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第一部士兵的女兒 對策會議與神殿

作者:SPT草包│2017-07-28 19:12:28│贊助:2│人氣:218
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 対策会議と神殿
第一部士兵的女兒 對策會議與神殿
原文連結

 家に帰ると家族全員がひどく心配した顔で、わたしの帰りを待ちわびていた。玄関のドアが開いた瞬間、トゥーリと母がホッとしたような表情になって、同じ表情をしていた父が直後に、怒声を飛ばしてきた。
 回到家時家族全體以異常擔心的臉,等候著我的回歸。玄關的門打開的瞬間,圖麗與母親變成了放心般的表情,做著同樣表情的父親緊接著,放出了憤怒的聲音。

「遅かったじゃないか! どれだけ心配させれば気が済むんだ!」
「這不是太晚了嗎! 要讓人多麼擔心才滿意呀!」
「心配かけてごめんね、父さん」
「讓您擔心了很抱歉呢,爸爸」

 神殿についてベンノから色々と聞かされたわたしは、父が心底心配していたことがよく理解できていたので、すぐに謝った。
 關於神殿被從班諾那聽到了各式各樣的我,由於非常能理解父親是打心底擔心著,而馬上道歉。
 わたしはすでに準備されている夕飯を横目で見ながら、自分の荷物を寝室に置きに行く。家に帰ってきた途端、空腹と疲れが、どっと押し寄せてきた。
 我一邊側目看著已經被準備好的晚飯,一邊去將自己的行李放到臥室。回到家來的當下,空腹和疲勞,一擁而上了起來。

「神殿に行って、ベンノさんのお店に行って、商業ギルドに行ったから、すごく時間がかかったの。疲れたし、すごくお腹空いたよ」
「因為去了神殿,去了班諾先生的店鋪,去了商業公會,非常花時間。很累了,肚子非常餓了唷」

 わたしが手を洗って、のそのそとテーブルに着くと、父が眉間に皺を刻んで目を細めた。
 我洗了手,慢吞吞地到達桌子後,父親在眉間刻下了皺紋瞇起了眼睛。

「一体何があった?」
「到底發生了什麼?」

 父の言葉は家族全員の心情を表すものだったようで、母もトゥーリも不安そうな目でわたしを見つめる。
 父親的話語似乎代表了家族全體的心情,母親跟圖麗都用不安似的眼睛凝視著我。

「全部報告するから、先にご飯食べていい? お腹空いたし、長いお話になるの」
「因為會全部報告,可以先吃飯嗎? 肚子餓了,且會變成很長的話題」
「……わかった」
「……知道了」

 色々と考え込んでしまうのか、夕飯の後の話に碌なものがなかったせいか、家族全員の表情は暗く、みんながそれぞれ何か考え込んでいるように見える。
 是沉思著各式各樣的嗎,還是晚飯之後的話題不是正經的東西個緣故呢,家族全體的表情很陰暗,看起來大家好像各自在沉思著甚麼。
 明るい話題がないかな、と記憶を探っていたわたしは、ハッと思い出した。コリンナの話題なら、少しは会話が弾むに違いない。
 有沒有明朗的話題呢,那樣尋找著記憶的我,突然回想起來。如果是柯琳娜的話題,肯定對話多少會來勁的。

「あのね、母さん。今日、ベンノさんのお店に行った時に伝言されたんだけどね、コリンナさんがわたしの晴れ着や髪飾りを見たいんだって。見せても良い?」
「那個呢,媽媽。今天,在去班諾先生的店舖的時候被傳話了就是了呢,是柯琳娜小姐想要看我的盛裝跟髮飾。可以展示嗎?」

 スープを食べていた母がカツンとスプーンを落とした。目を見開いて、おろおろと辺りを見回しながら、顔を赤くして首を振る。
 正在喝湯的母親喀地弄掉了湯匙。睜大了眼睛,一邊倉皇失措地環顧附近,一邊紅著臉搖著頭。

「え、えぇ!? そんな、コリンナ様に見せるような物じゃないでしょ!」
「咦、咦!? 怎麼會,那並不是能展示給柯琳娜大人的東西吧!」
「……そっか。じゃあ、お断りしておくよ」
「……是嗎。那麼,我事先拒絕唷」

 もしかしたら、躊躇うくらいはするかなと思っていたが、ここまで拒絶するとは思っていなかった。母をあまり混乱させるのも悪いし、断っておいた方がいいだろう。
 雖然認為著難道說,是在猶豫著嗎,但我不認為都到這裡還會拒絕。讓母親太混亂也不好,事先拒絕會比較好吧。
 親切心でそう思ってのお断り発言だったが、わたしのお断り発言に母は更に取り乱し、バタバタと手を振って、目をきょどきょどさせた。
 雖然是以親切心那樣想著的拒絕發言,但母親對我的拒絕發言更加慌亂了,激烈地揮著手,眼睛一驚一乍著。

