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第一部士兵的女兒 失敗的原因與改善策略

作者:SPT草包│2017-03-31 23:55:16│贊助:0│人氣:150
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 失敗の原因と改善策
第一部士兵的女兒 失敗的原因與改善策略
原文連結

 ベンノに抱き上げられて、簡易ちゃんリンシャンの工房へと向かう途中、少しばかり言いにくそうにベンノが口を開いた。
 被班諾抱了上來,轉往簡易潤洗劑的工坊途中,稍微有點難以言說似地班諾開口了。

「なぁ、マイン。あの髪を洗う液のことだが……」
「吶,瑪茵。就是那個清洗頭髮的液體的事情……」
「はい?『簡易ちゃんリンシャン』がどうかしました?」
「是?『簡易潤洗劑』怎麼了嗎?」
「長くて言いにくい。もっと別の言い方はないのか?」
「長到很難說。有沒有其他別的說法呢?」

 確かに、音の響きだけで意味が全くわからないベンノを初めとしたこの世界の人にとっては、長く感じられるのだろう。
 確實,對於將只憑發音而完全不知道意義的班諾作為最初的這個世界的人來說,會感到很長的吧。
 それは、つまり、商品となっても、貴族の方々にはなかなか受け入れてもらいにくい名前だということだ。
 那個,也就是說,是所謂就算成為商品,對於貴族的各位也是相當難以接受的名字的事情吧。

「あ~、トゥーリにちょっとふざけて言ったのが、定着しちゃっただけで、別に変えちゃっても問題ないですよ?」
「啊~,雖然是稍微對圖麗開玩笑著說的,但只是固定了,就算變成別的也沒有問題唷?」
「……そうなのか?」
「……是那樣嗎?」

 驚いたように目を瞬くベンノに笑って頷いた。
 對驚訝似地眨著眼睛的班諾笑著點點頭。
 ずっと痒かった頭がスッキリした上に、バサバサだった髪がサラサラになって浮かれていたわたしが、適当に言ったのが始まりだ。特に思い入れはない。
 在要讓一直發癢的頭舒暢之上,將毛毛躁躁的頭髮變得乾乾爽爽而興高采烈的我,隨口說說的就是開端了。沒有特意去深思。

「はい。好きな名前を付けちゃってください」
「是的。請取著喜歡的名字」
「しかし、そう言われると、なかなか困るな」
「但是,被那樣說了之後,相當困擾呢」

 ベンノがむむっと眉を寄せて考え込んだ。
 班諾用力皺起了眉頭沉思了起來。
 新しい物に名前を付けるのはかなりセンスがいると思う。少しでも助けになるように、と思って、わたしはヒントを出すつもりで、言葉を重ねた。
 我想給新東西取名字是相當要有感覺的。為了稍微也能成為幫助,那樣想著,我打算給予暗示,重複了話語。

「商品名になっちゃいますからね。言いやすくて、わかりやすいのに変えちゃえばいいと思います。洗髪液とか、汚れ落としよりは、艶を出すとか、綺麗になるとか、癒されるとか、そんな意味の言葉の方が響きはいいでしょう?」
「因為是要成為商品名稱呢。我認為變成容易說、容易明白的就可以了。比起洗髮液呀、或污穢脫落,還是現出光澤呀、變漂亮了呀、被療癒了呀,那種意義的話語還比較響亮比較好的吧?」
「うむ……むぅ……」
「嗚唔……唔……」

 わたしが言葉を連ねるたびに、ベンノの表情がだんだん険しく難しいものになっていく。もしかしたら、ヒントというよりはプレッシャーを与えただけの結果になってしまったのだろうか。
 每當我連起了話語時,班諾的表情就不斷地逐漸變成險峻且困難的東西了。難道說,比起稱為暗示不如說變成了只是給予壓力的結果了嗎。
 眉間に深い皺を刻んで考え込むベンノに、ルッツは軽く肩を竦めた。
 對在眉間刻下了深深的皺紋而沉思的班諾,路茲輕輕地聳了聳肩。

「オレはずっと言ってきたから、別にカンイチャンリンシャンでもいいと思うけど?」
「因為我一直說著,所以我認為沒什麼減益論喜計也可以就是了?」
「マイン、これを他の言い方で、何か、ないか?」
「瑪茵,用其他說法的這個,是什麼,有沒有呢?」

 適当な言葉が見当たらないのか、ベンノが助けを求めるようにこっちを向いた。
 是找不到適當的用詞了嗎,班諾像是尋求幫助似地轉向了這邊。
 わたしは「簡易ちゃんリンシャン」で定着していたので、別の言い方と言われてもすぐには浮かんでこない。似たような言葉ならあるけれど、こちらの世界で意味が通じないことに変わりはない。
 由於我以「簡易潤洗劑」固定下來了,就算被說了別的說法也無法馬上浮現。雖然說若是相似般的用詞是有的,但在這邊的世界因為意義不連通而毫無改變。

「ん~? 『リンスインシャンプー』くらいしか思い浮かびませんけど?」
「嗯~? 雖然除了如同『二合一洗髮精』以外都想不到?」
「……リンとシャンは必要なのか?」
「……論跟喜是必要的嗎?」
「いえ、別に、ベンノさんが付ける分には全く……」
「不,並沒有,班諾先生取的份是完全……」

 ベンノはしばらくブツブツと言っていたが、しっくりくる名前がなかったのか、頭の中では簡易ちゃんリンシャンで固定していたのか、わたしが出した第二候補の響きから決めたのか、リンシャンで決まった。
 雖然班諾暫時喃喃自語地說著,但是沒有符合得來的名字嗎,是在腦中以簡易潤洗劑固定了嗎,是從我所提出的第二候補的聲響而決定的嗎,以凜香決定了。

 え? そんなんでホントにいいの?
 咦? 就用那樣真的可以嗎?


