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第一部士兵的女兒 閒話 我的助手

作者:SPT草包│2017-01-06 07:07:23│贊助:0│人氣:156
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 閑話 俺の助手
第一部士兵的女兒 閒話 我的助手
原文連結

 俺はオットー。
 我是歐拓。
 美人で可愛い嫁、コリンナを世界一愛している男だ。
 是世界第一深愛著美女且可愛的新娘子、柯琳娜的男子。

 クリーム色の髪にグレイの瞳。全体的に淡い色彩は清らかで、やんわりとした雰囲気のコリンナによく似合っている。
 奶油色的頭髮上灰色的眼睛。整體上淡淡的色彩顯得清純,跟作為柔和氛圍的柯琳娜非常地合適。
 鼻すじはすっと通っているけど、頬に丸みがあって少し童顔に見られることを気にしているコリンナが可愛い。
 雖然鼻樑高挺,但很在意看起來臉頰圓圓有點娃娃臉的柯琳娜很可愛。
 しょうがない人って言いながら、笑って俺を受け入れてくれるコリンナが愛しい。
 我愛著一邊說著真拿你沒辦法、一邊接受了笑著的我的柯琳娜。
 見ればわかる巨乳で、抱きしめたらふかふかして、いい匂いがするコリンナは最高だ。
 看就知道的巨乳,緊緊抱住的話很是鬆軟,散發香味的柯琳娜是最棒的。

 世界の中心で叫べる。俺のコリンナは世界一!
 在世界的中心呼喊著。我是柯琳娜是世界第一!


 今日は助手であるマインの紹介で、旅商人になりたいなんて言うルッツ少年と会った。現実を優しく叩きつけて、ルッツの夢を粉々に壊してきたところだ。
 今天是因作為助手的瑪茵的介紹,而跟說著什麼想成為旅行商人的路茲少年見面。將現實溫柔地擊碎,把路茲的夢想粉碎破壞掉。

「ただいま、コリンナ。今帰ったよ。ベンノも一緒だ」
「我回來了,柯琳娜。現在回來了唷。班諾也在一起」
「おかえりなさい。……洗礼前の子供を苛めて、よくそんな笑顔で帰ってこられるわね」
「歡迎回家。……欺負洗禮前的小孩子,還能用那種笑容回來呢」
「その唇を尖らせた顔も可愛いな」
「嘟起那個嘴唇的臉也好可愛呢」

 ついつい本音を述べると、コリンナは呆れたように、ハァ、と溜息を吐いた。
 一不小心陳述了內心話後,柯琳娜嚇呆似地,哈、地嘆了一口氣。
 本格的に呆れられたらしいことを悟って、俺は軽く肩を竦めて、弁解する。別に苛めたくて苛めたわけではない。おとぎ話に憧れる子供に現実を教えただけだ。
 體悟到似乎真正的被嚇到了,我輕輕聳聳肩,辯解著。並不是特意想欺負而去欺負的。只是教育憧憬著童話的小孩子現實而已。

「仕方がない。旅商人になってもいいことなんかないからな。確かに希望を粉々に粉砕したけど、その方が彼のためだ」
「沒辦法。因為就算成為了旅行商人也沒有什麼好事呢。雖然確實地將希望給徹底粉碎了,但那可是為了他啊」
「それはそうだけど……」
「雖然是那樣沒錯……」

 コリンナのグレイの瞳が伏せられて、痛々しげに眉が寄せられた。子供とはいえ、他の男のための憂い顔が少しばかり俺の心を波立たせる。
 柯琳娜的灰色瞳孔低了下去,可憐似的皺起了眉頭。雖說是小孩子,為了其他男子憂慮的表情微微地讓我的心掀起了波浪。

「コリンナは優しいな。会ったこともない子供のためにそんなに心を痛めるなんて……」
「柯琳娜真溫柔呢。為了沒見過的小孩子如此地心疼什麼的……」
「邪魔だ、オットー。さっさと中に入ってくれ」
「擋路了,歐拓。快點進去裡面。」

 肩を抱いて、コリンナの頬に口付けようとしたら、後ろからベンノに背中をげしっと蹴られた。
 環抱著肩膀,打算要親吻柯琳娜的臉頰時,被班諾從後面踹了一腳踢著背後。
 慌てたようにコリンナが俺を脇に退けて、ベンノを迎え入れる。
 驚慌失措的柯琳娜推開了我的雙肩,迎接班諾進來。

「いらっしゃい、ベンノ兄さん。……ずいぶん不機嫌そうね。お断りした罪悪感かしら?」
「歡迎,班諾哥哥。……心情好像非常不好呢。是拒絕掉的罪惡感?」

 眉間に深い皺が刻まれ、普段の愛想の良さは欠片も見当たらないベンノを見て、コリンナはそう言ったが、ベンノはルッツをお断りなんてしていないので、もちろん、罪悪感など覚えているはずがない。
 看著在眉間深深地刻下皺紋、平時的和藹可親連渣都找不到了的班諾,柯琳娜那樣說著,但因為班諾沒有拒絕掉路茲,當然,應該不會有罪惡感之類的自覺的。

「コリンナ、違う、違う。商人見習いになりたいと言ったルッツをベンノが怖がらせて追い払おうとしたのに、追い払えなかったばかりか、マインちゃんに突きつけられた条件を呑むことになったんだ。マインちゃんに返り討ちにされたんだよ。不機嫌なのはそのせいだ」
「柯琳娜,不是的、不是的。班諾是打算嚇唬並趕走說想成為實習商人的路茲的說,但不僅沒趕走,還變成了被迫吞下小瑪茵所強推的條件。被小瑪茵給反殺了喔。心情不好是那個原因」
「オットー」
「歐拓」

 低い声でベンノが凄むが、俺は無視してコリンナと家の中に入って行く。
 班諾雖用低沉的聲音威嚇著,但我無視掉跟柯琳娜走進了家裡面。

 子供にしてやられた気分なのだろう。
 是被小孩子算計的心情吧。
 いい気味だ。いつもマインに驚かされている俺の気分をたっぷりと味わうと良い。
 真是痛快。充分地品嘗總是被瑪茵嚇到的我的心境就好了。

 コリンナの腰を抱いて、クリーム色の髪に何度も唇を落としながら、応接室へと向かえば、ベンノに「俺がいない時にやれ」とげんこつを落とされた。
 一邊摟著柯琳娜腰、在奶油色的頭髮上多次落下嘴唇,一邊轉往接待室時,被班諾說「在我不在的時候做」並落下了拳頭。
 夫婦の寛ぎ時間を邪魔するな、と思うが、コリンナの前で言うと、いい加減にして、と怒られるので、我慢する。
 雖然想著、別打擾夫婦的悠閒時光,但因為在柯琳娜的面前說的話,會被生氣的說、你夠了喔,而忍耐著。

