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第一部士兵的女兒 製作墨水與木簡的下場

作者:SPT草包│2016-12-20 17:35:32│贊助:2│人氣:132
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 インク作りと木簡の結末
第一部士兵的女兒 製作墨水與木簡的下場
原文連結

「くぅっ! 紙の問題が解決したかと思ったら、次はインクだなんて! どうしてくれよう!」
「咕! 想說紙張的問題算是解決了嗎,下次換墨水之類的了! 這下該怎麼辦才好!」

 使い慣れたボールペンやシャープペン、鉛筆、万年筆はもちろん、墨やインクでさえ周りに売ってない。
 使用慣了的原子筆或自動鉛筆、鉛筆、鋼筆自不用說,就連墨或墨水在周遭都沒販售。
 インクさえ自由に使えれば、木を尖らせて書くこともできたけど、そのインクが高くて手に入らない。
 雖然只要墨水能自由使用的話,就能削尖木頭來書寫了,但那個墨水貴到無法入手。
 石筆一本の値段は知っていても、予算編成時期の特別給料がいくらになるかわからないわたしには、インクの値段を計算することもできない。
 就算知道石筆一隻的價錢,也不知道預算編列時期的特別加給能給多少的我,當然無從計算墨水的價錢。

 三年ただ働きっていくらよ?
 說要做三年白工是多少唷?

 買う、拾う、もらう、盗む、作る……と手に入れるプロセスを考えたら、結局作るに行きついてしまう。
 購買、撿拾、接受、偷竊、製作……考慮著入手過程的話,結果還是來到了製作。

 さすがに宿直室から盗んでくるわけにもいかないしねぇ……。
 畢竟也不可能從值班室裡偷來呢……。

 本だけではなく、どうやらインクも手作りしなければならないようだ。それにしても、インクってどうしたらできるのだろうか。顔料と乾性油ってことは知ってるけど、ここで手に入る顔料と乾性油ってどこで手に入れるのさ。
 不是只有書本,看來墨水好像也只能自製了呀。儘管如此,是說墨水該怎麼做才能完成呢。雖然知道顏料與乾性油,但在這裡要獲得顏料與乾性油是要在哪裡獲得啊。

「いっそ『タコ』とか『イカ』とか捕ってくればいいってこと? 海どこよ!?」
「乾脆『章魚』也好『烏賊』也好去捕捉就可以了吧? 但海在哪裡唷!?」

 作りかけの木簡を握りしめて思わず叫んだら、ルッツがビクッとして振り向いた。
 緊握著做好的木簡不假思索地大叫的話,路茲嚇了一跳而回頭。

「いきなり何だ!?」
「突然是怎麼了!?」
「ルッツ、ここのインクって何でできてると思う!? どうやったらわたしが作れると思う!?」
「路茲,你認為這裡的墨水是用什麼做的呢!? 你認為該怎麼辦我才能製做呢!?」

 さすがに海を探して旅して、タコやイカを捕るのが現実的でないことはわかる。しかし、自分の身の回りにある物で、インクや墨が作れるかどうかがわからない。
 畢竟還是明白去做尋找大海的旅行、捕捉章魚或烏賊是不現實的事情。可是,用自己身邊周遭有的東西,不知道到底能不能製做墨水或墨呢。

「インクってさ、そもそもどんな物?」
「墨水是吧,說起來是怎樣的東西?」
「えーと、黒い液体で、こういう板に字を書くためのもので……」
「呃,用黑色的液體,為了在這樣的板子上寫字的東西……」

 普段目にしていない人に説明するのは難しい。思いつくまま並べていると、ルッツが首をひねりながら、言った。
 對平常沒見過的人做說明是很難的。像想到般列出來後,路茲一邊扭著頭,一邊說著。

「黒いもの? 汚れが付くという感じでもいいなら、灰や煤で何とかならないか?」
「黑色的東西? 如果是說帶有汙穢的感覺也可以,那不能想辦法用底灰或煤煙嗎?」
「それ、いい! やってみよう!」
「就是、那個! 試做看看吧!」

 煤や灰なら、薪の燃えかすだし、いくらでも家にある。今日だって作られている物だ。すぐに手に入るに違いない。
 如果是煤煙或底灰,是木柴的灰燼,家裡多少也會有。是就連今天也被製造出的東西。肯定是馬上能得到的。
 わたしは家に帰ると、早速母に頼んでみた。
 我回家後,趕快試著拜託母親。

