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第一部士兵的女兒 特隆貝出現了

作者:SPT草包│2017-04-06 18:38:00│贊助:0│人氣:183
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 トロンベが出た
第一部士兵的女兒 特隆貝出現了
原文連結

 朝起きて、布団から出るのが厳しい季節です。布団の中で、寒いなぁ、とうごうごしていたら、朝勤務の父がほとんど仕事の準備を終えた状態で声をかけてきた。
 早上起來,是從棉被裡出來很嚴峻的季節。在棉被裡面,很冷呢,整合好之後的話,早晨勤務的父親以幾乎結束工作準備的狀態打了聲招呼。

「マイン、今日の体調はどうだ?」
「瑪茵,今天的身體狀態如何?」
「ん~? いつも通りだけど? どうしたの、父さん?」
「嗯~? 雖然說像往常那樣? 怎麼了嗎,爸爸?」

 もしかしたら、ベッドでもぞもぞしていたから、体調が悪いと勘違いされてしまったのだろうか。わたしがむくりと起き上がると、父は心配そうに眉を寄せる。
 難道說,因為在床上爬行蠕動著,被誤會成了身體狀態不好了嗎。我驀然地起來之後,父親擔心似地皺起了眉頭。

「オットーが冬の打ち合わせをしたいから、体調と天気と相談した上で、来てくれないか、と言っていたんだ」
「因為歐拓想要做冬季的磋商,在協商了身體狀態跟天氣後,說了、不能來嗎」
「わかった。今日は熱もないし、ベンノさんに呼ばれてもないし、門に行くよ」
「知道了。今天也沒有燒,班諾先生也沒有呼叫,去門吧」

 開門の2の鐘に向けて出勤する父を見送って、わたしはベッドの上で手早く着替える。
 目送針對開門的2之鐘去上班的父親,我在床鋪上迅速換著衣服。

「母さん、トゥーリ。わたし、今日は門に行くから」
「媽媽、圖麗。我,今天因為要去門」
「そうだね。そろそろ森で採れる物も少なくなってきたし、マインはもう森へ行くのは止めておいた方がいいんじゃない?」
「說得也是呢。差不多在森林裡能採集的東西也變少了起來,瑪茵是不是已經該先禁止去森林比較好了呢?」
「トゥーリの言う通りよ。マインが熱で倒れた方が大変だから、子供だけで行くことになる森は止めた方がいいわね」
「就像圖麗說的喔。因為瑪茵因燒倒下還比較嚴重,只有小孩子去的森林停止會比較好呢」

 最近は寒くなって、風邪を引きやすい季節になってきて、自分でも体調があまり良くないと感じる日が増えてきた。わたしが頑張ると、周囲が迷惑を被ることが多いので、森行きは自重することにしよう。
 最近變冷了,到了容易罹患感冒的季節,自己也感覺到了身體狀態不太好的日子增加了起來。由於我努力之後,周圍常常遭受麻煩,去森林決定自重了。

「よぉ、マイン。今日は門か?」
「喲、瑪茵。今天是門嗎?」

 トートバッグだけを持ったわたしに、ルッツがそう声をかけてくる。
 路茲對只拿著手提包的我,那樣打了聲招呼。
 風邪を引かないようにたくさん着こまされたわたしと違って、他の子供達は比較的身軽な格好をしている。あまり着こむと動きにくくなるからだ。雪が降るまでの短い期間が、薪拾いのラストスパートになる。
 跟為了不罹患感冒而被迫穿了很多的我不同,其他的小孩子們扮著比較輕便的模樣。因為穿太多而變得難以行動。到下雪之前的短期間,變成撿拾木柴的最後衝刺。

 森に向かう子供達と一緒に門に向かって歩き出す。最近やっと周囲の子供達にあまり離されることなく歩けるようになってきた。もうちょっと頑張ろうと思った瞬間、ルッツに釘を刺されることが多いけれど。
 跟往森林的小孩子們一起往門邁出腳步。最近終於變得像是不會離周圍的小孩子們太開而走了。想到再稍微努力吧的瞬間,常常被路茲給叮囑就是了。

「じゃあ、帰りも寄るから、待ってろよ?」
「那麼,因為回去也要聚頭,等著唷?」
「うん。ルッツは採集、頑張ってね」
「嗯。路茲採集、要加油呢」

 他のみんなは森に行くので、門でお別れだ。
 由於其他的大家去了森林,就在門分別了。
 父の姿が門に見えなかったけれど、すでに顔見知りになっている門番のおにいさんに敬礼して、宿直室に通してもらう。
 雖然說沒在門看到父親的身影,但對已經成為熟識的門衛哥哥敬禮,通往了值班室。

「オットーさん、いらっしゃいますか? マインです」
「歐拓先生,能進去嗎? 我是瑪茵」

 ドアを開けて宿直室に入ると、壁際にある棚は、予算関係の木札ですでにいっぱいになっているのが見えた。
 打開門進入值班室後,在靠牆的架子,能看見預算關係的木牌已經變得滿滿的了。

「やぁ、マインちゃん。よく来てくれたね」
「呀,小瑪茵。真虧妳能來呢」
「オットーさん、お久しぶりです」
「歐拓先生,好久不見」

 ビシッと敬礼した後、暖炉に一番近い椅子を勧められる。少し高めの椅子に、よいしょっと半ばよじ登って座った後、バッグの中から石板と石筆を取り出した。
 用力敬禮之後,被勸進了最靠近暖爐的椅子。在有點高的椅子上,奮力地半途攀登坐下後,從包包裡拿出了石板跟石筆。

「冬の予定なんだけど、マインちゃんはどれくらい来られそう?」
「雖然是冬季的預定,不過小瑪茵哪幾天能來呢?」
「えーと、父さんと相談したんですけど、わたしの体調が良い日で、少なくとも吹雪ではない日で、父さんが朝番か昼番の時という結果になりました」
「呃,雖然跟爸爸商量過,但變成了所謂在我的身體狀態好的日子、在至少不是暴風雪的日子、爸爸早班或午班的時候的結果」

