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第一部士兵的女兒 悔恨的失誤

作者:SPT草包│2017-02-10 18:57:47│贊助:2│人氣:144
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 痛恨のミス
第一部士兵的女兒 悔恨的失誤
原文連結

 トロンベ以外の材料を使った黒皮の天日干しと同時に、今日は鍋と灰を持って行って、紙にする分の白皮を鐘一つ分くらい煮込む作業をする。
 在與使用了特隆貝以外材料的黑皮的陽光乾燥同時,今天把鍋子跟底灰帶去了,要做把做為紙張份量的白皮燉煮鐘響一次左右的作業。
 鍋と今日使う分の灰だけならそれほど重くないのか、ルッツの足取りは軽い。
 是只有鍋子跟今天份量的底灰的話並不怎麼重嗎,路茲的腳步很輕盈。

 川原まで歩いてから、わたしは背負っていた籠のふちに引っかけるようにして、黒皮を干していく。その間に、ルッツは鍋の準備を始めた。石を組んだ竈に水を入れた鍋を置いてから、薪を拾いに行く。
 走到了河灘之後,我把它掛在揹著的籃子邊緣上,乾燥著黑皮。在那期間,路茲開始準備鍋子。在組合石頭而成的爐灶上放置放了水的鍋子後,去撿拾木柴。

「いいか、マイン。絶対に鍋の側を離れるなよ」
「聽好了,瑪茵。絕對不要離開鍋子的旁邊唷」
「もうわかったって!」
「已經知道了啦!」

 鍋も灰もここではすぐには手に入らない大事な物で、金銭価値がある。それに、ここまで作ってきた白皮も盗られたら困る物なので、わたしみたいな役立たずでも荷物番は絶対に必要なのだ。
 因為鍋子跟底灰在這裡都是不能馬上得到的重要東西,有金錢價值。而且,因為是做到這裡為止的白皮也被偷了的話會很困擾的東西,即便是像我般的廢物顧貨人也是絕對必要的。
 最近ちょっと採集に力を入れ始めて、うろうろとするようになったわたしは、ルッツに何度も釘を刺される羽目になっていた。
 最近稍微開始致力於採集上,而變得轉來轉去的我,成為了被路茲叮囑了好幾次的窘境。

「わかったって言いながら、マインは興味がある物を見つけたら、すぐにふらふら行っちゃうからな」
「因為儘管說了知道了,瑪茵看到有興趣的東西的話,就會馬上搖搖晃晃地走過去呢」
「ルッツが戻ってくるまでここにいるから、早く行ってきて」
「因為直到路茲回來之前都會在這裡,所以快點去吧」

 わたしが森に入り始めた頃、重たいので籠を置いて、奥に入っていこうとしたら、トゥーリとルッツにものすごく怒られた。日本と違って、自分の荷物を置いて、目の届かないところへ行くなんて、絶対にしてはならないことなのだ。
 我開始進入森林的時候,因為很重而放下了籃子,打算進入深處的話,就會被圖麗跟路茲破口大罵。跟日本不一樣,放下自己的行李,去到看不到的地方之類的,是絕對不能做的事情。
 だからこそ、森に向かう子供達はみんな自分が背負える籠や背負子を持って出かけて、自分が持てる分しか採集しない。
 正是如此,往森林的小孩子們是大家自己揹著籃子或拿著揹架出去,只採集自己拿得動的份。

 ルッツが手早く集めてきた木で火を付けると、また薪を拾いに行く。
 路茲俐落地在收集起來的木頭上點火後,再次去撿拾木柴。
 わたしは黒皮が天日に当たるように、影の移動に合わせて籠の位置を時々調節しながら、鍋の様子を見ていた。
 我為了黑皮能曬到陽光,一邊配合影子的移動時不時地調整籃子的位置,一邊看著鍋子的情況。

「沸いてきたか?」
「煮沸了嗎?」
「うん、そろそろいいと思う」
「還沒,我想差不多快了」

 ぐつぐつと沸いてきたお湯に灰と白皮を入れると、かき混ぜる物が必要になった。しかし、そんなものは準備してきていない。
 在咕滋咕滋地沸騰著的熱水中放入底灰跟白皮後,就變得需要攪拌的東西了。但是,那種東西沒有準備起來。

