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第一部士兵的女兒 芙莉妲與澡堂

作者:SPT草包│2017-04-24 07:23:41│贊助:0│人氣:86
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 フリーダとお風呂
第一部士兵的女兒 芙莉妲與澡堂
原文連結

 本当に成功するのか、緊張しながらわたしはオーブンを見ていた。このカトルカールはかなり貴重な材料を惜しげもなく使ったお菓子だ。
 真的能成功嗎,一邊緊張著我一邊看著烤箱。這個磅蛋糕是不惜使用了相當貴重的材料的點心。
 他人様の家で他人様の材料を使ったもので、しかも、初めてフリーダに作ってあげるお菓子なのだから、失敗はできない。
 由於是在其他人的家裡使用其他人的材料,而且,因為是第一次為芙莉妲製做的點心,不能夠失敗。

「マイン、まだなの?」
「瑪茵,還沒好嗎?」
「そろそろ一度様子を見てみようか?」
「差不多要試著看一次情況了嗎?」

 イルゼがオーブンを開けて、少し様子を見る。いい感じに膨らんでいるのが見えた。けれど、奥と手前で少し焼き色が違う。
 依露潔打開烤箱,稍微觀察情況。能看見感覺很好地膨脹著。不過,裡面跟前面烘烤的顏色有點不一樣。

「イルゼさん、奥の方が良く焼けているみたいなので、反対にして入れてもらっていいですか?」
「依露潔女士,因為裡面那邊好像烤得比較好,可以反過來放嗎?」
「あぁ」
「好」

 くるりと反対にして、イルゼが鉄鍋を押しこんだ。
 反轉過來,依露潔把鐵鍋推進去。
 ミトンのような厚い手袋を付けていても、わたしは絶対にこの熱いオーブンに手は突っ込めない。料理人の慣れた作業に感動する。
 就算戴上連指手套似的厚重手套,我也絕對不會把手探進這個火熱的烤箱裡面去。感動於廚的師習慣工作。
 ガチャンときっちり蓋を閉めた後、イルゼがわたしを見下ろした。
 喀嚓地緊實關上蓋子後,依露潔俯視著我。

「焼け加減はどうやって判別するんだい?」
「烘烤程度要如何去辨認呢?」
「えーと、竹ぐしみたいな細くて先が尖った長い棒を差し込んで、確認するんですけど、ありますか?」
「呃,將像竹籤般細小前頭尖尖的長棒子插進去,雖然是為了確認,但有嗎?」
「うーん、思い当たるのが、肉を焼くためのこんな棒しかないね」
「嗯,想起來了,只有為了烤肉的這種棒子呢」

 ごそごそと探してくれたのは、バーベキューの時に肉や野菜を突き刺すような鉄串だった。鉄串で焼き加減を見たことがないので、正直、大丈夫かどうか、やってみなければわからない。
 東翻西找地在尋找的是,在燒烤時刺穿肉或蔬菜般的鐵籤。因為沒用鐵籤查看烘烤程度過,老實說,要不要緊呢,不試做看看不知道。

 ……なんかすごく大きい穴が開きそうだけど、竹ぐしがないなら仕方ないよね?
 ……雖然說總覺得似乎會開了個非常大的洞,但如果沒有竹籤就沒有辦法呢?

 昔、竹ぐしがなくて菜箸を突っ込んだこともあるので、多分大丈夫だと思う。
 因為以前,也有過沒有竹籤而用長筷子戳進去過,我想大概不要緊。
 イルゼがスッと棒を差し込んで様子を見れば、少しだけ生地がついてきた。
 依露潔速度地插進棒子觀察情況的話,沾黏著只有一點點的麵糊。

「まだ中まで焼けてないみたい」
「好像就連中間都還沒烤好」
「どうしてわかるの?」
「為什麼會知道呢?」
「ここにちょっと生焼けの生地が付いてるでしょ? こういうのが付かなくなったら、焼けた合図だよ」
「在這裡沾黏著有點沒烤熟的麵糊對吧? 像這種的變成沒附著的話,就是烤好的信號唷」

 中まで焼けた時には、上が少しばかり濃い茶色になっていたので、ちょっとオーブンが熱すぎたかもしれない。けれど、わたしが使っていたオーブンと違って、温度調節が簡単にできないのだから、こればかりは職人の経験と勘に任せるしかない。
 在連裡面都烘烤時,因為上面些微微地變成了深褐色,搞不好烤箱稍微太熱了。不過,跟我使用過的烤箱不一樣,因為溫度調節無法簡單地做到,只有這個只能交給匠人的經驗與直覺了。

「次はオーブンに気を付けてみようかね」
「下次要試著留意烤箱呢」

 イルゼがそう呟きながら、カトルカールをオーブンから取り出した。型から取り出すと、ふんわりと丸いカステラのようなケーキが焼けている。
 依露潔一邊那樣嘟噥,一邊把磅蛋糕從烤箱裡拿出來,從模型裡拿出來後,輕輕地像是圓的長崎蛋糕的蛋糕烤好了。

「すごいわ!」
「好厲害喔!」
「あぁ、おいしそうだね」
「啊,好像很好吃呢」

 焼き上がったカトルカールを見つめる二人の目がキラキラとしていて、わたしの胸には何とも言えない達成感が湧きあがってくる。
 凝視著烤好的磅蛋糕的兩個人個眼神閃閃發光著。在我的胸中湧現出無法形容的達成感。

「本当は乾燥しないようにこのまま堅く絞った濡れ布巾に包んで2~3日休ませた後、食べる方がおいしいんだけど、ちょっとだけ味見してみようか?」
「其實雖然為了不乾燥而就這樣包進結實擰絞的溼包巾裡休息2~3天之後,再去吃會更美味,但要稍微試著嚐下味道嗎?」

 イルゼに包丁で細く切ってもらって、指でつまんでパクッと食べる。フォークを使うのではなく、匂いにつられて人が来ないうちに、作った人だけでひょいっと食べるのが味見の醍醐味だと思っている。
 請依露潔用菜刀切細,用手指捏著一口吃下去。我認為沒有使用叉子,在沒有人被香味引誘過來之前,只有製做的人輕輕地吃著是嚐試味道的奧妙。

