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第一部士兵的女兒 閒話 金錢的力量

作者:SPT草包│2017-04-13 07:32:46│贊助:0│人氣:164
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 閑話 金の力
第一部士兵的女兒 閒話 金錢的力量
原文連結

「もし、身食いでわたしが倒れたとしても、ルッツが責任を感じることないんだからね。これ、本当に、突然来るから。それに、まだ負けないよ。わたし、本を作ってないから」
「假如,因為我就算因身噬而倒下了,路茲也不要感覺到有責任喔。因為這個,真的是,突然來的。而且,還沒輸唷。因為我,還沒有製做書本」

 オレを慰めるようなマインの小さい声が耳元で響く。
 像是安慰我般瑪茵小小的聲音在耳邊響起。

 情けない泣き顔を見せたくないから、マインを背負った。
 因為不想讓她看見丟臉的哭臉,而揹起了瑪茵。
 でも、マインを背負っているから、落ちる涙を拭えない。
 但是,因為揹起了瑪茵,而無法擦去掉落的淚水。
 マインの腕にポツポツと涙の染みができていく。
 滴滴答答的淚班在瑪茵的手腕上逐漸形成。

 助けてやりたいのに、助けてやれない。
 明明想要幫助,卻幫助不了。
 自分の力の無さに歯噛みする。
 對自己的無能為力咬牙切齒著。

 マインはいつも「わたし、役に立たない」って言うけど、オレにとってはいなきゃ困る存在なんだ。
 雖然瑪茵總是說「我、派不上用場」,但對我來說卻是不在就會傷腦筋的存在。

 商人になりたいなんて、家族からも馬鹿にされて無視されるような自分の夢をマインは笑って肯定してくれた。
 瑪茵將想成為商人什麼的、被家人當成笨蛋而無視般的自己的夢想笑著給予了肯定。
 ベンノに紹介してもらった時だって、本当は逃げ出したいくらい怖かったのに、マインは手を握って、助け船を出してくれた。
 就連接受介紹給班諾時,明明真的是甚至想要逃出去的害怕,但瑪茵握著我的手,派出了救生艇。
 オレ一人ではどうにもできなかったのに、マインが一緒に考えて動いてくれたから、見習いになれる道が拓けた。
 明明我一個人怎樣也做不到,但因為瑪茵一起思考行動,而開通了成為實習的道路。
 今だって、商人になるにはどうすればいいか、文字の書き方、数字の読み方、計算の仕方、お金に対する考え方……全部マインが教えてくれている。
 就連現在,思考對於成為商人要怎麼做才好呢、文字的寫法、數字的讀法、計算的辦法、金錢……全部都是瑪茵教導我的。

 それなのに、オレは身食いで苦しむマインを助けてやることもできない。
 儘管如此,我卻無法做到幫到因身噬而痛苦的瑪茵。

 オレにはマインを助ける金なんてない。ちょっと稼げるようになったけれど、それは全部マインが考えたことだ。
 我沒有什麼能幫助瑪茵的錢。雖然說稍微變得能賺錢了,但那個全部是瑪茵所考慮到的。
 オレが作るんじゃなくて、もっと力がある、もっと大人がマインに協力していたら、ずっと早く紙ができていて、ずっと稼げていたんじゃないか。そうすれば、マインはもしかしたら助かるだけのお金が稼げていたんじゃないか。
 我並非去創造,而是更有力量、更像大人去協助瑪茵的話,是不是就能更快做好紙張,更能賺到錢了呢。那樣做的話,瑪茵或許是不是就能夠賺到足以得救的金錢了呢。

 そんなことを考えることしかできない、力のない自分がみじめで、悔しくて、情けない。
 只能思考那種事情,沒有力量的自己因悲慘而、懊悔、丟臉。

 オレがこんな子供じゃなくて、大人だったら、マインを助けてやれただろうか。ベンノの旦那みたいにでかい商売をして、金を持っていたら、オレだって……。
 我不是這樣的小孩子,而是大人的話,就能幫助瑪茵了吧。做著像是班諾老闆的大買賣,有錢的話,即便是我……。

 ギリッと歯を食いしばりながら、オレはマインを背負って歩く。マインを助けることができるだけの大きな権力と金があるだろう、ベンノの店へ。
 一邊用力地咬緊牙根,我一邊揹著瑪茵走著。幫助瑪茵要有盡可能大的權力跟金錢吧,前往班諾的店。

 きっとベンノの旦那なら、マインを助けてくれる。マインが作る物に価値を認めているから、きっと。
 如果是班諾老闆一定,會幫助瑪茵的。因為認可了瑪茵所做之物的價值,一定。