 のあぁぁ、また足りないものを発見しちゃった。
 不要啊,又發現了不夠的東西。

 いかに自分の想像力が貧困なのか、よくわかる結果に落ち込みつつ、何かないかな、と周りを見回す。
 自己的想像力是如何地貧乏啊,一方面陷入顯而易見的結果裡,一方面有沒有什麼呢、地環視著周圍。

「ルッツ、鍋を混ぜるために同じくらい長さの棒を二つ作ってほしいの。木は皮が剥がれて混ざりそうだから、できれば、竹だったら嬉しい。この近くにあったよね?」
「路茲,想要製做兩根為了攪和鍋子且長度相似的棒子。因為木頭皮剝落似乎會搞混,可以的話,是竹子的話會很高興的。這附近有的吧?」
「竹で棒を作るんだな? わかった」
「用竹子做棒子嗎? 知道了」

 ルッツに竹を割って、削って即席で作ってもらった菜箸で、わたしは鍋の中を掻き回す。
 用著請路茲割開、削製竹子即席製作的長筷子,我來回攪動著鍋子裡面。
 竹ひごを作ろうと奮闘したせいか、ルッツの竹細工の腕が上がってるなぁ、なんて感心していたら、ルッツの小さな呟きが聞こえた。
 是跟製做竹篾奮鬥過的關係嗎,路茲竹子工藝的本領上升了呢,之類的欽佩著的話,聽到了路茲的小小嘟噥聲。

「……そんな棒でよく混ぜれるな」
「……真虧妳能用那種棒子攪和呢」
「ぅえっ!? あ、あぁ、うん。器用でしょ?」
「哎!? 啊、啊,嗯。很靈巧對吧?」

 えへっと笑って誤魔化しながらも、背中にぶわっと吹き出す冷汗は止まらない。
 儘管哎嘿地笑著欺瞞著,也止不住在背後鼓起冒出的冷汗。
 和食がないこの世界には当然箸も存在しない。箸を持てる人も、まずいない。鍋を掻き混ぜるために、当たり前のように菜箸を作ってもらったり、握り箸でもなく、普通に箸を持てたりする幼女なんているはずがない。
 在沒有日式料理的這個世界當然也不存在筷子。會拿筷子的人,應該也不存在。做為又是為了攪拌鍋子,而理所當然般拜託製作長筷子,又是也不是握著筷子,而是普通地拿著筷子的小女孩什麼的應該沒有。

 うわぁ、なんかルッツが微妙な顔をしている。
 嗚哇,總覺得路茲呈現著微妙的表情。
 気のせい、気のせい。気のせい、だよね?
 是錯覺、是錯覺。是錯覺、的吧?

 そう自分に言い聞かせながら、鍋を混ぜる。指摘を受けて、突然握り箸に変更する方が怪しい。このまま突き通すしかないけれど、心臓がバクバク言っている。
 一邊那樣對自己說,一邊攪和著鍋子。接受指摘,突然變更為抓著筷子更奇怪。雖然說只能就這樣貫徹到底,但心臟卻怦咚怦咚訴說著。

 ああぁぁぁ、わたしのバカバカ!
 啊啊,蠢翻了我!
 自分から怪しんでって言っているのと同じじゃない!
 這不就跟被自己說是很可疑一樣了嗎!

 なるべく普通の顔を装って、白皮を煮込み続けてからしばらくたつと、微かに鐘が響いてきた。そろそろ時間的にはいいはずだ。
 盡可能裝出普通的表情,因為要繼續燉煮白皮而暫時站著時,微弱地鐘響了起來。在差不多的時間上應該是可以了。

 煮込んだ白皮を川にさらして、灰を流す。それと同時に天日に当てる。天日に当てると皮が白くなるそうだ。この世界の植物にも当てはまるかどうかは知らないが、ひとまず記憶を頼りにやっていくしかない。
 將燉煮好的白皮在河中漂洗,沖走底灰。在與此同時曬著陽光。曬過陽光後的皮似乎會變白。雖然不知道是否也適用於這個世界的植物上,但姑且只能去依靠記憶了。