 まず、冬は体調の良い日が少ない。去年よりは体力がついているはずだから、風邪を引く回数や寝込む日数が短くなることを祈っているが、どうなるか全く予測できない。
 首先,冬季身體狀態好的日子很少。因為比起去年應該帶有點體力,雖然祈禱著罹患感冒的次數或臥床的日子變短,但會是怎樣呢完全無法預測。
 次に、天気だ。吹雪ではない日というのもそれほど多くはない。ピカピカに晴れなくてもいい。チラチラ雪が降るくらいなら構わないと父は言っていたが、実際雪が降ったら止められると思っている。
 其次,是天氣。所謂不是暴風雪的日子也沒那麼多。不是閃閃發光的晴天也可以。雖然父親說了如果是像白雪隱約飄降也沒關係,但我認為實際下雪的話是不會被停止的。
 そして、父が夜勤の時が冬の間の三分の一あるのだ。
 然後,父親夜間勤務的時間有冬季期間的三分之一。

「多分、門に来られるのは、春になるまでの間で両手を越えることはないと思います」
「大概,能來門的是,在到春天為止之間我認為不會超過兩隻手」
「……まぁ、そんな気はしていたけど、去年の冬に一日手伝ってもらっただけでも、かなり楽になったから、どうしても期待してしまうんだ。できるだけ来てくれると嬉しいよ」
「……算了,雖然也是那麼覺得,但因為在去年的冬季即便只幫忙了一天,就相當輕鬆了,無論如何都很期待著。盡可能來的話就會很高興了喔」
「はい」
「是的」

 計算するだけで、石筆が稼げるのだから良しとしよう。今年はルッツとの勉強に去年以上の石筆が必要だと思うので、頑張って稼ぐつもりだ。
 由於就只是要計算,因為能賺到石筆就很好了。因為我認為今年在跟路茲的學習上比去年還多的石筆是必要的,打算努力賺取。

「あ、予算仕事の時に使う石筆は自腹じゃなくて、経費ですよね?」
「啊,在預算工作的時候上所使用的石筆並不是自費,是經費呢?」
「ぶっ、はははは。ずいぶん商人らしい思考回路になってるじゃないか。仕事中に使う石筆は経費だよ。安心して計算してくれ」
「噗、哈哈哈哈。這不是變成相當商人似的思考迴路了嗎。在工作中使用的石筆是經費喔。放心去計算吧」

 はたと思いついてオットーにそう確認すると、オットーは目を丸くした後、吹き出した。
 恍然想起對歐拓那樣確認的話,歐拓目瞪口呆之後,噴笑了起來。
 笑われてしまったが、これで安心してお仕事ができる。袖で擦れて、文字が消えないように、少しだけ袖をまくって、石筆を構えた。
 雖然被笑了,但這樣就能放心工作了。為了不因袖子摩擦、而文字就會消失,些許地捲起了袖子,架起了石筆。

「準備できました」
「準備好了」
「今日の仕事はこれだ」
「今天的工作是這個」

 オットーがどさどさと木札を持ってきた。お偉いさん達の部署で使った備品の集計だった。この部署の会計は全てオットーが担当しているらしい。下手にしてもらって、計算間違いを指摘する方が面倒の元だからと首を竦めて言った。
 歐拓拿來了大量的木牌。是在偉大先生們的崗位上所使用的備用品的總計。這個崗位的會計似乎全部由歐拓在擔任。不擅長地做著,因為指摘計算錯誤是麻煩的根源而縮著脖子說了。
 わたしも計算間違いをしないように、確かめ算をしながら、それを合計していく。
 我也為了不會計算錯誤,一邊準確計算、一邊逐步合計那些。

「オットー、いるか!? 至急門に立ってくれ!」
「歐拓,有在嗎!? 緊急到門來!」

 慌てた様子で一人の兵士が飛び込んできた。どこまで計算したかわかるように、木札にピッと線を入れ、計算機は誰にも触らせないように、と言い置いて、オットーが駆けだしていく。
 一位士兵以驚慌的跳了進來。為了明白計算到了哪裡,在木牌上噼地放入了線,計算機任誰都不可以觸摸般、留言了,歐拓開始奔跑。

 何となく門全体が騒がしい。ドアの向こうの廊下を足音がたくさん行き交っていて、石畳で反響するせいで、その足音がやたら大きく聞こえてくる。
 總覺得門全體喧嘩著。很多的腳步聲在門對面的走廊往來交錯著,由於在石板地上迴響的緣故,那個腳步聲聽起來異常的大。
 バタバタと慌ただしい雰囲気で、とても「何があったの?」なんて、ドアを開けて、誰かに聞くことはできない。
 由於慌亂匆忙的氛圍,而多麼地有什麼「發生了什麼了?」,打開了門,無法跟任何人打聽。

 もう何度も門にお手伝いに来ているけれど、こんな風にざわついた雰囲気は初めてだ。一人宿直室に残されたこともあって、じわじわとした不安が心を占めてくる。
 雖然說已經好幾次來門裡幫忙了,但像這樣嘈雜的氛圍還是第一次。也有一個人被留在值班室,緊緊跟隨的不安佔據了內心。

 ここにいれば、大丈夫だよね?
 在這裡的話,不要緊的吧?

 ゆっくりと深呼吸するように意識して呼吸しながら、ぐるりと誰もいない宿直室の中を見回している途中で、くらりとめまいがした。
 為了慢慢地深呼吸而有意識地一邊呼吸,一邊在旋轉環顧誰都不在的值班室裡面的途中,趕到了頭暈目眩。
 ほんの少しわたしの心が弱った瞬間を見逃さないように、身体の中の熱が暴れだそうとしている。奥の方から出てこようとする熱が、まるで自分の心の弱さを指摘しているようだ。
 像是不會放過我內心些微的脆弱瞬間,身體裡面的熱正打算胡鬧似的。打算從深處出來的熱,簡直像是在指摘自己內心的脆弱。
 わたしは苛立ちを覚えながら、グッと中心に熱を集めるように、身体中に力を入れた。熱が出てくるのを防いで、蓋をするイメージで押し込める。
 我一邊經驗著焦急,一邊為了使勁地將熱集中到中心,將力量放入了身體裡面。預防著熱出來,以蓋子為印象塞了進去。

「……ハァ、疲れた」
「……唉,好累呀」

 身食いとの攻防に集中していたせいで、攻防が終わった後には不安はかなり薄くなっていた。
 由於集中在跟身噬的攻防裡的緣故,在攻防結束之後不安變得相當淡薄了。
 わたしが計算の続きを始めると、じきにオットーが戻ってきた。切りの良いところまで計算を手早く終わらせて、自分の分の書類を片付け始める。
 我開始繼續計算後,過一會兒歐拓回來了。迅速地計算到段落好的地方讓它結束,開始整理自己份的文件。

