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第一部士兵的女兒 閒話 我的救世主

作者:SPT草包│2016-11-28 16:47:28│贊助:2│人氣:233
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 閑話 オレの救世主
第一部士兵的女兒 閒話 我的救世主
原文連結

 オレはルッツ、5歳。
 我是路茲,5歲。
ザシャ、ジーク、ラルフという三人の兄がいて、オレは末っ子だ。
有著名為扎夏、吉克、拉魯夫的哥哥三人,我是最小的。

 今日は朝起きると、板戸の間から貧しい太陽の光がちらちらと見えていた。吹雪が数日続いた後で、久し振りの太陽に大きく目を見張る。
 今天早上起來時,從木板窗之間隱隱約約看得見貧弱的太陽光。在暴風雪持續了數天之後,對久違的太陽大大地張大了眼睛。

 晴れた!
 晴天了!

 部屋が冷えるのも気にせずに、思わず板戸を開けて外を見た。雲ひとつない青空が広がっていて、辺り一面の雪景色で、太陽を反射して眩しく街中をきらめかせている。
 房間變冷也毫不在意,不假思索地打開木板窗看著外面。沒有一片雲的藍天擴大開來,因為附近一片的雪景,讓反射著太陽耀眼的整座城市光彩奪目。

「すげぇ」
「好厲害」

 こういう晴れ間は非常に少ないので、大人も子供も一斉に森に出ていく。乗り遅れたら大変だ。オレは窓を閉めて、台所へ駆けだした。
 由於這種晴空非常稀少,大人與小孩都一齊往森林離去。趕不上的話就糟糕了。我關上窗戶,向廚房跑了起來。

「ルッツ、急げよ」
「路茲,快點喔」
「うん」
「好」

 ラルフ兄が食べ終わって、バタバタと準備を始める。オレも固い黒パンを温めた牛乳でふやかして食べるとすぐに身支度した。
 拉魯夫哥吃完了,開始慌忙雜亂地準備。我也將堅硬的黑麵包用溫牛奶泡軟吃掉後馬上動身準備。
 今日は絶好の採取日だ。雪の中でしか採れないパルゥを採るために、街中の人が森に向かう。少しでも多くのパルゥを採るためには負けられない。
 今天是絕妙的採集日。為了採摘只能在雪中採集的葩乳,整座城市的人都向著森林。為了採集盡可能多的葩乳我是不會輸的。
 一年間通して考えても、確実に手に入る甘味はそれほど多くないのだから、一個でも多く手に入れたいと誰もが考えている。
 因為就算經過一整年的考慮,能確實地入手的甜味並沒有那麼多。想要多得到一個也好是誰都在考慮的。

 今日はラルフ兄だけじゃなくて、普段は仕事の見習いをしているザシャ兄とジーク兄も一緒に森へ行く。4人で採れば、きっといっぱい採れるに違いない。
 今天不只有拉魯夫哥,平常在做著工作實習的扎夏哥與吉克哥也一起前往森林,4個人採集的話,一定能採得滿滿的不會錯的。
 オレ達は籠や荷物を背負って、駆けだした。
 我們背起籃子與行李,跑了起來。
 階段を駆け下りて、外に出ると、井戸のところにいた母さんがオレ達に気付いて手を振った。
 跑下樓梯,去到外面時,在水井那邊的媽媽注意到了我們揮著手。

「今から森? 気を付けて! できるだけいっぱい採ってくるんだよ!」
「現在開始去森林? 小心點! 盡可能地採得滿滿的回來唷!」
「わかってる!」
「我們知道了!」
「任せとけ!」
「交給我們吧!」

 母さんは外に行くといつだってご近所さんと情報交換という名の井戸端会議をしているけど、こんな寒い雪の中でよく長話ができるよな。ホント感心する。
 雖然媽媽去外面時總是與鄰居開著名為情報交換的水井邊會議,但在這麼寒冷的雪中也能好好地長談,真的很佩服。
 井戸の周りにいる母さんの話し相手の一人にトゥーリとマインの母さんもいた。母さん同士が仲良しなので、オレ達も小さい頃から一緒で結構仲良しなんだ。
 在水井周圍的媽媽的談話對象之一裡圖麗與瑪茵的媽媽也在。由於媽媽彼此很要好,我們從小時候開始也在一起而相當要好。

「トゥーリは父さんと一緒にもう行ったわよ? 急いだら?」
「圖麗已經跟爸爸一起去了唷? 不快點嗎?」

 マインの名前は上がらなかった。多分、マインは家で留守番だ。こういう日に外に出かけるとだいたい寝込む。
 瑪茵的名字沒有被提到。大概,瑪茵留在家裡看家了。在這樣的日子外出的話大致上就臥床了。
 そういえば、豚肉加工の日も去年と同じように、荷車の中で倒れていた。去年は熱があっても連れてこられたらしいけれど、今年は村に着くまでは元気だったらしい。今回も出来たてのソーセージを食い損なうなんて、可哀想だよな。
 這麼說來,豬肉加工日好像也跟去年一樣,在板車裡倒下了。雖然說去年就算發燒也帶了過來,今天似乎直到到村子裡都還很有精神。這次也沒吃到做出來的香腸之類的,好可憐呢。

 マインはちっこくて、ひ弱で、可愛くて、危なっかしくて、同じ年だけど、妹みたいだと思っている。
 瑪茵又嬌小、又瘦弱、又可愛、又危險,雖然說同年,但我認為好像妹妹一樣。
そういえば、冬支度の頃に珍しく草の茎が欲しいなんて言ってたけど、一体何をするつもりなんだろうか。
這麼說來,雖然在過冬準備的時候說了什麼想要稀奇的草莖,到底是打算做什麼呢。