 応接室は普段コリンナが客と商談をするための部屋だ。いつ客が来ても大丈夫なように、いつも片付けられている。
 接待室是平時柯琳娜為了跟客人洽談的房間。為了就算客人何時來都不要緊,總是被整裡著。
 部屋の中央に、食堂とは違って丸い形の木のテーブルがあり、椅子が4脚準備されている。服以外に布を使えるのは富の証しなので、この応接室は、ウチの中で一番布が多い。
 在房間的中央,有張跟跟餐廳不一樣的圓形的木桌子,椅子準備了4張。由於把布使用在衣服以外是財富的證明,這個接待室,在我家裡面是最多布的。
 たとえば、右側の壁際には棚があり、コリンナが作る服のパターンがわかるような見本が飾られていたり、左側の壁には残った端切れを縫い合わせたタペストリーがかかっていたりして、色鮮やかだ。
 譬如說,在右邊牆壁旁有個櫃子,裝飾著柯琳娜為了能明白所做衣服的樣式的樣本,又或者在左邊牆壁上掛著將殘留的碎布縫合起來的壁毯,色彩鮮豔。

 用がないので、この応接室に俺が入ることはあまりないが、ここにはコリンナの作品が飾られているので、それを見るだけでも楽しい気分になれる。
 雖說因為沒有用,而我不太進入這間接待室,但由於在這裡裝飾著柯琳娜的作品,即便只是看著那些都會產生快樂的心情。
 椅子の一つに座って、俺は正面に座るベンノにニヤリと笑った。
 做到其中一張椅子上,我對坐在對面的班諾賊賊地笑著。

「いやぁ、あの展開にはビックリしたな。まさか、ベンノが譲歩させられるとは……」
「真是,對那個展開嚇了一跳呢。沒想到,班諾會被迫讓步……」
「え? ベンノ兄さんが? 詳しく聞かせてちょうだい、オットー」
「哎? 班諾哥哥嗎? 請仔細說給我聽,歐拓」

 コリンナがグレイの目を輝かせて、甘えるように話をねだる。可愛い。
 柯琳娜灰色的眼睛閃閃發亮,撒嬌似地央求著故事。真可愛。
 そして、俺の隣の椅子に座った後、少しばかり椅子を俺の方へと寄せてくる。本当に可愛い。
 然後,坐在我隔壁的椅子上後,微微地將椅子往我靠了過來。真的很可愛。

 コリンナがこんな風にねだってくることは滅多にないので、俺は心の中でマインに称賛の拍手を送りながら、軽く今日の流れを話して聞かせた。
 由於柯琳娜像這樣央求很少見,所以我一邊在心中送給瑪茵稱讚的拍手,一邊輕快地將今天的過程說給她聽。


 話を聞き終わったコリンナが目を丸くして、ベンノを見つめる。
 聽完故事的柯琳娜嚇到目瞪口呆,凝視著班諾。

「人と会うためにできるだけ身だしなみを整えて、鐘が鳴るよりずっと早くから広場にいて待っていられるなんて……ベンノ兄さん、最初から完全に負けているじゃない」
「為了跟人見面而盡可能地整理儀容,從比鐘響之前還早很多地待在廣場上什麼的……班諾哥哥,這不是從最初就輸了嗎」
「うるさい」
「吵死了」

 ベンノの機嫌はますます悪くなっていく。コリンナが出したお酒に口をつけても、眉間の皺は緩みもしない。
 班諾的心情變得越來越惡劣起來。就算把嘴巴抵在柯琳娜遞出的酒上,也無法緩解眉間的皺紋。
 最低限の身だしなみを整えることと、お願いした相手より早く待ち合わせ場所で待つことは商人にとっては当たり前のことだ。それができているかどうかで、心構えを見てやろうと思っていたが、ルッツはどちらもクリアしていた。
 最低限度的整理儀容跟,比請願對象還早就在會合地點等待對商人來說是理所當然的事情。雖說想著能否能做到那點,來展現心理準備,但路茲哪邊都過關了。

 多分、マインが誘導したのだろうけれど。
 雖然說,大概是瑪茵誘導的吧。

 広場で二人を見つけた時のマインの反応を考えれば、そうとしか思えない。
 考慮到在廣場發現有兩個人時的瑪茵的反應的話,就只能那麼想了。
 今日の勝者はマインで間違いないだろう。おかげで、ベンノが譲歩する場面を見ることができたわけだ。
 今天的勝利者毫無疑問是瑪茵吧。拜此之賜,因此而能看見班諾讓步的場面。

「いやぁ、マインちゃんのお陰で予想以上に面白い会合だったよ」
「真是,多虧了小瑪茵是出乎意料的有趣會晤喔」
「マインちゃんって、班長さんのお嬢さんでしょ? とても頭が良いって貴方が言っていた」
「小瑪茵是,班長先生的千金對吧? 你說過頭腦非常的好」
「あぁ、そうだよ。でも、俺の助手になって、半年以上がたったが、未だにつかみきれないんだ。どうすれば、こんな子供が育つんだろうと思うくらい変わった子だよ」
「啊,是那樣喔。但是,雖說成為我的助手,已過了半年以上,但還沒辦法掌握啊。是會想要怎麼做,才會成長成這種小孩子呢的怪異小孩喔」

 旅商人として、色々な土地で色々な階級の人間と接してきた俺にはマインの異様さが際立って見える。
 作為旅行商人,在各式各樣的土地上跟各式各樣階級的人接觸過的我明顯地看出瑪茵的異樣。
 そして、それは本日同行したベンノにとっても同じことだったようだ。ベンノも商人として、色々な階級の人間を知っている。俺が浅く広く知っているなら、ベンノは狭く深く知っているのだ。
 而且,那個對今天同行的班諾來說好像也是一樣的東西啊。班諾也是作為商人,認識著各式各樣階級的人。如果我是淺顯而寬廣地熟知著,班諾就是狹隘而深度地熟知著。

「なぁ、オットー。あれは何だ?」
「吶,歐拓。那個是什麼?」
「言っただろう? 俺の助手だ」
「說過了吧? 是我的助手」
「違う。わかってるくせに、誤魔化すな。あれは本当に兵士の娘か?」
「不是。你明明知道的,別敷衍了事。那個真的是士兵的女兒嗎?」
「それは間違いない。けど、俺だって変だと思っている」
「那是毫無疑問的。但是,連我都覺得很怪」
「どういうこと?」
「怎麼說呢?」

 コリンナが不思議そうに首を傾げた。
 柯琳娜不可思議似地歪頭不解著。
 マインのことを頭が良いとか、身体が弱いとか、その日あったことを交えながら話をしたことはあったけれど、変だということは言ったことがない。マインの異常さは実際に見てみないとわからないと思ったからだ。
 雖然一邊參雜著瑪茵的事情如頭腦很好、身體很虛弱、那一天所發生的事一邊談論了起來,但所謂怪並不是說說而已。因為我認為瑪茵的異常不實際見過是不知道的。