「母さん、この灰、使っていい?」
「媽媽,這個底灰,可以用嗎?」
「ダメよ」
「不行喔」

 即答で拒否された。
 被立即回答拒絕了。

「え? なんで?」
「咦? 為什麼呢?」
「灰は石鹸を作ったり、雪を溶かしたり、染め物に使ったり、農家に売ったり、いくらでも使い道があるでしょ? 勝手に持っていかないでちょうだい」
「底灰能製作肥皂、融化積雪、用在染物上、賣給農家,不管多少都有使用方法的不是嗎? 不可以擅自給我拿走」

 そういえば、春先に灰を撒くのを手伝わされて、わけがわからないまま花さか爺さんの気分で灰を撒いたけど、雪を溶かすためだったのか。今頃知ったよ。
 這麼說來,在初春被迫幫忙撒著底灰,雖然不知道理由而用開花爺爺的心情在撒著底灰,但只是為了融化積雪嗎,現在這時才知道唷。
 石鹸を作った時にも大量に使ってたから、確かに灰は大事だよね。
 因為在製作肥皂的時候也大量地使用著,確實底灰是很重要的呢。

 余れば売ることもできる灰を手に入れるのは難しそうだが、もう一つの候補である煤も使い道があるのだろうか。
 要入手有剩的話也能拿去賣的底灰似乎很難,作為另一個候補的煤煙也有用法的嗎。

「じゃあ、母さん。煤ならいい?」
「那麼,媽媽。如果是煤煙可以嗎?」

 わたしが第二案を提示すると、母は少し眉をひそめた後、何故かニッコリと笑って許可してくれた。
 我出示第二方案後,母親稍微皺了眉頭後,不知為何微微地笑了給了許可。

「何をしたいのか知らないけど、煤ならいいわ」
「雖然不知道想要做什麼,但如果是煤煙可以喔」
「よかった」
「太好了」
「マインが竈の中を掃除してくれるってことでしょ? ついでに煙突も掃除すると、もっと集まるわよ?」
「瑪因是要去打掃爐灶裡面的吧? 順便也打掃煙囪吧,可以收集到更多喔?」
「ぅえっ!?……あ~、うん。……そう、なるのかな」
「哎!?……啊~,嗯。……是,那樣的嗎」

 笑顔の母に押し切られて、竈と煙突の掃除をすることになってしまった。こんなはずではなかったが、煤を手に入れるためならば仕方ない。
 被笑容滿面的母親堅持,而變成了要做爐灶與煙囪的打掃。不應該是這樣的,但若是為了把煤煙到手的話是沒辦法的。
 気合を入れて煤を払うための掃除道具を手にとると、血相を変えた母がわたしを止めた。
 鼓足幹勁用手拿起為了撢煤煙的掃除用具時,臉色大變的母親制止了我。

「ちょっと待ちなさい、マイン! その服で掃除するつもり!?」
「稍微等一下,瑪茵! 妳打算用那件衣服去打掃嗎!?」
「……え? ダメ?」
「……咦? 不行嗎?」

 すでに薄汚れていて、ボロボロな服で掃除することに何の問題があるのかわからない。
 不明白用已經髒兮兮、破破爛爛的衣服去打掃有什麼問題嗎。
 首を傾げるわたしの前に、母が裁縫箱と雑巾籠を持ってきた。
 在疑惑不解的我面前,母親拿了針線盒與抹布籃子過來。

「すぐに作るから、待ってなさい」
「馬上就做好,等一下吧」

 母がご機嫌で、あっという間に雑巾を繋ぎ合わせた服を作りだす。
 母親心情很好,轉眼間就做出了將抹布拼接起來的衣服。
 雑巾服に着替え、髪が少しでも汚れないようにNGと言われようが簪でアップにして、これまた雑巾を三角巾代わりにする。
 換上抹布衣,為了一點也不要弄髒頭髮即使被說了不可以也要用髮簪綁到上面,這個再次把抹布代替作三角巾了。

