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第一部士兵的女兒 造紙開始

作者:SPT草包│2017-02-07 18:59:55│贊助:2│人氣:142
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~母
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 紙作り開始
第一部士兵的女兒 造紙開始
原文連結

 今日からいよいよ紙の制作に入ることになった。
 從今天開始終於要進入紙張的製做了。
 わたしの気合は十分だ。ルッツに落ち着けと言われるくらい、興奮している。
 我的氣勢十足。宛如要被路茲說冷靜點般,興奮著。

 本日の作業としては、材木屋で教わったり、ルッツが色々な人から聞いたりして、見当をつけている木を切ること。そして、それを川原で蒸して、川に一度さらした後、黒皮を剥ぐところまで森で終わらせたいと思っている。剥いだ黒皮は倉庫に持ちかえって乾燥させるのだ。
 作為今天的作業,又是在木材行請教、又是路茲從各種人那裡打聽,猜測著要砍的樹木。然後我是認為,將那個在河灘蒸煮,在河裡漂洗一次後,直到剝黑皮為止都想在森林裡結束掉。剝下的黑皮帶回來倉庫讓它乾燥。

 試作品は葉書サイズが作れればいいので、材料もそれほど必要ないと思う。ただ、数時間蒸さなくてならないので、薪はたくさんいる。
 由於試作品是做成明信片尺寸就可以了,我想材料也不怎麼需要。只是,因為不蒸著幾小時是不行的,木柴需要很多。
 森で作業すれば、薪を集めるのはそれほど大変ではないだろうし、なくなる前に拾いに行くことができる。鍋と蒸し器を持っていくルッツは大変だろうけれど。
 在森林作業的話,收集木柴不是那麼辛苦的吧,可以在用完之前去撿拾。帶著鍋子跟蒸籠的路茲會很辛苦吧就是了。

 そのため、朝早くに倉庫の鍵を借りに行って、鍋と蒸し器を取ってきた。森から戻った後も倉庫で作業するので、鍵は借りたままにすることをマルクに伝えてある。
 為此,早上很早就去借倉庫的鑰匙,將鍋子跟蒸籠拿來。因為從森林回來後也要在倉庫作業,有跟馬爾克傳達鑰匙就這樣借走了。
 下準備は完璧だが、今現在、予想外なことになっていた。
 雖然事前準備很完美,但此時現在,發生了預料外的事情。

「ルッツ、大丈夫?」
「路茲,不要緊嗎?」
「……あぁ」
「……啊」

 ルッツはそう返事をするけれど、背負子に鍋と蒸し器をくくりつけた姿は全く大丈夫そうに見えない。今にも潰れそうだ。
 雖然路茲是那樣回答的,但將鍋子跟蒸籠綁上揹架的身影看起來完全不像不要緊。現在也似乎要崩垮了。

 敗因は簡単だ。
 敗因很簡單。
 鍋も蒸し器もルッツが運べる重さで考えていた。これくらいなら大丈夫だとルッツも言っていた。けれど、森まで二つ一緒に運ぶことをルッツが想定していなかった。
 不論鍋子或蒸籠都是以路茲搬得動的重量來考量。路茲也說過如果是那樣就不要緊。但是,路茲沒設想到要將兩個一起搬到森林裡。

「蒸し器だけでも持とうか?」
「即使只有蒸籠也讓我拿吧?」
「マインには無理だ」
「瑪茵是不可能的」
「……わかった」
「……知道了」

 ルッツが無理だという以上、わたしには無理なのだろう。
 路茲說了不可能的那些,對我來說真的不可能嗎。
 わたしにできることは、ルッツを応援することと、頑張りすぎずに森に行くことだ。いつも通り、何人もの子供達と一緒にわたしとルッツも森に向かって歩いていく。
 我能做到的事情是,支援路茲跟,不要太過努力地走去森林。照舊,與幾位的小孩子們一起我跟路茲往森林裡走去。

「ルッツ、何それ?」
「路茲,那是什麼?」
「森で何する気?」
「要在森林做什麼嗎?」

 ルッツが背負う鍋と見慣れない蒸し器に子供達は興味津々だ。
 小孩子們對路茲揹起的鍋子跟陌生的蒸籠興趣盎然。

「鍋と蒸し器で、紙作る」
「用鍋子跟蒸籠,造紙」

 背中の荷物が相当重いのだろう。ルッツの口数が少なくて、答えも簡潔だ。
 背後的行李相當重的吧。路茲的用詞不多,回答也很簡潔。
 不機嫌なように聞こえても、好奇心に彩られた子供達はお構いなしに質問を続ける。
 就算聽起來好像不愉快,被好奇心妝點的小孩子們毫不介意地繼續提問。

「え? 何を作るの?」
「哎? 要做什麼呢?」
「面白いことするんだろ?」
「要做有趣的事情吧?」
「……違う。これができるかどうかで、オレが仕事見習いになれるかどうかが決まるんだ。邪魔しないでくれよ」
「……才不是。因為這個是否能完成,決定了我是否能去實習工作。不要來礙事唷」
「そうか。わかった。頑張れよ、ルッツ」
「這樣啊。知道了。加油唷,路茲」

