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第一部士兵的女兒 路茲的教育計劃

作者:SPT草包│2017-03-30 18:09:51│贊助:0│人氣:116
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 ルッツの教育計画
第一部士兵的女兒 路茲的教育計畫
原文連結

 ベッドの中でゴロゴロしているうちに、ルッツの予測通り熱が上がってきた。疲れから来る熱で、微熱くらいなので身体全体がだるいだけだ。食われそうになる身食いの熱とは違うので、おとなしくしていたらそのうち治るだろう。
 在床鋪裡面滾來滾去的時候,如同路茲的預測發燒了。因為來自疲勞的燒,只是明明是微熱卻整個身體渾身無力。因為跟造成要被吃掉般的身噬的熱不一樣,老實待著的話在那期間就能治好了吧。

 そう思って3日がたった。
 那樣想著3天過去了。
下がらない熱に苛々してくるが、勝手にベッドを出たら叱られるので、寝すぎてだるくてもベッドの中でいるしかない。
雖然為退不下來的燒焦急,但由於擅自下床的話會被斥責,就算睡太多而疲倦也只能待在床裡面。

 ……あああぁぁぁ、暇。
 ……啊啊啊,好閒。

 今日は豚の解体日だ。去年と違って、今年は一人で留守番させる程度の信用は得られているようで、朝早くに家族は出かけていった。
 今天是豬隻解體日。跟去年不一樣。今年似乎獲得了一個人當看家者程度的信用,家人早上很早就出去了。
 お昼に食べられるサンドイッチと家族全員分のカップに水を入れて、寝室に置いてくれているので、お腹が空きすぎてどうしようもなくなることも、喉がカラカラに乾くこともなさそうだ。
 由於要被在中午吃的三明治跟將水放入家人全體份的茶杯裡、而放在臥室裡面,不論是肚子餓過頭卻變得不能怎麼辦、或是喉嚨口渴到乾燥不已都不會有。

 シーンとしている部屋の中、動こうと思えば動けるけれど、熱が長引くだけだとわかっているので、ベッドでおとなしくしているしかない。でも、話をする相手もいないので、暇で、暇で、仕方ない。
 做為場景的房間裡面,雖然說想動的話是能動,但因為知道燒只會拖長,只能老實地待在床上。但是,由於沒有說話的對象,太閒了、太閒了,沒有辦法。

 本があればなぁ……。
 有書本的話呢……。

 失敗作の紙を結構大量に持って帰ってきたが、まだ手つかずで、わたしの服が入っている木箱の底に丁寧に重ねて詰めこんであるだけだ。試作品が出来上がった後、忙しかったというのもあるし、第一作目となる本は気合を入れて作りたいというのもある。
 雖然將失敗作的紙張相當大量地帶了回來,但還沒有使用到,只是在放了我的衣服的木箱底部謹慎地重疊塞了進去。試作品製做完成之後,是說忙碌也有,所謂作為第一作品的書本想鼓起勁來製做也有。

 何より、失敗作の紙なので、品質はバラバラ、大きさもバラバラだ。ほぼ成功に近い紙もあれば、完全に失敗でビリビリボロボロの破片のような紙もある。向こうが見えそうなくらい薄くて、触るのが怖い紙もあれば、力を入れ過ぎると割れそうな堅い紙もある。
 再說了,因為是失敗作的紙張,品質七零八落,大小也是參差不齊。大體上接近成功的紙張也有的話,完全失敗而酥酥脆脆破破爛爛的碎片般的紙張也有。薄淂宛如看得到對面似的、觸摸就很可怕的紙張也有的話,用力過頭就碎裂般的堅硬紙張也有。

 張り付ける時によれてしまっただけというほぼ成功の紙はまだ使いやすいけれど、乾かした後で剥がすのに失敗して大きな穴が開いた紙は、わたしがもうちょっとナイフを上手に使えるようにならないと、使える部分だけを切りだすのが意外と難しい。刃が細くて小さいカッターみたいに扱いやすくて鋭い切れ味の刃物が欲しい。
 雖然說所謂只是根據在張貼的時候大體上成功的紙張還算容易使用,但在乾燥之後剝下時失敗而破了大洞的紙張,我不變得再稍微擅長使用小刀的話,要只將使用的部分切下來意外地很難。想要刀刃又細又小好像美工刀一樣處理容易刀鋒銳利的刀具。

 そんな紙で本を作るためには、じっくりと向かい合う時間が必要だと思う。今年の冬はとても充実した時間が持てそうだ。
 為了用那種紙張製做書本,我認為需要有仔細地面對面的時間。今年的冬天似乎擁有非常充實的時間。

 ……あ! そういえば、本はないけど、ベンノさんの板があったね。
 ……啊! 這麼說來,雖然沒有說本,但有班諾先生的板子呢。

 熱を出す前に「帰ったら目を通しておけ」とベンノに言われた板があることを思い出した。ベッドで寝転がったまま、これを読むくらいなら大丈夫だろう。
 回想起在發燒之前有被班諾先生說了「回去之後要先瀏覽」的板子。仍舊是在床上側躺,如果是看這個不要緊的吧。

 わたしはもそりと起き上がって、自分の服が入っている木箱の蓋を開けると、A4サイズくらいの大きめの板をトートバッグの中から取り出した。
 我慢吞吞地爬了起來,打開放入了自己的衣服的木箱的蓋子後,把A4尺寸左右大小的板子從手提包中拿了出來。
 ごろりとベッドに寝そべったままで読んでいく。
 倒在床上躺著般讀了起來。

