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第一部士兵的女兒 紙,不可能得到

作者:SPT草包│2016-11-16 17:28:57│贊助:2│人氣:198
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 紙、入手不可能
第一部士兵的女兒 紙,不可能得到
原文連結

 わたしがラルフの背中にしがみついて、足をブラブラさせているうちに、外壁の門が見えてきた。
 我緊緊抓住拉魯夫的背後,讓腳晃來晃去的時候,看見了外牆的門。
 外壁は街を守るための壁で、間近で見るとかなり高い。日本の建物の2階から3階くらいの高さがあって、厚みもある。外壁の東西南北に門があって、街に入る人をチェックする数人の兵士がいるらしい。
 外牆是為了保護城市的牆壁,在眼前看的話相當地高。有日本建築物2樓到3樓左右的高度,也有厚度。在外牆的東西南北都有門,似乎有數個士兵在確認著進入城市裡人。

 目の前の門は南門で、数人の兵士の姿が見える。その内の一人が父のはずだ。
 眼前的門是南門,看得見數位士兵的身影。那其中的一人應該是父親吧。
 わたしには父がどれだかわからないが、トゥーリにはわかったらしい。包みを抱きしめて、大きく手を振りながら駆けだした。
 我並不知道父親是哪位,圖麗好像知道。抱著包裹、一邊大大地揮著手一邊跑過去。

「父さーん!」
「爸爸!」
「トゥーリ、どうしたんだ!?」
「圖麗,怎麼來了呢!?」
「忘れ物届けに来たの。これ、いるでしょ?」
「拿忘記的東西來的。這個,需要的吧?」

 驚きに目を瞬く父に、トゥーリはニッコリと持っていた包みを手渡した。
 對驚訝地眨著眼睛的父親,圖麗微笑地交出拿著的包裹。
 優しい。優しすぎるよ、トゥーリ。わたしなんて、麗乃だった時の父にそんな優しい言葉かけてあげなかった。今だって、「忘れて行かれると母さんの機嫌が急降下でこっちが迷惑なんだけど? 朝の状態忘れた?」って本心が勝手に出てきそうで困る。
 好溫柔。太溫柔了唷,圖麗。我從來,不曾對還是麗乃時的父親說出那麼溫柔的話。即便是現在,也困擾於就要隨便說出口的真心「雖然忘了就走掉了讓媽媽的情緒急速下降而讓我們這邊很麻煩 但忘記早上的狀況了嗎?」。

「あぁ、助かった。……ぅん? マインを放ってきたのか!?」
「啊,得救了。……嗯? 把瑪茵放在家了嗎!?」

 差し出された包みをホッとしたように受け取った後、父はくっと眉を寄せた。どうやら、愛娘トゥーリの姿しか見えていなかったようで、ラルフ達はもちろん、背負われている愛娘その2にも気付いていないようだ。
 像是放心地收下交出的包裹之後,父親迅速皺起了眉頭。看來,似乎只看得見愛女圖麗的身影,不只拉魯夫他們,似乎也沒注意到被揹著的愛女2呢。
 トゥーリはふるふると首を振りながら、ラルフの方を指差した。
 圖麗一邊左右地搖著頭,一邊手指著拉魯夫的方向。

「ううん、一緒に来てる。ほら、ラルフが背負ってくれたの」
「不是,一起來的。你看,是拉魯夫揹著的」
「え? あ、そうか」
「欸? 啊,是這樣啊」

 目に入っていなかったことがきまり悪く感じるのか、父はわずかに視線をさまよわせながら、ラルフの頭にポンと手を置いた。
 是沒看到而感到彆扭嗎,父親一邊微微地飄忽著視線,一邊砰地將手放在拉魯夫頭上。

「背負ってもらって悪かったな、ラルフ」
「不好意思讓你揹了,拉魯夫」
「森に行くからついでだよ」
「因為要去森林順便的喔」

 わしゃわしゃと父に頭を掻き回されて、迷惑そうな顔をしながら、ラルフはわたしを背中から下ろした。そして、フェイとルッツに持たせていた自分の荷物を手に取る。
 被父親搔來搔去地來回亂抓著頭,一邊做出為難般的表情,拉魯夫一邊將我從背後放下來。然後,拿回斐與路茲拿著的自己的行李。