 いつまでも続くだろうと思っていた質問責めは、ルッツの見習いになるために必要なことだという言葉を聞くと同時に遠ざかっていった。
 正想著會無止盡地持續著吧的提問連發,在跟聽到所謂為了要成為路茲的實習所以是必要的事情同時遠離開來了。

 あっさりと子供達が引いた理由がわからなくて、後からルッツに聞いてみたところ、親からの紹介で仕事先が決まることが多いとはいえ、人気のある仕事先には希望者も殺到する。そうなれば、親が頼む先を変えることもあるが、選抜試験のようなものがあるところもあるらしい。
 不明白小孩子們乾脆地站開的理由,事後試著跟路茲打聽到,雖然說由於來自父母的介紹而決定工作地點的比較多,但受歡迎的工作地點希望者也紛紛來到。變成那樣的話,雖然也有父母改變委託地點,但似乎也有有著好像選拔測試般的東西的地方。

 選抜試験を邪魔するのは、子供達にとって絶対にしてはならないことだそうだ。自分の時に仕返しで邪魔されるかもしれないし、邪魔したという噂が広がれば自分が仕事先を見つけることも難しくなる。
 妨礙選拔測試,似乎對小孩子們來說是絕對不能做的事情。到自己的時候因報復而被妨礙了也說不定,名為妨礙的傳言擴大的話自己找工作地點也會變得很難。

 ほぅほぅ、なるほど。人気がある就職先に人が集まって倍率が上がるのはどこでも一緒なんだね。
 嚄嚄,原來如此。在受歡迎的就職地點人匯集的倍率就會提高是在哪裡都一樣的呢。

 門でオットーに会って「頑張れよ」と激励された。鍋と蒸し器を背負ったルッツを見て、紙作りを開始したことを悟ったのだろう。
 在門遇見歐拓被「加油喔」激勵著。看著揹著鍋子跟蒸籠的路茲,領悟了開始造紙了的吧。

「うん、頑張るよ。あ、父さん。いってくるね」
「嗯,會加油唷。啊,爸爸,我出發了」

 父は最近、わたしがルッツとばかり行動するので少々拗ね気味だが、手を振るとしかめ面とにやけ顔の中間のような複雑な顔で振り返してくれる。ルッツやオットーと仲が良いのが気に入らなくて、でも、娘から手を振ってくれたのが嬉しいという心理状況が良くわかる顔だった。
 爸爸最近,雖然因為我盡是跟路茲在行動而稍微耍脾氣的感覺,但揮手的話還是會用好像皺眉頭的臉跟很得意的臉中間般的複雜表情揮手回來。不是很中意跟路茲或歐拓關係很好,但是,是所謂來自女兒揮手的話會很高興的心理狀況而很能明白的表情。

「くっはぁ、疲れた~。予想以上に重かった」
「咕哈,好累呀~。比預料得還重」

 川の側に鍋と蒸し器を置いて、ルッツが肩をぐるぐる回す。
 將鍋子跟蒸籠放置在河川旁邊,路茲轉動著肩膀。

「お疲れ様、ルッツ。ちょっと休憩する?」
「辛苦了,路茲。要稍微休息一下嗎?」
「いや、蒸し始めたら、鐘一つ分くらいは様子見だろ? その時に休む」
「不了,開始蒸的話,看情況要鐘響一次左右對吧? 那時候再休息」

 そう言いながらもルッツの手は川原で石を積み上げて、鍋を乗せられるような竈を作り始めている。
 一邊那樣說路茲的手一邊也在河灘上堆積著石頭,開始做起要能放上鍋子的爐灶。

 さすが、ルッツ。無駄がない。
 不愧是,路茲。毫不浪費。

 アウトドアの作業に慣れているルッツに対して、前世の記憶まで含めてもインドア万歳で、ほとんど経験がないわたし。役に立たないのは、いつものことですけどね。
 相對於習慣了戶外作業的路茲來說,就算連前世的記憶都包含在內也是室內萬歲,而幾乎沒有經驗的我。派不上用場是,習以為常的事情就是了呢。
 わたしにできるのは近くにある木切れを拾って、ルッツに手渡すくらいだ。
 我能做的是撿拾在附近的碎木,交給路茲這種的。
 ルッツは川の水を鍋に入れて、竈にセットすると、手早く木を組んで、火をつけた。
 路茲將河水放入鍋中,安置在爐灶上後,迅速地組合木頭,點起火。

「オレは木を切ってくるから、マインは休憩を兼ねて、鍋の見張りを頼むな」
「因為我要去砍木頭,就拜託瑪茵順便休息、看守鍋子了」
「休憩はルッツの方が必要でしょ!?」
「休息是路茲比較需要的吧!?」
「紙ができるまでは、お前に体調を崩されたら困るんだ。この周辺で木切れを拾うくらいはいいけど、あんまり動くなよ。それから、何かあったら大声出せ。いいな?」
「到紙張完成前,身體狀況被妳搞垮的話會很傷腦筋的。雖然在這周圍撿拾碎木是很好,別太活動唷。還有,發生什麼的話就大喊出來。可以嗎?」
「……わかった」
 「……知道了」