「……これ、新人教育の課程表だ」
「……這個,是新人教育的課程表」

 新しく入った見習いに最低限これだけのことを教えると決められた内容がそこに載っていた。書かれている内容を大まかに分けるとだいたいこんなところだ。
 被決定了要教給新入實習最低限度的這些事情的內容在那上面記載著。將被書寫的內容粗略劃分後大致是這樣的要點。

 身なりを整え、挨拶ができること。
 整理服儀,能夠問候。
 基本文字と数字が全部書けること。
 基本文字與數字全部會寫。
 計算機が使えること。
 會使用計算機。
 金勘定がある程度できること。
 能做到某程度的帳務計算。
 取り扱っている商品を覚えること。
 記住正在處理的商品。
 出入りする業者の名前を覚えること。
 記住出入業者的名字。

「うーん、冬の間に二人で勉強できるのは、文字と計算と金勘定かなぁ。下の項目は新人教育の間に、みんなが覚えていくことだから、後回しでもいいと思うんだけど……」
「唔嗯,在冬季期間兩個人可以學習的是,文字跟計算跟帳務計算嗎。下面的項目因為是在新人教育的期間,大家逐步記住的事情,我想推遲也是可以的就是了……」

 独り言を零しながら、わたしは冬の勉強計画を立てていく。
 一邊吐露著自言自語,我一邊逐步建立冬季的學習計劃。

 さて、ルッツは基本文字と数字をどれだけ覚えているだろうか。教えてもらっても、使わなければ忘れるものだ。それを確認して、忘れたところをもう一度教える。
 那麼,路茲把基本文字跟數字記住了多少了呢。就算請教了,沒使用的話也是會忘記的東西。確認那個,把忘掉的地方再教一次。
 例文代わりに、発注書や面会予約票の書き方を教えるのはどうだろうか? 仕事をするようになっても使う単語ばかりだから、覚えておいて損はないだろう。
 代替例句,教導訂貨單或會面預約單的寫法如何呢? 因為盡是就算變得能從事工作也會使用的單字,事先記住也沒有損失的吧。

 ぶっちゃけ、わたしも仕事関係の単語しかあまり知らないんだよね。ここって、辞書ないし、文字を教えてくれたのは、予算のためにわたしを鍛えたかったオットーと商人のベンノとマルクだから、仕事に関する単語は結構覚えたと思う。でも、一般名詞や動詞がわからない。
 坦白說,我除了工作關係的單字以外也都不太知道呢。是說這裡、沒有字典,因而所教導的文字是、為了預算而想鍛鍊我的歐拓跟商人的班諾跟馬爾克,所以我想關於工作的單字記了相當多了。但是,一般名詞或動詞就不知道了。

「計算機の使い方は、足し算と引き算ならわかるけど、掛け算と割り算のやり方はマルクさんにでも聞いてみないとわからないなぁ……」
「計算機的使用方法,如果是加法跟減法雖然知道,但乘法跟除法的算法不試著問馬爾克先生是不知道的呢……」

 石板で筆算すれば計算はできるけれど、わたしも計算機が使えるようにならないとダメだ。見習いの間で悪目立ちしないように、なるべくみんなと同じようにできた方がいい。
 雖然用石板筆算的話是可以計算,但我也變得不能使用計算機是不行的。為了在實習期間不過於突出,盡可能做到跟大家一樣比較好。

「ルッツには小学校の1~3年くらいの算数を教えたいんだけど、教科書も問題集もなしじゃあ、教えるのは大変かもねぇ。優先順位としては、数の数え方と大きい数をお金に換算できるようにするのが一番で、一桁の足し算と引き算を徹底させる。それから、掛け算と割り算の概念だけでも……って、冬の間だけじゃ無理か」
「雖然說想教導路茲小學1~3年級左右的數學,但不論教科書或題庫都沒有,教導說不定會很辛苦呢。作為優先順序,由於為了能做到數數的方法跟將大的數字換算成金錢是最優先的,徹底進行一位數的加法跟減法。然後,即便只有乘法跟除法的概念……的話,只有冬季期間是不可能的嗎」

 さすがに、数字だけに内容を絞るにしても、3年かけてやることを、冬の間に全部やるなんて無理だ。
 畢竟,就算把內容縮小到只有數字,將花費3年要做的事情、在冬季期間全部做到什麼的是不可能的。

 ハァ、と溜息を吐くと、身体の奥で熱がうごめいた気がした。出てこようと圧力をかけてくるような感触に、わたしはこめかみ辺りに力を入れて、歯を食いしばる。
 唉、地嘆了一口氣後,感覺熱在身體深處蠕動著。對像是要出來般施加了壓力的感觸,我在太陽穴周邊加入了力量,咬緊牙根。

 出てくるな、お呼びじゃないの。
 別出來呀,我沒有叫你的。

 きつく蓋をするイメージで押し込めて、ふぅ、と息を吐く。
 以蓋緊的蓋子為印象塞了進去,呼、地呼了一口氣。
 それほど長い時間ではないけれど、身食いの熱と押し合いをしたせいで、お腹が空いてきた。家族が置いて行ってくれたサンドイッチを手にとってバクッと噛みつき、むぐむぐと咀嚼しながら、わたしは身なりと挨拶について考える。
 雖然說並不是那麼長的時間,但由於跟身噬的熱互相擠壓的關係,肚子餓了起來。將家人放了就走的三明治用手大口咬下,一邊細細咀嚼著,我一邊考慮著關於服儀跟問候。