「ちょ、ちょっと待ちなさい、マイン! 断るのはダメよ。待ってちょうだい。あぁ、もう、すぐに答えなんて出せないわ」
「請、請稍等一下,瑪茵! 拒絕是不行的喔。請等一下。啊,真是,無法馬上得出答案什麼的喔」

 完全に母が混乱状態に陥ってしまった。コリンナに認められたのは嬉しいけれど、雲の上のような人が相手だからどうしていいかわからないようだ。
 母親完全陷入了混亂狀態。雖然被柯琳娜認可是很高興,但因為是如同雲端上的人似乎不知道該怎麼做才好。
 そんな母の心理に気付いたわたしは小さく笑う。普段にない母の姿がちょっと面白くて、可愛い。
 我注意到那樣的母親的心裡小小的笑了。不是平時的母親的身影有點有趣,有可愛。
 ああでもない、こうでもないと何やら呟きながら考えて、ご飯の進まない母のうろたえぶりを楽しんでいると、トゥーリが横からわたしの腕を突いてきた。
 總覺得一邊啊那也沒有、這也沒有地嘟噥著一邊思考著,正享受著吃飯毫無進展的母親時,圖麗從旁邊戳著我的手腕。

「ねぇ、マイン。それってコリンナ様の家に持っていくの?」
「喂,瑪茵。那是說要帶去柯琳娜大人的家裡嗎?」
「多分そうなると思うよ?」
「我想大概是那樣的唷?」

 断るのはダメだと母本人が言ったのだから、晴れ着と髪飾りを持っていくのは決定だと考えていいだろう。母が行くか、わたしだけで行くか、わからないけれど、コリンナのところに持っていくことになる。まさか来てもらうわけにはいかないだろう。
 因為母親本人說了拒絕是不行的,可以想成決定把盛裝跟髮飾帶過去吧。母親會去嗎,只有我去嗎,雖然說不知道,但會變成帶過去柯琳娜的地方。難道是不能接受會過來的吧。

 トゥーリがキラキラと期待に満ちた目で、わたしをじっと見つめて、胸の前で手を組んだ。トゥーリの一番可愛いおねだりスタイルに、わたしは目を瞬いて首を傾げる。
 圖麗用閃閃爍爍地充滿期待的眼睛,目不轉睛地凝視著我,在胸前交疊著手。對於圖麗最可愛的央求風格,我眨著眼睛歪頭不解。

「どうしたの、トゥーリ?」
「怎麼了呢,圖麗?」
「今度はわたしも行っていい?」
「這一次我也可以去嗎?」

 前回、リンシャンを持っていく時はコリンナからの招待状がわたし宛だったので、トゥーリは行きたいのを我慢して、お留守番をしていた。今回は別に招待状をもらっているわけではないので、ベンノさんに返事する時にトゥーリも一緒だと言い添えれば大丈夫だろう。
 上一次,由於把凜香帶過去的時候來自柯琳娜的邀請函收件人是我,圖麗忍耐著想要去,做了看家者。由於這次並非特意收下了邀請函,在回答班諾先生的時候補充圖麗也一起的話不要緊的吧。

「コリンナさんは優しいし、ダメとは言わないと思うけど……。前もって、トゥーリは髪飾りの大きいほうの花を作ってくれたから、って言って、お願いしておくね」
「柯琳娜小姐很溫柔,雖然我認為不會說不可以……。事前,因為圖麗給製做了髮飾的大多數的花,那樣說了,先拜託了呢」
「マイン、大好き! ありがとう!」
「瑪茵,最喜歡了! 謝謝!」

 パァッと顔を輝かせて、わーい、と無邪気に喜ぶトゥーリ、マジ可愛い。さすがウチの天使。針子見習いのトゥーリにとって、コリンナさんってカリスマ針子っていうか、憧れの人なんだよね。
 霎時喜出望外,哇、地天真無邪地喜悅著的圖麗,真的很可愛。不愧是我家的天使。對於實習女裁縫的圖麗來說,該說柯琳娜小姐是魅力超凡的女裁縫嗎,就是憧憬的人呢。

 ほのぼのとした気分でトゥーリを見ていると、母がバッと手を出して、待ったをかけた。
 以暖暖的心情看著圖麗時,母親迅速伸出手,叫了暫停。

「待って、二人とも。待ってちょうだい。まだ行くって決めたわけじゃ……」
「等下,妳們兩個。請等一下。還沒有決定要去……」
「え? でも、断りはしないんでしょ?」
「咦? 但是,不能拒絕對吧?」
「それはそうだけど、でも……」
「說是那樣說,但是……」