 ルッツの言うとおりなので、わたしはおとなしく鍋の見張りをすることにした。そうは言っても、沸いてくるまではずいぶん時間がかかりそうだし、暇だ。
 因為就如路茲所說,我決定乖乖地做著鍋子的看守。就算那麼說,到煮沸為止也花了相當的時間,很閒。
 周辺の木切れを拾っては鍋のところへ持っていって、火にくべていく。
 撿拾周圍的碎木帶到鍋子那邊,繼續給火燒。

 近くに木切れがなくなってきたので、少しずつ鍋から遠ざかりながら、木を集めていると、土に半分埋もれたような形で、まるでザクロのような赤い木の実を見つけた。
 因為附近的碎木用完了,一邊一點點地遠離鍋子,一邊收集著木頭時,發現了以半埋在土裡般的形式,簡直像是石榴的紅色樹木的果實。

「あれ? 何だろう? 食べれる? それとも、油でも取れる?」
「那個? 是什麼呢? 能吃嗎? 還是說,也能取油呢?」

 森にあるものは大体が生活に役立つ物と決まっている。さすがにおおよそ一年ほどこの世界で過ごして、わたしの思考も結構こちらに染まってきたようだ。何か見つけたら、とりあえず拾っておくなんて、日本ではしなかった。
 在森林裡的東西大致上必定是對生活有用處的東西。畢竟在這個世界度過了大約一年左右,我的思考似乎也相當地被這裡給薰陶了。發現了什麼的話,總而言之先撿起來什麼的,在日本是不會做的。

「これが何かルッツに聞いてみようっと」
「試著跟路茲打聽這個是什麼吧」

 自分が持っていた木切れで、赤い木の実の周りをざりざりと掘って、赤い木の実を掘り出す。ひょいっと手に取ると、何故か木の実が一気に熱くなってきた。
 用自己拿著的碎木,沙沙地挖著紅色樹木的果實,把紅色樹木的果實挖了出來。輕輕地拿到手上後,不知為什麼樹木的果實一口氣變熱了起來。

 ヤバ! わけがわからない不思議系木の実だったっぽい。
 不好! 是滿滿意義不明的不可思議系樹木的果實。

 どうやら、赤い木の実は料理の時にも時々交じっている不思議食材の仲間だったようだ。正直、何が起こるかわからないし、対処方法もわからない。
 看來,紅色樹木的果實似乎是在料理的時候時常會摻雜近來的不可思議食材的同伴。老實說,不知道會發生什麼,應對方法也不知道。
 慌ててわたしはその木の実を力いっぱい、出来るだけ遠くに放り投げた……つもりだったが、5メートルも飛ばずにポトンと落ちた。
 慌慌張張的我將那個樹木的果實用盡全力,盡可能地拋向遠方……雖然是那麼打算的,但飛不到5公尺就重重地落下了。

 パン! パパパン! と弾けたような音と共に、赤い実が飛び散って、辺りからいきなり何本もの芽がぽこぽこと生え始めた。
 與砰! 砰砰砰! 地炸開似的聲音一起,紅色的果實飛散,從附近突然啵啵地開始生長著幾根的枝芽。
 呆然としている間にも、にょきにょきと足首辺りまで成長してくる。
 在發呆的期間也,一個一個冒出地成長到了腳踝附近。

 何!? 何なの!? このにょきにょっ木!
 什麼!? 什麼呀!? 這個雨後春樹!

 明らかな異常事態に、わたしは泡を食ってその場を逃げ出しながら叫んだ。
 對明顯的異常事態,我一邊逃出吃驚的那個當下一邊大叫著。

「ルッツ! ルッツ! ルッツ~! 何か変なのがぁ!」
「路茲! 路茲! 路茲~! 有什麼奇怪的東西!」
「どうした、マイン!?」
「怎麼了,瑪茵!?」

 近くにいたらしいルッツがザザッと音を立てながら、走り寄ってくる。
 似乎就在附近的路茲一邊發出沙沙的聲音,一邊跑了過來。
 わたしが指差す方を見ると、ルッツは顔色を変えて、ピィ~! と指笛を鳴らして高い音を出した。
 看到我手指指的方向後,路茲臉色大變,嗶~! 地吹起了口哨發出了高音。

「トロンべだ!」
「是特隆貝!」
「何それ?」
「那是什麼?」
「説明は後!」
「晚點說明!」

 そう言いながら、ルッツは鉈をふるって、植物を刈り取り始める。あっという間に膝の高さを越えて自分達の太股辺りの高さに伸びていく植物はどう見ても危険物だった。
 一邊那樣說,路茲一邊揮舞著柴刀,開始割掉植物。轉眼之間越過膝蓋的高度而逐漸增長到我們自己大腿附近的高度的植物不管怎麼看都是危險物品。

「マインは川の向こうにいろ! いいな?」
「瑪茵進入河川的對面! 可以嗎?」
「わ、わかった」
「知、知道了」

 非常事態に話をしている暇などない。わたしはルッツの指示通りに川へ向かって逃げ出した。
 沒有在緊急事態上說話的空閒。我按照路茲的指示往河川逃了出去。
 川へ向かうわたしとは反対に、ルッツの指笛を聞いた子供達が集まってくる。
 跟往河川的我相反,聽到路茲的口哨的小孩子們聚集了過來。

