曉之雪月花 葉月・夢語
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「さて、仕合おうか?」 「那麼,比試一下?」 |
剣の道を極めるため、故郷を飛び出したのはもう何年も前のこと。
いくつもの道場を訪ね、師範を打倒し、看板を叩き割り……ただ「最強」の座を追い求め、生きてきた。
追求著劍道的極致,離開故鄉已經不知道是多少年以前的事情了。
造訪無數個道場、打倒師範、破壞招牌……只是追求著「最強」的位子而生存著。
異界「和ノ国」で異能の剣士として畏れられるハヅキ。
八の刀を自由自在に振りこなし、千の敵を瞬く間に斬り伏せ、己の百倍ある背丈の怪物ですら無数の欠片に刻み斬る。
一人歩きした噂は尾ひれはひれで豪華絢爛、いつしか彼女は都で知らぬ者のいない存在となっていた。
異界「和之國」裡有著異能作為劍士令人恐懼的葉月。
自由揮舞著八把刀,千之敵瞬間斬於刀下,將比之百倍高的怪物斬成無數的碎片
一人獨行的傳聞豪華絢爛流傳著,漸漸的不存在不知道她的人了
そんなハヅキにもただ一人、互角と認める存在がいる。
稽古場へ土足で立ち入ったハヅキをたしなめ、道場破りの決闘を正面から受けて立ち、臆すことなく真剣で斬り結んだあの女。
夕闇から暁まで斬り合ってすら決着つかず、二人同時に大の字で倒れ込んだあの日のことを、彼女は今でも強烈に覚えている。
這樣的葉月只承認一人是不相上下的存在
訓誡葉月不脫鞋就進入練習場,正面接受踢館的決鬥,不畏懼認真斬下所結識的那個女人
從黃昏到破曉也無法分出勝負,兩人同時大字倒下的那個日子,她現在也強烈的記得
そう、思えば「ワカ」なる遊びもあの時初めて教わったのだ。
是的,想起來「和歌」的遊戲也是那個時候教的。
「春の夜に 揺れる貴様を 微塵切り! ……いや、何か違うな……?」
「春之夜 搖晃的你 切成碎片! ……不對,哪邊怪怪的……?」
剣の力は互角でも、「ワカ」の技術が追いつくその日は――たぶん、来世になりそうだ。
劍之力是勢均力敵,「和歌」的技術要追上的那個日子――大概,要到來世。