「一番の問題はこれだよ。身なりを整え、挨拶ができること。身なりを整えるってどの程度なのか、商人独特の挨拶や言い回しがあるかどうかは、わたし達じゃわからないもん」
「最大的問題是這個唷。整理服儀、能夠問候。是說整裡服儀要到哪種程度呢,是不是有商人獨特的問候或說法呢,是我們不知道的東西」

 働くための服を買わなければならないのは、ベンノの店や商業ギルドの3階で働く人達を見ていればわかる。
 必須要買為了工作的衣服是,看過了班諾的店或在商業公會3樓工作的人們的話就知道了。
 その服が一体どれくらいの値段なのか、ベンノに確認してみなければならない。
 那件衣服到底是多少的價錢呢,不試著跟班諾確認是不行的。

 あと、挨拶に関しては、わたしも教えてほしい項目だ。ここで頭を下げる挨拶をしないのは知っているが、正しい挨拶の仕方を知らない。初対面の相手には笑顔で誤魔化しているだけだ。
 還有,關於問候,是我也希望教授的項目。雖然在這裡沒有做低頭的問候是知道的,但不知道正確的問候的辦法。對初次見面的對象只能用笑容來蒙混過關。
 でも、ベンノもギルド長も、これといって特徴的な挨拶はしていなかった気がする。
 但是,感覺不論班諾或工會長,都沒有做別有特點的問候。

 ベンノから借りた板を見て、考えているうちにうとうとしていたようで、次に目を覚ました時には家族が帰って来ていて、冬支度部屋に今日作った豚肉の加工品を運びこんでいた。
 看著從班諾那借來的板子,似乎在考慮著的時候打起了瞌睡來了,在下次睜開眼睛的時候家人回來了,將今天製做的豬肉加工品搬進了過冬準備房間裡去。

「おかえり」
「歡迎回來」
「ただいま。起きたのね? 熱はどう?」
「我回來了。起來了呢? 燒怎樣了?」
「……多分、下がった」
「……大概,退了吧」

 起きた時にずいぶんとすっきりしていたので、熱は下がったはずだ。明日は多分様子見のために、一日家の中で過ごすことになるだろうけれど、明後日には動けるようになるだろう。
 由於在起來的時候做得相當順暢,燒應該是退了。雖然說明天大概會為了看情況,而變成一整天都在家裡度過的吧,但在後天變得能動了吧。


 次の日、森に行く予定だったらしいルッツが、籠を背負った出かける格好のままでお見舞いに来てくれた。熱が下がっているのに、ベッドの中でいなければならない日なので、わたしとしてはほんの少しの時間でも話相手ができたことがすごく嬉しい。
 隔天,似乎是預定要去森林的路茲,以仍然揹著籃子出門的模樣來探望了。由於是明明就退燒了,卻必須要在床鋪裡面的日子,對我來說即便是沒多少時間但能作為說話對象也是非常高興的。

「よぉ、マイン。熱が下がったんだって? さっきトゥーリと下で会った時にそう言っていたんだ」
「呦,瑪茵。退燒了嗎? 剛才跟圖麗在下面碰見時那樣說過了」
「うん、昨日の夜に下がったの。今日一日は様子見で、明日は動けそうだよ」
「嗯,昨天夜裡退的。今天一整天要看情況,明天似乎能動了唷」
「そっか。久し振りに熱が長引いたから、心配したぞ」
「是喔。因為久違地燒拖長了,很擔心喔」

 しばらく何日も続く熱を出していなかったので、家族にもルッツにもかなり心配をかけたようだ。
 由於暫時連續好幾天都沒有發燒,不論家人或路茲似乎都相當掛念著。

「マインは今年も豚肉加工に参加できなかったな」
「瑪茵今年也不能參加豬肉加工呢」
「あ~、この季節は仕方ないね」
「啊~,這個季節沒辦法呢」

 肉屋や鳥肉の解体には多少慣れてきたけれど、まだ家族のように「よし、やるぜ。一年に一度の楽しみだ」なんて思えるほど、参加したいとは思えない。熱で寝込んでいる間に終わってラッキーと思ってしまったくらいだ。
 雖然說肉舖或鳥肉的解體多少能習慣,但未能像家人一樣「很好,幹吧。是一年一次的樂趣」之類的那樣想,不認為想去參加。甚至認為在因燒而臥著床的期間結束很幸運。

「わたし、昨日はベンノさんが貸してくれた板を見て、勉強計画を立ててたの。明日はベンノさんのところに行って、この板を返すのと、計算機を買えないか相談したいんだけど」
「我,昨天看了班諾先生出借的板子,建立著學習計劃。明天要去班諾先生的所在,返還這個板子後,想要商量要不要買計算機就是了」
「……そういえば、何の板だったんだ?」
「……這麼說來,是什麼的板子啊?」

 ルッツはベンノに借りた板の存在を思い出したように手を打って、身を乗り出す。完全に話を聞く体勢だ。
 路茲像是回想起了跟班諾借的板子的存在敲了一下手,探出了身子。完全是聽取話題的姿勢。

「見習い教育に関するものだった。ルッツは文字や数字ってどのくらい覚えてる?」
「是關於實習教育的東西。路茲文字跟數字記了多少?」
「教えてもらった分は全部覚えてるけど?」
「雖然請教的份全部記得?」

 当たり前のように小首を傾げながら、ルッツが答えたけれど、まさか全部覚えているとは思っていなかったわたしはぎょぎょっと目を見開いた。
 儘管理所當然似地小小疑惑不解,但雖然路茲回答了,不過沒想到怎麼可能全部記住的我驚嚇似地張大了眼睛。