 あたふたしている母の口から出てくる言葉はもう大した意味をなしていない。
 從慌慌張張的母親口中出來的話語已經沒有多大的意義了。

「コリンナさんは実際に縫った人の話が聞きたいんじゃないかとは思うけど……母さんがどうしても行きたくなかったら、行かなくても良いよ?」
「雖然我認為柯琳娜小姐實際上是不是想聽縫製的人說話呢……媽媽無論如何都不想去的話,就算不去也可以唷?」

 トゥーリと一緒に服と髪飾りだけ持っていくから、と言おうとしたら、母がきっぱりと首を振った。
 因為跟圖麗一起只將衣服跟髮飾帶過去,打算那樣說的話,母親乾脆地搖了搖頭。

「行きたくないなんて言ってないでしょう」
「不想去什麼的說不出口對吧」
「うん。じゃあ、3人で行くって言っておくね」
「對。那麼,要先說3個人要去呢」

 ニッコリ笑ってわたしがそう言うと、母は絶句した。トゥーリが母を見て、クスクス笑う。わたしもつられて笑えば、母も諦めたように息を吐いて、笑いだす。
 笑咪咪的我那樣說後,母親說不出話了。圖麗看著母親,竊笑著。我也跟著笑了的話,母親也像是放棄了吐了一口氣,笑了起來。
 笑っているわたし達を見て、父が目を細めながら、笑いきれていないような複雑な笑みを浮かべた。
 看到笑著的我們,父親一邊瞇起眼睛,一邊露出無法盡情笑著般複雜的笑容。

「じゃあ、今日の色々を話してもらいましょうか」
「那麼,要說今天的種種了嗎」

 食後のお茶を準備しながらそう言った母の言葉に、楽しく浮かれていた空気が一瞬で重くなった。家族全員の視線がわたしに集まり、話を促す。
 因一邊準備著飯後的茶一邊那樣說的母親的話語,快樂又興致勃勃的空氣一瞬間變得沉重。家族全體的視線集中於我,催促的話題。

「えーと、神殿の話からね。巫女見習いの話は断ったんだけど、わたしが身食いだってことがわかったら、両親と話がしたいって言われて、この招待状、預かってきたの。明後日の3の鐘だって」
「呃,從神殿的話題開始呢。雖然說拒絕了實習巫女的話題,但知道了我是身噬之後,被說了想要跟雙親談談,這個邀請函,保管了起來。是後天的3之鐘」

 わたしがバッグから取り出してきた木札を見て、父が顔色を変えた。門番をしている父は招待状の存在も知っているし、何度となく目にしているはずで、貴族である神殿長からの招待状がどういう意味を持つのか、よくわかっている。
 看到我從包包裡拿了出來的木牌,父親臉色大變。當著門衛的父親知道邀請函的存在,應該沒見過多少次,來自身為貴族的神殿長的邀請函帶有怎樣的意義呢,是很明白的。
 強制召喚の命令状を見て、ひくっと口元を引きつらせた。
 看到強制召喚的命令函,抽蓄地拉緊了嘴角。

「マイン、お前、何をやらかした!?」
「瑪茵,妳,幹了什麼!?」
「別に、わたしは何もしてないよ。お喋りして、聖典を読んでもらっただけだし……」
「沒什麼,我什麼都沒做唷。只是聊聊天,接受閱讀聖典……」
「お貴族様相手に読んでもらったって、お前……」
「請貴族大人對方閱讀,妳……」
「……だって、その時は神官長がお貴族様だなんて知らなかったんだもん」
「……因為,那個時候並不知道神官長是貴族大人什麼的咩」

 仕方ないでしょ、と唇を尖らせながら、わたしが神殿で聖杯を光らせた話をすると、両親が魂の抜けていくような顔をしてわたしを見た。どうやら許容量をオーバーしたようだ。
 一邊沒辦法對吧、那樣嘟起嘴唇,我一邊說了在神殿讓聖杯發光的事後,雙親做出魂飛了般的臉看著我。看來似乎超出了容許量。
 呆けている両親の前でパタパタと手を振って、わたしは軽く首を傾げる。
 在驚呆著的雙親面前啪嗒啪嗒地揮了揮手,我輕輕歪頭不解。

「続き、話していい?」
「可以,繼續說嗎?」

 放心していた父がハッと我に返ったようにブルブルと頭を振って、ガシガシと頭を掻いた。
 像是安心了的父親突然返回自我哆嗦地搖了搖頭,猛烈地搔著頭。

「あぁ、話せ」
「啊,說吧」
「神殿の後でベンノさんのお店に行ったの。ベンノさん、身食いのこともわたしよりよく知っていて、神殿や貴族のことも詳しいから、色々教えてもらったの」
「在神殿之後去了班諾先生的店鋪。因為班諾先生,身噬的事情比我還清楚,神殿或貴族的事情也很詳細,教授了各式各樣的」
「色々?」
「各式各樣?」