 わぁお、シンデレラのコスプレだとでも思わなきゃ、やってられないよ。
 哇喔,就算不想成是仙杜瑞拉的角色扮演,也做不到吧。

 竈からまず灰を掻き出した。その後、内部に頭を突っ込んで、こびりついていた煤を掃除して、回収する。小柄な体で初めて助かったことかもしれない。
 首先從爐灶扒出底灰。那之後,將頭探入內部,打掃著黏附著的煤煙,回收好。第一次因嬌小的身體而幫了大忙也說不定。
 母の笑顔に抗えず、ついでに煙突も掃除して、煤を集めた。黒い物がボロボロと落ちてきて、中が綺麗になっていき、自分が欲しかった煤が溜まって行く。
 無法抗拒母親的笑容,順便也打掃了煙囪,收集了煤煙。黑色的東西一一剝落地掉了下來,裡面變乾淨了起來,自己想要的煤煙累積了起來。
 やり始めると意外と楽しくなってきて、夢中になりすぎたようだ。次の日、熱を出して倒れた。
 開始作之後意外地變快樂了起來,似乎是太過於熱衷了。隔天,發燒倒下來了。

 自分も煤まみれになって、ぶっ倒れたが、何とか煤は回収できた。体調も回復した。
 自己也變得滿身煤煙,趴倒下去,好歹煤煙能回收。身體狀況也恢復了。
 今日はこの煤を何とか字が書ける状態にしたい。
 今天想設法將那個煤煙做成能寫字的狀態。

「マイン、これ、どうするんだ?」
「瑪茵,這個,要怎麼做呢?」
「まずは水かな?」
「首先是水嗎?」

 一番に思いついたのは水で溶いてみる方法だった。
 最先想到的是試著溶入水中的方法。
 墨っぽくなる気がする。何となく。
 感覺能像墨一樣。總覺得。
 木の器に川の水を少し入れて、煤と一緒に木切れでぐるぐると掻き回してみた。煤が水に浮いているだけで、いまいち溶けない。
 在木製容器內放進一點點河水,試著與煤煙一起用木片繞圈圈地攪拌著。只不過煤煙浮在了水上,一點也沒溶化。

「こんなもんかな?」
「是這種感覺嗎?」
「とりあえず書いてみたらどうだ?」
「總之先試著寫看看如何?」

 ルッツの言葉に頷いて、ペン代わりに先を削った棒を突っ込んで、木簡にページ数を表す「1」を書いてみた。
 對路茲的話點頭,代替筆將前端削過的木棒差進入,在木簡上試著寫上表示頁數的「1」。
 だが、板に書ける分より、棒に引っ付く方が多いし、書ける字が薄くて読みにくい。
 但是,比起寫到木板上的份量,被木棒吸走的還比較多,寫出來的字淡淡的看不清楚。

「ダメだ~。失敗」
「不行呀~。失敗了」
「次はどうする?」
「接下來該怎麼辦?」
「うーん、油で溶いてみるっていうのが、インク作りのセオリーだと思うんだけど……」
「嗯,是說該用油溶解看看嗎,雖然我認為是製作墨水的理論……」

 これは母に欲しいと頼めない。
 這是不能跟母親要求說想要的。
 なぜなら、植物性の油は食べる方にも、簡易ちゃんリンシャンにも使っていて、ウチでは常に不足気味だ。
 要說為啥,植物性的油既可以食用、也被使用在簡易潤洗劑上,在我家經常不足啊。
 そして、動物性の油はろうそくや石鹸に使うので、これも簡単にもらえるとは思えなかった。多分、灰と同じくらい簡単に却下されるだろう。
 然後,由於動物性的油使用在蠟燭與肥皂上,我不認為這個也能簡單地取得。大概,會跟底灰一樣簡單地被駁回吧。

「油は使うからな。もらえないよな?」
「油不能用。是取得不了嗎?」
「うん、無理だね。他に何かないかな……」
「嗯,不可能呢。有沒有其他什麼的呢……」

 ヒントを探って、日本で使っていた筆記用具を次々と思い浮かべていく。
 為尋找暗示,將在日本使用過的書寫工具不斷地回想起來。

「あ、『日本画』の『絵具』が確か、『膠』を使ってた……けど、火が使えないから、無理だ」
「啊,『日本畫』的『畫具』確實,使用著『膠』……但是,因為用不了火,不可能的」

 将来的には膠を使うことが選択肢に入るだろうけれど、今の時点では準備できない。
 雖然說為了將來而將膠的使用放進了選項中,但現在的時間點是不可能準備的。
 膠が使えたら、自然材料から絵具っぽい物も作れそうだから、かなりできることが増えそうだ。自分が成長するのを待つしかない。
 因為能使用膠的話,似乎也能從天然材料中製作出畫具般的東西,頗能做到的東西好像增加了。只能等待自己的成長了。

