをしておくといいよ、とも言われた。案内する前に外せば、綺麗な仕事着になるよ、と。
 其他,就算被客人看到也要穿著好的工作服,如果不想髒掉就先穿上連袖子都附上的圍裙就好了唷,也被那樣說了。在招待之前脫掉的話,就會變成乾淨的工作服了唷、那樣。
 マインの忠告を取り入れたら、お客様に顔を出す仕事が回ってくるようになった。
 聽取了瑪茵的忠告的話,對顧客露臉的工作就變會轉回來了。

「ただいま」
「我回來了」

 今日の出来事をお互いに話しながら、丁寧に髪を拭っていると、母さんが帰ってきた。わたし達二人が髪を拭ったり、櫛で梳いたりしているのを見て、軽く目を見張る。
 一邊互相說著今天發生的事,一邊仔細地擦拭著頭髮時,媽媽回來了。看到我們兩個人又是擦拭頭飾、又是用梳子梳理著,輕輕地睜大了眼睛。

「あら、リンシャンを使っているの?……もしかして?」
「啊啦,在正使用凜香嗎?……難道說?」
「うん。明日、コリンナさんのところに行くことになったから」
「嗯。因為明天,得要去柯琳娜小姐的處所」

 マインの言葉を聞いた母さんは、料理番をわたし達に押し付けて真剣な眼差しで熱心に髪を洗い始める。コリンナ様に会う前に、できるだけ綺麗にしたい気持ちはとってもよくわかるので、わたしとマインは肩を竦めて交代してあげることにした。
 聽到瑪茵的話的媽媽,將掌廚推給了我們用認真的眼神熱心地開始洗著頭髮。在會見柯琳娜大人前,儘可能想弄漂亮的心情非常能明白。我跟瑪茵聳了聳肩做著交辦過來的事情。

「明日は作ってもらったばかりの新しい夏服で行くんだ」
「明天要穿製做的才剛收到的新夏服去」
「いいね。あれ、涼しそうで可愛いもん」
「真好呢。那個、看著很涼爽又很可愛」

 マインの晴れ着を作らなくて余った布は、わたしの夏服になった。マインと違って成長が早いわたしは、あっという間に服が着られなくなってしまうのだ。
 沒有製做瑪茵的盛裝而多餘的布料,變成了我的夏服。跟瑪茵不一樣成長很快的我,在轉眼之間衣服就會變得不能穿了。
 わたしの服にするには布が足りなかったので、スカートの裾の部分だけパッチワークのようにいくつかの種類の布を縫い合わせて長さが足されている。それが飾りのようで、結構可愛くて、お気に入り。
 由於對作為我的衣服來說布料不足夠,只有裙子的下襬部分像拼布一樣將幾個種類的布料縫合起來長度被加足了。那個好像裝飾,相當可愛,我很中意。

 コリンナ様も可愛いって思ってくれるかな?
 柯琳娜大人也會認為很可愛嗎?


 次の日、マインの速さに合わせても約束に間に合うように、わたし達は早目に家を出た。
 隔天,為了就算配合瑪茵的速度也趕得上約定,我們提早離開了家。
 中央広場を越えて北側に向かうと、行き交う人の服が色彩豊かになってきて、布もたっぷり使っている人達が出てき始める。北側に来ることなんて滅多にないので、わたしは自分の服を見下ろして、周りから浮いていないか心配になった。
 越過中央廣場朝向北側後,往來的人的衣服變得色彩豐富起來,布料也充分使用的人們開始出現了。由於來到北側是多麼地不常見,我俯視自己的衣服,變得擔心起會不會從周圍浮現。
 母さんもわたしと一緒で少し人目を気にしているように見える。マイン一人だけ緊張の欠片もなく元気いっぱいだ。歩くのは遅いけど。
 媽媽看起來似乎也跟我一起稍微介意起眾人目光。只有瑪茵一個人緊張的碎片也沒有精神百倍。雖然走路很慢。

「コリンナさんの家はね、ベンノさんのお店の上なんだよ」
「柯琳娜小姐的家呢,是在班諾先生的店鋪上面唷」

 そう言われて気が付いた。毎日の出来事をウチで聞いているだけだから、実感はなかったけれど、マインはルッツと一緒に日常的にこの辺りを歩いている。緊張するわけがなかった。
 被那樣說而注意到了。正因為只是在家裡聽著每天發生的事,雖然說沒有實感,瑪茵跟路茲一起沿著這附近走著。不可能緊張。

「あぁ、何て挨拶すればいいかしら?」
「啊,該怎麼打招呼才好呢?」
「まずは、初めまして、でしょ? あとは、お招きありがとうございます、とか? 娘がお世話になってますは、ベンノさんやマルクさん向きだね」
「首先是,初次見面、對吧? 之後是,非常感謝邀請,如何? 關照了女兒的是,班諾先生或馬爾克先生呢」

 緊張している母さんにマインはさらっと答えを返す。わたし達が普段使わない挨拶なのに、すぐに出てくるということは門やお店で覚えたものだろうか。一切の迷いがない。
 瑪茵對緊張著的媽媽爽快地返回了答案。明明是我們平時沒在使用的問候,馬上說出來是在門或店舖記住的東西嗎。一切毫無迷惘。