「このまま、また丸一日置いておくね」
「就這樣,又要先放置一整天呢」
「ん。わかった」
「嗯。知道了」

 綺麗な白い紙を作るために、白皮は川でまたもや丸一日放置だ。ルッツは鍋を洗った後、わたしと交代で採集をする。
 為了製做漂亮的白紙,白皮在河裡又要再次放置一整天。路茲清洗鍋子之後,跟我交換採集去了。
 わたしもちょっとだけ毒物採集の割合が下がった。この調子で覚えていこう。
 我採集毒物的比例也些微下降了。以這個狀態去記住吧。


 次の日は白皮の取り入れが紙に関するメイン作業だ。
 隔天白皮的收穫是關於紙張的主要作業。
 基本的には森で採集をして、帰る時間が近くなってきたら白皮を川から引き揚げる。白皮を持って帰るため、鍋の代わりに家から桶を持って行くが、作業としてはこれだけだ。
 基本上是在森林裡做著採集,變得靠近回家時間的話就將白皮從河裡撈起來。雖然為了把白皮帶回去,而代替鍋子從家裡拿著桶子去,但作為作業就只有這些了。

「明日からは倉庫で作業だからね」
「因為明天開始是在倉庫作業呢」
「そうか。じゃあ、今日の採集はしっかりしておかないとダメだな」
「是喔。那麼,今天的採集不先好好做是不行的呢」

 ルッツに選別してもらった食べられる茸と、ルッツに採ってもらった実り始めたメリヤの実をいくつか、それから、煮詰めてジャムにするためのクランをたっぷり採集した。
 請路茲挑選能吃的蘑菇後,請路茲採摘幾顆開始結果的梅利雅的果實,然後,採集足夠為了能熬製果醬的庫蘭。
 採集途中に何度か味見もした。日本の果物に比べたら、すごく酸味が強いけれど、周囲に甘い物がないのだから、美味しく思えるのだ。
 在採集途中也好幾次試了味道。跟日本的水果相比的話,雖然說酸味非常強烈,但因為周圍沒有甜的東西,所以我認為是很好吃的。


 次の日は森に行かず、倉庫前の井戸の前で作業をする。予定としては数枚分なので、塵取(ちりと)りから紙漉(かみす)きまで一気にやってしまいたい。
 隔天不去森林,在倉庫前的水井前面作業著。由於是做為預定的數張份,想要從塵取到紙漉一口氣做完。

 塵取りは白皮の繊維の中の傷や節を取り除く仕事で、これが紙の美しさを決める。座りこんでできる仕事なので、わたしが担当することにした。
 因為塵取是將白皮的纖維中的傷痕去除的工作,這個決定了紙張的美麗。因為是能坐下來做的工作。我決定擔任了。
 わたしがちまちまと繊維の傷を取っている間に、ルッツはエディルの実の皮を剥いて、潰して、水につけて、トロロ作りをする。
 在我緩慢持續地去掉纖維的傷痕期間,路茲剝著艾迪魯果實的皮、搗爛、加水,製做著黏劑。

「なぁ、マイン。トロロって、こんなもんか?」
「吶,瑪茵。黏劑,是這種東西嗎?」
「……うーん、多分。粘りは出てるから大丈夫だと思うけど、正直よくわからないんだよね。繊維を混ぜる時の粘りで考えてみるよ」
「……嗯、大概吧。雖然我認為黏性出來之後就不要緊了,但老實說不太明白呢。試著以混合了纖維的時候的黏性來考慮看看唷」

 繊維の塵取りが終わったら、繊維をバンバン叩いていく。樫のような堅い角棒で、白皮の繊維が綿のようになるほど叩きまくる。材木屋で買った角材を手で持つ部分だけ削って、手を傷めないように、家から持ち出した雑巾をぐるぐると巻いた角棒で、ルッツがバンバン叩く。
 纖維的塵取結束之後,持續不斷的敲打著纖維。用像是橡樹般的堅硬角棒,將白皮的纖維變得像是棉絮般一個勁地敲打。將在木材行買的角棒只削製手拿的部分,為了不傷到手,用包捲著從家裡帶出來的抹布的角棒,路茲不斷的敲打。
 これはルッツの仕事だ。力のないわたしがやったら、邪魔にしかならない。
 這個是路茲的工作。沒有力量的我來做的話,就只是礙事而已。