「ありがと、ラルフ。ルッツとフェイもありがと」
「謝謝,拉魯夫。路茲與斐也謝謝」

 森へ行くために門から出ていくラルフ達を見送って、わたしとトゥーリは門にある待合室へ入れてもらった。
 目送為了去森林而從門出去的拉魯夫他們,我與圖麗被請進了在門裡的等候室。
 外壁は壁の中に六畳くらいの部屋が作れるくらいの厚みがあって、それほど大きくはないが、待合室や宿直室もあるらしい。待合室は、簡素なテーブルと椅子が数脚と戸棚が一つあるだけの部屋だ。
 外牆有著似乎能在牆壁內做成六塊塌塌米大小的房間的厚度,並沒有那麼大,好像有著等候室與值班室。等候室是,只有簡樸的桌子與數張椅子以及一個櫃子的房間。
 まるで外国へ観光に行った時と同じような気分で、きょろきょろしていると、父の同僚の人が水を入れてきてくれる。
 用簡直像是去國外觀光時相同的心情,東張西望起來的時候,父親的同事拿著水走了進來。

「忘れ物を届けてくれるなんて、いい娘さん達ですね」
「拿忘記的東西過來,真是好女兒們呢」

 家から門までは、トゥーリの足で歩いて20分くらいかかるので、水を入れてくれた心遣いがとてもありがたい。
 由於從家裡到門為止,用圖麗的腳走大約要花20分鐘,所以給了水的關懷非常感謝。
 木のコップに入れられた水をクピクピッと一気にあおって、プハーッと大きく息を吐く。
 將放入木杯中的水咕嚕咕嚕地一口氣喝完,噗哈地大大吐了一口氣。

「ハァ。おいしい。生き返るね」
「哈。好喝。復活了呢」
「マインはほとんど自分で歩いてないでしょ?」
「瑪茵幾乎不是自己走的對吧?」

 唇を尖らせたトゥーリの言葉を聞いて、みんなが一斉に笑いだした。
 聽到噘起嘴唇的圖麗的話,大家一起笑了起來。
 むーっと脹れっ面をしてみるが、ラルフに背負われていたわたしの姿を見られているので、反論しようもない。
 試著不爽地鼓起臉,但由於被看見了被拉魯夫揹著的我的身影,也反駁不了。
 わたしがみんなに笑われながらおかわりを飲んでいると、兵士が一人部屋に入ってきた。棚からお道具箱のような木箱を持って、すぐさま部屋を出ていく。
 我一邊被大家笑一邊再喝一杯的時候,一位士兵走進了房間。從架子上拿起像工具箱的木箱,趕緊走出了房間。
 慌ただしい様子に思わず眉を寄せた。
 對那匆忙的樣子不由自主地皺了眉頭。

「父さん、何かあったんじゃない?」
「爸爸,是不是在做些什麼呢?」
「要注意な奴が門に来ただけだろう。そんなに心配することじゃない」
「只是要注意的傢伙到門來了吧。不用那麼樣地擔心」

 パタパタと手を振って父は気にするなと言うが、慌ただしい様子を見ればちょっと心配になる。本当に大丈夫だろうか。
 啪嗒啪嗒地揮揮手父親說不要在意,但看見那匆忙的樣子就變得有點擔心。真的不要緊嗎?

 だって、ここが門で、門番がバタバタするんだよ? 厄介事のフラグっぽくない?
 可是,因為這裡是門,門衛正慌亂著唷? 不是滿滿麻煩事旗幟嗎?

 わたしの心境とは裏腹に、トゥーリは全く危機感なんて感じていない表情で、こてんと首を傾げた。
 與我的心境相反,圖麗用著完全感覺不到什麼危機感的表情,微微地疑惑不解。

「要注意ってどんな人? わたし、見たことある?」
「要注意的是怎樣的人呢? 我,見過嗎?」

 いつも通っている門で門番を慌てさせるような人がトゥーリにはすぐに思い浮かばないらしい。
 在經常往來的門裡讓門衛匆忙起來的人對圖麗來說似乎無法馬上想起來。
 父は無精髭を手の平でジョリジョリと撫でながら、言葉を探す。
 父親一邊用手掌啾哩啾哩地摸著鬍渣,一邊尋找話語。