「マイン、わたしは? 何て挨拶すればいい?」
「瑪茵,我? 要怎麼打招呼才好?」
「トゥーリは可愛く笑っていればいいよ。楽しみにしてましたって、トゥーリに言われて喜ばない人なんていないから」
「圖麗可愛地笑著就行了唷。因為說了期待著,沒有被圖麗說了而不高興的人」

 笑いながらマインがそう言った。
 一邊笑著瑪茵一邊那樣說了。
 わたしと母さんは挨拶の言葉を練習しながら歩く。楽しそうにわたし達を見ながら、見習い服を着て歩くマインは、わたしと違ってこの辺りに馴染んでいる。
 我跟媽媽一邊練習著寒暄的話語一邊走著。一邊看著快樂似的我們,一邊穿著實習服走著的瑪茵,跟我們不一樣熟識著這附近。
 自分が知らないマインの姿があることを感じて、何だかちょっと焦るような、悔しいような変な気分になった。
 感覺到有著自己所不知道的瑪茵的身姿,總覺得變成了好像稍微焦躁著、好像後悔著的奇怪情緒了。


「コリンナさん、こんにちは~」
「柯琳娜小姐,妳好~」

 階段を一段上る度に緊張が高まってブルブル震えている母さんと足がカクカク動くわたしと違って、マインは慣れた様子でドアを叩く。
 跟每爬上一段階梯緊張就會高漲打著哆嗦的媽媽與腳生硬地動著的我不一樣,瑪茵以習慣的樣子敲著門。

 ちょっと待って。まだ心の準備が!
 請等一下。內心還沒準備好啊!

「いらっしゃい、マインちゃん。ようこそ、マインちゃんのお母様とお姉様。コリンナです。どうぞ入ってください」
「歡迎,小瑪茵。請進,小瑪茵的母親跟姊姊。我是柯琳娜。還請進來吧」

 心の準備ができる前にドアを開けてくれたのは、可愛らしくて、愛らしい女性だった。わたしが想像してたよりもずっと若くて綺麗な人だった。
 在內心的準備做好之前來打開門的是,很可愛、又甜美的女性。是比起我的想像更加年輕美麗的人。
 月の光を集めたような淡いクリーム色の髪は艶々で、柔らかく細められた銀色のような灰色のような瞳はとても優しそうに見える。全体に色彩が淡くて儚げに見えるのに、とてもスタイルがよくて、出るところがグッと出て、腰回りはキュッとくびれている理想的なスタイルだった。
 好像聚集了月光般淡淡奶油色的頭髮光滑細緻,而柔軟又被瞇起的好像銀色般的灰色般的眼睛看起來非常溫柔。明明色彩整體上看起來淺薄又虛幻,體型非常的好,突出的地方使勁地突出,腰圍緊緊地被束著是理想的體型。

「コリンナ様、初めまして。わたしはマインの母、エーファと申します。本日はお招きありがとうございます」
「柯琳娜大人,初次見面。我是瑪茵的母親,叫做艾法。今天非常感謝您的邀請」

 母さんがさっき練習していた挨拶を、軽く膝を曲げて腰を少し落とすようにして口にする。わたしも母さんの真似をしながら、挨拶した。
 媽媽將剛才練習的問候,像是輕輕彎曲膝蓋稍微低下腰說著。我也一邊模仿媽媽,一邊打著招呼。

「初めまして、コリンナ様。わたしはトゥーリです。とても楽しみにしてました。会えて嬉しいです」
「初次見面,柯琳娜大人。我是圖麗。非常期待著。見到妳很高興」
「わたしも楽しみだったの。マインちゃんの晴れ着は遠目から見てもとても目立っていて素敵だったから、ぜひ見せていただきたくて。我儘を言って、ごめんなさいね」
「我也很期待的。因為小瑪茵的盛裝即便是從遠處看也非常醒目又美妙,還想請務必展示。說了任性話,很抱歉呢」

 コリンナ様のおっとりとした笑顔につられて、わたしも一緒に笑ってしまう。春の日差しのように温かい笑顔だ。
 受到柯琳娜大人從容的笑容影響,我也一起笑了。是像春天的陽光般暖活的笑容。

「こちらで待っていてくださいな。お茶を準備させますから」
「請在這裡等候著呢。因為要準備茶」

 コリンナ様に通された部屋は、お仕事をする部屋でもあるようで、綺麗な刺繍をされた布やコリンナ様の作った見本の服がたくさんあった。飾りがたくさんある、とても豪華な部屋だ。話をするためのテーブルと奥の方におそらく作業をするためのテーブルの2つがある。台所で全部済ませるウチとは比べ物にならない。
 被柯琳娜大人帶進來的房間,似乎也有從事著工作的房間,被刺上美麗的刺繡的布或柯琳娜大人製做的樣本衣服有很多。裝飾有很多,是非常豪華的房間。為了談話的桌子跟在深處恐怕是為了從事作業的桌子有兩張。跟在廚房全部搞定的我家無法比擬。

 きゃあ! 素敵~!
 呀啊! 好美妙~!