「え? ホントに!? 普段使わないのに、忘れてないの!?」
「咦? 真的嗎!? 明明平常沒在使用,沒有忘記嗎!?」
「……オレ、そういうの、教えてもらえることって滅多にないから、せっかく覚えたことは忘れたくなくて、地面や壁に指で書いたり、石板を買ってからは石板に練習したりしてる」
「……因為我,並不常,那樣請教著,好不容易記得的事情不想忘記,就用手指在地面或牆壁書寫,或者因為買了石板而在石板上做練習」
「ルッツ、すごい!」
「路茲,好厲害!」

 ルッツは予想以上の努力家だった。いや、教育を受けるのが当たり前、欲しい情報はいくらでも手に入るのが当たり前だったわたしの考え方が甘すぎるのか。
 路茲是超出預期的努力家。不,接受教育是理所當然,想要的情報多少也能得到是理所當然的我的思考太過天真了嗎。
 せっかく覚えたことを忘れたくないなんて思ったことがない。忘れたら、また本を読めばいい。どんな本に書かれていたかを覚えていれば、いつだって欲しい情報は手に入った。全ての内容を暗記する必要なんてなかった。
 不想將好不容易記得的事情忘記什麼的從來沒想過。忘了的話,在讀書就可以了。還記得被寫在哪種書上的話,不論何時想要的情報都能得到。沒有將全部的內容背下來的必要。

「すごくねぇ。大きい数字も全部読めるマインの方がすげぇよ」
「要說厲害呢。大的數字也全部會讀的瑪茵還比較厲害唷」
「じゃあ、大きい数字の読み方を教えるよ。石板取って」
「那麼,來教大的數字的讀法唷。拿石板來」

 一、十、百、千、万……と大きくなっていく単位を教える。百の位までは、市場でも使うので、簡単に読めるけれど、そのあとがわからなかったらしい。
 個、十、百、千、萬……教著逐漸變大的單位。到百位為止,因為在市場上也使用,雖然簡單的能讀,但那之後似乎不知道了。
 わたしが石板を押さえながら、位を数えていくと、ルッツも一緒になって、数え始めた。何度か位の読み方を練習した後、わたしは石板に適当な数字を書き連ねる。
 我一邊壓著石板,一邊逐步算著位數後,路茲也變得一起,開始算著。練習了好記次位數的讀法後,我在石板上連寫起適當的數字。

「さて、問題です。78,946,215なら、どう読むでしょう?」
「那麼,問題。若是78,946,215,要怎麼讀呢?」
「えーと、一、十、百、千、万、十万、百万、千万だから……」
「呃,因為個、十、百、千、萬、十萬、百萬、千萬……」

 かなり真剣な顔で取り組むルッツは、あっという間に千万の位まで読めるようになった。集中力の差か、記憶力の差か、どちらだろうか。予想以上にルッツのスペックが高い。冬の勉強でかなり力を付けそうだ。
 用相當認真的表情致力的路茲,在轉眼間變得能讀到千萬的位數了。是集中力的差別嗎、還是記憶力的差別呢,會是哪邊呢。路茲的規格超出預期的高。在冬季的學習似乎要付出相當的力氣。

 これで頭も良かったら、わたし、ルッツに勝てる要素が全くなくなっちゃうよ?
 就這樣頭腦也很好的話,我,能勝過路茲的要素就全部變不見了唷?

 内心ちょっぴり落ち込んでいると、水を汲んで上がってきたトゥーリがルッツの姿を見つけて、大きな声を上げた。
 內心稍微低落了一點點時,打水上來的圖麗發現了路茲的身影,發出了很大的聲音。

「あれ、ルッツ!? 森に行くんじゃなかったの? みんな、出発しちゃったよ!?」
「怪了,路茲!? 不是要去森林嗎? 大家,都出發了唷!?」
「うわっ! 悪い、マイン。オレ、行くから。教えてくれてありがとうな」
「嗚哇! 不好意思,瑪茵。我,因為要走了。能教我真的謝了呢」

 ルッツが慌てて立ち上がって、走り出す。ルッツの走るスピードなら、門に着くまでにみんなに追いつけるはずだ。
 路茲慌慌張張地站了起來,開始跑著。若是路茲奔跑的速度,在到門之前應該就能追上大家了。


 次の日、家族からも外出の許可が出たので、ベンノに余裕ができる午後からルッツと一緒にベンノの店に向かった。
 隔天,由於來自家人的外出許可也發出了,從班諾能有餘裕的下午開始跟路茲一起轉往班諾的店。
 店は出入りするためのドアが閉ざされて、番人が一人立っているだけだった。
 店為了進出的門被關閉了,值班員只有一個人站立著。

「あれ? まだお昼休みみたい」
「奇怪? 好像還在午休」
「中央広場まで戻って、座って待つか? ずっと立ってるの、辛いだろ?」
「要回到中央廣場,坐著等嗎? 一直站著,很辛苦吧?」
「そうだね。今日は座れるところがあった方がいいかな」
「說得也是呢。今天有坐的地方會不會比較好呢」

 二人で時間潰しの相談をしていると、番人には完全に顔を覚えられていたようで、手招きされた。
 兩個人正商量著打發時間時,似乎完全被值班員記住了臉,招了招手。

「旦那様に通していいか、伺ってくる。ここで少し待っていてくれないか?」
「可以通知給老爺嗎,要去詢問。能不能稍微在這裡等一下呢?」
「ありがとうございます」
「非常感謝您」