「まず、見た目がおかしいんだよ。マインちゃんはいつだって兵士の娘とは思えないくらい小奇麗だ。着ている服自体はその辺りの子供と大差ない。継ぎ接ぎの当たったぼろぼろの服なのに、肌と髪の艶が綺麗過ぎる。班長はそこらの兵士と同じようなおっさんなのに、二人の娘は肌も薄汚れていないし、髪も艶があるんだ」
「首先,外觀就很奇怪了喔。小瑪茵無論何時都不認為是士兵的女兒般的整潔。穿著的衣服本身跟這附近的小孩子沒有差別。明明是縫補得相當破爛的衣服,但肌膚跟頭髮的光澤太漂亮了。明明班長是跟那裡的士兵一樣似的大叔,但兩個女兒肌膚一點都不髒,頭髮也很有光澤啊」
「お母様がお手入れされているんじゃない?」
「不是被媽媽保養的嗎?」

 裕福な商人の娘として育ったコリンナは、貧民の生活を見て知っていても、明確には理解できていない。肌や髪の手入れをするには、時間も金も品物もかかる。貧しいとそんなものにかける余裕などないのだ。
 作為富裕商人的女兒成長的柯琳娜,就算看明白了貧民的生活,但卻無法明確地理解。要做肌膚或頭髮的保養,是要花費時間金錢跟物品的。貧窮是沒有花費在那些東西上面的餘裕的。

「……冬に見たけど、母親が率先して手入れをしているようじゃなかった。班長にはもったいない美人さんだったけど」
「……雖然在冬季見過,但好像並不是母親率先保養的。雖然是配給班長很浪費的美女」

 冬の晴れ間にパルゥを採るため、マインが門に預けられていた。引き取りに来た母親を見たが、特筆するほど小奇麗だった印象はない。
 在冬季的空檔為了採摘葩乳,瑪茵被寄託在了門。看過來領取的母親,沒有值得論述的整潔印象。
 ただ、マインと似た顔立ちで、美人だな、とは思ったのだ。
 只是,跟瑪相似的五官,是會想、是美女呢。

「ふぅん、そうなんだ?」
「嚄,是那樣啊?」

 俺が他の女性を褒めることは滅多にないので、面白がるようにコリンナのグレイの瞳が光る。
 由於我很少誇獎其他女性,像是覺得很有趣的柯琳娜的灰色瞳孔發著光。

「もちろん俺にはコリンナが一番だ。それは絶対に変わらない」
「當然對我來說柯琳娜是最棒的。那是絕對不會改變的」
「はいはい。もういいわ。……それで、マインちゃんは、ベンノ兄さんから見ても変だと思うの?」
「好好。已經夠了。……那麼,小瑪茵,在班諾哥哥看來也覺得很怪嗎?」

 コリンナに話を向けられたベンノは杯を置いて、天井の梁を見上げながら、ゆっくりと息を吐く。
 被柯琳娜轉向話鋒的班諾放下酒杯,一邊仰望天花板的梁柱,一邊慢慢吐了一口氣。

「あぁ。光が浮き上がるように艶のある夜色の髪に、真っ白で汚れがない肌で、労働と生活感を感じさせない手だった。歯も白かったな。全てがボロの服とちぐはぐな印象で、どう考えても不自然だった」
「啊。在光澤有如光芒浮現的夜色頭髮上,對潔白無污的肌膚上,還有感覺不到勞動與生活感的手上。牙齒也很白。全部都跟破爛的衣服毫不相稱的印象,就算怎麼思考都不自然啊」
「光が浮き上がるほど艶がある……ですって!? 何をしたらそうなるの!?」
「是說有著光芒浮現般的……光澤!? 是做了什麼才會變成那樣的!?」
「え? コリンナはそのままでも十分だよ?」
「咦? 柯琳娜那樣就足夠了喔?」
「オットーは黙ってて。ベンノ兄さんに聞いてるの」
「歐拓閉嘴。我是在跟班諾哥哥打聽的」

 女性にとって、髪の艶はかなりの関心事になるようだ。コリンナが裁縫以外でここまで興味を示すのは珍しい。
 作為女性,頭髮的光澤似乎成為了相當關心的事情。柯琳娜表示了至此對裁縫以外的興趣是很罕見的。

「何か付けて手入れしているようだが、何をつけているのか教えてもらえなかったな」
「似乎加了什麼去做保養的,但不肯告訴我加了些什麼」
「秘密って言われたもんな、ベンノ」
「說了是秘密的東西呢,班諾」
「オットーは教えてもらえるの?」
「歐拓去請教呢?」
「……多分、これから先は警戒されて、聞き出せないと思う」
「……大概,這之後會被警戒,我想是打聽不出來的」

 マインの髪の艶の秘密を知りたがるコリンナのために、駄目でもともと、今度会ったらマインに聞いてみよう。
 為了想知道瑪茵頭髮光澤的秘密的柯琳娜,不行也不會怎樣,這一次見面的話試著問問瑪茵吧。

「髪の艶はともかく、手が綺麗なのは、身体が小さくて、腕力がないから、大した手伝いもできないせいだよ。それに、マインちゃんの肌の白さは病弱ですぐに寝込むから、外に出ることがなくて、日に当たることが少ないせいだと思う。実際、外に出るようになったのは、春以降のことだし」
「頭髮的光澤姑且不論,手很漂亮是因為、身體很小、沒有力氣,太大的家務沒辦法做到的關係喔。而且,小瑪茵肌膚的白皙是因為體弱多病馬上就會臥床、無法外出,我想是很少曬太陽的關係。實際上,變得好像能外出了,是春天以後的事情了」
「……そういえば、前回は嬢ちゃんが熱を出したから、会合が流れたんだったな」
「……這麼說來,因為上次小姑娘發燒了,會晤就取消了呢」

 五日も熱が下がらなかったせいで、班長がピリピリして大変だったことを思い出して、俺はうんざりとした表情を隠せないまま頷いた。
 回想起由於五天都沒退燒的關係,班長戰戰兢兢而很辛苦的事情,我毫不隱瞞厭煩的表情點著頭。

「つまり、マインちゃんのそういう外見は病弱なせいでしょ? 変わっていると言うほどでもないんじゃない?」
「也就是說,小瑪茵的那個外表是體弱多病的關係吧? 不是什麼值得一提的異常吧?」

 コリンナは話を聞いて、大したことがないと判断したらしい。興味を失ったように、肩を竦めるコリンナにベンノが首を振った。
 柯琳娜聽完話,似乎做了沒什麼大不了的判斷。班諾對好像失去了興趣、聳聳肩的柯琳娜搖著頭。

「いや、外見だけじゃない。俺が気になったのは姿勢や口調だ。……これは躾をされていないと身につくわけがない。まさか、親が落ちぶれた貴族で躾に厳しいってわけでもないんだろう?」
「不是,不光只是外表。我在意的是姿勢跟語調。……這沒被教育是無法養成的。難道,不會是因為父母是沒落貴族而對教養很嚴格吧?」

 班長の家庭事情について、そこまで詳しいわけではないけれど、マイン以外の家族を見れば、貴族と繋がりがあるかどうかはわかる。
 雖然說關於班長的家庭情況,到那都不算是很詳細,但看過瑪茵以外的家人的話,就能明白是否跟貴族有所連繫了。

「班長にはもう一人娘がいるけれど、そっちは結構普通。髪に艶があって、比較的綺麗な肌をしているけど。それだけ。マインちゃんと違って周りから浮くほどじゃない」
「雖然說班長還有一個女兒,但那個相當普通。雖然頭髮上有光澤,有著比較漂亮的肌膚。僅此而已。跟小瑪茵不一樣不是會從周圍浮現的程度。」