 わたしと母さんは壁際に飾られている服や色とりどりのタペストリーに目が釘付けになる。こんなに綺麗なものを見られるなんて思っていなかった。
 我跟媽媽被裝飾在牆邊的衣服或色彩斑斕的掛毯盯住了目光。沒想過能看到如此美麗的東西什麼的。
 ぐるりと見回しながら、一つ一つうっとりと眺める。どれも仕事が丁寧で、色彩も鮮やかで、飾られている服のデザインがわたしの着ている服とは全然違う。ハァ、と感嘆の溜息を吐きながら、わたしは飾られている服を見つめた。
 一邊環顧一圈,一邊一個一個出神地眺望。哪個都是做工仔細,色彩也很鮮豔,被裝飾著的衣服的設計與我穿著的衣服完全不一樣。唉、地一邊吐露感嘆的嘆息,我一邊凝視著被裝飾著的衣服。

「綺麗……。どうしたら、こんな服が作れるようになるんだろう? わたしには全然思いつかないよ。やっぱり練習かな?」
「好美……。該怎麼做,才能變得像是能做出這種衣服啊? 我完全想不到。果然是要練習嗎?」
「技術も大事だけど、思いつくためには良い物をいっぱい見るのも大事だよ」
「雖然說技術也很重要,但為了能想到而看遍好東西也很重要喔」

 疲れた様子で一人だけ席について、足をブラブラとさせながら、マインが金色の目をこちらに向けた。思わぬ言葉にわたしはくるりと振り向く。
 以疲憊的樣子黏在只有一個人的座位,一邊讓腳晃來晃去,瑪茵一邊將金色的眼睛朝向這邊。我對意外的話語迅速轉過頭去。

「マイン、どういうこと?」
「瑪茵,那是怎麼回事?」
「お金持ちの人達がどんな服を好むのか、今の流行はどんなものか、よく観察しなきゃ思いつかないってこと。コリンナさんは生まれがお金持ちだから、自然と良い物に囲まれてた。だから、良い物がよくわかるんだよ」
「說的是有錢的人們喜歡怎樣的衣服呢,現在的流行是怎樣的東西呢,必須要好好觀察才能想到的事情。正因為柯琳娜小姐生來就是有錢人,自然會被好東西圍繞著。所以,很明白好東西唷」
「それじゃあ、わたしには無理ってこと?」
「那樣的話,是說我不可能嗎?」

 努力しても無駄だと言われたような気がして肩を落とすと、マインが「違うよ」と言いながら、ふるふると首を振った。
 感覺到像是被說了就算努力也沒用而垂下了肩膀後,瑪茵一邊說著「不對唷」,一邊左右搖著頭。

「お仕事が休みの日に森へ行くのも大事かもしれないけど、できれば、中央広場から北に向かって散歩してみるといいよ。お金持ちが歩いているし、そういう人が使う店もいっぱい並んでるでしょ? 色々な服の人がいるから。見比べたり、流行している色やデザインを調べたりしてみると参考になると思う」
「雖然在工作休息的日子往森林去也很重要也說不定,但可能的話,試著從中央廣場往北散步就好了唷。有錢人走著,那種人使用的店家也滿滿排列著對吧? 因為有各式各樣衣服的人。試著比較著、調查著流行著的顏色或設計我認為能成為參考」

 休みの日に森へ行くことはあっても、北に行くことはなかった。片手で数えられる程度しか、わたしは中央広場より北に行ったことはない。お金持ちのいるところに行けば、お金持ちの間で流行していることについて得られる情報がある。そんなことにも気付かなかった。
 就算在休息日有往森林去,也不會往北去。除了能以單手數的程度以外,我都沒有從中央廣場到北邊去。去到有錢人存在的地方的話,有著能得到關於在有錢人之間流行著的東西的情報。那樣的事情也沒發現到。

「あとはね、こういうタペストリーの模様やこの刺繍の花って、森で採れる物でしょ? こういうのもよく見ておくと、デザインを考える時には役に立つよ」
「還有呢,要說像這種掛毯的花樣或這個刺繡的花,是在森林裡採集的東西對吧? 事先好好看著這種物品後,在考慮設計時能派得上用場唷」
「……わかった。やってみる」
「……我知道了。試著做看看」

 マインはわたしと全く違う見方で服や飾りを見ているみたいだ。綺麗だと浮かれているわたしとマインの差は職人と商人の違いだろうか。
 瑪茵似乎是用跟我完全不一樣的看法在看著衣服或裝飾。浮現出好漂亮的我跟瑪茵的差別是匠人與商人的不同吧。
 わたしは浮かれる心を少し抑えて、今のわたしでも盗める技術がないか、目を凝らしてコリンナ様の作品を見つめ始めた。
 我稍微抑制浮動的內心,沒有即便是現在的我也能竊取的技術嗎,開始凝視著凝聚著目光的柯琳娜大人的作品。

「まぁ、トゥーリ。そんなにじっと見られると少し恥ずかしいわ」
「呀,圖麗。被那樣盯著看稍微有點害羞喔」

 コリンナ様がそう言いながら、下働きの女性を伴って部屋に入ってきた。
 柯琳娜大人一邊那樣說,一邊偕同雜役的女性進入房間。

「わたしが見ないタイプの服だから、とても珍しいんです。針子見習いをしているけれど、服のように大きい物はまだ任せてもらえないし……」
「因為是我沒見過的類型的衣服,所以非常稀奇。雖然說在做著實習女裁縫,但像衣服一樣大的東西還沒被委託過……」

 最近、やっと商品の中でも小物の目立たないところを縫わせてもらえるようになってきたけれど、自分で服を縫うなんてまだまだ先の話だ。
 最近,雖然說終於變得能接受縫製即便是商品裡面也是小東西的不顯眼的地方,但能自己縫製衣服什麼的仍舊還是超前的話題。