「おーい、マイン、大丈夫か? 帰ってこい」
「喂,瑪茵,不要緊嗎? 回來喔」

 ルッツが目の前で手をパタパタと振るのが意識の端の方で見えているが、今はまだ戻るわけにはいかない。
 路茲是在眼前將手輕輕拍打地揮著嗎在意識的另一端看見了,現在還不能回來。

「うーん、別に液体じゃなくてもいいんだよね。『クレヨン』とか『チョーク』とか『鉛筆』とか……そうだ、粘土! 粘土と混ぜてみよう!」
「嗯,其他的就算不是液體也是可以呢。是『蠟筆』嗎還是『粉筆』呢或者是『鉛筆』呢……對了,黏土! 試著跟黏土混合起來」
「はぁ?」
「啥?」
「確か、『鉛筆の芯』は『黒鉛』と粘土を混ぜた物だった気がする。あれ? 『コンテ』だっけ? まぁ、いいや。『黒鉛』じゃなくて煤だけど、何とかなるかも!」
「確實,『鉛筆的芯』是『石墨』與黏土混合的產物。奇怪? 不就是『炭筆』嗎? 算了,也好。雖然不是『石墨』而是煤煙,但能設法做到吧!」

 粘土と煤を混ぜて、丸めて細くして、乾燥させる。これで固まれば、書けるかもしれない。
 黏土與煤煙混合,搓圓弄細,讓它乾燥。就這樣凝固的話,搞不好就能寫了。

「ルッツ、『粘土板』を作った時の粘土って、あの辺りを掘ったよね?」
「路茲,製做『黏土板』的時候的黏土,要挖掘哪個附近呢?」
「わざわざ掘らなくても、使いきれなくて放っておいたのが、あの石の辺りにあったはずだ」
「就算不用特意去挖,也有用不完放著不管的,應該就在那邊的石頭附近」

 ルッツの言った通り、粘土が小さな山になっていた。
 就像路茲說的,黏土變成了一座小山。
 そこから、少し粘土をとって、煤を混ぜてこねていく。イメージはクーピーとか鉛筆の芯だ。触って真っ黒にならなければ、使える色にならない。
 從那裡,拿了些黏土,混合著煤煙搓揉起來。印象該說是色鉛筆或鉛筆的芯。摸起來若不變黑的話,用起來就不會有顏色。

 自分の手も、台の代わりに使った石の上も真っ黒にしながら、煤鉛筆を細く丸めていく。そして、鉛筆くらいの長さに分けた。
 一邊不論是自己的手、或代替檯桌使用的石頭上面都弄得黑漆漆,一邊將煤炭筆弄細搓圓。然後,分成鉛筆般的長度。
 これで乾いて固くなってくれたら成功だ。
 就這樣變得乾掉凝固的話就成功了。

 川の水で手足を洗ってもあまり綺麗にならない。帰ったら石鹸を使わなければ。
 就算用河水把手腳都洗過也不會太乾淨。回去的話只能用肥皂了。
 しかし、このしつこい汚れなら、板にも書ける気がする。
 可是,如果是這個難纏的髒汙,感覺也能寫在板子上。

「どのくらい乾かしたらいいんだろうね?」
「要乾燥到哪種程度才可以呢?」
「さぁ?」
「阿知?」
「いっそ焼いてみようか?」
「乾脆試著烤看看吧?」
「余計な事しない方がいい。また、爆発するぞ」
「不要做多餘的事情比較好。又會,爆炸了喔」
「うぅっ」
「嗚」

 数日間放置して、乾燥させると段々固まってきた。
 放置數天,讓它乾燥的話就會漸漸凝固起來。
 煤鉛筆にぼろきれを巻いて、手が汚れないように持つところを作る。その後、ナイフで先を削って尖らせて文字を書いてみた。
 用破布將煤炭筆捲起,為了不弄髒手而做出手拿的地方。那之後,用小刀削著前端弄尖試著書寫文字。

 書けた!
 能寫了!
 ちょっとぼろぼろに崩れやすいけど、一応書けてる。
 隨然有點破破爛爛容易崩毀,但姑且能寫了。
 本というより、古代の記録媒体だけど、成功だ。
 雖然比起所謂的書本,是更古代的紀錄媒介,但成功了。