「あー、どっかで犯罪犯してそうな悪人面とか、逆に、領主に先触れを出した方がいいようなお貴族様とかだ」
「啊,該說是在某處犯過罪般的壞人臉嗎,相反地,也有對領主提出預告好像很好的貴族大人」
「へぇ……」
「哦…」

 悪人面って、人相だけで判断されるらしい。でも、生活環境から考えても、情報伝達が発達しているとも思えないから、犯罪者っぽい人を足止めして調べるのは仕方がないかもしれない。
 壞人臉,好像是只用面貌來判斷。但是,就算從生活環境來考慮,因為不認為信息傳遞發達,禁止犯罪者樣的人外出好來調查是沒辦法的也說不定。

「別の部屋で待ってもらって、街に入れてもいいかどうか、上が判断するんだ」
「把他請到別的房間等候,是不是可以進入城市,交由上面來判斷」

 あぁ。だから、門のところに待合室がいくつかあるのか。納得。
 啊,所以,在門的地方才會有著幾間等候室啊。理解了。
 きっと、お貴族様用の待合室と悪人面の待合室は広さから家具まで色々違うんだろうな。どこの世界も世知辛いものだよね。
 一定,貴族大人們用的等候室與壞人臉的等候室從寬闊到家具都有各式各樣的不同吧。哪邊的世界都是不好過活的呢。

 わたしがそんなことを考えているうちに、若い兵士は木箱と筒のように丸められた物を持ってすぐに戻ってきた。その表情には緊急事態の緊張感など全くない。父の言葉通り、大したことではなかったようだ。
 在我正在思考著那樣的事情的時候,年輕的士兵拿著木箱與圓筒般被弄圓的東西馬上回來了。那個表情上完全沒有緊急事態的緊張感。就像父親說的,好像不是什麼大事。
 そして、手にしていた荷物を左手に父の前に立って、右手の拳で二回左の胸を叩いた。父も立ちあがって姿勢を正して、同じしぐさを返したことから考えると、多分この世界の敬礼だ。
 然後,將拿著的行李換到左手站在父親前面,用右手的拳敲了兩次左胸。從父親也站了起來端正姿勢,回以一樣的動作來考慮,大概是這個世界的敬禮了。

「オットー、報告を頼む」
「歐拓,報告拜託了」

 家では見たことがない父の厳めしい顔に、おぉ、と小さく呟いた。だらだらした姿しか知らないので、とても新鮮だ。きりっとした顔をしていると、結構カッコいい。
 對在家裡沒見過的父親的嚴肅表情,喔,地小小嘟噥著。由於只知道散漫的身影,非常新鮮。做著端正的表情時,相當帥氣。

「ロウィンワルト伯爵が城壁の開門を望んでいます」
「羅溫瓦魯特伯爵期望著城牆的開門」
「割印は?」
「騎縫印呢?」
「確認済みです」
「確認完畢」
「よし、通せ」
「很好,通過」

 オットーはもう一度敬礼をした後、わたしの正面にある椅子に座った。机の上に木箱を置き、もう一つ手に持っていた物を広げた。
 歐拓再敬一次禮後,坐在我正面的椅子上。將木箱放置在桌子上,打開另一隻手拿著的東西。
 滑らかで紙に比べてちょっと厚みがあって、ほんのり匂いもあるそれに、わたしの目が釘付けになる。
 對著光滑而稍微比紙有厚度、有著微微氣味的那個,我的目光釘住了。

 羊皮紙!?
 羊皮紙!?

 本当に羊皮紙かどうかわからないが、動物の皮からできているような材質の紙だ。読めないけれど、この世界の文字がそこに書かれている。
 是不是真的羊皮紙我不知道,像是經由動物的皮而做出來的材質的紙。雖然說不能讀,但這個世界的文字被書寫在那裡。
 目を見開いて凝視するわたしの前で、オットーは道具箱の中からインク壺と葦ペンのような植物のペンを持ってきて、羊皮紙に何か書きこみ始めた。
 在張大眼睛凝視著的我面前,歐拓從工具箱中拿出了墨水瓶與蘆葦筆般植物的筆,開始在羊皮紙上寫進了些什麼。

 ふおおおおおっ! 文字だ! 文字を書ける人がここにいるっ!
 呼喔喔喔喔喔! 文字啊! 會寫文字的人就在這裡!
 この世界で初めての文明人だ。ぜひ、この世界の文字を教えてほしい!
 在這世界上初遇的文明人啊。希望,務必能教我這個世界的文字!

