創作內容

1 GP

第一部士兵的女兒 寂靜大騷動

作者:SPT草包│2017-07-06 17:24:33│贊助:2│人氣:126
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 静かに大騒ぎ
第一部士兵的女兒 寂靜大騷動
原文連結

 先に入った子供達の甲高い声が反響して、神殿の中はくわんくわんと頭の痛くなるような音がしている。思わず足を止めてしまったわたしの手をルッツが軽く引っ張った。
 剛才進去的小孩子們的尖銳聲音迴響著,神殿裡面正發出口齒不清般變得頭痛不已的聲音。路茲輕輕地拉著不由得停下腳步的我的手。

「足元、段があるから気を付けろ」
「腳下,因為有階梯小心點」
「うん」
「嗯」

 わたしが足元に気を付けながら、数歩歩いたところで、ギギッと重そうな音を立てて、背後の扉が閉まっていく。
 在我一邊當心著腳邊,一邊數著一步步的的時候,發出了嘰嘰地沉重般的聲音,背後的門逐漸關上。
 いきなり足元が暗くなったことに驚いて振り返ると、灰色の衣装の神官が扉を閉めているのが見えた。
 對腳下突然變暗而驚訝回頭時,看到灰色服裝的神官正關上了門。

「あ、そっか。わたし達が最後だから……」
「啊,這樣啊。因為我們是最後的……」

 きっちりと閉められた扉の前にゆったりとした足取りで青い衣装の神官が歩いてくる。神官が不思議な色の石が付いた風鈴のようなベルを振って、チリンチリンと鳴らした。
 在被正好關上的門前面以大方的腳步走著的藍色服裝的神官。神官搖著附有不可思議顏色的石頭風鈴般的鈴,叮鈴叮鈴地鳴響著。
 次の瞬間、子供達の声が響き合い、さらに、声が反響してした神殿の中がこだまする音だけを残して、シンと静まった。
 下個瞬間,小孩子們的聲音互相響著,並且,聲音迴響著的神殿裡面殘留著只有回音的聲音,寂靜無聲。

「何だ、これ?」
「怎了,這個?」

 ルッツの声が出ていない。正確には、小声以上の声が出ていない。表情や仕草から察するに、普段ならもっと大声だったはずだ。ルッツは声が出ない自分に驚いたように喉に手を当てる。
 路茲的聲音發不出來,正確來說,是小聲以上的聲音發不出來。從表情或動作推測,如果是平時應該是更大聲的。路茲對聲音出不來的自己驚訝般地把手貼到喉嚨上。

「魔術具じゃないかな? 青い神官がベルを鳴らした瞬間だったから」
「會不會是魔術具呢? 是從藍色神官鳴響鈴的瞬間開始」

 わたしもやはり声を出そうとしても、小声以上の声が出せない。しかし、神官がベルを振る瞬間を見ていたので、理由が察せられた分、落ち着いていられた。
 就算我也發出果然的聲音,小聲以上的聲音出不來。可是,由於看到了神官搖鈴的瞬間,理由被察覺的狀態下,被冷靜的下來。
 わたしの言葉にルッツもホッと身体の抜く。自分だけでなく、理由があることだとわかって、落ち着いたようだ。
 路茲因我的話語也放心地放鬆了身體。並非只有自己,明白了是有理由的,似乎冷靜了。

 ずらりと並んでいる行列の最後尾で、わたしはハァ、と感嘆の溜息を吐きながら、上へと向いた。
 在一大排排列著的列隊的最末尾,我一邊哈地吐露感嘆的嘆息,一邊朝向上面。
 神殿の中は吹き抜けのように天井が高く、奥行きがあり、両側とも壁際には複雑な彫刻がなされた太い円柱の柱が整然と並んでいる。4階くらいの高さに窓が等間隔で並び、光が真っ直ぐに差し込んでいた。
 神殿裡面像是樓梯井的天花板很高,有著縱深,兩側也在靠牆邊有著整齊地排列著被雕了複雜的雕刻的粗圓柱的柱子。在4樓左右的高度上窗戶以等間隔排著,有光芒比直地照射了進來。
壁も柱もところどころに装飾に金が使われている以外は白で、少しの光でも明るく見える。色彩が豊かなのは正面だけだ。
由於不管牆壁或柱子到處在裝飾上被使用了金以外都是白的,稍微的光芒也看得很清楚。色彩豐富的只有正面。

 写真集や美術館で見たことがあるキリスト教の教会とは違って、壁画やステンドグラスはない。また、真っ白の石造りなので、そもそも日本の神社やお寺とは雰囲気が違う。東南アジアの極彩色とも違う。
 與在寫真集或美術館裡有看過的基督教教會步一樣,沒有壁畫或彩色玻璃。還有,由於是雪白的石造的,原本就與日本的神社或寺院氛圍不一樣。與東南亞的五顏六色也不一樣。
 一番奥の壁は天井から床まで色とりどりのモザイクで複雑な文様が描かれ、横から入ってくる光で神々しく照らされている部分だけが、ちょっとだけモスクと似ていると感じたけれど、一番下から窓の高さほどまで40段ほど階段が続いていて、その途中途中に石像が飾られているので、やはりかけ離れている。
 最深處的牆壁是從天花板到地板以色彩斑斕的馬賽克描繪著複雜的圖案,雖然說只有以從側邊進來的光芒被神聖地照耀著的部份,感覺稍微有點跟清真寺很相似,從最下面直到窗戶的高度左右約40階的樓梯延續著,由於那個途中偶爾被裝飾著石像,果然離得很遠。