「やった! 書けたよ、ルッツ!」
「太好了! 能寫了唷,路茲!」
「おぉ、やったな」
「喔,真的太好了」

 筆記用具が作成できたわたしは、うきうきしながら木簡を増やし始めた。
 書寫工具編制完成的我,一邊喜不自勝一邊開始增加木簡。
 薪拾いのついでに材料が確保できるので、かなりお手軽に増やすことができる。自分だけの力でもちょっとずつ増やしていけるのが何よりの魅力だ。
 由於撿拾木柴順便可以確保材料,所以能夠相當簡便地增加。即便只用自己的力量也可以少量少量地增加著是比什麼都還有魅力的。
 嵩張るので増えると置く場所に困るが、それは粘土板でも同じことだった。大人になって独り立ちするまでの辛抱だ。
 由於體積龐大為了增加後放置的地方而傷透腦筋,那個就算是黏土板也是一樣的。直到成為大人獨立為止的耐心。

 わたしは出来上がった木簡におおむね満足していたが、ある日忽然と木簡が姿を消した。
 我對做出來的木簡大抵滿足著,某一天忽然地木簡消失了身影。
 森から帰ってきたら、置いてあった場所にないのだ。
 從森林回來後,就不在放置的地方了。

「ないっ!? ないよ? あれっ!?」
「沒有!? 沒有了? 奇怪!?」
「どうしたの、マイン?」
「怎麼了嗎,瑪茵?」

 わたしがどこかに移動されたのかもしれない木簡を探していると、母が物置に顔を出した。
 我尋找著搞不好被移動到某處的木簡時,母親在儲藏室露面了。

「母さん、ここに置いてあった『木簡』知らない?」
「媽媽,知不知道放在這裡的『木簡』?」
「モッカン? さぁ? どんなもの?」
「目撿? 什麼呢? 是怎樣的東西?」

 首を傾げる母にわたしは自分が作った木簡について、なるべく詳しく説明する。
 我對歪頭不解的母親盡可能詳細說明,有關自己製做的木簡。

「えーと、細いのや太いのでサイズは違うけど、全部表面を削って、字が書いてある木なんだけど……」
「呃,雖然因為細與粗的尺寸不同,但全部表面都有削過,雖然是寫有字的木頭……」
「あぁ、マインが拾ってきた薪でしょ? それなら使ったわよ?」
「啊,瑪茵撿來的木柴對吧? 那個的話用掉了喔?」
「え? え? 使った? なんで?」
「咦? 哎? 用掉了? 為什麼?」

 頭が一瞬で真っ白になった。
 腦袋一瞬間變得空白。

「やっとお手伝いができるようになったマインが一生懸命森で拾ってきた薪だもの。ちゃんと使ってあげないといけないと思ってね」
「是變得終於能幫得上忙似的瑪茵拚命在森林撿來的木柴。我認為不好好使用是不行的呢」
「でも、薪はこっちに積み上げてる分でしょ? なんでわざわざ除けてある分、使っちゃうの? それ、わたしが作った、母さんが寝物語に話してくれた民話集だったんだよ!」
「但是,木柴是堆積在那邊的分不是嗎? 為什麼要去使用特意、挪開的份呢? 那個,是我做的,媽媽作為睡前故事所說的民間故事集唷!」
「あら、寝る前にお話してほしいなら、またしてあげるわよ」
「哎呀,如果希望在睡覺前說故事,還可以再說的唷」

 いつまでたってもマインは甘えん坊ね、なんて嬉しそうに笑って、頭を撫でられた。
 就算經過多久瑪茵都是撒嬌的孩子呢,好像多麼高興地在笑著,被摸著頭。

「そういう意味じゃない……」
「才不是那個意思……」

 一つも残っていない。木簡があった空間を目にして、気力が全部抜けていく。
 一個都沒有殘留。看著木簡存在的空間,氣力全部被抽走。
 木簡はいくら頑張って作っても無駄だ。また燃やされる。そう考えると、もう何もかもやる気になれなかった。
 就算木簡多麼努力去製做也是徒勞。又會被燒掉。那樣思考後,已經什麼幹勁都沒有了。

 身体から力が抜けた瞬間、身体の中で今まで抑えられていた熱量がぐんと増したように暴れ出した。興奮や疲れから熱を出す時間を一瞬に縮めたような感覚で、手足が痺れて身体が動かせなくなる。
 從身體脫力的瞬間,在身體中至今被壓抑的熱量使勁地增加似地騷動了起來。以將因為興奮或疲勞而發燒的時間在一瞬間凝縮般的感覺,手腳麻痺身體變得無法動彈。

「何これ……?」
「這是什麼……?」

 自分の中で何が起こっているのか把握できないまま、わたしはいきなり倒れ、突然の高熱にうなされることになった。
 無法掌握在自己的體內發生了什麼,我突然就倒下了,被突然的高燒給壓制不能動。

