建議搭配: くるりんご もしもたったひとつだけ願いが叶うなら
秋の紅花が変幻自在に生き、大嵐で一夜に散り去った。弱々しく見える青蝉が、土を掘り破って空高く鳴いていた。人を呪わば穴二つ。これは、猿蟹合戦みたいなストーリーじゃないけど、優しさとは何なのかを、思い直させることができる。
一
真っ赤に染まった堡塁。屍の山が突然の雷雨で血が滲みだして、折れた兵器が散乱に道側に散っている。末代の皇帝はすでにうつ伏せになってしまい、息を失った。革命の軍隊は、堡塁のロビーに押寄せて、一番前にいるのは将軍のウェルテル。彼は宝剣をカリンに出して、「玉座の横にいる人を殺せ」と催促していた。ちなみに、「カリン」はかりんとうの略称。革命軍の紅一点とすれば、かりんとうという名前は可笑しすぎたから、自分の思想があまりない彼女は、強制的に、その渾名をつけられた。
カリンは汗水を垂らして、剣を抜きだした。玉座の横にいる人がぶるぶる震えなくて、むしろ血相を変えて、瞳に強火が燃えているように、カリンに睨みついていた。「早くしなよ」と群衆の声が沸いていて、彼女に迫った。
「さあ、殺したいなら殺せ!どうせボロボロの身だから、もういらない」橙色の長い髪をしている魔術師は鮮血を吐いてからそう吼えた。
彼女は躊躇うことなく、魔術師の胸にトドメを刺した。その後、脱力のせいでカリンが仰向けに倒れてしまった。死者は、「柚希」という大魔術師で、建国以来の最強の魔力の持ち主とみられている。叛乱罪で死刑の判決を下されたが、執行できる審判官が一人もいなかった。無実の罪で処刑されることは、極まり不義の行為だと、国内の審判官はいざ知らず、国家議員さえもそう考えていた。結局、ウェルテルの扇動で、私刑で終わった。
罪人が討たれた後、この国家の雰囲気は、まるで一種の、奇妙な状態になったようだ。カリンの子どもを除けば、残りの国民は例外なく歓声を上げていた。
二
革命の勝利から数ヶ月後。皇帝の所有物であった西洋風の堡塁が、カリンの私人官邸に改装された。軍隊の支持を得て、初めての女王として即位したカリンは、なんとなく嬉しい顔が見えなかった。将軍のウェルテルには何遍食事に誘われていたが、彼女は依然として彼氏を作る意欲がないらしい。毎日ややこしい法案に向き合って煩わしくて、しかも、献策するとか分担してもらえるパートナーとかもいなくて、このような生活はちっとも楽しみがないはず。それに、王宮の中に、カリンの二人の娘は秘かに、行方不明の父親を捜しているという噂がある。心配事が多すぎて夜中には眠りにくい。
ある日、三人の兵士が、一人の美少年をカリンに献上した。「女王さま、どうか笑い顔を思い出すように」と、ニヤニヤしながら、ひもをその美少年の身体から解いた。カリンは頬が真っ赤になって、「さっさと消えろ」と、こぶしを振りそうに、いたずらをした兵士たちを追い払った。
夜、カリンはそれが気に入らないと言ったが、恥ずかしさを我慢して、その少年と同衾した。始めは、気づかれないように肌を触ってみると、その柔らかさに驚いた。
翌日、二人はデートを始めた。朝は一緒に浜辺の景色を見ながら、クロワッサンにオレンジジュースのコースを楽しんでいる。昼は、膨大な数の国事を済ましてから、大好きなマルゲリータピザと、ハマグリのオニオンスープをシェアする。夜は、大使との晩餐会に出席し、ワルツを踊っている。寝室ではもちろん、少年との交わりは続く。