「どうしたの……って、トロンベ!?」
「怎麼了……嗎,特隆貝!?」
「トロンベだ!」
「是特隆貝!」
「すぐに刈れ!」
「馬上割掉!」

 相変わらず理解できないのはわたしだけのようだ。集まってきた子供達は、このにょきにょっ木が何かわかっているようで、ルッツと同じように鉈やナイフを構えて立ち向かっていく。
 依舊無法理解的似乎只有我。聚集起來的小孩子們,似乎知道這個雨後春樹是什麼,就像跟路茲一樣拿好了柴刀或小刀對抗了起來。

 わらわらと子供達が寄ってたかって、にょきにょっ木を刈り取る様子を、わたしは鍋の近くに座りこんで見ることになった。
 我變成在鍋子附近坐了下來看著,四處散亂的小孩子們聚攏了起來,割除雨後春樹的情況。
 相手は植物だし、火があれば燃やせるんじゃないかと思った……というのは建前で、実際はちょっと走っただけで息切れして、ルッツに言われた川の向こうまで行くことができなかっただけだ。
 對手是植物,我認為有火的話不是能燒嗎……是所謂的原則,實際上只是稍微跑一下就氣喘吁吁,光是被路茲說要去到河川的對面都辦不到。

「もう伸びてるのはいないか?」
「已經沒有在增長了吧?」

 わたしが川原でへろへろになっているうちに、にょきにょっ木の刈り取りは終わったようだ。
 我在河灘變得累到不行的時候,雨後春樹的割除似乎結束了。
 子供達は刈り残しがないか、辺りを見回して確認している。
 小孩子們有沒有漏割的呢,環視著附近確認著。

「大丈夫だと思う」
「我認為不要緊了」
「もしかしたら、他にもトロンベが出てくるかもしれないから、気を付けて採集するんだ。何かあったら指笛で呼べよ」
「因為或許,還有其他特隆貝會出現也說不定,要注意採集。發生什麼的話就用口哨呼叫唷」

 子供達がまた採集のために散らばって行って、ルッツがわたしの隣にやってきた。
 小孩子們又為了採集而四散而去,路茲來到了我的隔壁。

「川の向こうに行けって……無理だったか」
「就連去到河川的對面……都辦不到嗎」
「……無理だった」
「……辦不到」

 刈り取りをしたルッツより、わたしの方がぜいぜいとみっともないくらい荒い息を繰り返している。何も知らない人が見たら、最前線で戦っていたように見えるに違いない。
 比起做了割除的路茲,我還比較氣喘如牛地重複著出盡洋相般的急促呼吸。什麼都不知道的人看到的話,肯定是看起來像在最前線戰鬥過般。

「ルッツ、あれ、何?」
「路茲,那個,是什麼?」
「トロンベだよ」
「是特隆貝唷」

 トロンベはものすごく成長が速い木で、伸び始めた時に刈り取らないと、辺りの栄養が一気に吸われてしまうらしい。
 因為特隆貝是非常非常成長迅速的樹木,不在開始增長的時候割掉的話,附近的營養似乎會被一口氣吸光。
 そして、大きくなってしまうと、切り倒すのも大変で、騎士団に依頼しなければならなくなるらしい。
 而且,因為變大了之後,要砍到也很辛苦,似乎會變得不得不拜託騎士團。

 へぇ、騎士団とかあるんだ。さすが異世界。
 哦,也有騎士團啊。不愧是異世界。

「でも、変だな」
「但是,很怪呢」
「何が?」
「是什麼?」

 ルッツが川原の石に座りこんで、息を整えながら、首を傾げる。
 路茲坐到河灘的石頭上,一邊調整呼吸,一邊疑惑不解。

「トロンベが出てくるにはちょっと早い。いつもはもっと秋になってからなんだ」
「特隆貝出來得有點早。因為平常是要到更深秋之後」
「へぇ……」
「哦……」
「成長もすっげぇ速かった。でも、あんまりトロンベの生えた周りの土が荒れてないし……」
「成長也快得厲害。但是,特隆貝生長周圍的土地卻不怎麼荒蕪……」
「ふーん」
「嚄」
「何だよ、マインは変に思わないのか?」
「什麼嗎,瑪茵不認為很怪嗎?」

 ルッツはわたしの反応に不満そうな表情になって、わたしを睨んだ。
 路茲變成了對我的反應不滿般的表情,盯著我。
 しかし、変に思わないのか、と言われても困る。わたしにとっては初めて見るものだから、変に思うも何もない。あのにょきにょっ木の存在自体が変だ。
 可是,就算被說不認為很怪嗎,也很困擾。因為對我來說是第一次看到的東西,就算認為很怪也沒什麼。那個雨後春樹的存在本身就很怪了。