「森でトロンベが出たらしい。子供が応援を呼びに来たから、兵士が半数ほど飛び出していったんだ。俺は門のところで立たなければならないけど、マインちゃんはここで計算していてくれないか? あと、紹介状が来たら、こっちへ回すから、処理頼むね」
「特隆貝似乎在森林出現了。因為小孩子來呼叫支援了,士兵半數左右都飛奔出去了。雖然我必須要站在門的所在,但小瑪茵能不能在這裡計算呢? 還有,因為介紹信來的話,會轉到這邊,處理拜託了呢」
「はい、わかりました」
「好的,我明白了」

 慌ただしかった理由がわかったことで、少し安心して計算に取り組めるようになった。
 由於明白了慌忙的理由,而稍微放心變得能致力於計算。
 そういえば、前にルッツが、秋になると森でトロンベが出ると言っていたはずだ。もしかしたら、トロンベが手に入ったかもしれない。
 說起來,之前路茲,應該有說過到了秋天的話特隆貝惠在森林裡出現。難道說,說不定能得到特隆唄。

 ん? でも、兵士が参戦するくらいだから、成長しすぎて、紙には使えなくなってるかな? どうだろう?
 嗯? 但是,因為甚至士兵都參戰了,成長過頭了,是否變得不能用在紙張上了呢? 是怎樣呢?

 前は子供だけでも刈れたので、トロンベが出たと聞いてもそれほど心配することもなく、わたしが石板に数字を並べて計算していると、また、ガヤガヤとドアの向こうが騒がしくなってきた。
 由於之前光是小孩子也能割掉,就算聽到特隆貝出現了也不是那麼地擔心,我在石板上排列數字計算著時,再次,門的對面變得吵吵嚷嚷地喧嘩了起來。

「マインちゃん、ルッツが帰って来たよ。相談があるから、一緒に帰りたいって言ってるけど、どうする?」
「小瑪茵,路茲回來了喔。因為有要商量,雖然說了想要一起回去,但要怎麼辦?」
「トロンベを刈ったなら、その話だと思うので帰ります。ここからここまでは計算が終わってます」
「我想如果是割了特隆貝、那種對話之類的我要回去。從這裡到這裡的計算結束了」
「助かったよ。ありがとう」
「幫大忙了喔。謝謝妳」

 兵士達と一緒にトロンベを刈った子供達も帰ってきたようで、トロンベの素材を抱えた兵士や子供達が門のところでうろうろしているのが見える。
 跟士兵們一起割掉特隆貝的小孩子們似乎也回來了。看得見抱著特隆貝素材的士兵或小孩子們在門的所在轉來轉去。
 ルッツの姿を探していると、父がわたしくらいの太さの丸太を俵担ぎにして、駆け寄ってきた。
 尋找路茲的身影時,父親將宛如我般粗細的圓木頭當成扛稻草包,跑了過來。

「マイン! 見ろ、こんなに大きなトロンベを父さんが刈ったんだぞ!」
「瑪茵! 看吧,爸爸割了這麼大的特隆貝喔!」
「うわぁ、大きいね。これ、薪になるの?」
「嗚哇,好大呢。這個,要做成木柴嗎?」
「いや、トロンベはそう簡単に燃えないから、薪にはならん。家具にするんだ。火事が起こっても、燃えずに残っていることがあるから、貴重品を入れるのに使われるんだ」
「不是,因為特隆貝不會那麼簡單就燃燒,不能成為木柴。要做成傢俱。因為就算發生火災,也不會燃燒而有可能殘留,被使用在放進貴重物品上喔」
「……へぇ、そうなんだ。すごいね」
「……嘿,是那樣啊。好厲害呢」

 さすが不思議植物。
 不愧是不可思議的植物。
 火事でも燃えないなんて、それ、もう木じゃないから!
 因為即便火災也不會燃燒什麼的,那個,已經不是木頭了!

 あまりのビックリ加減に感嘆の息を吐いていると、ルッツが父の後ろから手招きしているのが見えた。
 在多少大受驚嚇上吐露著感嘆的氣息後,看見路茲從父親的後面招著手。

「どうしたの、ルッツ?」
「怎麼了嗎,路茲?」
「なんだ、ルッツはそんな細い木しか刈れなかったのか?」
「什麼呀,路茲只割了那樣細小的木頭嗎?」

 父がルッツの籠に入っているトロンベを見て、勝ち誇ったように胸を張るが、子供相手に張り合わないで欲しい。恥ずかしい。
 父親看著放進路茲的籃子的特隆貝,雖然像是誇耀勝利般挺起了胸膛,但是希望不要以小孩子為對手互相競爭。很可恥的。
 わたしはハァ、と溜息を吐いたが、実際、トロンベは成長するほど切るのが難しくなるため、辺りにいる兵士や子供達の間でも、刈った木の太さや枝の大きさを比べあっているのが見えた。
 雖然我唉、地嘆了一口氣,但實際上,因為特隆貝越是成長越變得難以砍掉,即使是在附近的士兵或小孩子們之間,也能看到在互相比較割下來的木頭的粗細或樹枝的大小。

「細い木は使い道がないからな」
「因為細小的木頭沒有使用方法呢」

 燃えにくいため、薪にできないのに、若くて柔らかくて細い木は火事に耐えるだけの耐火性もないし、家具にできるような強度もない。
 因為難以燃燒,明明無法成為木柴,但是年輕又柔軟的細小木頭能夠承受火災的耐火性也沒有,像是能成為傢俱的強度也沒有。

「こんな木、使えねぇよ!」
「這種木頭,才不能用勒!」

 比較されて馬鹿にされたらしい子供の一人が癇癪を起して、トロンベの枝をべちっと投げ捨てたのが視界の隅に入った。
 似乎被比較而被當笨蛋的一個小孩子發起了脾氣,將特隆貝的樹枝啪嘰地扔掉了進入了視野的角落。

「じゃあ、わたしにちょうだい」
「那麼,給我吧」

 その子にはいらなくても、わたしにとっては良質の紙になる素材だ。細くて柔らかいトロンベを捨てるなんて、とんでもない。
 就算對那孩子不需要,但對我來說是成為優良紙張的素材。將細小又柔軟的特隆貝扔掉什麼的,不合常理。