この国家には不思議なことが多い。例えば、男性でも懐妊ができるとか。女王に愛されている少年は、試験管ベビーの手術を受けてスムーズに身ごもった。カリンは今月の最後の日に、青春時代の出来事を少年に教えた。「私は昔、魔術学院の優等生だったけど、この才能で嫉妬されちゃっていつも淋しかった。でも、ポンずちゃんに出会った。私の雷雲召喚術が失敗したとき、ずっとそばに見ていたポンずちゃんに助けられて、呪文の唱え方を知ってやっと成功した。」
ポンずちゃんは稀にいる「ふたなり」なので、体の秘密を暴かせないように、一人ぼっちにしていた。しかし、カリンとの知り合いで彼は変わった。根気よくカリンに魔術を指導したり、森の中で魔法の薬に使えるキノコを採ったり、意地悪い女の子たちに反撃したりした。
卒業後、二人は1年に1回行われている魔術大会に参加して、コラボ魔法で最優秀賞をもらった。その金色のトロフィーは、今カリンの書斎に保存されている。20歳のころに、ポンずちゃんは、カリンに求婚して、二人は盛大な披露宴を催した。小さなポリスの王子として、彼はカリンを連れて帰省して、素朴な家に住み着いた。心臓の病気で出産しづらいカリンに代わって、ポンずちゃんは妊娠の重責を担いだ。そして、二人の娘に恵まれている。
ところが、国際的なデフレに波及して、国内で大恐慌が起こった。政府は最善策が戦争発動だと打ち合わせて、兵士召集もした。あいにくカリンは心の病気になって、医療費が要って仕事もできなくなった。お金を多めに稼ぐために、そして生業のために、ポンずちゃんは悪者の力になっても、堡塁にいる暴君の国策顧問として一生懸命奉仕していた。しかし、彼が留守中の間に、村民たちはカリンを革命のリーダーに推挙して、彼女に耳元で囁いて、ポンずちゃんは悪魔の化身だとかみたいな、そういう讒言をした。
最初にはカリンは信じていなかったが、夫の名誉を中傷する言葉がどんどん増えてきたから、謹慎に対処せずにいられなくなった。最初から彼は無実だと分かったのに、群衆の声に目がくらんで、本当に大切なものを見えなくなった。そのため、二人の衝突は激しくなったし、離婚までも言い出した。
あの日に、暴れる民衆たちは監獄の檻を破壊して、国会議事堂を占領した。怒りに操られて、革命の軍隊はポンずちゃんの服を剥き落として、裸体で街を回らせた。命からがらのポンずちゃんは魔法を使って逃げたが、最後に捕られて堡塁に護送した。軍隊と一斉に堡塁に入ったのは、悲しくて涙がやまないカリンだった。
「あなたの病気を治したのは、この私だよ!恩返しってそういうことなの?」と、絶望したポンずちゃんは悲痛に言った。
どうしようもなくて、カリンは恐れのあまりに大好きな夫を殺して、自分の命を守った。
その後、ポンずちゃんは魔法の効果で蘇生したが、代償として全部の記憶と魔力を失った。若返りの彼は、カリンの部下に、とある村で見つけられた。
そこまで聞いてくれた少年は、急に激怒して、家を出ようとした。一連の物音で、カリンの娘が寝室に入って様子見をすると、少年はもう倒れていて、真っ赤な血が彼のおまたから流れ出した。