 もしかしたら、あの階段って、天や神に届く階段を意識しているのかな? 何か段の上に石像が並んでいるのがお雛様っぽいけど。
 難道說,那個樓梯,是不是有著到達上天獲神明的樓梯的意識呢? 總覺得階梯上的石像排列著有如雛人形般就是了。

 階段の一番上には男女2体の石像が並べられていた。並べられた雰囲気から夫婦の神様のようで、一番上にいるから、多分最高神ではないかと思う。
 在樓梯的最上面是男女2座石像被排列著。從被排列著的氛圍像是神明大人夫婦,因為是在最上面,我想大概是不是最高神呢。
 真っ白の石像なのに、男神はキラキラと反射している金を星のようにちりばめたような黒いマントを肩から掛けられ、女神は光を表現するように先の尖った細長い棒が放射状に広がっているような金色の冠を頭に飾られている。
 明明是雪白的石像,男神從肩膀披上鑲嵌著像是星星閃閃發光地反射著金般的黑色斗篷,女神在頭上被裝飾著像是表現出光芒前端尖銳的細長棒子呈放射狀擴散著般的金色頭冠。

 光の女神と闇の神って感じ? それとも太陽の女神と夜の神かな? どっちにしても石像の冠とマントが浮いているんですけど。
 是光之女神與闇之神的感覺? 還是說是太陽的女神與夜之神呢? 就算是哪一種石像的頭冠與斗篷是浮起來的就是了。

 そこから、数段下がったところにややふくよかで、柔和な雰囲気の女が宝石の煌めく黄金に輝く聖杯を腕に抱えている石像があった。
 從那裡,下去數階的地方有著微微發福、溫柔氛圍的女子將輝煌的寶石閃耀於黃金上的聖杯抱在手腕裡的石像。
 そして、その下には杖を持った女、槍を持った男、盾を持った女、剣を持った男と石像が並んでいる。どの石像も白いのにそれぞれ一つだけ色彩のついているものを持っているのが不思議な感じだ。わざわざ本物を持たせているのだから、何か意味があるのだろう。
 然後,在那下面拿著杖的女子、拿著槍的男子、拿著盾的女子、拿著劍的男子與石像並列著。哪座石像都明明是白的卻各自拿著只有一個附帶色彩的東西很不可思議的感覺。因為特意拿著真貨,是有著什麼意義的吧。

 聖杯とか聖剣とか、そういうのかな?
 是聖杯嗎還是聖劍呢,是那樣的嗎?

 それより下の段には花や果物、布など供物っぽいものが並べられている。見れば見るほど、お雛様のようだ。
 在從那裡下來的階梯上被擺著花朵或水果、布疋之類供品般的東西。越看、越像是雛人形。

「マイン、ぼーっとしてないで前向いて歩けよ」
「瑪茵,別發呆向前走唷」
「んぁ? あ、ごめんごめん」
「嗯? 啊,抱歉抱歉」

 ルッツにくいっと手を引かれて、わたしは少し足を速めて行列の後ろについて歩いた。
 被路茲用力地拉著手,我稍微加快腳跟在列隊的後面走著。
 真ん中は行列が歩けるように空けられていて、両脇に厚みのある赤いカーペットがだいたい1メートルくらいの間を開けて敷かれている。
 正中間為了列隊能走而被空了下來,在兩邊有著厚度的紅色地毯大概打開了1公尺左右的中間被鋪設著。

 正面に机がいくつか並べられ、青い衣装を着た神官が何人か並んで、何か手続きをしているようだ。手続きを終えた子供達は、灰色の神官に誘導されて左右に別れて歩きだす。
 在正面被擺著幾張桌子,穿著藍色服裝的神官排列著幾個人,似乎在辦理著什麼手續。結束手續的小孩子們,被灰色的神官誘導分別往左右開始走。
 壁際から真ん中に向かって歩いて、靴を脱いでカーペットに座っていくのが見えた。
 看到了從靠牆向正中間走過去,脫掉鞋子坐進地毯上。

 行列は少しずつ前に進んでいき、何をしているのかが、ルッツには見えるようになってきたようだ。前の方を覗きこんでいたルッツが小さく「ぅげっ」と声を出したのがわかった。
 列隊一點點地往前進,是要做什麼呢,路茲的話似乎變得能看見了。知道了觀望著前方的路茲發出了「喀」的聲音。

「どうしたの、ルッツ? 前の方、何してるか見えたの?」
「怎麼了嗎,路茲? 前方,在做什麼呢看得到嗎?」
「……あ~」
「……啊~」

 言いにくそうに視線を彷徨わせた後、諦めたように溜息を吐いて、こちらを向いた。
 難以言說似地徬徨著視線之後,好像放棄地嘆了一口氣,面向了這邊。

「マインの苦手な血判」
「瑪茵不善長的血印」
「え?……え?」
「咦?……咦?」
「魔術具かな。みんな血判を押してる」
「是不是魔術具呢。大家按著血印」

 聞こえなかったことにしたかったけれど、回れ右をして逃げ出したかったけれど、ルッツがきつく手を握っていて離してくれない。
 雖然說想裝作沒聽到,雖然說想向右轉逃出去,但路茲緊緊握著手無法離開。

「諦めろ。何かに登録してるみたいだ。これが市民権ってヤツに繋がるんじゃないのか?」
「放棄吧。好像是登記在什麼上面。這個是不是跟市民權那玩意兒連接著呢?」
「うっ……。だよね? さすがにわたしもそう思う」
「嗚……。也是呢? 畢竟我也是那麼認為」