「基礎の練習は大事よ。縫い目を揃えて丁寧に縫えなければ、綺麗な服にはならないもの」
「基礎的練習很重要唷。若不能謹慎地縫製出一致的接縫處,就成不了美麗的衣服了」
「頑張ります。あの、コリンナ様。この部分ってどうやって縫いつけているんですか?」
「我會努力。那個,柯琳娜大人。是說這個部分要怎麼做才能縫起來呢?」
「これはね……」
「這個呢……」

 下働きの女性がお茶とお菓子を持ってきてテーブルに準備している間、コリンナ様はそれぞれの服について解説してくれた。いつの間にか母さんも寄ってきて、一緒に聞いている。マインだけはそれほど興味もないようにテーブルに座ったままだった。
 雜工的女性帶來了茶與點心在桌子上準備的期間,柯琳娜大人做了關於各種衣服的解說。不知不覺間媽媽也靠了過來,一起聽著。只有瑪茵仍舊不那麼有興趣地坐在桌子旁。

「どうぞ、召し上がれ」
「來、請吃吧」
「いただきます」
「我開動了」

 コリンナ様に勧められて、お茶を一口飲んだ。ウチのお茶と違って香りがすごい。口の中にぶわっと広がっていくようだ。
 被柯琳娜大人勸進著,喝了一口茶。跟我家的茶不一樣的香味很厲害。似乎在嘴巴裡面鼓起擴散起來。

「おいしい!」
「好吃!」
「気に入ってもらえてよかったわ」
「能中意真是太好了喔」

 わたしの声にコリンナ様がニコリと微笑む。家族に同意を求めようと隣を見ると、母さんはおいしいけれど、値段が気になって仕方なさそうな顔をしていて、マインは軽く目を閉じてうっとりとした表情で味わっていた。
 柯琳娜大人因我的聲音微笑了起來。向家人尋求同意而看著隔壁後,雖然媽媽是好吃的樣子,但是做出了變成在意價格也沒辦法的似的表情,瑪茵輕輕閉上眼睛做出出神的表情品味著。

「こちらもどうぞ」
「這邊也請吧」

 薄く焼いたパンのような生地の上に、果物と蜂蜜がかかっているお菓子の皿をそっと押し出してくれる。わたしは切り分けられている一つを手に取って、口に入れた。
 輕輕地推出了在薄薄的烤麵包般的麵皮上,加上了水果和蜂蜜的點心的盤子。我用手拿了被分切的一個,放入口中。

 うーん、おいしいけど、これだったらマインが教えてくれたお菓子の方がおいしいな。
 嗚嗯,雖然很美味,但這樣的話還是瑪茵教授的點心更美味呢。

 マインはこの間フリーダちゃんのところで料理の作り方を教えて、代わりに砂糖をもらってきた。そして、クレープとか、コンポートとか、クッキーモドキとか、わたしが知らないお菓子を教えてくれて一緒に作っている。
 瑪茵最近在小芙莉妲的所在教了料理的作法,收到了作為代替的砂糖。然後,像是可麗餅啦,糖漿啦,仿製蛋糕啦,教授了我所不知道的點心而一起製做著。
 もうちょっと寒かったらプリンってお菓子を作りたいんだって。冷やさないとダメだから夏には向かないらしい。
 更稍微冷一點的話想要製做叫布丁的點心。因為不冷就不行似乎不適合夏季。
 他にも壺の中に砂糖と果物とお酒を漬けこんで、何か作っている。夏の味をたっぷり閉じ込めた冬の甘味になるんだって。今から楽しみ。
 在其他罐子中醃製進了砂糖與水果與酒,在做著什麼。即使將夏天的味道滿滿地關進去變成了冬天的甜味。至今也期待著。

「甘くておいしいです。やっぱり蜂蜜をたっぷり使えるのが羨ましいなぁ」
「又甜又美味。果然能使用滿滿的蜂蜜很令人羨慕呢」

 マインがお菓子を食べながらそう言うと、コリンナ様が苦笑した。
 瑪茵一邊吃著點心一邊那樣說後,柯琳娜大人苦笑了。

「その気になれば、買えるでしょう? ベンノ兄さんが苦い顔をしていたわよ」
「有那個心的話,能買的對吧? 班諾哥哥做出了痛苦的表情了唷」
「お小遣いと工房のお金は別なんです」
「零用錢跟工坊的資金要另外算」

 お菓子を食べた後は、早速晴れ着を広げ始めた。母さんとマインが晴れ着を見せて、お直しのやり方を説明する。コリンナ様は晴れ着を手に取って、じっくりと眺め、ひっくり返したり、裾を捲ったりしながら、観察している。
 吃了點心後,立刻開始攤開盛裝。媽媽跟瑪茵展示著盛裝,說明著修正的做法。柯琳娜大人將盛裝拿在手上,仔細地注視著,一邊又是翻過來、又是捲起下擺,一邊觀察著。