「うん、大成功の味」
「嗯,大成功的味道」

 パウンドケーキの形でしか食べたことがなかったけれど、丸い形でも、ケーキ型が鉄鍋でも、味は大丈夫だった。
 雖然說沒有以磅蛋糕以外的外型吃過,但不論是圓型的,還是蛋糕模是鐵鍋,味道也不要緊。
 わたしに続いて、味見に慣れているイルゼが口に入れる。
 接續著我,習慣嚐試味道的依露潔放入口中。

「へぇ、これは……」
「哦,這個是……」

 少しばかり指でつまむのをためらっていたフリーダも、イルゼが味見をしたのを見て、急いで口に入れた。
 微微猶豫著要用手指捏起的芙莉妲也,在看到依露潔嚐了味道,急忙地放入口中。

「まぁ!」
「哇!」

 味見した二人が目を丸くした後、ぐるんと顔をこっちに向けてわたしを見た。朝のギルド長にも似ている捕食者の目だ。
 嚐著味道的兩個人目瞪口呆了之後,將臉轉向了這邊看著我。是跟早上的工會長也很相似的捕食者的眼神。

 ……なんか、ちょっと嫌な雰囲気?
 ……總覺得,有點討厭的氛圍?

 妙な質問を受ける前に逃げ出した方が良さそうだ。わたしはフリーダの手をつかんだ。
 似乎在受到奇怪的提問之前逃出來會比較好。我抓住芙莉妲的手。

「じゃあ、フリーダ。これはみんなで食べられるように、食後のデザートに出してもらおうね。次は湯浴みだよ」
「那麼,芙莉妲。這個為了被大家食用,請在飯後的甜點上拿出來吧。接下來是沐浴了唷」

 台所を出るところでくるりと振り返って、お礼だけは忘れない。
 在出了廚房的地方回過頭去,只有答謝不可以忘記。

「イルゼさん、お世話になりました」
「依露潔女士,謝謝妳的照顧」

 お菓子作りをするうえで、わたし達は作業らしい作業をしていないけれど、小麦粉をふるったせいで、袖口が粉まみれになっている。時間もたっぷりあるし、リンシャンを使って、綺麗にしよう。
 在做點心製作上,雖然說我們沒有做到像是作業的作業,但因為過篩麵粉的緣故,袖口變得沾滿了粉。也有很充足的時間,使用凜香,弄漂亮吧。
 フリーダの手を取って台所から出ると、朝の支度を手伝ってくれた下働きの女性が待ち構えていた。
 牽起芙莉妲的手從廚房出來後,幫忙了早上的準備的女性雜役正等候著。

「お二人とも、あちらこちらへ移動する前に湯浴みをなさってください」
「妳們兩位,在要往各處移動之前請先去沐浴」
「まぁ、ユッテもマインと同じことを言うのね」
「哎,優蝶也說了跟瑪茵一樣的話呢」

 フリーダがクスクス笑いながら歩きだす。
 芙莉妲一邊竊笑著一邊走了起來。
 ユッテは、わたし達がお菓子作りで汚れることを想定していたようで、お湯の準備をしてくれているらしい。着替えとタオルとリンシャンの入った壺が入った籠を持ったユッテがわたし達を案内してくれる。
 優蝶,似乎假想了我們會因為點心製作而弄髒,似乎準備好了熱水。優蝶拿著放入了替換衣物與毛巾與放了凜香的罐子的籃子帶領著我們。

「こちらへどうぞ」
「請往這邊」

 ユッテが家の中の階段を下に下りていくのに、わたしは目を見張った。
 明明優蝶逐漸下到家裡面的樓梯到下面,我卻睜大了眼睛。
 ベンノの店でも、奥の部屋に上と繋がる階段があったので、家の中から店に行ける階段があることは不思議ではない。けれど、そこを自分が歩いていいんだろうか。わたしはこっそりとフリーダに尋ねた。
 因為班諾的店也,在深處的房間裡有跟上面連結的樓梯,有能從家裡面走到店裡的樓梯並不會不可思議。但是,自己可以走那裡嗎。我偷偷地詢問芙莉妲。

「……この階段下りたら、お店に行っちゃわない?」
「……下去這個樓梯的話,不是會去到店舖裡嗎?」
「大丈夫よ」
「不要緊唷」

 ユッテはお店のある1階のドアを通り過ぎて、さらに下に下りていく。どうやら地下室に行くらしい。
 優蝶經過作為店鋪1樓的門,下到更下面去。看樣子似乎要去地下室。
 階段を降り切ると、ドアが2つあった。かっちりとした立派なドアと普通のドアだ。
 下完樓梯後,有2扇門。是緊密的華麗的門和普通的門。

 ユッテは立派な方のドアを開けて、わたし達を中に入れる。床暖房でもしているのか、と言いたくなるくらい足元が温かく、室温も高い部屋だった。
 優蝶打開華麗的門,讓我們進去裡面。宛如變得想要說連地板暖氣都有嗎、腳下很溫暖,是室溫也很高的房間。
 大きな木の台が二つあり、上には布がかかっている。まるでマッサージ用の台みたいだ。そう思ったのが、間違いではなかったと後で知ることになる。
 有兩個很大的木檯桌,在上面覆蓋著布。簡直就好像按摩用的檯桌。雖然那麼想,但在之後才會知道沒有錯。

「さぁ、靴も服も脱いでください」
「好了,鞋子跟衣服都請脫掉」

 どうやら、ここはマッサージ室兼脱衣場だったようだ。
 看樣子,這裡似乎是按摩室兼脫衣間。
 ユッテに促されて、わたしは着ていた服を脱ぐ。フリーダもユッテに手伝ってもらって脱いでいた。
 被優蝶催促,我脫掉穿著的衣服。芙莉妲也請優蝶幫忙脫掉。