 自分の中をぐるぐる回っている熱に自分が段々呑みこまれていくようで、意識がゆらゆらと揺れる。熱に食われて自分が少しずつなくなっていく感じだ。
 就像被轉來轉去圍繞著自己體內的熱給不斷吞食下去,意識飄飄蕩蕩地搖擺。是被熱給吃掉的自己一點一滴地變不見了的感覺。
 この状態になって初めて、本当のマインはこの熱に呑みこまれてしまったのかもしれないと理解した。
 變成這種狀態是第一次,理解到真正的瑪茵搞不好被這個熱給吞食了下去。

 抗うだけの気力もなくわたしも少しずつ呑みこまれていく中、心配そうに家族が覗きこんでくるのが時々映る。
 就連反抗的氣力也沒有的我在一點一滴地被吞食下去之中,時常映照著擔心似的來探視的家人。
 その中で何故かルッツの顔が見えた。
 在那之中不知為什麼看見了路茲的臉。

 …なんでルッツが?…
 …為什麼路茲會?…

 ルッツに視点を合わせようと力を入れると、呑みこまれかけた意識がふわっと浮上した。
 就像將視點對準路茲施加力量後,被吞食的意識輕輕地浮了上來。
 こめかみのあたりにさらに力を入れて、よく見ようとすると、ぼんやりと浮かぶのではなく、自分の意思できちんと視界にルッツが入ってきた。
 對太陽穴的附近更加施加力量,仔細看的話,並不是模糊地浮現,而是靠自己的意思精實地在視野中加進了路茲。

「マイン?」
「瑪茵?」
「……ルッツ?」
「……路茲?」
「おばさん! マインが目ぇ覚ました!」
「阿姨! 瑪茵醒過來了!」

 ルッツの声に母が飛び込んでくる。
 母親因路茲的聲音飛奔了進來。

「マイン。いきなり倒れて、全然意識が戻らないから心配したのよ」
「瑪茵。妳突然就倒了下去,因為意識完全沒有回來我很擔心喔」
「うん。時々、顔が見えてた。心配かけてごめんね。……母さん。喉が、ひりひりする。それに、すごくベタベタするから、身体を拭きたいの。水、持ってきてくれる?」
「嗯。有時,看得見臉。讓妳擔心了很抱歉呢。……媽媽。喉嚨,好刺痛。而且,因為非常的黏膩,想要擦拭身體。水,拿過來好嗎?」
「えぇ、すぐに持ってくるわ」
「好,馬上就拿過來喔」

 母が踵を返したのを見て、ルッツの手をぎゅっと握った。寝転がったまま、まだ頭を上げることもできない。
 看到母親縮回腳跟,緊緊握著路茲的手。依然躺臥著,還無法抬頭。

「……ルッツ、またダメだった。母さんに木簡、燃やされた」
「……路茲,又不行了。木簡被媽媽,燒掉了」
「あぁ~……。まぁ、変な模様のついた木切れにしか見えないからなぁ」
「啊~……。也是,因為看起來就只是帶有奇怪模樣的木片呢」
「せっかく作って、わざわざ別に置いたのに……」
「好不容易製做的,刻意放到其他地方的說……」

 もうやだ。
 已經夠了。
 わたしの本は、絶対に完成しない運命にあるんだ。
 我的書本,有著絕對無法完成的命運的。

 ハァ、と溜息を吐くと、身体の中の熱が勢いを持った。意識が沈んでいきそうになるのを、わたしは首を振って、振り払う。
 哈、地嘆了一口氣後,身體裡面的熱保有著勢頭。變得快要陷落下去的意識,我搖搖頭、驅散著。

「そんなに落ち込むなって。だったら、燃やされない素材にすればいいだろ?」
「別那麼消沉。那樣的話,用不會被燒掉的素材來做就好了吧?」

 木製だから、薪にされてしまう。それなら、燃やされない素材にすればいい。
 因為是木製的,被當作木柴了。那樣的話,用不會被燒掉的素材來做就好了。
 ルッツの言葉に一条の光を見出した。
 從路茲的話語裡找到了一線曙光。

 熱を出している場合じゃない。何かいい素材がないか考えなきゃ。
 這不是該發燒的情況。必須要考慮有沒有什麼是好的素材。
 全身に力を入れると、身体の中の熱が中心に向かって集まるように小さくなっていく気がした。
 對全身施加力量,感覺到身體中的熱像是要向中心聚集般逐漸變小。

