自分自身(じぶんじしん)を信(しん)じる事(こと)を 諦(あきら)めたのはいつだっけ
見上(みあ)げる空(そら)はいつも同(おな)じ コンクリート(こんくりーと)みたいに灰色(はいいろ)さ
高速道路(こうそくどうろ)の端(はし)のほうで 囁(ささや)き声(こえ)が聞(き)こえたよ
何(なん)だっけ 誰(だれ)だっけ 思(おも)い出す前(まえ)に消(き)えていった
あなたがくれた唯一(ゆいいつ)のもの 僕(ぼく)の血(ち)に似(に)た真(ま)っ赤(あか)な色(いろ)
馬鹿(ばか)みたいに 強(つよ)く抱(だ)いて ただの一度(いちど)も離(はな)す事(こと)無(な)く
信(しん)じてくれとは言(い)わないが 僕(ぼく)はあなたを裏切(うらせつ)れやしないよ
崩(くず)れてしまう寸前(すんぜん)で この身(み)を支(ささ)えたその手(て)
何度(なんど)も何度(なんど)も繰(く)り返(かえ)し あなたの名(な)を呼(よ)ぶ朧月夜(おぼろづきよ)
届(とど)かないものほど美(うつく)しい 今頃(いまごろ)はきっと夢(ゆめ)の中(なか)
悲(かな)しい物語(ものがたり)が好(す)きさ 欠(か)けた心(こころ)が動(うご)くから
枯(か)れ果(は)てたはずの涙(なみだ)が 頬(ほほ)を伝(つた)うのが嬉(うれ)しくて
「この世界(せかい)はちょっとしんどい」って 溜(た)め息(いき)とともに吐(は)き出(だ)した
慌(あわ)てて 誤魔化(ごまか)して 疲(つか)れた顔(かお)で微笑(ほほえ)むよ
耳(みみ)を塞(ふさ)いで目(め)を瞑(つぶ)って 歩(ある)けないよと嘆(なげ)いている
当(あ)たり前(まえ)さ 分(わ)かってるよ
温(ぬく)もりをくれたのは誰(だれ)?
信(しん)じてくれとは言(い)わないが 僕(ぼく)は今(いま)でも考(かんが)えているんだ
あの日(ひ)あの時(とき)言(い)えなかった 言葉(ことば)の その続(つづ)きを
寒(さむ)さに震(ふる)えたこの指(ゆび)を 少(すこ)し小(ち)さな手(て)が握(にぎ)りしめた
この想(おも)いだけは離(はな)すものか あの時(とき)と同(おな)じ夢(ゆめ)を見(み)る
愛(あい)される事(こと)が怖(こわ)くなって 逃(に)げ出(だ)したのは いつの頃(ごろ)だろうか
愛(あい)する事(こと)に疲(つか)れ果(は)てて 背(せ)を向(む)けたのはいつだっけ
一(ひと)つ一(ひと)つを拾(ひろ)い集(あつ)め もう一度(いちど)だけ 空(そら)に翳(かざ)すよ
時計(とけい)の針(はり)を巻(ま)き戻(もど)して そこであなたに会(あ)えたら
信(しん)じてくれと言(い)えるだろうか この心(こころ)が今(いま)も震(ふる)えている
たとえ全(すべ)てを受(う)け入(い)れても 過去(かこ)も罪(つみ)も 消(き)えない
それでもあなたを呼(よ)んでいた 星(ほし)一(ひと)つ無(な)い朧月夜(おぼろづきよ)
あなたはきっと知(し)らないでしょう
この痛(いた)みが今(いま)も僕(ぼく)を
支(ささ)えている