 ベンノは中央広場を西側に曲がって、歩いていく。油を絞る工房なのだから、職人通りにあると思っていたわたしは、目を瞬いた。
 班諾在中央廣場向西側拐彎,繼續走著。因為是榨油的工坊,以為是在工匠街上的我,眨了眨眼睛。

「工房って西側にもあるんですか? 職人通りにあると思ってました」
「是說工坊在西側也有嗎? 我以為是在工匠街上」
「もともと食品加工の工房だからな。物の行き来が多くて、市が立つ西門に近い方が都合はいいんだ」
「因為原本是食品加工的工坊。物件的往來很多,靠近開設市場的西門情況會比較好」
「メリルの実も食用ですもんね。最近は専らリンシャンに使ってたけど……」
「梅利露的果實也是能食用的東西呢。雖然最近是專門為凜香來使用著……」

 頭がどうしても痒くて、洗いたくて、切羽詰まった状態でできあがった簡易ちゃんリンシャンが、まさか商品化することになるとは、作った当時は思っていなかった。
 頭無論如何都很癢,想要清洗,以走投無路的狀態做出來的簡易潤洗劑,沒想到會成為能商品化的事情是,製做當時從沒想過的。
 最初は米のとぎ汁もないし、海藻もないし、どうしたものかと思っていた。思い出せる限り洗髪に関して記憶を探って、ナチュラル生活だか、自然派生活だか、そんな感じの雑誌に載っていた自然素材で作る美容液の記事を思い出した。
 最初是是想說白米的洗米水也沒有、海藻也沒有,該怎麼做的東西。只能回想起尋找有關於洗髮的記憶,是天然生活嗎、還是自然派生活呢,回想起以記載在那種感覺的雜誌上的自然素材來製做精華液的報導。

 記事の中に植物性オイルに粉状の塩やオレンジの皮を粉末状態にしたものをスクラブとして入れて、洗髪するというのがあった。他には卵の白身をツノが立つほど泡立ててパックにするとか、梅干しと日本酒で作る手作り化粧水とか、色々あったが、子供のツルプルお肌には必要ない。差し迫って必要だったのが、シャンプー素材だった。
 在報導中將粉狀的鹽或將柳橙的皮弄成粉末狀態的東西作為搓洗粒加進去植物性油裡面,就有所謂能洗髮的了。其他還有將雞蛋的蛋白打發到尖角能立起的程度做成潤膚霜呀,用梅干跟日本酒製做手製化粧水呀,雖然有各式各樣的,但對小孩子光滑細彈的肌膚沒有必要。迫切需要的,是洗髮精的素材。

 ……油を取るまでが大変だったけど。
 ……雖然到取油為止都很辛苦。

 台所をうろうろして、油の取れそうな素材を探し、食卓に出たメリルがアボカドっぽいものだったので、これなら油が取れそうだと考えたのだが、当時はメリルの名前もわからないし、自分で採りにも行けないし、頭は痒いし、大変だった。
 在廚房轉來轉去,尋找能夠取油的素材,由於在餐桌上出現的梅利露是酪梨般的東西,雖然考慮到這個的話似乎能取油,但當時梅利露的名字也不知道,自己去採摘也不能去,頭很癢,很辛苦。
 あの時は頭の痒さが切羽詰まっていたし、森で採集することの大変さが全くわからなかったから、トゥーリにずいぶん無理を言ったと、今頃になって思う。
 想到那個時候頭癢到走投無路了,因為完全不知道在森林採集的辛苦,對圖麗說了十分無理的話後,變成了現在這樣。
 おかげで、頭はスッキリしたし、つるつるさらさらヘアを手に入れることができて、清潔な生活を送ることができるようになった。
 託此之福,頭舒暢了,能得到光滑溜溜乾乾爽爽的頭髮,變得像是能過乾淨的生活了。

 トゥーリ、ありがとう!
 圖麗,謝謝妳!


 ベンノに連れていかれた工房は広い倉庫のようなところだった。 食品加工の工房と聞いていた通り、雑多な臭いが混じっている。
 被班諾帶去的工坊是像寬敞的倉庫般的地方。 如同所聽到的食品加工的工坊,混雜著形形色色的臭味。
 作業台がいくつも並んでいて、それぞれの作業台でしている作業が違う。壁際には道具を置くための棚が並んでいて、雑多な道具がいくつも並んでいるのが見えた。
 幾個工作台並列著,在各自的作業台上從事的作業不一樣。在靠牆上為了放置工具的架子並列著,能看見幾個形形色色的工具並列著。

「親方はいるか? ベンノが来たと伝えてくれ」
「師傅在嗎? 去轉達班諾來了」

 工員の一人を捕まえてベンノがそう言うと、工員は「はいっ!」と慌てた様子で走りだした。
 抓住一位工人的班諾那樣說後,工人以「是的!」慌慌張張的樣子開始跑了起來。
 わたしがベンノに下ろしてもらって、親方の到着を待っていると、奥の方から、工員に声をかけられた少し小太りのおじさんがお腹を揺らしながら出てくるのが見えた。
 我請班諾放了下來,等待著師傅的到達時,從深處的地方,能看見被工人打了聲招呼稍微微胖的大叔一邊搖晃著肚子一邊出來了。
 一目で食べ物関係の親方とわかるような感じだ。食べることが心底好きそうな体型に見える。日本なら小太りという程度だが、食糧事情があまり豊かではないこの街でこの体型はかなり太めに入るだろう。
 是用一眼就能明白是跟食物有關係的師傅般的感覺。看上去就是衷心喜愛能吃似的體型。雖然日本的話是所謂稍微微胖的程度,但在糧食情況相當不豐盛的這座城市這個體型是進入相當肥胖了吧。