 俺の言葉に軽く頷いたベンノは、コリンナを見据えて言った。
 對我的話語輕輕點頭的班諾,直盯著柯琳娜看說著。

「コリンナ、あの嬢ちゃんの異常さは見た目だけじゃない。俺に睨まれても目を逸らさない胆力、髪の艶については情報を伏せて有利に事を運ぼうとする頭の回転、現物がなくてもハッタリかます度胸、条件つけてくる交渉……どれをとっても洗礼前の子供のものじゃない」
「柯琳娜,那個小姑娘的異常並非只是外觀。就算被我盯著也不會錯開眼神的膽識,關於頭髮的光澤隱瞞情報打算將事情導向有利的腦袋運作,就算沒有實物也會虛張聲勢的膽量,附加條件的談判……哪個都不該是洗禮前的小孩子的作為」
「ベンノ兄さんに睨まれても目を逸らさない子供なんていたの!? その子、変だわ。間違いなく、変よ」
「就算被班諾哥哥盯著也不會錯開眼神的小孩子什麼的存在嗎!? 那個孩子,是很怪。毫無疑問,很怪喔」

 目を見開いて、コリンナが叫んだ。
 張大了眼睛,柯琳娜大叫著。
 威圧的になったベンノは肉食獣のように鋭い目になる。
 造成威壓的班諾化成了肉食動物般的銳利眼神。
 ベンノが長男でコリンナが末っ子で、コリンナが幼い頃に父親を亡くしたことで、ベンノはコリンナの父親代わりでもあった。幼い頃から叱られてきたコリンナは、大人でも目を逸らしたくなるベンノの怖さを嫌というほど知っている。
 班諾是長子柯琳娜是老么,由於柯琳娜在年幼的時候就失去了父親,班諾也代替著柯琳娜的父親。深知從年幼時期就被責備過的柯琳娜,討厭著即便是大人了也會想要別開目光的班諾的恐怖。

「あ~、計算能力に記憶力もすごいぞ。そういえば、石板を与えた時もビックリしたんだ。誰に教えられることもなく、正しく石筆を持って書いていたんだぜ。まるで、書き方を知っているように」
「啊~,在計算能力上記憶力也很厲害喔。這麼說來,給予石板的時候也嚇了一跳啊。沒被人教過,卻能正確地拿著石筆寫了起來喔。就好像,知道寫法一樣」
「貴方がお手本を見せたんじゃないの?」
「不是你示範著的嗎?」

 首を傾げたコリンナが俺の杯が空になったことに気付いて、おかわりを注いでくれる。
 疑惑不解的柯琳娜注意到了我的酒杯變空了,再倒了一杯。
 そりゃあ、見せたけどね、と答えて、俺はコリンナが入れてくれた酒を一口飲んだ。酒で口を湿らせながら、何と言えばいいか、逡巡する。
 那個啊、雖然展示著呢,那樣回答著,我喝了一口柯琳娜裝入的酒。一邊用酒濕潤嘴巴,一邊猶豫著、要怎麼說才好呢。

「見てすぐにすらすら書くのは、そう簡単にできることじゃないって。季節ごとに入ってくる見習い兵士に字を教えているからわかるんだけどさ。石筆の持ち方を教えて、思ったように線を引けるようにならないと、字は書けないんだ」
「是說看過馬上就能流利書寫,不是那麼簡單就能做到的。雖然說因為教授著在每個季節進來的實習士兵文字而能明白的。教導石筆的拿法,不能照所想般拉出線條、就不能寫字了」
「そういえばそうね……」
「這麼說來是那樣呢……」

 コリンナも見習いに物を教えることが多いため、見せれば覚えるのではないことをよく知っているのだろう。
 由於柯琳娜也常常教著實習東西,很明白看過就記得是不可能的吧。

「マインちゃんは計算能力もおかしい。本人は市場で数字を母親に教えてもらったと言っていたけど、数字を教えてもらっただけで計算ができるはずがないだろう?」
「小瑪茵的計算能力也很奇怪。雖然本人說是在市場請母親教了數字,但只是教了數字應該不可能會計算的吧?」
「いや、ウチに来る見習いだって、少しの計算くらいはできる。親がしていれば多少は覚えているものだぜ?」
「不對,就連來我家的實習,多少都能做到些微的計算。父母做過的話多少能記得些東西吧?」

 商人の見習いになるのは基本的に親が商人なので、洗礼式の頃に文字の読み書きや計算が多少できる子供も少なくはない。俺だって、小さい頃から旅商人の親について回っていたので、計算も文字も教えられた。
 由於成為實習商人的基本上父母也是商人,在洗禮式的時候文字的讀寫或計算多少能做到的小孩子不少。就連我,由於從小的時候開始就跟著旅行商人的父母打轉著,計算跟文字都被教過。
 だが、マインができる計算は桁が違う。
 但是,瑪茵完成的計算是相差懸殊的。

「少しなんてもんじゃないんだ。会計報告なんて、南門で使われる備品の数や値段を計算するものだろ? 市場で使われているような小さい数字だけじゃなくて、合計していくとかなり大きな桁の数になる。それを当たり前のように、計算できるんだ。それも、計算機も使わずに、石板に数字を並べて書くだけで」
「不是稍微一點點的東西啊。是計算會計報告之類的、在南門被使用的常備品的數量或價錢的東西的喔? 並非只是在市場上被使用著的小數字,而是總計著相當大位數的數字。就像把那個當理所當然般,計算著啊。而且,也沒有使用計算機,只是在石板上排列書寫著數字」
「……やっぱり助手として活躍してんじゃねぇか。あんな子供に会計報告を手伝わせるなんて」
「……果然不還是作為助手活躍著嗎。讓那樣的小孩子幫忙會計報告什麼的」

 面白がるベンノを軽く睨んで、俺は二人を驚かせるために、誰にも言ったことがないことを告げた。
 輕輕瞪著覺得有趣的班諾,我為了讓兩個人大吃一驚,宣告了沒跟任何人說過的事情。

「ここだけの話だけどさ、書類仕事は七割方、任せられる」
「雖然是只在這裡的談話,文書工作有七成、都委託給她了」
「……はぁ!?」
「……吓!?」
「……七割って、貴方……」
「……七成,你……」

 予想以上に驚いてくれたようだ。目を見開いて一瞬固まった顔がよく似ていて、思わず笑ってしまう。
 似乎對超出預期而受到了驚嚇。張大了眼睛一瞬間僵住的表情很相似,不由得笑了起來。

「まだ覚えている単語数が少なくて、それだからな。末恐ろしいぞ。俺の留守中に、貴族の紹介状に対して完璧な対応をしてのけたんだ」
「記住的單字數量還沒多少,所以。前途可觀啊。在我不在時,對於貴族的介紹信做了完美的應對而排除了」