 洗礼式を終えることで、街の住人として認められ、市民権を得られるとオットーやベンノが言っていた。それはつまり、どんなに嫌でもこの儀式を終えなければ、市民権が得られないということだ。
 因結束洗禮式,作為城市的居民被認可,獲得了市民權的歐拓或班諾說過了。這也就是說,是所謂無論再怎麼討厭若不能結束這個儀式,就無法獲得市民權。

「……なんで魔術具って血が好きなんだろうね?」
「……為什麼是說魔術具喜歡血的吧?」
「さぁな」
「誰知」

 毎度毎度魔術具と係わる時は、自分の指を切って血を出すことになる。何度か経験したところで、痛い思いをすることは慣れるようなものではない。
 每一次每一次跟魔術具有關的時候,就變得要切自己的手指弄出血。有過好幾次的經驗,疼痛的想法不是能習慣般的東西。
 わたしがビクビクしながら前の子の様子を伺っていると、ぶっきらぼうな態度の青い神官が針のようなもので、プツッと指先を突いて、その指を白くて平べったい石のような、メダルのようなものにギュッと力任せに押し付けているのが見えた。
 我一邊戰戰兢兢一邊觀望著前面的孩子的樣子時,看到了粗魯般的態度的藍色神官用針般的東西,噗滋地扎進指尖,將那手指在又白又扁平的石頭般、獎牌般的東西上緊緊地用全力壓上去。
 悲鳴の形に子供の口が開いたけれど、悲鳴が上がることはない。痛そうに指先を押さえながら、席に誘導される姿を見て、身震いした。
 雖然說在悲鳴的形式上小孩子開口了,但沒有湧出悲鳴。看著一邊疼痛似地按著手指頭,一邊被誘導到座位上的身影,發抖著。

「はい、次。こちらへ」
「好的,下一位。來這邊」

 人数が少なくなってきたので、空いている机から声がかかった。ルッツに押し出されて、わたしは呼ばれたところへ向かう。
 由於人數變沒多少了,從空著的桌子發出了聲音。被路茲推了出去,我朝向被呼喚的地方。
 青い神官がわずかに目を細めて、わたしを上から下まで一瞥し、手を差し出した。
 藍色神官微微地瞇起眼睛,從上到下撇了我一眼,伸出了手。

「手の平を上にして、手を出して。プツッとするが、それほど痛くはないはずだ」
「手掌向上,伸出手來。雖然會噗滋一下,但應該沒那麼痛」

 痛くないと言われたことが本当に痛くなかった試しはない。針で刺された瞬間熱い物を押しあてられたような鋭い痛みがして、赤い血がぷっくりと盛り上がってくる。痛みと赤い血を見て、すぅっと自分の血の気は引いていく。
 沒試過被說了不會痛就真的不會痛。被用針刺的瞬間像被押在火熱的東西上般尖銳的疼痛,鮮紅的血圓圓地膨脹了起來。疼痛與看到了血,自己的臉色迅速地發白了起來。

「これに血を付けて」
「在這裡放上血」

 先程見た人のように力ずくで指を押し付けるような乱暴な神官ではなかったようで、小さなメダルのようなものを手渡してくれた。ちょんと血を付ければそれでよかったようで、予想していたほどの痛みではなかったことに安堵する。
 似乎不像是剛才看到的人一樣用盡力量壓上去般野蠻的神官,給地教了小獎牌般的東西。好像稍微放點血的話那樣就行了,沒有預想那樣的疼痛而放心了。

 乱暴な人じゃなくてよかったけど、まだ指先がジンジンするよ。
 雖然不是野蠻的人很好,但指尖又麻麻刺刺的。

 もしかしたら、声を上げさせない魔術具はただお喋りが反響してうるさくなるのを防ぐためだけではなく、悲鳴を響かせないためなのかもしれない。
 難道說,無法提高聲音的魔術具並不僅僅只是為了防止說話產生迴響變得吵鬧,是為了不響起悲鳴也說不定。

「君達が最後だよ。こっちに来て」
「你們是最後的喔。過來這裡」

 成人したてのようで、まだ幼さの残る灰色の神官に声をかけられ、わたしとルッツはカーペットへと向かった。
 被似乎成年了、還殘留著年幼的灰色神官叫喚了,我與路茲朝向了地毯。
 靴を脱いで上がるように説明されたので、脱いでカーペットに座る。胡坐をかいたり、足を投げだしたりして座る子が多い中、わたしは一人体育座りをしていた。体育館のように広い場所で、同じ年の子供達が集まっているので、何となく体育座りをするのが一番正しい気がしたのだ。
 由於被說明了像是脫下鞋子上來,而脫掉坐進地毯。很多又是盤腿座,又是伸腿座坐著的孩子裡面,我一個人做著體育座。由於在像是體育館寬敞的地方,同年紀的小孩子們聚集著,不由得感覺做體育座是最正確的。

「マイン、なに丸まってんだよ?」
「瑪茵,怎麼縮成一團了唷?」
「丸じゃなくて、三角だよ。三角座りとも言うんだから」
「才不是圓的,是三角唷。因為也叫作三角座」
「は? 三角? どこが?」
「啥? 三角? 哪裡?」
「ここ」
「這裡」