 今回は試作品で繊維の量自体が少ないから、時間はそれほどかからなかったけれど、量をこなすようになると、大変だろう。
 因為這次用在試作品上的纖維量本身沒多少,雖然說花不了多少時間,但變得要處理大量時,會很辛苦吧。

 たたきほぐされた繊維をたらいの中に入れ、トロロを加えた後、水を少しずつ入れながら粘りを調節していく。
 將敲散的纖維放入盆子裡面,加入黏劑後,一邊一點一滴地加水一邊調整著黏性。
 本来は馬鍬(ませ)とよばれるクシのような道具でよくかきまぜるのだが、今回は量が少ないので、ルッツに菜箸をもう二組作ってもらって、6本の細い棒でプリンを作る時のように掻き回す。
 雖然本來是用被稱為馬鍬像是梳子般的工具好好攪拌,但因為這次量沒多少,請路茲再做兩組長筷子,用6根細棒子像是製做布丁時一樣來回攪動著。

 ……確か、牛乳パックの再生紙の時に糊を入れた後はこんな感じだった、と思う。
 ……確實,在牛奶盒的再生紙的時候放入糨糊後就是這種感覺了,我那麼想著。

 職人でもないわたしに感覚で調節なんて出来るわけがないけれど、何とか記憶を引っ張り出して、紙が漉けそうな船水(ふなみず)を作った。
 雖然說對並非是工匠的我以感覺來調整什麼的並不是做得到,但得設法引出記憶,製做能抄紙的船水。
この後はいよいよ簀桁(すけた)で紙を漉く作業に入る。
這之後終於進入用簀桁抄紙的作業了。

「ハァ、やっとわかるところにきたよ」
「吓,終於來到知道的地方了唷」

 家庭科の再生紙作りは牛乳パックを煮込んで、つるつるしたポリエチレンの部分を剥がして、ミキサーにかけて、洗濯糊を加えて、漉いて、乾燥させるという簡単手順だった。
 家政科的再生紙製作只是所謂燉煮牛奶盒,剝下光滑的聚乙烯部分,放進果菜機裡,加入洗衣糨糊,抄起,讓它乾燥的簡單順序。
 わたしが経験したことがある紙作りで、和紙と共通するのは、この漉く部分からだ。
 以我有過經驗的造紙,跟和紙共通的是,從這個抄的部分開始。

 やっときた、わたしのターン! うなれ! わたしの経験値!
 終於來了,我的背景音! 鳴響吧! 我的經驗值!

「ホントにわかるのか?」
「真的明白嗎?」

 ビシッと簀桁を構えたわたしにルッツがやや首を傾げて、至極疑わしそうな表情になった。
 路茲對緊握起了簀桁的我微微疑惑歪頭,變成了可疑至極般的表情。,

 そりゃ、確かに、曖昧なところも多いし、実際やってみたら足りない道具も多いけど、それは経験がなかったせいだもん。
 那是,的確,雖然說曖昧的地方也很多,實際試做看看的話不夠的工具也很多,但那是沒有經驗的關係咩。

 全く信用されていないことに少しばかりムッとしながら、わたしは幼女のぽっこりお腹をグッと反らした。
 儘管對完全沒有被信任而略微地不爽,我將小女孩鼓鼓的肚子使勁地廷起。

「まかせて! したことあるから」
「交給我吧! 因為有做過」
「……いつ、どこで?」
「……何時、在哪裡?」

 眉を寄せたルッツの尖った声に、一瞬、心臓が凍った。
 對皺著眉頭的路茲尖銳的聲音,一瞬間,心臟凍結了。

「っ!?……お、おおお、乙女の秘密っ! 探っちゃダメだよ!」
「這!?……這、這這這、這是少女的秘密! 不可以探究唷!」

 ぅわあああああぁぁぁぁ! わたしのバカバカ! 何言っちゃってんの!? ルッツの視線がじとってしてる。こっち見てるよ。ああぁぁぁぁ! 最大級の自爆!?
 哇啊啊啊啊啊! 我這個大笨蛋! 說了些什麼啊!? 路茲的視線正盯著。看著這邊唷。啊啊!最大級的自爆!?