 そう思いながら食い入るようにオットーの手元を見ていると、父が「どうした?」と頭にぽすっと手を置いてきた。
 一邊那樣想一邊深入般地看著歐拓的手邊時,父親說著「怎麼了?」並把手砰地放在我頭上。
 父を見上げて、わたしは羊皮紙と思われる物を指差した。名前を確認しておかなくては次回から尋ねることもできない。
 抬頭看著父親,我指著認為是羊皮紙的東西。不事先確認名字的話就無法從下次開始詢問了。

「父さん、父さん。これ、何?」
「爸爸,爸爸。這個,是什麼?」
「あぁ、羊皮紙だよ。ヤギやヒツジの皮で作った紙」
「啊,羊皮紙喔。用山羊或綿羊的皮做成的紙」
「こっちの黒いのは?」
「這邊黑黑的是?」
「インクとペンだ」
「墨水與筆啊」

 予想通りだ。
 如我所料啊。
 紙とインクが見つかったから、これで無事に本が作れる。
 因為發現了紙與墨水,這樣就能安然製作書本了。
 小躍りして喜びたいのを我慢しながら、わたしはぎゅっと胸の前で手を組んで、父を見上げる。全身全霊を込めたおねだりだ。
 一邊忍耐著想要歡興雀躍,我一邊緊緊地將手交握在胸前,仰望著父親。灌注了全心全意的央求著。

「ねぇ、父さん。これ、ちょ~だい」
「我說,爸爸。給我,這個~」
「駄目だ。子供のおもちゃじゃない」
「不行。這可不是小孩子的玩具」

 この年頃の可愛さを全面に押し出してみたわたしのおねだりはあっさりと却下された。
 試著將這個年紀的可愛全部擠出來的我的央求爽快地被駁回了。
 もちろん、却下されたからといって、そう簡単に諦めるわけがない。スッポンのように食らいつき、熱い餅のように剥がれないと言われたわたしの本に対する粘着力を甘く見てもらっては困る。
 當然,雖說因為被駁回了,但也不打算那麼簡單就放棄。敢小看了被說是像鱉般咬住、像熱年糕般不會剝落的我對書本的黏著力會很困擾的。

「こういうの書きたい。欲しいの。お願い」
「想要這樣寫字。好想要。拜託」
「駄目だ、駄目だっ! だいたいマインは字も知らないだろう?」
「不行,不行! 再說瑪茵也不認識字吧?」

 確かに、字を知らなかったら紙もインクも必要ない。だからこそ、父の言葉はわたしにとっては最大のチャンスになる。
 確實,不知道字的話紙跟墨水都沒必要。正因為如此,父親的話對我來說變成最大的機會。

「じゃあ、覚えるから教えて。覚えたら、これ、ちょうだいね?」
「那麼,我會記住所以教我。記住的話,這個,可以給我嗎?」

 若い下っ端兵士が字を書けるのだから、上司っぽい父だって当然書けるはずだ。
 因為年輕的下屬士兵會寫字,所以算是上司的父親當然應該也會寫的。
 まさか紙の一枚もないウチの中に字が書ける人がいると思わなかったが、これは実に嬉しい誤算だ。父に字を教えてもらえれば、この世界の本を読むのだって夢じゃないかもしれない。
 從來沒想過怎麼可能會在一張紙也沒有的家裡面有著會寫字的人,這實在是令人高興的失算。向父親請教文字的話,就連讀這個世界的書也不是夢了也說不定。

 野望に一歩近付いた気分で、満面の笑みを浮かべていたわたしの近くで「フハッ」と誰かが吹き出した。発生源を探して視線を巡らせると、羊皮紙とインクを巡る親子のやり取りを聞いていたらしいオットーが堪え切れないと言ったように笑いだした。
 在因接近野心一步的心情、而浮現著滿臉笑容的我的附近某人「噗哈」地笑了出來。轉動著尋找發生源的視線時,似乎在聽著圍繞著羊皮紙與墨水的親子互動的歐拓像是完全忍不住地脫口而出的笑了起來。