 わたし達がそんな話をしているうちに、全員分の登録を終えた青い神官達がぞろぞろと机の前から退いて行く。青い神官が先程登録したメダルのようなものを入れた箱を持って退室していくと、次は灰色の神官達がわらわらと動いて次の準備を始めた。机が運び出され、代わりにもっと豪華な祭壇が階段の前に設置される。
 在我們說著那樣的對話的期間,結束了全員份的登記的藍色神官們一個接一個從桌子前面退開了。藍色神官拿著放入剛才做了登記的獎牌般的東西退出房間後,接下來是灰色的神官們嘩啦嘩啦地動了開始下個的準備。桌子被搬了出去,代替的是更豪華的祭壇被設置在樓梯的前面。

 一度退室していた青い神官が祭壇の両脇に並び、準備を終えたらしい灰色の神官はわたし達が座っている辺りの壁際にほぼ等間隔で並んだ。学校集会で生徒が騒がないように監視する教師のような配置に、わたしは体育座りをしている背筋を心もち伸ばした。
 退出房間一次的藍色神官並列在祭壇的兩邊,似乎結束準備的灰色神官幾乎以等間隔並列在我們坐著的附近靠牆上。對在學校集會上像是監視著學生不會騷動的教師般的配置,我稍微舒展坐著體育座的背部。

「神殿長、入室」
「神殿長,進入房間」

 そう言って、青い神官が手に持っている棒を振った。たくさんの鈴が鳴ったような音が響き、ずるずるした白い衣装に金色のタスキを斜めにかけたおじいちゃんが、手に何かを持って入ってくる。
 那樣說了,藍色神官揮動拿在手上的棒子。很多的鈴響起般的聲音迴響著,拖曳著在白色服裝上斜斜披掛著金色肩帶的老爺爺,拿了什麼在手上進來了。
 ゆっくりとした足取りで祭壇に着いた神殿長は、祭壇に持っていた物をそっと丁寧に置いた。
 用緩慢的腳步到達祭壇的神殿長,輕輕地將拿著的東西謹慎地放在了祭壇上。

 あれ、もしかして、本!?
 那個,難道是,書本!?

 何度か目をゴシゴシ擦った後、何度も何度も目を凝らして見直す。神殿長がおもむろにページをめくり始めたのを見て、確信した。あれは本で間違いない。聖書とか聖典とかそんな感じの本だ。
 使勁地擦了好幾次眼睛之後,好幾次好幾次目不轉睛重新審視。看到神殿長慢慢地開始翻頁,確信了。那個肯定是書本。要說聖經嗎還是聖典呢是那種感覺的書本。

「ルッツ、本! 本があった!」
「路茲,書本! 有書本!」

 床に座り慣れていなくて、もぞもぞと落ち着かない動きをしているルッツの肩をペシペシと叩きながら、わたしが興奮して祭壇を指差すと、ルッツもやや身を乗り出して前を見た。
 一邊啪啪地拍著坐不習慣地板、動來動去地冷靜不了而動著的路茲的肩膀,我一邊興奮著用手指著祭壇後,路茲也稍稍挺處身體看著前面。

「どこ? どれが本?」
「那裡? 哪個是書本?」
「ほら、今、神殿長が持ったの。あれ!」
「你看,現在,神殿長拿著的。那個!」

 おそらく皮の表紙で、傷みやすい四隅を金細工で補強して装飾してある。小さな宝石も埋め込まれているように見える。
 由於恐怕是皮的封面,有用金工藝將容易損壞的四角補強著裝飾著。看起來好像小小的寶石也被埋了進去。

「あれが本? すげぇ高そうだな。マインが作ってたのと全然違うじゃん」
「那個是書本? 似乎貴得恐怖呢。跟瑪茵做的完全不一樣嘛」
「あんな芸術的価値までありそうな本と実用性重視のわたしの本を一緒にしないで。あそこの石像が持っている剣とルッツのナイフを比べるようなものだよ」
「別將就連那樣藝術的價格都有般的書本跟重視實用性的我的書本放一起。是將那邊的石像所拿著的劍與路茲的小刀比較般的東西唷」
「あぁ、なるほど。それにしても、こんなところにあるなんてビックリだな?」
「啊,原來如此。就算是那樣,在這種地方有著什麼的嚇到了嗎?」
「……ビックリじゃない。よく考えたらわかって当然のことだった」
「……沒有嚇到。是好好考慮的話就明白的當然的事情」

 宗教に大して興味がない典型的な日本人だったせいで、敢えて神殿に近付こうなんてしていなかったけれど、宗教施設にはだいたい聖典とか、経典とか、聖書とか、それぞれの教えをまとめた資料がある。本がある。
 由於是對宗教沒多大興趣的典型日本人的緣故,雖然說並非一定是要親近神殿什麼的,但在宗教設施裡大致上匯集有聖典啦、經典啦、聖經啦,各種的教導的資料。有著書本。
 わたしが儘ならない身体を動かして、お金のない状況で必死になって作らなくても、本はちゃんと存在した。
 我動著不順心的身體,就算因沒有錢的狀況變得拚命也做不出來,書本也好好地存在著。

 商業ギルドが情報の最先端なら、神殿は神学、数学、音楽、美術など神に近付くための学問や芸術の最先端だ。
 如果商業公會是情報的最前端,神殿就是神學、數學、音樂、美術之類為了親近神的學問或藝術的最前端。
 キリスト教もそんな感じで学問が発展していったし、日本にしても寺や神社は人が集い、指導する立場の知識人がいる場所で、学問の最先端だった。
 基督教也是以那樣的感覺發展著學問,日本也是那樣寺院或神社聚集著人,在有著做指導立場的知識份子的地方,是學問的最前端。