「ジーク! あの木に行け!」
「吉克! 往那棵樹去!」
「わかった!」
「知道了!」

 オレ達が森に着くと、すでにパルゥの争奪戦が始まっていた。雪深くなった森の中、しかもよく晴れた朝のうちでなければ採れない冬の貴重な甘味だ。誰も彼も目の色が変わっている。
 我們到森林時,葩乳的爭奪戰已經開始了。雪變深的森林裡面,而且若不是在晴朗早晨之內就無法採集的冬季的寶貴甜味。不論是誰眼睛都變色了起來。

 ザシャ兄の声にジーク兄が走り出して、木によじ登っていく。残りの三人は、木から少し離れたところで、火の準備を始めた。
 吉克哥因札夏哥的聲音開始跑了起來,在樹上攀爬了起來。剩下的三人,在離樹些許的地方,開始了火的準備。
 雪を掻きわけて、土を露出させ、持ってきた薪に火を付ける。ジーク兄がどの実を採るか決めたのが見えた。
 撥開雪、露出泥土,用帶來的木柴點火。看得見吉克哥決定要摘哪顆果實。

「ルッツ、そろそろ上がって準備しとけ」
「路茲,差不多該上來準備了」
「うん」
「好」

 オレはジーク兄のいる辺りを目がけて、パルゥの木に登り始めた。
 我以吉克哥所在的周邊為目標,開始攀登葩乳樹。
 パルゥは魔木だ。氷と雪でできたような白い木で、枝分かれしているところが多いので、木には登りやすいが、実は木の高いところになる。
 葩乳是魔樹。像是用冰與雪做成的白色樹木,由於分支的地方很多,爬到樹上去很容易,果實是結在樹木的高處。
 普通の木なら、ナイフを使えば実が採れるけれど、パルゥの実はナイフでは採れない。それが厄介なところだ。
 如果是普通的樹,只要使用小刀的話就能採集果實,但葩乳的果實用小刀是無法採摘的。那就是麻煩的地方。

「ルッツ、いいか?」
「路茲,好了嗎?」
「ちょっと、待って」
「稍微、等下」

 ジーク兄の背後について、すばやく手袋を脱ぎ、ジーク兄が握っていた実の付け根に近い枝を掴んだ。
 跟在吉克哥的背後,俐落地脫掉手套,抓住在吉克哥握住的果實蒂頭附近的樹枝。

「ハァ、冷てぇ。後よろしくな。もうちょっとだと思うぜ」
「哈,好冷。之後拜託了呢。我想再一會兒就好了」
「ん、わかった」
「好,我知道了」

 ジーク兄は自分の手袋をはめると、身軽に木を下りていく。
 吉克哥戴上自己的手套時,輕快地翻身下樹去了。
 素手でぎゅっと握っている細い枝は氷のように冷たくて、周りの空気も冷たいので、一気に手の温度が下がっていくのがわかる。
 由於用空手緊緊地握著的細小樹枝像冰一樣冰冷,周遭的空氣也很冷,我知道手的溫度一口氣下降了起來。

 早く落ちろ!
 快點掉下去!

 パルゥの実を採るには枝を温めて柔らかくしなければならない。
 採摘葩乳的果實只能溫熱暖和樹枝才行。
 でも、木の上では絶対に火が使えない。木が持っている魔力で消されてしまうのだ。だから、手袋を脱いで、素手で温めるしかない。
 但是,在樹上絕對不能用火。會被樹木持有的魔力熄滅掉。所以,只能脫掉手套、用空手溫熱它。
 少しずつ枝が手の中で柔らかくなっているのがわかる。けれど、実はまだ落ちない。
 我知道樹枝一點一滴地在手中變得暖和起來。不過,果實還沒掉落。

 まだか? もうちょっとって、どれだけ?
 還沒嗎? 再一會兒,是多久?

 ジンジンと痺れていた手の感覚が段々なくなってきた。交代してほしくて少し首を動かすと自分の乗っている枝がギッとわずかにたわんだ。
 麻麻刺刺地麻痺著漸漸失去了手的感覺。希望交換而稍微轉動著頭時自己所乘坐的樹枝嘰地些微彎曲了。

「ルッツ、交代だ」
「路茲,交換了」
「ザシャ兄、もうちょっとなんだ」
「扎夏哥,再一下下了」
「ラルフ! そろそろ落ちるって!」
「拉魯夫! 差不多就要掉了!」

 ザシャ兄がラルフ兄に声をかけて、枝を手にした瞬間、パルゥの実がブツッと落ちた。ザシャ兄の手がずっと枝を握っていたオレの手よりずっと熱かったんだろう。
 扎夏哥對拉魯夫哥大喊,手抓樹枝的瞬間,葩乳的果實噗滋地掉了。是扎夏哥的手比一直握著樹枝的我的手還熱得多吧。
 オレの顔くらいの大きさの実が真っ直ぐに下へ落ちていく。
 大約我的臉的大小的果實筆直地向下掉落下去。

「早く温めろよ。手ぇ真っ赤だぞ」
「快點溫暖吧。手紅通通的」
「わかってる」
「我知道了」

 ザシャ兄は次の実を探して、枝を移動する。
 扎夏哥尋找下一顆果實,在樹枝間移動著。
 オレもすぐに手袋をはめ直して、落ちないように気を付けながら、木から下りた。
 我也馬上重新戴上手套,一邊注意不要掉下去、一邊從樹上下去。
 そのまますぐに火に駆け寄ると、手袋を脱いで、赤々と燃える焚き火に手をかざして温める。何度も擦って火にかざせば、感覚がなくなっていた指先がジンジンと痛みだしてきた。
 就那樣馬上跑過去火邊時,脫下手套、對著火紅燃燒的火堆烤著手溫熱著。烤著好幾次擦過的火的話,已經沒感覺的手指頭麻麻刺刺地痛了起來。