「こんなお直しをするなんて驚いたわ」
「做了這種修正之類的很吃驚喔」
「一から縫い直すより、よほど簡単なんですよ」
「比起從一開始重新縫製,相當簡單唷」

 マインの説明を聞きながら、コリンナ様は木札に何やら書きこんでいく。マインがよく石板や紙に書きこんでいる姿と同じに見えた。何となくわたしも文字を覚えた方がいいのかな、という気分になる。その方が何かカッコイイ気がした。
 一邊聽著瑪茵的說明,柯琳娜大人一邊逐漸在木牌上寫進了些什麼。看起來跟瑪茵好好在石板或紙張上寫入的身姿一樣。總覺得我是否也記住文字比較好呢,變成那種心情了。總覺得那一方感覺很帥氣。

「これが髪飾りね。こんな飾り、初めて見たわ」
「這個是髮飾呢。這種裝飾,第一次看到喔」

 コリンナ様がそう呟きながらマインの髪飾りを手に取った。白い小さな花がゆらゆらと揺れる。
 柯琳娜大人一邊那樣嘟噥一邊將瑪茵的髮飾拿到手上。白色的小花搖搖晃晃地搖曳著。

「この白い大きいほうの花はわたしが作ったの」
「這個白色大的那邊的花是我製做的」
「そう。とても綺麗にできているわ、トゥーリ」
「是嗎。做得非常漂亮喔,圖麗」

 コリンナ様に褒められて、わたしはへにゃっと相好を崩す。白い指先が花をなぞっていく。
 被柯琳娜大人稱讚了,我張著口笑容滿面。白色的指尖描摹起了花朵。

「この髪飾り、とっても素敵ね。……わたしの工房で注文を取って作りたいと思うのだけれど、いいかしら?」
「這個髮飾,特別美妙呢。……雖然想著想要用我的工坊取得訂購來製做,但可以嗎?」

 コリンナ様がおっとりと微笑んで首を傾げた。
 柯琳娜大人用從容地微笑著歪著頭。
 まさかコリンナ様の工房で作ろうと思うほど気に入ってもらえるとは思っていなくて、わたしは感動と感激に包まれる。パァッと明るい気分になって「もちろんです!」とわたしが言おうとしたら、それより先にマインが首を振った。
 沒想到從沒想過會想著要用柯琳娜大人的工坊來製做般被中意著,我被感動與感激包裹著。突然變成明亮的心情我打算要說「當然可以!」的話,瑪茵比那還之前搖著頭。

「条件次第ですね」
「要看條件呢」
「ちょ、ちょっと、マイン!?」
「等、等一下,瑪茵!?」

 せっかくのコリンナ様からの申し出に条件を付けるマインが信じられなくて、わたしはぎょっと目を剥いたが、マインはスッと手を上げてわたしを制した。
 來自難得的柯琳娜大人的申請不可置信地被瑪茵附加了條件,我雖然大吃一驚地瞪大了眼睛,但瑪茵舉起手制止了我。

「髪飾りは大事な冬の手仕事で、収入源なので、ほいほい許可は出せません。どうしても作りたいというなら、権利を買っていただかないと、こちらとしては困ります」
「由於髮飾是重要的冬季手工、收入來源,不可以隨便發出許可。如果說無論如何都想要製做,不請購買權利的話,這邊可是很困擾的」

 マインの言葉に頭がさっと冷えた。確かに、髪飾りはとても大きな収入源だ。冬の間にがっつりと稼いだわたしは、もうマインを止めようと思えなくなった。
 腦袋因瑪茵的話語唰地變冷了。確實,髮飾是非常巨大的收入來源。在冬季期間多多地賺錢的我,已經變得不會想族只瑪茵了。

「では、ベンノ兄さんとお話してくださいな」
「那麼,請跟班諾哥哥對話吧」

 コリンナ様がベルを鳴らすと、下働きの女性が現れて、ベンノさんを呼びに行ってくれた。すぐに階段を上がってくる足音が聞こえ始めた。
 柯琳娜大人鳴響了鈴後,雜役的女性出現,去呼喚了班諾先生。馬上開始聽到豋上樓梯來的腳步聲。

「コリンナ、呼ばれたようだが、何が……。あぁ、マインのご家族か。初めまして。コリンナの兄のベンノです」
「柯琳娜,雖然似乎是在叫我,但是要做什麼……。啊,瑪茵的家人嗎。初次見面,我是柯琳娜的哥哥班諾」

 これが、マインがお世話になっているベンノさんか。
 這個是,關照著瑪茵的班諾先生嗎。

 ミルクティーのような淡い色の癖毛に優しげな容貌で、赤褐色の瞳をしている。人当たりの良いベンノさんの笑顔はコリンナ様とも似ている感じで、最初の挨拶ではにこやかで良い人そうな印象を持った。
 在像是奶茶般的淡色捲髮上和善的容貌,有著紅褐色的眼睛。待人接物很好的班諾先生的笑容感覺跟柯琳娜大人也很相似,最初的問候因笑容滿面而擁有著好像是好人的印象。

「マインの母、エーファです。娘がいつもお世話になっています」
「是瑪茵的母親、艾法。女兒一直受到關照了」
「トゥーリです。こんにちは」
「是圖麗。你好」

 挨拶をする母さんに続いて、わたしも慌てて挨拶する。ニッコリと笑ったまま、軽く頷いてくれたベンノさんは、マインを見下ろして軽く眉を上げた。
 接續問候的媽媽,我也驚慌地問候著。依然微微笑著,輕輕給點了頭的班諾先生,俯視著瑪茵輕輕揚起眉毛。