 番人が一度店の中に引っ込んで、すぐに出てきて、ドアを大きく開けて通してくれた。
 值班員退進店裡面一次,馬上就出來,將門大大地打開給通行。
 窓の板戸が閉められて薄暗い店の中を門番がスタスタと歩いていき、奥の部屋のドアを開けてくれる。奥の部屋は日がさんさんと差し込んでいるので明るいし、暖炉には赤々と火が燃えているのが見えた。
 門衛在窗戶的木板窗被關了起來的灰暗店頭裡面急急忙忙地走去,將深處的房間的門給打開。深處的房間由於太陽燦爛地照了進去而很明亮,能看見在暖爐上赤紅的火正燃燒著。

「マイン、熱は下がったのか?」
「瑪茵,退燒了嗎?」

 仕事をしていたらしいベンノがインクを置いて立ち上がった。
 似乎在工作著的班諾將墨水放著站了起來。

「はい。この板、返しに来ました。それで、質問があるんですけど、いいですか?」
「是的。這個板子,來返還了。還有,雖然有問題要問,但可以嗎?」
「あぁ、いいぞ。俺からも話があるが、先にお前達の話を聞こう」
「啊,可以喔。因為我也有話要說,但先聽你們的話吧」

 ベンノがいつものテーブルに着くように手で示しながら、質問を促した。
 班諾一邊用手示意能就坐於平常的桌子,一邊催促著提問。

「この板、ありがとうございました。おかげで冬の勉強計画がある程度形になりました」
「這個板子,非常感謝您。託此之福冬季的學習計劃化成了某種程度的形式」
「ほぉ?」
「哦?」
「えーと、読んでいて、疑問に思ったことがあるんです。身なりを整え、挨拶ができることが必要なのはわかるんですけど、身なりを整えるってどの程度なんですか? あと、商人独特の挨拶や言い回しがあるかどうかが、わたし達じゃわからないんです」
「呃,讀過了,對疑問有想過了。雖然明白整理服儀、能夠問候是必要的,但是說整裡服儀要到哪種程度呢? 還有,是不是有商人獨特的問候或說法呢,但我們並不知道」

 あぁ、と言いながら、ベンノがわたしとルッツをじっと見る。
 啊、地一邊說著,班諾一邊直直凝視著我跟路茲。

「とりあえず、お前達は南門に近い平民なのに、薄汚れた印象が全くないから、必要なのは働くための服や靴だけだ。小銀貨10枚ほどあれば、最低限は揃うから、今から金を貯めておけば、夏までには何とかなるだろう」
「總而言之,你們明明是靠近南門的平民,但因為完全沒有髒兮兮的印象,需要的只有為了工作的衣服或鞋子。因為有小銀幣10枚左右的話,就能備齊最低限度,從現在開始事先存錢的話,到了夏天為止總能設法的吧」
「小銀貨10枚……。マインの真似して、貯めててよかった」
「小銀幣10枚……。模仿瑪茵,存了錢太好了」

 ルッツが呆然とした顔で呟く。母が糸を紡いで、服を作るものだったルッツにとっては、小銀貨10枚の服や靴が最低限と言われれば、衝撃だろう。
 路茲用呆滯的表情嘟噥著。對於是母親紡絲、製做衣服的東西的路茲來說,被說了小銀幣10枚的衣服或鞋子是最低限度的話,是很衝擊的吧。
 わたしも衝撃だけど、ここでは服の既製品なんてない。オーダーメイドなら、それくらいはするだろうと思っていた。高いことは高いけれど、春になって、頑張って紙を作れば夏までには貯められる値段だ。
 雖然說我也很衝擊,但在這裡沒有衣服的現成品之類的。如果是訂製的,我認為是會做為那種價錢的吧。雖然說貴的東西很貴,但到了春天,努力製做紙張的話在夏天之前就是能被存到的價錢了。

「それから、マインはともかく、ルッツは言葉遣いだな。丁寧な言葉が使えるようにならないと、今のままじゃ客の前には出せん」
「還有,瑪茵姑且不論,路茲是遣詞用字呢。不能變得能使用禮貌用語的話,像現在這樣是不能出現在客人面前的」

 ベンノの指摘に、グッとルッツが言葉に詰まった。
 對於班諾的指摘,路茲咕地頓時語塞了。
 周囲に使う人がいなければ、丁寧な言葉を習得することは難しい。わたしは今、自分達の周りにいる人の中で、一番ルッツの参考になりそうな人を考えてみる。
 在周圍沒有使用的人的話,要學會禮貌用語是很難的。我現在,在存在於我們自己周遭的人裡面,試著思考似乎最能成為路茲參考的人。

「丁寧語はマルクさんの言葉遣いを参考にするといいよ」
「禮貌用語參考馬爾克先生的遣詞用字就可以了唷」
「……う~、何かむず痒い感じがするんだよな」
「……嗚~,有什麼搔癢難耐的感覺呢」

 いきなり話し言葉を変えようとしたら、まるで自分が自分ではないようで、座りの悪い気持ちになるのは何となく理解できる。
 突然打算要改變所說的話語的話,簡直像是自己都不自己了,變成了坐不住的心情總覺得能夠理解。
 でも、それができるようにならなければ、客の前には立てない。特にベンノの店はこれからどんどん貴族相手に商売を広げていこうとしている店だ。上に上がっていこうとすれば、身なり、言葉、作法を覚えていかなければならない。
 但是,那個要是變得能夠做到的話,就能站在客人面前的。特別班諾的店是打算今後不斷地持續擴大對貴族對象的生意的店。要繼續往上爬的話,就必須要記住服儀、用詞、禮節了。