 そして、もう一つドアを開けると、そこには6畳くらいの広さの浴室があった。日本の温泉の家族風呂くらいの広さで、湯船も大人が2~3人が足を伸ばせるくらいの大きさがある。
 然後,再打開一扇門後,在那裡有著6疊塌塌米左右寬敞的浴室。因為宛如日本溫泉的家庭浴池的寬敞,澡盆也有著宛如2~3位大人能伸長腳的大小。
 パッと見た感じ白い大理石のような床が広がっていて、同じ素材の湯船には、ひたひたにお湯が張られていた。湯船の端には壺を持つ少女の彫像があり、その壺からちょろちょろとお湯が出ている。
 突然感覺看起來像是白色大理石的地板展開著,在同樣素材的澡盆裡,熱水嘩啦嘩啦地被裝滿。在澡盆的一端有著拿著罐子的少女雕像,從那個罐子裡熱水潺潺流出。
彫像からお湯が出る分、湯船からは少しずつお湯が流れ出し、そのお湯に温められていて、浴室は温かい。
熱水從雕像裡出來的份,從澡盆裡一點一滴的熱水流了出去,被那個熱水溫暖,浴室很暖和。
 天井はタイル張りで、天井に近い位置にある窓から、さんさんとした光が降り注いでいる。白い大理石で囲まれているので、反射して明るい雰囲気だ。
 由於天花板貼著磁磚,從在靠近天花板位置的窗戶,燦爛的光芒傾注而下著。因為被白色大理石包圍著,是反射著明亮的氛圍。

「ええぇ!? 何これ!?」
「咦咦!? 這是什麼!?」

 予想していなかった豪華風呂の出現にわたしが思わず声を上げると、くわんくわんと声が反射する。
 我不假思索地對沒預料到的豪華浴池的出現而提高了聲音後,口齒不清的聲音反射著。
 ドアを開けた状態で固まっているわたしの驚きっぷりを見て、フリーダが楽しそうにクスクス笑って、浴室に入っていく。
 看到因打開門的狀態而僵住的我的驚愕貌,芙莉妲快樂似地竊笑著,進入了浴室。

「うふふ、驚いた? おじい様が貴族の館にあったお風呂を再現したものよ。普段使うものではないのだけれど、明日は洗礼式だから特別に使って良いと言われたの」
「唔呵呵,很吃驚嗎? 爺爺再現了存在於貴族公館的澡堂的東西唷。雖然說不是平時會使用的東西,但被說了因為明天是洗禮式特別可以使用」
「お風呂なんて……あったんだ」
「澡堂什麼的……是有啊」

 一年以上入っていなかったお風呂が目の前にあった。それも、麗乃の家のお風呂よりも広くて豪華だ。
 一年以上沒進去過的澡堂就在眼前。而且,是比麗乃家的澡堂還要寬敞豪華。

「外国から入ってきたもので、貴族の間で美容と健康に良いと評判らしいわ。ただ、足元は滑るから気を付けて」
「由於是從外國引進的東西,在貴族之間似乎有美容與健康的良好評價喔。只是,因為腳下會滑要小心點」
「うん」
「好」

 ユッテが服を着たまま入ってきた。エプロンだけが変わっている。濡れることを想定した少し硬そうな素材で、ぐるりとスカート部分を取り巻いている。そのスカートも濡れないように少しばかりたくしあげられて、一部分が結ばれていた。
 優蝶依然穿著衣服進來了。只有圍裙變化了。假想著會弄濕而用稍微有點硬的素材,將裙子部分圍繞了起來。那個裙子也為了不弄溼而微微地挽起。一部分被綁了起來。

 中に入ってきたユッテが早速フリーダを洗おうとしたので、わたしは慌ててリンシャンを取り出した。
 由於進入裡面的優蝶打算趕快洗芙莉妲,我慌慌張張的拿出了凜香。

「ユッテさん、洗う時にこれを使ってください。こうやって、ちょっと振って……」
「優蝶小姐,在洗的時候請使用這個。就這樣做,稍微撒一……」

 わたしが説明したけれど、ユッテは少しばかり困った表情でフリーダを見下ろした。
 雖然我說明了,但優蝶用微微困擾的表情俯視著芙莉妲。

「ユッテ、今日はマインに洗ってもらえばいいんじゃない?」
「優蝶,今天可不可以讓瑪茵來洗呢?」
「えーと、わたしが洗っちゃっていいですか?」
「呃,我來洗可以嗎?」

 ユッテが場所を譲ってくれたので、わたしはフリーダの髪を洗い始めた。その間にユッテは石鹸をタオルに擦りつけて、フリーダの身体を洗い始める。
 由於優蝶讓出了地方,我開始洗起芙莉妲的頭髮。在這期間優蝶在毛巾上擦上肥皂,開始洗起芙莉妲的身體。

「ここみたいに洗い場があって、お湯をたっぷり使える時は、こうして直接手に取ったものを髪につけて洗ってね。爪を立てないように、指の腹で頭皮を丁寧に洗うの」
「有像這樣的清洗間、能使用大量熱水的時候,就這樣直接將拿到手上的東西附著到頭髮上洗呢。像是不讓指甲立起,用指腹仔細地清洗頭皮」
「くすぐったいけど気持ちいいわ」
[雖然很癢但是很舒服喔」

 フリーダはおそらくユッテによってよく手入れされているのだろう。もともと髪もさらりとしていたし、艶もあった。リンシャンを使う必要はなかったかもしれない。
 芙莉妲恐怕是被由優蝶好好保養著吧。原本頭髮就很乾爽,光澤也有。搞不好沒有使用凜香的必要。

 富豪層はすでに自分の美容術を確立してる可能性も高いから、リンシャンは売りにくいかもしれないな。
 因為富豪階層已經確立了自己的美容術的可能性也很高,凜香說不定很難賣。