三
少年は無事に出産した。病室で、カリンは諦めずに、彼の右手を掴んで祈っていた。二人の娘は、不安そうに見えた。
「お父さんは目を覚ますの?」
「ねえ、母さん、お父さんは死んじゃうの?」
やっと少年が長い夢から覚めてきた。その両手に包まれたのは、双子の息子と娘。赤ちゃんは穏やかに寝ているから、心配する必要がない。とはいえ、少年は息が弱くて、顔色も悪く見えた。カリンは優しくて、鯛の味噌汁を一口一口に彼の口元まで送ってあげて、それを食べさせた。「ポンずちゃん、ごめんね...どうか許してください」と、カリンは泣き言を言った。
「味噌汁はおいしいから、もう怒っていないよ。でも、誰かのために私を犠牲することは二度とするな」と、小さい声でぼやきを出した。
橘醋
秋天的紅花自由自在的生長著,卻因為暴風雨一夜之間凋零殆盡。看起來很弱小的青蟬,搗破土壤鳴叫的聲音卻能響徹雲霄。如果去害別人,終究也會害了自己。這不是一個像猿蟹大戰的故事,但卻可以讓人重新思索善良是什麼。
一
堡壘內外都染成了一片鮮紅。堆積如山的屍骸因為突如其來的雷雨而滲出鮮血,折損的兵器亂七八糟的散落在路旁。末代皇帝已經趴倒在地上,失去了氣息。革命軍隊衝進城堡大廳,而在最前面帶路的,是維特將軍。他將寶劍交給花林,催促她趕快動手殺了王座旁邊的人。順道一提,「花林」這個名字是從花林糖縮寫來的。作為革命軍中唯一的女英豪,花林糖這個名字毫無威嚴,加上她又沒什麼主見,就被強迫取了這個綽號。
花林滿頭大汗地拔出了劍。站在王座旁邊的那個人並沒有瑟瑟發抖,相反的,對方雷霆大怒,眼睛裡像有熊熊烈火在燒似的,惡狠狠地瞪著花林。「還不快點下手嗎?」群眾的情緒已經沸騰,逼著她做出決定。
「喂,要殺就快點殺啊!反正我的身體已經殘破不堪,也沒有什麼遺憾了!」一頭橘色長髮的魔法師口吐鮮血,朝她大吼大叫。
她沒有猶豫,提起劍向魔法師的心臟刺去,一擊斃命。之後,因為力氣用盡,花林臉部朝上昏倒過去。死者是一個叫「柚希」的大魔法師,其魔力普遍被認為是開國以來最強的。雖然因為叛國罪被判了死刑,卻沒有一個法官敢簽執行令。只憑莫須有的罪名就要將人處死,是極為不仁義的行為,這件事不用說是國內的法官,連國會議員也都這麼想。最後,由於維特在旁的煽動,大家就動用私刑處置了。
大罪犯被打倒後,該國家陷入一種很微妙的氣氛。基本上除了花林的孩子,其他國民都無一例外的歡天喜地。
二
革命勝利後,又過了幾個月。曾經是皇帝財產的城堡,現在被改裝成花林的私人官邸。獲得軍隊支持,以國內第一位女王之姿登基的花林,不知為何一點高興的樣子也看不到。維特將軍不知道邀她去吃飯邀了多少次,但她看起來一點也不想交男朋友。每天被擾人的法案纏身已經夠煩了,而且身邊還沒有可以獻計或是替她分擔工作的搭檔,這種生活怎麼可能有趣。甚至,皇宮中流傳著她的兩個女兒秘密尋找著失蹤的父親的消息。因為煩惱太多,她經常夜不成眠。
有一天,有三個士兵把一個美男子獻給花林。「女王陛下,您好久沒笑了。」他們不懷好意的笑著,把美男子身上的繩索解開。「你們馬上給我滾!」花林老臉通紅,差點要一拳揍上去,氣得把他們趕跑了。
是夜,儘管表面裝作不太滿意,她還是忍著害羞,跟這名美男子同床共枕了。一開始,她輕輕摸了一下他的肌膚,旋即被那柔軟的觸感嚇到。