「大丈夫。やってみればできるよ。ベンノさんだって、普段はこういう喋り方だけど、お客様相手にはきちんとしているんだから、ルッツも相手を見て切り替えられるようになればいいの」
「不要緊。試著去做就能做到唷。因為就連班諾先生,雖然說平常是這種說話方式,但對顧客對象就會規規矩矩地做著,路茲也變得能看對象來切換就好了」

 ギルド長を相手にしても、ベンノが丁寧な言葉を喋っているところなんて見たことはないが、やろうと思えば簡単に切り替えられるはずだ。そうでなければ、商人なんて務まらない。
 就算以公會長為對象,也沒見過班諾說著禮貌用語的地方之類的,但應該是想做就能簡單地被切換的吧。若能那樣,就能擔當什麼商人之類的了。

「別に家族やわたしに丁寧な言葉で喋る必要なんてないんだよ? それに、わたしだって、ルッツに使う言葉とベンノさんやギルド長に使う言葉は別でしょ? 何かむず痒い感じがする?」
「沒必要特意用禮貌用語跟家人或我說話的唷? 而且,就連我,對路茲使用的話語跟對班諾先生或公會長使用的話語是不同的吧? 有什麼搔癢難耐的感覺嗎?」
「……そういえば、そうだな。マインは普通に喋ってるからあまり気にしてなかった」
「……這麼說來,說得也是呢。因為瑪茵普通地說著不怎麼介意」

 さらっと切り替えていると、あまり気にならないものだ。最初は違和感があっても、使っているうちに、すぐに馴染むようになる。
 順暢地切換著的話,就是不太在意的東西了。就算最初會有違和感,在正使用時候,馬上就變得能適應了。

「だから、ルッツも仕事中だけ使う言葉として、マルクさんの言葉遣いを覚えてみたらどう? 最初は、です、とか、ます、を使うところから始めると……いいと思います」
「所以,路茲也作為只在工作中使用的話語,試著記住馬爾克先生的遣詞用字如何? 我想最初,從使用的說、之類、的了,的地方開始……就可以了」

 最後だけ丁寧な言葉に直してみると、ルッツは納得したように頷いた。
 試著只在最後修正禮貌用語後,路茲理解似地點了點頭。

「あぁ、そうするです」
「啊,會那樣做的說」
「違うよ! そうします、って言うの」
「不對唷! 要說,會那樣做的」
「ぶはっ! ははははは!」
「噗哈! 哈哈哈哈哈!」

 わたしとルッツのやり取りを目の前で見ていたベンノが豪快に噴きだして、テーブルを叩きながら笑いだした。目尻に涙を浮かべて、お腹を抱えて、馬鹿笑いしている。
 看著在眼前我跟路茲的交流的班諾豪爽地噴笑了起來,一邊拍著桌子一邊笑了起來。眼角浮出了淚水,抱著肚子,傻笑著。

「ぶふっ、冬の間にどれだけ底上げができるかは知らんが、まぁ、頑張ってみろ」
「噗呼,雖然在冬季期間不知道能提高多少水準,但算了,試著努力吧」

 笑いを堪え切れていないベンノを軽く睨んでみても全く効果はない。絶対にビックリするくらい底上げしてやるんだ、と強い決意と共に拳を握る。
 就算輕輕地盯著完全忍不住笑的班諾也完全沒有效果。絕對要做到宛如嚇了一大跳的提高水準,與那樣堅強的決心一起握了拳。
 それと同時に頼みごとを思い出した。
 與此同時回想起了要拜託的事情。

「あ、そうだ。ベンノさん」
「啊,對了。班諾先生」
「なんだ?」
「怎麼了?」
「底上げのために計算機が欲しいんです。こればかりは練習しないと身に付きませんから」
「想要為了提高水準的計算機。因為光是這樣不做練習是無法養成的」

 マルクなど、頭と指が同時に動いているように計算機が使える。そこまでのレベルには到達できないだろうが、そろばんだって練習が大事だ。
 馬爾克之類,就像腦袋跟手指同時動作般使用著計算機。雖然無法到達到那種等級,但就連算盤練習也是很重要的。

「計算機か……。ウチの店の中古でよければ、大銅貨6枚で売ってもいいぞ? 二人で一つの計算機を使うのでいいのか?」
「計算機嗎……用我家店裡的中古就好了的話,用大銅幣6枚來賣可以嗎? 兩個人使用一個計算機就可以了嗎?」
「はい、お願いします」
「好了,拜託您了」

 ベンノとギルドカードを合わせて、わたしとルッツそれぞれから大銅貨3枚分ずつ引いてもらい、計算機を譲ってもらった。
 跟班諾合起公會卡片,各自從我跟路茲那一個個扣除大銅幣3枚份,收下轉讓的計算機。

「これで計算の勉強ができるね、ルッツ」
「這樣就能做計算的學習了呢,路茲」
「あぁ」
「啊」
「他に聞くことや言うことはないか?」
「沒有其他要問或要說的事情了嗎?」

 ベンノに聞かれて、ハッと思いだした。
 被班諾問了,突然想了起來。

「あ、春までに契約書サイズの簀桁の注文をしなきゃいけないんですけど……」
「啊,在春天之前必須要做契約書尺寸的簀桁的下訂就是了……」
「発注書だけ書いておけ。もうマルクがわかっているから、マルクに行かせる」
「只有訂貨單要先寫。因為馬爾克已經知道了,讓馬爾克去」
「え? でも……」
「哎? 但是……」