「マイン、今度は何だ?」
「瑪茵,這次是什麼?」
「コリンナさんから依頼がありました。髪飾りの権利が欲しいそうです。いくらで買っていただけます?」
「有來自柯琳娜小姐的委託。似乎是想要髮飾的權利。要用多少來買呢?」
「商談か?」
「談生意嗎?」
「商談です」
「是談生意」

 ふむ、と一つ頷いたベンノさんの表情がいきなり変わって怖くなった。商売人の顔になった瞬間にガラッと雰囲気が変わった。どさっと乱雑な動作で椅子に座り、ギラリと光る目でマインを見据える。
 呼唔、地點了一個頭的班諾先生的表情突然改變成了恐怖。變成生意人的臉的瞬間嘎啦地氛圍改變了。以沉重地雜亂動作坐在椅子上,用閃爍發光的眼神盯著看。

「これでどうだ?」
「這個怎麼樣?」

 ベンノさんが指を何本か立てると、マインはフッと鼻で笑った。
 班諾先生豎起幾根手指後,瑪茵哼地用鼻子笑了。

「そんな金額では売れませんって。フリーダに売った方がマシです」
「以那樣的金額是不會賣的。賣給芙莉妲更好些」

 横で見ていても怖い雰囲気のベンノさんを、マインは全く表情を変えることなく、当たり前のこととして受け止めている。むしろ、嬉々として張り合っているように見える。
 就算從旁看見也是恐怖氛圍的班諾先生,瑪茵完全沒有改變表情,理所當然地接受了。不如說,看起來是愉快的競爭著。

「マイン工房で作った物はルッツが売ることになっているはずだろう?」
「在瑪茵工坊製做的東西應該會變成路茲在販賣的吧?」
「マイン工房で作った物は、ですよね? 権利やレシピは含まれてませんよ?」
「在瑪茵工坊製做的東西,是那樣呢? 但不包含權利或食譜唷?」
「くぉら!」
「喂!」

 激昂したように怒鳴るベンノさんの迫力に、同じテーブルについているわたしと母さんがビクッとしたのに、マインはニッコリと笑って首を傾げただけだった。
 因像是激昂般怒吼的班諾先生的魄力,明明黏在同一張桌子旁的我和媽媽嚇了一大跳,但瑪茵就只是笑瞇瞇地歪著頭。

「そういえば、ベンノさん。リンシャンって結局いくらで売ってるんですか? フリーダが言ってたけど、他にはない新しい物の権利を売る時って、大金貨から、が相場なんですって? 今までずいぶん格安でお譲りしていたみたいですよね。うふふ~」
「這麼說來,班諾先生。凜香結果是以多少在賣著呢? 雖然芙莉妲說過,說是販賣沒有其他新東西的權利時,說從大金幣開始、才是行情呢? 至今好像以相當廉價在讓出著呢。唔呼呼~」

 話には聞いていたけど、初めてマインが商売人をしているところを見た。見ると聞くでは大違いというか、こんな雰囲気の中で怖い大人とやり合うマインに度肝を抜かれる。
 雖然聽著談話,但第一次看到瑪茵作為生意人的地方。該說看到跟聽到很不一樣嗎,在這樣的氛圍之中跟恐怖的大人爭論的瑪茵讓人大吃一驚。

 どうしよう、ウチの妹が怖い。
 怎麼辦,我家妹妹好可怕。

 家ではでろでろしてて、動いたらすぐに熱を出すし、お手伝いも相変わらず役に立たないのに、マインがこんな風に活躍している場面を初めて見た。正直ビックリだ。
 明明在家裡是軟趴趴地、動了的話馬上就發燒、幫忙也仍舊派不上用場,第一次看到瑪茵像這樣活躍著的場面。老實說嚇了一跳。
 ベンノさんの店の商人見習いを目指していて、身体がついていかないから、止めると言っていたけれど、本当はやりたかったんじゃないかな? すごく合っている気がする。
 雖然說以班諾先生的店的實習商人為目標,因為身體跟不上,而說過了要停止,但其實很想做不是嗎? 感覺非常適合。

「長引きそうだから、こちらへいらっしゃい」
「因為似乎會拖長,請到這邊來」
「え? え?」
「咦? 咦?」

 コリンナ様はスッと立ち上がって、部屋の奥の方にあるテーブルへと向かう。
 柯琳娜大人迅速站了起來,往在房間深處的地方的桌子過去。
 わたしと母さんは顔を見合わせた後、そっと立ち上がってコリンナ様の後を追った。マインが心配だけれど、ここにいてもわたし達が立ち入ることができるような雰囲気ではない。
 我跟媽媽面面相覷後,輕輕地站了起來追在柯琳娜大人後面。雖然說很擔心瑪茵,但就算在這裡我們也不是能進入般的氛圍。

「ベンノ兄さん、とっても楽しそうだから、長くなりそう。……それにしても、マインちゃんはすごいわね。あの兄さんと商売の話ができるなんて」
「因為班諾哥哥,似乎非常快樂,好像會變長。……就算會那樣,小瑪茵好厲害呢。能夠跟那個哥哥談論生意的話題什麼的」

 眩しそうに向こうのテーブルを見ながらコリンナ様が呟く。わたしは初めてマインのすごさを知った。
 一邊看著耀眼似的對面的桌子柯琳娜大人一邊嘟噥著。我第一次知道瑪茵的厲害。