 訝しげにわたしを見る家族をぐるりと見回して、わたしは一度大きく頷いた。ゆっくりと息を吸って、吐く。
 環視一周懷疑地看著我的家人,我大大點了一次投。緩緩地吸氣、吐氣。

「あのね、身食いの熱って、魔力なんだって。神殿や貴族から逃げることはできないだろうって」
「那個呢,是說身噬的熱,是魔力什麼的。說了無法從神殿或貴族那逃走的吧」
「そんな……」
「怎麼會……」

 母とトゥーリが口元に手を当てて、恐ろしそうに身体を震わせた。それが魔力を持つわたしに対する恐れなのか、神殿という権力に対する恐れなのかわからない。軽く目を伏せるようにして、わたしは続ける。
 母親與圖麗將手抵在嘴角,恐懼似地顫抖著身體。不知道那是對擁有魔力的我恐懼的嗎,還是對名為神殿的權力恐懼呢。像是輕輕的伏下眼睛,我繼續著。

「でも、神殿には魔術具があるから、行けば命は助かるの」
「但是,因為在神殿有魔術具,去的話性命能得到幫助」

 父も母もトゥーリも期待と不安がない交ぜになった顔でわたしを見た。魔力を恐れるのではなく、わたしを心配している目に、スッと身体から力が抜けていく。
 不論父親母親或圖麗都用變成沒有期待或不安混雜著的臉看著我。並不是恐懼著魔力,對擔心著我的眼神,迅速地從身體裡逐漸脫去了力量。

「ねぇ、マイン。神殿に入ってしまえば、命は助かっても会えなくなるんだよね?」
「喂,瑪茵。進入了神殿的話,就算性命得到幫助也會變得無法見面的吧?」
「このままなら、多分……」
「如果這樣下去,大概……」

 わたしの言葉にトゥーリは涙目でやだやだと首を振った。
 圖麗對我的話語用淚眼不要不要地搖了搖頭。

「……それは貴族に飼い殺しにされるのと、どこが違う? 俺は神殿になどマインをやりたくない」
「……那個跟讓貴族眷養到死,有哪裡不一樣? 我不想讓瑪茵去到神殿之類的」

 父が声を絞り出すようにそう言った。確かに、今のままでは灰色の巫女見習いとして神殿に入ることになり、魔力は取られ、寄付金は取られ、神殿の良いように扱われる未来しか見えない。
 父親像是擰出了聲音般那樣說了。的確,以現在這樣會變成作為灰色的實習巫女進入神殿,魔力被拿走,捐款被拿走,只能看到像是被神殿好好操控的未來。

「ねぇ、父さん。父さんは中央の動きって知ってる? 政変があって貴族の動きに変化があるって、聞いたことない?」
「喂,爸爸。爸爸知道中央的動向嗎? 說是發生了政變貴族的動向起了變化,沒聽過嗎?」
「数日前にそんな話をした商人がいたな。門番だから一応入ってきているが、ここではあまり関係のない話だろう?」
「在數天前有說了那樣的話的商人呢。雖然因為是門衛而姑且聽到過,但在這裡是沒多大關係的話題對吧?」

 もしかしたら、ベンノにはオットー経由で話が回ったのかもしれない。そんなことを考えながら、わたしは首を振った。
 難道說,班諾是經由歐拓來轉達話題也說不定。一邊思考那種事情,我一邊搖了搖頭。

「だから、わたしが神殿に呼ばれてるの。今は貴族の数が減っているから、魔力が神殿で必要とされてるんだって。わたしにはベンノさんの話が本当かどうかわからないんだけど、父さんにはわかる?」
「所以,我貝神殿呼叫了。因為現在貴族的數量減少了,魔力是被神殿需要的。雖然我不知道班諾先生的話是不是真的,但父親知道嗎?」

 思い当たることがあったのか、父は息を呑んだ。顎を撫でながら、何かを思い出すように軽く目を伏せる。
 有想起了什麼嗎,父親吞了一口氣。一邊撫摸下巴,一邊像是回想起了什麼而輕輕伏下眼睛。

「貴族が余所に散っているのは間違いないな。出ていく貴族はいるが、入ってくる貴族は最近いない」
「貴族散落到別處是毫無疑問的。雖然有出去的貴族,但近來的貴族最近沒有」
「ベンノさんの言葉、本当なんだ? だったら、何とかなるかも」
「班諾先生的話語,是真的嗎? 這樣的話,說不定要設法了」
「どういうことなの?」
「是怎麼一回事啊?」