「本当にいらない?」
「真的不要嗎?」
「……い、いらねぇよっ!」
「……才、才不要勒!」

 周囲の視線が集中したことにカッとした男の子がそう言い捨てて、走っていく。
 惱火於周圍的視線集中了起來的男孩子那樣放完話,就跑掉了。
 わたしが捨て置かれたトロンベを拾い上げると、同じように刈ったトロンベを籠から放り出す子供達が続出した。
 我將被棄置的特隆貝撿起來後,將割成同樣般的特隆貝從籃子裡扔出去的小孩子們陸續出現。

「オレのもやるよ。こんなん、持って帰っても困るだけだ」
「我的也這樣做吧。這種的,帶回去也只是很困擾」
「わたしのもあげるわ。いらないもの」
「我的也給妳吧。不需要的東西」

 かなりたくさんの枝がわたしの周囲に積み上がる。
 相當多的樹枝在我的周圍堆積了起來。

「ルッツ、いっぱい手に入っちゃったよ」
「路茲,得到滿滿一堆了唷」
「……だな」
「……是呢」

 ルッツと一緒に積み上げられたトロンベを拾い集めて、ルッツの籠にぎゅうぎゅうと詰め込んでいく。
 跟路茲一起將被推積起來的特隆貝收集起來,滿滿地塞進了路茲的籃子裡。
 呆然としながら、成り行きを見ていた父が、困ったように眉を寄せて、トロンベの詰まった籠とわたし達を見比べた。
 一邊愣住,一邊看著進展的父親,困擾似地皺著眉頭,比較著塞著特隆貝的籃子跟我們。

「……おい、マイン。こんなもん、どうするんだ?」
「……喂,瑪茵。這種東西,要怎麼用呀?」
「わたし達が使うのは若くて柔らかい木だから、これでいいの。ルッツ、行こう」
「因為我們使用的是年輕又柔軟的木頭,這個就可以了。路茲,走吧」

 父に背を向けて歩き出すと、ルッツが困ったように頭を掻きながら口を開いた。
 背向了父親開始走了之後,路茲為難似地一邊搔著頭一邊開口了。

「オレも、つい、材料だって思って、トロンベを刈っちゃったんだけどさ。紙の素材って、採ってから5~7日くらいまでには処理しなきゃ使えなくなるんだよな?」
「雖然我也、不小心、想到是材料,而去割了特隆貝。是說紙張的素材,從採集到5~7天左右為止不處裡是不能使用的呢?」
「うん、そうだよ?」
「嗯,是那樣唷?」
「……どうする? オレ、この時期に川なんて入りたくないし、鐘一つ分蒸すだけの余分な薪なんてないし、諦めるか?」
「……怎麼辦? 我,又是不想在這個時期進入河川,要是沒有能蒸煮鐘響一次左右的多餘木柴,放棄了嗎?」

 今の時期に森へ行っても、あまり薪がないのはわかっているけれど、それを理由にトロンベを無駄にしたら、ベンノが目の色を変えて激憤するに違いない。
 雖然明白就算在現在的時期去到森林,也不太有木柴,但因那個理由就浪費掉特隆貝的話,班諾肯定會改變眼神而激憤的。

「……言われることはわかりきってるけど、一応ベンノさんに相談してみる?」
「……雖然被說的事情十分明瞭,姑且試著跟班諾先生商量嗎?」
「やっぱり、勝手に捨てたら、怒られるよな。ハァ……。こんなに寒いのに川なんか入れねぇぞ」
「果然,擅自扔掉的話,會被生氣的呢。唉……。明明這麼寒冷不該進入河川喔」

 ぽてぽてと歩いてベンノの店へと向かったが、さすがに森から帰ったばかりの恰好のルッツを店に入れるわけにはいかないと番人に言われて、ルッツは店の外で待機することになった。
 悠閒漫步地走向了班諾的店,畢竟是剛從森林裡回來的樣子的路茲被值班員說了不能進入店裡,路茲就變成要在店外面待機了。
 番人が声をかけてくれて、マルクが出てきてくれたので、わたしはマルクと一緒に中に入った。
 由於值班員去打了聲招呼,馬爾克出來了,我跟馬爾克一起進入裡面。
 わたしが店の中に入った時、ちょうどベンノの部屋から、お客様が出てきたところだった。通りすがりに店に不釣り合いな格好のわたしをじろりと睨んで、フンと鼻を鳴らすのが聞こえる。
 我進入店裡時,正好從班諾的房間裡,顧客出來了。在通過店裡面時凶狠地瞪著不相稱的我,聽到了鼻子哼了一聲。

 やっぱり早目に服をあつらえた方がいいかもねぇ。
 果然早點訂做衣服會比較好呢。

 ベンノの店の品格を自分のせいで貶めるようなことはしたくない。そのためには、早くお金を貯めなければならないようだ。
 不想要讓班諾的店的品格因為自己的緣故而貶低了。為了那個,似乎必須要快點存錢了。
 奥の部屋に案内されると、ベンノが軽く目を見張った。
 被引導到深處的房間後,班諾輕微地張大了眼睛。

「どうした? 今日は会う予定はなかっただろう?」
「怎麼了? 今天沒有會面的預定吧?」
「予定はなかったんですけど、相談があって……実は今日、森でトロンベが出たんです」
「雖然沒有預定,但有要商量的……其實今天,特隆貝在森林裡出現了」

 わたしの言葉にベンノがガタッと立ち上がって、身を乗り出してきた。
 班諾因我的話語嘎嗒地站了起來,探出了身子。

「トロンベだと!? それで、刈ったのか!?」
「居然是特隆貝!? 所以,割掉了嗎!?」
「はい、結構いっぱい素材は手に入りました。でも、ですね……」
「是的,得到了相當多的素材。但是,也是呢……」
「何だ?」
「什麼呀?」
「紙にするの、難しいんです」
「要作成紙張,很難」
「何故だ?」
「為何呢?」

 ベンノが理解できないと言うように、眉を寄せて怪訝そうな顔になる。
 班諾像是無法理解地說了,變成了皺起眉頭詫異似的表情。
 この後、絶対に怒られるんだろうな、と予測しながら、わたしは口を開いた。
 這之後,一邊預測、絕對會被生氣的吧,我一邊開口了。