 アレには驚いた。
 對那個吃驚了。
 溺愛している娘の洗礼式の日に会議があって、そわそわうずうずいらいらしている班長にやきもきしながら会議を終えると、マインから報告を受けた。下級貴族の紹介状を持った商人が待っている、と。
 在溺愛著的女兒的洗禮式之日裡有會議,一邊對心神不寧坐立不安心煩氣躁的班長焦距不安一邊結束會議後,接受來自瑪茵的報告。說是,帶著下級貴族的介紹信的商人在等著。

 本来、貴族から貴族へ紹介されている客は、確認が取れ次第、できるだけ速く城壁へと行けるよう便宜を図ることになっている。客が平民でも下級貴族のように扱うのだ。
 本來,從貴族被介紹給貴族的客人,需要即刻確認,謀求為了盡快往城牆去的方便。客人就算是平民也要像下級貴族般對待。
 その日はたまたま上級貴族によって招集された会議だった。どちらを優先するかと言われれば、当然上級貴族だ。
 那一天是偶然由上級貴族所召集的會議。要說優先的該是哪一邊的話,當然是上級貴族。
 しかし、対応を誤ると客が「無礼だ!」と怒りだしたり、下級貴族の紹介状を盾に高圧的に振る舞ったり、会議に押し掛けてきて上級貴族の怒りを買ったり、とんでもないことになる。
 但是,弄錯對應會被客人說「沒有禮貌!」而生氣起來,或者將下級貴族的介紹信當盾強行霸道了起來,又或是招致蜂擁而至前來會議的上級貴族的憤怒,造成豈有此理的事情。

 そんな中、マインは貴族ではない商人に下級貴族用の待合室を使うことで商人の自尊心をくすぐり、上級貴族が招集した会議だと説明することで納得させた。そして、会議終了すぐに報告してもらったことで、士長と行き違いにもならず、速やかに処理することができた。
 那裡面,瑪茵對不是貴族的商人使用了下級貴族用的接待室迎合了商人的自尊心,說明了上級貴族所召集的會議而讓他明瞭。然後,由於會議結束馬上就報告,不會跟士長錯過,能夠迅速地處理。
 ついでに、右往左往する新人兵士に子供から教えてもらうようでは駄目だと奮起させることができたのだ。完璧だ。
 順便說下,對四處亂跑的新人士兵被小孩子給教了是不行的而振奮了起來,真是完美。

「すごい子、なのね?」
「很厲害的小孩,不是嗎?」
「すごいというか……異常。おかしい。でも、多分、父親であるギュンター班長はマインの特異性に気付いていないと思う。班長の接し方を見れば、病弱で可愛い娘に対するものでしかないんだ。俺が助手にしたいと言わなかったら、優秀さにも気付いていなかったんじゃないかな? 今も「ウチの子、賢い」レベルで、異常なほど賢いことはよくわかっていないと思う」
「該說很厲害嗎……還是異常。很奇怪,但是,大概,我想作為父親的君泰班長根本沒發覺瑪茵的特異性,看過班長的接觸方法的話,就只是對於因體弱多病又可愛的女兒的方法啊。我沒說想做助手的話,搞不好根本沒注意到很優秀呢? 現在也是「我家的小孩、真聰明」的等級,我想不是很明白異常聰明的程度」
「鈍い親でよかったじゃねぇか。気味悪がって捨てられてもおかしくないぞ」
「不是因為是遲鈍的父母真是太好了嗎。就算因很噁心而被丟掉也不奇怪喔」

 ベンノの言葉にコリンナが悲しげに眉を寄せる。
 柯琳娜對班諾的話語悲傷地皺起了眉頭。

「そんなこと、冗談でも言わないで。想像もしたくないわ」
「那種事情,就算是開玩笑也不要說。也不想去想像」
「大丈夫だよ、コリンナ。たとえ、親が気味悪がって捨てたとしても、ベンノが拾ってくれるさ。マインちゃんはベンノを返り討ちにできるくらい優秀なんだから」
「不要緊喔,柯琳娜。即使,就算父母打算因很噁心而丟掉,班諾也會去撿起來的。因為小瑪茵是能夠反殺班諾般的優秀」

 俺が笑ってそう言うと、コリンナがくすりと笑った。
 我笑著那樣說後,柯琳娜止不住地笑了起來。
 うん、コリンナはやっぱり笑っている方が可愛い。
 嗯,柯琳娜果然還是笑起來可愛。

「なぁ、あの嬢ちゃんは本当に作ってくると思うか?」
「吶,你認為那個小姑娘真的做得出來?」

 ベンノが指先でテーブルをトントンと軽く叩きながら、俺を見据える。赤褐色の目が先を読もうとする商人の目になっていた。
 班諾一邊用指尖咚咚地輕輕敲著桌子,一邊直盯著我。紅褐色的眼睛變成了打算判讀未來的商人的眼睛。

「羊皮紙じゃない紙、だっけ? 確実にやるさ」
「是說,不是羊皮紙的紙嗎? 確實會去做的」
「ずいぶんと信頼してるんだな?」
「相當地信賴著呢?」
「ん~……今すぐにでも欲しくて、作りたいけど、自分では力がなくてできないって言ってたのが、それじゃないかな? 自分でできないなら、他の奴にやらせろって、俺がこの間焚きつけた。ルッツがマインちゃんの要求通りの手足になれたら、完成するさ」
「嗯~……有說過即使現在馬上就想要,雖然想要製作,但自己沒有力量而做不到,是不是那個呢? 如果自己做不到,就讓其他傢伙去做,我最近煽動了。路茲成為如同小瑪茵所要求的手腳的話,就能完成了」

 力も体力もない、と悔しそうに言っていたが、それはつまり、作り方はわかっているということだ。
 不甘心似地說著、力量跟體力都沒有,那也就是說,表明了是知道作法的。
 マインは勝算があるからこそ、現物を作ると言ったんだと思う。多分、ハッタリではない。
 我認為瑪茵正是因為有著勝算,才會說要製作實物。大概,不是虛張聲勢。

「……実現したら市場がひっくり返るぞ。あの嬢ちゃん、どう扱うかな?」
「……實現的話市場會顛覆的。那個小姑娘,該怎麼處理呢?」
「もしかして、マインちゃんを抱え込む気か?」
「難道,是打算雇用小瑪茵嗎?」

 ベンノの言葉から、ルッツだけではなくマインまで見習いとして抱え込むつもりだと推測して問いかけると、くわっとベンノが目を見開いた。
 從班諾的話中,推測不是只有路茲就連瑪茵也打算做為實習來雇用而詢問後,猛然地班諾張大了眼睛。

「当たり前だ! あんなもの、余所にやれるか!? あの嬢ちゃん一人だけで一体どれだけの商品が作れる? あのカンザシ、髪の艶を出す物、羊皮紙じゃない紙……俺が今日知ったのはこれだけだが、絶対に色々隠し持っている。市場をひっくり返す災害になる」
「理所當然的啊! 那種東西,別處做得到嗎!? 光那個小姑娘一個人到底能做出多少商品? 那個法占、出現頭髮光澤的東西、不是羊皮紙的紙……我今天知道的就這些,但絕對擁有著各式各樣所隱藏著的。會成為顛覆市場的災害」
「ちょっと待て! アレは俺の助手だ。勝手に連れていくなよ」
「稍等一下! 那個是我的助手啊。不要隨便帶走喔」