「ベンノの旦那、わざわざ足を運んでくださってありがとうございます。……この子らは?」
「班諾老闆,特意前來真的非常感謝。……這些孩子們是?」
「リンシャンを最初に作った本人だ。他言無用で頼む」
「在最初製做凜香的本人。禁止洩漏拜託了」

 ベンノが目に力を込めてそう言うと、親方はコクコクと無言で何度か頷いた。
 班諾在眼中灌注了力量那樣說後,師傅前後晃動地無言的點了好幾次頭。

「それで、改善はしたのか?」
「於是,能做改良嗎?」
「いえ、道具を変えてみたり、作る者を変えてみたり、色々としてみたのですが、だんだん遠ざかっている気がします」
「不能,試著改變工具,試著改變製做者,雖然試過做了各式各樣的,但感覺到不斷地遠離著」

 進展がないという報告を聞いて苛立ちを隠せていないベンノに睨まれて、困り果てている表情の親方を見ていると、まるで自分まで一緒に叱られているような気分になってしまう。
 被毫不隱瞞聽到所謂毫無進展的報告而焦躁的班諾盯著,看著一籌莫展的表情的師傅後,簡直變成了就連自己也一起被斥責般的氣氛。
 わたしは親方の袖を少し引っ張って、声をかけた。
 我稍微拉了拉師傅的袖子,打了聲招呼。

「あの、作っているところを実際に見せてもらっていいですか?」
「那個,可以請您實際地讓我看製做的地方嗎?」
「あぁ。……何か気付いたことがあったら、教えてくれると助かる。工房で作った物は何故か汚れがあまり落ちないんだ」
「啊。……有注意到些什麼的話,能告知的話就幫大忙了。在工坊製作的東西不知為何不太能掉落汙垢呀」

 リンシャンを作るための一角へ移動して、親方に実際に作ってもらう。
 往為了製做凜香的一角移動,請師傅實際製做。
 失敗するともったいないので、潰すメリルは一つだけだ。親方が圧搾用の重りを使って、一気にメリルの実を潰した。トゥーリやルッツはハンマーを使うので、かかる時間が全く違う。
 由於失敗就太可惜了,要砸爛的梅利露只有一個。師傅使用壓榨用的秤錘,一口氣砸爛梅利露的果實。因為圖麗或路茲是使用鐵鎚,花費的時間完全不一樣。
 そのまま布を持ちあげて、グッと油を絞れば、器の中にポタポタと油が落ちていく。
 就那樣將布拿了起來,使勁地絞油的話,油就滴滴答答地逐漸滴落容器裡面。

「これで、油ができる。ここまでは一緒だろう?」
「就這樣,油就完成了。至此是同樣的吧?」

 油を絞る工程には何の問題もないように見えた。ルッツも「間違う要素なんてないよな」と呟いているので、パッと見た限りでは、問題はなさそうだ。
 在絞油的工程上看起來好像梅有什麼問題。因為路茲也「搞錯的要素什麼的沒有呢」嘟噥著。只是猛然看著,似乎毫無問題。

「わたし達は圧搾用の重りが使えないからハンマーで潰しているんです。でも、それくらいの違いで、失敗に結び付くとは思えないんですよね」
「因為我們無法使用壓榨用的秤錘所以是用鐵鎚砸爛著。但是,我不認為以那種差異,會關聯到失敗呢」
「あぁ、子供の力ではハンマーでないと無理だろうな」
「啊,以小孩子的力量不用鐵鎚是不行的呢」

 次はハンマーでしてみるか、と呟いている親方に、わたしは頼んだ。
 我對下次要試著使用鐵槌嗎,那樣嘟噥著的師傅,拜託了。

「その油。今搾れた油、ちょっと見せてもらっていいですか?」
「那個油。現在被榨出的油,可以請您稍微讓我看一下嗎?」
「あぁ」
「啊」

 親方は油の入った器をわたしに渡してくれる。
 師傅將放入油的容器教給了我。
 中には不純物が全く浮いていない、澄みきった緑の綺麗な油が揺れていた。
 在其中完全沒有雜質浮起,清澈且綠色的漂亮的油搖曳著。

「あ、わかった」
「啊,知道了」

 油を見た途端、わたしには原因がわかってしまった。
 剛一看到油,我就知道了原因。
 失敗原因がわかったことは素直によかったと思うが、あまりにも悲しい理由で、少し泣きたい気分になる。
 雖然明白了失敗原因坦率地認為太好了,但由於太過悲傷的理由,變成稍微想哭泣的氣氛。

「何だ!? 何がいけなかったんだ!?」
「是什麼!? 是什麼不可以!?」

 食らいつくように尋ねた親方に、わたしは少しばかり肩を落としながら答えた。
 對象是要吃掉般詢問的師傅,我一邊稍微有點垂下肩膀一邊回答了。

「……搾る時の布です」
「……是絞的時候的布」

 わたしの言葉にベンノがじろりと親方を睨んだ。親方はぎょっとしたように目を見開いて、両腕をバタバタさせながら必死で言い募る。
 班諾因我的話語而凶狠地瞪著師傅。師傅大吃一驚似地睜大了眼睛,一邊慌亂揮動雙臂一邊拚命地激動說著。

