- S(スペリオル)ガンダムは、アナハイム・エレクトロニクス社がΖ計画における究極のガンダムを目指して開発した、第4世代MSに分類される機体である。開発当初のコードネームは「ι(イオタ)ガンダム」。ΖΖガンダムと同時開発とも再設計機ともいわれている。
- SガンダムはMSとしても高性能な機体ではあったが、その開発目標とは、既存のMS・兵器体系を凌駕する複合兵装システムの構築であり、その中核としてGコアおよびMSとしてSガンダムは想定されている。また、Sガンダムは自律制御システムALICEを搭載しており、無人MS構想の試験機としても運用することになっていた。
- Sガンダムは連邦正規軍へと配備される予定だったが、無人MSの普及を恐れた反対派による妨害工作によりALICEの開発は中断に追い込まれ、一度は採用を見送られることになる。だが、その後のティターンズ崩壊時に急遽編成されたα任務部隊への配備が決定し実戦投入された。この時の技術部の報告によれば、ALICEは封印されたことになっていたが、実際には封印は行われなかった。この事実を察知した者は、α任務部隊の中ではストール・マニングスとイートン・ヒースロウのみである。
- ΖΖガンダムが分離・合体機構を備えつつも、あくまで単体のMSとして完結した機体なのに対し、Sガンダムはコア・ブロックを中核とし、複数のオプションを追加することでその機能を特化・拡張させることが可能な、壮大な兵器体系の一端として設計されている。コア・ブロック・システムの採用や、機体を3分割しての独立運用を可能とするシステムなど、ΖΖガンダムと機体構成の面では共通する点があるが、その設計思想は根本的に異なる。
- 設計段階より強化バックパックや増加ブースターを始めとする多様なオプションが用意されており、増加パーツとのマッチングは良好なものとなっている。AパーツおよびBパーツには各々に専用のコクピットが設けられ、分離稼動時に制御ユニットとしてのコア・ブロックを必要とせず、単機の戦闘単位として完結している。
- Sガンダムでは変形システムがΖガンダムから刷新され、巡航形態への変形には強化パーツを用いる方式を採用した。強化パーツを装着した形態はEx-Sガンダムと呼ばれ、巡航形態「Gクルーザー」への変形が可能である。ただし、ノーマル状態でのGクルーザーへの変形はできない。A・Bパーツへの分離は可能だが、基本的に分離形態からの合体は想定していない。また劇中において、戦術決定ディスプレイの優先順位1位に「合体」の文字が表示されたことがあるが、戦闘中の合体はほぼ不可能であるとされている。
- MSモード時には全ての制御系がコクピット・ブロックに集約され、フレームへの接合強度も脱出時ユニット構成が最優先に設定されている。緊急時にはコア・ブロックごと結合状態のまま爆裂ボルトによって射出され、オートで母艦へと帰還する他、大気圏再突入も可能であり、パイロットの生存性が高められている。コア・ブロックの他に、A・Bパーツのコクピットにもパイロットを搭乗させることで、各パイロットによる操縦・火器管制・索敵の役割分担が可能。操縦システムは新開発のアーム・レイカーの導入、およびサポートシステムにより、機体操作が大幅に簡便化されているが、それでも通常のパイロットによる操縦は困難であり、各種兵装はコンピューターの制御によるフルオートマチックに設定されている。状況に応じて、管制システムが最適と判断した兵装がコクピット・ディスプレイに優先順位付きで表示され、視線入力による操作で兵装選択が可能。照準、発射タイミング等、一連の攻撃シークエンスは全て火器管制システムが最適値を算出し、パイロットがただトリガーボタンを押すだけで、標的に対し自動的に砲撃が開始される。
- Sガンダムは機体操作の大部分をコンピューターに一任することで、ニュータイプ専用機にも匹敵する性能を実現している。ΖΖガンダムの場合は、機体性能自体は部分的にはSガンダムをも凌ぐ面を備え、またサイコミュの導入によってニュータイプ対応機を標榜してはいた反面、その機体スペックのみが肥大化しており、機体操作に伴うパイロットへの負荷は全く考慮されておらず、運用に耐えられるパイロットは極めて高度な技量を持った者のみに限られていた。劣悪な操縦性はΖガンダム以来大きく問題視されており、兵器としての運用性を著しく狭める要因となっていた。Sガンダムではこの問題を改善すべく配慮がなされ、サイコミュのようなパイロットの資質に依存したインターフェースを用いることなく、技量の未熟なパイロットであってもベテラン以上の戦闘能力を発揮することが可能となっている。この点でSガンダムは兵器として評価が非常に高く、高性能の管制コンピューターやコア・ブロックの自動脱出システムと併せ、パイロットの安全性を重視した連邦系MSのコンセプトを体現する機体であると言える。