 フリーダの髪を洗いながら、そんなことを考えていた。ベンノに要報告かもしれない。
 一邊洗著芙莉妲的頭髮,一邊思考著那種事情。搞不好要跟班諾報告。

「こんな風に全体を洗ったら、髪を洗い流します。頭皮についた液を全部流せるように丁寧にすすいでください」
「像這個樣子整體洗完的話,要沖洗頭髮。請將附著在頭皮上的液體像是全部沖走般仔細地刷洗」

 わたしがそう言うと、ユッテはフリーダの身体の泡を桶で流した。身体だけ綺麗になると、フリーダはスタスタと湯船に向かって行って、トプンと中に入る。
 我那樣說後,優蝶將芙莉妲身體的泡沫用桶子沖走。只有身體變乾淨後,芙莉妲及忙地走向澡盆,噗咚地進入裡面。
 何をするんだろうと見ていると、フリーダは縁に頭を置いて、髪を湯船の外に垂らした。すると、ユッテが湯船から垂れ下がる髪を丁寧にすすいでいく。
 看著要做什麼吧後,芙莉妲把頭放置在邊緣,將頭髮垂在澡盆外面。於是,優蝶仔細地刷洗著從澡盆裡垂下來的頭髮。

 ほほぉ、あんな風にして頭を洗ってもらうのか。わたしがすすぐよ、って言って、ザパァッとお湯をかぶせないでよかった。大変なことになるところだったよ。
 哦哦,是那樣做來接受洗頭髮的嗎。說著、我要刷了喔,不要啪唦地澆上熱水就好。是會變成嚴重的事情的時機點唷。

 お嬢様の風呂の入り方に目を丸くしているうちに、すすぎ終わったようだ。ザパザパとお湯が使える環境が素晴らしい。
 在對千金小姐進入浴池的方法目瞪口呆時,刷洗似乎結束了。能唏哩嘩啦地使用熱水的環境真是太好了。

 フリーダが洗い終わったので、わたしもリンシャンを使って、頭を洗おうと壺に手を伸ばした。ザパリと湯船から出てきたフリーダが、目を輝かせてやってくる。
 由於芙莉妲洗完了,我也要使用凜香、洗頭而把手伸向了罐子。啪唦地從澡盆裡出來的芙莉妲,讓眼神閃耀了起來。

「わたしもマインの髪を洗ってみたいわ」
「我也想洗瑪茵的頭髮看看喔」
「……わたしはいいけど」
「……雖然我是可以」

 お嬢様にそんなことをさせていいの?
 讓千金小姐做那種事好嗎?

 ちらりとユッテに可否を問う視線を向けると、軽く溜息を吐いて、ユッテもわたしの近くに腰を下ろした。
 瞬間將視線撇向優蝶詢問可否後,輕輕地嘆了一口氣,優蝶也在我的附近蹲了下來。

「では、お嬢様。わたしと一緒に洗いましょう。わたしもこのリンシャンの使い方を練習したいですから」
「那麼,大小姐。跟我一起洗吧。因為我也想練習凜香的使用方法」
「いいわよ」
「可以唷」

 練習したいと言いながら、お嬢様が失敗しそうになったらフォローしてくれるんですね。ユッテさん、ありがとうございます。
 儘管說是想要練習,但在大小姐變得快要失敗的話會來接手呢。優蝶小姐,非常感謝妳。

 二人がかりで髪を洗ってもらえば、大きな指と小さな指がもぞもぞ動く。ひどくくすぐったい気がするが、笑うわけにもいかずに我慢していた。
 接受到用上兩個人來清洗頭髮的話,大手指與小手指來回蠕動著。雖然感覺非常癢,但不能笑要忍耐住。

「マインの髪はとても指通りが良いわね」
「瑪茵的頭髮非常好讓手指通過呢」
「もともと真っ直ぐな髪だから、するっと逃げちゃって紐で縛れないんだよ。だから、簪を使ってるんだけどね」
「因為原本就是筆直的頭髮,會滑順溜走用繩子也綑綁不起來唷。所以,就只能用髮簪了呢」
「木の棒で髪がまとめられるっていうのも不思議よね」
「這麼說來頭髮用木棒就能被整理起來很不可思議呢」
「うーん、周りに物がないから、わたしとしては苦肉の策だったんだけど……」
「嗯,因為在周圍沒有東西,作為我就只是苦肉計……」

 ユッテはある程度わたしの髪を洗った後は、フリーダに髪を洗うのを任せて、わたしの体を洗い始めた。フリーダに髪を洗われている状態では逃げることもできず、わたしはおとなしくされるがままになっていた。
 優蝶把我的頭髮洗到某著程度之後,就把洗頭髮委任給芙莉妲,開始洗我的身體。在被芙莉妲洗頭髮的狀態下是無法逃走的,我成了被迫乖乖待著的樣子。

「これでマインも綺麗になったわ」
「就這樣瑪茵也變漂亮了喔」

 しばらくわたしの髪をわしゃわしゃしていたフリーダが満足そうに手を引いたので、わたしは桶を手に取ろうとした。
 由於暫時搓摸著我的頭髮的芙莉妲滿足似地拉起了手,我打算把桶子拿到手上。
 しかし、わたしが桶をとるより早くユッテが桶を取り上げる。
 但是,優蝶比我拿桶子還快拿起了桶子。

「さぁ、髪を流しますから、お湯につかってください」
「好了,因為要沖頭髮,請泡進熱水裡」
「じ、自分でできますけど?」
「我、我自己能做到就是了?」
「マインさんはお客様ですから。さぁ」
「因為瑪茵小姐是客人。來吧」

 笑顔で押し切られてしまったので、わたしもフリーダと同じように湯船につかって、縁に頭を置いた。
 由於被用笑容堅持到底了,我也像是跟芙莉妲一樣泡進了澡盆裡,把頭放置在邊緣。
 バサリと髪を垂らすと丁寧にユッテが洗ってくれる。温かいお湯がかかり、優しい手が髪をゆすり、頭皮を撫でてくれる。
 啪唦地垂下頭髮後讓優蝶仔細地清洗著。耗費了溫暖的熱水,溫柔的手搖蕩著頭髮,給予頭髮撫摸。

