――皇よ。
幼きその手に託されたのは、幾億の民へとかざされた生の灯火。
――皇。
在那幼小的手託付著幾億人民生命的燈火
――我が主よ。
未だ満足に文字すら読めぬその身には、この世の全てが託されているのです――
――我的主人阿。
至今仍未滿足閱讀文字的那個身體,這世上的所有一切都託付在那了。
ある時には皇の相談役として、ある時には戦地を駆ける刃として、ある時には身を守る盾として。
歴代の皇たちの側には必ず「ザザ」の名を持つ臣下――「皇の剣」が控え、共に皇界を治めてきた。
有時是皇的諮詢員,有時是戰地飛馳的利刃,有時是守護那身之盾。
歷代的皇們的身邊必有「薩扎」之名的臣下――控制著「皇之劍」,共同治理著皇界
テオドールもまた、生まれながらに「皇の剣」としての宿命を背負い、皇宮に仕えてきた者の一人。
文武に類稀なる才を発揮、整った容姿と万人を惹きつけるカリスマを持ち、次代の「剣」として大きく期待されていた。
西奧多也是,生下來便背負著「皇之劍」的宿命,侍奉著皇宮的一人
文武皆是稀世之才能,完美的容貌有著能吸引萬人的魅力,作為下一代的「劍」被給予大大的期待
やがて先代の「剣」が病に伏し、後を継いだ彼が仕えることとなったのは――年端も行かぬ幼き女皇。
燻る動乱の熾、陰謀渦巻く宮廷で、テオドールの主君はただ、無力。
不久,上一代的「劍」因病而離世,在之後他繼承侍奉的那位是――年方幼小的女王
動亂狼煙旺盛,被陰謀所卷入的宮廷,西奧多的主君只有無力感
彼を「テオ」と呼び慕い、無邪気に笑う少女の傍らで。
テオドールは密かに誓うのだった。
對他稱為「西奧」,天真無邪笑著的少女旁邊
西奧多悄悄的立下了誓言
「全てを貴女に捧げよう――死の渇きがこの身を奪う、その日まで」