「投げるぞ! そらっ!」
「要丟了喔! 吼啦!」

 落ちたパルゥの実を拾いに行っていたラルフ兄が大きく振りかぶってパルゥの実を投げてきた。そのままラルフ兄はザシャ兄と交代できるように木を登っていく。
 去撿拾掉落的葩乳的果實的拉魯夫哥大大地舉手過頭把葩乳的果實扔了過來。那就樣拉魯夫哥像是與扎夏哥交換一樣爬起了樹來。
 近くに飛んできた実をジーク兄が拾って籠に入れた。氷の塊のような実は、寒い中にある限り、手荒に扱っても絶対に割れない。
 吉克哥將飛到附近的果實撿起放入籃子裡。像是冰塊的果實,就算在寒冷之中一切、粗暴地對待也絕對不會破裂。

「うおぉ、冷てぇ。ジーク、次行け」
「嗚哇,好冷。吉克,去下個」
「うしっ!」
「好的!」

 ザシャ兄が手を擦りながら戻ってきたので、今度はジーク兄が火にかざしていた手に手袋をはめて、木に向かって駆けていく。
 由於扎夏哥一邊搓著手一邊回來了,這一次是吉克哥烤著火的手戴上了手套,向樹跑了過去。
 パルゥを採るのは、連携が大事で、手が温かい人や交代できる人数が多い方が有利なのだ。
 因為採摘葩乳,協同合作是很重要的,手溫暖的人與能交換的人數多的一方較有利。
 こうして、交代しながら実を5つ採った。
 就這樣,一邊交換著一邊採了5顆果實。

「ちょっと柔らかくなってきた」
「稍微暖和了起來」
「わかった」
「知道了」

 ジーク兄と交代して、6つ目の実がもうじき落ちるというところで、昼を過ぎて森に上から光が差し込み始めた。
 與吉克哥交換,就在第6顆果實馬上就要掉落的那個時點,在過了中午的森林裡從上方開始射入了光芒。
 パルゥの葉がきらきらと宝石のように光を反射し、木が意思を持っているように揺れ出して、シャラシャラという葉擦れの音を響かせる。
 葩乳的葉子反射著閃爍不已的寶石般的光芒,樹木像是持有意思般搖了起來,響起了颯颯作響的葉子摩擦聲。

「やばい! 早く降りろ、ルッツ!」
「糟糕! 快點下來,路茲!」

 兄達の叫ぶ声が聞こえた瞬間、足元の枝が大きく揺れた。少しばかり身を乗り出すようにして、枝をつかんでいたオレは体勢を崩して、枝にしがみついたまま宙づりになった。
 聽到哥哥們叫喊聲的瞬間,腳下的樹枝大大地搖晃著。為了盡量挺起身體、而抓著樹枝的我姿態崩垮,就那樣緊緊抱著樹枝變成了懸空。

「うわぁっ!」
「嗚哇!」

 落ちないように、と思わずもう片方の手も伸ばして、枝をつかんだ。
 為了不要掉下去,不假思索地伸出另一邊的手,抓住樹枝。

「ダメだ、ルッツ! 手を離していい! すぐに飛び降りろ!」
「不行呀,路茲! 可以放手了! 馬上跳下來!」

 オレが手を離そうとしたのと、両手でつかんだことで柔らかくなっていた枝がブツッと音を立て切れたのが同時で。
 我打算要放開手的時候與,因用兩隻手抓著而變暖活的樹枝發出噗滋的聲音斷掉是在同時。
 オレはパルゥの実と一緒に落ちた。
 我與葩乳的果實一起掉落。

「わあぁぁぁっ」
「哇啊啊啊啊」

 下がふかふかの雪だったのと、一度ぶら下がった状態になってから手を離したことで、頭から落ちることもなく、特に怪我はしなかった。
 跌到鬆鬆軟軟的雪上時,因為是從一度垂盪的狀態下放開手的,而不是從頭頂掉落,沒有特別受傷。
 オレが飛び降りたのと同じくらいに、あちらこちらのパルゥの木から次々と人が飛び降りてくる。
 大概是與我跳下來一樣,到處都有人從葩乳樹上不斷地跳了下來。

 採集の時間は終わりだ。
 採集的時間結束了。

 シャラシャラと葉擦れの音を響かせて、キラキラと光を反射しながら、自ら光を求めるようにパルゥの木がぐんぐん高く伸びていく。
 一邊響起颯颯作響的葉子摩擦聲、反射著閃爍不已的光芒,一邊像是親自尋求光芒般的葩乳樹勢如破竹地持續伸向高空。
 森で一番高くなり、たくさん茂った木の上に伸びると、まるで女の人が頭を振って髪をゆするように、風もないのに木が枝を揺らした。揺らされて光が当たった枝からは、採りきれなかった実が四方八方へ飛んでいくのだ。
 在森林裡成為最高的,在眾多茂密樹木之上伸展時,簡直就像女人甩著頭搖著頭髮般,明明沒有風樹木卻在搖擺著樹枝。從被搖晃的光照到的樹枝上,沒採摘到的果實向四面八方飛了出去。