「あんなの、初めて見たんだもん。いつもと違うって言われてもわからないよ」
「那種的,是第一次看過的東西。就算被說跟往常的不一樣也無法理解唷」
「そっか。マインが森に来るようになったのって、春からだもんな」
「對喔。瑪茵變得能來到森林,是從春天開始的呢」

 納得したようにルッツが何度か頷いたのと同じくらいに、ぐつぐつと鍋が沸き始めた音がし始めた。
 宛如跟理解似地路茲點了好幾次頭一樣,咕嚕咕嚕地鍋子開始沸騰的聲音開始了。

「ルッツ、木は?」
「路茲,木頭是?」
「あの辺りに散らばってるはず……」
「應該是分散在那附近……」

 ルッツはトロンベの出た辺りを指差して、がっくりと項垂れた。
 路茲用手指指著特隆被出現的附近,垂頭喪氣地低下頭。
 このお湯が沸くまでに材料になる木を切ってくるはずだったが、トロンベが出たせいで、ルッツはせっかく切った木を放り出してきたらしい。
 雖然這個熱水直到煮沸之前應該是要砍木頭成為材料的,但因為特隆貝出現的關係,路茲似乎將好不容易砍好的木頭扔了出去。

「……ねぇ、ルッツ。せっかくだから、このトロンベで紙を作ってみない? 何かいっぱいあるし、生え始めを刈ったから、繊維も柔らかいだろうし……」
「……我說,路茲。因為很難得,試著用這個特隆貝製做紙張吧? 因為有著滿滿的,是開始生長就割掉的,纖維也很柔軟的吧……」
「そうだな。これから採りに行くのって結構きつい」
「說得也是呢。之後要去採會相當嚴峻吧」

 蒸し器にトロンベを入れて、ルッツに鍋の上へ置いてもらう。しばらくは火が消えないように薪だけ補充すればいい。
 將特隆貝放進蒸籠哩,請路茲放到鍋子上。為了暫時不要熄火而只要補充木柴就可以了。
 わたしが集めていた木切れをちょいちょいと放り込みながら、ルッツが火加減を見る。
 一邊將我收集的碎木逐個投入,路茲一邊看著火侯。

「マイン。悪いけど、火ぃ見ててくれないか? 放り出した木、拾ってくる」
「瑪茵。雖然很不好意思,但能看一下火嗎? 扔出去的木頭,要去撿回來」
「ん、わかった」
「嗯,知道了」

 少し休憩したことで回復したのか、ルッツがトロンベに驚いて放り出した木を拾いに行った。
 是因為稍微休息過而回復了嗎,路茲去撿被特隆貝嚇到而扔出去的木頭。
 火の番を任されたわたしは木切れを握って、火を見つめる。ちょっとだけ火の調節ができるようになってきたけれど、目を離すと様子が変わっていることが多すぎて失敗するのだ。
 被任命為看火人的我握著碎木,凝視著火焰。雖然只是稍微變得能做到火的調整了,但移開目光之後情況就變了的事情太多而失敗了。

 ガスコンロ、便利だったな。今となってはIHや電子レンジなんて魔法の域だよ、ホントに。
 瓦斯爐,很方便呢。如今卻是電磁爐跟微波爐之類的魔法領域了唷,真的。

 トロンベを蒸しながら、ルッツは採集を始めた。夏の終わり、秋に入りつつある森は食べられる物がたくさんあるらしい。
 一邊蒸煮著特隆貝,路茲一邊開始採集。夏天結束、漸漸進入秋天的森林能吃的東西似乎有很多。
 交代で鍋を見ながら、わたしも目につく物を採ってみる。
 因輪流而一邊看著鍋子,我一邊也試著採摘目所能及的東西。

「いっぱい採れたよ、ルッツ。どう?」
「採得滿滿的唷,路茲。怎樣?」
「どれどれ……って、マイン! 全部見せろ! 持って帰れるかどうか確認する!」
「有哪些……呢,瑪茵! 全部給我看! 我要確認是不是能帶回去!」

 わたしの採集物を見て、顔色を変えたルッツに確認してもらうと、採集したうちの3割ほどが毒物だった。
 看了我的採集物,請臉色大變的路茲確認後,採集裡面的3成左右是有毒物。

「これはダメ。食べたら手足がしびれて、3日くらい動けなくなる。これもダメ。食べたら泡吹いて死ぬ。これもダメだ。腹痛で2日は苦しむ。……マイン、お前、ちゃんと覚えないと、病気じゃなくて、毒食って死ぬぞ?」
「這個不行,吃了的話手腳會麻痺,造成3天左右不能動。這個也不行。吃了的話會吹著泡泡死掉。這個也不行啊。會因為肚子痛而痛苦2天。……瑪茵,妳,不好好記住的話,不是生病,而是吃到毒死掉的喔?」

 うん。確かにちゃんと覚えないと死ぬね、わたしだけじゃなくて家族も。
 對。確實不好好記住的話是會死的呢,不只是我家人也是。

 ここで生活する以上、毒物の見分け方は、ただちに覚えなければならない項目に分類される。図鑑も何もないので、現物を見て覚えるしかない。
 既然要在這裡生活,毒物的分辨方法,被分類為必須要立刻記住的項目。因為圖鑑也沒有,只能看到實物來記住。

