悪ふざけな創造主(そうぞうしゅ)
序幕(じょまく)(?) の二
何時の間にか、校門はもう目の前だ。
今は登校時間だから、学校前の坂道は多くの生徒達で混んでいた、
不意に、坂道の下から風が吹き上った。
校門の前に、
一人の女の子が俺達を背後にじっと立って、空を見上げている。
長い水色の髪が風と共に靡(なび)いた、繊細で綺麗な手を挙げて、何が掴むかのように空へ伸ばした。
この後姿、俺はよく知っていた、彼女は...
「紅葉――!!」
何故彼女はここにいるのは知らないが、
そんな事はどうでもいいんだ。
俺は彼女のところに走って行き、ぎゅっと抱きついた、
紅葉はきょとんとして振り向いて、びっくりした声で
「ゆうこちゃん、どうしたの?」
「まだ生きているよね、死んだんじゃないよね」
「当たり前じゃないですか、ゆうこちゃん、何があったの?」
「んーん、何も...ん?」
何だ、この違和感。
「あれ、紅葉、背 ちょっと伸びたんじゃない?」
紅葉は戸惑いな顔付きで自分のことを眺めた。
「たぶん...そんなことない...かな、成長期はとっくに過ぎだと思うよ、ゆうこちゃん。」
「そうかな、寝ぼけのせいかもしれない。」
「おはよう~ もみ姉」
「おはよう~ 霞ちゃん」
一緒に登校の霞は俺の横で紅葉と挨拶した。
正確の読み方は あかは ですが、霞はバカですから気にするな。
けどよく見れば、紅葉だけじゃなく、霞もちょっと高くなったみたい、
どういうことだろう...
ん? ゆう´こ´ちゃん?
「紅葉、何で俺はゆう´こ´ちゃんだ?」
「ゆうこちゃんはゆうこちゃんだよ、石丸結子(いしまるゆうこ)ちゃんだよ(ハート)」
「な...」
まだ言い終わらないうちに、新たに風が吹いた、今度の風はさっきより強く、女子生徒達がみんな自分のスカートを押えている。
あれ、何だか、太ももの辺りが涼しい感じがする。
「ゆうこちゃん!スカート!!」
「へっ?」
俺が下を見ると、俺の「スカート」が巻き上った。
「うわぁあああ!!」
俺は急いで自分のスカートを押えて、悲鳴を上げた。
どういうこと?何で俺はスカートをはいている?
何もわからない、突然過ぎで頭がぼっとして、面食らってぼかんとした。
「あの子、すげぇ可愛い~~」
「うちの学校はそんな学生いるだけ?」
「帰国子女(きこくしじょ)なのかな?」
周りが急にざわめいた、俺はすっかり注目株(ちゅうもくかぶ)になった。
けど今はそんなこと気にする暇は無い!
「貸してくれ!」
俺は近くにいる女の子が使っている鏡を取って、自分を映ると、
外国人形みたいの可愛い美少女が鏡の中にいる、キラキラ輝いている金色の長い髪を二つに分けて、胸の前に垂らしていた、身長は霞より少し高い、スタイルは紅葉のようにとってもいいだ。
「............」
思考の歯車(はぐるま)が完全に止まっていて、
俺は手鏡を握ったまま、しばらく動けなかった。
少し時間が経つと、ようやく我に返って、俺は...
「なんじゃこりゃあぁぁああああ!!」
と大きい声で叫んだ。
序幕(?) END