 わたし、マインのお姉ちゃんなのに、知らなかったな。
 我,明明是瑪茵的姊姊,卻不知道呢。

「商売のお話はあちらに任せて、こちらはお裁縫のお話をしましょうか。さっき、スカートの形について話をしていたでしょう?」
「生意的話題交給了那邊,這邊來聊聊裁縫的話題吧。剛才,在談著關於裙子的形式的話題對吧?」
「はい! お願いします」
「是的! 拜託您了」

 向こうのテーブルでは商売の話、こちらのテーブルではお茶をしながら裁縫の話で盛り上がる。コリンナ様が貴族の間で今流行している服や飾りの話をしてくれた。
 在對面的桌子是生意的話題,在這邊的桌子是一邊喝著茶一邊因裁縫的話題熱烈著。柯琳娜大人給說了在貴族之間現在流行著的衣服或裝飾。
 縫い方にも色々種類があるようで、パッと名前を聞いてもどんな形のスカートなのかすぐに思い浮かばない。工房の見習い仲間と話をしていても全く出てこない裁縫の言葉がコリンナ様の話には次々と出てくる。
 縫紉的方法好像也有各式各樣的種類,就算突然聽到名字也無法馬上想到是怎樣形式的裙子呢。就算跟工坊的實習同伴聊著天也完全不會提及的裁縫話語柯琳娜大人倒是不斷地提了出來。

「それって、何ですか?」
「那個,是什麼呢?」

 質問すれば、コリンナ様は優しく教えてくれる。嬉しいけれど、ちょっと情けなくなった。
 提問的話,柯琳娜大人會溫柔的告知。蘇然很高興,但變得稍微有點難為情。
 見習い仕事を始めて一年たつのに、これほど自分が物を知らないとは思わなかった。話を聞いているだけで裁縫について勉強不足だな、と痛感した。もっと練習して勉強しないと、お客様に服作りを任されることはないと思う。
 明明開始實習的工作都過一年了,沒想到這種程度的自己會有不知道的東西。就只是聽著話題關於裁縫是學習不足呢,那樣痛感著。更多的練習卻不學習的話,我想是不會被顧客委託製做衣服。

「今流行し始めたドレスの形がこれよ」
「現在開始流行的禮服的形式是這個唷」

 コリンナ様がそう言って、特別に作っている最中のドレスを見せてくれた。お貴族様のお茶会用のドレスらしい。生地の艶や糸の細さ、ところどころに刺された刺繍の見事さに感嘆の溜息を吐く。
 柯琳娜大人那樣說了,還特別展示了正在製做中的禮服。似乎是貴族大人茶會用的禮服。質地的色澤或絲線的細緻,對到處被刺上刺繡的精采吐露了感嘆的嘆息。

「とっても素敵です。でも、用途ごとにドレスが決まっているなんて信じられない。わたしには無駄遣いにしか思えないなぁ」
「非常美妙。但是,無法相信因用途而決定了禮服什麼的。我只能認為是浪費呢」
「えぇ、そうね。でも、わたし達も寝る時、外に出かける時、汚れ作業をする時、全部違う服を着るでしょう? お金があるからそれがさらに細かく分けられているだけなの」
「沒錯,是呢。但是,我們在睡覺的時候、外出的時候、從是骯髒的作業的時候,全部都穿著不同的衣服對吧? 只是因為有錢那個就更加被細分了」
「へぇ……」
「哎…」

 そんな話をしていると、ガタンと向こうのテーブルで椅子から立ち上がった音がした。
 說著那樣的話題時,嘎嗒地對面的桌子發出了從椅子上站了起來的聲音。
 驚いて視線を向けるとベンノさんとマインが二人とも立ち上がって、テーブルから少し離れたところで向かい合うのが見える。
 吃了一驚而轉去視線後班諾先生跟瑪茵兩個人都站了起來,看起來在稍微從桌子離開的地方互相面對。

「お前、可愛げがなくなったぞ」
「妳,都不可愛了喔」
「それもこれもベンノさんの教育の賜物ですね」
「那個這個都是班諾先生教育的成果呢」
「ったく、余計な入れ知恵されやがって……」
「真是的,被灌輸了多餘的東西呢……」
「複数ルートから情報を仕入れて、情報の精度を上げるのは商人の基本なんですよね?」
「從複數管道購買情報,提高情報的準確度是商人的基本呢?」

 そんなことを言いながら、二人は何かいっぱい含むところがあるような笑顔で握手を交わしている。何となく二人の背後から黒い物が出てきて牽制し合っているような気がした。
 一邊說著那樣的事情,兩個人一邊以有著包括了什麼滿滿的地方般的笑容交換著握手。不由得感覺到從兩個人的背後出現了黑色的東西在互相牽制著般。

 うん、わたしは絶対に商人にはなれないな。
 嗯,我絕對當不成當人呢。

 二人のやり取りを見てそう思っていると、きょろきょろとしたマインがわたし達を見つけて、駆け寄ってきた。
 看到兩個人的交流而那樣想著時,東張西望著的瑪茵發現了我們,跑了過來。

「決着付いたから、コリンナさんに髪飾りの作り方教えてあげて、母さん」
「因為解決了,請教給柯琳娜小姐髮飾的作法,媽媽」

 そう言いながら、マインがこちらのテーブルへとやってくる。コリンナ様が準備してくれた冷たいお茶にマインはお礼を言って手を伸ばした。
 一邊那樣說,瑪茵一邊往這邊的桌子過來。瑪茵對柯琳娜大人準備來的冷茶道著謝伸出了手。