 オレが店の前に着いた時には、マルクとベンノが店の外に立って待ち構えていた。心配そうなマルクと苦々しい顔のベンノが立っている。
 我在到達店的前面時,馬爾克跟班諾站在店的外面等候著。擔心似的馬爾克跟苦澀表情的班諾正站著。
 涙を拭うこともできないぐしょぐしょの情けない顔を見せたくなくて、オレは俯いて石畳を睨みつけた。
 不想顯露無法擦拭眼淚而濕淋淋可憐兮兮的表情,我低頭注視著石板地。
 その視界の中にベンノの靴先が入ってくる。
 班諾的鞋尖進入了那個視野裡面。

「ハァ……ったく」
「唉……真是」

 ベンノが溜息混じりに歩み寄ってきたかと思った瞬間、突然オレの背中が軽くなった。
 想說班諾混雜著嘆息走近來的瞬間,突然我的背後變輕了。

「うひゃあっ!?」
「嗚呀啊!?」

 マインの声に驚いて顔を上げたら、マインがひょいっと抱き上げられて、マルクに向かって放り投げられていた。
 對瑪茵的聲音驚訝地來起頭的話,瑪茵被輕輕地抱了起來,向著馬爾克被拋了出去。
 空に投げ出されたマインの姿に心臓が口から飛び出そうになる。
 心臟對被拋到天空的瑪茵的身影變得快要從嘴巴裡飛了出來。

「っ!?」
「!?」
「おっと!?」
「嘿咻!?」

 マルクがしっかりと抱きとめたのを確認して安堵すると同時に、ベンノに対する怒りが募ってくる。
 在確認到馬爾克好好地抱住而放心的同時,對班諾的憤怒越發強烈。
「病人になんてことをするんだ!」と怒鳴ってやろうと息を吸い込んだ瞬間、ベンノが顎で店を示した。
 打算怒吼「要對病人做什麼呀!」而吸氣的瞬間,班諾用下巴指示了商店。

「ルッツだけ奥だ。来い」
「只有路茲是裡面。過來」

 気勢を削がれ、オレは口をはくはくさせた後、ベンノについて店の奥へと入っていく。
 被削弱了氣勢,我讓嘴巴一張一合之後,跟著班諾進入了商店的深處。
 マインのことはマルクに任せておけば問題ない。少なくとも、ベンノに預けるより安心だ。そう自分に言い聞かせながら、バタンと閉まるドアの音にオレは慌てて袖で顔を拭った。
 瑪茵的事情先託付給馬爾克的話沒有問題。至少,是比委託給班諾還安心。一邊那樣對自己勸說,我一邊因啪嗒地關門聲而驚慌地用袖子擦了擦臉。

 いつものテーブルを勧められ、オレが座ると同時にベンノは赤褐色の目を光らせる。オレを上から下まで全部見て、口を開いた。
 被勸進了平常的桌子,班諾在我坐下的同時讓紅褐色的眼睛發亮了。將我從上到下全部看過,開口了。

「……身食いの症状が現れたか?」
「……顯現了身噬的症狀了嗎?」
「なんで……」
「為什麼……」
「お前が背負っている割に、マインは元気そうだったからな。一気に熱が上がって、一気に下がる身食いだと思った。あれだけ一緒にいるのに、見たのは初めてか?」
「因為比較著是你揹著,而瑪茵似乎很有精神呢。我認為是熱一口氣上升了,又一口氣下降了的身噬。只有那個是在一起的說,第一次看到嗎?」

 オレはコクリと頷く。森に行ったり、店に行ったり、紙を作ったり、マインとはずっと一緒に行動していたけれど、オレが身食いの症状を見たのは初めてだった。
 我輕輕向前點了頭。雖然說去森林、去商店、製做紙張、一直都跟瑪茵一起行動著,但我看到身噬的症狀是第一次。

 体調が悪化するような前兆は一切なく、突然身体が溶けるんじゃないかと思うくらいマインの熱が上がって、まるで身体中から湯気が立ち上るように、黄色っぽい何かがマインから出ていたのが、ひどく怖かった。
 像是健康狀態惡化般的前兆通通沒有,宛如認為是不是突然身體要融化了呢的瑪茵的熱上升著,簡直就好像熱氣從身體裡面冒了上來,黃色般的什麼從瑪茵那出現了,異常的可怕。

「ベンノの旦那、マインを助けてやってくれ。オレじゃダメなんだ。こんな子供で、金もなくて、何もできなくて……」
「班諾老闆,幫助瑪茵吧。我是不行的。像這樣的小孩子,沒有錢、什麼都做不到……」
「無理だ」
「不可能」