 あぁ、美容室みたい。気持ちいい。
 啊,好像美容院。好舒服。

 ユッテはフリーダの湯浴みをいつも手伝っているのだろう。慣れた手つきはとても心地良くて、このまま眠ってしまいそうだ。
 優蝶總是幫助芙莉妲沐浴的吧。習慣的手勢感覺非常舒服,就這樣似乎要睡著了。

「ねぇ、マイン。浴室を使わない時はどうやって頭を洗うの?」
「喂,瑪茵。無法使用浴室的時候要怎麼洗頭?」

 フリーダの質問にわたしはハッと覚醒した。ここは美容室ではない。寝てはダメだ。
 我因芙莉妲的提問突然醒了過來。這裡並不是美容院。不可以睡著。
 フリーダの声がした方を視線だけで探すと、すすすっと隣に寄って来ていたフリーダが縁に頭を置いて、同じポーズをとったのが見えた。
 就只用視線尋找芙莉妲發出聲音的方向,迅速地往旁邊靠過來的芙莉妲把頭放置在邊緣,能看到擺出同樣的姿勢。

 湯気の向こうの天井にある、タイルのモザイク模様を見上げながら、わたしはいつもの洗い方を説明していく。
 一邊仰望著存在於熱氣前面的天花板上、馬賽克圖案的磁磚,我一邊繼續說明著平常的洗法。

「浴室を使わない時は、あれくらいの桶に半分くらいのお湯を入れて、リンシャンを入れてよく混ぜるの。それから、桶に髪を浸しながら、液を髪にかけて洗っていくんだよ。髪に液が残らないように、何度も何度も布で拭って、櫛で梳いていくの」
「無法使用浴室的時候,在像那樣的桶子裡倒入一半左右的熱水,加入凜香好好混和。那之後,一邊把頭髮浸在桶子裡,一邊持續把液體灑到頭髮上洗著唷。為了不殘留液體在頭髮上,要用布擦拭好幾次好幾次,用梳子繼續梳著」

 多少髪に残っても平気でしょってくらいに薄めた液で、何度も洗って、なるべくリンシャンが残らないように何度もタオルで拭うのだ。これも、お湯がない状況で何とか頭を洗いたかったわたしの苦肉の策である。
 由於是宛如背負起就算多少殘留在頭髮上也不在乎的稀釋液體,洗了好多次,為了凜香盡量不要殘留而用毛巾擦拭好幾次。這也是,作為我在沒有熱水的狀況下想要設法洗頭的我的苦肉計。
 ウチにこんな浴室があったら、悩まなかった。
 在我家有這樣的浴室的話,就不會煩惱了。

「リンシャンはマインのもの?」
「凜香是瑪茵的東西嗎?」
「ううん、ベンノさんが全部の権利を持ってるよ。そろそろ売りだされるはず」
「不是,班諾先生擁有全部的權利唷。差不多應該要被出售了」
「そう……」
「是喔……」

 フリーダが何か言いたそうにしたが、フリーダが声を出すより早く、ユッテの手が止まった。
 雖然芙莉妲似乎想說些什麼,但比芙莉妲發出聲音還快,優蝶的手停下了。

「これで大丈夫でしょうか?」
「像這樣不要緊的嗎?」
「ありがとうございます。すごく気持ちよかったです」
「非常感謝妳。感覺非常舒服」

 わたしが起き上がってお礼を言うと、ユッテはスッと立ち上がった。
 我爬起來道謝後,優蝶迅速地站了起來。

「では、わたしは次の準備をしてまいります。お二人ともよく温まって出てきてくださいね」
「那麼,我要去做接下來的準備了。請妳們兩位好好暖和後再出來呢」
「はぁい」
「好」

 ユッテが浴室から出るのを見送って、わたしはたぷんと肩まで湯につかる。お湯をすくって、顔をパシャリと洗って、深々と息を吐いた。
 目送優蝶從浴室出去,我噗咚地泡進熱水裡直到肩膀。捧起熱水、啪唦地洗著臉,深深地呼了一口氣。

 ふはぁ、極楽、極楽。
 呼哈,天堂、天堂。

「マインったら、とろけそうな顔をしているわ」
「瑪茵真是的,一副快要溶化的表情喔」
「だって、お風呂、気持ちいいんだもん。こんなに手足を伸ばして、肩までお湯につかれるなんて贅沢すぎるよ」
「因為,泡澡,很舒服咩。像這樣伸展手腳,泡進熱水裡直到肩膀什麼的太奢侈了唷」
「マインはお風呂が気に入ったのね?」
「瑪茵很中意澡堂嗎?」
「そりゃ、もう! 毎日でも入りたいよ」
「那是、當然! 好想每天都進來唷」

 フリーダの言葉にわたしは満面の笑みで大きく頷いた。しかし、フリーダはあまり楽しそうな笑顔に見えない。
 我用滿臉的笑容對芙莉妲的話語大大地點著頭。但是,看不到芙莉妲相當快樂似的笑容。

「……フリーダは気に入らないの?」
「……芙莉妲不喜歡嗎?」
「嫌いではないけれど、熱くて、お風呂を使った後は頭がくらくらするの」
「雖然並不是討厭,但很熱,使用澡堂後腦袋會頭暈」
「それ、のぼせてるんだよ。つかりすぎ」
「那個,是腦充血唷。泡過頭了」

 反射的にわたしが答えると、フリーダは目を丸くした。
 我反射性的回答後,芙莉妲目瞪口呆了。

「そうなの? よく温まりなさいって言われるから、湯浴みの時と同じように温まっているだけよ?」
「是那樣嗎? 因為被說了請好好的暖和,只是像跟沐浴的時候一樣暖和著唷?」
「湯浴みのお湯って、すぐに冷めるでしょ? でも、このお風呂はあの彫像からずっと熱いお湯が足されているじゃない。だから、同じ時間入っていたら、のぼせて気持ち悪くなるんだよ。今日は早目に出てみたら?」
「話說沐浴的熱水,馬上就變冷了對吧? 但是,這個澡堂很熱的熱水一直從那個雕像被加入不是嗎。所以,進入一樣的時間的話,就會變得腦充血而感覺很難受唷。今天要試著提早出來嗎?」
「そうするわ」
「就那樣做吧」