「布!? 新しい事業だし、かなりいいのを使ってるぞ!」
「布!? 是新的事業,而使用了相當好的喔!」
「……だから、ですよ」
「……所以,就是唷」
「はぁ!?」
「啥!?」

 今度は親方ばかりではなく、ベンノも目を剥いてわたしを見た。
 這一次不光只是師傅,班諾也瞠目結舌地看著我。
 軽く肩をすくめながら、わたしは油の入った器を台の上にそっと置く。
 一邊輕輕聳著肩膀,我一邊將放入油的容器輕輕地放在檯桌子。

「わたし達の家の布って目が粗いんですよ。服見たらわかるように、お金ないですから。こんなに細かい目の搾り布を使ってないので、わたし達が搾ると、潰された実の繊維や小さい小さい粉みたいな種の欠片が結構いっぱい油の中に混じるんです」
「我們家的布網眼很粗唷。就像看了衣服就能明白,因為沒有錢。因為不是使用這種細小網眼的壓榨布,我們壓榨後,被砸爛的果實的纖維或小小的小小的像是粉末的種子碎片混入了相當多在油的裡面」

 トゥーリやルッツが搾る油は澄み切った緑ではなく、白っぽく濁っていた。
 圖麗或路茲所搾的油並不是清澈且綠色的,而是帶點白色且混濁的。
 理由なんて簡単だ。この工房で使われている搾り布とは比べものにならないほど、搾り布の目が粗いし、ギリギリまで搾らないともったいないので、油が濁ることなんて気にせず、最後の最後まで絞っていた。
 理由之類的很簡單。不是能跟在這個工坊被使用的壓榨布相比較的東西那般,壓榨布的網眼很粗,因為不壓榨到極限為止是很浪費的,不會介意油很混濁之類的,直到最後的最後都在擰絞著。

「その濁りが『スクラブ』効果を……あ、髪を洗う時の汚れを落とすのに必要なものになるんです」
「那種混濁能成為『搓洗粒』效果……啊,能成為在脫去清洗頭髮時的污穢上必要的東西」

 本来なら、工房で作られているような、澄みきって綺麗な植物油に粉末状態に潰した塩やナッツ、乾燥させた柑橘系の皮などを入れて、スクラブにする。
 本來的話,對像是在工坊裡被製做著、清澈而漂亮的植物油裡加入砸成粉末狀態的鹽巴或堅果,被乾燥的柑橘系的果皮等等,作為搓洗粒。
 しかし、わたし達の場合は搾った状態ですでにスクラブができていた。おまけに、それ以上、何かを加えたいと言えるような生活状況ではなかった。森で大量に採れるハーブを匂い付けに使うのが精々だったのだ。
 但是,我們的情況是在壓榨的狀態下就已經做成了搓洗粒了。更何況,這之後,並不是能夠說想要添加些什麼的生活狀況。把在森林裡大量地採摘的香草使用在添加香味上已是費盡全力了。

 わたしの説明に親方は呆けたように、口をポカーンと開けていた。予想外の失敗原因だっただろう。わたしにも予想外だった。
 師傅像是對於我的說明呆住了般,呆愣地張開著嘴巴。是出乎預料的失敗原因吧。就連我也是出乎預料。
 良質の油を取ろうとすればするほど、サンプルから遠ざかるのだから、胃の痛さは半端なかったと思う。
 因為取得了優質的油之後,卻越做離樣品越遠,我想胃痛並非偶爾吧。

 ベンノも原因がわかって、ホッとしたのか、表情がかなり和らいだ。指先で搾り布を摘まんで、肩を竦める。
 班諾也知道了原因,是放心了嗎,表情相當柔和了。用指尖捏著壓榨布,聳了聳肩。

「まさか布が原因だったとはな。いい物を使ったからこその失敗だったとは……。俺は薬草の混ぜ方に何か秘密があるのかと思ってたぜ」
「沒想到布是原因呢。是說正因為使用了好東西而失敗……。我還認為是在藥草混合上有些什麼秘密勒」
「薬草は基本的に匂い付けですね」
「藥草基本上是添加香味的呢」

 そう言うと、親方がハァと大きな溜息を吐いた。安心したような、困ったような表情でポソリと零す。
 那樣說之後,師傅唉地大大嘆了一口氣。似乎放心了,以傷腦筋似的表情呢喃地吐露了。

「荒い布が必要なら、今まで絞った分は使えねぇな」
「粗布是必要的話,至今擰絞的份就不能用了呢」
「え? 使えますよ? 使わないなんてもったいない」
「哎? 可以用唷? 不能用什麼的就太浪費了」
「へ?」
「咦?」

 できることなら、不純物のない上質のオイルはわたしが使ってみたいと思う品質だ。スクラブさえ入れれば、わたしが作ったリンシャンよりよほど品質の良い物ができる。
 如果可以,沒有雜質的上等油是我認為我想試用看看的品質。加入搓洗粒的話,就能完成比我製做的凜香還相當品質好的東西。