 オレの頼みをベンノは静かな声で、にべもなく一蹴した。
 班諾用安靜的聲音將我的請求,非常冷淡地一口回絕。

「なんでだよ!? 旦那は大人で、金もあって、貴族相手に商売してて……」
「為什麼唷!? 老闆是大人,也有錢,跟貴族對象做著生意……」

 オレが必死に言い募るとベンノは痛そうに顔を歪める。悔しそうに歯を食いしばって、頭を振った。
 我拚命地越說越激動後班諾痛苦似的扭曲了臉。懊悔似地咬緊牙根,搖了搖頭。

「商売を広げていると言ったところで、お貴族様相手には最近出てきたばかりの新顔で大した繋がりなんかない。まだまだ足元見られてぼったくられる対象だ。……俺も、お前と一緒で力不足なんだよ」
「即便說是擴展了生意,但對於貴族對象來說卻還是最近才剛出現的新人而沒多大的聯繫。仍舊還是被看在腳下被敲竹槓的對象。」
「旦那でも……ダメなのか?」
「即便是老闆……也不行嗎?」

 思いもよらなかった言葉に呆然とする。こんなに大きな店を持っていて、貴族と繋がりもあるベンノでさえ、マインを助けるには力不足だなんて、身食いを治すことは事実上不可能ではないのか。
 對萬萬沒想到的話語呆滯。就連擁有著這麼樣大的商店,跟貴族有聯繫的班諾,對幫助瑪茵都能力不足什麼的,治療身噬不就是事實上不可能了嗎。
 目の前が暗くなっていった時、治ったヤツがいたことを思い出した。
 在眼前逐漸變暗的時候,想起了有能醫治的傢伙在。

「でも、フリーダは治ったって……ギルド長なら!」
「但是,芙莉妲治好了……如果是公會長!」
「交渉済みだ」
「交涉完畢了」
「え?」
「咦?」

 ベンノが軽く息を吐いて、髪を掻きあげる。困ったような顔で、皮肉げな笑みを浮かべて、肩を竦めた。
 班諾輕輕地吐了一口氣,抓了抓頭髮。用傷腦筋似的表情,浮現出諷刺的笑容,聳了聳肩。

「金があれば、一時的な延命はできる、と言われた。孫娘を生かすために金に任せて没落貴族から買い漁った今にも壊れそうな魔術具がまだ残っているらしい。たった一度使えば壊れてしまうような魔術具が小金貨2枚以上するんだ」
「被說了,有錢的話、能一時延長性命。為了讓孫女活下來而憑藉著金錢從沒落貴族處蒐購現在也快要壞掉的魔術具似乎還殘留著。只是使用一次似乎就會壞掉的魔術具要小金幣2枚以上」
「き、金貨!?」
「金、金幣!?」

 オレは紙を売って得られた小銀貨1枚に、大金だと浮かれていたというのに、マインを助けるために必要なのは小金貨らしい。
 對我賣掉紙張所獲得的小銀幣1枚來說,所浮現出的是所謂的鉅款的說,但為了幫助瑪茵似乎必須是小金幣。
 手が届かない金額にめまいがする。
 對手搆不到的金額頭昏腦脹著。

「だが、それで延ばせるのは半年から一年ほど。一度金を使って延命しても、すぐに次がいる。特にマインは小さい。成長するたびに身食いの症状が進んでいくんだから、そのうちもっと頻繁に必要になる。見習い一人のためにそんな金が出せるか? 俺には無理だ」
「但是,因此而能延長的是從半年開始一年左右。就算使用一次錢而言命,但馬上就有下次。特別是瑪茵還小。因為每次成長時身噬的症狀就會逐漸前進,其中更加頻繁會成為必要的。為了實習一人而付出那樣的錢嗎? 我是不可能的」

 ベンノの言葉は間違っていない。そんな金を出すことなんてできるわけがない。
 班諾的話語是毫無疑問的。付出那種錢什麼的是不可能做到的。
 だが、無理だと諦めることは、マインの命を諦めるのと同じだ。
 但是,不可能與放棄是,跟放棄瑪茵的性命一樣的。

「俺にできることは少ない。マインが持っている変わった知識を買ってやって、少しでも金の足しにしてやること。いよいよヤバそうな時に、じじいに渡りを付けてやることくらいだ。……それで、お前は何ができる?」
「我能做的沒多少。買下瑪茵擁有的怪異知識,多少也能做些金錢的補貼。在似乎越來越危險的時候,甚至是交付給老頭。……就這樣,你能做什麼?」

 猛獣のような鋭い目でベンノに睨まれて、オレは思わず睨み返した。
 被班諾用猛獸般的銳利目光瞪視著,我不假思索地回瞪回去。
 大人で力も、頭も、金も全部持っているベンノにできることがほとんどないのに、オレにできることなんてあるわけがない。
 明明幾乎沒有是大人且不論力量、頭腦、金錢全部都擁有的班諾能做到的事情,但並沒有什麼我能做到的事情。