 全部の実が飛んでいくと、パルゥの木は溶けるように小さくなって、あっという間に消えてしまう。
 全部的果實飛了出去時,葩乳樹像是融化般變小了,一眨眼就消失了。
 これが森の他の木とは違う、冬の晴れ間にしか現れない魔木パルゥだ。
 這個與森林其他的樹不一樣,是只在冬季的晴空時出現的魔樹葩乳。

「終わったな」
「結束了呢」
「帰るか」
「要回去嗎」

 みんなそれぞれ採れたパルゥを抱えて家に帰っていく。昼からはどの家でもパルゥの処理をすることになる。この処理が重労働であり、お楽しみでもある。
 大家抱著各自採摘的葩乳回家去了。變成從白天開始哪戶人家都在處理著葩乳。這個處理算是體力勞動,也很享受。

「とりあえず、一人一個ずつな」
「總之,一人平分一個吧」

 木になっていた時はオレの顔くらいの大きさがあったパルゥの実も、家の中に入ったころから周りの皮が溶けはじめ、少し小さく丸くなっていた。
 變成樹的時候有著大概我臉大小的葩乳的果實,自從進入家裡面的時候周圍的皮就開始融化了,變成了有點小的圓形。

「器の準備できてるか?」
「能準備容器嗎?」
「うん!」
「嗯!」

 細い枯れ枝に暖炉の火を付けて、パルゥにツンと押しつける。すると、その部分だけ、プチッと皮が破れて、中からとろりとした白い果汁が溢れてくるのだ。
 在細細的枯枝上點上壁爐的火,對著葩乳滋地壓下去。於是,只有那部分,噗嘰地皮破了,從裡面作為黏滑的白色果汁溢了上來。
 ふわっと家中に甘い匂いが漂い、オレはごくりと唾を飲み込みながら、甘い匂いがする果汁をこぼさないように器に取っていく。
 輕飄飄地在家裡面飄散著香甜的氣味,我一邊咕嚕地吞下口水,一邊為了不讓有著香味氣味的果汁灑出而拿起了容器。
 この果汁が貴重な甘味だ。一気飲みしたい誘惑にかられながらも、必死に唾を呑みこんで、大事に大事に食べると決めている。
 這個果汁是寶貴的甘甜味。一邊驅趕想要一口氣喝下的誘惑,一邊死命地吞嚥口水,已經決定要慎重地慎重地吃掉。

 中の汁を採り終わったら、次は実を潰して、油を取る。パルゥの油は食用にも使えるし、ランプのオイルにも使えるので、冬の半ばにはとてもありがたい実だ。
 採完裡面的汁液的話,接下來要砸爛果實,取油。由於葩乳的油能用在食用上,也能用在油燈的油上,在冬季中期是非常值得感激的果實。
 よく絞ってカラカラになった搾りかすは、パサパサしていて、人が食べられるものではないけれど、鶏にとっては栄養豊富な餌になる。卵の味がぐっと変わることからも、それがよくわかった。
 好好擰到變成乾燥不已的果渣,已是乾巴巴的了,雖然說不是給人吃的東西,但對雞來說變成了營養豐富的飼料。從蛋的味道大大地改變了也是,那個是非常明白的。

「すいませーん」
「不好意思」
「おじゃましまーす」
「打擾了」

 そして、今日明日は家に人がたくさんやってくる。パルゥの搾りかすと卵を交換してほしい人がやってくるのだ。
 然後,今天明天家裡來了很多人。希望交換葩乳的果渣與雞蛋而來的人。
 でも、オレとしては、搾りかすばかりあっても、どうしようもない。鶏は喜ぶけど、オレが食べられる卵が減るのを目の前で見ているのはすごく嫌だ。
 但是,對我而言,就算光只有果渣,也不能怎樣。雖然雞很高興,但看著我能吃的蛋在眼前減少是非常討厭的。

 どうせなら、搾りかすじゃなくて、肉でも持ってきてくれよ。卵は一人一個って感じで、絶対に食べられるけど、肉はいつも兄貴達に食べられて、あまり当たらないんだからさ。
 總歸要來,不要是果渣,也帶果肉過來吧。用雞蛋一人一個的感覺,雖然絕對能吃,但果肉總是被哥哥們吃掉,而相當不恰當。

 そう思っていたら、マインとトゥーリもパルゥの搾りかすを持ってきた。麻袋に入っている搾りかすは2個分くらいだろう。
 那麼想著的話,瑪茵與圖麗也拿著葩乳的果渣來了。放進麻袋裡的果渣大概是2個份吧。

「ルッツ、これ、卵と交換してください」
「路茲,這個,請跟雞蛋交換」

 マインに、にこーっと笑って差し出されても、あまり歓迎したい気分じゃない。もちろん、母さんに怒られるから、追い返すなんてできないけれど。
 就算被瑪茵、微微地笑著遞了出來,也不是想要非常歡迎的氣氛。當然,因為會被媽媽罵,也不是能追回來的。

「もう餌は間に合ってるんだよなぁ。それより、肉ないか?」
「煩飼料已經夠多了呢。比起那個,沒果肉嗎?」
「肉?」
「果肉?」
「兄貴達に食われて、オレの分、あんまりないんだ」
「被哥哥們吃掉了,我的份,沒有剩了」

 冬場はみんなが家にいることが多いので、ご飯を取られる確率も高くて、オレはいつだって腹が減っている。トゥーリやマインに言っても仕方がないことだとわかっていても、ついつい口から不満が零れ出た。
 由於冬季大家大多都在家,被拿走飯的機率也很高,我總是餓著肚子。就算知道即使對圖麗或瑪茵說也於事無補,但下意識地從口中洩露了不滿。