 そんな心の絶叫は愛想笑いで誤魔化しつつ、簀桁を船水に入れていく。指が少し震えているが、見ないふりだ。
 那種內心的尖叫一方面以假面笑容來欺瞞,一方面將簀桁放進船水裡。雖然手指稍微顫抖著,但要假裝看不見。
 簀桁の手前から舟水をくみこみ、簀桁を動かしながら紙を漉く。
 從簀桁的跟前將舟水撈進去,一邊移動著簀桁一邊抄紙。

「なんで、そうやって動かすんだ?」
「為什麼,要那樣移動呢?」
「それはね、動かすことで、均等な厚みの紙になるからだよ。あとは、紙の厚さや種類によって、この作業を数回くり返せばいいの」
「那個呢,因為要用移動,來變成平均厚度的紙張唷。還有,根據紙張的厚度或種類,重複數次這個作業就可以了」
「ふーん、したことあるから、わかるのか?」
「嚄,因為有做過,所以知道嗎?」

 じっと探るようなルッツの目がわたしの表情の変化を見逃すまいと突き刺さってくる。こういう時にどう答えれば誤魔化せるのかわからない。
 直盯著搜尋般的路茲的眼神不放過我的表情的變化地扎了過來。在這種時候回應的話不知道能不能欺瞞住。
 黙って手を動かすか、話題を無理やり逸らせるしか、わたしにはできない。
 沉默地動著手嗎,除了硬生生地岔開話題之外,我都做不到。

「あ、あのね、ルッツ。今回はこの作業の回数を変えて、紙の厚みがどう変わるかも試してみたいと思ってるんだけど、いい?」
「那、那個呢,路茲。雖然說這次我想試著改變這個作業的次數,看看紙張的厚度會如何變化,但可以嗎?」
「……あぁ」
「……啊」

 突然の話題転換に何か思うところがあったのか、手元と顔に何度も行き来するルッツの視線が更に厳しくなったことを感じながら、わたしは紙を漉いていく。
 是對突然的轉換話題有在想著些什麼的地方嗎,一邊感受著好幾次來回於手邊與臉龐的路茲的視線變得更嚴峻,我一邊繼續抄著紙。

 あああぁぁぁ、何か自爆に自爆を重ねてる気分……。
 啊啊啊,這什麼在自爆上重疊自爆的氣氛……。

 漉き終わったら、桁から簀を外し、簀にろかされた紙を紙床に移す。
 抄完了的話,從桁上拿起簀,將過濾到簀上的紙張移到紙床上。

「紙床に移す時は先に重ねてある紙との間に空気が入らないように注意してね。こうやって端から丁寧に重ねるの」
「移到紙床上時首先跟重疊起來的紙張之間為了空氣不會進入而要注意呢。就這樣從末端仔細地重疊著」
「やってみる」
「我試看看」

 ルッツがもう一つの簀を桁に挟んで準備し、紙を漉き始めた。葉書サイズで小さいので、ある程度簀を動かしてやれば、ちゃんと均一になる。
 路茲將另一個簀夾進桁裡準備,開始抄紙。因為是用明信片的尺寸而很小,移動某程度的簀的話,就能好好地變得均一了。
 ほぼ無言で、わたしはルッツと交代で漉いていった。
 近似無語,我跟路茲交替著抄起著。
 数枚の紙ができる分と思って、白皮を準備したのだが、目算は完全に失敗していたようで、最終的に10枚の紙が漉けた。
 雖然我認為能做成數張紙張的份量,而去準備著白皮,但估計似乎完全失敗,在最後抄起了10張的紙張。