「……オレができることなんてない。こんな子供で、力も、頭も、金も、何もなくて……できることがあるなら、教えてくれよ」
「……我沒有什麼能做到的事情。像這樣的小孩子,不論力量、頭腦、金錢、什麼都沒有……如果有能做到的事情,告訴我吧」
「マインに心配させるな。気を遣わせるな」
「別讓瑪茵擔心。別操心了呢」
「っ!?」
「!?」

 即座に言い返された言葉にぐっと息を呑んだ。図星で何も言い返せない。
 對立即被回覆的話語使勁地喘不上氣來。在靶心上什麼都沒回覆。
 悔しさに目頭が熱くなってきたオレに、ベンノが少しばかり表情を緩めて、しかし、目だけは鋭いまま口を開く。
 對懊悔地眼角逐漸變熱起來的我,班諾稍微放鬆了表情,但是,只有目光仍舊銳利地開口了。

「あのなぁ、ルッツ。あれは見た目通りの子供じゃない。少なくとも、自分がきつい時にお前を気遣って、笑って見せるくらいのことはできるんだ。それに甘えたり、騙されたりしないように気を付けろ」
「我說呀,路茲。那個並非是看起來那樣的小孩子。至少,自己在緊繃的時候也能做到操心你、甚至是展現笑靨的事情呀。而且要當心不要撒嬌、被欺騙了」

 身食いの熱が引いた後、荒い息を繰り返しながら、へらっと笑ったマインを思い出した。
 回想起了身噬的熱褪去之後,一邊重複著粗魯的呼吸,一邊散漫地笑著。
 笑ってくれたマインにオレは確かに安心したけれど、それは間違いだったかもしれない。
 雖然說我確實對笑了的瑪茵安心了,但那個說不定是搞錯了。

「男ならマインの心配の種をこれ以上増やすな。知らなかったふりなんて出来るわけがないんだから、アイツが少しでも自分の命を買えるように協力しろ。マインが考えた物は俺が作るなんて、大層な事を言うなら、次から次へと作って売れ! 泣いている暇があるなら頭を動かせ。身体を動かせ。金を稼げ!」
「若是男人就不要讓瑪茵擔心的種子在這之後增加了。因為並非是能做到假裝不知道什麼的,那傢伙多少也為了買自己的命而協助。瑪茵考慮的東西由我來製做什麼的,如果說了那種大模規的事情,那就一個接著一個做來賣! 如果有哭泣的閒暇就動動腦。動動身體。賺錢!」
「……わかった」
「……知道了」

 やるべきことを示されて、オレは顔を上げた。
 被指示了應該做的事情,我抬起了頭。
 ベンノがニヤリと唇を歪める。
 班諾奸笑地扭曲了嘴唇。

「イイ面構えになったじゃねぇか」
「這不是做了個好面相了嗎」


「あ、ルッツ。お話、終わった? 見て見て! 今日持ってきた髪飾りの精算、終わったよ」
「啊,路茲。談話,結束了? 你看你看! 今天帶來的髮飾的結算,結束了唷」

 ベンノの部屋から出たオレを迎えてくれたのは、マインのいつも通りの笑顔だった。呑気そうな顔に見えるけれど、ベンノの言葉を思い出して注意深く見てみれば、笑っているのに、心配そうな目をしているのがわかる。
 迎接從班諾的房間出來的我的是,瑪茵如同往常般的笑容。雖然說看上去像悠閒似的表情,但回想起班諾的話語而試著注意看深點的話,明明在笑著,卻能明白有著擔心似的眼神。
 心配をかけている自分に舌打ちしたい気分になりながら、オレも負けずに笑って見せた。
 儘管變成了想對平添擔心的自己咋舌的氣氛,但我也不服輸地展示著笑靨。

「大金だな」
「是鉅款呢」
「これで、2~3日は大丈夫だと思うんだよね」
「這下子,我認為2~3天是不要緊的呢」
「2~3日かよ」
「2~3天嗎」
「正直、母さんがどこまで暴走するかわからないんだもん。トゥーリも母さんにつられてやる気満々だし……」
「老實說,不知道媽媽會暴走的哪裡咩。圖麗也受到媽媽影響而幹勁滿滿……」

 軽いやり取りを繰り返すことで、少しずつマインの雰囲気が緩んでいくのがわかる。多分、ちょっとは安心させることができたと思う。
 明白因輕輕地重複著交流,而能一點一滴地逐漸緩和瑪茵的氛圍。我想大概,稍微能讓她安心。
 オレの後ろから出てきたベンノもいつもの調子で、肩を竦めた。
 從我後面出來的班諾也以平常的狀態,聳了聳肩。