「うわあぁぁぁん、もっと早く神殿に来ればよかった。なんで思いつかなかったの。わたしのバカバカ! そしたら、苦労しなくても本が読めたのに!」
「嗚哇啊,更早來到神殿的話就好了。為什麼沒有想到呢。我真是個笨蛋! 那樣的話,就算不勞苦也能讀到書本了的說!」

 いくら叫んでも声が上がらないようになっていてよかったかもしれない。心のままに叫んでいると、隣のルッツが呆れたように肩を竦める。
 變得像是即便再怎麼叫喊聲音都提高不了真是太好了也說不定。隨心所欲地叫喊後,旁邊的路茲像是嚇呆了聳著肩。

「あのさ、マインはすっかり忘れてるみたいだけど、洗礼式まで子供は神殿に入れてくれないぜ? 早くに思いついて神殿まで来ても、どうせ門番に止められて入れなかったから」
「那個啊,雖然說瑪茵好像完全忘記了,洗禮式之前的小孩子是不給進入神殿的喔? 因為就算想到要快點而來到了神殿,反正也會被門衛制止而進不來」

 そういえば、そうだった。
 這麼說來,是那樣啊。
 神殿に入れるのは洗礼式を終えた子供だけだ。
 能進入神殿的只有結束洗禮式的小孩子。

「でも、初めて神殿に来た洗礼式で巡り合えるなんて、運命の出会いだと思うの」
「但是,我認為第一次因洗禮式來神殿而邂逅之類的,是命運的相遇」
「7歳になったら全員神殿に行くんだから、運命でも何でもないだろ?」
「因為到了7歲的話全員都要去神殿,即便是命運也不算什麼吧?」
「もう、ルッツ。いちいち落とさないでよ」
「夠了,路茲。別一一掃我興唷」
「本があって興奮してるのはわかったから、落ちつけって。ここで倒れられたら困る」
「因為有書本而興奮是能明白的,但冷靜點。被倒在這裡的話會傷腦筋的」

 興奮するわたしを落ち着かせようとするルッツ。
 打算讓興奮著的我冷靜的路茲。

「え? でも、こんな近くに本があるのに、興奮せずにいられる? 無理でしょ?」
「哎? 但是,明明在這麼近有著書本,不准我興奮嗎? 不可能的吧?」
「無理でも落ち着け。どうせマインが読ませてもらえるような本じゃないんだから」
「不可能也要冷靜。因為反正不會是能讓瑪茵看的書」
「あ……そうだね」
「啊……也是呢〕

 本はあっても、わたしに触れる本ではない。皮張りで宝石までついているような本を読ませてもらえるわけがない。
 就算有書本,也不是我能碰的書本。不可能將繃著皮連寶石都附上的書本讓我讀的。
 状況を理解したことで興奮がすぅっと引いて行き、しょぼんとして体育座りをし直した。
 因理解了狀況興奮迅速地平息下來,無精打采地重新坐正體育座。

「君達は今日7歳となり、正式に街の住人として認められた。おめでとう」
「你們今天7歲了,正式地作為城市的居民被認可了。恭喜」

 年寄りのおじいちゃんなのに、神殿長の声には張りがあり、神殿の中によく響く。お祝いの言葉から始まり、神殿長は聖典らしい本を朗々とした声で読み始める。本に心の全てを持っていかれているわたしは、身を乗り出し気味にして耳をすませた。
 明明是年老的老爺爺,神殿長的聲音有著張力,在神殿裡面很響亮。從祝賀的話語開始,神殿長開始用朗朗的聲音讀起了好像聖經的書本。被書本拿走了心靈的一切的我,做出探出身子的心情仔細聆聽。

 お話の内容はベンノがいつだったか言っていたように、創世神話と季節の移り変わりに関するものだった。子供にわかりやすいように簡単な言葉で語ってくれる。
 講話的內容像是班諾什麼時候說過的,是有關創世神話與季節的變遷的東西。像是讓小孩子容易明白而用簡單的話語述說。

「闇の神はずっとずっと、気の遠くなるような長い時間をたった一人で孤独に暮らしていた」
「闇之神長久一直,隻身一人孤獨地度過了久到不能再久的漫長時間」

 そんな始まりで、太陽の女神と出会い、色々あって結婚することになり、子に恵まれて、水の女神と火の神と風の女神と土の女神が生まれ、わたし達がいるこの世界を作り上げていきました、という話だ。
 以那樣的開始,與太陽的女神相遇,發生各種事結了婚,受惠於孩子,水之女神與火之神與風之女神與土之女神出生了,創造完成了我們存在的這個世界,那樣的故事。
 色々あっての部分が、子供向けにオブラートに包まれていたが、かなり昼ドラっぽい匂いがした。
 發生各種事的部份,雖然被包裝成兒童向,但有著相當肥皂劇的氣味。

 でも、神話ってそんなもんだよね。わたしが知る限りの神話はどれもこれもカオスだ。突っ込んだら負け。
 但是,神話就是那樣的東西呢。我所知道的神話不論哪個都是混沌。深入的話就輸了。

 新しい話というだけで十分に楽しいけれど、わたしは自分が知っている神話と比べながら聞いていたので、さらに楽しく聞けた。
 雖然說只因是所謂新的故事就十分的快樂,但由於我一邊跟自己所知道的神話相比一邊聽著,更能快樂地聽著。
 だが、あまり興味もなく、面白さがわからないらしいルッツは退屈そうに身体を揺すりながら、わたしを羨ましそうに見た。
 但是,似乎不太有興趣、不明白哪裡有趣的路茲一邊無聊似地搖況著身體,一邊羨慕似地看著我。