 トゥーリは「体格が違うから、取られちゃうんだね」と苦笑して、オレの不満を受け流した。そして、マインは何を考えたのか、バッとオレの目の前に麻袋を付き出して言う。
 圖麗說著「因為體格不一樣,而被拿走了呢」而苦笑著,避開了我的不滿。然後,瑪茵是在考慮什麼呢,啪地在我的眼前將麻袋附上來說著。

「じゃあ、ルッツ。これ、食べたら?」
「那麼,路茲。這個,要吃嗎?」
「鳥の餌なんか食えるか!」
「雞飼料怎麼能吃啊!」

 いつも優しくしてやっているマインに鳥の餌を食えと言われるなんて思わなかった。あまりのショックで反射的に怒鳴ってしまったが、マインはきょとんとした顔で首を傾げた。
 沒想過會被作為總是很溫柔的瑪茵說要吃雞飼料之類的。因太過震驚而反射性地怒吼了,瑪茵用呆滯的表情歪頭不解。

「……料理次第では食べられるよ?」
「……看料理情況就能吃唷?」
「はぁ?」
「啥?」
「完全に絞っちゃうから、食べられなくなるんだよ。実は美味しいんだから、搾りかすだって、ちゃんと料理すれば大丈夫」
「因為完全地擰絞,而變得不能吃了唷。其實是因為很好吃,就連果渣,好好料理的話就不要緊了」

 平然とした顔でマインは言うが、とても信じられなくて、オレは思わずトゥーリを見た。鳥の餌を食べるような奴がいるわけない。
 瑪茵用著坦然的表情說著,非常不可置信,我不由自主地看著圖麗。像在吃雞飼料的傢伙不可能存在。
 しかし、トゥーリは疲れたような笑顔で軽く肩を竦めただけだった。どうやら、マインは本当にパルゥの実を食べたらしい。
 可是,圖麗只是用疲憊般的笑容輕輕地聳了聳肩。看樣子,瑪茵似乎真的吃了葩乳的果實。

「おまっ! なんてもったいないことするんだよ! パルゥの実を食べて終わるより、果汁と油と鳥の餌に分けて使う方がいいだろ!? 普通は実を食べるなんてもったいないことしねぇよ!」
「妳! 怎麼可以做這麼浪費的事情呀! 比起把葩乳的果實吃完,把果汁與油與雞飼料分開來使用才對吧!? 普通才不會做把果實吃掉這麼浪費的事情呀!」

 ちょうど、鳥の餌に困る頃合いなので、特にウチでは実を食べようなんて考える奴はいない。むしろ、あんなに苦労して採る実を有効に使わずに食べるなんて、あり得ない。そんなバカはこの街全体で考えてもマイン以外いないと思う。
 等下,由於正好是因雞飼料而傷腦筋的時刻,特別是在我家沒有會去考慮像是什麼吃果實的傢伙。不如說,不有效使用那樣辛苦採集來的果實而是吃掉什麼的,不可能會有。那樣的笨蛋我認為就算考慮這座城市的全體人員除了瑪茵以外都不會有。

「えぇと、鳥の餌にするならそれでいいけど、鳥の餌はもう充分なんでしょ? だったら、人間のお腹が膨れることに使った方いいじゃない」
「那個,雖然如果當作雞飼料那樣就好,但雞飼料已經足夠了對吧? 這樣的話,用來讓人類的肚子飽飽的不也很好嗎」
「だから、パサパサして人が食えるようなもんじゃねぇって、言ってんだろ!」
「所以說,乾巴巴的不像是人可以吃的東西了,說過的吧!」
「ぎっちり絞って油をできるだけ多く搾ろうとしたから、人には食べられないものになったんだよ。ちょっと手間かけたら、ちゃんと食べられるって」
「因為扎實地擰絞是為了得到盡可能多的油,而變成不能被人吃的東西唷。稍微花點工夫的話,就能好好的吃了」
「マイン、あのなぁ……」
「瑪茵,我說呀……」

 笑顔で信じられないことを言うマインに、力が抜けていく。
 對用著笑容說著不可置信的事情的瑪茵,我感到虛脫。
 何だろう。この、何を言っても説得できないんだって感じの無力感というか、敗北感?
 是什麼呢。這種,就算說什麼都說服不了而感到的無力感該怎麼說,敗北感嗎?

「あのね、ルッツ」
「那個呢,路茲」

 マインの姉であるトゥーリが小さく口を開いた。
 做為瑪茵姊姊的存在的圖麗小小地開口了。
 血縁者ならマインに「鳥の餌は人間の食べ物じゃない」と言い聞かせることができる、と期待を込めて振り返ると、トゥーリは力なく項垂れていた。
 如果是血緣者就能對瑪茵說「雞飼料才不是人類的食物」,而灌入期待回頭時,圖麗無力地低著頭。

「信じられないかもしれないけど、ホントに食べられたんだよ。……おいしかったことにショック受けちゃったよ、わたし」
「雖然很有可能不可置信,但真的能吃唷。……好吃到受到了衝擊唷,我」

 え? マジで?
 哎? 真的?
 鳥の餌、食べさせられちゃったのか、トゥーリ!?
 雞飼料,是被迫吃的嗎,圖麗!?