- また、Sガンダムのムーバブルフレームには、MSの骨格としての役割以外の機能をも備わっている。これは、合体・変形機構を有し、また壮大な兵器体系を構築するシステムの、文字通り骨格といえる構造であり、機体の基本コンセプトにとって不可欠な要素である。一般的なMSでは、大きなストレス部位にはモノコック、あるいはセミ・モノコック構造を採用する例が存在するが、Sガンダムの可動部位の大部分はこの多機能なムーバブルフレームによって構成されており、それらは全て実用レベルに達し、ユニット換装や各オプションの装着は、ほぼ無改造で容易に行える。
- しかし、機体システムの複雑化および製造コストの高騰化も極限に達していた。MSとしては高性能だったが、運用性は著しく低下しており、保守的な連邦上層部の評価は芳しいものではなかった。これ以後のアナハイム製ガンダムは、これまで辿ってきた多機能化の流れとは逆行する、シンプルで信頼性の高い機体コンセプトへとシフトしていくことになる。
- Sガンダムは4機が製作され、その内の1機がα任務部隊へ編入された。この他には、ラサ近郊のネパール地区(当時地球連邦軍の本部が置かれていた)に配備されたEx-Sガンダムの存在が知られている。アナハイムでは4機のSガンダムと一部計画を除いたオプションが数セット分製作された。ペーパー・プランも含めた数多くのバリエーションがあり、プラン・ナンバー100番台はノーマル仕様、200番台はExt、300番台がBst、400番台は100 - 300番台のいずれにも属さないプランとされていた。また、1号機はトリコロール塗装が施されα任務部隊に、2号機は青いスプリッター迷彩が施され主に200番台計画の評価試験に、3号機の赤いスプリッター迷彩の機体は300番台の試験に用いられた。4号機については資料が乏しいが、制空迷彩が施されている。
人工知能「ALICE」
- 本機において特筆すべき点は、試験的に人工知能「ALICE(アリス)」が搭載されていることである。MSの無人化のためのテストベッドとして開発されたものの、強化人間の方が安価で効果が高く、また人間のパイロットが無用化することで既得権益を失うことを恐れた連邦軍の一部勢力の圧力などによって、研究は凍結された。開発者のルーツ博士は研究中の爆発事故により殉職しているが、これも反対派の妨害工作が疑われている。
- 「ALICE」とは、「Advanced Logistic&In-consequence Cognizing Equipment = 論理・非論理認識装置」の頭文字をとって名づけられた。
- その名が示すように論理では説明ができない不可思議な感情をパイロットから学習することで、戦闘の状況を自律的に判断する能力を獲得し、最終的には本機の複雑な機体システムを単独で完全に制御する能力を持つよう設計されている。さらには一定レベルの人格すら備えていたが、稼働には大容量のコンピュータシステムが必要であり、機体が分離した状態では機能しない。その教育のため「常識では計り知れない、不条理な男」という基準に選定された男達が集められ「チェシャ猫」のコードネームで呼ばれていた。その一人にミズ・ルーツ博士の息子であり、後の専任パイロットであるリョウ・ルーツがいた。またシン・クリプトら後のFAZZ部隊パイロットも含まれていたが、彼らにはALICEの存在は知らされず、あくまで新型MSのテストパイロットとされていた。
- α任務部隊に実戦配備された機体ではALICEは封印されていたはずだったが、主任技術者キャロルの偽装により実際は稼働しており、しばしば戦闘中にリョウから機体の制御を奪っている。月面でブレイブ・コッドの駆るガンダムMk-Vに勝利し、最終決戦ではゾディ・アックを撃破しているが、この際にA/Bパーツのユニットを失ったことで通常の学習型コンピュータに戻っている。
分離・合体
- 標準形態でコア・ファイター「Gコア」・上半身部「Gアタッカー(Aパーツ)」・下半身部+ビームスマートガン「Gボマー(Bパーツ)」に分離可能。各パーツに搭乗するパイロットを操縦手・砲撃手・索敵手に役割分担することも可能。
- 最終決戦の際には数合わせのために分離した状態で出撃するも、戦闘中に合体するという離れ業をやってのけている。戦闘中の分離は戦闘域からの高速離脱の手段として有りえるが、戦闘中の合体は本来、機体の運用上は想定外の行動であり、シーケンス実行中は全くの無防備となる。この合体も、友軍のΖプラスの犠牲の下に成功したものだった。
武装
有線式の準サイコミュオールレンジ攻撃用兵器。フルオートで制御され、一般人(オールドタイプ)でもオールレンジ攻撃に近い戦法を実現した。その反面、本物のサイコミュ兵器のような複雑な制御はできず、2次元的な挙動が限界である。また、この頭部インコム搭載ビーム砲は出力が低く致命的なダメージを与えるには至らないが、オールレンジ攻撃による敵の意表を突ける点では効果が高い。