「マインは楽しそうだな」
「瑪茵好像很快樂呢」
「うん、かなり」
「嗯,相當」
「どこが楽しいんだ?」
「哪邊很快樂啊?」
「最初から最後まで全部」
「從最初到最後全部」

 わたしが満面の笑顔で答えると、呆れたようにルッツが溜息を吐いて首を振る。
 我用滿臉的笑容回答後,像是吃驚般的路茲嘆了一口氣搖了搖頭。

「……そっか。よかったな」
「……是嗎。太好了呢」
「うん!」
「嗯!」

 創世の話の後は、季節の移り変わりに関する神話だった。
 創世的故事之後,是有關季節的變遷的神話。
 ベンノから「春は雪解けの水の季節で芽が息吹く。夏は太陽が一番近い火の季節で葉が茂る。秋はひやりとしてくる風の季節で実が実る。冬は命が眠る土の季節だ」と聞いていたが、実際の神話を聞くとかなり違って聞こえた。
 雖然從班諾那聽過「春天是融雪的水之季節而嫩芽吐息。夏天是太陽最接近的火之季節而枝葉繁茂。秋天是作為寒冷來臨的風之季節而果實結果。冬天是生命沉睡的土之季節。」,聽到實際的神話後聽起來相當不一樣。

「土の女神は太陽の女神と闇の神の末娘です。ある時、命の神が土の女神を一目見て好きになってしまいました。そして、父である闇の神に結婚を願い出ました。たくさんの子が生まれるだろう、命の神の求婚に喜んだ闇の神は二人の結婚を認めました」
「土之女神是太陽的女神與闇之神的小女兒。那個時候,命之神看一眼土之女神就變得喜歡上了。然後,對身為父親的闇之神提出希望結婚。是生了很多小孩吧,喜悅於命之神的求婚的闇之神認可了兩人的結婚」

 そんな始まりだった季節の神話だが、ルッツは退屈そうに欠伸するような話だったので、わたしの解釈でダイジェストでお送りしたいと思う。
 雖然是那樣開始的季節的神話,但由於是讓路茲無聊似地打起呵欠的故事,想到想要用我的解釋蟻摘要送過去。

 簡単にまとめると、実はヤンデレだった命の神が、土の女神を氷と雪の中に監禁&凌辱して孕ませ、まだ生まれていない子供達にまで勝手に嫉妬。力を奪い取って生まれなくしたのが冬。
 簡單地總結後,其實是病嬌的命之神,將土之女神監禁在冰與雪之中並凌辱至懷孕,甚至連還未出生的小孩子們也擅自地忌妒著。奪取力量且生不出來的是冬天。

 結婚してから全く姿を見せない土の女神を心配した太陽の女神が氷を溶かして、水の女神が、やりたい放題に盛って力が弱くなったヤンデレ神もろとも、氷と雪を押し流し、友人の女神達と一緒に子供達という名の種に力を加えて芽吹かせるのが春。
 自從結婚之後就擔心著完全看不到身影的土之女神的太陽的女神融化了冰,水之女神,沖走了繁榮於隨便想做就做的力量變弱的病嬌神一同、冰與雪,與友人的女神們一起為名為小孩子們的種子加上力量而嫩芽吐息的是春天。

 火の神が自分の友人達と力を与えて、芽生えた命がみるみるうちに成長していくのが夏で、すぐに実りの季節が来る。
 火之神與自己的友人們給予了力量,萌生的生命在觀看的期間裡成長起來的是夏天,馬上結果的季節來臨了。
 その頃には力が戻って、土の女神を求めてやってくるヤンデレ神。風の女神がヤンデレを妹に近付けないよう頑張るうちに、力を合わせて収穫を終わらせる秋。
 在那個時候力量回復,過來尋求土之女神的病嬌神。風之女神在努力不讓病嬌親近妹妹的期間,合併了力量結束了收穫的秋天。

 そして、兄姉神の力が弱ったところで、ヤンデレのターン。また監禁凌辱。いっそヤンデレを殺してしまいたいけれど、これから先、命が生まれなくなったら困るので、それもできない。苛々とジレンマを抱えた兄姉神が力を溜まるのをじっと待つ冬。
 然後,再說到兄姊神的力量衰弱,病嬌的折返。又是監禁凌辱。雖然說想要乾脆殺了病嬌,但由於今後,生命變得無法誕生的話就困擾了,那也辦不到。焦急地左右為難的兄姊神動也不動地積存著力量等待冬天。

 そんなやりとりが永遠ループして季節が巡っているらしい。どこの神話もツッコミどころ満載だ。
 似乎是那樣交換著永遠循環著季節輪迴著。哪裡的神話也都吐槽點滿載啊。

 ちなみに、わたし達、夏生まれの守護神である火の神は熱血で情熱的。そして、導き、育てることに関して加護があるらしい。
 順帶一提,我們,身為夏天出生的守護神的火之神是熱血又熱情的。然後,似乎有有關引導、培養的加護。
 神殿長が話を締めくくり、本を閉じた。
 神殿長總結了故事,闔上了書本。

「では、礼拝の仕方を教えよう。神々に祈りと感謝を示すことで、よりよい加護が与えられるだろう」
「那麼,來教導禮拜的辦法吧。向眾神表示祈禱與感謝,會被給予了更好的加護吧」

 真面目な顔をしてそう言いながら、神殿長がゆったりとした動作で祭壇の前へと出てくる。その間に灰色の神官がくるくると巻いてあるカーペットを青の神官の前に広げていく。
 做出認真的臉一邊那樣說,神殿長一邊以悠然的動作出來到祭壇的前面。在那期間灰色的神官將轉啊轉的捲起的地毯打開到藍色神官的面前。
 神殿長が10名ほど並んでいる青の神官の中央に立った。
 神殿長站在10名左右排列著的藍色神官的中央。