 マインはどうやら自分の家族で既に実践済みだったようだ。なるほど、自分の意見に自信を持っているわけだ。
 瑪茵看來好像已經對自己的家人實踐完畢了。原來如此,所以才會對自己的意見抱有自信。

「やってみた方が早いかな? ルッツ、パルゥの果汁、まだ残ってる?」
「要早點嘗試看看嗎? 路茲,葩乳的果汁,還有剩嗎?」

 そう言いながら、マインは小さい器に自分の持ってきた搾りかすを少しだけ入れた。
 一邊那樣說著,瑪茵一邊將自己帶來的果渣些許放進小小的容器內。
 パサパサした搾りかすに、オレの分の果汁を小さじ2杯くらい加えて混ぜ合わせる。それを一つまみ自分の口に入れて、うんうん、と小さく頷いた。
 對著乾巴巴的果渣,將我的份的果汁大約2小匙加進去混合著。將那個一撮放進了自己的嘴巴裡,嗯嗯、地小小點著頭。

「ルッツ、あーん」
「路茲,啊」

 オレの分の貴重な果汁を使われた上に、鳥の餌を食べさせられるなんて、ひどいと思っていたが、普通にマインが口に入れるのを見て、恐る恐る口を開けた。
 將我的份的寶貴的果汁使用在那上面,還被迫要吃雞飼料什麼的,真是過分的這麼想著,看著瑪茵普通地放進嘴裡,我戰戰競競地張開了嘴。
 マインの指先についた黄色い物が舌の上に乗せられ、口を閉じると甘い味が広がっていく。
 沾在瑪茵指頭上的黃色物體被放置到了舌頭上,閉上嘴巴時甘甜的味道擴散開來。

 果汁をちょっと入れただけで、本当に甘くなって、パサパサした感じがなくなった。
 只因放了一點點果汁,就真的變甜了,乾巴巴的感覺不見了。
 毎年、自分の分に分けられた果汁をちびちびと舐めるように飲んでいるけれど、搾りかすと混ぜたら甘い物がもっと食べられるんじゃないだろうか。
 雖然說每年,將被分為自己份的果汁一點一點地像是舔舐般地喝著,但混著果渣的話甜的東西不就更能吃了嗎。

「ほら、結構甘くておいしいでしょ?」
「你看,相當甘甜又好吃對吧?」

 マインが、うふふん、と得意そうに笑ってそう言うと、今まで胡散臭そうに見ていた兄達が一斉に反応した。
 瑪茵,唔呵呵、地得意般笑著那麼說時,目前為止好像很可疑地看著的哥哥們同時做出反應。

「甘い?」
「很甜?」
「うまい?」
「好吃?」
「マジで? ちょっと貸せよ、ルッツ」
「真的? 稍微借一下喔,路茲」

 兄全員が小さい器に指を突っ込んできた。器を取られないように逃げようにも、体格の違いで逃げるどころか、避けることもできやしない。
 哥哥全體將手指伸進了小容器裡面。為了不被拿走容器而像是在逃跑,但因體格差距而逃不了,也做不到迴避。

「ちょっ、離せ! 持ち上げるな! 弟のものを取るなんて、それでも兄か!?」
「等、放手! 別拿起來! 拿有弟弟的東西什麼的,那樣也算哥哥嗎!?」
「弟のもんはオレのもん」
「弟弟的東西就是我的東西」
「うまい物はみんなで分けろ」
「好吃的東西要跟大家分享」
「よっしゃ! 取れた!」
「好勒! 拿到了!」

 抵抗空しく三人がかりで押さえこまれて、器ごと取られる。三人が次々と指を突っ込んで、あっという間に器が空になってしまった。
 徒勞的抵抗被三個人壓制在地,容器被拿走。三個人不斷地將手指伸進去,轉眼間容器就變空了。

「あぁぁぁ! オレのパルゥが!」
「啊! 我的葩乳啊!」
「うまいな」
「很好吃呢」
「鳥の餌、だよな?」
「是雞飼料、的吧?」

 オレの叫びを完全に無視して味見した兄貴達も、オレと同じように信じられないと言わんばかりに目を見開いて、マインを見る。
 完全無視我的喊叫嚐著味道的哥哥們,就跟我一樣淨說著不敢相信張大了眼睛,看著瑪茵。
 注目されたマインは照れたように頬を掻きながら、信じられないことを言った。
 被注視的瑪茵一邊害羞似地搔著臉頰,一邊說著不可置信的事情。

「ルッツの家でなら、もうちょっとおいしくできるよ?」
「如果在路茲家,可以做得更好吃一點唷?」
「マジで!?」
「真的嗎!?」

 全員が食いつくのも無理はないだろう。全員が食べ盛りの男で、一番上のザシャ兄なんか「いくら食っても足りない」って、いつも言っているのだ。鳥の餌でも、美味しく食べられるなら大歓迎だ。
 全員上鉤也是沒辦法的吧。因為全體都是食慾旺盛的男生,最上位的扎夏哥說「就算吃多少都不夠」,我總是這麼說著。即便是雞飼料,如果美味又能吃當然非常歡迎啊。

「……あ、でも、手伝ってもらわなきゃできないかも。わたし、力も体力もないから」
「……啊,但是,不幫忙的話就做不了了。因為我,力量跟體力都沒有」
「よし、任せろ」
「那好,交給我吧」

 マインに力も体力もないのは、すでにわかりきっていることだ。手伝うだけで甘くておいしい物が食べられるなら、オレは全力で手伝う。
 對於瑪茵力量與體力都沒有,已經是顯而易見的事情了。如果只是幫忙就能吃到香甜的好吃的東西,我會盡全力幫忙的。

「ルッツに一人占めはさせねぇよ? オレも手伝うからな、マイン。ルッツより力も体力もあるぜ」
「不要讓路茲一個人獨佔喔? 我也會幫忙的,瑪茵。比起路茲我更有力量跟體力呢」
「そうそう」
「沒錯沒錯」