 わたしの呟きに家族が身を乗り出して食いついてきた。
 家人探出了身子咬緊了我的嘟噥起來。

「運が良いって、ベンノさんは言ってたよ。貴族が減って神殿は困ってるから、うまく交渉して、貴族に近い扱いにしてもらうことはできるかもしれないって」
「是說運氣很好,班諾先生說了唷。說了因為貴族減少神殿很傷腦筋,所以好好談判,搞不好能請貴族就近照料」
「詳しく話せ」
「說詳細點」

 父の目が仕事をしている時のような真剣で猛々しい目で、わたしを見た。
 父親的眼睛以做著工作的時候般認真又兇猛的眼神,看著我。
 わたしはベンノに教えられたことをできるだけ細かく、わかりやすいように説明する。契約魔術や工房登録についても話をした。
 我將被班諾教導的事情盡可能詳細,像是容易明白般說明著。關於契約魔術或工坊登記也說了。

「……それで、やってみないとわからないけど、虚弱だってことを強調して、通いにしてもらうとか、待遇を良くしてもらうとか、交渉しろってベンノさんは言ってた。今の状況なら、ある程度向こうも譲歩してくれるだろうって。生きるためにあがけって、言われたの」
「……因此,雖然不試著做不知道,但強調虛弱的事情,接受往來之類,讓待遇良好之類,班諾先生說了去談判。說了如果是現在的狀況,偏向某個程度也會給予讓步的吧。要為了活著而掙扎,被說了」

 わたしの言葉に父が目を光らせた。
 父親因我的話語讓眼睛發光了。

「生きるためにあがけ、か。考えようによっては好機ということだな?」
「為了活著而掙扎、嗎。根據思考是所謂的好機會嗎?」
「うん」
「對」

 魔力提供と虚弱を主張して、貴族に近い扱いにしてもらうこと。
 主張著魔力提供與虛弱,請貴族就近照料。
 虚弱と親心を強調して、通いを認めてもらうこと。
 強調著虛弱跟父母心,接受承認往來。
 お金の融通でそそのかして、工房の存続を認めてもらうこと。
 用金錢通融來慫恿,接受工坊的存續。

「他にも図書室の閲覧とか、労働力の確保とか、通したい我儘はあるけど、これが通れば、勝利と言っていいと思う」
「其他還有圖書室的閱覽之類,勞動力的確保之類,雖然有想要任性,但那個通過的話,我認為可以說是勝利了」
「わかった。やってやろう。俺はこの街ごと家族を守るために兵士になったんだ。家族を守れなくて、何を守ると言うんだ。マインが生きるための最善を勝ち取ってやる」
「知道了。會去做的。我是為了保護這座城市跟家族才當上士兵的。無法保護家人,還說要保護什麼。瑪茵去取得為了活著的最好選擇吧」

 目を爛々と輝かせ、ニィッと唇を上げた父は戦いを前にした男の顔をしていた。
 璀璨閃耀的眼神,微微揚起嘴唇的父親做出了戰鬥前的男子的表情。


 次の日、両親は仕事場で休みをとってきてくれた。わたしは前日に動きすぎたせいで、碌に動けず、休養日となった。
 隔天,雙親在工作場所給取來了休假。我因在前天動太多的緣故,無法好好活動,成為了休養日。
 そして、次の日は神殿に呼び出しを受けた約束の日だ。両親は一張羅を、わたしはベンノの店に通うための見習い服を着て、神殿に向かう。
 然後,隔天是接受神殿傳呼的約定之日。雙親穿上最好的衣服、我穿上為了通過班諾的店的實習衣服,朝向神殿。

「父さん、わたしを守ってね」
「爸爸,會保護我呢」

 門で見たことがあるように、わたしは拳を握って、力こぶを作るように肘を曲げた。
 像是有在門看過的,我握起拳頭,像是鼓起肌肉般彎曲手肘。
 兵士がお互いの健闘を祈る時にする仕草に、父が軽く目を見張った後、クッと笑った。同じように拳を握って肘を曲げ、わたしの拳に自分の拳を軽く当てる。
 對士兵在祈願互相的奮鬥的時候做的動作,父親輕輕睜大了眼睛之後,笑了出來。同樣地握著拳頭彎曲手肘,將自己的拳頭輕輕貼到我的拳頭上。

「任せておけ」
「交給我吧」

 神殿の門には通達がされていたようで、灰色の神官の案内によって、すぐに神殿長の部屋へと通された。
 在神殿的門似乎被通知了,由灰色的神官帶領,立刻被帶往神殿長的房間。
 普段通り礼拝室の横を通り抜けて、平民の宿泊室のある部分を通り抜け、貴族が使うゾーンへと足を進めていく。
 穿過了如同平時的禮拜室的橫面,穿過了平民的住宿室的某部分,讓腳往貴族使用的領域逐漸前進。