「えーと、実は、その、鐘一つ分蒸すだけの薪がなくて、川……」
「呃,其實是,那個,沒有能蒸煮鐘響一次左右的木柴,河川……」
「馬鹿者!」
「蠢蛋!」

 川が冷たくて入れない、と理由の全てを述べる前に、せっかちなベンノの雷が落ちた。
 在敘述河川很冷無法進去、的全部理由之前,落下了性急的班諾之雷。

「いつでも買える薪と希少なトロンベを比べるな! 原価と利益の計算もできんとは言わせんぞ!」
「別把無論何時都能買到的木柴跟稀少的特隆貝相比! 說過了要能做到原價跟利益的計算吧!」
「……やっぱりそう言われると思ってました。薪を買いたいので、マルクさんと材木屋に行ってきていいですか?」
「……我想過果然會被那樣說。因為想買木柴,可以跟馬爾克先生去木材行嗎?」

 洗礼式が終わっている子供にさえ見えないわたしでは、薪にする木が欲しいと頼んでも、胡散臭く見られて門前払いされるだろう。
 連洗禮式結束的小孩子看來都不像的我,即使想要作為木柴的木頭而去委託,也會被看成形跡可疑而被轟出門口的吧。

「……ルッツはどうした?」
「……路茲怎麼了?」
「外にいます。森から帰ってきて直接ここに来たので、店に入れる恰好じゃなくて……」
「在外面。因為是從森林回來而直接來到這裡的,並不是能進入店裡的樣子……」

 わたしがそう言うと、ベンノは机の上のベルを鳴らしてマルクを呼んだ。
 我那樣說後,班諾鳴響桌子上的鈴呼叫了馬爾克。

「マルク、ルッツにマインの今日の状況と材木屋に行けるかどうか、聞いて来てくれ」
「馬爾克,去跟路茲打聽來、瑪茵今天的狀況跟能不能去木材行」
「かしまりました」
「謹遵吩咐」
「マイン、お前はここで発注書を書け」
「瑪茵,妳在這裡寫訂貨單」

 バンバン、と机の端を叩かれたが、わたしは首を横に振った。
 雖然被乓乓、地敲著桌子的一邊,但我將頭橫向搖了搖。

「えーと、今日は門に行くだけの予定だったので、発注書セットを持ってないんです」
「呃,由於今天是預定只要去門的,沒有帶訂貨單組」
「……ここにある」
「……這裡有」

 ベンノが木札とインクを出してくれたので、その場でわたしは発注書を書き始めた。
 由於班諾拿出了木牌跟墨水,當下我開始寫訂貨單。

「ベンノさん、鐘一つ分燃やせるだけの薪が欲しいんですけど、何て書いたらいいですか?」
「班諾先生,雖然想要能燒鐘響一次左右的木柴,但要寫多少才可以呢?」
「そのまま書いておけ。多少、余裕を持たせて売ってくれるさ」
「就那樣先寫好。多少、能將多餘的拿來賣掉」

 はい、と返事しながら、書いていると、ルッツに話を聞いたマルクが戻ってきた。
 一邊好的、回答,一邊寫著之後,跟路茲打聽完話的馬爾克回來了。

「マインはこれ以上出歩かない方が良いそうです。発注書が書けたのなら、私がルッツと行ってまいります」
「瑪茵這之後似乎不要再走會比較好。如果寫好了訂貨單,就我跟路茲過去」
「よろしくお願いします」
「拜託您了」

 マルクに書きあげた発注書を預けて見送ると、ベンノはわたしに木札を数枚渡してきた。
 將寫完的訂貨單委託給馬爾克送別後,班諾將木牌交了數張給我。

「暇なら読んでおけ」
「如果很閒就先看吧」
「喜んで!」
「我很樂意!」

 それは商人の心得とも言うべきもので、契約に関するあれこれが書かれている木札だった。
 由於那個應該是叫做商人的素養的東西,是有關於契約被寫上了那個這個的木牌。
 字を読むことが嬉しくて、ふんふんふふーん、とわたしは鼻歌混じりで目を通していたが、読んでいるうちにどんどん頭の中に疑問符が浮かんでくる。
 雖然看著字很高興,我混雜著哼歌呵呵呵呵、地瀏覽著,但在讀的時候疑問號接連不斷地在腦袋裡浮現了出來。

「ベンノさん、さっきの薪代って、先行投資に入るんですか?」
「班諾先生,剛才的木柴費,有加入先行投資裡嗎?」
「……」
「……」

 無言でベンノはわたしに視線を向けただけで、何も答えようとしない。
 班諾無言地只將視線轉向了我,什麼都不打算回答。

「それに、ちょっと不思議に思ったんですけど、ベンノさんはこの間、試作品ができたから先行投資は打ち切るって言いましたよね? でも、契約魔術では洗礼式まで、じゃなかったですか? 大きい簀桁の代金も、実は先行投資に入りません?」
「而且,雖然認為稍微不可思議,但班諾先生最近說了,因為試作品完成了而停止了先行投資吧? 但是,契約魔術不是、到洗禮式為止嗎? 大的簀桁的貸款,其實也沒加入先行投資吧?」

 ベンノがわざわざ契約に関する木札を読ませる意味を考えているうちに、一つ思い当たったのが、契約魔術の内容だった。
 在考慮到班諾特意將有關契約的木牌讓我讀的意義的時候,想到了一個,是契約魔術的內容。

「……ちっ、気付いたか」
「……嘖,注意到了嗎」
「なんで騙すんですか!?」
「為什麼要欺騙呢!?」
「別に騙していない。試しただけだ。お前達が交わした契約内容を覚えているかどうか。相手が違反した時にどう動くか興味があったんだ。何も言わないから、覚えていないのかと思ったぞ」
「不是特別要欺騙。只是試探。你們是不是還記得交換的契約內容。有在對方違反的時候會怎麼去行動的興趣。因為什麼都沒說,還想著沒記住嗎」

 フンと鼻を鳴らして、ベンノは指先でトントンと机の上を叩きながら、わたしをじろりと睨む。
 鼻子哼了一聲,班諾用指尖一邊咚咚地敲著桌子上面,一邊凶狠地瞪著我。
 うっ、と一瞬言葉に詰まったけれど、わたしはキッとベンノを睨み返した。
 雖然說嗚、地一瞬間頓時語塞了,但我猛地回瞪了班諾。