 まぁ、多い分にはいいか。
 也好,多的部分是可以的。

「今回は少ないけど、多くても少なくても、一日分の紙を紙床に重ねて丸一日ほど自然に水を切るの」
「雖然這次沒多少,但是不管多還是少,都要將一天份的紙張重疊在紙床上一整天左右自然地瀝乾水分」
「その後はどうするんだ?」
「那之後要怎麼做?」
「ゆっくりと重石で圧力をかけて、さらに水をしぼるんだよ。丸一日重石を置いたままの状態にしておけばいいから。そうしたら、トロロのねばりけが完全になくなるんだって」
「慢慢地用重石施加壓力,更加壓榨出水唷。因為要事先將重石放置一整天的狀態就可以了。那樣的話,黏劑的黏性就會完全消失了」
「へぇ……。よく知ってるな。やったことがあるんだっけ?」
「哦……。真虧妳能知道呢。是有做過嗎?」

 ぅわぁ、ルッツの目が痛い。
 哇,路茲的眼神好痛。
 これは完全にバレたよねぇ。自爆しちゃったってことだよねぇ。
 這下完全暴露了呢。是自爆了的情況呢。
 わたしってホントにバカ。
 我真的是個笨蛋。

 しかし、ルッツは目を細めてわたしを睨んだり、何か考え事をしたりするだけで、決定的な何かを言ってくるわけではなかった。
 但是,路茲只是瞇起了眼睛盯著我,在考慮著什麼,並沒有說出決定性的什麼來。
 これ以上自爆したくはないので、わたしも無駄口を叩かないように淡々と紙作りをする。
 因為這之後不想自爆了,我也不再廢話般地淡淡地造著紙。

 誤魔化すのは、すでに失敗してるだろうし、開き直ってぶっちゃけるのは、あまりにもリスクが高い。
 欺瞞,已經是失敗了吧,將錯就錯地坦白說出,風險未免也太高了。
 紙ができたら、きっと何か言ってくるんだろう、と予測しているけど、ルッツがどの辺りまで気付いていて、何を言ってくるのかわからない。
 紙張完成的話,一定會說出些什麼的吧,雖然那樣預測著,但不知道路茲注意到了哪邊,會說出些什麼。

 対処方法は前に考えたもので、基本的に問題ない。
 因為應對方法是之前考慮過的東西,基本上沒有問題。
 痛いのも嫌だし、怖いのも嫌。そういう展開になりそうなら、身体の奥の熱を解放してさっさと呑みこまれて、消えてしまえばいい。
 疼痛的也很討厭,恐怖的也很討厭。如果快要變成那種展開,就解放身體深處的熱趕快被吞噬下去,消失掉就可以了。

 ここ最近、身体の中の熱の力が強くなってきている気がするから、熱が広がって呑みこまれるまでに、それほど時間はかからないと思う。
 因為這裡最近,感覺到身體裡面的熱的力量變強了起來,我認為到熱擴散被吞噬下去為止,花不了那麼多時間。

 でも、困ったことにあの時と違って、強烈な心残りができてしまった。
 但是,困擾的事情跟那個時候不一樣,強烈的遺憾完成了。
 後は乾かすだけだから失敗しそうな要素はないし、せっかく紙ができるんだから、消える前に本が作りたい。
 因為之後只要曬乾沒有會失敗的要素,因為好不容易紙張完成了,想要在消失之前製做書本。

 本が作れるまで、何とか時間稼ぎできないかな?
 到製做書本為止,能不能設法爭取時間呢?

 時間を稼ぎたい。とりあえず、本を作るまで、何とか猶予を作りたい。そんなことを考えながら、ぎくしゃくとしたまま、作業は続く。
 想要爭取時間。總而言之,到製做書本為止,設法製做延期。一邊考慮那種事情,一邊動作依然生澀著,作業持續著。


 次の日はほとんど会話もないまま、森まで歩いて、黒皮を川につけてきたり、採集したりした。
 隔天依然幾乎沒有對話,走到森林,又是將黑皮泡入河哩,又是採集著。
 帰りに倉庫へ寄って重石を乗せたが、やることはそれほど多くないので、どうしてもルッツの動向が気になって仕方ない。
 雖然回來時往倉庫靠近壓上重石,但因為能做的事情並不多,所以無論如何都會在意路茲的動向是沒辦法的。
 ルッツもちらちらとわたしの様子を伺っているのが視線でわかる。
 路茲也隱隱約約地窺視著我的情況用視線就能明白。