「ハァ、喉乾いちゃった」
「哈,喉嚨都乾了」
「お疲れ様。結局いくらで決着がついたのかしら? それによって、こちらの値段設定もあるの」
「辛苦了。結果到底是用多少解決的? 根據那個,也有這邊的價格設定」

 マインが母さんとわたしをちらりと見た後、パッと指をいくつか立てて、コリンナ様に見せた。コリンナ様が小さく息を呑んで、その指を見つめる。
 瑪茵撇了一眼媽媽跟我之後,啪地豎起了幾根指頭,展示給柯琳娜大人看。柯琳娜大人小小地喘不過氣,凝視著那個手指。
 商人独特のサインなのだろう。意味がわからないわたしには少し歯痒くて仕方ない。
 是商人獨特的暗號吧。不知道意義的我稍微不耐煩也沒辦法。

「コリンナさんの工房の一部で、一年中髪飾りを作らせるらしいです。そして、独占販売するって言ってました」
「似乎是以柯琳娜小姐工坊的一部分,一整年製做著髮飾。然後,說了是獨占販賣」
「それにしても、よくベンノ兄さんからそれだけもぎ取ったわね」
「就算是那樣,虧妳能從班諾哥哥那取得那些呢」

 感心したようにコリンナ様がマインを見た。指の動きは予想通り金額を示していたらしい。
 像是欽佩般柯琳娜大人看著瑪茵。手指的動作似乎表示著如同所想的金額。

「ねぇ、マイン。いくらなの?」
「喂,瑪茵。是多少啊?」

 髪飾りの権利というものが一体どれくらいの金額になるのか興味があって、わたしはマインに聞いてみる。マインはものすごく困った顔でわたしを見て、母さんを見て、コリンナ様を見て、う~っと小さく唸った。
 所謂髮飾的權利這東西到底會成為多少的金額呢有著興趣,我試著跟瑪茵打聽。瑪茵用非常困擾的表情看著我、看著媽媽、看著柯琳娜大人,唔~地小小呻吟著。

「言えないような金額なの?」
「是不能說的金額嗎?」
「適正価格だし、言えなくはないけど、言いたくない……」
「是合理的價格,雖然不是不能說,但不想說……」

 歯切れの悪い口調でそう言うマインに何度か「教えて」とねだると、マインは渋々という表情を隠さずに、小さくボソッと呟いた。
 向用咬著牙的壞語氣那樣說的瑪茵央求了好幾次「告訴我」後,瑪茵毫不隱藏所謂不情願的表情,小小低聲嘟噥著。

「……大金貨1枚と小金貨7枚」
「……大金幣1枚跟小金幣7枚」
「え!? 金貨って言った?」
「咦!? 是說金幣嗎?」

 高くても大銀貨くらいだと思っていたわたしは、あまりに桁違いの金額にガツンと力いっぱい頭を殴られたような衝撃を受けた。ひくっと口元が引きつる。母さんもぎょっとした顔でマインを見ていた。
 想著就算昂貴也是大銀幣左右吧的我,受到像是被相當懸殊的金額嘎地用盡全力打著腦袋般的衝擊。嘴角抽蓄著。媽媽也用大吃一驚的表情看著瑪茵。

「すごい金額に聞こえるけど、権利の譲度として考えると適正価格だからね。ベンノさんじゃあるまいし、ぼったくりなんて、わたし、してないから。それに、これはマイン工房のお金で、わたしの個人的なお小遣いじゃないんだよ」
「雖然聽到很厲害的金額,因為作為權利的讓渡來考慮是合理的價格呢。因為有班諾先生,敲竹槓什麼的,我、才不會作。而且,這是用瑪茵工坊的資金,才不是我個人的零用錢唷」

 バタバタと手を振りながら、マインは必死に次々と言葉を連ねて言い訳をしているけれど、そんな大金を平然とやり取りできるマインの神経がわたしには理解できない。
 雖然說一邊迅速地揮著手,瑪茵一邊拚命地排列著話語坐做著解釋,但能泰然地交流那種鉅款的瑪茵的神經我無法理解。

 だって、大金貨だよ? 個人的なお金じゃないって言うけど、マインって一体いくら持ってるの!?
 因為,是大金幣唷? 雖然說才不是個人的錢,但是說瑪茵到底擁有多少呢!?
 もしかして、マインって、実はすごかった!? やっぱり神殿より商売の方がよかったんじゃ?
 難道說,瑪茵,其實很厲害!? 果然比起神殿還是生意比較好吧?


 自分の不勉強さと裁縫の奥深さと妹のすごさ……色々なことに圧倒されて、お宅訪問は終わった。
 自己的不用功跟裁縫的深奧跟妹妹的厲害……被各式各樣的事情壓倒,住宅訪問結束了。

======================================================================
 トゥーリから見たお宅訪問でした。
 是從圖麗來看的住宅訪問。
 話し半分に聞いていたマインの商売人の姿に驚きました。
 聽到一半的對話吃驚於瑪茵生意人的身姿。

 次回は、イルゼ視点でお菓子の試食会です。
 下回,是用依露潔視點的點心試吃會。
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