「試作品を作ったから終わりだって言われて、あぁ、なるほどって思っちゃったんですよ。まさかベンノさんに騙されるなんて思いませんでしたし、契約魔術って、契約書が燃えてなくなったから、契約の内容を確認できませんでしたから」
「被說了製做試作品之後就結束了,啊,原來如此我想過唷。沒想過難道被班諾先生給騙了,是說契約魔術,因為契約書燒掉就沒了,所以沒辦法確認契約的內容」

 わたしの言葉に、フンと鼻を鳴らして、嘲笑の笑みを浮かべながら、ベンノが肩を竦めた。
 對於我的話語,鼻子哼了一聲,一邊浮現嘲笑的笑容,班諾一邊聳了聳肩。

「契約書が燃えるから、別の何かに書き留めるか、きっちり覚えておくかどちらかしなければならなかったんだ。お前が甘い」
「因為契約書燒了,若不是在其他的什麼上記下來了嗎、整個都先記住了嗎是哪邊呢是不行的。你太天真了」
「……肝に銘じます」
「……我會銘記於心的」

 ベンノの言い分は違っていない。契約書の控えがなければ、自分できっちりとメモするか、記憶しておくべきだった。罰則がきつい契約魔術という言葉に甘えていたのは事実だ。
 班諾的主張沒有錯。若沒有契約書的備份,自己整個做筆記了嗎,是應該要先記憶的。對所謂罰則很嚴厲的契約魔術的話語太天真了是事實。

「ちゃんと追求できたから、先行投資分は払ってやろう」
「因為能好好追求,先行投資的份會付錢的」
「払ってやろうって、最初からそういう契約だったじゃないですか。契約違反じゃないんですか?」
「說是會付錢,不是從最初就是那樣契約的嗎。不會違反契約嗎?」

 むぅっとわたしが唇を尖らせると、ベンノは勝利の笑みを浮かべて、愉悦に満ちた表情でわたしを見つめた。
 我唔地噘起嘴唇後,班諾浮現勝利的笑容,以充滿愉悅的表情凝視著我。

「俺が払わないと言いきれば、契約違反。今回はお前の追及不足だ。追求されたので、俺は払う。払えば、契約違反には当てはまらない。商人になるなら、きっちり覚えておけ」
「斷言我不會付錢的話,就違反契約了。這次是妳的追究不足。因為被追求了,而我付錢。付錢的話,就不適用違反契約。如果成為了商人,要整個事先記住」
「……うぅ~」
「……嗚~」

 悔しがるわたしにベンノはますます唇の端を釣り上げて、「契約に関する木札を読んでも何も気づかなかったら、遠慮なくむしり取るつもりだった」と笑った。
 班諾對懊悔的我越發上揚著唇邊,「即便讀了有關契約的木牌還什麼都沒注意到的話,可是打算豪不客氣地拔掉」地笑著。
 ベンノから気付くためのヒントが与えられたのだから、わたしを商人として育てるために色々考えてくれているんだと、一応前向きに受け取ることにしたけれど、悔しいものは悔しい。
 因為被給予了為了從班諾那注意到的暗示,為了將我作為商人來培育而做了各式各樣的考慮後,雖然決定姑且積極地接受,但令人懊悔的東西還是會令人懊悔。

 今度は騙されないように、と木札にもう一度じっくり目を通していると、ベンノがふと仕事の手を止めて、声をかけてきた。
 就像是這一次被騙了一樣,般再一次瀏覽木牌後,班諾突然停下工作的手,發出了聲音。

「あぁ、そうだ。マイン、冬の手仕事を少し前倒しでできるか?」
「啊,對了。瑪茵,能將冬季的手工稍微提前嗎?」
「ウチはもうほとんど冬支度が終わってますから、やろうと思えば何とかなると思いますけど?」
「因為我家過冬準備已經幾乎結束了,我認為想做的話總能設法解決就是了?」

 ウチの冬支度の期間は父の仕事の都合に左右される。門にいる兵士全員に冬支度は必要だが、一度に全員が仕事を休めるわけがないので、交代で休んでいくことになる。
 我家的過冬準備期間都被父親的工作情況給左右。雖然過冬準備是在門的士兵全體都需要的,但由於不可能全體同時讓工作休息,變成了用交替來輪休。
 去年は冬支度休暇がかなり後の方だったので、雪が降るギリギリまで冬支度をしていたが、今年は比較的早く終わっている。
 由於去年過冬準備的休假相當後面,直到迫近下雪為止才做好過冬準備,但今年比較早結束了。

「色合いの違う髪飾りを10~20ほど作れないか? ギルド長が孫娘の髪飾りを自慢しまくって、問い合わせが多いんだ。……断りきれないところもいくつかあるからな」
「能不能製做10~20個左右色調不一樣的髮飾呢? 公會長一個勁地自誇著孫女的髮飾,來詢問的很多。……因為也有幾個無法乾脆拒絕的地方呢」
「冬の洗礼式で付けるのがフリーダだけって特別感がなくなるんじゃないんですか?」
「在冬季洗禮式上配戴的只有芙莉妲的特別感不是會變不見了嗎?」

 ぼったくりの理由付けがなくなるようなことをしてしまっていいのだろうか、とわたしが首を傾げると、ベンノはわずかに視線を泳がせる。
 做了將敲竹槓的理由變不見的事情真的可以嗎,我那樣歪頭不解後,班諾微微地飄移了視線。

「……本人に合わせて作ったのは、アレだけだ。既製のものとは全く違うからさらに目立つだろう。問題ない」
「……配合本人製做的,只有那個。因為是跟現成的東西完全不一樣會更加突出吧。沒有問題」
「問題がないなら、別にいいんですけど、急いで仕上げるので、特急料金頂けますか?」
「如果沒有問題,雖然也是可以,但因為是趕快完成的,能得到趕工費用嗎?」

 わたしがニッコリと笑って上乗せ料金を要求すると、ベンノが目を向いて絶句した。
 我微微地笑著要求追加費用後,班諾把眼神轉了過來無語了。

「お前……」
「妳……」
「お金は取れる時に、取れるところから、取れるだけ、取っておくもの、なんですよね? ベンノさんを見習って、商人らしさ、目指してますから」
「錢是在能拿的時候,從能拿的地方,只要能拿,就要先拿的東西,什麼的對吧? 因為是學習班諾先生,以像個商人,為目標」