「頑張って覚えるから、教えてね」
「因為會努力記住的,要教我呢」
「あぁ」
「啊」

 街の方からかすかに鐘の音が聞こえてきたので、蒸し器を外してみた。湯気で顔が熱かったけれど、蒸す時間がこれくらいでいいのかどうか、見ただけではわからない。
 因為從城市的方向微弱地聽到了鐘的聲音,而試著將蒸籠打開。雖然因為熱氣而臉很熱,但蒸煮的時間是否這樣就可以了呢,只是用看的是不知道的。

「大丈夫なのか?」
「不要緊嗎?」
「よくわからないけど、川に入れて、皮を剥いでみるよ」
「雖然不是很明白,但要放到河裡,試著剝下皮唷」

 ざっと川にさらして、熱いうちに皮を剥いでみる。するりと剥がれて、ぶつぶつ切れることもなかった。
 粗略地在河中漂洗,在還熱的時候試著剝下皮。接連不斷地。
 思ったよりやりやすい。これは良い素材を見つけたかもしれない。
 比所想的還容易做。這是發現了好素材也說不定。

「このトロンベって紙の素材に向いてるかも」
「話說這個特隆貝說不定是傾向紙張的素材」
「いつ生えてくるかわからないし、成長前に採れるとは限らないぞ?」
「什麼時候生長出來都不知道,不一定會在成長前被採摘吧?」
「……ぅあ、ダメだね」
「……啊,不行呢」

 今日の様子を思い出して、溜息を吐いた。栽培ができたら、すごくいい素材になるのに残念だ。
 回想起今天的情況,嘆了一口氣。對能栽培的話,就能成為很棒的素材感到可惜。

「なぁ、マイン。今日の作業はここまででいいのか?」
「吶,瑪茵。今天的作業到此為止就可以了嗎?」
「うん。次はこの皮を乾かさなくちゃいけないから」
「對。因為下次必須要曬乾這個皮」
「……ふぅん。じゃあ、オレ、鍋片付けるから、任せていいか?」
「……嚄。那麼,因為我,要整理鍋子,交給妳可以嗎?」

 ルッツは皮むきをわたしに任せて、鍋と蒸し器を川で洗って片付け始める。
 路茲將剝皮交給我,開始將鍋子跟蒸籠用河川來清洗整理。
 座りこんで皮を向く作業は結構楽しく、わたしはご機嫌で皮をむしった。
 坐下來面對皮的作業是相當快樂的,我愉快地剝著皮。

 街に帰る時間になったので、わたしは籠の中に黒皮といくつかの収穫物を入れた。ルッツは気合を入れて鍋と蒸し器を背負う。採集物もあるので、来た時よりも帰りの方が確実に重くなっている。
 因為到了回到城裡的時間,我在籃子裡放入黑皮跟一些收穫物。路茲鼓足幹勁揹起了鍋子跟蒸籠。因為也有採集物,所以比起來的時候回去確實變沉重了。

 ルッツもわたしもよろよろしながら街に戻ると、みんなから離れて倉庫へと向かった。ルッツが鍵を開けて中に荷物を下ろす。
 不論是路茲還是我都一邊腳步踉蹌一邊回到城裡後,從大家那離開轉往倉庫。路茲打開鑰匙在裡面把行李卸下來。

「ぅあぁ、重かった!」
「啊,好重啊!」
「帰りは採集物も増えたからね。わたしがもっと持てたらよかったんだけど……」
「因為回來是採集物增加了呢。不過我能拿得更多就好了……」

 わたしは自分が採った物を運ぶだけで、精一杯だ。ルッツを手伝う余裕なんて露ほどもない。
 因為我只搬運自己採到的東西,就竭盡全力了。顯露不出能幫忙路茲的餘裕什麼的。
 倉庫で座り込んでいると、ルッツは鍋の中に入れてあった黒皮をべろんと取り出して、ぷらぷらと振った。
 在倉庫裡坐了下來之後,路茲將放在鍋子裡面的黑皮軟趴趴地拿出來。上下揮舞著。

「なぁ、マイン。これを干すって、どこにどうやって干すんだ?」
「吶,瑪茵。把這個弄乾,要在哪裡怎麼弄乾啊?」
「え? えーと……どうしよう?」
「哎? 呃……該怎麼辦呢?」

 イメージ的には稲の藁を干すような感じなのだが、余分な棒はない。
 雖然在印象中是像弄乾稻稈般的感覺,但沒有多餘的棒子。
 回りを見回して、使えそうな物を探して、わたしはルッツの肩をポンと叩いた。
 回顧四周,尋找能使用的東西,我砰地敲敲路茲的肩膀。

「ルッツ、お疲れのところ悪いんだけど、この棚板に等間隔で釘を打っていってくれない?わたし、これを干していくから」
「路茲,雖然你已經很累了很不好意思,但是能不能在這個架板上等距離的釘上釘子呢?因為我,要把這個曬乾」
「……仕方ねぇな」
「……真拿妳沒辦法」

 コンコンとルッツが打ちつけた釘にわたしは黒皮を引っ掛けていく。数が多くないからできるけれど、量産するようになったら乾かす場所も必要になる。
 我在路茲叩叩地釘著的釘子上掛上了黑皮。雖然因為數量不多而能做到,變得能量產的話乾燥的地方也變得需要了。

 量産するようになったら、ベンノさんにまた聞いてみよう。今はまだ必要ないよね?
 變得能量產的話,試著再次跟班諾先生打聽看看吧。現在還不需要呢?