 いきなり兄達が協力的になった。オレの出番がなくなるんじゃないかと心配したが、マインは「やったー」と大喜びしながら、全員に役割を与えていく。
 突然哥哥們合作了起來。我擔心起會不會變成沒有我的出場機會了,瑪茵一邊很高興地說「太好了」,一邊給全員分配角色。

「えーとね、お兄ちゃん達は焼くための鉄板を準備してほしいの。ルッツは材料の準備で、ラルフが混ぜる係ね。あ、それから、ルッツの果汁ばっかり使うのは可哀想だから、みんなの果汁をちょっとずつ使うよ。はいはい、出して、出して」
「那個呢,希望哥哥們能準備為了煎烤的鐵板。路茲是材料準備,拉魯夫是混合人員呢。啊,還有,因為光使用路茲的果汁就太可憐了,所以要稍微接著使用大家的果汁喔。好了好了,拿出來、拿出來」

 母さんと同じようにパンパンと手を叩きながら兄達を急かす。
 一邊跟媽媽一樣啪啪地拍著手一邊催促著哥哥們。
 全員の果汁を並べさせるマインが天使に見えた。マインの一言がなかったら、絶対にオレの分だけ使われていたはずだ。
 讓全體的果汁並排著的瑪茵看起來就像天使。沒有瑪茵的一句話的話,絕對應該只有我的份被用掉了。

「ルッツ、卵2個と牛乳持ってきて。ラルフはあそこの木べらで、これを混ぜてね」
「路茲,雞蛋兩顆與牛奶拿過來。拉魯夫用那邊的木勺,將這些混合起來吧」

 普段は足手まといにしかならないマインが生き生きとした表情で、次々と指示を出して、みんなを動かしていく。
 通常只會礙手礙腳的瑪茵用著朝氣蓬勃的表情,接連不斷地下達指示,讓大家持續動作。
 ザシャ兄とジーク兄は二人で鉄板を持ってきて、竈で熱し始めた。ラルフ兄は渡された木べらでマインが次々と入れていく材料を混ぜ始める。オレはマインに言われるまま、あっちへこっちへと動きまわり、色々な物を準備させられる。
 扎夏哥與吉克哥兩個人把鐵板拿了過來,在爐灶上開始加熱。拉魯夫哥用被交付的木勺開始將瑪茵不斷放進去的材料混合。我被瑪茵指使著,往那邊往這邊地來回動著,準備起了各式各樣的東西。

「うん、こんなもんでしょ。次は、バターある?」
「嗯,是這樣的吧。下個是,有奶油嗎?」

 オレが差し出したバターをマインは小さいスプーンを使ってすくい取ると、ちょっと高めの椅子に上がって鉄板の上に滑らせる。危なっかしい体勢に全員がハラハラしているなんて、多分気付いていない。
 瑪茵將我遞出的奶油使用小湯匙挖起,並爬上有點高的椅子滑進鐵板上。對那危險的姿勢大家都捏了一把冷汗之類的,大概沒有發覺到。
 マインが鉄板に乗せたバターは、ジュワ~という音と共に溶けて小さくなっていき、いい匂いが鼻をくすぐった。ものすごく腹の減る匂いだ。
 瑪茵盛放在鐵板上的奶油,伴隨名為滋哇的音聲逐漸縮小著,香味挑逗著鼻子。非常讓人飢餓的味道。
 そこに少し大きめの匙でラルフ兄が混ぜていた、どろっとした生地を置いていく。ジュウウゥゥと焼ける音がして、バターの上にパルゥの甘い匂いが加わった。とんでもない匂いの暴力だ。
 拉魯夫哥在那裡用稍大的湯匙混合著,將泥狀的麵糊放上去。發出滋嗚嗚的煎烤聲,在奶油上面加進了葩乳的香甜味。出人意表的氣味暴力啊。
 見た目は母さんがイモをすり下ろして作るパンケーキに似ているが、匂いの甘さが全然違う。
 外觀跟媽媽磨碎馬鈴薯所做的鬆餅很相似,但氣味的香甜完全不一樣。

「こんな感じで、人数分焼いてほしいの」
「照這種感覺,希望按人數份煎烤」

 最初の一つを作って見せた後は、椅子がなくても届く兄達に丸投げして、マインは鉄板を見ながら、指示を出すだけだ。でも、それでいい。
 製作最初一個的演示後,全權交給就算沒有椅子也能搆到的哥哥們,瑪茵只是一邊看著鐵板,一邊做出指示。但是,那樣就好。
 一度見たので、どうすればいいかはわかる。高い椅子の上でふらふらしながら作業されると心臓に悪い。自分達でやった方が危険度が低いので、兄達もすぐにマインの手から調理道具を取り上げた。
 由於看過一次,該怎麼做已經知道了。一邊在高椅子上搖搖晃晃一邊作業著對心臟不好。因為我們自己來做危險度比較低,哥哥們馬上從瑪茵的手上拿走烹調用具。

「こんな風にブツブツが出てきたら大丈夫。そろそろひっくり返して」
「像這樣子噗滋噗滋冒出來的話不要緊。差不多該翻面了」
「おぅ」
「喔」

 マインの指示にザシャ兄がヘラでひょいっとひっくり返せば、こんがりといい色になっていた。よだれが垂れそうなくらいうまそうだ。周りからゴクリと唾を呑みこむ音が聞こえる。
 對瑪茵的指示扎夏哥用煎鏟輕巧地翻面的話,就變成了煎得剛剛好的顏色。口水像是快要滴下來般好像很好吃呢。從周圍可以聽見咕嚕地吞嚥口水的聲音。