「では、やってみるので、よく見ているように。……神に祈りを!」
「那麼,試著做看看,為了能好好看著。……向神祈禱!」

 そう言いながら、神殿長はバッと両手を大きく広げ、左ひざを上げ、天を仰ぎ見た。
 一邊那樣說,神殿長一邊啪地大大張開雙手,抬起左膝蓋,仰望著天。

「ぐふっ!」
「咕呼!」

 わたしは吹き出しそうになったのを、自分の口を押さえて必死に堪えた。こんな神聖な儀式で、吹き出して笑うなんてダメだ。わかっている。
 我變得似乎要噴出來,拚命地壓住自己的嘴巴忍耐著。在這樣神聖的儀式,噴笑出來是不行的。我明白的。
 でも、笑ってはダメだと思うほど、大声で笑いたい衝動が込み上げて来て、お腹がひくひくと動く。
 但是,越認為不可以笑,越想用大聲來笑的衝動湧了來上,肚子微微地顫動著。

 だって、グ○コ! 真面目な顔で○リコのポーズなんだよ!? 何でグリ○!? 足上げる必要ないじゃん! おじいちゃんなんだから、片足立ちなんて危ないよ。
 因為,固○果! 用認真的臉做○力果的姿勢什麼的唷!? 為什麼是固力○!? 沒必要抬腳吧! 因為是老爺爺,單腳站立什麼的很危險唷。

 ほんの少しもぶれずにビシッと完璧なバランスを取っているところが余計に笑える。多分、変なツボにはまってしまった。この先は神殿長が何をしても笑える自信がある。
 幾乎沒有搖晃噼地保持完美平衡的點上多餘到好笑。大概,落入了奇怪的笑點裡。這之後有著神殿長就算做什麼都會笑的自信。
 太極拳のようにゆったりとした動きで手足を下ろすだけで、笑いを堪えていたのに、神殿長はわたしの腹筋に何か恨みがあるのだろうか。
 就只是像是太極拳一樣悠然地動作放下了手腳,明明忍耐著笑,神殿長是對我的腹肌有什麼怨恨嗎。

「神に感謝を!」
「向神感謝!」

 流れるような優雅な動きで、グ○コから土下座に変化した神殿長を見て、今度は口から堪え切れなかった変な息が漏れた。
 以流水似的優雅動作,看到從固○果變化成跪拜禮的神殿長,這一次從嘴裡露出無法完全忍住的奇怪氣息。

「ぶふっ!」
「噗呼!」
「マイン、どうした? 気分でも悪いのか?」
「瑪茵,怎麼了? 心情也很不好嗎?」
「だ、大丈夫。……まだ大丈夫。耐えられる。これは神がわたしに与えた試練だから」
「不、不要緊。……還不要緊。能忍住。因為這是神給予我的試煉」

 口元を押さえ、体育座りの膝に顔を伏せるようにして、わたしは心配するルッツに答えた。
 壓住嘴角,像是做出把臉趴在體育座的膝蓋上,我回答了擔心的路茲。
 さすがに礼拝のポーズが面白すぎて、ツボにはまったなんて、説明してもわかってもらえるはずがない。この笑いの波はグ○コを知っている者にしかわからないに違いない。
 說到底是禮拜的姿勢太過有趣、陷入笑點什麼的,就算說明了應該也無法明白。這笑意的波濤肯定只有知道固○果的人才能明白。

 これは宗教。これは宗教。真面目にしてるんだから、笑っちゃ失礼。
 這個是宗教。這個是宗教。因為是認真在做,笑了會很失禮。

 教室のドアを開けたら、アラーに祈っていたクラスメイトを思い出しながら、波打つ腹筋を何とか宥めていく。宗教の祈りなんて、他から見たら不思議なものだ。たまたまグ○コっぽいポーズだっただけ。笑っちゃダメだ。
 一邊回想起打開教室的門的話,向阿拉祈禱著的同班同學,一邊想辦法平息波動的腹肌。宗教的祈禱什麼的,是從其他來看的話不可思議的東西。只是偶然是固○果般的姿勢。不可以笑。
 ふーっ、ふーっと荒ぶる呼吸を整えて、普通の顔ができるようになったわたしが顔を上げるとの、神殿長が起立を促すのが同時だった。
 呼、忽地調整粗暴的呼吸,變得像是能做出普通的表情的我抬起頭,是神殿長催促起立的同時。

「では、立って。一緒にやるように」
「那麼,起立。為了能一起做」

 一緒って、一緒って、勘弁して!
 說要一起,說要一起,饒了我吧!