 ふふっ、と笑うと、ベンノが苦々しい顔になって、顔を引きつらせた。
 呵呵、地笑了後,班諾變成了非常不爽的表情,讓臉痙攣了。

「髪飾り1つにつき、中銅貨10枚だ。倍にするんだから、文句はないだろう?」
「關於髮飾一個,是中銅幣10枚。因為是兩倍,沒得抱怨吧?」
「それじゃあ、ダメです。中銅貨11枚か13枚で、お願いします。ルッツと決めてある花飾りと簪部分の比率を考えると、そうしないと都合が悪いんです」
「那樣是,不行的。要用中銅幣11枚或13枚,拜託了。考慮到跟路茲決定好的花飾跟髮簪部分的比率後,不那樣做很不方便」

 花飾りは中銅貨2枚、簪部分は1枚と値段を決めて、家族にも言った。残りをルッツと山分けするので、もらえる中銅貨が偶数だと正直困る。
 決定了花飾是中銅幣2枚、髮簪部分是1枚的價錢,也跟家人說了。因為要跟路茲平分剩下的,能得到的中銅幣是偶數老實說很困擾。

「仕方がない。11枚だ。この商売上手め」
「沒辦法了。11枚吧。這個討厭的生意能手」
「お褒めにあずかり、恐悦至極に存じます」
「承蒙褒獎,不勝感激」
「……本当に、そんな言葉をどこで覚えたんだか」
「……真是的,是在哪裡記住那樣的話語的呀」

 呆れたような面白がっているような表情で、ベンノがそう言って肩を竦める。
 以像是吃驚般有趣的表情,班諾那樣說後聳了聳肩。

「あ、それと、髪飾り一つ分の中銅貨が欲しいんです。前払いでも、わたしの貯金から出してくれてもいいんですけど……」
「啊,還有,想要髮飾一個份的中銅幣。雖然是預付,但從我的存款裡拿出來也是可以的……」
「それは、前払いでも構わんが、どうするんだ?」
「那個,雖然預付也不會介意,但要怎麼做?」
「大急ぎの魔法をかけるのに必要なんです」
「在施加緊急的魔法上是必要的」

 雪が降るまでに10個も作ろうと思ったら、母とトゥーリに協力してもらわなければできないし、協力してもらうには、やる気の元が必要だ。
 想要在下雪之前製做10個的話,就必須要請母親跟圖麗來協助,要請來協助,就需要幹勁的源頭了。
 特に母は何年も手作業をしているので、髪飾りの手仕事料金が他に比べてとんでもなく高いとわかっている。だから、騙されているのではないか、作っても払ってもらえないのではないか、とどこか疑っている節がある。
 特別是因為母親做了好幾年的人工作業,明白著髮飾的手工費用相比其他的不合常理的高。所以,不會被騙了嗎,不會就算做了也不會付錢嗎,有著那樣在哪裡起疑的地方。
 一つ出来るたびに、規定通りのお金が手元に入ってきたら、信頼も得られるし、やる気もぐぐんと上がるに違いない。
 每當做好一個,如同規定好的錢就會得到手上的話,也能得到信賴,幹勁也肯定會迅速地提高。

 その時、ドアがノックされて、マルクが戻ってきた。
 那個時候,門被敲了,馬爾克回來了。

「ただ今戻りました。発注した薪は、本日の閉門までに店に届きます。明日の朝、店の者に運ばせますね」
「現在回來了。訂購的木柴,在今日關門之前會到達店裡。明天早上,讓店裡的人運送」
「ありがとうございます」
「非常謝謝你」
「では、寒いのでお気をつけて」
「那麼,因為很冷小心點」

 マルクに見送られて外に出ると、ルッツがほとんど空っぽの籠を背負って立っていた。材木屋に行くついでに、倉庫にトロンベを置いてきたらしい。なるほど、わたしを連れて行きたくなかったわけだ。
 被馬爾克目送出來到外面後,路茲揹著幾乎空蕩蕩的籃子站著。似乎在去木材行時順便,將特隆貝放到了倉庫。原來如此,是因此而不想帶我去啊。

 日が暮れるのが早くなった街並みを、家に向かってゆっくり歩く。本当は寒いので、急いで帰りたいけれど、本能のまま動いたら、間違いなく熱を出して倒れるのだ。
 天快要變黑的街道上,向著家裡慢慢地走著。因為真的很冷,雖然說想要趕快回去,但依照本能行動的話,毫無疑問會發燒而倒下的。

 ほてほてと帰りながら、わたしはルッツに冬の手作業が前倒しになった話をする。特急料金も約束したし、家族に協力を頼んで、作ろうね、と言ったら、ルッツは一つ頷いた後、不安そうに眉を下げた。
 一邊慢慢晃悠地回去,我一邊對路茲說冬季的手工變成要提前的話題。趕工費用也約定好了,說了請求家人協助、製做吧,的話,路茲點了個頭之後,就不安似地垂下了眉毛。

「オレの場合、家族の協力がなくても一人で何とかなりそうな冬の手仕事より、トロンベの方が問題なんだよ」
「我的情況,比起就算沒有家人的協助也能一個人想辦法解決的冬季手工,特隆貝還比較有問題唷」
「トロンベ?」
「特隆貝?」

 わたしが首を傾げると、ルッツは肩を落として、大きく溜息を吐いた。
 我歪頭不解後,路茲垂下了肩膀,大大嘆了一口氣。

「……なぁ、マイン。森行くなって言われてるのに、トロンベの作業って、できるのか? もしかして、オレ一人でやらなきゃダメなんじゃねぇの?」
「……吶,瑪茵。明明被說了不去森林的,是說特隆貝的作業,能做到嗎? 難道,不會是我一個人不做不行嗎?」
「今回は倉庫前で作業するつもりだから、一緒にできるよ。鐘一つ分は外にいることになるから、家族が何て言うかわからないけど」
「因為這次是打算在倉庫前作業,要一起做唷。因為變成要鐘響一次都在外面,雖然不知道家人會說些什麼」

 門の外に出るわけではないし、ベンノの店に行くとでも言えば、外出する事自体は難しくないと思う。ただ、外でいる時間が長いので、風邪を引いて熱を出す可能性が著しく高くなるのが困りものだけれど。
 並不是出去到門外,若要說去班諾的店的話,我認為外出這事本身不難。只是,由於在外面的時間很長,罹患感冒而發燒的可能性顯著地變高了而令人操心就是了。