「これで黒皮を完全に乾かさないとダメなの。乾いてないとカビが生えちゃうから。明日は森に持って行って、天日干しかな?」
「就這樣不將黑皮完全乾燥是不行的。因為沒乾的話是會發霉的。明天帶去森林裡,看能不能用陽光乾燥」
「じゃあ、明日は皮を持っていくだけで、特に作業は無しでいいんだな? だったら、普通に採集ができそうだな。今のうちに拾わなきゃいけないものも多いから、助かる」
「那麼,明天只要把皮帶去,沒有特別的作業可以嗎? 這樣的話,似乎就能普通地採集了呢。因為今天之內必須要整理的東西很多,所以得救了」
「うん、わたしもいっぱい茸拾って、干し茸作りたい。出汁にするんだ」
「嗯,我也要撿滿滿的蘑菇,想要做乾蘑菇。可以做高湯」
「……マインは、毒キノコを見分けられるようになれ」
「……瑪茵是,要變得能分辨毒蘑菇」

 次の日は森に黒皮を持って行って、籠の縁に引っ掛けるようにして、天日干ししながら、茸を大量に採った。
 隔天帶著黑皮去森林裡,掛在了籃子的邊緣,一邊用陽光曬乾,一邊採摘大量的蘑菇。
 2割が毒キノコだった。
 2成是毒蘑菇。

 おかしい。こんなはずでは……。
 好奇怪。這種應該是……。

 数日間、天日干しして、黒皮を完全に乾燥させた。「完全に乾く」がどの程度かわからなかったので、干し過ぎかなと思うくらい干した。
 幾天裡,用陽光曬乾,將黑皮被完全乾燥。因為不知道「完全乾燥」是怎樣的程度,所以我想乾燥過頭就算乾了。
 かぴかぴになった黒皮を持って、森へと出かける。これから、川に丸一日以上さらすことになるので、天気は大事だ。
 帶著變得乾乾硬硬的黑皮,走出去森林。之後,因為是要在河裡漂洗一整天以上,所以天氣很重要。

 川の中でもあまり目立たない人が近付かない辺りに石を丸く組んで、黒皮が流れていかないようにして、皮をいれる。
 在河川裡也不太醒目且沒人會靠近的附近把石頭組合成圓形,弄成不讓黑皮沖走的樣子,把皮放進去。

「これでいいのか?」
「這樣就可以了嗎?」
「……多分。帰りに一度様子を見てみようね」
「……大概吧。試著回去一次看看情況吧」

 経験がないので、確信は持てないけれど、これで間違っていないはずだ。そう思いながら、川に入っている足元を見つめた。
 由於沒有經驗,雖然不抱有確信,但這樣應該沒有搞錯。一邊那樣想,一邊凝視著進入河裡的腳下。

 ……当たり前だけど、ゴムの長靴も手袋もないんだよね。
 ……雖然是理所當然,但橡膠長靴跟手套都沒有呢。

 今日はまだ暑い日だから川に入っても平気だけれど、これから先の季節は、川に入るのが生死に係わる季節になる。
 雖然因為今天還是很熱的日子進入河裡也沒關係,但不久之後的季節,會變成進入河裡就攸關生死的季節。

「ルッツ、寒くなる前に、トロンベだけじゃなくて、他の木もここまではしておかないとダメかも。川に入れなくなっちゃう」
「路茲,在變冷以前,不要只有特隆貝,其他的木頭也必須要先做到這裡才行。會變得不能進入河裡」
「……確かに。今でも結構冷たいもんな」
「……確實。現在也是相當冷的東西呢」

 ルッツも寒くなってから作業することを考えたのだろう、顔をしかめてわたしの意見に賛成した。
 因為路茲也變冷而考慮了作業的事情吧,贊成著皺著眉頭的我的意見。

「今日のうちに木を切って、粘土の時みたいにどこかに隠しておこうよ。明日は鍋と蒸し器を持ってくるなら、材料の木まで持てないでしょ?」
「在今天之內砍木頭,就像黏土那時先隱藏在哪裡吧。如果明天帶來鍋子跟蒸籠,就連材料的木頭都無法拿了對吧?」
「そうだな」
「說的也是呢」

 その日は紙の材料になりそうな木を探しては切り、種類ごとにまとめて、低木の下に隠していく。
 那一天是尋找好像能成為紙張的材料的木頭並砍下,歸納種類,隱藏到灌木底下。
 採集しながら、時々黒皮の様子を見にいく。石に囲まれた中で漂う黒皮は、川に流れてしまうことなく、水を吸って少し膨らんでいた。
 一邊採集,一邊時不時去看看黑皮的情況。漂浮在被石頭包圍中的黑皮,在河裡沒有被沖走,稍微吸了水而膨脹了起來。