隔天,兩個人開始約會了。早上他們會一起在海邊欣賞風景,享受牛角麵包搭配柳橙汁。中午忙完繁雜的國事後,就一起吃她最喜歡的瑪格莉特披薩與洋蔥蛤蜊湯。晚上則出席與各國大使的晚餐會,跳華爾滋。當然,到了寢宮,她跟美男子的歡愛還是會繼續。
這個國家充滿了不可思議的事情。例如,男生可以懷孕。女王所愛的這個美男子接受了試管嬰兒手術,成功懷上寶寶。花林選擇在這個月的最後一天,告訴美男子自己年輕時代發生的事。「我以前在魔法學院是資優生,但也因為才能被人忌妒,常常感覺很孤單。但是我遇到了橘醋。有一次我的雷雨雲召喚術失敗的時候,在旁邊一直看著我的橘醋過來幫助了我。我得知了正確的咒語,魔法終於成功了。」
橘醋是非常罕見的雙性個體,為了隱瞞這個秘密,他老是獨來獨往。但是,認識花林後,他改變了。像是他會很有耐心地指導花林魔法,或是跟她到森林裡去採集可以做成魔藥水的菌類,還有教訓那些壞心眼的女孩子。
畢業之後,兩人報名參加魔法大賽,憑藉合作魔法斬獲一等獎,金色獎盃現在還放在花林的書房。在二十歲的時候,橘醋向花林求婚了。兩個人辦了一場極其盛大的喜宴。做為一個小城邦的王子,他帶花林回去鄉下老家,定居在一間樸素的房子裡。花林因為心臟病不能生孩子,於是他代替她承擔懷孕的重責大任,並生了兩個女兒。
可是好景不常,遭受到世界性的通貨緊縮的衝擊,國內發生經濟大蕭條。政府官員一致認為最佳的策略就是發動戰爭,所以開始徵兵。好巧不巧花林患上心病,治療需要花錢而且她又沒辦法工作了。為了增加收入還有維持生計,即使知道是助紂為虐,橘醋還是去當了那個暴君的國策顧問,沒日沒夜地奔波著。然而就在這個時候,趁著橘醋不在家,村民們擁護花林成為革命軍的領袖,在她的耳邊說悄悄話,像是橘醋其實是惡魔的化身之類的。
最一開始花林其實並不相信這些謠言,直到中傷丈夫名譽的人越來越多,她才不得不謹慎處理。她一直都知道橘醋是無辜的,但因為被群眾的聲音蒙蔽了,反而看不到真正重要的事物。因此,兩人的衝突日益升溫,甚至一度鬧到要離婚。
那天,暴動的群眾破壞了監獄的門,佔領了國會。在憤怒的操控下,他們扒光了橘醋的衣服,讓他裸體遊街示眾。橘醋命懸一線的用魔法逃走了,沒想到還是被抓了回來,押解至城堡。跟軍隊一起進入城堡的是一直掉眼淚的花林。
「我把妳的病治好了,結果妳竟然是這樣報答我的?」絕望的橘醋痛心疾首的說。
束手無策的花林選擇親手了結自己最愛的丈夫的生命,以求自保。
那之後橘醋雖然因為魔法的效果復活了,但代價是失去全部的記憶與魔力。變得年輕的他,在某個村子被花林的部下發現了。
聽到這裡,美男子突然怒不可遏,氣得要離家出走。一串吵鬧聲過後,花林的兩個女兒衝進房間查看狀況,結果美男子已經倒地不起,下體流出陣陣鮮血。
三
美男子平安無事的把孩子生下來了。在病房裡,花林沒有放棄,抓著他的右手祈禱。兩個女兒坐立不安。
「爸爸會醒過來嗎?」
「媽媽,爸爸會不會死掉?」
美少年終於從漫長的夢中清醒過來了,懷中抱著一對龍鳳胎。寶寶們睡得很香甜,所以不需要擔心什麼。然而,美男子臉色蒼白,氣息也很微弱。花林很細心的,一口一口地把鯛魚味噌湯送到他嘴邊,餵他喝。「橘醋,我對不起你......請你原諒我好嗎......」花林一邊哭一邊說著。
「看在味噌湯這麼好喝的份上,我已經不生氣了。可是,以後不准再為了別人犧牲我了。」他小小聲地發牢騷道。