 進む度に少しずつ豪華になっていく廊下に、父は何かを決心するようにこめかみを震わせて拳をきつく握って歩く。父の様子をおろおろしながら見守っている母の顔は緊張で青ざめているのがわかる。
 對每次前進就一點一點逐漸變得豪華的走廊,父親像是做了什麼決心顫抖著太陽穴緊緊握著拳頭走著。
 母と繋いでいる手には力がこもり、小刻みに震えていた。
 在跟母親牽著的手裡充滿了力量,小幅度地顫抖著。

「神殿長、マインと名乗る少女とその両親がお着きです」
「神殿長,自稱瑪茵的少女與她的雙親到達了」

 灰色の神官がそう言って、神殿長の部屋のドアを開けた。
 灰色的神官那樣說了,打開了神殿長的房間的門。
 部屋の中央にあるテーブルでは神殿長と神官長が待っているのが見える。そして、テーブルの奥のスペースには灰色の神官が4人、並んで立っていた。
 看到存在房間的中央的桌子神殿長跟神官長正等待著。然後,在桌子的深處的空間是灰色的神官4人,排列站著。

 昨日は孤児だと知らなかったけれど、それを知って改めて見ても、孤児にしては実に身綺麗にしている気がする。もしかしたら、それほど待遇は悪くないのだろうか。それとも、貴族の側仕えをする人は身綺麗にされているのだろうか。
 雖然說昨天並不知道是孤兒,但就算知道了那個再次看到,感覺作為孤兒其實服儀整潔。或許,待遇並沒有那麼壞吧。還是說,做著貴族近侍的人是要服儀整潔的吧。

「おはようございます、神殿長」
「早上好,神殿長」
「あぁ、マイン」
「啊,瑪茵」

 神殿長は見覚えのある好々爺の顔でわたしを迎え出てくれる。しかし、その後、わたしの両親の姿を見て、目を見張った。信じられないというように目を見開き、ふるふると拳が震えている。
 神殿長用熟識的某個好爺爺的臉出來迎接著我。但是,那之後,看到我的雙親的身姿,張大了眼睛。像是無法置信般睜大了眼睛,搖搖晃晃地顫抖著拳頭。

「こちらが……マインのご両親で間違いないのかな?」
「這邊……是瑪茵的雙親沒有搞錯嗎?」
「はい、間違いないです」
「是的,沒有搞錯」
「一体どんな職業を?」
「到底是怎樣的職業?」
「兵士の父と染色の工房で働く母です」
「士兵的父親跟在染色的工坊工作的母親」

 わたしが質問に答えると、じろじろと不躾な視線で両親を見た後、神殿長は馬鹿にしたように鼻でフンと笑った。何も言わなくても、それだけで「貧乏人が」と見下しているのがすぐにわかる。
 我回答了提問後,用豪不客氣地冒昧視線看著雙親之後,神殿長像是蠢斃了般用鼻子哼地笑了。就算什麼都沒說,也能馬上明白就只是那樣「貧窮人」地輕視著。
 手の平を返したような豹変ぶりに唖然として、わたしは目を瞬いた。
 啞然於把手掌翻過來般的驟變,我眨著眼睛。

 いきなり他人を蔑むような目つきになった神殿長の姿に、先程までの好々爺の面影は欠片もない。身分の差というものを目の当たりにし、それと同時に、今まで好待遇を受けていた原因であるお金の威力というものを思い知った。
 對突然變成了藐視他人般眼神的神殿長的身姿,直到剛才的好爺爺的模樣一點都不剩了。親眼看到名為身分差距的東西,與那同時,體會到了身為至今所受到的好待遇的原因是所謂金錢的威力的東西。

「では、早いところ、話をすませてしまおう」
「那麼,快快、結束談話吧」

 挨拶も何もなく、テーブルに着くことも許されず、わたし達は立ったまま、神殿長の話を聞くことになった。これがもしかしたら、普通なのかもしれないが、今まで親切だった神殿長を知っているだけに、思わず眉を寄せてしまう。
 變成什麼問候都沒有,坐到桌邊也不被允許,我們依然站著,聽著神殿長的話。這莫非是,很普通的也說不定,只知道至今都很親切的神殿長,不假思索地皺起了眉頭。

 神殿長の隣に座る神官長は静かな無表情でわたし達を見ているだけで、神殿長のように軽蔑したような目で見ることはない。しかし、神殿長を止める気もないようで、澄ました顔をしている。
 坐在神殿長的隔壁的神官長就只是用靜靜的無表情看著我們,沒有向神殿長一樣用輕蔑的眼神看著。但是,似乎也沒有要制止神殿長,正做出不在乎的臉。
 神殿長はコホンと咳払いをして、眉を動かしながら実に偉そうな態度で口を開いた。
 神殿長咳喝地清清喉嚨,一邊挑動眉毛一邊用實在了不起似的態度開口了。