「森を離れるの、心配だけど、大丈夫そうだな」
「離開森林,雖然會擔心,但似乎不要緊呢」
「……うん」
「……嗯」

 後ろ髪を引かれる思いで帰ってからも、放置してきた黒皮の様子が気になって仕方ない。
 因依依不捨的思緒而回去之後,也很在意著放置著的黑皮的情況是沒辦法的。
 いきなりゲリラ豪雨のようなものが上流で降って、増水して、流されていたらどうしよう、とか。山賊が出てきて、お宝を見つけたとばかりに持っていかれたらどうしよう、とか。ぼーっとしていると変な考えがどんどん浮かんでくる。
 突然游擊式的暴雨般的東西在上游降下,水量增加,被沖走的話怎麼辦,之類。山賊出來了,像是發現寶藏而被帶走的話怎麼辦,之類。發著呆的時候奇怪的思考不斷地浮現出來。

 次の日はそわそわしながら、森に向かったけれど、ゲリラ豪雨が降ることも、山賊に目をつけられることもなかったようで、次の日に森へ行った時も黒皮はちゃんとあった。
 雖然隔天一邊心神不寧、一邊往森林去,但似乎降下游擊式暴雨、或被山賊注目都沒有,在隔天去森林的時候也是黑皮好好地在那。

「よかった。なくなってなかったね」
「太好了。沒有變不見呢」
「……で、これをどうするんだ?」
「……是說,這個要怎麼做呢?」

 でろんでろんに水を吸った黒皮を取り上げて、ルッツが首を傾げる。
 將濕濕軟軟且吸了水的黑皮拿了起來,路茲疑惑不解。

「この外皮をナイフで剥いで、内皮の白皮だけにするの。でも、先に昨日の木を蒸し始めよう。蒸している間にすればいいよ」
「用小刀將這個外皮剝下,只要內皮的白皮。但是,要先開始蒸煮昨天的木頭。在蒸煮的時間做就可以了唷」
「わかった」
「知道了」

 前回作った石の竈がまだ残っていたので、多少の補修を加えて、鍋と蒸し器をセットする。
 因為上回做的石灶還留著,所以加上些許的修補,就可以設置鍋子跟蒸籠了。
 それが終わると、鍋も見える川原の大きめの平たい石の上で、わたしとルッツは外皮をナイフで剥ぎ取り始めた。
 那個結束後,在也能看見鍋子的河灘大大平平的石頭上,我跟路茲開始用小刀將外皮剝去。

「これで乾燥させた分はしばらく置いておけるから。温かいうちに白皮作りを終わらせようね」
「因為要就這樣將被乾燥的份先暫時放置。要在溫暖的時候結束製做白皮呢」
「おう」
「喔」

 ガリガリガリ……ギギギギギギ……
 不斷刮來刮去……嘰嘰嘰嘰嘰嘰……

 石の上に黒皮を乗せて、白皮だけになるように表面の黒い皮を剥いでいく。ささみの筋を取るみたいな感じだ。そこまで皮も丈夫じゃないので、ぶつぶつと途切れる。もっと効率の良いやり方や道具があるのだろうけれど、今のわたしにはこれが精一杯だ。
 在石頭上放上黑皮,為了變成只有白皮而將表面的黑皮剝掉。好像去除雞胸肉的筋的感覺。因為到那皮也不結實了,斷斷續續地間斷著。雖然說有效率更好的辦法或工具,但現在的我這樣就竭盡全力了。

 ガリガリガリ……ギギギギギギ……
 不斷刮來刮去……嘰嘰嘰嘰嘰嘰……

「なぁ、マイン。これ、出来なくはないけどさ……」
「吶,瑪茵。這個,雖然不是做不到呢……」
「うん、台が必要だったね」
「嗯,需要檯桌呢」

 ナイフと石が擦れる音が身体中に響く感じで鳥肌が立つのが止まらない。皮を剥ぐ作業をするためには、まな板のような板が欲しいと切実に思う。
 因為小刀跟石頭摩擦的聲音在身體裡面響徹的感覺而不斷起著雞皮疙瘩。為了剝皮作業,迫切地認為想要砧板似的板子。

 頭の中で思い出して、道具を書きだしてみても、実際作業してみると足りないものが結構ある。わかっていたつもりでもわかっていないことが多すぎる。作業する中で、足りない物は少しずつ補充していかなければならない。
 在腦袋中回想起來,就算試著將工具寫起來,試著實際作業後不夠的東西相當多。即便打算知道但不知道的東西太多了。必須要在在作業中,把不夠的東西一點一滴地補充。
 わたしは涙目で皮剥ぎをしながら、止まらない鳥肌に経験の大事さを痛感していた。
 我一邊淚水汪汪地剝著皮,一邊因止不住的雞皮疙瘩而深感經驗的重要。

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 不思議植物のお陰で、紙作りは順調です。
 託不可思議的植物之福,造紙很順利。
 このまま突っ走れたらいいんですけど。
 雖然就這樣狂奔的話就好了。

 次回はマイン痛恨のミスです。
 下回是瑪茵悔恨的失誤。
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