「今搾っている油に、『スクラブ』を入れればいいんですよ。素材を厳選すれば、わたしが作った物よりよほど上質になります」
「在現在搾好的油裡,加入『搓洗粒』的話就可以了唷。嚴選素材的話,會成為比我製做的東西還相當上等的」
「へぇ……。嬢ちゃん、ずいぶん物知りだな?」
「嘿……。小姑娘,相當知識淵博呢?」

 感心したように親方が目を瞬いたと同時にベンノの目が獲物を見つけたようにギラリと輝いた。
 在師傅像是欽佩般眨著眼的同時班諾的眼神像是發現了獵物閃耀著光輝。

「あ……」
「啊……」

 しまった。調子に乗って喋りすぎた。
 糟糕了。趁勢說過頭了。
 さぁっと血の気が引いて思わずルッツを見ると、この馬鹿、と言わんばかりの呆れた顔をしている。
 突然臉色發白不由自主地看著路茲時,做出了幾乎要說出,這個笨蛋,的吃驚表情。
 このままではルッツにバレた時と同じような道をたどることになる。
 這樣下去就會變成沿著像是跟暴露給路茲時同樣的道路前進了。

 あああぁぁぁ! わたしのバカバカ! 学習能力がないの!?
 啊啊啊! 蠢翻了我! 沒有學習能力嗎!?

 ひくひくと引きつる口元を何とか引き上げて、わたしは笑顔を張り付けた。
 想辦法提高不斷抽蓄痙攣的嘴角,我貼上了笑容。

 平常心、平常心、まだ何もバレてない大丈夫。
 平常心、平常心,還什麼都沒暴露不要緊。

「粗い粒だと洗っている時に頭の皮膚を痛める可能性があるので、気を付けてくださいね」
「因為粗的顆粒在清洗的時候有弄痛頭的皮膚的可能性,請注意點呢」

 ニッコリと笑って、すすすっとその場を去ろうとしたが、獰猛な笑みを浮かべたベンノにガッチリと押さえられた。
 雖然打算微微地笑著、迅速地退出當下,但被浮現猙獰笑容的班諾給結實地壓住了。

「他にも色々知ってそうだな?」
「似乎也知道其他各式各樣的呢?」

 知っているけれど、これ以上余計なことを言うわけにはいかない。これから先、わたしがここで平穏に生きていくのに、変な疑惑を持たれたら困る。どうにかベンノの追及を逃れなければならない。
 雖然說是知道,但不能說比這更多的多餘事情。今後,我要在這裡平穩地生活下去的說,被抱持奇怪的疑惑的話會很困擾的。總之必須要逃出班諾的追問。

 前のマインを知らないベンノなら、同じようにおかしいと疑惑を持たれても、ルッツとは条件が違う。頑張れば、何とかなるはずだ。何とかしてみせる。
 如果是不知道以前的瑪茵的班諾,就算同樣地被抱持著很奇怪跟疑惑,條件也跟路茲不一樣。努力的話,應該總能設法的。好歹要試看看。
 ベンノの眼力に負けないように踏ん張って、冷や汗で背中をしっとりさせたまま、わたしは精一杯虚勢を張って笑った。
 為了不會輸給班諾的眼力而站穩腳步,像是因冷汗而讓背後潮濕,我竭盡全力虛張聲勢的笑著。

「ここから先は有料です。情報料が必要なんです。ただでは喋りません」
「再接下來是要收費的。是需要情報費。免費就免談」
「いくらだ?」
「要多少錢?」

 くいっと顎を上げて、ベンノがニヤリと笑ったまま値段を示せというけれど、いくら出されてもこれ以上の情報を出すつもりはない。
 雖然說班諾用力地抬起下巴、是所謂依然賊賊地笑著表示著價錢,但就算被出了多少錢也不打算給出比這更多的情報。
 けれど、そう言ってしまえば、そこで交渉は終わりだ。今はベンノから引きさがってもらわなければならない。
 但是,那樣說完的話,交涉在那裡就結束了。現在必須要從班諾那裡撤退。
 バクンバクンと唸る心臓を押さえながら、わたしは必死で頭を回転させる。
 一邊壓住怦咚怦咚地呻吟著的心臟,我一邊死命地讓頭轉動。

「……このままでも売り物になるのに、それ以上のための情報をベンノさんはいくらで買うつもりですか?」
「……明明就這樣也能成為販售品,班諾先生為了這之後的情報打算用多少錢去買呢?」

 ニッコリ笑ったまま、笑顔の睨みあいがしばらく続く。
 仍舊笑瞇瞇著,互相瞪視的笑容暫時持續著。
 ベンノの赤褐色の瞳が獰猛に光っているし、さっさと降参してしまいたい心境だけれど、今は絶対に引くことができない。何を喋っても、明らかにおかしいと睨まれることがわかっているのに、これ以上喋れない。
 班諾紅褐色的瞳孔猙獰地散發光芒,雖然是想快點投降的心境,但現在絕對不能退縮。就算說了什麼,明明也知道明顯很奇怪且被瞪視著,但不會說比這更多了。

 わたしと睨みあう視線を外さないまま、ベンノが親方に声をかけた。
 仍舊沒有移開跟我互相瞪視的視線,班諾對師傅發出了聲音。

「商談用の部屋を借りていいか?」
「可以借用洽談用的房間嗎?」
「あ、あぁ、どうぞ」
「啊、啊,請吧」

 親方の返事を聞くと同時に、わたしはベンノにガシッと担ぎあげられ、商談用の部屋に拉致される。
 在與聽到師傅的回答同時,我被班諾緊實地扛了起來,被綁架到洽談用的房間。