 フリーダと一緒に早目に上がる。わたしの感覚では早目だったが、フリーダはかなり温まっていたようで、全身がピンクに染まっていた。
 跟芙莉妲一起提早起來。依我的感覺是提早了,但芙莉妲似乎相當暖和了,全身染成了粉紅色。

「気持ち悪くない? 大丈夫?」
「感覺不難受嗎? 要不要緊?」
「今日は平気よ」
「今天沒事唷」

 お風呂を出たら、香油でマッサージをするとユッテは言うが、わたしはそれを辞退した。
 離開澡堂之後,雖然優蝶說要用香油做按摩,但我謝絕了那個。
 香油マッサージは気になるけれど、わたしの場合、次はお風呂に入れない。ウチに帰った後のトゥーリとの拭き合いで香油を綺麗に落とせるかどうかわからない。
 雖然很在意香油按摩,但我的場合,接下來不能進入澡堂。由於要跟回家後的圖麗互相擦拭不知道香油會不會完整地脫落。
 わたしは服を着て、髪を拭きながら、フリーダがマッサージしてもらうのを眺めていた。
 我穿上衣服,一邊擦拭頭髮,一邊眺望著芙莉妲接受按摩。

「マッサージなんて、優雅だよね」
「按摩什麼的,很優雅呢」
「わたくしはこのような時間はあまり好きではないけれど、貴族社会に入っていくならば、慣れておいた方が良いとおじい様がおっしゃるの」
「雖然我不太喜歡像這樣的時間,但爺爺說過如果進入了貴族社會的話,事先習慣最好」

 あぁ、と納得した。フリーダにとっては熱くて、気持ち悪くなるだけなのにお風呂に入るのも、少しばかり面倒そうな顔でマッサージを受けるのも、全部貴族社会に慣れるための練習なのだ。
 啊、地理解了。不論是對芙莉妲來說明明只是很熱、感覺會變很難受卻還是進入了澡堂,還是用些微麻煩似地的表情接受按摩,全部都是為了習慣貴族社會的練習。
 知っているのと全く知らないのでは、フリーダの先の人生に大きな違いがあるだろう。
 在知道著與完全不知道上,對芙莉妲將來的人生會有很大的不一樣吧。

「……そうだね。慣れる機会があるなら、慣れておいた方が良いよ。常識や習慣の違いってかなり大きいから」
「……說得也是呢。如果有習慣的機會,事先習慣會比較好唷。因為常識或習慣的差異相當大」
「おじい様もそう言ったわ。だから、この家の中には貴族の館にある物がいくつも取り入れられているのよ」
「爺爺也那樣說過喔。所以在這個家裡面有幾個在貴族公館裡有的東西被採用了唷」

 婚前の生活とあまり変わらない生活をしているはずのコリンナの家とは、同じ商人の家でもずいぶん雰囲気が違うと思っていたが、ギルド長の家が豪華なのは、金持ちの商人の家だからという理由だけではないようだ。食事も風呂も生活用品も全て品質が段違いなのは、フリーダのために貴族の生活にあるものを取り入れているからなのだろう。
 雖然想著跟應該過著與婚前生活不太改變的生活的柯琳娜家,即便同樣是商人的家氛圍相當不一樣但公會長的家很豪華,似乎並非只是所謂因為是有錢的商人的家這理由。不論是用餐或浴池還是生活用品一切品質都相差很遠,因為是為了芙莉妲而採用了在貴族生活裡有的東西吧。

「溺愛されてるねぇ」
「被溺愛著呢」
「……先に向けての投資ですわ。貴族街でわたくしがお店を持っても困らないように、せっかくの足がかりを無駄にしないように、おじい様も今から色々と考えているのよ」
「……是對將來的投資喔。為了就算我在貴族街上擁有店鋪也不會困擾,為了不浪費難得的落腳處,爺爺也從現在開始考慮著各式各樣的唷」

 少しばかり不満そうにフリーダが唇を尖らせる。フリーダの意見の全てが間違っているとは思わないけれど、愛情もなく出来ることではない。
 芙莉妲些微不滿似地噘著嘴唇。雖然不認為芙莉妲的意見全部都是錯誤的,但沒有愛情是做不到的。

「店を持つことがフリーダの夢だから、応援してくれているんでしょ? 髪飾りを注文してきた時のギルド長なんて、完全に孫娘しか見えていないただのおじいさんだったよ」
「因為擁有商店是芙莉妲的夢想,所以給予了支援對吧? 在下訂髮飾時的公會長什麼的,只是個完全只看得見孫女的爺爺唷」
「……そう」
「……是喔」

 もしかしたら、フリーダはかなり人恋しいんじゃないかな?
 難道說,芙莉妲是不是相當怕寂寞呢?

 身食いであまり外に出ることができなくて、やっと身食いから解放された時には、貴族との契約に縛られた。貴族の愛妾になることが決まっている以上、それに向けて生きていくことになり、境遇が全く違う周囲に友人などできないだろう。
 因為身噬而做不到太常出去外面,在終於被從身噬裡解放時,被與貴族的契約束縛。決定成為貴族的愛妾之後,變成要朝向那而活著,在境遇完全不一樣的周圍做不成朋友的吧。

 貴族社会で生きていくための強かさと計算高さを身につける必要があり、店を経営できる知識を成人までに身に付けなければならないフリーダは、間違いなく勉強漬けの毎日だ。自分のためには違いなくても、命も生活も家族の期待も圧し掛かってくるのだから、多分幼女の肩にかかる重圧は半端ないと思う。
 有必要掌握為了在貴族社會生存下去的強大與會算計,必須要在成人之前掌握能經營商店的知識的芙莉妲,肯定是每天浸潤學習吧。因為就算在為了自己上而沒錯,但性命與生活與家人的期待也會施壓下來,我想施加在小女孩肩膀上的重壓大概是很徹底的。
 おまけに、家族はお金をかけてくれるけれど、将来の自分への打算も透けて見えているので、素直に甘えられないところもあるのかもしれない。
 更何況,雖然說家人花了錢,但由於透過給將來的自己的盤算也看得出,有著不能坦率地被撒嬌的地方也說不定。

 だから、わたしに執着するのかな?
 所以,是執著著我嗎?