エネルギーCAP式の大口径ビーム砲。ムーバブル・フレームによってバックパックと接続されており、砲身はある程度の自由度を持つ。比較的コスト・パフォーマンスが高く、同武装がFAZZにも搭載されている。ただしSガンダムのものはFAZZと異なり、照準はコンピュータが行うため、命中精度が大幅に向上している。発電衛星を攻撃する際に使用され、標的を破壊した。
Ex-S/Bst形態では背部増加ブースターユニットのマウントに計4基装着される。Bst形態ではさらに脚部ブースターユニットも含めて最大8基の装着が可能(ただし一部はビームスマートガンと競合)。
Ζプラスに装備されたものの改良型であり、通常のビームライフルに比べて有効射程・命中精度の点で向上している。このユニット自体が機体本体とムーバブル・フレームで接続されており、射角が広い。
ノーマル形態ではビームスマートガンとの選択装備であり、Bst形態では装着不可のため、基本的にEx-S形態のみの装備となる。
Sガンダムのオプション兵装。大腿部ビームカノンの代わりに右側にスマートガン本体、左側にエネルギー供給ユニットをマウントし、これらを機体の前方で結合して射撃姿勢を取る。メガ・バズーカ・ランチャーほどの威力はないが、小型化されており、取り回しが容易になっている。エネルギーCAPシステムに加え、ムーバブル・フレームを介したMS本体からエネルギーを併用することで、高出力のビームを発射可能。砲身の先端にメガ粒子偏向機が取り付けられているため、発射体勢をとった後でもビームの軌道を変更可能である。高性能ディスク・レドームとセンサーアレイはMS本体のセンサーとリンクしており、長距離からの精密射撃にも優れた性能を発揮する。劇中においては、ゾディ・アックの撃破に成功している。
Ex-S形態では腹部にマウントが増設され、大腿部ビームカノンとの同時装備が可能となる。Bst形態では脚部ブースターユニットのマウントに装着される。また、出力と連射性能を高めた型も存在しており、大型化した砲身の冷却ジャケットが特徴である。
Ex-S形態時のオプション兵装。膝部ニークラッシャーに代わって装着されるユニットに収納されており、有線式のポッドでIフィールドを形成する機能を持つ。自機から射出されたビームをこのIフィールドに反射させることでビームの方向を変え、疑似オールレンジ攻撃を行う。火器管制装置によってフルオートで操作され、ビーム偏向の瞬間のみIフィールドが形成される。直接の攻撃兵器ではないが、敵の意表を突く多彩な戦術が可能となるため、有用な兵器である。機体に搭載された多数のビーム兵装群とこのリフレクターインコムの組み合わせは、コンピューターが最適値を求め、より効果的な攻撃を行うことが可能である。
60mm炸裂弾を使用。牽制用の固定武装である。
テールスタビレーターにバルカンを内蔵したモデル。Gアタッカー形態では機首部分の武装として使用。MS形態では後方警戒用の武装として、背部の目標に対して直接攻撃を行える。
MSの標準的な近接戦闘用の武装。膝部ニークラッシャー(Ex-S形態時はリフレクターインコムユニット)に収納されている。Bst形態は近接戦闘を想定していないため、未装備。
劇中での活躍
メインパイロットは主人公リョウ・ルーツ。α任務部隊の主力として活躍した。封印したはずの「ALICE」が時折発動し、パイロットの操作を受け付けず勝手に敵を撃破する場面もあった。
作中ではペズン攻略戦と大気圏際での最終決戦に際し登場。ペズン攻略戦ではΖプラスやFAZZ他の僚機とともにニューディサイズのMS隊と戦闘。最終決戦ではトッシュ・クレイとファスト・サイドが乗り込んだモビルアーマー (MA) ゾディ・アックとジョッシュ・オフショーが操縦するゼク・ツヴァイ(連載版ではクレイとオフショーの乗るゼク・ツヴァイ2機)と交戦する。
物語終盤、大気圏上層でピンチに陥ったリョウたちを救うべく「ALICE」が覚醒し、彼らを脱出させるために機体を分離、Gコアを強制排除する。その後、「ALICE」の制御により再度合体したA・Bパーツは、地球に降下しながらトッシュ・クレイが乗るシャトル諸共ゾアンを撃破するが、そのまま大気圏に突入し、空力加熱によって燃え尽きたようである。また、そのことによる「ALICE」の復元不能を暗示するような描写がある。なお、Gコアは無事に大気圏に突入し、友軍の回収部隊と合流している。
好作品卻無法動畫化的可憐機之一...
鋼彈世紀也只能參與機體與主角駕駛,要體驗的畫得去玩以前的PS才能體會,那是我哥的年代了吧...(苦笑)現在還是一樣,沒辦法把劇情版權參與在遊戲裡...
有影片可以看來過過癮也好~~