「マインが巫女見習いを希望しているのはすでに知っていると思うが、反対しているそうだな」
「雖然我認為已經知道瑪茵希望著實習巫女,但好像是反對的呢」
「えぇ、そうです。大事な娘を孤児と同じ環境にやりたいとは思えません」
「對,就是那樣。我不認為重要的女兒想要跟孤兒在同樣的環境下」

 父が静かに火花を散らしながら、神殿長を見るが、神殿長は父の態度など歯牙にもかけないというような興味のなさそうな顔で、髭を撫でた。
 父親一邊靜靜地散發火花,一邊看著神殿長,但神殿長用所謂父親的態度不值一提般毫無興趣似的臉,撫摸著鬍子。

「ふむ。そうかもしれんが、マインは身食いだ。身食いは魔術具がなければ生きていけない。神殿には魔術具がある。慈悲を以て、神殿が受け入れてやろう」
「呼唔。雖然是那樣也說不定,但瑪茵是身噬。身噬若沒有魔術具就無法活著。在神殿有魔術具,僅以慈悲,接受神殿吧」

 それは交渉の余地もない命令だった。神殿長の口調とぞんざいな態度が、非常に高圧的で、身分差に慣れていないわたしはどうしてもイラッとする。
 那是沒有談判的餘地的命令。神殿長的語調與粗魯的態度,非常高壓,不習慣身分差距的我無論如何都很著急。
 見下しているのがありありとわかる素振りに苛立ちを感じているのはわたしだけではないようで、父の身体がピクリと動いたのがわかった。
 對清清楚楚地明白到正輕視著的態度而感到著急的似乎不只有我,能明白父親的身體微微地動了。

「お断りします。孤児と同じ環境ではマインはどうせ生きられない」
「我拒絕。在與孤兒同樣的環境瑪茵怎樣都活不了」
「そうです。マインは身食いでなくても、非常に虚弱です。洗礼式で2度も倒れ、その後何日も熱が引かないような子供なんです。神殿で生活などできません」
「沒錯。就算瑪茵不是身噬,也非常的虛弱。在洗禮式上都倒下2次了,那之後好幾天燒都退不了般的小孩。在神殿生活之類的辦不到」

 わたしを守るように繋いでいる母の手に力がこもった。身分差を越えて拒否するというのは、命をかけるに等しい行為だ。
 像是為了保護我在牽著的母親的手上充滿了力量。所謂越過身分差距拒絕這件事,是等同於賠上性命的行為。
 当然、断られるなんて露ほども考えていなかったらしい神殿長は、両親揃って拒否したことに、やや禿げかけた額の上の方まで真っ赤にして、激昂した。
 當然,被拒絕什麼的似乎露骨般沒考慮過的神殿長,對雙親一致拒絕這件事,直到微微禿了的額頭上方都赤紅了起來,激動起來。

「両親揃って無礼な! おとなしく娘を差し出せ!」
「雙親一致都很無禮! 老老實實把女兒交出來!」

 これのどこが聖職者だ、と呆れてしまうくらい感情的でみっともない姿に、ひくっとわたしの頬が引きつった。こんなんでも貴族で、平民であるわたし達は頭を下げなければならない相手だというのが、わたしは理解したくない。
 對宛如這算哪門子的聖職者啊、般吃驚著的情緒化又難看的身姿,我的臉頰不斷抽蓄著。這也算是個貴族,雖然是所謂身為平民的我們必須要低下頭的對象,但我不想理解。
 父の方こそ怒りに震えているだろうが、それを感じさせないほど静かな口調で、父は再度拒否をする。
 父親那邊才憤怒地顫抖著吧,但用感覺不出那個般的平靜口吻,父親再度拒絕。

「お断りします。神殿には孤児がたくさんいる。こき使うのも、慰み者にするのも、そちらで済ませていただきたい。大事な娘を孤児の中に放り込むような真似は断じてしません」
「我拒絕。在神殿裡孤兒有很多。驅使也好,消遣者也好,想請您用那邊來解決。將重要的女兒放進孤兒之中般的模仿決不會做」

 父の言葉に母も痛いほどにわたしの手を握って、しっかりと頷いた。わたしにとっては嬉しくて誇らしくて、思わず笑ってしまいそうな両親の言葉だったが、神殿長にとっては火に油を注ぐだけのものだった。
 對父親的話語母親也疼痛般地握著我的手,明確地點頭。對我來說是既高興又自豪,是不由得笑了的般雙親的話語,但對神殿長來說只是在火上加油的東西。