 同じ身食いで、洗礼前から商売に足を突っ込んでいて、ルッツに言わせると変な趣味に暴走するところがよく似ているという共通点があるらしい。他の子供に比べたら、共通点が多くて、多少話が合いそうなのは間違いない。だから、囲い込みがしたいのだろうか。
 因為同樣是身噬,從洗禮前就插足買賣,似乎有著所謂路茲所說因怪異的興趣而暴走的地方很相似的共通點。跟其他的小孩子相比的話,共通點很多,談話肯定似乎多少會很合適。所以,想要圍困近來嗎。

「マイン、すごいわ。髪がつるつるよ!」
「瑪茵,好厲害喔。頭髮滑溜溜的唷!」

 わたしがぼんやりしているうちに、マッサージを終えて、着替えたフリーダが自分の髪に指を通して、驚嘆の声を上げた。
 在我發呆的期間裡,結束了按摩,換了衣服的芙莉妲讓手指通過自己的頭髮,發出驚嘆的聲音。
 櫛で丁寧に梳いているユッテも嬉しそうにフリーダの髪を手に取っている。
 用梳子仔細地梳著的優蝶也很高興似地把芙莉妲的頭髮拿在手上。

「えぇ、とても仕上がりが良いですわ」
「對,完成得非常好喔」
「喜んでもらえてよかった。ちょっとは魔術具を頂いたお礼になったかな?」
「能受到喜愛就太好了。能稍微成為接受了魔術具的答謝嗎?」
「あら、マインは対価を支払ったのだから、そんなことは気にしなくて良いのよ?」
「啊啦,因為瑪茵支付了代價,不要介意那種事情好嗎?」

 実に商人らしいフリーダの言葉に苦笑しながら、わたしは首を振った。
 一邊對確實像是商人的芙莉妲的話語苦笑,我一邊搖了搖頭。

「お礼をしたいと思ったわたしの気持ちだよ。もし、ギルド長がフリーダのために魔術具を集めてくれていなかったら、お金だけあってもどうしようもなかったからね」
「是認為想要感謝的我的心情唷。因為如果,公會長沒有為了芙莉妲而去收集魔術具的話,就算只有錢也毫無辦法呢」
「……それもそうね」
「……那樣說也對呢」

 ゆっくりとしたお風呂を終えて上に戻った時には台所からまたいい匂いが漂ってきていた。どうやら、イルゼが再度カトルカールに挑戦しているらしい。
 在結束作為緩慢的泡澡返回上面的時候從廚房又飄出了香味。看來,依露潔似乎再次挑戰了磅蛋糕。

「せっかくの新しいレシピだから、きっちり覚えないとね」
「因為是難得的新食譜,無法整個記住呢」

 イルゼの頼もしい笑顔に小さく笑う。美味しいレシピが普及したら、わたしも嬉しいので、しっかり応援だけはしておく。
 在依露潔的可靠笑容上小小笑著。由於美味的食譜普及的話,我也很高興,只能確實地事先支援。

「イルゼが新しく焼くなら、わたくしが作った分は食べても大丈夫よね? マインとお茶を楽しみたいので、準備してちょうだい」
「依露潔如果烤了新的,我製做的份就算吃掉也不要緊吧? 因為想跟瑪茵享受一下茶,請準備下」
「すぐに運ばせるよ」
「馬上送過去喔」

 食堂でお茶をしようとしたら、ちょうどルッツがやってきた。
 打算在餐廳喝茶之後,路茲剛好來了。

「よぉ、マイン。すっげぇイイ匂いがしてるな」
「喲,瑪茵。有著好厲害的香味呢」

 お菓子に関する嗅覚が鋭いのかな? なんて、わたしがひそかに笑っていると、ルッツは顔を合わせるなり、目を細めて、わたしの顔を覗きこんできた。
 是關於點心的嗅覺很敏銳嗎? 之類的,我偷偷地笑了後,路茲一見面,就瞇起眼睛,窺探起了我的臉。

「何、ルッツ? どうしたの?」
「什麼,路茲? 怎麼了嗎?」
「おい、マイン。お前、今日ちょっと無茶しすぎてないか? 熱が下がったからって、張り切りすぎただろ? すぐに寝ろ。疲れから熱出すぞ」
「喂,瑪茵。妳,今天是不是稍微亂來過頭了呢? 是說因為退燒了,而緊繃過頭了吧? 馬上去睡。因為疲勞會發燒喔」
「え? え? 嘘? 体調良いよ?」
「咦? 咦? 騙人? 身體狀況很好唷?」

 わたしは自分の顔をぺたぺたと触りながら首を傾げたが、ルッツは眉を寄せたまま首を振った。
 雖然我一邊連續觸碰自己的臉一邊疑惑不解,但路茲依然皺著眉頭搖了搖頭。

「興奮して気付いていないだけだ。あんまり良くない」
「只是興奮而沒注意到呀。不太好」
「あら、でも、身食いの熱は落ち着いたはずだし、今日はお菓子を作って、一緒にお風呂に入っただけですわよ?」
「啊啦,但是,身噬的熱應該平靜了,今天只是製做了點心,一起去泡了澡唷?」

 フリーダもわたしを援護するように、今日したことを並べて首を傾げた。
 芙莉妲也像是支援著我,羅列著今天所做的事情歪頭不解。
 ルッツはこめかみを押さえるようにして、溜息を吐いた。
 路茲表現出像是按著太陽穴,嘆了一口氣。