「わわわわっ!?」
「哇哇哇哇!?」
「マイン!?」
「瑪茵!?」
「話をするだけだ! 誰も近付くな!」
「只是說個話! 誰都別靠近!」

 ベンノの一喝にルッツがビクッとして、その場に止まる。親方も蒼白になってコクコクと頷く。
 路茲因班諾的一喝嚇了一跳,當場停住了。師傅也變得蒼白而前後晃動地點著頭。
 他人様の商談用の部屋を占領したベンノはわたしを椅子の上に座らせ、その正面に自分が座った。
 佔據了別人洽談用的房間的班諾讓我坐在椅子上,自己坐在那個正面。
 しばらくベンノがわたしを睨んだ後、口を開いた。
 班諾暫時盯著我後,開口了。

「小金貨2枚だ」
「小金幣2枚」
「……はい?」
「……什麼?」

 空耳だ。空耳。
 是聽錯了。聽錯了。
 今、なんかすごい値段が聞こえた気がするけど、絶対に空耳だった。
 雖然現在,感覺聽到了什麼很厲害的價錢,但絕對是聽錯了。

 思わずポカーンとしてしまったけれど、空耳だったことにして、わたしは慌てて表情を引き締めなおす。
 雖然說不由得愣住了,但作為是聽錯了,我將慌慌張張的表情重新繃緊。
 引き締め直した途端、ベンノが再度、ハッキリと言った。
 剛一重新繃緊,班諾再次,清清楚楚地說了。

「小金貨2枚、出す。改良方法、改善方法、他に代用できる植物、思い当たることは全部喋れ」
「小金幣2枚,我出。改良方法、改善方法、其他能代替的植物,想到的事情全部都說吧」

 改善や改良に小金貨2枚も出すなんて、リンシャンにどれだけの利益を見込んでいるのだろうか。
 對改善或改良出小金幣2枚什麼的,是在凜香上預計著多少的利益嗎。
 もしかして、フリーダの髪飾りのように贅沢品として、貴族相手にぼったくるつもりなのだろうか。
 莫非,是像芙莉妲的髮飾一樣作為奢侈品,打算以貴族為對象敲竹槓嗎。

「……ベンノさん、リンシャンを一体いくらで売るつもりですか?」
「……班諾先生,到底打算將凜香賣多少錢啊?」

 わたしがじっとりとねめつけると、ベンノはわずかに目を細めて、フンと鼻を鳴らした。
 我濕潤地瞪視著後,班諾微微地瞇起了眼睛,讓鼻子哼了一聲。

「マインには関係ないことだ」
「是跟瑪茵沒有關係的事情」
「だったら、わたしも、作製できる情報は教えたんですから、それ以上は関係ないですよね?」
「這樣的話,因為我、告知了能夠製造的情報,這之後就沒有關係了呢?」

 これで話を切り上げられる、と心の中で安堵の息を吐きながら、わたしはテーブルに手をついて席を立とうとした。
 這樣就能將談話結束掉,地一邊在心中吐了放心的一口氣,我一邊將手放在桌子上打算離開座位。

「小金貨3枚。それ以上は出せん」
「小金幣3枚。不會出比這更多了」

 テーブルについたわたしの手をガシッと掴んだベンノが、悔しそうな表情で、さらに値段を上げた。
 班諾結實地抓住了我放在桌子上的手,以懊悔似的表情,更加地提高了價錢。
 目玉が飛び出しそうな金額に一瞬心が揺れたけれど、それ以上は出せないなら交渉はこれで終わりだ。平穏な生活のためにも、この先の追及は逃れて見せる。
 雖然說一瞬間對眼珠子快要掉出來似的金額內心動搖了,但如果沒出比那更多交涉這樣就結束了。為了平穩的生活,今後的追問也逃掉給你看。

「おこと……」
「我拒……」
「受け取って貯めておけ。お前の身食いを何とかできるのは金だけだ」
「收下來先存著。好歹妳的身噬能做到的只有錢了」

 お断りします、と言おうとしたら、ベンノにぎろりと睨まれた。今にも歯噛みしそうな顔で、低い声で小さく囁かれた言葉に驚いて、わたしは大きく目を見開く。
 打算要說、我拒絕的話,被班諾目光一閃地瞪視著。對於現在也以咬牙切齒的表情,用低沉的聲音被小小囁嚅的話語嚇到,我大大地睜開了眼睛。

「……ベンノさん、身食いのこと、知っていたんですか?」
「……班諾先生,身噬的事情,是知道的嗎?」
「もしかしたら、とは思っていたが、この間、くそじじいにハッキリと言われたからな」
「雖然有想過、難道說是,但最近,因為被臭老頭清清楚楚地說了呢」
「え?」
「哎?」

 ベンノが言うくそじじいはギルド長のことだ。ギルド長に何を言われたのだろうか。フリーダの髪飾りを納品した後、ギルド長に対する警戒心が薄れていたことに何か関係があるのだろうか。
 班諾所說的臭老頭是公會長。被公會長說了什麼了嗎。將芙莉妲的髮飾交貨之後,是對於公會長的警戒心稀薄了有些什麼關係嗎。
 先程とは違った妙な焦りが心に渦巻き、立ち上がりかけた中途半端な体勢から力が抜けて、すとんと椅子にお尻が落ちた。
 跟剛才不同的微妙焦躁在內心捲成漩渦,從要站起來的不完整體態裡脫力了,啪嗒地屁股掉落到椅子上。