「店の中で喋ってないで、用が終わったならマインはさっさと帰って寝てろ。本調子じゃないってルッツが言ってたぞ」
「別在店裡面聊天,如果事情結束了瑪茵快點回去睡覺。路茲說了不是正規狀態喔」

 オレ達を追い払うように手をパタパタと振ったベンノが、ふと思いついたように言葉を付け足した。
 為了趕走我們而啪嗒啪嗒地揮著手的班諾,像是偶然想起般附加了話語。

「マルク、こいつらについて行ってやれ。こんな子供に大金を持たせるのは危険だからな」
「馬爾克,跟著這些傢伙去。因為讓這樣的小孩子帶著鉅款是很危險的呢」
「かしこまりました」
「謹遵吩咐」

 トゥーリ達に支払いがしやすいように、全部が中銅貨で準備されている。33枚もあれば、歩けばジャラジャラと大きい音がするだろう。数枚を手に握りしめているくらいなら、ともかく、洗礼前の子供が持つには目立ちすぎるのだ。
 為了容易支付給圖麗她們,全部被用中銅幣準備著了。有33枚的話,走路的話會發出鏗鏗鏘鏘地大大的聲音吧。如果甚至將數枚緊握在手上,無論如何,洗禮前的小孩子擁有著是太過顯眼了。

 盗まれたり、絡まれたりする危険性を示されたせいで、いつもは「平気です。大丈夫」と辞退するマインが、マルクに素直にお金の袋を差し出した。
 由於被表示了會被偷、被糾纏的危險性的緣故,總是「沒事的。不要緊」謝絕的瑪茵,坦率地把錢袋遞出來給馬爾克。
 ベンノと視線を交わしたマルクはお金の袋と一緒にマインも抱えて歩き出す。
 跟班諾交換視線的馬爾克跟錢袋一起也抱著瑪茵開始走了。

「じ、自分で歩けますっ!」
「我、我自己能走!」
「ルッツに背負われてきた子が何を言っているんですか? いい子ですから、みんなの心の平穏のためにおとなしくしていてくださいね」
「被路茲揹過來的孩子在說什麼呢? 因為是好孩子,為了大家內心的平穩就請老老實實待著呢」
「うぅっ……」
「嗚……」

 マインは反論する術を失ったのか、しょぼんと項垂れて、ジタバタするのを止める。どうやらマインは優しく諭すマルクには反抗できないらしい。
 是瑪茵喪失了反駁的技術了嗎,無精打采地垂著頭,停止了手忙腳亂。看樣子瑪茵似乎無法反抗溫柔告誡的馬爾克。
 これは良い発見をした。オレもなるべく早くマルクの言い方を覚えよう。
 這個作為好的發現。我也盡量快點記住馬爾克的說法吧。


 帰り道、マインは冬の手仕事のやらせ方や仕上がった手仕事の管理の方法をマルクと語り合い、オレにも同じようにやるように注意点を並べた。
 回家路上,瑪茵跟馬爾克互相談論冬季手工的派遣跟完成了的手工的管理方法,我也同樣地為了要做而羅列著注意點。

 井戸の広場に着いたところで解散するのかと思ったが、マルクは「マインの家までお金を持って行って、家族にも説明させていただきます」と言って、マインを下ろそうとしなかった。
 雖然想說要在到達水井的廣場時解散嗎,但馬爾克說了「要帶著錢去到瑪茵的家,也要讓家人接受說明」,沒打算要放下瑪茵。
 マルクの気遣いに感謝しながら、井戸の広場でオレは二人と別れる。
 一邊感謝馬爾克的操心,我一邊在水井的廣場跟兩人告別。

「ルッツ、後で行くからね」
「路茲,待會會過去呢」

 建物に入っていく二人を見送った後、オレは急に重たくなったように感じる足を引きずるように自分の家へ帰った。
 目送逐漸進入建築物的兩人之後,我忽然像是感覺變重了般拖著腳往自己的家裡回去。

「ただいま」
「我回來了」
「なんだ、今日は手ぶらか?」
「什麼呀,今天空著手嗎?」

 一番上の兄であるザシャが帰ったオレの姿を見て、片眉を上げた。
 作為最上面的哥哥的札夏看到回來的我的身影,揚起了單邊眉毛。
 森で採集してくるのが、洗礼前であるオレの本来の仕事だが、最近、ベンノの店に行くことが多くなって、採集が満足できていない。そんな状態を、家族がよく思っていないことはわかっている。
 去森林裡採集,是作為洗禮前的我本來的工作,但最近,去班諾的店變得比較多,採集無法滿足。明白著那種狀態,家人沒有好好去思考。