「……そうか。アンタは身食いがなければ、健康な人なんだな。マインは身食いがなくても虚弱なんだよ。身食いで倒れたのか、疲れて倒れたのか、慣れてないヤツには区別するのが難しいレベルで突然倒れるんだ」
「……對喔。妳沒有身噬的話,是健康的人呢。瑪茵就算沒有身噬也很虛弱的唷。是因身噬而倒下,還是疲倦而倒下,對不習慣的傢伙來說要區別會因困難的等級而突然倒下呀」

 ルッツの言葉にフリーダとわたしは思わず顔を見合わせた。
 芙莉妲跟我對路茲的話語不由得互相對看著。

「マイン、そうでしたの!?」
「瑪茵,是那樣的嗎!?」
「フリーダは虚弱じゃないの!?」
「芙莉妲並不虛弱嗎!?」

 お互いが勝手に解ったつもりになっていたようだ。
 似乎變成彼此打算擅自明白。
 フリーダは身食いさえ治れば大丈夫と思っていて、わたしはフリーダも身食いで虚弱だから一緒に活動しても大丈夫だと思っていた。
 芙莉妲認為連身噬都治好的話不要緊,我則是認為因為芙莉妲也因身噬而虛弱就算一起活動也不要緊。

「風呂とか、オレにはよくわからないけど、どうせ初めてのところだから、いいところを見せようとして張り切って色んな作業したんじゃないのか?」
「雖然說浴池,我不是很明白,但反正因為是第一次的地方,所以不就是打算展現好地方而緊繃地做了各種作業嗎?」
「うぅ……。それほど作業はしていないけど」
「嗚……。雖然沒做到那種程度的作業」

 ずっと緊張感に包まれてはいたし、フリーダが大丈夫なら自分も大丈夫だろうと、甘く考えていたのは事実だ。
 一直被緊張感包覆,如果芙莉妲不要緊自己也不要緊吧,考慮得太天真是事實。

「今日は動きすぎの顔になってる。自分の弱さを甘く見るなよ。本当にひ弱なんだぞ?」
「今天變成行動過頭的表情了。別太小看自己的纖弱了唷。真的是很孱弱喔?」
「そんなに弱い弱いって連呼しなくてもいいじゃない」
「就算不用那樣纖弱纖弱地連聲呼喊不是也可以嗎」
「本当のことじゃないか。だいたい、明日が洗礼式で家に帰る日なんだろ? これで熱出したら、家族に怒られるなんてものじゃないぞ?」
「不算是正事嗎。大致上,明天就是因為洗禮式而回家的日子對吧? 就這樣發燒的話,不是會被家人罵之類的東西嗎?」

 身食いの熱を何とかしてもらって、お礼と思って勝手に色々して、熱出してぶっ倒れたなんてことになれば、恩を仇で返すことになってしまう。
 接受想辦法解決身噬的熱,想要答謝而擅自做了各式各樣的,變成發燒而趴倒下去之類的事情的話,就變成了恩將仇報的事情了。
 元気に帰ることを楽しみにしている父が怒って、フリーダ宅に多大な迷惑をかけたと母に叱られて、トゥーリに「どうしてマインはおとなしくしていられないの?」って呆れられるに決まっている。
 期待著有精神地回來的父親生氣了,被母親斥責對芙莉妲家添了很大的麻煩,圖麗肯定會被「為什麼瑪茵不乖乖待著呢?」嚇呆。

「あわわわわわ……」
「啊哇哇哇哇哇……」
「そうですわね。お預かりしておいて、体調を崩させるわけにはいきませんもの。マイン、今日はもうお休みなさい。ね?」
「說得也是呢。事先保留著,弄垮身體狀況是不應該的東西。瑪茵,今天已經該休息了。好嗎?」

 心配そうなフリーダにもそう言われて、わたしは大きく頷いた。
 也被擔心似的芙莉妲那樣說我大大點了頭。

「そうする。ありがと、ルッツ。教えてくれて。……フリーダ、悪いけどルッツにこの『カトルカール』分けてもらっていい?」
「就那樣辦。謝謝,路茲。告訴了我。……芙莉妲,雖然不好意思但這個『磅蛋糕』可以請分給路茲嗎?」
「えぇ、もちろんよ。ユッテ、マインを部屋まで連れて行ってあげてちょうだい」
「可以,當然唷。優蝶,請帶瑪茵去到房間」
「かしこまりました」
「謹遵吩咐」

 客間に案内されて、ベッドに横になると、自分がかなり疲れていたことがよくわかる。
 被帶領到客房,橫躺到床上後,很明白自己相當疲倦了。
 全身がぐったりしていて、身体がほんのり熱いのは、久し振りにお風呂に入ったことだけが原因ではなかったようだ。
 全身筋疲力竭著,身體微微發熱,似乎不只是隔了好久洗了個澡的原因。

 さすがルッツ。一目で見抜くとは……。
 不愧是路茲。一點就看穿了……。

 失敗できないプレッシャーの中でお菓子を作るのも、いつもの湯浴みではなく、お風呂にだっぽりと入るのも、マインの身体では初めてだったから加減がわからなかったのだろう。
 不論是在不能失敗的壓力中製做點心,還是並非平常的沐浴、而是充分地泡了個澡,因為對瑪茵的身體也是第一次而不明白狀態吧。

 他人の家って結構緊張するし、ルッツの言うとおり張り切りすぎちゃったかな。
 話說別人的家相當緊張,就如路茲所言太過緊繃了嗎。

 柔らかな布団が自分のぬくもりで温まる頃には、わたしの意識は完全に落ちていた。
 在柔軟的棉被用自己的溫度暖和的時候,我的意識完全陷落了。

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 フリーダの家には豪華な風呂がありました。
 在芙莉妲的家有豪華的浴池。
 ギルド長の客が来た時に財と権力を見せつけるのに使われてますが、普段はあまり使いません。
 雖然明明被使用在公會長的客人來的時候展現財力與權利上,但平時不太使用。
 水も薪も半端なく使うので、冬場は週に一度くらいです。
 因為不論水或木柴都被徹底使用著,冬季期間是一週一次左右。

 次回はフリーダの洗礼式です。
 下回是芙莉妲的洗禮式。
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