「ハハハ、『教えて』だって……くくっ、班長は字を書くの、苦手でしたよね?」
「哈哈哈,就算『教我』……咕咕,班長對寫字、很不擅長的對吧?」

 その瞬間、パキンとわたしの野望にひびが入った音がした。ザッと冷水を浴びせられたように笑顔が凍ったのが自分でもわかる。
 那個瞬間,劈哩地在我的野心上發出了細小裂痕的聲音。唰地被潑了冷水般笑容凍結了連我自己都知道。

「え? 父さん、字、書けないの?」
「唉? 爸爸,字、不會寫嗎?」
「多少は読めるし、書ける。書類仕事もあるから、字を読める必要があるが、仕事に関する以上の文字なんて全く必要としていない。余所からやってくる人達の名前を聞いて書くくらいだ」
「多少會讀、寫。因為也有文書工作,有需要會看字,其他跟工作無關的文字完全沒有必要。大概就是聽到從別處過來的人們的名字會寫吧」
「ふーん……」
「呼…嗯……」

 ムッとしたような顔で言い訳をする父を冷めた目で見つめる。
 用冰冷的眼神凝視著用惱怒般的表情解釋的父親。
 つまり、父の識字レベルは日本でいうと、あいうえお表が読めて、クラスのお友達の名前が書けるかな? って、くらいではなかろうか。
 也就是說,父親的識字程度在日本稱之為,被問著能看五十音表,會寫班級朋友們的名字嗎? 般的不算數嗎。
 若そうなオットーに「苦手」って言われるくらいなんだから、お友達の名前も時々間違える小学一年生レベルだ、きっと。
 因為甚至被看來年輕的歐拓說了「不擅長」,所以是朋友們的名字都會時常搞錯的小學一年級生的等級吧,一定是的。
 ぶっちゃけ、使えない。
 坦白說,沒有用。

「こらこら、お父さんをそんな目で見るんじゃないよ」
「我說妳呀,不可以用那種眼神看爸爸唷」

 わたしの中の父の株を落とした元凶であるオットーが気を揉んだような表情で、わたしの態度を咎めた。そして、父を擁護するように兵士の仕事について説明する。
 身為降低我心中父親評價元兇的歐拓用憂慮般的表情,責備著我的態度。然後,維護父親般地說明著有關士兵的工作。

「兵士っていうのは、街の治安維持を仕事としているけど、街の中でお貴族様が係わるような大きい事件があった時に調書を取る時は騎士階級がやってくるし、小さな事件なんて口頭で報告も終わりだからね。文字に触れることも少ないんだよ。人の名前が書ければ、十分さ」
「所謂的士兵,雖然做著維護城市治安的工作,但因為在城市裡發生關係到貴族大人般的大案件時聽取案情紀錄的時候是由騎士階級去做的,所以小事件什麼的用口頭報告就結束了呢。能接觸到文字的東西沒多少唷。會寫人的名字的話,就足夠了」

 オットーの援護に気を取り直したのか、父もぐっと胸を張った。わたしの冷たい視線に意外と傷ついていたらしい。
 是因歐拓的援救而重振精神嗎,父親也使勁地挺起胸膛。好像對我冰冷的視線意外又受到了傷害。

「農民だったら、村長くらいしか字が読めないんだから、父さんは十分すごいんだ」
「若是農民的話,因為除了類似村長以外都不會看字,爸爸已經十分厲害了」
「じゃあ、すごい父さん。これ、欲しいの。ちょ~だい」
「那麼,厲害的爸爸。這個,我想要。給~我」

 すごいなら、可愛い娘に紙の100枚くらいババーンとプレゼントしてほしい。
 如果很厲害,希望能啪啪地給可愛的女兒100張左右的紙當作禮物。
 じっと父の目を見つめながらねだると、怯んだように父が一歩後ろに下がった。
 一邊直直地盯著父親的眼睛一邊央求著時,畏懼似的父親退後了一步。

「……1枚で一月の給料が飛んでいくようなもん、子供にやれるか」
「……一張一個月的薪水就要飛走了的東西,哪能給小孩子啊」

 何ですと!? 一月の給料!? ちょ、羊皮紙、どれだけ高いの!?
 你說什麼!? 一個月的薪水!? 等、羊皮紙,是有多貴啊!?
 そりゃ、確かに子供じゃなくても、ホイホイあげられるようなものじゃないわ。
 是呀,確實就算不是小孩子,似乎也不是那種隨隨便便就能亂給的東西啊。

