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異常発見師サトル ~ Chapter 03:好きという感情は、知られてはいけない

提姆奧瑟 | 2022-06-06 13:37:34 | 巴幣 0 | 人氣 81


青い鳥、それは幸せの象徴。静かでまろやかな青色は、人を落ち着かせる魔法を持ってる
 
だから、青は幸福です。あなたが助けてくれた瞬間、私が初めて見た色は、青です。幸福を、感じました
 
あなたが助けてくれなければ、私はきっと、恐怖の黒い世界で生きねばならないのです
 
あなただからこそ、私は異常に気付く勇気を持ってしまいました。青を求める勇気を持った
 
だけど、青も私のウツです
 
怖いです
 
理想がトワに理想であることが
 
青を求めたいですが、手に入れる勇気はないです
 
結局、私は黒髪の私、ですか
 
Chapter 03
好きという感情は、知られてはいけない
 
「え」
 
ナナコは、俺がティコさんに好かれるのが原因で、ティコさんの髪と目が青染めただと?
 
「確かにティコさんは俺のことが嫌いには見えないんだが、それは好きだといえるの?まだ二回しか会ってないぞ?」
 
「好きというのは」ナナコはなぜか、俺から目を避けて、「仕方ないものなの」
 
「仕方ないもの?意味わからんが」
 
「説明しよう」紀行は突然に立ち上がって、「ティコさんの恋とは一目ぼれというジャンルだ。きっとサトルはなんらかの英雄的な行動を取って、ティコさんを救った。女性はこんなものを信じるさ……特別な運命、出会い。出会いの刺激が足りれば、好きな相手はとても性格的な人物であれば、一目ぼれは不可能ではない……」
 
「……さっき話聞いてまだ恋だとわからないくせによくこんなに分析するねぇ……」空野は顎に手を当ててため息をした
 
「絶対的理性を持つ私だから当然なことさ。その評価、いただこう」
 
「いえ褒めてないから……で、サトル」空野の鋭い目がこちらを睨んでくる「あんたはティコさんのことどう思う」
 
「俺は……突然すぎて現実感がないかな」
 
ナナコが言うのに躊躇うのがわかった気がする。どさくさするわ、急に出会ったばかりの女性に好かれるって……
 
「じゃあサトル、まず、あの子を誘ってみて、デートに」
 
「なっ」
 
デ、デデデデデデート!?まだティコさんの恋についての手がかり未だなんの一つも研究していないのに、なぜ!?いや、こんなかわいい子とデートしたいけど、したいけど……
 
「デートしてみれば、サトルがあの子が好きかどうかがわかる。ナナコちゃんの『気持ちセンサー』の能力により、相当な確率で確認できるよ」
 
「なんで俺の気持ちを……」
 
「これ以上聞くな、やってみて」
 
その目線に射抜かれるように感じる。相手の愚かさをぶっ潰す、王者的な目だ。俺が聞いたら、計画が潰れそうな気がする。まるで空野は、裏で何が起こっているのを知っているようだ
 
空野には逆らうことはできない。命令されるわけでもないのに、俺は心底で「彼女を信じれば、きっとなり遂げる」と思っているから、このリーダーの言うことに従うのが最善策だと思い込んでる
 
「わかった。やるよ。けど、こんなことやって金もらうって、なんか……」
 
「今回の事件はメンバーにかかわっているので取らないほうがいいね、あんたがやるかやらないかはあんたの自由だ。あの子の好意を避けるより、立ち向かえるほうがいいでしょ」
 
「一理ある。普通なデート気分で行こう」
 
こういう成り行きで、俺は六日後の高校二年一学期の十月十一日(土)に、人生の初デートをする予定になった
 
集合地点、灰色町の駅にて
 
一応一番新しいシャツとジーンズを着て来るつもりだけど、出発前うちの姉に見られてダサーいとか言われて、やっぱダメかって服装を変えようとしたが、結局これ以上ダサくない服が見つからないので、あげく最初のつもり通りに
 
「やばい、すごい緊張する……」
 
デートサイトとかアドバイスを探したが、なんかそれらのアドバイスにすごく違和感を感じる。それやったら絶対ぎこちなくてつまらないだろうなと思った、デートした経験ないけど。結局のところ、デートプランを練るのではなくて、俺が一番詳しい場所を案内してあげるという選択肢しかないみたい
 
「お、おまたせしました~」
 
パタパタ走る可愛いらしい水色系の女の子、俺のデート相手、ティコだ。髪がこの前見た写真通り後ろに団子を結んでうなじが見え見え、それにダークブルー系のデコルテと黒いベストの間にちょっと谷間が見える。黄色いショートパンツに赤と黄色が混ぜあうストライプ柄のニーソが足のラインをくっきり表現してて、褐色のサンダルを履いてるのも最高に似合う。
 
あ、カバンとお化粧も可愛いよ、うん
 
まさに俺の性癖にドストライクじゃねぇか!水の妖精がこの世に不幸な男たちを地獄の果てから救うような美しさよ!
 