 ベンノの主張に間違いはないだろうが、反論はある。
 雖然班諾的主張並沒有搞錯,但有反駁。
 マインは俺が半年かけて、決算時期のために育ててきた貴重な戦力だ。横から掻っ攫われるのを黙って見ているわけにはいかない。
 瑪茵是我花了半年,為了結算時期所培育起來的寶貴戰力啊。不可能默默看著被行刀奪愛。
 しかし、ベンノは鼻でフンと笑って、唇の端を釣り上げる。
 但是,班諾用鼻子哼地笑了,上揚起唇邊。

「本人の第二希望が商人だ。助手に興味はないってよ。半年仕込んだだけだろ? 他を当たれ」
「本人的第二希望是商人啊。對助手沒有興趣喔。只是教養了半年對吧? 讓其他的去做」
「半年であれだけ使えるようになるヤツが他にいるわけないだろ! マインちゃんが考えて、ルッツが作るなら、マインちゃんは門で仕事していても問題ないじゃないか!」
「只要半年就變能得使用的傢伙不會有其他的了吧! 如果小瑪茵來思考、路茲去做,小瑪茵就算在門工作不是也不會有問題嗎!」

 特に決算時期だけは譲れない。力一杯睨んだが、ベンノも全く譲ろうとしない。
 特別是只有結算時期不會退讓的,拚盡全力瞪視著,但班諾也完全沒要退讓。
 杯を置いて、グッと身を乗り出してくる。
 放下酒杯,使勁挺起了身體。

「駄目だ! 商業ギルドと契約させる。他に取られるような危険は冒せない」
「不可以! 要讓她跟商業公會訂下契約。不能冒著被其他人拿走般的危險」
「マインちゃんの体力を考えると、商業ギルドは無理だ!」
「考慮到小瑪茵的體力的話,商業公會是不可能的!」
「体力?」
「體力?」

 ベンノが虚をつかれたように、勢いを失くす。
 班諾茫然若失般,失去了氣勢。
 それを好機とみて、俺は一気に畳みかけた。
 看準那個好機會,我一鼓作氣毫不間斷。

「ビックリするほど虚弱で病弱なんだぞ? 身体を使うような仕事は無理だ!」
「因為嚇死人般的虛弱而體弱多病的吧? 像是使用身體的工作是不可能的!」
「……そんなに虚弱なのか?」
「……有那麼虛弱嗎?」
「あぁ、豚の処理に農村に行ったマインちゃんがそこで倒れて、班長が宿直室に連れてきたのが初めてきちんと接した時だけどさ。暖炉がある部屋だから大丈夫だろうと、暇潰し用の石板与えて鐘一つ分放っておいたら、熱出して倒れてた」
「啊,雖然說因豬的處理而去農村的小瑪茵倒在了那裡,而班長帶來值班室是第一次正式接觸的時候。因為是有壁爐的房間而不要緊吧,而給了消磨時間用的石板放著不管鐘響一次後,就發燒倒下了」
「は?」
「啥?」

 見張りに立たなければならないので、暖炉のある部屋に置いておいたのに、様子を見に行ったら、熱を出して倒れていた。迎えに来た班長が「気にするな。いつものことだ」と言っていたので、その虚弱さは家族にとって当たり前のものらしい。
 因為必須要設置看守,明明是放置在有壁爐的房間,去看看樣子時,就已經發燒倒下了。由於來迎接的班長「別在意。是常有的事情」這樣說著,那份虛弱對家人來說似乎是理所當然的事情。

「春になったばかりの頃はひどかったぞ。家から門まで歩けなかったんだ」
「在剛到春天的時候可嚴重了。無法從家走到門啊」
「門まで、だと?」
「是說、到門嗎?」
「街のどこに家があっても、門まで歩くのってそれほど遠くないわよ?」
「就算家在城市的哪個地方,走到門也不是那麼遠的喔?」

 街の回りを外壁がぐるりと取り巻くのだから、街自体、それほど大きなものではない。子供の足でも西門から東門まで、鐘一つ分の時間があれば歩けるはずだ。
 因為外牆將城市的周圍繞一圈地包圍著,城市本身,不是那麼大的東西。即便是小孩子的腳從西門到東門,有鐘響一次的時間的話應該就能走到。

「そう、班長の家は南門から大して遠くない。でも、駄目だったんだ。途中でへたれて、班長に抱えられてやってきた後、宿直室で倒れて昼まで動けない。ついでに、2~3日は確実に寝込んでいた」
「沒錯,班長的家距離南門沒多遠。但是,就是不行啊。在中途就累到坐下了,被班長抱著過來之後,在值班室躺到中午都不能動。順便說下,確實臥床2~3天。」
「おい、それ、本当に大丈夫なのかよ? 仕事させたら死ぬんじゃないのか?」
「喂,那個,真的不要緊喔? 讓她工作的話會不會死掉啊?」

 その恐れがないとは言えない。
 不能說沒有那個疑慮。
 特に、今勢いがあるベンノの仕事場は活気に溢れている分、忙しい。マインの体力で務まるとは思えない。
 特別是,現在有著聲勢的班諾的工作場所充滿著活力的狀態,很忙碌的。以瑪茵的體力我不認為能完成工作。

「うーん、春の中頃にやっと門まで歩けるようになって、寝込む日数も減ってきて、春の終わり頃に森に行けるようになったけど、まだ普通の仕事ができる体力はないと思う。だからこそ、書類仕事専用で門が面倒見ようと思っていたんだし……」
「嗯,在春季中期終於變得能走到門了,臥床的天數也減少了,雖然在春天結束的時候變得能走到森林了,但我想還沒有能做普通工作的體力。正因為如此,我想以文書工作專用在門照顧著……」
「むぅ……」
「唔……」

 病弱と言っても、そこまで虚弱だとは思っていなかったのだろう。ベンノが眉間を押さえて考え込む。今まで考えてきた計画では駄目だと方向転換するのだろう。
 就算說是體弱多病,也沒想過會虛弱到那種程度的吧。班諾按著眉間沉思著。至今考慮過的計畫不行的話那就轉換方向吧。
 それなら、もう一つ情報を与えておいた方がいいかもしれない。
 那樣的話,再給一個情報說不定比較好。

「そんなマインちゃんの面倒をずっと見てきたのがルッツなんだ。子供達の集団から遅れるマインに付き添って森まで行くんだ。班長に多少の小遣いをもらっていたとはいえ、献身的で責任感は強いみたいだぞ」
「一直照顧著那樣的小瑪茵的是路茲。陪伴著慢於小孩子們集團的瑪茵走到森林。雖然從班長那收到了些許的零用錢,獻身的責任感好像很強烈啊」

 走り回りたい年頃の男の子が虚弱なマインに付き添うのだ。誰にでもできることではない。
 是想到處跑的年紀的男孩子陪伴著虛弱的瑪茵啊。不是誰都可以做到的事情。
 ちなみに、俺はよほどの義理がない限り、コリンナ以外へ献身的にしてやるつもりはない。
 順帶一提,我沒有相當程度的人情限制,是不打算對柯琳娜以外獻身的。