 わたしが座り直したように見えたようで、ベンノはテーブルの上に伏せるように身を低くし、わたしに顔を近付ける。そして、わたしだけに聞かせるような低くて小さい声で話し始めた。ぼそぼそと囁かれる声なのに、妙にハッキリと鼓膜に刺さってくる。
 像是看到我重新坐好似的,班諾像是趴在桌子上面低下身體,靠近了我的臉。並且,用只有我能聽見似的低沉細小的聲音開始說話。明明是碎碎念地被囁嚅的聲音,卻微妙且清清楚楚地扎進了鼓膜裡。

「あそこの孫娘はお前と同じ身食いだったが、金と貴族へのコネがあったから助かったんだ。お前は持っている情報を売ってでも、金を貯めて、来るべき日に備えろ」
「雖然那邊的孫女是跟妳一樣的身噬,但因為有錢跟通往貴族的門路而得救了。即便販售妳所擁有的情報,也要存錢,防備著將臨之日」
「来るべき日って……」
「將臨之日是說……」
「身体の中の熱が……押さえきれなくなる時だ」
「身體裡面的熱……變得完全壓不住的時候」

 あぁ、と納得が全身に広がった。
 啊、地理解蔓延到了全身。
 最近少しずつ身食いの熱が活発化してきているような気がしていたのは、ただの気のせいでも、体調のせいでもなかったのか。
 最近感覺到身噬的熱一點點活性化了起來似的,不論只是錯覺、還是身體狀況的關係都不是嗎。
 そのうち、この身食いの熱が大きくなって、わたしでは押さえられなくなる日が来る、とベンノとギルド長の間では結論が出たのか。
 其中,這個身噬的熱變大了,變成無法被我壓制的日子來臨,是班諾跟公會長之間所做出的結論嗎。

 自分の命と、情報を渡して気味悪がられる危険性を秤に乗せれば、呆気ないほど簡単に結論が出た。
 將自己的性命跟、交付情報而感覺很噁心的危險性放到天秤上的話,就能最直接簡單地得出結論。

 まだ死にたくない。
 還不想死。

 やっと紙が作れるようになった。
 終於紙張變得能製做了。
 この冬には失敗作の紙を束ねたものだけれど、やっと本を作れる環境が整った。
 雖然說這個冬天是將失敗作的紙張捆紮的東西,但終於能製做書本的環境就緒了。
 ここでの生活に慣れて、家族とも上手く噛み合うようになった。
 習慣了在這裡的生活,與家人也變得能順利咬合了。
 役立たずでしかなかった自分が、少しだけでも役に立てる環境を見つけることができた。
 就只是個廢物的自己,能夠發現稍微派得上用場的環境。
 やっとここで生きていることがたのしくなってきたところだ。
 終於在這裡生活是變得能快樂起來的地方了。

 まだ死ねない。
 還不能死。
 それと同時に、ベンノに情報を開示して、気味悪がられた時のことを考える。
 與此同時,對班諾明示情報,考慮著感覺噁心之時的事情。

 ベンノが気味悪がったら、どうなる?
 班諾感覺噁心的話,該怎麼辦?
 前のマインを知っていたルッツと違って、ベンノにとってわたしは、物を知りすぎていて気味が悪いだけの子供だ。
 跟知道以前的瑪茵的路茲不一樣,我對班諾來說,只是知道太多的東西而令人發毛的小孩子。
 気味が悪いという理由だけでいきなり殺されるようなことはないだろうし、縁が深いルッツと違って、家族に「マインは気味が悪い」と言いつけられても、それほど大した被害はない。
 不會有只是因所謂令人發毛的理由就突然被殺了似的事情吧,跟緣分很深的路茲不一樣,就算被家人叮囑「瑪茵讓人發毛」,也不會有多了不起的受害。

 最悪、わたしとルッツが遠ざけられて、わたし達がベンノの店の商人見習いになれなくなるだけだ。
 最壞,我跟路茲被疏遠,我們只是變得不能成為班諾的店的實習商人。
 だが、その場合もギルド長とフリーダから勧誘も受けている。ベンノと離れたところで受け皿が全くないわけでもない。
 但是,那個時候也會受到來自公會長跟芙莉妲的勸誘。即使跟班諾離開了也並非完全不會承攬。

 お金があれば生きていけるなら、わたしはまだ生きていたい。
 如果有錢的話就能活下去,我還想活著。

「……わかりました。小金貨3枚で手を打ちます」
「……我知道了。用小金幣3枚敲定」

 わたしがベンノを見つめてそう言うと、ベンノは小さく頷いて、手を離した。
 我凝視著班諾那樣說了之後,班諾微微點頭,放開了手。
 そして、ギルドカードを合わせた後、わたしのトートバッグを取り上げて、勝手に発注書セットを取り出す。
 然後,合起公會卡片後,拿走了我的手提包,擅自拿出了訂貨單組。

「ちょ、わたしの荷物!」
「等、我的行李!」
「これは、ウチの備品だ」
「這是,我家的常備品」
「それはそうですけど、せめて、一言断ってくださいよ!」
「雖然說是那樣說,但至少,請用一句話拒絕唷!」
「あぁ、すまんな」
「啊,抱歉了」

 全くすまなく思っていなさそうな口調でそう言って、ベンノはインクとペンを持って、発注書用の板をまるでメモ帳のように構えた。
 用完全不認為是抱歉似的語調那樣說著,班諾拿著墨水跟筆,將訂貨單用的板子簡直像是記事本般架起。