「好きだ」
 
「え、えぇ!?」俺の素直な感想を聞いたティコさん、なぜか顔真っ赤になって慌てふためく
 
あ、誤解されたみたいだな、これは言い直す必要がある
 
「服、似合うね、俺は好きだ」
 
「あ、ありがとうございます……」
 
礼儀正しく俺の評価を受け取ったらしい、しかしまだ顔が赤いぞ
 
例えこれが好きな証拠なら、こんなに見え見えな子は初めて見た。なんとなく好きだと伝えてるけど、違和感を感じる
 
それはそれとして、今日はティコさんの気持ちではなく、俺の気持ちの方を確かめるのだ。今日のデートを通して、お互いの認識を深めて、結論を出せるかもしれない
 
「じゃあこの周り廻ろうか」
 
「うん」
 
俺が先に行って、ティコさんが俺のうしろについてきて俺と歩いていく。一軒一軒の店を過ぎて、なんの会話も発生していなかった
 
ま、まずい!緊張しててどこへ行けばいいのか、なにを話せばいいのかわからん!
 
ドルルルルルルル!
 
と、緊張してる間に、ティコさんの携帯が鳴ったらしい
 
「あ、ごめん、ちょっと」後ろへ向いて、ティコさんは両手で携帯を持ってごそごそ電話してきた
 
「満里奈?ううん、今灰色町にいる。え、黒ヶ埼市の人々の、髪が染められてる!?」
 
「!?」
 
「え、『教育政策』って……、わかった、ツイッターの動画を見てみるね、またね」電話を切ってから、さっそく友達に言われた動画を探してるようだ
 
何、隣の都市で、つまりティコさんの学校のところ以外でも、パンデミック級の異常が発生しているのか
 
「ちょっと俺にも見せてくれ」俺も見たいから、ティコさんに至近距離まで近づいた。って近づいたらまたティコさん距離引かれたようなので、携帯を少しこっちのほうへ持ってきて……
 
「狩魔さん、その……手……」
 
「あ」
 
俺の手とティコさんの手、同時に携帯を触ってるから、つい重ねてしまった。さすが女の子の手、柔らかくて熱い。
 
「あの、ティコさん嫌なら」
 
「大丈夫です」
 
ティコさんは目線を避けてづつあっても、笑みを浮かべてる
 
「狩魔さんと、一緒に見たい」
 
あああああああ!可愛いなぁ!彼女なら、この子が良い!大変そうな動画を見ようとしてる俺だが、今とても幸せを感じるっ!
 
俺が幸福に浸る中、ティコさんは動画を再生した
 
『ごきげんよう、黒ヶ埼市の市民たちよ。わたくしは良識促進会社「サイキック.コーポレーション」黒ヶ埼市支店の支店長、神定尊也(かみじょうたかなり)と申します』
 
一人サングラスしている男が、穏やかな声でアナウンスしている
 
神定……?この名前、どこかで聞いた気がするが
 
『ただいま、国家命令を受けました。後で経緯を詳しく説明しますが、今はっきりゲームルールを言いましょう。皆さん、一部の人の髪色が変わりましたね。金色、ピンク、七色、なんでもありますね』
 
黒ヶ埼市の街道の映像が動画に映されて、変な髪色してる日本人がたくさん集まってて、とても混乱していた。どうやら髪色が変わった事実は、本人だけでなく、他の人にも確認できるそうだ
 
『これらの黒ヶ埼市の市民たちはね、実はだれかに「恋」しています。好きな相手に告白しないと、永遠にこの変わった髪色で生きなければならなりません』
 
この男、言っていることが大したことないのように聞こえるんだが、俺は彼の言っていることの恐怖をわかっている
 
異常な概念が日常生活に溶け込むというのはどれほど恐ろしいのか、誰よりもわかっているから

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