「……何で作れば燃やされないと思う?」
「……你認為用什麼做才不會被燒掉?」

 考えてみても、燃やされない素材が全く思い浮かばない。熱のせいで頭がぼんやりするせいか、この辺りで採れる素材をあまり知らないせいか。
 就算試著考慮,但不會被燒掉的素材也完全想不出來。是因熱的緣故而腦袋不清楚的關係嗎,還是不太知道在這附近能採集到的素材的關係呢。

「えーと、ほら、竹、とかさ」
「呃,妳看,竹子,如何呢」
「っ!……ルッツ、天才」
「!……路茲,你是天才」

 竹は燃やすと爆ぜるので、そう簡単に燃やされないだろう。
 由於竹子燃燒後會炸開,不會那麼簡單就被燒掉的吧。
 希望が湧いてきた。すると、何故か熱が少し小さくなって、呼吸が楽になる。
 希望湧現出來。於是,不知為什麼熱稍微變小了,呼吸變輕鬆了。

「あら、何の話?」
「哎呀,在說什麼呢?」

 母さんが水の入った桶を持って、入ってきた。
 媽媽拿著裝有水的桶子、進來了。
 ルッツと顔を見合わせて、小さく笑う。
 跟路茲互相對看,小小地笑著。

「母さんには秘密」
「要對媽媽保密」
「オレが採ってきてやる。だから、絶対に元気になれ」
「我會去採回來的。所以,絕對要變得有精神」
「ありがとう、ルッツ。優しいね」
「謝謝你,路茲。你好溫柔」
「こ、これは、オットーさんに紹介してもらうためだからな! 先払いしてるんだから、マインは絶対に元気にならないとダメだ! いいな?」
「這、這是,為了要請妳介紹給歐拓先生才做的呢! 因為是預付的,所以瑪茵絕對不變得有精神是不行的! 可以嗎?」

 ルッツがそう言って飛び出していったので、わたしは母が持ってきてくれた水で身体を拭いていく。
 由於路茲那樣說完就飛奔出去了,所以我用母親拿進來的水擦拭起了身體。

 今回の発熱は、おかしい。
 這次的發燒,很奇怪。
 突然身体の中から襲い掛かってくるような感覚がして、ゆっくりと意識が食われていくような熱は、わたしが知っている病気ではない。いきなり広がったり、集中したら小さくなったりする熱をわたしは知らない。
 突然從身體裡面襲擊過來般的感覺,像是緩慢地蠶食著意識的熱,不是我所知道的疾病。我不知道會突然擴大、集中的話又會變小的熱。
 今も身体の中をうごめいているこの熱は一体何だろうか。
 現在也蠢動於身體裡面的這個熱到底是什麼呢。

 わたしがここに来たばかりの頃は、熱が出ているのが普通だったから、それほどおかしく思わなかった。
 因為我剛剛來到這裡的時候,發起的燒是很普通的,從沒想過是那麼奇怪的。
 けれど、最近は少し身体を鍛えて動けるようになってきていたから、おかしさが明確になった。この身体、一体何の病気なのだろう。
 不過,因為最近稍微有鍛鍊身體而變得比較能動了,奇怪變得明確了。這個身體,到底是生了什麼病啊。
 しかし、この世界の医者に診てもらえるほど裕福じゃないし、家庭の病気百科みたいな本があるはずもないので、すぐに調べることはできないだろう。
 可是,沒有給這個世界的醫生看診的富裕,由於像是家庭疾病百科的書本應該也不會有,所以無法馬上去調查的吧。

 ……意識を集中して小さくしようと思えば、段々小さくなっていくから、しばらくは様子見かな?
 ……因為想到將意識集中就會縮小,就漸漸變小了起來,暫時看看情況吧?


 熱との付き合い方を考えながら二日たった夕方、ルッツは本当に竹を竹簡にするのにちょうどいい大きさに切って持ってきてくれた。 表面の皮も削り取られていて、すぐにでも書ける状態になっている。
 一邊思考著應付熱的方法一邊經過了兩天的傍晚,路茲真的帶了砍成適當大小作為竹簡的竹子過來了。 表面的皮也被削掉了,變成了馬上就能書寫的狀態。

「熱が下がるまでは絶対に触るなよ。いいな? この約束は破ったら、これから手伝わないからな」
「直到退燒為止絕對不能碰唷。可以嗎? 因為打破這個約定的話,以後就不會幫忙了喔」
「うん。ありがと、ルッツ」
「嗯。謝謝你,路茲」