「何だよ。金、稼いできたんじゃないのか?」
「什麼唷。錢、不是賺了嗎?」

 お金を持って帰れば、少し態度はマシになるけれど、マシになるだけだ。ラルフはオレが短期間に稼いだことをちょっと苦々しく思っているようで、当たりが厳しくなった。
 雖然說帶錢回來的話,態度稍微變好了,但只是變好了。就像認為拉魯夫有點不愉快我在短期內賺到錢,對待變嚴苛了。

 部屋に荷物を置きに行って、ベッドでゆっくり息を吐く。オレが商人になりたいと言ってから、家の中は雰囲気がギチギチしていて居心地が悪い。
 去把行李放到房間,在床上慢慢地呼一口氣。因為我說了想成為商人,家裡面的氛圍緊繃不已感覺很不好。
 商人になることを諦めて、職人になると言えば、居心地は良くなるのかもしれないが、オレは絶対に後悔するだろう。
 放棄成為商人,說要成為工匠的話,感覺會變好也說不定,我我絕對會後悔的吧。

 トントン!
 咚咚!

「こんにちは、カルラおばさん。ルッツ、いる?」
「您好,卡露菈阿姨。路茲,在嗎?」
「あら、マインじゃないか。さっき帰って来たような声はしていたけど……ルッツ、マインが来てるよ!」
「啊啦,這不是瑪茵嗎。雖然剛才好像有發出回來的聲音……路茲,瑪茵來了喔!」

 母の声にオレより速く、すでに胃袋を鷲掴みにされている兄達が期待に満ちた目でマインを迎えに行った。オレが部屋から出た時にはマインは兄達に囲まれてほとんど見えない。
 對母親的聲音比我還快,已經被猛抓住胃袋的哥哥們用充滿期待的眼神去迎接瑪茵了。再我從房間出來的時候瑪茵被哥哥們包圍幾乎看不見了。

「どうした? 新作料理か?」
「怎麼了? 新作料理嗎?」
「手伝うぞ。何からする?」
「會幫忙喔。要從什麼開始做?」
「ううん。今日は違うの。ルッツに報酬を持ってきただけ」
「不是。今天不一樣。只是把報酬拿來給路茲」
「報酬?」
「報酬?」
「そう。わたしの手仕事を手伝ってもらったから、その報酬」
「沒錯。因為承蒙幫忙我的手工,是那個的報酬」

 兄達の囲いから出てきたマインが、何か企んでいる時の笑みを浮かべてオレの前に立った。
 從哥哥們的包圍出來的瑪茵,浮現了有什麼企圖時的笑容站在我的面前。
「ルッツ、手を出して」と言われるままに手を出すと、マインがわざわざ一枚ずつ中銅貨を手の平に置いていく。
像是被說了「路茲,伸出手」而伸手後,瑪茵特意一枚枚地將中銅幣逐個放置在手掌上。

「簪5個だから、中銅貨も5枚ね。1,2,3,4,5。間違いない?」
「因為髮簪是5個,中銅幣也是5枚呢。1,2,3,4,5。沒有錯吧?」
「あぁ」
「啊」

 オレの手の上にチャリチャリと音を立てながら置かれていく中銅貨に、兄達の視線が釘付けになっているのがわかった。視線が刺さっているようで、手の平がチクチクする。誰かがゴクリと唾を飲み込んだ音が聞こえた。
 明白了對在我的手上一邊鏗鏘作響地發出聲音一邊被逐個放置的的中銅幣,哥哥們的視線逐漸變得釘住了。視線似乎扎刺著,手掌刺痛不已。聽到了某人咕嚕地嚥下口水的聲音。

「なぁ、マイン。手仕事の手伝いって、もしかして、昨日ルッツが作ってた木の棒か?」
「吶,瑪茵。手工的幫忙,難道,是昨天路茲製做的木棒嗎?」

 ラルフの言葉を待っていたのだろう、わざとらしいほどマインがニッコリと笑って答えた。
 是在等待著拉魯夫的話語吧,像是故意似的瑪茵微微地笑著回答了。

「そう。髪飾りを作るから、その簪部分をお願いしてるの。簪一つで中銅貨1枚なんだよ」
「沒錯。因為要製作髮飾,拜託了那個髮簪部分。以髮簪一個中銅幣1枚唷」
「あんなんで中銅貨1枚!?」
「那樣就中銅幣1枚!?」

 ザシャが目を剥いて叫んだ後、オレの手の上を凝視した。
 札夏瞠目結舌地大叫之後,凝視著我的手上。
 本当にオレが金を持っているから、疑っても意味がないと思ったのだろう、ジークは軽く頭を振った後、マインをひたりと見据えた。
 因為真的是我擁有著錢,我想就算懷疑也是沒有意義的吧,吉克輕輕地搖了搖頭後,迅速地盯著瑪茵。