 家の中に紙がない理由も、街の中で本屋を見かけない理由も、全部同じ。平民に買えるような値段じゃないということだ。
 不論是在家裡沒有紙的理由,還是在城市裡面看不到書店的理由,全部都一樣。是所謂並非是平民買得起般的價錢啊。
 家族がやっと暮らしていけるだけの給料しかもらえないウチで、本を作るために紙が欲しいなんて言っても無駄だ。買ってくれるはずがない。
 在只接受了僅僅能讓家人過活般的薪水的我家,就算說了什麼為了作書而想要紙也是徒勞的。應該不可能買的。

 しょぼーんと肩を落としたわたしの頭をオットーが慰めるようにポンポンと軽く叩いた。
 歐拓安慰似的砰砰地輕敲著失落地垂下肩膀的我的頭。

「そもそも、平民が出入りする店には売ってないよ。紙は貴族や貴族との繋がりが必要な大商人や役人が使う物で、子供が使うようなものじゃないからね。字の勉強がしたいなら、石板を使えば? 昔、俺が使っていたヤツ、あげようか?」
「話說回來,在平民出入的店家是沒在賣的唷。由於紙是貴族或與貴族有聯繫必要的大商人或官吏使用的東西,所以不是小孩子能夠使用的東西呢。如果想要學習文字,那就用石板吧? 以前,我曾用過的東西,妳要嗎?」
「いいんですか!? 嬉しいです!」
「可以嗎!? 我好高興喔!」

 すぐさま頷いて、ありがたく石板を頂く約束をする。せっかくなので、字の勉強もしたいから、オットーをわたしの教師役に任命しておこう。
 趕緊點點頭,做了感謝獲得石板的約定。由於太難得了,也很想要學習文字,就預先將歐拓任命為我的教職員吧。

「ありがとう、オットーさん。ぜひ、わたしに字を教えてください。頼りにしてます」
「謝謝你,歐拓先生。請務必,教導我文字。我拜託你了」

 笑顔でねだるわたしの横で、父がわたしとオットーを見比べて非常に情けない顔をしていたが、見なかったことにしておいた。
 在用著笑臉央求著的我的側邊,父親雖然做出相比我跟歐拓非常可憐兮兮的表情,但先當作沒看見。

 字の練習ができることも、石板をもらえたことも、わたしの心を浮き立たせることだけど、わたしが欲しいのは、本で、必要なのは紙だ。
 不論是可以練習文字,還是獲得石板,雖然都讓我的心興奮難耐,但我想要的是,書本啊,需要的是紙啊。
 だって、石板じゃ保存できない。石板なんて何度も書いては消して使う黒板のようなものだ。字を覚えるための練習ならそれでいいけど、石板は本にはならない。
 因為,石板沒辦法保存。石板這種可以書寫好幾次是像黑板般擦掉使用的東西啊。若是為了記住文字的練習雖然用那個就可以了,但石板不能成為書。

 平民には紙を売ってもくれないなんて計算外にもほどがある。
 存在著不能賣紙給平民之類的計算外的情況。
 紙がないのに、どうやって本を作ればいいというのだろうか。
 沒有紙的話,是說該怎麼製作書本才好呢。
 紙が手に入らないなら、どうする? どうすればいい?
 如果無法得到紙,該怎麼辦? 該怎麼做才好?

 自分で作ればいいじゃない。
 自己做就好了不是嗎。

 本を作る前に、紙を作るところから始めなければならないようだ。しかし、紙を作るのはそう簡単ではないだろう。子供の遊びの延長ではとてもできないと思う。
 在製作書本之前,似乎必須要從製造紙張的地方開始。但是,製造紙張不是那麼簡單的吧。當作小孩子玩耍的延伸我想怎樣也辦不到的。

 うぅ、本までの道のり、遠っ!
 嗚,到書本為止的路程,好遠!

======================================================================
 はい、残念。
 是的,很遺憾。
羊皮紙も高価でした。
羊皮紙也很昂貴。
これから、紙作りに向かって頑張りましょう。
今後,朝紙張製作加油吧。

 次回は、自分で作れる紙について考えます。
 下回,思考著關於能自己製作的紙張。
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