 一本だけ手に握って、それ以外は母に頼んで、物置に置いてもらった。
 只將一片握在手中,其他都託給了母親,請放到儲藏室。
 まだベッドから出られないけれど、完全に熱が下がったら、これに文字を書いていって、完成させるんだ。
 雖然說還不能下床,但完全退燒的話,在這個上面寫上文字,就能完成了。
 まずは元気にならないと。
 首先不變得有精神的話。

 ルッツが持ってきてくれた竹を握ったまま、うとうとと瞼が下がってくる。このまま眠ろうと意識が途切れかけた時、パパパパン! とけたたましい音が響いた。
 握著路茲給帶過來的竹子那樣,要睡不睡地眼皮掉了下去。就這樣睡著後而意識中斷時,隨著啪啪啪磅! 的嘈雜聲響起。

「きゃあっ!?」
「呀啊!?」
「な、何っ!? 何があったの!?」
「什、什麼!? 發生什麼事了!?」

 台所の方から、パパン! パパパン! と断続的に何かが爆ぜるような音が続いている。
 從廚房的方向,伴隨啪磅! 啪啪磅! 斷斷續續地像是有什麼炸裂般的聲音持續著。
 顔を引きつらせた母が寝室に飛び込んできた。
 顏面痙攣的母親飛奔進了臥室。

「マイン! ルッツは何を持ってきたの!?」
「瑪茵! 路茲拿了什麼過來!?」
「……竹、だけど?」
「……只是,竹子啊?」
「まぁっ! 紛らわしい! マインの代わりに薪を集めてきてくれたんじゃなかったのね!?」
「夠了! 會混淆的! 不是去代替瑪茵收集木柴過來的嗎!?」

 母の言葉で破裂音の原因を理解した。薪として竹を焼いたらしい。わたしが知っている竹より、ずいぶんと勢いよく爆ぜている気がするけれど、世界差だろうか。
 因母親的話理解了爆裂聲的原因。似乎將竹子當作木柴燒掉了。雖然說比起我所知道的竹子,感覺還更相當有氣勢地炸裂著,是世界差異嗎。

「もしかして、表面が削られていたから、薪と間違えたの?……あれ? 木と竹って、見てもわからないものなの?」
「莫非是,因為表面被削過了,與木柴搞錯了嗎?……奇怪? 木頭跟竹子,是看不出來的東西嗎?」
「竹とバニヒツの木は繊維がよく似ていているでしょ?」
「竹子與巴尼希芷的木頭纖維非常相似的不是嗎?」
「わたし、その木、見たことないからわからないんだけど……」
「我、因為,沒見過那個木頭所以不知道呢……」

 名前を上げられてもわからない。少なくともわたしが森に行った時に、竹やそれに似た木を見たことはない。
 就算被提出了名字也不知道。至少在我去森林的時候,沒見過竹子或跟那個相似的木頭。

「何言ってるの? 冬の手仕事でトゥーリが籠を作るために使っていた木よ。マインも籠を作っていたじゃない」
「妳在說什麼呢? 在冬天的手工上圖麗為了製做籃子所使用的木頭喔。瑪茵不是也做過籃子嗎」
「あ、思い出した。確かに皮を剥いちゃうと紛らわしいね」
「啊,想起來了。確實剝下皮後會搞混呢」

 トゥーリが手仕事の準備をしているのを見たから、知っている。皮が付いている時は普通の木に見えるのに、皮をむくと竹のように見える木だった。
 因為看圖麗做過手工的準備,所以知道。明明皮還在的時候看起來像普通的木頭,剝下皮後看起來像竹子的木頭。

「とにかく、危険だから、竹は家の中に持ち込まないで。わかったわね?」
「反正,因為很危險,不要把竹子帶進家裡面。知道了嗎?」
「……はぁい」
「……是」

 竹も禁止されちゃったよ。
 竹子也被禁止了唷。
 うん、竹が爆ぜた時から、こうなる気がしてた。
 嗯,從竹子炸裂時,就感覺會變這樣了。
 せっかく頑張ってくれたのに、ごめん、ルッツ。
 明明好不容易努力了,抱歉,路茲。

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できあがったのはインクからはちょっと遠い物でした。
完成了的是離墨水還稍微遙遠的東西。

次回はちょっと息抜きというか、本筋とはあまり関係がない料理の話です。
下回是所謂的稍微喘口氣嗎,是與正題不太有關係的料理故事。
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