「これ、あっちに寄せて。空いたところにもう一枚焼いて」
「這個,靠到那邊去。在空的地方再煎一片」

 ある程度焼けた物はちょっとずつ寄せられて、次のバターと生地が流し込まれていく。マインが「これはもう大丈夫」と言った物から、皿に上げられていく。
 煎到某個程度的東西一點一點的被靠過去,下個奶油與麵糊被倒了下去。因為是瑪茵說「這個已經不要緊了」的東西,而被放到了盤子上。
 最初にできた皿を持って、マインが満面の笑みを浮かべた。
 拿著在最初做好的盤子,瑪茵露出了滿臉的笑容。

「じゃじゃーん!『オカラで簡単ホットケーキ』!」
「鏘鏘!『用豆渣的簡單熱蛋糕』!」

 マインが何か言ったが、よくわからない。どう反応していいかわからず、ちょっと首を傾げた。
 瑪茵說了什麼,我不是很明白。該怎麼反應才好也不知道,稍微疑惑歪著頭。

「……え? なんて?」
「……哎? 那啥?」
「あ~……簡単パルゥケーキのできあがり~」
「啊~……簡單葩乳蛋糕完成了~」

 失敗した、と言うように、ちょっとだけ気まずそうな顔をした後、マインが言い直す。
 像是在說、失敗了,做出只有一點點尷尬的表情後,瑪茵重說了一遍。
 テーブルに並べられたパルゥケーキからは、ほこほことした湯気が出ていて、すぐにでもかぶりつきたい。
 從被排列在桌子上的葩乳蛋糕,散發出熱呼呼的熱氣,好想馬上就咬上一口。

「熱いから気を付けてね。どうぞ、召し上がれ~」
「因為很燙要小心呢。請吧,請享用~」

 一口食べて、ゆっくりと噛みしめる。パルゥケーキはビックリするほどおいしかった。ふわふわしていて、鳥の餌のようなパサパサ感は全くない。いものケーキと違って、ジャムも何も乗せなくても、十分に甘い。
 吃下一口,慢慢地咀嚼著。葩乳蛋糕是讓人震驚般的好吃。膨膨鬆鬆的,完全沒有雞飼料般乾巴巴的感覺。與馬鈴薯蛋糕不一樣,就算沒有加上果醬或其他,也十分的香甜。
 しかも、一人に一枚ずつ皿にのせられるから兄貴達に取られる心配もない!
 而且,因為被盛到一人一個的盤子上也不用擔心被哥哥們拿走!

「ねぇ、ルッツ。これなら簡単だし、結構お腹いっぱいにならない?」
「喂,路茲。若是這樣很簡單的吧,不是相當能填飽肚子嗎?」
「なった。マイン、お前、すごいな」
「飽了。瑪茵,妳,好厲害呢」

 卵と交換してほしい人が次々に持ってくるから、パルゥの搾りかすは大量にあるし、ウチの鶏が産むんだから、卵だっていつでもある。牛乳も卵と交換しているから、大体あるので、パルゥケーキは冬の間いつでも作れるってことだ。
 因為想要跟雞蛋交換的人不斷地帶過來,葩乳的果渣有很大量,因為我家的雞會生產,就連雞蛋也隨時都有。因為牛奶也可以跟雞蛋交換,大致上是有的,葩乳蛋糕是冬季期間隨時都能做到的呀。

「パルゥの搾りかすを使った料理は、他にも思いつくのがあるけど、わたし、力ないから作れないんだよね」
「使用葩乳的果渣的料理,雖然也有想到其他的,但我,沒有力量做不了呢」
「マインがやり方教えてくれたら、オレが代わりに作ってやるよ」
「瑪茵告訴做法的話,我會代替妳去做的喔」

 この一件により、マインの指示通り動いたら、おいしい物が食べられると刷り込まれてしまった。
 比起這一件,被印上了依照瑪茵的指示動作的話,就能吃到好吃的東西。
 晴れ間が来て、パルゥが採れる度に新しくておいしい料理を教えてくれるようになったマインのおかげで、この冬はオレが腹を減らすことは少なくなった。
 托變成像是在每次晴空來到、採摘葩乳時要教授新的好吃的料理的瑪茵的福,這個冬天我餓肚子的情況減少了。

 マインはオレの救世主だ。
 瑪茵是我的救世主啊。
 だから、オレが力も体力もないマインを手伝って、役に立ってやる。
 所以,我會幫忙力量跟體力都沒有的瑪茵,會派得上用場的。

 の刷り込みがオレの一生を左右することになるなんて、パルゥケーキの幸せに浸る今のオレには気付くこともできなかった。
 這個銘印會變成左右我一生的事情什麼的,對沉浸在葩乳蛋糕幸福裡此刻的我來說完全沒發覺。

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ルッツ視点の冬の生活です。
路茲視點的冬季生活。
実はファンタジーな世界だったとわかっていただけたでしょうか?(笑)
能夠明白其實是幻想世界的嗎?(笑)

お貴族様は魔術を使いますが、貧乏人には使えない世界です。
貴族大人能使用魔術,但貧窮人卻使用不了的世界。
なので、マインが魔術の存在を知って、「え? わたし、実はファンタジーな世界にいる!?」って気付くのは、結構先の話です。
因此,瑪茵知道了魔術的存在,說著「哎? 我,其實是在幻想世界裡!?」而注意到,是相當超前的談話了。
 魔獣も魔木も外に出なきゃ気付きませんからね。
 因為魔獸與魔樹都是外出才能注意到的呢。

 次回はオットーさんのお手伝いをします。
 下回是做歐拓先生的幫手。
 この世界の文字を覚えるために、まずお手伝いを頑張ります。
 為了記住這個世界的文字,首先要努力幫忙工作。
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