 周りがみんな立ち上がるので一緒に立ち上がったものの、口元はニヨニヨと動いているし、お腹はひくひくしていて、大笑いの前兆が見えている。
 雖然由於周圍大家站了起來而一起站了起來,但嘴角要笑不笑地扭動著,肚子微微抖動著,看得出是大笑的前兆。
 笑っちゃダメだ。笑っちゃダメだ、と自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、逆に笑いが込み上げてくる。
 不可以笑。不可以笑,越那樣說給自己聽,反而越湧上笑意。

「神に祈りを!」
「向神祈禱!」

 そう言って、神殿長がグ○コポーズをとった。
 那樣說後,神殿長採取了固○果姿勢。
 大丈夫。
 不要緊。
 二度目なので、衝撃は少ない。
 由於是第二次了,衝擊沒多少。
 笑いの波をやり過ごすことに成功し、わたしは自分の腹筋の勝利を確信した。
 在讓笑意的波濤過去上就成功了,我確信了自己的腹肌的勝利。

 次の瞬間、青い神官達が揃った動きでバッと手足を上げた。
 下個瞬間,藍色神官們以整齊的動作啪地抬起了手腳。

「神に祈りを!」
「向神祈禱!」

 前に10人ほどずらりと並んだ真面目な神官達による華麗なるグ○コに、わたしの腹筋はあえなく敗北。
 對起因於之前10人左右一大排排列著認真般的神官們華麗的固○果,我的腹肌悲慘敗北了。
 手の角度、足の高さ、無表情まで完璧に揃ったポーズに腹筋崩壊して、わたしはその場に立っていられず崩れ落ちた。
 腹肌對手的角度、腳的高度、就連無表情都完美地整齊的姿勢崩壞了,我當下站不住攤垮了。

「っ!……ふっ……ぐっ……」
「!……呼……呼……」

 お腹痛い! 誰か助けて!
 肚子好痛! 誰來救救我!

 口元を押さえて必死に堪えていても、目には涙がにじんでくるし、笑いの息が漏れていく。もういっそこのまま転げ回って床を叩いて大笑いできたらスッキリするのに、できないもどかしさが更に笑いを誘う。
 就算押著嘴角拚命地忍耐著,在眼裡眼淚滲了進來,笑意的氣吸露出來。明明夠了乾脆就這樣滾來滾去敲打著地板大笑的話就爽快多了,做不到的著急更引人發笑。

「マイン、やっぱり大丈夫じゃなかったじゃないか!」
「瑪茵,果然這並非不是不要緊!」

 必死で堪えるわたしの姿を心配したルッツがグ○コポーズのまま、片足でケンケンしながら寄ってくる。ルッツに止めを刺された気分で、わたしはもがきながら床を叩いた。
 擔心著拚命忍耐的我的身影的路茲依然是固○果姿勢,以單腳一邊單腳跳一邊靠近。因被路茲給了最後一擊的心情,我一邊掙扎一邊敲打著地板。

「ごめ……ふぐっ……息、できな……」
「抱歉……呼咕……呼吸,做不……」
「マイン! なんでそんなになるまで黙ってたんだ!?」
「瑪茵! 為什麼在變成那樣之前都沉默的呀!?」
「ち、違……へ、平気……」
「不、不是……沒、沒事……」

 うずくまったまま、パタパタと手を振ってルッツにそう言っていると、異変を感じたらしい灰色の神官が駆け寄ってきた。
 依然蹲著,快速地揮舞著手對路茲那樣說了後,似乎感覺到異常狀態的灰色神官跑了過來。

「そこ、どうした?」
「那邊,怎麼了嗎?」
「あの、マインが具合悪くなったみたいで、突然倒れたんです。元々虚弱で病弱なのに、洗礼式に興奮していたから……」
「那個,瑪茵好像狀態不好,突然倒下去了。明明原本就因虛弱而體弱多病,因為在洗禮式上興奮著……」

 確かに興奮はしたけれど、わたしは別に具合が悪くなったのではなく、ただの笑いすぎだ。神官を呼ぶようなことではない。
 雖然說的確是感到興奮,我並非是狀態變得不好了,只是笑過頭了。不是該呼叫神官的事情。

「だ、大丈夫。すぐに治ります! ほら!」
「不、不要緊。馬上能治好! 你看!」

 わたしは慌てて起き上がろうとしたが、突然の動きに身体が付いてこなかったのか、笑いすぎで酸欠状態だったのか、腕に力が入らず、ルッツと神官の目の前でベチャッと崩れ落ちた。
 雖然我驚慌地打算爬起來,但是因突然的動作身體跟不上嗎,還是笑過頭缺氧狀態呢,力量進不去手腕裡,在路茲與神官的眼前啪嗒地攤垮了。

「ほら、じゃねぇよ! これのどこが大丈夫なんだよ!?」
「妳看,才不是唷! 這哪裡是不要緊唷!?」
「うぅ、ちょっと失敗しただけ……ホントに大丈夫なんだよ?」
「嗚,只是稍微失敗了……真的不要緊的唷?」

 崩れたまま言っても、これほど信用できない「大丈夫」はないだろう。自分でもそう思うのだから、客観的に見て、ルッツの言葉の方が信用されるのは当然の成り行きだった。
 就算仍然攤著說,也不是無法這麼信任的「不要緊」吧。因為就連自己也那樣想,客觀地看著,路茲的話語還比較被信任是當然的趨向。

「救護室へ運ぶ。洗礼式が終わるまで少し休んだ方が良いだろう」
「搬到救護室。直到洗禮式結束稍微休息會比較好吧」

 灰色の神官もわたしの言葉は信用できないと感じたようで、崩れ落ちたまま身体に力が入らないわたしを抱き上げた。
 灰色神官似乎也感覺我的話語無法信任,將力量進不去依然攤垮的身體裡的我抱了上來。


 腹筋崩壊により、洗礼式をリタイア。
 由於腹肌崩壞,退出了洗禮式。
 決して他人には言えない苦い思い出になりそうです。
 絕對會變成無法對他人說的苦澀回憶。

======================================================================
 マインは救護室に運ばれましたが、洗礼式はまだ続きます。
 雖然瑪茵被搬到了救護室,但洗禮式還在繼續。

 次回は入れない楽園です。
 下回是進不去的樂園。
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