「では、教えてもらおうか。まずは、失敗作と思われた油を売れるようにする方法だ」
「那麼,能請告知嗎。首先是,讓被認為是失敗作的油能販售的方法」
「汚れを落とすための『スクラブ』を入れればいいんです。『スクラブ』にできるものは色々ありますけど、多分一番手軽なのは塩だと思います。塩を粉になるくらいにすり潰して入れると汚れ落としと消臭に効果があるんです」
「將為了能脫去污穢的『搓洗粒』加進去就可以了。能作為『搓洗粒』的東西雖然有各式各樣的,但我認為最簡便的大概就是鹽了。宛如變成粉末的鹽磨碎加進去就能有污穢脫落跟除臭的效果了」
「塩だと?」
「是鹽嗎?」

 わたしが読んだ記事の中で、一番簡単そうなのが、植物性のオイルと粉末状態にした塩を混ぜるものだった。
 在我讀過的報導中,雖然是最簡單似的,但卻是將植物性的油跟作為粉末狀態的鹽混合的東西。
 あまりにも身近なものなので、驚いたのだろうか、ベンノが目を丸くしている。
 是因為太過於切身的東西,而吃驚了嗎,班諾目瞪口呆著。

「……それから、カラカラに乾燥させた『柑橘系』じゃなくて、えーと、フェリジーネの皮を粉状にすり潰して入れると、何も入れないよりは匂いも汚れ落ちもよくなります」
「……還有,乾巴巴地被乾燥的『柑橘類』不對,呃,將翡里吉涅的皮磨碎成粉末狀加進去之後,比起什麼都不放不論氣味或污穢脫去都變得更好了」
「フェリジーネの皮、な。他にもあるのか?」
「翡里吉涅的皮、嗎。還有其他的嗎?」

 ベンノはガリガリと書きながら、わたしに視線を向ける。
 班諾一邊咯吱咯吱地寫著,一邊將視線轉向了我。

「他ですか?『ナッツ』……あ~、ヌーストを粉々にして混ぜてもいいですね。どれもこれもウチではもったいなくてできなかったんですけど。」
「其他的嗎?『堅果』……啊~,將努斯特粉碎混入也可以呢。雖然哪個都是在我家會很浪費而不能做到的。」

 ニッコリと笑ってそう言うと、ベンノは少しでも情報を得ようとするように、わたしをじっと見つめる。
 微微地笑著那樣說後,班諾像是打算獲得些許情報般,目不轉睛地凝視著我。

「できなかったことを知っている?……マイン、お前は何者だ?」
「知道做不到的事情?……瑪茵,妳到底是什麼人?」
「秘密です。これは小金貨なんかじゃ売れませんからね」
「這是秘密。因為這並非是小金幣能賣的」

 苦虫を噛み潰したような顔で、ベンノが口をへの字にした。
 用著一副苦瓜臉似的表情,班諾緊抿著嘴。
 自分に理解できない者を見るベンノの胡乱な目に、心臓がうるさく音を立てる。こんな目でずっと見られて、平然としていられるほど、わたしは強くない。
 對班諾看著自己無法理解的人的可疑眼神,心臟發出了吵鬧的聲音。一直被用那種眼神看著,無法作為坦然那般,我並不堅強。
 わたしは笑顔を張り付けたまま、自分の立ち位置を決めるための賭けに出た。
 我仍舊張貼著笑臉,發出了為了決定自己該站位置的賭注。

「わたしみたいな子供、気味が悪いから、お払い箱にしちゃいますか?」
「因為像是我的小孩子,令人發毛,要解雇掉嗎?」
「っ!?」
「!?」
「一応、それくらいの覚悟をして、情報提供したんですよ?」
「姑且,做了像是那樣的覺悟,而提供著情報的唷?」

 ベンノは俯いてガシガシと自分の髪を掻きむしり、ハァ~、と大きく息を吐いた。何度かゆるく首を振って、顔を上げる。
 班諾低頭猛烈不斷地搔抓著自己的頭髮,哈、地大大吐了一口氣。好幾次緩緩地搖了搖頭,抬起頭來。
 その時には、いつものニヤリとした笑みが広がっていた。
 在那個時候,做為總是奸笑的笑容蔓延開來了。

「いや、利益になる以上、他に奪われないように、なるべく囲い込むことを考えるさ。俺は商人だからな」
「不會,成為利益之後,為了不被其他奪走,而考慮著盡可能包圍進來。因為我是商人呢」

 そう言って、ガタリと立ち上がったベンノが、ぐしゃぐしゃとわたしの頭を撫でた。今までと変わらない仕草を見せることで、現状維持という結論をベンノが出したことが伝わってくる。
 那樣說後,嘎嗒地站了起來的班諾,亂七八糟地撫摸著我的頭。因展示了與至今都不曾變過的動作,傳達出了班諾所提出的所謂維持現狀的結論。
 わたしはホッと安堵の息を吐いた後、いつまでもぐしゃぐしゃする手をペイッと退けて、「んべっ」と舌を出した。
 我放心地吐了一口安心的氣之後,將一直亂七八糟摸著的手啪地斥退,「呸」地露出舌頭。

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 簡易ちゃんリンシャンのターンでした。
 做為簡易潤洗劑的轉折。
 何を参考したのか、どんなものか知りたい、という疑問に少しはお答えできたでしょうか?
 對所謂是參考了什麼嗎、想知道是怎樣的東西嗎,的疑問稍微能回答了嗎?

 次回は、トロンベが出現です。
 下回是,特隆貝出現了。
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