「なぁ……」
「那個……」
「何? どうかした?」
「什麼? 怎麼了嗎?」

 ルッツの呼びかけに思わずビクッと身体が震える。冷静に、何事もなかったように、と思っていても、思った通りに行動なんてできない。
 對路茲的呼喊不由自主地嚇到身體顫抖著。冷靜地,像是什麼事情都沒有,就算那樣想著,但做不到如同所想的行動之類的。
 びくびくしながら、ルッツの言葉を待っていると、ルッツはガシガシと乱暴に金髪を掻きむしった後、口を開きかけて、また閉じた。
 一邊戰戰兢兢,一邊等待著路茲的話語時,路茲激烈粗暴地抓搔著金髮後,打開了嘴巴,又閉上了。

「……何でもねぇ」
「……什麼都沒有」
「そ、そぉ?」
「是、是喔?」

 自分がまいた種なので、どうしようもないことはよくわかっているけれど、このままの状態が続くのも、正直居心地悪い。
 因為是自己種下的種子,雖然說很能明白是沒有辦法的事情,但是照這種狀態持續下去,老實說這種感受很不好。


 次の日、今回は忘れずに板を持って行って、黒皮の外皮を剥がした。
 隔天,這次沒忘記要帶板子去,剝下黑皮的外皮。
 トロンベの皮と違って、ものすごく皮を剥がしにくい。繊維がボロボロになる。これは、別にわたしが不器用だということではなく、ルッツも同じような感じだ。
 跟特隆貝的皮不一樣,非常地難以剝皮。纖維變得破破爛爛。這個,並非是所謂我特別笨拙,路茲也是相同般的感覺。
 トロンベの繊維では良い手応えがあったけれど、この素材で本当に紙ができるのだろうか。
 雖然說用特隆貝的纖維有很好的手感,但是用這個素材真的能完成紙張嗎。

「……素材が違うから、難しいね」
「……因為素材不一樣,很難呢」
「あぁ、そうだな」
「啊,說得也是」

 ボロボロになった繊維が今の自分達の関係のようで、溜息を隠せない。
 變得破破爛爛的纖維就像是現在的我們自己的關係,無法隱藏嘆息。

「これで白皮を乾燥させたら、しばらく保存できるよ」
「就這樣讓白皮乾燥的話,暫時就能保存了唷」
「ん。なぁ……」
「嗯。那個……」
「何?」
「什麼?」
「……いや、今はいいや。紙ができたら言う」
「……不,現在還不到。紙張完成的話再說」

 それだけ言って口を噤んだルッツに、わたしも小さく頷いて、覚悟を決めることにした。
 對只說了那些就三緘其口的路茲,我也小小地點頭,決定下定覺悟。
 わたしがマインではないとルッツは気付いていて、糾弾しようとしている。だって、ルッツはあの自爆から、わたしのことを「マイン」と呼ばなくなった。
 路茲發現了我不是瑪茵跟,正打算要興師問罪。因為,路茲從那場自爆以來,就變得沒稱呼過我「瑪茵」了。

 紙が出来上がったら、一体どんな風に詰られるのだろうか。何と罵られるのだろうか。
 紙張做出來的話,到底會被什麼樣的形式給責備呢。會被怎麼辱罵呢。
 わたしの想像力が逞しすぎるお陰で、だんだん想像の中のルッツの悪口雑言が容赦なくなってきた。自分の想像に心を抉られて、項垂れる。
 託我的想像力太過豐富的福,漸漸地想像裡面的路茲的惡語謾罵變成了無可饒恕。被自己的想像挖空了內心,垂下了頭。

 いくら何でも、ここまで言うなんて、ルッツ、ひどいっ! 妄想でも泣くよ! 泣いちゃうよ!
 不管怎麼樣,都說到這裡了什麼的,路茲,好過分! 即便是妄想也是會哭的唷! 要哭了唷!