「……その手伝いって、ルッツじゃなくてもいいのか? オレがやってもいい?」
「……是說那個幫忙,不是路茲也可以嗎? 我來做也可以?」

 ジークの質問は兄全員の心を代弁したものだった。全員の視線がマインに向かう。マインはその視線を難なく受け止め、笑顔で頷く。
 吉克的提問是代言了哥哥全體內心的東西。所有人的視線朝向了瑪茵。瑪茵輕而易舉地接受了那個視線,用笑容點了頭。

「そりゃ、作るのはルッツじゃなくてもいいよ。でも、大きさも決まってるし、髪に引っ掛からないように丁寧に磨かなきゃいけないし、適当な仕事じゃダメなんだよ?」
「那個,製做的不是路茲也可以唷。但是,大小也決定了,為了不勾到頭髮必須要謹慎地打磨,敷衍了事是不行的唷?」

 マインの言葉を聞いた兄達が顔を輝かせて我先に口を開いて、主張し始めた。
 聽到瑪茵的話語的哥哥們喜出望外地搶先開口了,開始主張著。

「マイン、マイン。木工細工はルッツよりオレの方が得意なんだぜ。仕事で毎日やってるんだからな」
「瑪茵,瑪茵。木工工藝比起路茲還是我擅長喔。因為是工作而每天做著呢」
「オレだって、ルッツよりはマシさ」
「我才是,比路茲還好啊」
「年数で言うならオレだろ?」
「如果以年數來說是我吧?」

 おいおい、ちょっと待ってくれよ。
 喂喂,稍微等一下唷。
 そんなくだらない棒作りなんか手伝ってやるか。一人でやれよ、と言っていたのは誰だよ?
 要去幫忙製作那種無聊的棒子什麼的嗎。一個人去做吧,那樣說過的是誰唷?

「昨日は三人ともバカバカしいって……もがもがっ!」
「昨天三人都說是愚蠢至極……而碎念不已!」
「ルッツ、昨日は報酬の話なんかしてなかったよな?」
「路茲,昨天報酬的話題什麼的都沒說過呢?」
「一人占めするつもりだったんだろ?」
「是打算一個人獨佔的吧?」

 報酬の話は一応したはずだ。けれど、聞き流されたか、適当な事を言っていると思われたに違いない。
 報酬的話題應該姑且做過了。但是,是被當耳邊風了嗎,肯定是被認為在說著隨便的事情。
 現金の力は兄達の記憶も塗り替えるようで、オレがすっかり悪者扱いだ。目の色を変えた兄達に凄まれたオレは、現金の恐ろしさを知った。
 現金的力量似乎重新粉刷了哥哥們的記憶,我完全當壞人對待了。被改變眼睛顏色的哥哥們威嚇的我,知道了現金的可怕。
 兄達に囲まれて困り果てていると、マインがポンと手を叩いた。
 被哥哥們包圍而感到為難結束後,瑪茵碰地敲了手。

「じゃあ、次はおにいちゃん達が作ってくれる? 一人5個ずつね。それ以上作られても、わたしの方が間に合わないから。三日後に取りに来るよ」
「那麼,接下來是大哥哥們來製做嗎? 一個人各5個呢。因為就算被做了那些以上,我這邊也趕不上。三天後會來拿唷」

 マインの提案はとても魅力的だったようで、オレはポイと放り出された。兄達はマインに向かって、実にいい笑顔でドンと胸を叩いて請け負う。
 瑪茵的提案似乎非常富有魅力,我被輕易地拋棄了。哥哥們向著瑪茵,用真的很好的笑容咚地拍著胸脯包辦了。

「おう、任しておけ」
「喔,先交給我吧」
「三日もいらねぇよ」
「三天都用不到唷」
「すぐにできるって」
「是說馬上就能做好」

 マインはピッと人差指を立てて、悪戯っぽく笑った。
 瑪茵用力地豎起食指,惡作劇似地笑了。

「速さより丁寧さが大事なんだよ。丁寧に作ってなかったら、使えないからやり直しだからね。……そうそう、大きさとか、使う木はルッツに聞いて。じゃあ、また三日後に取りに来るね」
「比起速度謹慎更重要唷。因為無法謹慎地製做的話,會因為無法使用而重做呢。……對了,大小拉、使用的木頭去問路茲。那麼,再次三天後會來拿呢」

 そう言ってマインが帰っていくのを、笑顔で手を振って見送っていた兄達だったが、マインの姿が見えなくなると同時に、態度を豹変させた。
 那樣說的瑪茵回去了,用笑容揮著手目送著的哥哥們,在變得看不見瑪茵的身影同時,讓態度驟變了。
 オレはガシッと身柄を確保されて、兄達に部屋へ連れていかれる。
 我被緊密地確保了人身,被哥哥們帶往了房間。