「……あの嬢ちゃんの異常性に隠れてわかりにくいが、坊主も相当変だぞ」
「……雖然被那個小姑娘的異常性隱藏而很難懂,但小夥子也相當怪啊」
「ん?」
「嗯?」

 何かを思い出そうとするように軽く顎を撫でていたベンノが、だんだん苦々しい顔になっていく。
 好像想起了什麼似的輕輕地撫摸著下巴的班諾,逐漸變成了非常不愉快的表情。

「俺の睨みに耐えて、自分の意見を言ったのは、嬢ちゃんだけじゃないってことだ。それに、普通はそれだけ病弱な嬢ちゃんの面倒をみていたんだったら、嬢ちゃんは庇護対象だろう? もっと全面的に前へ出て、俺から嬢ちゃんを守ろうとするはずだ。それなのに、坊主は嬢ちゃんが交渉し始めたら、当然のように一歩下がった」
「忍受著我的瞪視,說著自己的意見,不光只是小姑娘的事情。而且,通常照顧著那樣體弱多病的小姑娘的話,小姑娘是庇護對像對吧? 應該更全面地去到前面,從我這去保護小姑娘的。可是,小夥子卻在小姑娘開始交涉後,想當然爾的退下了一步」
「あぁ、そういえば……」
「啊,這麼說來……」

 確かにベンノの言うとおり、一度ハッキリと宣言した後は、発言の場をマインに譲っていた。普通の保護者と庇護対象の関係では見られないだろう。一体どういう関係なんだろうか。
 確實就如班諾所言,清楚宣言一次後,就把發言的場所讓給了瑪茵。看不出普通的保護者與庇護對象的關係吧。到底是怎樣的關係呢。

「出る時と譲る時を考えられる子供は少ない。それに、俺には情報を出さなかったあの嬢ちゃんが、坊主には自分の考えた物を作らせるんだ。嬢ちゃんだけいても、情報が引き出せなかったら意味がない。坊主だけいても嬢ちゃんが他の奴に作らせるようになれば意味がない。あれは、二人で一組にしておいた方がいいんだ」
「能考慮到出來的時機跟讓出的時機的小孩子很少。而且,沒對我提出情報的那個小姑娘,讓小夥子去製作自己考慮的東西。就算只有小姑娘在,無法取出情報就沒有意義。就算只有小夥子在而造成小姑娘讓其他傢伙去製作的話也沒有意義。那個,讓兩個人成為一組會比較好」

 ベンノの商人としての勘の良さには笑うしかない。
 對班諾作為商人的良好直覺只能笑了。
 商人の目で見るとマインのおまけに見えるはずのルッツの有用性に、たった一度顔を合わせただけでしっかり気が付いているのだから、目端が利くなんてものではない。
 因為對用商人的眼睛看過後看起來應該像瑪茵附帶品的路茲的有用性,僅僅只是見過一次面就好好地注意到了,所以不是判斷力強之類的東西。

「相変わらず嗅覚が鋭い……。班長もルッツを信頼しているみたいだ。ルッツが一番うまくマインを動かすって。倒れるギリギリを見計らい、自分の手に余ることをやりたがるマインを暴走させないように、うまく助けたり、流したりできるんだってさ」
「嗅覺仍舊敏銳啊……。班長似乎也很信賴路茲啊。路茲最擅長打動瑪茵。甚至是斟酌著要倒下的極限、為了不讓想自己做太困難的事情的瑪茵暴走,而能做到順利地幫助著,又或是打消念頭啊」
「ふぅん、マインが考えた物は全部オレが作るって自信は、一応裏付けがあるんだな」
「嚄,是說瑪茵所思考的東西全部我來做的自信,姑且是有證據的嗎」

 マインがずっとそうだった、と言っていたくらいだ。俺が知っている以外にも、色々やったのだろう。
 瑪茵一直是那樣的,好像這麼說過啊。在我所知道的以外,做過各式各樣的吧。

「何か、変なもん、一緒に作ってたらしいからな。ネンドバンとか言ってたっけ?」
「似乎有什麼、怪怪的東西,一起在做著呢。是叫做年土坂的嗎?」
「……変なもん? くっそ、何が出てくるのか、全然予想できないんだよ! とにかく、あいつらは二人で一組。俺がとる。お前にはどっちも譲らん」
「……怪怪的東西? 可惡,是出來了什麼啊,完全無法預測啦! 總而言之,那些傢伙是兩人一組。我要帶走。哪個也不讓給你」

 そこで一度、話題に決着がついたので、コリンナが食事の準備をするために席を立った。
 由於在那裡,話題收尾了一次,柯琳娜為了去做用餐的準備而離開座位。
 テーブルの上にはランプが置かれ、おかわりのための小さな樽と、つまみとして干し肉が乗った皿が残されている。
 在桌子上被放了燈,為了再來一杯的小木桶與,作為下酒菜的肉乾所盛著的盤子被留了下來。
 少し塩気が強い干し肉をガニガニと噛みながら、俺は酒のおかわりを入れているベンノを見た。
 一邊不斷咀嚼地咬著鹽味有點重的肉乾,我一邊看著倒入再一杯酒的班諾。

「なぁ、ベンノ。お前、マインちゃんが言っていた身体の中で熱がうごめく病気って心当たりあるか?」
「吶,班諾。你,對小瑪茵所說的熱在身體裡面蠕動的疾病心裡有數了嗎?」
「……」
「……」
「身体の中で熱が暴れまくって、食われそうになるように感じる病気なんて俺は知らない」
「熱在身體裡面一個勁地胡鬧,感覺好像要被吃掉似的疾病什麼的我不知道」

 マインに質問を受けた時の反応で、もしかしたら知っているのではないかと思った。やはり知っていたようだ。言った方がいいのかどうか悩んで、視線が少しばかり上へと向く。
 是接受瑪茵提問時的反應,我想或許會不會是知道的。果然還是知道的啊。煩惱著說出來會不會比較好,視線微微地往上。
 しばらく考え込んだ後、ベンノにしては聞きとりにくい声で、ぼそりとこぼす。
 暫時沉思之後,用作為班諾來說很難聽懂的聲音,嘟噥地發牢騷。

「身食い、かもしれないとは思った。ただ、確証はない」
「我想,說不定是身噬。只是,沒有確切證據」
「……身食い? なんだそれ?」
「……身噬? 什麼呀那個?」
「病気じゃない。魔力が自分の中で増加しすぎてもどうすることもできなくて、魔力に食われて死ぬんだ」
「不是疾病。是魔力在自己體內增加太多而什麼都做不到,被魔力吞噬而死的」
「は、はぁ!? 魔力って貴族だけが持っているものじゃなかったのか?」
「吓、吓!? 魔力不是只有貴族才擁有的東西嗎?」