 発注は責任を持って自分でやらなければ、どんなトラブルが起こるかわからない、と色々なところに発注に行った時にマルクが言っていた。任せてしまうのはダメだろう。
 訂貨若不是擁有責任的自己去做的話,不知道會發生什麼樣的糾紛,在去各式各樣的地方訂貨的時候馬爾克那樣說過了。委任是不行的吧。

「お前には別件で動いてもらわなきゃいけないからな。ほら、発注書だけ先に書け」
「因為有別件必須要請你們動身的呢。好了,只要先寫訂貨單」

 促されたので、わたしはトートバッグから発注書セットを取り出す。発注書にする木札がもうあと1つしかない。
 因為被催促,我從手提包裡將訂貨單拿了出來。作為訂貨單的木牌已經只有一個了。

「ベンノさん、この発注用の木札がなくなりそうなんですけど……」
「班諾先生,這個訂貨用的木牌似乎要沒了就是了……」
「あぁ、ずいぶん注文したからな。追加を渡しておこう」
「啊,因為相當下訂了呢。要先交付追加」
「わぁ! ついでにインクもそろそろ切れそうなんです」
「哇! 順便墨水也差不多快要用完了」

 発注書を大量に書いたし、試作品を作るにはインクでの試し書きが必須だったので、かなり使った。
 因為書寫了大量的訂貨單,在製做試作品時用墨水試寫是必須的,使用了相當多。
 わたしの言葉に、ベンノがひくっと頬を引きつらせる。
 對於我的話語,班諾抽搐似地讓臉頰痙攣了。

「……金を取りたいところだが、まぁ、いい。初期投資の方に入れておいてやる」
「……雖然是想收錢的地方,但算了,可以。就先算入初期投資裡面吧」

 その言葉でハッとする。オットーは、インクは高いから、子供が使うような物ではないと言っていた。でも、具体的な値段を聞いたことはない。
 因那句話語而突然想起。歐拓說過,因為墨水很貴,不是能給小孩子使用的東西。但是,沒有聽說過具體的價錢。
 おそるおそるわたしはベンノに質問してみた。
 我戰戰兢兢試著跟班諾提問了。

「つかぬ事をお伺いしますが、お金を取られたら、インクって、おいくらですか?」
「雖然是很冒昧地詢問,但要被收錢的話,是說墨水,多少錢呢?」
「だいたい小銀貨4枚だ」
「大致上是小銀幣4枚」
「ぅひっ!?」
「唏!?」

 今のわたしとルッツの貯金をかき集めても買えない!
 就算搜羅現在的我跟路茲的存款都買不起!

「大事に使えよ」
「慎重地使用喔」
「は、はい。もちろんです!」
「是、是的。當然的!」

 自分の本作りのためにインクが欲しいなと思ったけれど、買うのは諦めよう。残っている煤鉛筆を使うのが一番だ。
 雖然說想過為了自己寫書而想要墨水,但買還是放棄吧。使用殘留下來的煤炭筆是最好的。

 ガリガリと発注書を書いていく。もう手慣れたものだ。木のペン先はすぐに丸くなってしまうので、ルッツに削って尖らせてもらい、ベンノに平均的な契約書を出してもらって、メジャーでサイズを測り、簀桁の発注書を書きあげた。
 咯吱咯吱地持續寫著訂貨單。是已經用慣的東西了。因為木頭的筆尖馬上就會變圓,請路茲幫我削尖,請班諾提出平均的契約書,用捲尺測量尺寸,寫完了簀桁的訂貨單。
 ベンノはわたしが書いた発注書を見て、軽く眉を上げる。
 班諾看著我寫好的訂貨單,輕輕揚起眉毛。

「不備も誤字脱字も全くないな。これはマルクに回しておく。……マイン、簀桁ができなくて、紙が作れなくて困るのは俺も同じだ。責任持って作るから、心配そうな顔をするな」
「不完備或錯字漏字都沒有呢。這個先轉給馬爾克。……瑪茵,簀桁無法完成,紙張就不能製做的困擾我也是一樣的。因為是抱持責任去製做,別做出那擔心似的表情」
「よろしくお願いします」
「萬事拜託了」

 ベンノが責任を持つと言ってくれたのだから、安心して待っていよう。わたしはゆっくりと息を吐いて、発注書セットを片付ける。
 因為班諾給說了抱持有責任,所以就放心等待吧。我慢慢地呼了一口氣,收拾著訂貨單組。

「……これでお前達の話は終わりか?」
「……就這樣你們的話題結束了嗎?」
「はい」
「是的」

 わたしが大きく頷くと、ベンノがスッと背筋を伸ばして、表情を引き締めた。商売に関係する話になることを察して、わたしとルッツも姿勢を正す。
 我大大點了頭後,班諾迅速挺直腰背,繃緊了表情。察覺到變成了跟生意有關係的話題,我跟路茲端正了姿勢。

「では、こちらの話をしたい。マイン、お前が教えてくれた髪を洗う液のことだ」
「那麼,想說這邊的話題。瑪茵,是妳所告知的清洗頭髮的液體的事情」
「はい」
「是的」

 簡易ちゃんリンシャンの作り方は、紙の試作品を作っている途中で、鍵の貸し借りの時に教えたはずだ。わたしは契約魔術で完全に権利を放棄しているのに、今更何の話があるのか全くわからない。首を傾げると、ベンノが困ったような顔で口を開いた。
 簡易潤洗劑的作法,在製做著紙張的試作品途中,應該在借貸鑰匙的時候教過了。明明我因為契約魔術而完全放棄了權利,完全不明白事到如今還有什麼話嗎。歪頭不解後,班諾用困擾似的表情開口了。