「で、何の木を使うって?」
「說,要使用什麼木頭?」
「大きさは?」
「大小是?」
「今回はお前の分、ねぇから」
「這次你的份,沒有了」

 すぐさま道具が準備され、作り方を説明しろと詰め寄られた。オレがやっている時には全く見向きもしなかった兄達の変わり様に唖然とするばかりだ。
 工具馬上被準備了,被逼問說明了作法。對在我做的時候完全不轉過頭來看的哥哥們改變的樣子只能啞口無言。

「ぼんやりするな」
「別發呆了」
「さっさと説明しろよ」
「快點說明唷」
「あ、あぁ」
「啊、啊」

 兄達に聞かれるまま、オレが木の種類や作り方を教えていけば、兄達はすぐに呑み込んで作りだす。あっという間にオレはお払い箱だ。
 依然被哥哥們問著,我告知了木頭的種類跟做法之後,哥哥們馬上領會而做了起來。轉眼間我免職了。
 そして、悔しいことに仕事で手慣れている分、オレより兄達の方が素早く綺麗に簪を仕上げていく。
 然後,令人懊悔地因工作而熟練的關係,哥哥們比起我還快速且漂亮地完成了髮簪。

 あぁ、マインが「わたし、いまいち役に立たない」って言う時の気分はこんな感じか。
 啊,瑪茵說著「我,根本就派不上用場」時的心情是這種感覺嗎。

 お払い箱になったオレは、石板と計算機を取り出した。オレにはオレのやることがある。簪作りは職人に任せればいい。
 被解僱了的我,拿出了石板與計算機。我有我該做的事情。製作髮簪委託給工匠就可以了。

 帰り道でマインがオレに言ったのは3つだ。
 在回家路上瑪茵對我說的有3個。

 板にそれぞれが作った簪の数を控えること。
 要在板子上控制各自製做髮簪的數量。
 その板は見つからない場所に保管して、勝手に書き足されないようにすること。
 要將那個板子保管在找不到的地方,為了不被擅自被填寫。
 一つ簪ができれば、手数料としてオレは中銅貨4枚がもらえるので、手数料を計算機に足していくこと。
 由於完成一個髮簪的話,作為手續費我會收到中銅幣4枚,將手續費加到計算機上。

「ほら、できた」
「你看,做好了」
「オレだって、もうできるさ」
「我也是,已經做好了啊」
「ラルフはちょっと雑だな。もっと丁寧にやらないと作り直しじゃないのか?」
「拉魯夫稍微粗糙呢。不更謹慎地做不是會要重做嗎?」

 そんなことを言いながら、兄達が先を争うように簪を作っていく。
 一邊說著那樣的情,哥哥們一邊像是爭先恐後地繼續製做著髮簪。

「ルッツ、こんな感じでいいのか?」
「路茲,用這樣的感覺可以嗎?」
「……うん。さすがザシャ兄」
「……嗯。不愧是札夏哥」

 ザシャが1つできたので、中銅貨4枚。
 由於札夏做好了1個,中銅幣4枚。

「ほら、オレもできたぜ」
「你看,我也做好好喔」
「ジーク兄もバッチリだ」
「吉克哥也很完美」

 ジークが1つ作ったから、足して中銅貨8枚。
 因為吉克製做了1個,添加成中銅幣8枚。

 石板に文字の練習をしているうちに、自分が作ったわけでもないのに、手数料がどんどん溜まっていくのが計算機を見ればすぐにわかる。
 在石板上做著文字的練習時,明明並非是自己所製做,但手續費卻不斷地持續累積是看了計算機就能馬上明白的。

 これが、商人か。
 這就是、商人嗎。
 金の力を目の当たりにし、うまく金を扱えるようになりたい、と改めて思った。
 再次體認到,親眼見識了金錢的力量,想要變得能擅長處理金錢。

======================================================================
ルッツ、家庭内では苦労してます。
路茲,在家庭內勞碌著。
 でも、めげずに頑張っていけるのは、マインがいるから。
 但是,能不屈服地努力著是,因為有瑪茵在。
 マインを助けるために頑張ります。
 為了幫助瑪茵而努力著。

 次回、ルッツの決意空しく、マインが倒れます。
 下回,路茲的決心徒勞無功,瑪茵倒下了。

 ※誤字脱字報告ありがとうございました。
 ※非常感謝錯字漏字報告。
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留言共 1 篇留言

呼煙艾
感謝大大的翻譯

抓一個錯字 碼茵

04-13 10:03

SPT草包
錯字很多的XD,
我偶爾會回頭修改用詞,常常發現錯字跟漏譯勒 ̄▽ ̄。04-13 14:34
我要留言提醒:您尚未登入,請先登入再留言

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