 普段耳にすることもない単語が出てきて、俺はぎょっと目を剥いた。
 出現了平常不曾聽聞的單字,我大吃一驚地瞪大了眼睛。
 魔力というのは、平民は持たない、不思議で強大な力らしい。滅多に見るものではないから、よく知らないが、魔力がなければ国を動かすことはできないと言われている。
 所謂的魔力,平民是不會擁有的,似乎是不可思議而強大的力量。因為不是很常見,而不是很明白,但一般認為若沒有魔力就無法讓國家運作。
 だからこそ、魔力を持つ貴族は国民の上に立ち、国を治めるのだ。
 正因為如此,擁有魔力的貴族是立於國民之上的,治理著國家。

「……それほど数は多くないが、貴族以外にも魔力を持つヤツはいる。ただ、魔力を放出するための魔術具が高価だから、貴族以外はろくに魔力が使えないというのが正しいな」
「……並不是那麼多的數量,但貴族以外擁有魔力的傢伙是存在的。只是,因為為了放出魔力的魔術具很昂貴,所以所謂貴族以外無法好好地使用魔力是正確的」

 貴族とも付き合いのある商会へと伸し上がっているベンノは、この国のことに関しては俺よりも知識が深い。
 迅速往跟貴族也有交往的商會上升著的班諾,關於這個國家的事情知識比我還深。

「ふぅん、マインちゃんは魔力を持っていたのか。変なのってそのせいかな?」
「呼,小瑪茵擁有魔力嗎。要說怪會是那個的緣故嗎?」
「確証はないと言っているだろう? だが、身食いなら、あの嬢ちゃんが年齢よりずっとちっこくてすぐに倒れるのも説明はつく」
「說過沒有確切證據了吧? 然而,若是身噬,那個小姑娘比年齡還嬌小而且馬上就倒下也算是說明了」
「魔力って、危険なものなのか?」
「魔力,是很危險的東西嗎?」

 不思議で便利なものだと漠然と考えていたが、マインの虚弱さが魔力のせいなら、かなり危険なものではないだろうか。
 雖然含糊地思考著是不可思議而便利的東西,但如果瑪茵的虛弱是魔力的關係,不就是相當危險的東西了嗎。

「もし、身食いだったとしたら……の話だ。身食いなら、魔術具がないと、あの嬢ちゃんは……近いうちに死ぬ」
「假如,是作為身噬的話……的話題。如果是身噬,沒有魔術具的話,那個小姑娘……不久的將來就會死」
「なっ!?」
「什!?」

 マインを溺愛する班長の姿が脳裏に浮かび、冷水を浴びせられたような気分でベンノを凝視する。
 溺愛瑪茵的班長的身影在腦海裡浮現,以被潑了一盆冷水般的心情凝視著班諾。
 ベンノの表情も真剣で、冗談やからかいを口にしているわけではないらしい。
 因為班諾的表情也很認真,似乎並不是玩笑話或口說無憑的。

「成長と共に増えてくる魔力に心が食われるらしい。放出するための魔術具がない平民なら洗礼式までもたないことが多いそうだ」
「內心似乎會被跟成長一起增加起來的魔力吃掉。如果是沒有為了放出的魔術具的平民好像很多都無法撐到洗禮式」
「何か方法はないのか?」
「沒有什麼方法嗎?」

 ベンノならば何か良い手段を知っているのではないか。すがるような気分で尋ねると、ぐしゃりと髪を掻き上げて、溜息を吐いた。
 如果是班諾的話會不會知道什麼很好的手段呢。以哀求的心情探詢後,用力亂搔地把頭髮梳了上去,吐出了嘆息。。

「貴族の後援があれば、魔術具を借りることができるから、死は免れる。……だが、一生飼い殺しだ。その貴族のためだけに力を使わされ、生きることになる。このまま家族のもとで死を迎えるのと、一生飼い殺しと、どちらがいいかはわからんな」
「有貴族後援的話,因為能借到魔術具,所以可以避免死亡。……只是,是一生被養到死。只為了那個貴族而使用力量,成就活著這件事。就這樣在家人的身旁迎接死亡、或一生被養到死,我不知道哪邊比較好」
「……」
「……」

 ベンノの言葉は救いでも何でもなかった。
 班諾的話即使獲救了也什麼都沒有了。
 確かにどちらがいいのか、俺にはわからない。死にたくはないが、貴族に飼い殺しにされるのもごめんだ、と心底思う。
 確實哪邊比較好呢,是我也不知道。是不想死嗎,還是被貴族飼養到死敬謝不敏呢,這樣在心底想著。

「意思の強さによって、抑えられる力は違うらしいから、いつまでもつかは知らんが、子供の精神力ではそれほどもたない。……あの嬢ちゃんはどうだろうな?」
「因為根據意思的強度,被控制的力量似乎不一樣,但不知道能撐到什麼時候,以小孩子的精神力無法撐住那些。……那個小姑娘又是如何呢?」
「……」
「……」

 マインを見ていると、子供にしては精神力が強い方だと思う。ただ、それが身食いという自分の魔力を抑えられるようなものかどうかはわからない。
 看著瑪茵時,我認為作為小孩子精神力是比較強的。只是,那個是不是為了控制名為身噬的自己的魔力的東西我不知道。
 今は抑えられても、成長と同時に魔力も強くなっていくなら、いつ限界がくるのか、誰にもわからないことになる。
 就算現在被控制了,如果與成長同時魔力也變強了,何時會到界限呢,成為了任誰都不知道的事情。

「オットー、あまり深刻になるな。まだ身食いだと決まったわけじゃない。だいたい、本当に身食いだったら、そろそろ死にかけている。あんな風に外を歩き回れるような身体じゃないはずなんだ」
「歐拓,別太深入了。還未認定就是身噬了。再說,真的是身噬的話,差不多要瀕死了。應該不是用那種樣子在外面到處亂走般的身體吧」
「そう、なのか……」
「是、那樣嗎……」

 わずかな安堵と多大な不安が同時に胸に押し寄せてきた。
 稍稍放心跟很大的不安同時湧進了胸口。

 そう、マインは何度も死にかけている。
 沒錯,瑪茵好幾次瀕死。
 外を歩き回れるようになったのは、春からの努力の成果で、それまではほとんど外に出られない子供だったと聞いている。
 聽說過變得能在外面到處走,是春天以來努力的成果,而在那之前是幾乎無法外出的小孩子。

 本当に大丈夫なのか?
 真的不要緊嗎?
 班長に報告した方がいいのだろうか。
 報告給班長會比較好嗎。

 胸の内をぐるぐると回る、何とも言えない感情を、俺は酒で腹の奥に流し込んだ。
 轉來轉去地在胸口內打轉著,我將無法形容的感情,用酒灌入了腹部深處。

======================================================================
 オットーのコリンナへの愛がうざくて、長くなりすぎました。
 對歐拓的柯琳娜的愛是細細碎碎,變得長過頭了。
 マインは家では役立たずですが、門では役に立ってます。
 雖然瑪茵在家裡是個廢物,但在門則很有用。
 本人の知らないところで、虚弱体質に関する話も出てきました。
 在本人不知道的地方,關於虛弱體質的話題也出現了。

 次回は和紙を作り始めます。
 下次是開始製作和紙。
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