「お前が使う油はメリルが一番良いと言ったから、この季節まで待っていたんだが……」
「因為妳說過所使用的油是梅利露最好,但雖然等待到了這個季節……」
「あれ? もうそろそろメリルの季節って終わりですよね? まだ作ってなかったんですか?」
「奇怪? 梅利露的季節已經差不多要結束了呢? 還沒製做嗎?」

 ベンノの言葉にわたしとルッツは顔を見合わせた。
 對於班諾的話語我跟路茲互相對看著。
 メリルの季節はもうそろそろ終わりだ。ウチでもメリルはたくさん採って、すでに簡易ちゃんリンシャンになっている。利益を追求するベンノのことだから、もうとっくに作って、大量に売りさばいているものだと思っていた。
 梅利露的季節已經差不多結束了。我家也採摘了很多梅利露,馬上就變成簡易潤洗劑了。因為是追求利益的班諾,我想說已經是早就製做好,大量地推銷著的東西了。

「いや、収穫されたものを集めて、ある工房で作らせているんだが、お前の言った通りに作っても、同じ物にならないという話が先日上がってきていてな。何か思い当たる原因がないか?」
「不,雖然收集了被收穫的東西,讓某工坊製作著,但就算如妳所說地製做了,說著無法變成同樣的東西的話語前幾天呈報了上來呢。有沒有想到是什麼原因嗎?」

 ベンノの言葉に思わず眉を寄せた。基本的に潰して、搾って、香りを付けるだけだ。失敗するような箇所が見当たらない。
 不由得對班諾的話語皺起了眉頭。基本上就只是敲爛、擰絞、加上香味。猜測不到會失敗的地方。
 何度か作るのを手伝ったルッツもわたしと同じように首を傾げる。
 幫忙製做了好幾次的路茲也像是跟我一樣疑惑不解。

「……同じにならないって言われても、あれを作るのって、そんなに難しい過程なんてなかったよな?」
「……就算被說了無法變成一樣的,是說製做那個,沒有那麼難的過程之類的呢?」
「ねぇ?」
「對吧?」

 材料さえあれば、改善案はいくつかあるけれど、あんなに簡単なものを失敗する理由なんてわからない。トゥーリが作っても、ルッツが作っても、ちゃんと同じような物ができた。
 連材料都有的話,雖然有幾個改善方案,但不知道那麼簡單的東西會失敗的理由之類的。就算圖麗來製做,或是路茲來製做,都會好好地做成同樣般的東西。

「本当はお前の姿を出したくなかったのだが、あの液が完成しなければ、契約魔術に反することになる。悪いが一緒に工房まで来てもらっていいか?」
「其實是不想現出妳的身姿的,但那個液體若不完成,就會變成違反契約魔術了。雖然不好意思但可以一起來到工坊嗎?」
「はい」
「好的」

 契約魔術は確か破った罰則がひどく厳しくて、最悪の場合、死ぬこともあったはずだ。我が身可愛さにすぐさま返事をすると、ルッツがわたしの腕をつかんだ。
 契約魔術確實打破的罰則是非常嚴苛的,最壞的情況,應該也有會死的。我自身可愛地立即回答之後,路茲抓住了我的手臂。

「マイン、今日は止めておいた方が良いと思うぞ。熱が下がったばかりで、まだ本調子じゃないだろ?」
「瑪茵,我認為今天要先停止會比較好。因為才剛退燒,還不是正規狀態吧?」

 ルッツの言葉は正しいが、この季節は本調子になれることが少ない。少し油断したら、いつ熱が出てもおかしくない季節だ。熱がないのは元気だと判断しなければ、いつまでたっても行動できない。
 路茲的話語是正確的,但這個季節能成為正規狀態沒多少。是稍微疏忽大意的話,就算何時發燒都不奇怪的季節。沒有燒卻不能判斷為有精神的話,就算經過了多久都不能行動。

「でも、本調子なんていつまで待てばいいかわからないし、ぼんやりしてると雪が降り始めちゃうから、熱がないうちに行った方がいいよ?」
「但是,正規狀態什麼的不知道要等多久才可以,因為迷迷糊糊的話就要開始下雪了,在沒有燒的時候去會比較好唷?」
「それはそうだけど、でもさ……」
「雖然說是那樣沒錯,但是呢……」

 心配するルッツの頭をポンポンとベンノが安心させるように、軽く叩く。
 班諾像是為了能安心而砰砰地輕輕拍著,擔心似的路茲的頭。

「ルッツ、あんまり心配するな。マインは俺が抱えていくから、歩かせることはない。俺があの速度に耐えられんからな」
「路茲,別太過擔心了。因為瑪茵由我來抱,不會讓她走的。因為我忍受不了那個速度呢」
「……それなら、まぁ、大丈夫かな?」
「……那樣的話,也好,不要緊嗎?」

 ルッツがそう言ったことで、わたしはまたベンノに抱えられて、移動することになった。
 因為路茲那樣說了,我再次被班諾抱了,變得能移動了。

 失敗原因って、言われても、今まで失敗なんてしたことないもんね。
 就算被說了、失敗原因,至今沒做過失敗之類的事情呢。
 ちゃんとわかるかなぁ?
 能好好地明白嗎?

======================================================================
 冬の間にすることの準備が大体整いました。
 在冬季期間要做的事情的準備大致就緒了。
 マインにとっての冬支度はこれで終了です。
 對瑪茵來說的過冬準備這樣就結束了。

 次回は、簡易ちゃんリンシャンを作る工房に行きます。
 下回是,前往製做簡易潤洗劑的工坊。
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