 次の日は、倉庫で作業だ。まず、前日に作った白皮をわたしとルッツの籠に引っかけて外に出す。
 隔天,是在倉庫作業。首先,將前天做好的白皮掛到我跟路茲的籃子上拿出去外面。
 次に、プレスし終わったものを紙床から一枚ずつ丁寧に紙を剥がして、板にはり付けていく。
 接下來,將壓制結束的東西從紙床一張張仔細地將紙張剝下來,逐漸貼到板子上。

「本当は刷毛で丁寧に空気を抜くんだけど、これも注文忘れてたね。失敗、失敗。葉書サイズだから、丁寧にやれば、何とかなるでしょ」
「雖然說其實是要用刷子仔細地排除空氣,但是這個也忘記下訂了呢。失敗、失敗。因為是明信片的尺寸,仔細地做的話,總會有辦法的吧」
「……お前、忘れてるもの、多すぎだぞ」
「……妳,忘記的東西,太多了吧」

 じろりとルッツに睨まれたけれど、最近想像上のルッツに罵詈雑言を吐かれ続けているわたしとしては、この程度ではびくともしない。軽く肩を竦めて、受け流す。
 雖然說被路茲凶狠地瞪視著,但是做為最近持續地被想像上的路茲破口大罵的我來說,這種程度無須在意。輕輕地聳聳肩,避開了。

「次に作る時までに、ルッツが忘れずに準備してね。……そんなことより、これを天日で乾かしたら完成だよ。天日にさらすことで白さが増すんだって」
「在直到下次製做的時候,路茲別忘了去準備呢。……比起那種事情,把這個用陽光曬乾的話就完成了唷。因為暴露在陽光下是會增白的」

 ルッツが外に板を持ちだして、日に当たる場所で壁に立てかける。その後、ルッツは井戸で紙床を洗うと、紙が張り付けられた板と並べて干した。
 路茲將板子拿出去外面,在曬得到太陽的地方立在牆上。那之後,路茲用水井清洗紙床後,跟被貼上了紙張的板子並列曬乾。

 よく晴れた青い空の下、白い紙が並んで貼りついている光景はコントラストが美しく、これが本になるのか、と考えただけで満足の息が漏れてくる。
 非常晴朗的藍天之下,白色的紙張並列著張貼起來的景象對比很美,這個能成為書本嗎,只是那樣考慮著就洩露出了滿足的呼吸。

「ふはぁ、紙だ。ちゃんと紙になってる。……ホントにできた」
「呼哈,是紙啊。好好地變成紙張了。……真的做到了」
「おい……」
「喂……」
「夕方までには乾くよ。乾いたら破れないように丁寧に剥がして出来上がりだからね」
「在傍晚之前就會乾唷。因為乾了的話為了不會破掉而要仔細地剝下就做好來了呢」

 紙の出来上がりを目前にして、ほんの少しでもルッツと向き合う時間を先延ばしにしたいと思ったわたしの心境を感じとったのか、ルッツが苛立ちを顔に出した。
 紙張做好就在眼前,是感受到了想著即便些許也要想要延緩跟路茲面對面的時間的我的心境嗎,路茲將不耐煩表現在臉上。

「もう、出来たも同然だろ?」
「好了,這等於是完成了吧?」
「……まぁ、そうだけど……」
「……也對,是那樣沒錯……」
「オレ、紙ができたら、話があるって言ったよな?」
「我說過,紙張完成的話,有話要說的吧?」

 とうとう糾弾の時が来たようだ。
 終於譴責的時刻似乎來到了。
 怒りを露わにするように、ルッツの緑の瞳が強い光を帯びている。
 像是顯露憤怒般,路茲的綠色瞳孔帶著強烈的光芒。
 グッと唇を噛みしめて、何と言われても立っていられるように、わたしは身体中に力を入れて、ルッツと向き合った。
 使勁地咬緊嘴唇,為了就算被說了什麼都還站立著,我在身體裡面灌注力量,跟路茲面對面。

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 紙は完成しそうですが、自爆の連続により、ルッツが嫌でも気付いてしまいました。
 雖然紙張快要完成了,但來自自爆的連續,路茲即使討厭也注意到了。

 次回は、ルッツの糾弾です。
 下回,是路茲的譴責。
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