「倉庫って……川じゃなくていいのかよ?」
「是說倉庫……不是河川可以嗎?」

 ルッツがビックリしたように大きく目を見開いた。けれど、よく考えるまでもなく、ルッツ一人で鍋と蒸し器と薪を持って、森へ行くなんて無理だ。
 路茲嚇了一跳似地大大地睜開了眼睛。但是,就連好好考慮都沒有,以路茲一個人帶著鍋子跟蒸籠跟木柴,去森林什麼的是不可能的。

「前は素材と薪を採らなきゃいけなかったから、森で作業した方が効率的だったけど、今回は素材のトロンベも薪も全部倉庫にあるんだよ? わざわざ森で作業する必要ないし、全部森まで運んで作業するなんて無理だよ」
「因為之前必須要採集素材跟木柴,雖然在森林裡作業比較有效率,但這次不論是素材的特隆貝還是木柴全部都在倉庫唷? 沒有特意在森林作業的必要,全部搬到森林裡去作業什麼的是不可能的唷」
「あ、そうか。アレ、全部運ばなきゃダメなんだ」
「啊,對喔。那個,不全部搬運不行」

 一人で作業することになる不安の方が大きくて、ルッツは自分が運ぶことになる荷物の量を把握できていなかったようだ。
 變成一個人作業的不安還比較大,路茲似乎沒能把握自己能搬運的行李的量。

「蒸したトロンベをさっとさらすのが川の水じゃなくなるけど、あれは蒸された木を一度冷たい水にさらして、皮を剥きやすくするためだから。今の井戸水なら十分冷たいよ。水が温くならないように、何度か井戸から水を汲んでもらうことになるけど、森へ行くより楽でしょ?」
「雖然變成將蒸好的特隆貝漂洗一下的並不是河川的水,但因為那個是為了將被蒸煮的木頭在冷水裡漂洗一次,好容易剝下皮。如果是現在的水井水可是十分的冷唷。雖然為了水不會變溫,變成要請你從水井裡打好幾次的水,但比去森林還輕鬆吧?」

 だが、ルッツの気がかりが消えたわけではないようで、顔色がどんよりと暗い。
 但是,路茲的惦記似乎並沒有消失,臉色混濁灰暗。

「そりゃ、楽だけどさ。……その後はどうするんだよ? 白皮で保存するんだよな?」
「那個,雖然說很輕鬆。……那之後要怎麼辦呢? 以白皮來保存嗎?」
「できれば白皮まで加工してから、保存する方がいいんだけど、黒皮でも保存できないわけじゃないから、大丈夫。黒皮を剥ぐのがちょっと面倒になるかもしれないけど、この季節にわたしが森に行くのも、ルッツが川に入るのも自殺行為だし、止めとこ」
「因為可以的話直接加工到白皮為止,雖然說還比較可以保存,但並非是黑皮就無法保存,不要緊。雖然說剝下黑皮變得稍微麻煩也說不定,但在這個季節不論是我去森林,還是路茲進入河川都是自殺行為,停止吧」
「おぅ!」
「喔!」

 不安材料が払拭されて、ルッツは顔を輝かせた。「あぁ、よかった。ホッとした」としきりに繰り返しながら、歩く足の幅が少し大きくなっている。
 不安的材料被拂拭了,路茲喜出望外。一邊頻繁反覆地「啊,太好了。放心了」,走路的腳的步伐一邊稍微逐漸變大。

 帰ったら、母さんとトゥーリに手仕事を手伝ってって、お願いして……明日は木を蒸す作業かぁ。
 回去之後,向母親跟圖麗說來幫忙手工,拜託著……明天是蒸木頭的作業嗎。

 この後の予定を思い浮かべながら歩いているうちに、お腹が空いたせいか、思考が少しずつずれていく。
 一邊想像著這之後的預定一邊正走著的時候,是肚子餓的緣故嗎,思考一點點地偏離了。

 ……蒸し器があるなら、あつあつで甘いふかしいもとか、ほくほくのじゃがバターが食べたいなぁ。サツマイモに該当する芋はないけど、ジャガイモっぽい芋なら、ここでも手に入るんだよね。
 ……如果有蒸籠,熱騰騰且甜滋滋的蒸地瓜嗎,想吃熱呼呼的奶油馬鈴薯呢。雖然沒有相當於地瓜的芋薯,但如果是馬鈴薯般的芋薯,在這裡也能得到呢。
 芋はウチから持って行って、ルッツにはバターを持ってきてもらえば、明日はじゃがバターが食べれるんじゃない?
 芋薯從我家帶去,請路茲拿來奶油的話,明天不就可以吃到奶油馬鈴薯了嗎?
 あぁ、いいね。心も体もあったまりそう。うん、決定。
 啊,真好呢。不論身心都暖呼呼似的。好,決定了。

 幸せな想像にうっとりしているうちに、家の前の井戸のところまで来ていたようだ。ルッツが足を止めて振り返る。
 在陶醉於幸福的想像時,似乎來到了家前面的水井的地方。路茲停下腳回過頭來。

「マイン、明日は鍵を取りに行って、薪を運んだ後で呼びに行くから、それまで家で待ってろよ」
「瑪茵,因為明天要去拿鑰匙,在搬運木柴之後會去叫妳,在那之前在家裡等著唷」
「わかった。ルッツはバターの準備、忘れないでね」
「我知道了。路茲奶油的準備,不要忘了呢」

 わたしは大きく手を振って、建物の中に飛び込む。
 我大大地揮了揮手,跳進建築物裡面。
 階段を上りはじめた時に明かり取りの窓からルッツの動転した声が響いてきた。
 在開始爬上樓梯的時候從天窗的窗戶響起了路茲驚慌的聲音。

「え? はぁ!? バター!? なんでだよ!? 何に使うんだよ!?」
「咦? 啥!? 奶油!? 為什麼唷!? 要用在什麼上面唷!?」

 あれぇ? 言ってなかったっけ? 失敗、失敗。
 奇怪? 我沒說嗎? 失敗、失敗。

======================================================================
 マインは戦わずにトロンベを手に入れることに成功しました。
 瑪茵在沒戰鬥下就得到特隆貝上成功了。
 そして、ベンノさんの愛の鞭で着実に商人らしい思考回路になってきつつあります。
 然後,正在以班諾的愛之鞭踏實地變成像是商人的思考回路。

 次回は髪飾り作って、じゃがバター食べます。
 下回是製作髮飾,吃奶油馬鈴薯。
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