「ふざけるな! この無礼な両親を捕らえて、マインを奥に閉じ込めろ!」
「別開玩笑了! 抓住這無禮的雙親,將瑪茵關進裡面!」

 神殿長がくるっと振り向いて背後に立っていた灰色の神官に向かって叫んだ。短絡的なのか、話し合いなど考えたこともないのか、いきなり強硬手段を取る神殿長がガタッと椅子を蹴倒して立ち上がる。
 神殿長轉過身去向站在背後的灰色的神官大叫著。是短路了嗎,交談之類的都沒考慮過嗎,突然採取強硬手段的神殿長嘎嗒地踢倒椅子站了起來。

「下がってろ」
「退後」

 父がわたしと母を守るように前に出るのと同時に、灰色の神官がザッと向かってきた。テーブルの向こうだったお陰で、一斉に飛びかかられるということはなく、少しずつの時間差があった。
 在與父親為了保護我跟母親而出到前面的同時,灰色的神官唰地過來了。多虧是在桌子的對面,沒有所謂一起跳了出來,有了一點點的時間差。
 さっと構えた父に向かって、神殿長がいやらしい笑みを浮かべる。
 朝向一下子擺好架式的父親,神殿長露出了討厭的笑容。

「神官に手を上げたら、神の名の元に極刑にしてやろう」
「對神官投降的話,在神之名之下處以極刑吧」
「マインを守ると決めた時から、それくらいの覚悟はできている」
「從決定保護瑪茵的時候開始,就做了那種的覺悟」

 父は向かってくる神官の腹に思い切り拳を叩きこみ、身体を折ったところで、膝蹴りを顎に食らわせて昏倒させた。そのまま背後に駆け寄ってきた神官の眉間に裏拳を打ち込んで蹴り飛ばす。
 父親對朝向過來的神官腹部敲進堅決的拳頭,在折起了身體時,對下巴來一記膝踢讓他昏倒。就那樣對繞到背後來的神官的眉間打進裏拳並踢飛。
 次々と急所を攻撃して、神官を戦闘不能にしていく父の流れるような動きに、全く迷いなどなかった。 何より、兵士として訓練を重ねた父と貴族神官の世話を主にする灰色神官では勝負になるはずがない。普段それほどの暴力にさらされていないのか、残った二人の神官は怯えたような目で父を見ながらじりじりと後ろに下がっていく。
 接連不斷地攻擊著要害,對讓神官無法戰鬥了的父親流暢的動作,完全沒有迷惘。 畢竟,作為士兵重複著訓練的父親跟主要是照顧貴族神官的灰色神官應該是比不起來的。是平時沒被暴露在那種暴力之下嗎,剩餘的兩人神官用膽怯似的眼神一邊看著父親,一邊緩緩地逐漸退到後面。

「フン、一人二人は相手にできても、大勢ならいつまでもつかな?」
「哼,就算一人兩人能當對手,如果人多勢眾看你能撐到何時?」

 父の覚悟を嘲笑うように、神殿長はドアを開けた。どのような方法で呼び集めていたのか、ドアの向こうには10人以上の神官がいて、部屋の中に一気になだれ込んできた。
 像是嘲笑著父親的覺悟,神殿長打開了門。是用了怎樣的方法召集的呢,在門的對面有著10人以上的神官在,在房間裡面一口氣蜂擁而入。
 勝ち誇ったようにこちらを見ている神殿長の表情に、わたしの中の何かがプツッと切れた。
 對象是誇耀勝利般看著這邊的神殿長的表情,我的體內有什麼噗滋地斷了。

 いい加減にして!
 給我差不多一點!

 身体中の血が沸騰するように全身が熱くなって、そのくせ、頭は妙に冷静に冷え切っているような感覚に包まれた。全身が怒りに染まっているのがわかる。
 像是身體裡面的血液沸騰著般全身變熱了,儘管如此,腦袋卻異常地冷靜.被冷澈般的感覺包圍。能明白全身沾染著憤怒。

「ふざけるなはこっちのセリフ。父さんと母さんに触らないで」
「別開玩笑了是這邊的台詞。別碰爸爸跟媽媽」

 わたしが一歩前に出ると、偉そうに笑っていた神殿長も、一人静かに座ったまま状況を見ていた神官長も、なだれ込んできた神官達までもが、何故か揃って驚愕した目でわたしを見た。
 我往前站一步後,不管是了不起似地笑著的神殿長,還是仍舊一個人靜靜地坐著看著狀況的神官長,就連蜂擁而入的神官們也是,不知為何一致用驚愕的眼神看著我。

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 家族を守るヒーロー思考な父の見せ場でした。
 是保護家人的英雄思維般的父親的最精彩場面。

 次回、話し合いと決着です。
 下回,協商與尾聲。
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